JP4617658B2 - 球帯状シール体及びそれを用いた排気管継手装置 - Google Patents

球帯状シール体及びそれを用いた排気管継手装置 Download PDF

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Description

本発明は、球帯状シール体及びそれを用いた自動車の排気管継手装置に関する。
特公昭58−21144号公報
自動車エンジンの排気ガスは、エンジンから車体フレームなどに配置された排気管に導かれて大気中に排出されるが、この排気管はエンジンのトルク反力及び慣性力などにより操り返し曲げ応力を受ける。とくに前輪駆動横置きエンジン(FF車)の場合は、縦置きエンジンの場合に比較して、この曲げ応力はかなり大きいものとなる。したがって、エンジンの振動が排気管つり架具を伝わって車室内にもたらされたり、あるいは騒音の原因にもなるばかりでなく排気管の疲労折損などの不具合を生じさせる危険もある。このような問題を解決するために、従来、排気管の所定箇所に球面管継手(球帯状シール体)を有した排気管継手装置を配置して応力を吸収させるなどの手段が講じられている(特許文献1)。
斯かる球面管継手は、多くの場合、球帯状シール体の凸球面状の外面で、下流側排気管の端部に固着されたフランジ部材の凹球面状の内面に摺動自在に接触するようにして、その内面で上流側排気管の管端部の外周面に嵌装されて用いられ、フランジ部材の凹球面状の内面に対する球帯状シール体の凸球面状の外面の相対的な摺動で応力を吸収するようにしている。
ところで、前輪駆動横置きエンジン(FF車)では、近年、エンジンの後ろ側に排気管(マニホールド)が設けられるので、マニホールドに接続される排気管には剪断方向(排気管の管軸方向と直交する方向)の力に加えて、とくに捩り方向(排気管の管軸を中心とした回転方向)の力が大きく加わり、この力が排気管継手装置にも入力されることになる。
排気管継手装置に捩り方向の力が大きく加わると、互いに嵌合された球面管継手の内周面と上流側排気管の管端部との間でスティックスリップが生じ、当該スティックスリップに起因する異常音が発生して自動車の運転者、乗客に不快感を与えることになる。
本発明は前記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、マニホールドに接続された排気管に捩り方向及び剪断方向の力が入力された場合においても、スティックスリップ等に起因する異常音を発生させることがなく、運転者に不快感を与えることのない球帯状シール体及びそれを用いた自動車の排気管継手装置を提供することにある。
本発明の第一の態様の球帯状シール体は、円筒内面、部分凸球面状の外面並びに部分凸球面状の外面の大径側及び小径側の環状端面を有したシール本体と、該シール本体の円筒内面に一体的に形成された熱膨張可能な環状の被覆層とを具備している。
第一の態様の球帯状シール体によれば、シール本体の円筒内面には熱膨張可能な環状の被覆層を具備しているため、斯かるシール本体を具備した球帯状シール体を、そのシール本体の円筒内面に一体的に形成された熱膨張可能な環状の被覆層の内周面で上流側排気管の管端部の外周面に嵌合し、そのシール本体の大径側の環状端面で上流側排気管に固着されたフランジに接触させ、そのシール本体の部分凸球面状の外面で下流側排気管に固着されたシール座部材の部分凹球面に摺動自在に接触させ、弾性連結手段により上流側排気管と下流側排気管とを相対角変位自在に互いに弾性的に連結した排気管継手装置に用いると、排気管内を流動する排気ガスの熱により、シール本体の円筒内面に一体的に形成された熱膨張可能な環状の被覆層が上流側排気管の管端部を締め付けるように膨張して該球帯状シール体と上流側排気管の管端部の外周面との一体化が図られ、而して、マニホールドに接続された上流側排気管に捩り方向(回転方向)の力が入力された場合においても、球帯状シール体を上流側排気管の回転と共に確実に回転させることができ、環状の被覆層の内周面と上流側排気管の外周面との間及びシール本体の大径側の環状端面とフランジとの間に摺動を生じることがなく、ここでのスティックスリップ等に起因する異常摩擦音を発生させることがなく、運転者に不快感を与えることのない球帯状シール体とし得る。
