JP5114821B2 - 球帯状シール体 - Google Patents

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    • F16J15/126Sealings between relatively-stationary surfaces with solid packing compressed between sealing surfaces with non-metallic packing with metal reinforcement or covering with metal reinforcement consisting of additions, e.g. metallic fibres, metallic powders, randomly dispersed in the packing

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車排気管の球面管継手に使用される球帯状シール体及びその製造方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
自動車用排気管の球面管継手に使用される球帯状シール体は、例えば特開昭54−76759号公報、特開平6−123362号公報、特開平10−9396号公報、特開平10−9397号公報等により種々提案されている。
【0003】
提案の球帯状シール体は、いずれも蛇腹式の継手と比較して製造コストの低減を図り得てしかも耐久性に優れているのであるが、これらはいずれも、膨張黒鉛等からなる耐熱材と金網からなる補強材とを圧縮して補強材の金網の網目に耐熱材を充填し、当該耐熱材と補強材とを混在一体化してなるために、耐熱材に対して補強材が占める割合により球帯状シール体自体を介する排気ガスの漏出の問題を本来的に具有し、例えば耐熱材に対して補強材が占める割合が大きすぎると、補強材の周りに生じる微小通路に対する耐熱材による封止の程度が減少して初期漏洩を惹起する上に、高温下における耐熱材の酸化消耗等により早期の排気ガスの漏出の虞がある。
【0004】
そして斯かる球帯状シール体は、その部分凸球面で相手材に摺動自在に接触して、その大径側端面で排気管に固定されたフランジに着座して配されるために、部分凸球面でのシール性はさることながら大径側端面でも所望のシール性が要求されるのであるが、大径側端面側で耐熱材に対して補強材が占める割合が大きすぎたり大径側端面で耐熱材が部分的に露出していると、ここを介して排気ガスが漏出する虞があり、摺動性に加えて部分凸球面でのシール性を如何に向上させても全体のシール性が向上しないものとなる。
【0005】
また球帯状シール体は、通常、その小径側端面で高温の排気ガスに直接晒されるように設置されるために、小径側端面側でも耐熱材に対して補強材が占める割合が大きすぎると、補強材の周りに生じる微小通路を介して高温の排気ガスが球帯状シール体の内部に侵入して、球帯状シール体の内部から耐熱材の酸化消耗が生じる虞もある。
【0006】
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、球帯状シール体自体を介する排気ガスの漏出がなく、しかも、安定したシール特性を有した球帯状シール体及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の態様の球帯状シール体は、環状滑り面を含んだ外周面又は内周面を有していると共に外周面又は内周面の軸方向の少なくとも一方の端縁側に環状端面を有しており、少なくとも耐熱材と金網からなる補強材とが圧縮されて補強材の金網の網目に耐熱材が充填されて当該耐熱材と補強材とが混在一体化されてなるシール本体を有しており、ここで、外周面又は内周面の少なくとも一方の端縁側の環状端面には全体的に耐熱材が露出している。
【0008】
第一の態様の球帯状シール体によれば、外周面又は内周面の少なくとも一方の端縁側の環状端面には全体的に耐熱材が露出しているために、当該環状端面と接触するフランジ部材等の相手材との間で確実なシールを確保できる。
【0009】
本発明では耐熱材は、好ましくはその第二の態様の球帯状シール体のように、好ましくは膨張黒鉛を含んでいるが、本発明は、これに限定されず、例えば膨張黒鉛に加えて又はこれに代えて、マイカ及びアスベストのうちの一種又は二種以上から選択されたものを具備していてもよい。
【0010】
本発明の球帯状シール体において、外周面は、その第三の態様の球帯状シール体のように、部分凸球面である環状滑り面を含んでいてもよく、この場合、全体的に耐熱材が露出している環状端面は、部分凸球面の大径側に位置しているとよく、内周面は、その第四の態様の球帯状シール体のように、部分凹球面又は截頭円錐面である環状滑り面を含んでいてもよく、この場合、全体的に耐熱材が露出している環状端面は、部分凹球面又は截頭円錐面の小径側に位置しているとよい。
【0011】
