JP5549666B2 - 球帯状シール体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車排気管の球面管継手に使用される球帯状シール体及びその製造方法に関する。
自動車用排気管の球面管継手に使用される球帯状シール体は、例えば特開昭54−76759号公報、特開平6−123362号公報、特開平10−9396号公報、特開平10−9397号公報等により種々提案されている。
提案の球帯状シール体は、いずれも蛇腹式の継手と比較して製造コストの低減を図り得てしかも耐久性に優れているのであるが、これらはいずれも、膨張黒鉛等からなる耐熱材と金網からなる補強材とを圧縮して補強材の金網の網目に耐熱材を充填し、当該耐熱材と補強材とを混在一体化してなるために、耐熱材に対して補強材が占める割合、耐熱材及び補強材の圧縮の程度等により球帯状シール体自体を介する排気ガスの漏出の問題に加えて、相手材と摺動自在に接触する部分凸球面での耐熱材の存在による異音発生の問題を本来的に具有し、例えば耐熱材に対して補強材が占める割合が大きすぎたり、耐熱材に対する加圧の程度が低いと、補強材の周りに生じる微小通路に対する耐熱材による封止の程度が減少して初期漏洩を惹起する上に、高温下における耐熱材の酸化消耗等により早期の排気ガスの漏出の虞があり、また、部分凸球面での耐熱材が大きく加圧されていたり、部分凸球面での補強材に対する耐熱材の露出割合が極めて大きいと、スティックスリップを惹起して異音発生の原因となる虞がある。
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、球帯状シール体自体を介する排気ガスの漏出をなくし得、しかも、異音発生をなくし得る上に、安定したシール特性を有した球帯状シール体及びその製造方法を提供することにある。
本発明の第一の態様の球帯状シール体は、環状滑り面を有しており、少なくとも耐熱材と金網からなる補強材とが圧縮されて補強材の金網の網目に耐熱材が充填されて当該耐熱材と補強材とが混在一体化されてなるシール本体を有しており、ここで、シール本体には、補強材が15重量%から80重量%で、耐熱材が20重量%から85重量%の割合で含まれており、シール本体における耐熱材が1.20g/cmから2.00g/cmの密度を有している。
耐熱材と金網からなる補強材とが混在一体化されてなるシール本体に、補強材が80重量%よりも多く、耐熱材が20重量%よりも少ない割合で含まれていると、多くの場合、補強材の周りに生じる多数の微小通路(隙間)に対する耐熱材による封止(充填)が完全になされなくなる結果、排気ガスの初期漏洩を惹起し、仮に微小通路に対する封止が偶々完全になされていたとしても、高温下における耐熱材の酸化消耗等により斯かる封止が早期に消失して、而して早期の排気ガスの漏洩が生じる一方、補強材が15重量%よりも少なく、耐熱材が85重量%よりも多い割合で含まれていると、環状滑り面及び環状滑り面の近傍において補強材が極めて少なくなり環状滑り面及び環状滑り面の近傍における耐熱材に対する補強が好ましくなされなくなり、耐熱材の剥離が顕著に生じる上に、補強材による補強効果が期待し難くなる。
また上記のシール本体では、製造段階で強く圧縮されていなく耐熱材が1.20g/cmよりも小さい密度であると、長期の使用において斯かる耐熱材に微小空洞が生じてこれが全体的に広がる結果、排気ガスの漏洩を惹起する一方、製造段階で極めて強く圧縮されて耐熱材が2.00g/cmよりも大きい密度であると、相手材への適宜な耐熱材の移着が殆ど生じなくなり、相手材との間における動摩擦係数と静摩擦係数との差が極めて大きくなる結果、摺動に際して異音が生じ易くなる。