本発明において、熱膨張可能な環状の被覆層は、好ましい例ではその第二の態様の球帯状シール体のように、酸処理黒鉛を含んでおり、より好ましい例ではその第三の態様の球帯状シール体のように、膨張処理前の酸処理黒鉛を含んでおり、更に好ましい例ではその第四の態様の球帯状シール体のように、圧縮された膨張処理前の酸処理黒鉛を含んでおり、更により好ましい例ではその第五の態様の球帯状シール体のように、膨張処理前の酸処理黒鉛粉末を圧縮してなる酸処理黒鉛を含んでいる。
本発明において、シール本体は、好ましい例ではその第六の態様の球帯状シール体のように、膨張黒鉛を含んだ耐熱材と、金網からなる補強材とを圧縮成形してなり、ここで、耐熱材が金網からなる補強材の隙間に充填されてなる。
本発明の第一の態様の排気管継手装置は、上流側排気管と、この上流側排気管の端面と隙間を残して相対峙した端面を有した下流側排気管と、上流側排気管の管端部の外周面に固着されたフランジと、下流側排気管の管端部に固着されていると共に部分凹球面を有したシール座部材と、上流側排気管と下流側排気管とを相対角変位自在に互いに弾性的に連結する弾性連結手段と、第一から第六のいずれかの態様の球帯状シール体とを具備しており、ここで、球帯状シール体は、環状の被覆層の内周面で上流側排気管の管端部の外周面に嵌合されていると共にシール本体の大径側の環状端面でフランジに接触され、かつ、シール本体の部分凸球面状の外面でシール座部材の部分凹球面に摺動自在に接触されている。
第一の態様の排気管継手装置によれば、球帯状シール体がシール本体の部分凸球面状の外面で下流側排気管の管端部に固着されたシール座部材の部分凹球面に摺動自在に接触されている結果、上流側排気管及び下流側排気管間に生じる相対角変位は、シール本体の部分凸球面状の外面とシール座部材の部分凹球面との間の摺動で許容される一方、上流側排気管及び下流側排気管間におけるシールは、シール本体の部分凸球面状の外面とシール座部材の部分凹球面との密な接触に加えて、環状の被覆層の内周面と上流側排気管の管端部の外周面との嵌合並びにシール本体の大径側の環状端面とフランジとの接触により行われることになる。
そして、第一の態様の排気管継手装置によれば、排気管内を流動する排気ガスの熱により、シール本体の円筒内面に一体的に形成された熱膨張可能な環状の被覆層が上流側排気管の管端部を締め付けるように膨張し、該球帯状シール体と上流側排気管の管端部の外周面との一体化が図られる結果、マニホールドに接続された上流側排気管に捩り方向(回転方向)の力が入力された場合においても、球帯状シール体を上流側排気管の回転と共に確実に回転させることができ、環状の被覆層の円筒状の内周面と上流側排気管の管端部の外周面との間及びシール本体の大径側の環状端面とフランジとの間に摺動を生じることがなく、ここでのスティックスリップ等に起因する異常摩擦音を発生させることがなく、運転者に不快感を与えることのない排気管継手装置とし得る。