環状滑り面を含んだ外周面又は内周面を有していると共にこの外周面又は内周面の軸方向の少なくとも一方の端縁側に環状端面を有しており、少なくとも耐熱材と金網からなる補強材とが圧縮されて補強材の金網の網目に耐熱材が充填されて当該耐熱材と補強材とが混在一体化されてなるシール本体を有する球帯状シール体を製造する本発明の第一の態様方法は、金網からなる幅Dの補強シート部材を準備する工程と、補強シート部材の幅Dに対して1.1×Dから2.1×Dの幅を有すると共に耐熱材を含んだ耐熱シート部材を準備する工程と、補強シート部材の幅方向の少なくとも一方の端縁から最大で0.1×Dから0.8×Dだけ耐熱シート部材が幅方向にはみ出すようにして補強シート部材と耐熱シート部材とを互いに重ね合わせた後、この重合体を円筒状に捲回して筒状母材を形成する工程と、少なくとも筒状母材を前記幅方向に圧縮して少なくともシール本体を有する球帯状シール体を成形する工程とを具備している。
【0012】
補強シート部材と耐熱シート部材とを互いに重ね合わせた重合体を円筒状に捲回して筒状母材を形成し、この筒状母材を軸方向(シート部材の幅方向)に圧縮して球帯状シール体を製造する方法では、補強シート部材の幅Dに対して1.1×Dよりも短い幅を有した耐熱シート部材を用いると、得られる球帯状シール体において、大径側端面側及び小径側端面側での耐熱材に対して補強材が占める割合が必要以上に大きくなり、大径側端面側及び小径側端面側での補強材の周りに生じる微小通路に対する耐熱材による封止が確実に行われなくなり、ここからの排気ガスの漏出が生じ、またここでの耐熱材の酸化消耗が促進される一方、補強シート部材の幅Dに対して2.1×Dよりも長い幅を有した耐熱シート部材を用いると、大径側端面側及び小径側端面側で耐熱材が過量となって補強材による適度の補強が得られ難くなり、大径側端面側及び小径側端面側で所望の強度を得ることができず、割れ、欠け、剥離等が生じ易くなる。
【0013】
したがって、本発明の第一の態様の製造方法のように、補強シート部材の幅Dに対して1.1×Dから2.1×Dの幅を有する耐熱シート部材を用いると、得られる球帯状シール体において、大径側端面側及び小径側端面側での補強材の周りに生じる微小通路に対する耐熱材による封止が確実に行われると共に、内部からの耐熱材の酸化消耗の虞もなく、しかも、大径側端面側及び小径側端面側で所望の強度を得ることができ、割れ、欠け、剥離等の虞もなく、而して、球帯状シール体自体を介する排気ガスの漏出がなく、しかも、安定したシール特性を有した球帯状シール体を得ることができる。
【0014】
環状滑り面を含んだ外周面又は内周面を有していると共にこの外周面又は内周面の軸方向の少なくとも一方の端縁側に環状端面を有しており、少なくとも耐熱材と金網からなる補強材とが圧縮されて補強材の金網の網目に耐熱材が充填されて当該耐熱材と補強材とが混在一体化されてなるシール本体を有する球帯状シール体を製造する本発明の第二の態様の方法は、金網からなる長さLの補強シート部材を準備する工程と、補強シート部材の長さLに対して1.30×Lから2.70×Lの長さを有すると共に耐熱材を含んだ耐熱シート部材を準備する工程と、補強シート部材の長さ方向の少なくとも一方の端縁から最大で0.30×Lから1.70×Lだけ耐熱シート部材が長さ方向にはみ出すようにして補強シート部材と耐熱シート部材とを互いに重ね合わせた後、この重合体を円筒状に捲回して内周側及び外周側のうちの少なくとも一方側に耐熱シート部材が露出した筒状母材を形成する工程と、少なくとも筒状母材を前記長さ方向に直交する方向に圧縮して少なくともシール本体を有する球帯状シール体を成形する工程とを具備している。
【0015】
補強シート部材と耐熱シート部材とを互いに重ね合わせた重合体を円筒状に捲回して内周側及び外周側の両方に耐熱シート部材が露出した筒状母材を形成し、この筒状母材を軸方向(シート部材の幅方向)に圧縮して球帯状シール体を製造する方法では、補強シート部材の長さLに対して1.30×Lよりも短い耐熱シート部材を用いると、得られる球帯状シール体において補強材が占める割合が多くなり、補強材の周りに生じる微小通路に対する耐熱材による封止が確実に行われなくなって排気ガスの漏出が生じ易くなる一方、補強シート部材の長さLに対して2.70×Lよりも長い耐熱シート部材を用いると、得られる球帯状シール体において耐熱材が占める割合が多くなり、所望の強度を得ることができず、割れ、欠け、剥離等が生じ易くなる。
【0016】
したがって、本発明の第二の態様の製造方法のように、補強シート部材の長さLに対して1.30×Lから2.70×Lの長さを有する耐熱シート部材を用いると、得られる球帯状シール体において、補強材の周りに生じる微小通路に対する耐熱材による封止が確実に行われると共に所望の強度を得ることができて割れ、欠け、剥離等の虞もなく、而して、球帯状シール体自体を介する排気ガスの漏出がなく、しかも、安定したシール特性を有した球帯状シール体を得ることができる。
【0017】