上記の観点から、第一の態様の球帯状シール体は、シール本体自体を介する排気ガスの漏出がなく、相手材との間における摺動に際して異音発生のないものとなり、安定したシール特性を有したものとなる。
本発明の第二の態様の球帯状シール体は、環状滑り面を有しており、少なくとも耐熱材と金網からなる補強材とが圧縮されて補強材の金網の網目に耐熱材が充填されて当該耐熱材と補強材とが混在一体化されてなるシール本体と、このシール本体の外周面に一体的に形成されていると共に少なくとも潤滑材からなる被覆層とを有しており、この被覆層の露出面により環状滑り面が構成されており、ここで、シール本体及び被覆層には、補強材が15重量%から80重量%で、耐熱材及び潤滑材が20重量%から85重量%の割合で含まれており、シール本体及び被覆層における耐熱材及び潤滑材が1.20g/cmから2.00g/cmの密度を有している。
第二の態様の球帯状シール体は、被覆層の露出面により構成された環状滑り面を有しているために、斯かる環状滑り面で接触する相手材との更なる滑らかな摺動を確保でき、しかも、第一の態様の球帯状シール体と同様に、シール本体自体を介する排気ガスの漏出のない、相手材との間における摺動に際して異音発生のないものとなる。
本発明の第三の態様の球帯状シール体は、環状滑り面を有しており、少なくとも耐熱材と金網からなる補強材とが圧縮されて補強材の金網の網目に耐熱材が充填されて耐熱材と補強材とが混在一体化されてなるシール本体と、このシール本体の外周面に一体的に形成されていると共に少なくとも潤滑材及び耐熱材と金網からなる補強材とが圧縮されて補強材の金網の網目に潤滑材及び耐熱材が充填されて当該潤滑材及び耐熱材と補強材とが混在一体化されてなる被覆層とを有しており、補強材からなる面と潤滑材からなる面とが混在した被覆層の露出面により環状滑り面が構成されており、ここで、シール本体及び被覆層には、補強材が15重量%から80重量%で、耐熱材及び潤滑材が20重量%から85重量%の割合で含まれており、シール本体及び被覆層における耐熱材及び潤滑材が1.20g/cmから2.00g/cmの密度を有している。
第三の態様の球帯状シール体は、被覆層の補強材からなる面と潤滑材からなる面とが混在した露出面により構成された環状滑り面を有しているために、第二の態様の球帯状シール体と同様に、環状滑り面と接触する相手材との更なる滑らかな摺動を確保でき、また、露出面における潤滑材からなる面を補強材からなる面でもって保持し得る上に、環状滑り面からの潤滑材の相手材への移着と相手材へ移着した潤滑材の掻き取りとを適宜に行い得る結果、長期に亘る滑らかな摺動を確保でき、しかも、第一の態様の球帯状シール体と同様に、シール本体自体を介する排気ガスの漏出のない、相手材との間における摺動に際して異音発生のないものとなる。
本発明の第四の態様の球帯状シール体は、環状滑り面を有しており、少なくとも耐熱材と金網からなる補強材とが圧縮されて補強材の金網の網目に耐熱材が充填されて耐熱材と補強材とが混在一体化されてなるシール本体と、このシール本体の外周面に一体的に形成されていると共に少なくとも潤滑材及び耐熱材と金網からなる補強材とが圧縮されて補強材の金網の網目に潤滑材及び耐熱材が充填されて当該潤滑材及び耐熱材と補強材とが混在一体化されてなる被覆層とを有しており、補強材からなる面と潤滑材からなる面とが混在した被覆層の露出面により環状滑り面が構成されており、ここで、環状滑り面から1mmまでの球帯状シール体の環状の表層部分には、補強材が60重量%から75重量%で、耐熱材及び潤滑材が25重量%から40重量%の割合で含まれており、当該環状の表層部分における補強材、耐熱材及び潤滑材が3.00g/cmから5.00g/cmの密度を有しており、環状の表層部分を除く球帯状シール体の他の環状の部分には、補強材が20重量%から70重量%で、耐熱材が30重量%から80重量%の割合で含まれている。