本発明に係る球帯状シール体の製造方法の例を説明する。まず、金属細線を編むことによって形成される筒状金網を用意し、この筒状金網を一対のローラ間に通して帯状金網としたのち、所定の長さに切断し、これを補強材として使用する。耐熱材として、所定の幅及び長さを有すると共に膨張黒鉛からなる膨張黒鉛シートを用意し、この膨張黒鉛シートの一方の端部の表面に、酸処理黒鉛粉末と接着剤、例えばポリビニールアルコール(PVA)とのペースト状混合物を所定の長さ分だけ被覆したのち乾燥して、該酸処理黒鉛粉末からなる被覆形成層を形成する。
本発明において、酸処理黒鉛粉末は、つぎの製造方法で作製されたものが好適に使用される。濃度98%の濃硫酸を攪拌しながら、酸化剤として過酸化水素の60%水溶液の所定量を加えて反応液を作製し、この反応液に鱗片状天然黒鉛粉末を所定量添加し、所定時間反応を行う。反応後、吸引濾過して酸処理黒鉛粉末を分離し、該酸処理黒鉛粉末を水で所定時間攪拌して吸引濾過するという洗浄作業を繰り返し、酸処理黒鉛粉末から硫酸分を充分除去する。ついで、硫酸分を充分除去した酸処理黒鉛粉末を乾燥炉で乾燥し、これを酸処理黒鉛粉末とする。このようにして得た酸処理黒鉛粉末は、熱の影響により黒鉛層間を拡張して膨張する性質を具有している。
帯状金網からなる補強材と膨張黒鉛シートとを重ね合わせると共に該酸処理黒鉛粉末からなる被覆形成層を内側にし、かつ最外周に膨張黒鉛シートが位置するように円筒状に捲回し、筒状母材を作製する。つぎに、内面に円筒壁面と円筒壁面に連なる部分凹球壁面と部分凹球壁面に連なる貫通孔を備え、貫通孔に段付きコアを嵌挿することによって内部に中空円筒部と中空円筒部に連なる球帯状中空部とからなる中空部が形成された金型を用意し、金型の段付きコアに挿入して金型の中空部に位置せしめられた筒状母材を、パンチによりコア軸方向に1〜3トン/cmの圧力で圧縮成形し、これにより、膨張黒鉛からなる耐熱材と金網からなる補強材とが圧縮されて、耐熱材が金網からなる補強材の網目に充填されてなる球帯状シール体を作製する。斯かる球帯状シール体は、円筒内面、部分凸球面状の外面並びに部分凸球面状の小径側及び大径側の環状端面によって画成されているシール本体と、シール本体の円筒内面に一体的に形成されていると共に圧縮された膨張処理前の酸処理黒鉛粉末からなる熱膨張可能な環状の被覆層とを具備している。
本発明によれば、マニホールドに接続された排気管に捩り方向及び剪断方向の力が入力された場合においても、スティックスリップ等に起因する異常音を発生させることがなく、運転者、乗客に不快感を与えることのない球帯状シール体及びそれを用いた自動車の排気管継手装置を提供することができる。
つぎに本発明及びその実施の形態を、図に示す例を参照して更に詳細に説明する。なお、本発明はこの例に何等限定されないのである。
<酸処理黒鉛粉末について>
濃度98%の濃硫酸300重量部を攪拌しながら、酸化剤として過酸化水素の60%水溶液5重量部を加え、これを反応液とする。この反応液を冷却して10℃の温度に保持し、粒度30〜80メッシュの鱗片状天然黒鉛粉末100重量部を添加し、30分間反応を行う。反応後、吸引濾過して酸処理黒鉛粉末を分離し、該酸処理黒鉛粉末を300重量部の水で10分間攪拌して吸引濾過するという洗浄作業を2回繰り返し、酸処理黒鉛粉末から硫酸分を充分除去する。ついで、硫酸分を充分除去した酸処理黒鉛粉末を110℃の温度に保持した乾燥炉で3時間乾燥し、これを酸処理黒鉛粉末とする。
<耐熱材について>
上記酸処理黒鉛粉末を別途作製し、該膨張処理前の酸処理黒鉛粉末を、950〜1200℃の温度で1〜10秒間加熱(膨張)処理して、分解ガスを発生せしめ、そのガス圧により黒鉛層間を拡張して膨張黒鉛粒子(膨張倍率200〜300倍)を形成する。この膨張黒鉛粒子を双ローラー装置にてロール成形し、所望の厚さの膨張黒鉛シートを作製し、この膨張黒鉛シートを耐熱材とする。
<補強材について>