環状滑り面を含んだ外周面又は内周面を有していると共にこの外周面又は内周面の軸方向の少なくとも一方の端縁側に環状端面を有しており、少なくとも耐熱材と金網からなる補強材とが圧縮されて補強材の金網の網目に耐熱材が充填されて当該耐熱材と補強材とが混在一体化されてなるシール本体を有する球帯状シール体を製造する本発明の第三の態様の方法は、金網からなる幅Dの補強シート部材を準備する工程と、補強シート部材の幅Dに対して1.1×Dから2.1×Dの幅を有し、且つ補強シート部材の長さLに対して1.30×Lから2.70×Lの長さを有すると共に耐熱材を含んだ耐熱シート部材を準備する工程と、補強シート部材の幅方向の少なくとも一方の端縁から最大で0.1×Dから0.8×Dだけ耐熱シート部材が幅方向にはみ出すようにすると共に、補強シート部材の長さ方向の少なくとも一方の端縁から最大で0.30×Lから1.70×Lだけ耐熱シート部材が長さ方向にはみ出すようにして補強シート部材と耐熱シート部材とを互いに重ね合わせた後、この重合体を円筒状に捲回して内周側及び外周側のうちの少なくとも一方側に耐熱シート部材が露出した筒状母材を形成する工程と、少なくとも筒状母材を前記幅方向に圧縮して少なくともシール本体を有する球帯状シール体を成形する工程とを具備している。
【0018】
第三の態様の方法によっても、上記の第一及び第二の態様の方法による球帯状シール体と同様であって、排気ガスの漏出のない、しかも、安定したシール特性を有した球帯状シール体を製造し得る。
【0019】
第一又は第三の態様の方法での重ね合わせ工程においては、好ましくは本発明の第四の態様の方法のように、製造された球帯状シール体において外周面又は内周面の軸方向の少なくとも一方の端縁側の環状端面に全体的に耐熱材が露出するように、当該環状端面側となる補強シート部材の幅方向の一方の端縁からの耐熱シート部材の幅方向のはみ出し量が、補強シート部材の幅方向の他方の端縁からの耐熱シート部材の幅方向のはみ出し量よりも多くなるように、補強シート部材と耐熱シート部材とを互いに重ね合わせる。
【0020】
第四の態様の方法のような耐熱シート部材のはみ出し量をもって重ね合わせることにより、帯状シール体の外周面又は内周面の軸方向の少なくとも一方の端縁側における耐熱材を比較的多く配置できる上に、当該端縁側の環状端面での補強材の露出を実質的になくすことができ、而して、当該端縁側の環状端面側からの排気ガスの漏出を好ましく防止できる球帯状シール体を製造できる。
【0021】
第四の態様の方法において、製造された球帯状シール体において外周面は、本発明の第五の態様の方法のように、部分凸球面である環状滑り面を含んでおり、この場合、全体的に耐熱材が露出する環状端面は、部分凸球面の大径側に位置するようになっていてもよく、また、製造された球帯状シール体において内周面は、本発明の第六の態様の方法のように、部分凹球面又は截頭円錐面である環状滑り面を含んでおり、この場合、全体的に耐熱材が露出している環状端面は、部分凹球面又は截頭円錐面の小径側に位置するようになっていてもよい。
【0022】
また第二又は第三の態様の方法の耐熱シート部材の準備工程においては、本発明の第七の態様の方法のように、筒状母材における耐熱シート部材の巻き回数が補強シート部材の巻き回数よりも多くなるように、補強シート部材の長さLに対して1.30×Lから2.70×Lの長さを有した耐熱シート部材を準備する。
【0023】
本発明では、上述のシール本体の外周面又は内周面に一体的に形成されていると共に少なくとも潤滑材からなる被覆層を更に有した球帯状シール体を製造するようにしてもよく、斯かる球帯状シール体を製造する場合には、本発明の第八の態様の方法のように、上述の第一から第七のいずれかの態様の方法において、シール本体を成形した後に、シール本体の外周面又は内周面に潤滑材からなる被覆層を形成する工程を具備していてもよい。
【0024】
また本発明では、上述のシール本体の外周面に一体的に形成されていると共に少なくとも潤滑材及び耐熱材と金網からなる補強材とが圧縮されて補強材の金網の網目に潤滑材及び耐熱材が充填されて当該潤滑材及び耐熱材と補強材とが混在一体化されてなる被覆層を更に有しており、補強材からなる面と潤滑材からなる面とが混在した被覆層の露出面により環状滑り面が構成されている球帯状シール体を製造するようにしてもよく、斯かる球帯状シール体を製造する場合には、本発明の第九の態様の方法のように、上述の第一から第七のいずれかの態様の方法において、耐熱材を含んだ別の耐熱シート部材を準備し、この別の耐熱シート部材と当該別の耐熱シート部材の一方の表面に被着された潤滑材からなる潤滑層とこの潤滑層に配された金網からなる別の補強シート部材とからなる被覆層形成部材を形成する工程と、この被覆層形成部材を潤滑層の面を外側にして筒状母材の外周面に捲回して円筒成形体を形成する工程とを具備していてもよく、この場合、少なくともシール本体を有する球帯状シール体を成形する工程は、筒状母材を含む円筒成形体を圧縮してシール本体に加えて潤滑材からなる被覆層を有する球帯状シール体を成形するようになっていてもよく、また本発明の第十の態様の方法のように、上述の第一から第七のいずれかの態様の方法において、耐熱材を含んだ別の耐熱シート部材を準備し、この別の耐熱シート部材と当該別の耐熱シート部材の一方の表面に被着された潤滑材からなる潤滑層とこの潤滑層に配された金網からなる別の補強シート部材とからなる被覆層形成部材を形成する工程と、この被覆層形成部材を潤滑層の面を内側にして捲回して円筒成形体を形成する工程と、この円筒成形体の外周面に重合体を捲回して筒状母材を形成する工程とを具備していてもよく、この場合、少なくともシール本体を有する球帯状シール体を成形する工程は、筒状母材を含む円筒成形体を圧縮してシール本体に加えて潤滑材からなる被覆層を有する球帯状シール体を成形するようになっていてもよい。