球帯状シール体において潤滑材及び耐熱材と補強材とが混在一体化されてなる被覆層の厚みは、その摩耗に起因する耐用年数の観点から経験的に1mm以内であればよく、したがって、環状滑り面から1mmまでの球帯状シール体の環状の表層部分に、補強材が60重量%よりも少なく、耐熱材及び潤滑材が40重量%よりも多い割合で含まれていると、当該表層部分での補強材の効果を十分に得ることが困難になり、該表層部分での剥離、脱落が生じ易くなる一方、補強材が75重量%よりも多く、耐熱材及び潤滑材が25重量%よりも少ない割合で含まれていると、補強材の周りに生じる多数の微小通路(隙間)に対する耐熱材による封止(充填)が完全になされなくなる結果、該表層部分を介する排気ガスの初期漏洩を惹起し、仮に微小通路に対する封止が偶々完全になされていたとしても、高温下における耐熱材の酸化消耗等により斯かる封止が早期に消失して、而して早期の排気ガスの漏洩が生じ得る。
また、環状の表層部分における補強材、耐熱材及び潤滑材が3.00g/cmよりも小さい密度を有していると、製造段階で強く圧縮されていないことになり、長期の使用において斯かる環状の表層部分に微小空洞が生じてこれが全体的に広がる結果、排気ガスの漏洩を惹起する一方、補強材、耐熱材及び潤滑材が5.00g/cmよりも大きい密度を有していると、製造段階で極めて強く圧縮されていることになり、相手材への適宜な耐熱材の移着が殆ど生じなくなり、相手材との間における動摩擦係数と静摩擦係数との差が極めて大きくなる結果、摺動に際して異音が生じ易くなる。
更に、環状の表層部分を除く球帯状シール体の他の環状の部分で、補強材が20重量%よりも少なく、耐熱材が80重量%よりも多い割合で含まれていると、当該他の環状の部分における耐熱材に対する補強が好ましくなされなくなり、耐熱材の剥離が顕著に生じる上に、補強材による補強効果が期待し難くなる一方、補強材が70重量%よりも多く、耐熱材が30重量%よりも少ない割合で含まれていると、多くの場合、補強材の周りに生じる多数の微小通路(隙間)に対する耐熱材による封止(充填)が完全になされなくなる結果、排気ガスの初期漏洩を惹起し、仮に微小通路に対する封止が偶々完全になされていたとしても、高温下における耐熱材の酸化消耗等により斯かる封止が早期に消失して、而して早期の排気ガスの漏洩が生じるようになる。
したがって、第四の態様の球帯状シール体によれば、環状の表層部分に、補強材が60重量%から75重量%で、耐熱材及び潤滑材が25重量%から40重量%の割合で含まれており、当該環状の表層部分における補強材、耐熱材及び潤滑材が3.00g/cmから5.00g/cmの密度を有しているために、当該表層部分の剥離、脱落が生じ難く、該表層部分を介する排気ガスの初期漏洩がない上に、早期はいうに及ばず長期においても排気ガスの漏洩を生じないようにでき、しかも、相手材との間における摺動に際して異音を生じないようにできる。
また第四の態様の球帯状シール体によれば、環状の表層部分を除く球帯状シール体の他の環状の部分でも、補強材が20重量%から70重量%で、耐熱材が30重量%から80重量%の割合で含まれているために、他の環状の部分を介する排気ガスの漏洩を確実に防止できる上に、耐熱材に対する補強が好ましくなされて、しかも、耐熱材の剥離を好ましく防止できる。