補強材は、鉄系としてオーステナイト系のSUS304、SUS316、フェライト系のSUS430などのステンレス鋼線若しくは鉄線(JIS−G−3532)若しくは亜鉛メッキ鉄線(JIS−G−3547)又は銅系として銅−ニッケル合金(白銅)線、銅−ニッケル−亜鉛合金(洋白)線、黄銅線、ベリリウム銅線からなる金属細線を1本又は2本以上使用して織ったり、編んだりして形成される金網が使用される。金網を形成する金属細線の線径は0.10〜0.32mm程度のものが使用され、金網の網目は3〜6mm程度のものが使用されて好適である。
つぎに、上述した構成材料からなる球帯状シール体の製造方法について図面に基づき説明する。
(第一工程)図2に示すように、金属細線を円筒状に編んで形成した筒状金網1をローラ2及び3間に通して所定の幅Dの帯状金網4を作製し、帯状金網4を所定の長さLに切断した補強材5を準備する。
(第二工程)図3に示すように、補強材5の幅Dに対して1.10×Dから2.10×Dの幅dを有すると共に、補強材5の長さLに対して1.30×Lから2.70×Lの長さlを有するように切断された耐熱材(膨張黒鉛シート)6を準備する。
(第三工程)接着剤としてポリビニールアルコール(PVA)を使用し、該接着剤と酸処理黒鉛粉末とを混合して、ペースト状の混合物を作製する。
(第四工程)図4に示すように、前記耐熱材6の一方の端部の表面に、ペースト状の混合物をヘラを用いて所定の長さ分だけ被覆したのち乾燥して該混合物の被覆形成層7を形成する。
(第五工程)後述する球帯状シール体28において部分凸球面状の外面24の軸方向の少なくとも一方の端縁側の環状の端面である大径側の端面25に全体的に耐熱材6が露出するようにすべく、図5に示すように、部分凸球面状の外面24の大径側の端面25となる補強材5の幅方向の少なくとも一方の端縁8から最大で0.1×Dから0.8×Dだけ耐熱材6が幅方向にはみ出すと共に、端縁8からの耐熱材6の幅方向のはみ出し量δ1が部分凸球面状面の外面の小径端面側となる補強材5の幅方向の他方の端縁9からのはみ出し量δ2よりも多くなるようにすると共に、補強材5の長さ方向の一方の端縁10から最大で0.30×Lから1.70×Lだけ耐熱材6が長さ方向にはみ出すと共に、補強材5の長さ方向の他方の端縁11と当該端縁11に対応する耐熱材6の長さ方向の端縁12とを実質的に一致させ、しかも、補強材5と耐熱材6との幅方向及び長さ方向を合致させるようにして、被覆形成層7が形成された面とは反対の耐熱材6の裏面に補強材5を重ね合わせて重合体13を得る。
(第六工程)重合体13を図6に示すように被覆形成層7を内側にしてうず巻き状であって耐熱材6が1回多くなるように捲回して、内周側の全周に亘って被覆形成層7が、外周側の全周に亘って耐熱材6が夫々露出した筒状母材14を形成する。耐熱材6としては、筒状母材14における耐熱材6の巻き回数が補強材5の巻き回数よりも多くなるように、補強材5の長さLに対して1.30×Lから2.70×Lの長さlを有したものが予め準備される。筒状母材14においては、図7に示すように、耐熱材6は、幅方向の一方の端縁側において補強材5の一方の端縁8から幅方向にδ1だけはみ出しており、また耐熱材6の幅方向の他方の端縁側において補強材5の他方の端縁9から幅方向にδ2だけはみ出している。
(第七工程)内面に円筒壁面15と円筒壁面15に連なる部分凹球面壁面16と部分凹球面壁面16に連なる貫通孔17とを備え、貫通孔17に段付きコア18を嵌挿することによって内部に中空円筒部19と該中空円筒部19に連なる球帯状中空部20とからなる中空部が形成された図8に示すような金型21を準備し、該金型21の段付きコア18に筒状母材14を挿入する。