【0025】
上記の各態様の球帯状シール体において、耐熱材は、好ましくは本発明の第十一の態様の方法のように、膨張黒鉛を含んでいるが、本発明は、これに限定されず、例えば膨張黒鉛に加えて又はこれに代えてマイカ及びアスベストのうちの一種又は二種以上から選択されたものを含んでいてもよい。
【0026】
以下、本発明及びその実施の形態を、図面に示す好ましい例に基づいて説明する。なお、本発明はこれらの例に何等限定されないのである。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1において、本例の球帯状シール体1は、膨張黒鉛を含んでいる耐熱材2と金網からなる補強材3とが圧縮されて補強材3の金網の網目に耐熱材2が充填されて当該耐熱材2と補強材3とが混在一体化されてなるシール本体4を有しており、本例ではシール本体4自体が、貫通孔5を規定する円筒状の内周面6と、部分凸球面7と、部分凸球面7の大径側及び小径側に夫々環状の大径側端面8及び小径側端面9とを有している。即ち、球帯状シール体1は、環状滑り面である部分凸球面7を含んだ外周面10を有していると共に外周面10の軸方向の両端縁側に環状端面としての大径側端面8及び小径側端面9を有しており、膨張黒鉛を含んでいる耐熱材2と金網からなる補強材3とが圧縮されて補強材3の金網の網目に耐熱材2が充填されて当該耐熱材2と補強材3とが混在一体化されてなるシール本体4を有しており、外周面10の少なくとも一方の端縁側の環状端面、本例では部分凸球面7の大径側に位置している大径側端面8には全体的に耐熱材2が露出している。
【0028】
以下、球帯状シール体1の製造方法を説明すると、まず、図2に示すように金属細線を編んで形成された円筒状金網12をローラ13及び14間に通して所定の幅Dの帯状金網15を作製し、当該帯状金網15を所定の長さLに切断した補強シート部材16(図4参照)又は金属細線を織ったり、編んだりすることによって形成される金網を所定の幅Dと長さLとに切断した補強シート部材16を準備する。
【0029】
補強材3(図1参照)となる金網としては、鉄系としてオーステナイト系のSUS304若しくはSUS316又はフェライト系のSUS430等のステンレス鋼線又は鉄線(JIS−G−3532)もしくは亜鉛メッキ鉄線(JIS−G−3547)、また銅系として銅−ニッケル合金(白銅)、銅−ニッケル−亜鉛合金(洋白)、黄銅、ベリリウム銅からなる線径0.10〜0.32mm程度の細線材を1本又は2本以上使用して織ったり、編んだりして形成された網目3〜6mm程度のものを使用して好適であるが、厚さ0.3〜0.5mm程度のステンレス鋼薄板又はリン青銅薄板に切込みを入れると同時に該切込みを拡開して規則正しい3〜6mm程度の網目列が形成された、所謂エキスパンドメタルを金網として用いてもよい。
【0030】
また図3に示すように、補強シート部材16の幅Dに対して1.1×Dから2.1×Dの幅d、具体的にはこれに限定されないが例えば補強シート部材16の幅Dに対して5mmから40mm程度大きい幅dを有すると共に、補強シート部材16の長さLに対して1.30×Lから2.70×Lの長さlを有するように切断されていると共に耐熱材2(図1参照)としての膨張黒鉛からなる短冊状の耐熱シート部材11を準備する。
【0031】
耐熱材2(図1参照)となる耐熱シート部材11は、膨張黒鉛粒子をシート状に成形した厚み0.2mmから1.0mm程度、好ましくは0.4mm程度の膨張黒鉛シートからなり、膨張黒鉛シートの成形に際しては、膨張黒鉛粒子に加えて必要に応じて五酸化燐及び燐酸塩等のその他の酸化抑制剤等を含ませてもよい。
【0032】
次に図4に示すように、補強シート部材16の幅方向の少なくとも一方の端縁18から最大で0.1×Dから0.8×Dだけ耐熱シート部材11が幅方向にはみ出すように、本例では、製造された球帯状シール体1において外周面10の軸方向の少なくとも一方の端縁側の環状端面である大径側端面8に全体的に耐熱材2が露出するように、大径側端面8側となる補強シート部材16の幅方向の一方の端縁18からの耐熱シート部材11の幅方向のはみ出し量δ1が補強シート部材16の幅方向の他方の端縁19からの耐熱シート部材11の幅方向のはみ出し量δ2よりも多くなるようにすると共に、補強シート部材16の長さ方向の少なくとも一方の端縁20から最大で0.30×Lから1.70×Lだけ耐熱シート部材11が長さ方向にはみ出すように、本例では補強シート部材16の長さ方向の他方の端縁28と当該端縁28に対応する耐熱シート部材11の長さ方向の端縁29とを実質的に一致させて補強シート部材16の長さ方向の一方の端縁20から0.30×Lから1.70×Lだけ耐熱シート部材11が長さ方向にはみ出すようにして、補強シート部材16と耐熱シート部材11との幅方向及び長さ方向を合致させて互いに重ね合わせて、重合体30を得るようにする。