本発明の第五の態様の球帯状シール体は、環状滑り面を有しており、少なくとも耐熱材と金網からなる補強材とが圧縮されて補強材の金網の網目に耐熱材が充填されて耐熱材と補強材とが混在一体化されてなるシール本体と、このシール本体の外周面に一体的に形成されていると共に少なくとも潤滑材及び耐熱材と金網からなる補強材とが圧縮されて補強材の金網の網目に潤滑材及び耐熱材が充填されて当該潤滑材及び耐熱材と補強材とが混在一体化されてなる被覆層とを有しており、補強材からなる面と潤滑材からなる面とが混在した被覆層の露出面により環状滑り面が構成されており、ここで、被覆層には、補強材が60重量%から75重量%で、潤滑材及び耐熱材が25重量%から40重量%の割合で含まれている。
第五の態様の球帯状シール体によれば、第四の態様の球帯状シール体と同様に、被覆層には補強材が60重量%から75重量%で、耐熱材及び潤滑材が25重量%から40重量%の割合で含まれているために、当該被覆層の剥離、脱落が生じ難く、該被覆層を介する排気ガスの初期及び早期の漏洩を確実に防止できる。
本発明の第六の態様の球帯状シール体は、環状滑り面を有しており、少なくとも耐熱材と金網からなる補強材とが圧縮されて補強材の金網の網目に耐熱材が充填されて耐熱材と補強材とが混在一体化されてなるシール本体と、このシール本体の外周面に一体的に形成されていると共に少なくとも潤滑材及び耐熱材と金網からなる補強材とが圧縮されて補強材の金網の網目に潤滑材及び耐熱材が充填されて当該潤滑材及び耐熱材と補強材とが混在一体化されてなる被覆層とを有しており、補強材からなる面と潤滑材からなる面とが混在した被覆層の露出面により環状滑り面が構成されており、ここで、環状滑り面において、補強材からなる面が0.5%から30%で、潤滑材からなる面が70%から99.5%の面積割合をもって露出している。
環状滑り面において、補強材からなる面が0.5%よりも少なく、潤滑材からなる面が99.5%よりも多い面積割合をもって露出していると、環状滑り面は、殆ど潤滑材からなる面で占められ、潤滑材からなる面の剥離、脱落が生じ易くなると共に、環状滑り面からの潤滑材の相手材への移着が必要以上に多くなるにも拘らず相手材へ移着した潤滑材の掻き取りがそれ程なされなくなる一方、補強材からなる面が30%よりも多く露出し、潤滑材からなる面が70%よりも少ない露出であると、潤滑材による効果が少なくなり、環状滑り面に摺動自在に接触して相対的に摺動する相手材の摩耗が顕著となり、長期の使用によって円滑な摺動を得られなくなる。
したがって、第六の態様の球帯状シール体によれば、環状滑り面での潤滑材からなる面の剥離、脱落を防ぎ得て、しかも、長期の使用においても相手材との間での円滑な摺動を得ることができる上に、異音の発生をなくし得る。
上記の各態様の球帯状シール体において、耐熱体は、本発明の第七の態様の球帯状シール体のように、好ましくは膨張黒鉛を含んでいるが、本発明は、これに限定されず、例えば膨張黒鉛に加えて又はこれに代えて、マイカ及びアスベストのうちの一種又は二種以上から選択されたものを具備していてもよい。
また、上記の各態様の球帯状シール体において、環状滑り面は、好ましくは本発明の第八の態様の球帯状シール体のように、部分凸球面、部分凹球面又は截頭円錐面を含んでおり、斯かる部分凸球面、部分凹球面又は截頭円錐面で球帯状シール体は相手材に摺動自在に接触するようになっており、更に、上記の各態様において、球帯状シール体は、本発明の第九の態様の球帯状シール体のように、環状滑り面を含んだ外周面を具備していても、本発明の第十の態様の球帯状シール体のように、環状滑り面を含んだ内周面を具備していてもよい。
なお、球帯状シール体の環状滑り面は、全体的に相手材に摺動自在に接触するようになっていてもよいが、これに代えて、部分的に帯状に相手材に摺動自在に接触するようになっていてもよく、また、環状滑り面は、一個の部分凸球面、部分凹球面又は截頭円錐面を含んでいるものに限定されず、曲率中心位置若しくは曲率半径が異なる2個以上の部分凸球面若しくは部分凹球面又は傾斜の程度が異なる截頭円錐面を含んでいてもよい。