金型21の中空円筒部19及び球帯状中空部20からなる中空部に位置せしめられた筒状母材14をコア軸方向に1〜3トン/cmの圧力で圧縮成形し、図1に示すような、円筒内面23、部分凸球面状の外面24並びに部分凸球面状の外面24の大径側及び小径側の環状の端面25及び26を有したシール本体27と、該シール本体27の円筒内面23に一体的に形成された酸処理黒鉛からなる熱膨張可能な環状の被覆層29とを備え、被覆層29の内周面によって中央部の貫通孔22が規定されている球帯状シール体28を作製する。
この圧縮成形により、球帯状シール体28は、耐熱材6と金網からなる補強材5とが圧縮され、互いに絡み合って構造的一体性を有するように構成されて、圧縮された金網からなる補強材5と、この補強材5の金網の網目を充填し、かつこの補強材5と混在一体化されて圧縮された膨張黒鉛からなる耐熱材6とを有しており、円筒内面23には、圧縮された膨張処理前の酸処理黒鉛からなる熱膨張可能な環状の被覆層29が貫通孔22において外部に露出して形成される。
上述した方法によって作製された図1に示す球帯状シール体28において、耐熱材6は、内部構造を形成する金網からなる補強材5と絡み合って一体となっており、部分凸球面状の外面24は、膨張黒鉛からなる耐熱材6の平滑な面に形成されていると共に、部分凸球面状の外面24の大径側の環状の端面25及び小径側の端面26は、補強材5から幅方向にはみ出した耐熱材6が部分凸球面状の外面24の大径側の環状の端面25及び小径側の端面26に曲折され、かつ展延されることによって膨張黒鉛からなる耐熱材6で覆われている。
斯かる球帯状シール体28は、図9に示すような排気管継手装置30に用いられる。排気管継手装置30は、エンジン側に連結された上流側排気管31と、上流側排気管31の端面32と隙間33を残して相対峙した端面34を有した大気側に連結された下流側排気管35と、上流側排気管31の管端部36の外周面に溶接等により固着されたフランジ37と、下流側排気管35の管端部38の外周面に溶接等により固着されていると共に部分凹球面39を有したシール座部材40と、上流側排気管31と下流側排気管35とを相対角変位自在に互いに弾性的に連結する弾性連結手段41と、球帯状シール体28とを具備している。
球帯状シール体28は、酸処理黒鉛からなる熱膨張可能な環状の被覆層29で上流側排気管31の管端部36の外周面に嵌合されていると共にシール本体27の大径側の環状の端面25でフランジ37の軸方向Xに実質的に直交した側面51に接触しており、シール本体27の部分凸球面状の外面24でシール座部材40の部分凹球面39に摺動自在に接触されている。
弾性連結手段41は、一端がフランジ37に固定され、他端がシール座部材40から一体的に延設されたフランジ部42を貫通して配された一対のボルト43と、ボルト43の外周面を囲繞してボルト43の頭部とフランジ部42との間に配された一対のコイルばね44とを具備しており、上流側排気管31と下流側排気管35とは斯かる弾性連結手段41により互いに弾性的に連結されており、下流側排気管35には常時、上流側排気管31の方向に一対のコイルばね44のばね力が付勢されている。
排気管継手装置30では、上流側排気管31と下流側排気管35との間に生じる相対角変位は、球帯状シール体28の部分凸球面状の外面24とシール座部材40の部分凹球面39との間の摺動で許容される。
以上の排気管継手装置30によれば、球帯状シール体28がその部分凸球面状の外面24で下流側排気管35の管端部38に固着されたシール座部材40の部分凹球面39に摺動自在に接触している結果、上流側排気管31及び下流側排気管35間に生じる相対角変位は、球帯状シール体28の部分凸球面状の外面24とシール座部材40の部分凹球面39との間の摺動で許容される一方、上流側排気管31及び下流側排気管35間における外部に対するシールは、シール本体27の部分凸球面状の外面24とシール座部材40の部分凹球面39との密な接触に加えて、シール本体27の円筒内面23に一体的に形成された環状の被覆層29と上流側排気管31の管端部36との嵌合及びシール本体27の大径側の環状の端面25とフランジ37の側面51との接触により行われることになる。