【0033】
この重ね合わせ後、重合体30を図5に示すように耐熱シート部材11を内側にしてうず巻き状であって耐熱シート部材11が1回多くなるように捲回して、内周側及び外周側の両方に耐熱シート部材11が露出した筒状母材17を形成する。このように耐熱シート部材11としては、筒状母材17における耐熱シート部材11の巻き回数が補強シート部材16の巻き回数よりも多くなるように、補強シート部材16の長さLに対して1.30×Lから2.70×Lの長さを有したものが予め準備される。
【0034】
更に、円筒内壁面21と円筒内壁面21に連なる部分凹球内壁面22と部分凹球内壁面22に連なる貫通孔23とを備え、貫通孔23に段付きコア24を嵌挿することによって内部に中空円筒部25と中空円筒部25に連なる球帯状中空部26とが形成された図6に示すような金型27を準備し、金型27の段付きコア24に筒状母材17を挿入する。金型27の中空円筒部25及び球帯状中空部26に位置せしめられた筒状母材17をコア軸方向、即ち前記幅方向、換言すれば前記長さ方向に直交する方向に所定の圧力で圧縮成形し、図1に示すような、環状滑り面としての部分凸球面7を有したシール本体4からなる球帯状シール体1を成形する。
【0035】
斯かる球帯状シール体1は、例えば図7に示す排気管球面継手31に組込まれて使用される。すなわち、エンジン側に連結された上流側排気管32の外周面には、管端部33を残してフランジ部材34が固着されており、管端部33には、球帯状シール体1が貫通孔5を規定する内周面6において嵌合されており、大径側端面8において球帯状シール体1がフランジ部材34に当接されて着座せしめられており、上流側排気管32と相対向してマフラー側に連結され、端部に凹球面部41と凹球面部41の開口部周縁にフランジ部42とを備えた径拡大部43が一体に形成された下流側排気管44が凹球面部41を球帯状シール体1の部分凸球面7に摺動自在に接触させて配置されている。
【0036】
図7に示す排気管球面継手31において、一端がフランジ部材34に固定され、他端が径拡大部43のフランジ部42を挿通して配された一対のボルト51とボルト51の膨大頭部及びフランジ部42の間に配された一対のコイルバネ52とにより、下流側排気管44には、常時、上流側排気管32方向にバネ力が付勢されている。そして、排気管球面継手31は、上、下流側排気管32、44に生じる相対角変位に対しては、球帯状シール体1の部分凸球面7と下流側排気管44の端部に形成された径拡大部43の凹球面部41との摺動でこれを許容するように構成されている。
【0037】
以上の球帯状シール体1によれば、大径側端面8には全体的に耐熱材2が露出しているために、当該大径側端面8と接触するフランジ部材34との間で確実なシールを確保できる。
【0038】
また排気管球面継手31に好適な球帯状シール体1の前記の製造方法では、補強シート部材16の幅Dに対して1.1×Dから2.1×Dの幅dを有すると共に補強シート部材16の長さLに対して1.30×Lから2.70×Lの長さlを有する耐熱シート部材11を用いるために、得られる球帯状シール体1において、大径側端面8側及び小径側端面9側での補強材3の周りに生じる微小通路に対する耐熱材2による封止が確実に行われると共に、内部からの耐熱材2の酸化消耗の虞もなく、しかも、大径側端面8側及び小径側端面9側では勿論のこと全体においても所望の強度を得ることができ、割れ、欠け、剥離等の虞もなく、而して、球帯状シール体1自体を介する排気ガスの漏出がなく、しかも、安定したシール特性を有した球帯状シール体1を得ることができる。
【0039】
上記では、球帯状シール体1自体がシール本体4からなる球帯状シール体1の製造方法であるが、前述と同様にして形成されたシール本体4の外周面7(前述の部分凸球面7)に刷毛塗り、浸漬、スプレー等により潤滑材を10〜300μm程度の厚みになるように塗布して乾燥させた後に、図8に示すように露出面を研磨した滑らかな部分凸球面62をもって被覆層63を形成し、シール本体1と被覆層63とを具備した球帯状シール体61を製造してもよい。図8に示す球帯状シール体61は、環状滑り面として部分凸球面62を含んだ外周面60を有しており、前述のシール本体4と、シール本体4の外周面7に一体的に形成されていると共に潤滑材からなる被覆層63とを有し、被覆層63の露出面により部分凸球面62が構成されている。即ち、図8に示す球帯状シール体61もまた、環状滑り面である部分凸球面62を含んだ外周面60を有していると共に外周面60の軸方向の両端縁側に環状端面としての大径側端面8及び小径側端面9を有しており、膨張黒鉛を含んでいる耐熱材2と金網からなる補強材3とが圧縮されて補強材3の金網の網目に耐熱材2が充填されて当該耐熱材2と補強材3とが混在一体化されてなるシール本体4を有しており、外周面60の少なくとも一方の端縁側の環状端面、本例では部分凸球面62の大径側に位置している大径側端面8には全体的に耐熱材2が露出している。