上記のいずれか態様の球帯状シール体を製造するための本発明の方法は、耐熱材を含んだ耐熱シート部材と金網からなる補強シート部材とを準備する工程と、補強シート部材を耐熱シート部材に重ね合わせたのち、この重合体を円筒状に捲回して筒状母材を形成する工程と、筒状母材を金型のコア外周面に挿入し、金型内において筒状母材をコア軸方向に圧縮成形する工程とを具備している。
また上記の第一から第九のいずれかの態様の球帯状シール体を製造するための本発明の方法は、耐熱材を含んだ補強シート部材を金網からなる耐熱シート部材に重ね合わせたのち、この重合体を円筒状に捲回して筒状母材を形成する工程と、耐熱材を含んだ別の耐熱シート部材と当該別の耐熱シート部材の一方の表面に被着された潤滑材を含んだ潤滑層とこの潤滑層に配された金網からなる別の補強シート部材とからなる被覆層形成部材を潤滑層の面を外側にして筒状母材の外周面に捲回して予備円筒成形体を形成する工程と、この予備円筒成形体を金型のコア外周面に挿入し、金型内において予備円筒成形体をコア軸方向に圧縮成形する工程とを具備している。
更に上記の第一から第八及び第十のいずれかの態様の球帯状シール体を製造するための本発明の方法は、耐熱シート部材と当該耐熱シート部材の一方の表面に被着された潤滑材を含んだ潤滑層とこの潤滑層に配された金網からなる補強シート部材とからなる被覆層形成部材を潤滑層の面を内側にして捲回して筒状母材を形成する工程と、金網からなる別の補強シート部材を耐熱材を含んだ別の耐熱シート部材に重ね合わせたのち、この重合体を筒状母材の外周面に捲回して予備円筒成形体を形成する工程と、この予備円筒成形体を金型のコア外周面に挿入し、金型内において予備円筒成形体をコア軸方向に圧縮成形する工程とを具備している。
本発明によれば、球帯状シール体自体を介する排気ガスの漏出をなくし得、しかも、異音発生をなくし得る球帯状シール体及びその製造方法を提供することができる。
本発明の球帯状シール体の実施の形態の一例を示す縦断面図である。 図1の例の製造工程における耐熱シート部材の斜視図である。 図1の例の製造工程における金網からなる補強シート部材の形成方法の説明図である。 図1の例の製造工程における筒状母材の平面図である。 図1の例の製造工程における金型中に筒状母材を挿入した状態を示す縦断面図である。 図1の例を組込んだ排気管球面継手の縦断面図である。 本発明の球帯状シール体の実施の形態の他の例を示す縦断面図である。 本発明の球帯状シール体の実施の形態の更に他の例を示す縦断面図である。 図8に示す例の一部拡大断面図である。 図8に示す例の製造工程における潤滑層を形成した耐熱シート部材の縦断面図である。 図8に示す例の製造工程における被覆層形成部材の形成方法の説明図である。 図8に示す例の製造工程における被覆層形成部材の形成方法の説明図である。 図8に示す例の製造工程における予備円筒成形体の平面図である。 本発明の球帯状シール体の実施の形態の更に他の例を示す縦断面図である。 図14の例を組込んだ排気管球面継手の縦断面図である。 図14の例の製造工程における金型中に筒状母材を挿入した状態を示す縦断面図である。 図14の例の製造工程における圧縮成形の状態を示す縦断面図である。 本発明の球帯状シール体の実施の形態の更に他の例を組込んだ排気管球面継手の縦断面図である。 本発明の球帯状シール体の実施の形態の更に他の例を組込んだ排気管球面継手の縦断面図である。
以下、本発明及びその実施の形態を、図面に示す好ましい例に基づいて説明する。なお、本発明はこれらの例に何等限定されないのである。