そして、排気管継手装置30によれば、球帯状シール体28において、円筒内面23に一体的に形成された熱膨張可能な環状の被覆層29は、排気管内を流動する排気ガスの熱により排気管の外周面を締め付けるように膨張する結果、マニホールドに接続された上流側排気管31に捩り方向(回転方向)の力が入力された場合においても、球帯状シール体28を上流側排気管31の回転と共に確実に回転させることができ、被覆層29の円筒内面と上流側排気管31の管端部36の外周面との間及びシール本体27の大径側の環状端面25とフランジ37との間に摺動を生じさせることがなく、ここでのスティックスリップ等に起因する異常摩擦音を発生させることがなく、運転者に不快感を与えることがない。
本発明の球帯状シール体を示す縦断面図である。 本発明の球帯状シール体の製造工程における補強材の形成方法の説明図である。 本発明の球帯状シール体の製造工程における耐熱材の斜視図である。 本発明の球帯状シール体の製造工程における耐熱材と被覆形成層との斜視図である。 本発明の球帯状シール体の製造工程における重合体の斜視図である。 本発明の球帯状シール体の製造工程における筒状母材の平面図である。 図6に示す筒状母材の縦断面図である。 本発明の球帯状シール体の製造工程における金型中に筒状母材を挿入した状態を示す縦断面図である。 本発明の球帯状シール体を組込んだ排気管継手装置の縦断面図である。
符号の説明
5 補強材
6 耐熱材
7 被覆形成層
14 筒状母材
21 金型
27 シール本体
28 球帯状シール体

Claims (4)

  1. 円筒内面、部分凸球面状の外面並びに部分凸球面状の外面の大径側及び小径側の環状端面を有したシール本体と、該シール本体の円筒内面に一体的に形成された熱膨張可能な環状の被覆層とを具備しており、シール本体は、膨張黒鉛を含む耐熱材と金網からなる補強材とが圧縮成形されてなり、耐熱材は金網からなる補強材の隙間に充填されてなっており、熱膨張可能な環状の被覆層は、膨張処理前の酸処理黒鉛を含んでおり、シール本体の円筒内面に位置するように前記耐熱材及び前記金網からなる補強材と共に圧縮成形されて該シール本体の円筒内面に一体的に形成されてなる球帯状シール体。
  2. 熱膨張可能な環状の被覆層は、圧縮された膨張処理前の酸処理黒鉛を含んでいる請求項1に記載の球帯状シール体。
  3. 熱膨張可能な環状の被覆層は、膨張処理前の酸処理黒鉛粉末を圧縮してなる酸処理黒鉛を含んでいる請求項1又は2に記載の球帯状シール体。
  4. 上流側排気管と、この上流側排気管の端面と隙間を残して相対峙した端面を有した下流側排気管と、上流側排気管の管端部の外周面に固着されたフランジと、下流側排気管の管端部に固着されていると共に部分凹球面を有したシール座部材と、上流側排気管と下流側排気管とを相対角変位自在に互いに弾性的に連結する弾性連結手段と、請求項1から3のいずれか一項に記載の球帯状シール体とを具備しており、球帯状シール体は、環状の被覆層の内周面で上流側排気管の管端部の外周面に嵌合されていると共にシール本体の大径側の環状端面でフランジに接触され、かつ、シール本体の部分凸球面状の外面でシール座部材の部分凹球面に摺動自在に接触されている排気管継手装置。
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