【0040】
被覆層63の形成材料としての潤滑材は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂又はポリテトラフルオロエチレン樹脂を主成分とし、これに必要に応じて窒化ホウ素を含有させたもの等であって、これの水性ディスパージョンを塗布して被覆層63を形成するとよい。
【0041】
図8に示す球帯状シール体61は、潤滑材からなる被覆層63をシール本体4の外周面7に具備して、被覆層63の露出面により構成された部分凸球面62を有しているために、排気管球面継手31への適用に際しては、斯かる部分凸球面62で接触する径拡大部43の凹球面部41との更なる滑らかな摺動を確保でき、しかも、球帯状シール体1と同様に、球帯状シール体61自体を介する排気ガスの漏出をなくし得、しかも、安定したシール特性を発揮することができる。
【0042】
本発明によって製造される球帯状シール体は、図1及び図8に示す球帯状シール体1及び61に代えて図9及び図10に示すような球帯状シール体71であってもよい。図9及び図10に示す球帯状シール体71は、部分凸球面72を有しており、シール本体4と、シール本体4の外周面73(前述の部分凸球面7に相当するが凹凸を有したものとなる)に一体的に形成されていると共に潤滑材74及び耐熱材75と金網からなる補強材76とが圧縮されて補強材76の金網の網目に潤滑材74及び耐熱材75が充填されて当該潤滑材74及び耐熱材75と補強材76とが混在一体化されてなる被覆層77とを有し、補強材76からなる面78と潤滑材74からなる面79とが混在した被覆層77の露出面により部分凸球面72が構成されている。即ち、図9及び図10に示す球帯状シール体71は、環状滑り面である部分凸球面72を含んだ外周面70を有していると共に外周面70の軸方向の両端縁側に環状端面としての大径側端面8及び小径側端面9を有しており、膨張黒鉛を含んでいる耐熱材2と金網からなる補強材3とが圧縮されて補強材3の金網の網目に耐熱材2が充填されて当該耐熱材2と補強材3とが混在一体化されてなるシール本体4を有しており、外周面70の少なくとも一方の端縁側の環状端面、本例では部分凸球面62の大径側に位置している大径側端面8には全体的に耐熱材3が露出している。
【0043】
図9及び図10に示す球帯状シール体71の製造方法を次に説明すると、まず、球帯状シール体1と同様にして図5に示すような筒状母材17を準備する。次に、図3に示すような耐熱シート部材11と同様であるが、幅Dよりも小さい幅dを有すると共に筒状母材17を一回巻きできる程度の長さlを有した耐熱シート部材91を別に用意し、この別の耐熱シート部材91の一方の表面に、潤滑材74としてのポリテトラフルオロエチレン樹脂が含有された水性ディスパージョンを刷毛塗り、ローラ塗り、スプレー等の手段で被覆し、これを乾燥させて、図11に示すような潤滑層80を形成し、更に図2に示すような帯状金網15からなる補強シート部材81を別に用意し、図12に示すように、補強シート部材81内に、潤滑層80を備えた耐熱シート部材91を挿入するとともに、これらを図13に示すように、ローラ82及び83間に通して一体化させ、別の耐熱シート部材91と当該別の耐熱シート部材91の一方の表面に被着された潤滑材74を含んだ潤滑層80と潤滑層80に配された金網からなる別の補強シート部材81とからなる被覆層形成部材84を形成し、このようにして得た被覆層形成部材84を潤滑層80を外側にして筒状母材17の外周面に捲回し、図14に示すような円筒成形体85を作製する。この円筒成形体85を前記と同様に金型27に配置して圧縮成形することにより球帯状シール体71を得る。
【0044】
球帯状シール体71は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂を含む潤滑材74及び膨張黒鉛を含む耐熱材75と金網からなる補強材76とが混在一体化されてなる被覆層77をシール本体4の外周面73に具備して、補強材76からなる面78と潤滑材74からなる面79とが混在一体となった被覆層77の露出面により構成された部分凸球面72を有しているために、球帯状シール体61と同様に、部分凸球面72と接触する相手材である凹球面部41との更なる滑らかな摺動を確保できる上に、露出面における潤滑材74からなる面79を補強材76からなる面78でもって保持し得る上に、部分凸球面72からの潤滑材74の凹球面部41への移着と凹球面部41へ移着した潤滑材74の掻き取りとを適宜に行い得る結果、長期に亘る滑らかな摺動を確保でき、しかも、球帯状シール体1と同様に、球帯状シール体71自体を介する排気ガスの漏出をなくし得、しかも、安定したシール特性を有することになる。
【0045】
ところで、前記では環状滑り面である部分凸球面7、62又は72を含んだ外周面10、60又は70を具備した球帯状シール体1、61又は71の例であるが、これに代えて、本発明では、図15に示すように、環状滑り面である截頭円錐面102を含んだ内周面100を具備した球帯状シール体101であってもよい。図15に示す球帯状シール体101は、截頭円錐面102に加えて截頭円錐面102に連接された円筒内面103を含んだ内周面100と、截頭円錐面102に対応する截頭円錐外面104及び截頭円錐外面104に連接された円筒外面105を含んだ外周面106と、截頭円錐面102の大径側及び小径側に夫々環状の端面108及び109とを有しており、球帯状シール体1、61又は71と同様に構成されている。即ち、球帯状シール体101は、環状滑り面である截頭円錐面102を含んだ内周面100を有していると共に内周面100の軸方向の両端縁側に環状端面としての端面108及び109を有しており、膨張黒鉛を含んでいる耐熱材2と金網からなる補強材3とが圧縮されて補強材3の金網の網目に耐熱材2が充填されて当該耐熱材2と補強材3とが混在一体化されてなるシール本体4を有しており、内周面100の少なくとも一方の端縁側の環状端面、本例では截頭円錐面102の小径側に位置している端面109には全体的に耐熱材3が露出している。
【0046】
環状滑り面として截頭円錐面102を含んだ内周面100を具備した図15に示す球帯状シール体101は、例えば図16に示す排気管球面継手131に組込まれて使用される。すなわち、エンジン側に連結された上流側排気管32の外周面には、フランジ部材132が溶接等により固着されており、フランジ部材132の截頭円錐部133の環状面134、截頭円錐面135及び円筒面136からなる内周面137には、外周面106の端面109、截頭円錐外面104及び円筒外面105が夫々ぴったりと当接されて当該外周面106で球帯状シール体101が嵌合されており、上流側排気管32と相対向してマフラー側に連結されていると共に、凸球面部138とフランジ部139とを一体的に有した相手材としての凸球面部材140が溶接等により固着された下流側排気管44が凸球面部138を球帯状シール体101の截頭円錐面102に摺動自在に接触させて配置されている。
【0047】
図15に示す排気管球面継手131においては、一端がフランジ部139に固定され、他端がフランジ部材132のフランジ部141を十分な隙間をもって貫通して配された一対のボルト51とボルト51の膨大頭部及びフランジ部141の間に配された一対のコイルバネ52とにより、下流側排気管44には、常時、上流側排気管32方向にバネ力が付勢されている。そして、排気管球面継手131は、上、下流側排気管32、44に生じる相対角変位に対しては、球帯状シール体101の截頭円錐面102と下流側排気管44の端部に溶接等により固着された凸球面部材140の凸球面部138との摺動でこれを許容するように構成されている。
【0048】
斯かる排気管球面継手131に適用された球帯状シール体101は、球帯状シール体1、61又は71と同様に構成されているので、上記球帯状シール体1、61又は71と同様な効果を生じさせる。
【0049】
球帯状シール体1又は61に相当する図15に示す球帯状シール体101を製造するには、製造された球帯状シール体101において内周面100の軸方向の少なくとも一方の端縁側の環状端面である端面109に全体的に耐熱材2が露出するように、端面109側となる補強シート部材16の幅方向の一方の端縁18からの耐熱シート部材11の幅方向のはみ出し量δ1が補強シート部材16の幅方向の他方の端縁19からの耐熱シート部材11の幅方向のはみ出し量δ2よりも多くなるようにして前述の図4に示すような重合体30を作製し、斯かる重合体30から図5に示すような筒状母材17を形成する。更に、円筒内壁面145と円筒内壁面145に連なる截頭円錐面146と段部147を介して截頭円錐面146に連なる円孔148とを備え、円孔148に段付きコア149を嵌挿することによって内部に中空円筒部151と中空円筒部151に連なる截頭円錐状中空部152とが形成された図17に示すような金型153を準備し、金型153の段付きコア149の外周面であって中空円筒部151に筒状母材17を挿入して円筒内壁面145に装着する。筒状母材17の円筒内壁面145への装着後、図17に示すような截頭円錐面161を先端部に有した円筒状の押圧部材162を金型153の中空円筒部151に挿入して、押圧部材162により図18に示すように筒状母材17をコア軸方向に所定の圧力で圧縮成形してシール本体を形成し、このシール本体をそのまま用いることにより球帯状シール体1に相当する図15に示すような球帯状シール体101となり、筒状母材17の押圧部材162による圧縮成形後に得られたシール本体の内周面に刷毛塗り、浸漬、スプレー等により潤滑材を塗布して乾燥させた後にこの塗布層の露出面を滑らかにして斯かる滑らかな露出面からなる截頭円錐面102をもって被覆層を形成することにより球帯状シール体61に相当する図15に示す球帯状シール体101を得ることができる。
【0050】
球帯状シール体71に相当する図15に示す球帯状シール体101を製造するには、前述の図13に示すような被覆層形成部材84を潤滑層80の面を内側にして捲回して円筒成形体を形成し、この円筒成形体の外周に、製造された球帯状シール体101において内周面100の軸方向の少なくとも一方の端縁側の環状端面である端面109に全体的に耐熱材2が露出するように、端面109側となる補強シート部材16の幅方向の一方の端縁18からの耐熱シート部材11の幅方向のはみ出し量δ1が補強シート部材16の幅方向の他方の端縁19からの耐熱シート部材11の幅方向のはみ出し量δ2よりも多くなるようにして前述の図4に示すような重合体30を巻回して筒状母材17と同様の筒状母材を形成し、、斯かる円筒成形体とこの円筒成形体の外周に形成された筒状母材との組み合わせ体を前述の筒状母材17と同様に図17に示す金型153の段付きコア149の外周面であって中空円筒部151内に挿入して円筒内壁面145に装着し、押圧部材162により図18に示すように組み合わせ体を金型153内においてコア軸方向に所定の圧力で圧縮成形することにより球帯状シール体101を得る。
【0051】
ところで、球帯状シール体101では、内周面100の環状滑り面を截頭円錐面102でもって構成して、截頭円錐面102の一個所の一部分に凸球面部138を摺動自在に接触させるようにしたが、これに代えて、図19に示すように内周面100の環状滑り面を部分凹球面171で構成して、部分凹球面171のほぼ全域に凸球面部138を摺動自在に接触させるようにしてもよく、また図20に示すように内周面100の環状滑り面を二個の連接する截頭円錐面172及び173で構成し、截頭円錐面172及び173の二個所で部分的に凸球面部138を摺動自在に接触させるようにしてもよい。
【0052】
図19及び図20に示す球帯状シール体101でも、球帯状シール体1、61又は71と同様に構成されているので、上記球帯状シール体1、61又は71と同様な効果を生じさせることができる。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、球帯状シール体自体を介する排気ガスの漏出がなく、しかも、安定したシール特性を有した球帯状シール体及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例で製造された球帯状シール体の縦断面図である。
【図2】図1の例の製造工程における金網からなる補強シート部材の形成方法の説明図である。
【図3】図1の例の製造工程における耐熱シート部材の斜視図である。
【図4】図1の例の製造工程における重合体の斜視図である。
【図5】図1の例の製造工程における筒状母材の平面図である。
【図6】図1の例の製造工程における金型中に筒状母材を挿入した状態を示す縦断面図である。
【図7】図1の例の球帯状シール体を組込んだ排気管球面継手の縦断面図である。
【図8】本発明の実施の形態の他の例で製造された球帯状シール体の縦断面図である。
【図9】本発明の実施の形態の更に他の例で製造された球帯状シール体の縦断面図である。
【図10】図9に示す例の球帯状シール体の一部拡大断面図である。
【図11】図9に示す例の製造工程における潤滑層を形成した耐熱シート部材の縦断面図である。
【図12】図9に示す例の製造工程における被覆層形成部材の形成方法の説明図である。
【図13】図9に示す例の製造工程における被覆層形成部材の形成方法の説明図である。
【図14】図9に示す例の製造工程における円筒成形体の平面図である。
【図15】本発明の球帯状シール体の実施の形態の更に他の例を示す縦断面図である。
【図16】図15の例を組込んだ排気管球面継手の縦断面図である。
【図17】図15の例の製造工程における金型中に筒状母材を挿入した状態を示す縦断面図である。
【図18】図15の例の製造工程における圧縮成形の状態を示す縦断面図である。
【図19】本発明の球帯状シール体の実施の形態の更に他の例を組込んだ排気管球面継手の縦断面図である。
【図20】本発明の球帯状シール体の実施の形態の更に他の例を組込んだ排気管球面継手の縦断面図である。
【符号の説明】
1 球帯状シール体
2 耐熱材
3 補強材
4 シール本体
7 部分凸球面

Claims (1)

  1. 環状滑り面を含んだ内周面を有していると共に内周面の軸方向の少なくとも一方の端縁側に環状端面を有しており、少なくとも耐熱材と金網からなる補強材とが圧縮されて補強材の金網の網目に耐熱材が充填されて当該耐熱材と補強材とが混在一体化されてなるシール本体を有する球帯状シール体であって、内周面の少なくとも一方の端縁側の環状端面には全体的に耐熱材が露出しており、耐熱材は膨張黒鉛を含んでおり、内周面は、互いに中心角が異なる軸方向に二個連接された截頭円錐面である環状滑り面を含んでおり、全体的に耐熱材が露出している環状端面は、軸方向に二個連接された截頭円錐面のうちで中心角が大きい方の截頭円錐面の小径側に位置しており、外周面は、截頭円錐外面を含んでいる球帯状シール体。
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