図1において、本例の球帯状シール体1は、耐熱材2と金網からなる補強材3とが圧縮されて補強材3の金網の網目に耐熱材2が充填されて当該耐熱材2と補強材3とが混在一体化されてなるシール本体4を有しており、本例ではシール本体4自体が、貫通孔5を規定する円筒状の内周面6と、環状滑り面としての部分凸球面7を含んだ外周面10、本例では部分凸球面7のみからなる外周面10と、部分凸球面7の大径側及び小径側に夫々環状の端面8及び9とを有しており、斯かるシール本体4には、補強材3が15重量%から80重量%で、耐熱材2が20重量%から85重量%の割合で含まれており、シール本体4における耐熱材2が1.20g/cmから2.00g/cmの密度を有している。
膨張黒鉛を含んだ耐熱材2は、耐熱シート部材としての膨張黒鉛粒子を成形した膨張黒鉛シートを加圧して圧縮したものからなる。耐熱材2には、必要に応じて五酸化燐及び燐酸塩等のその他の酸化抑制剤等が含まれていてもよい。
補強材3は、鉄系としてオーステナイト系のSUS304若しくはSUS316又はフェライト系のSUS430等のステンレス鋼線又は鉄線(JIS−G−3532)もしくは亜鉛メッキ鉄線(JIS−G−3547)、また銅系として銅−ニッケル合金(白銅)、銅−ニッケル−亜鉛合金(洋白)、黄銅、ベリリウム銅からなる線径0.10〜0.32mm程度の細線材を1本又は2本以上使用して織ったり、編んだりして形成された網目3〜6mm程度の金網を加圧して圧縮したものからなる。
補強材3としては、上述した金網の他に、厚さは0.3〜0.5mm程度のステンレス鋼薄板又はリン青銅薄板に切込みを入れると同時に該切込みを拡開して規則正しい3〜6mm程度の網目列が形成された、所謂エキスパンドメタルを金網として用いてもよい。
図1に示す球帯状シール体1の製造方法を次に説明する。まず、所定の幅と長さに切断されていると共に耐熱材2としての膨張黒鉛からなる図2に示すような短冊状の耐熱シート部材11と、金属細線を織ったり、編んだりすることによって形成される金網を所定の幅(耐熱シート部材の幅とほぼ同じ)と所定の長さに切断した補強シート部材又は図3に示すように金属細線を編んで形成された円筒状金網12をローラ13及び14間に通して所定の幅(耐熱シート部材の幅とほぼ同じ)の帯状金網15を作製し、当該帯状金網15を所定の長さに切断した補強シート部材16とを準備する。次に、耐熱シート部材11と補強シート部材16とを重ね合わせると共に、この重合体を、耐熱シート部材11を内側にしてうず巻き状であって耐熱シート部材11が1回多くなるように捲回し、図4に示すように、筒状母材17を形成する。更に、円筒内壁面21と円筒内壁面21に連なる部分凹球内壁面22と部分凹球内壁面22に連なる貫通孔23とを備え、貫通孔23に段付きコア24を嵌挿することによって内部に中空円筒部25と中空円筒部25に連なる球帯状中空部26とが形成された図5に示すような金型27を準備し、金型27の段付きコア24に筒状母材17を挿入する。金型27の中空円筒部25及び球帯状中空部26に位置せしめられた筒状母材17をコア軸方向に所定の圧力で圧縮成形し、図1に示すような、部分凸球面7を有したシール本体4からなる球帯状シール体1を形成する。
そして、耐熱材2となる耐熱シート部材11の厚み、補強材3となる金網の線材の種類、線径、網目の程度並びに筒状母材17への圧力程度等を適宜選定することにより、補強材3が15重量%から80重量%で、耐熱材2が20重量%から85重量%の割合で含まれており、耐熱材が1.20g/cmから2.00g/cmの密度を有しているシール本体4からなる球帯状シール体1を得ることができる。
斯かる球帯状シール体1は、例えば図6に示す排気管球面継手31に組込まれて使用される。すなわち、エンジン側に連結された上流側排気管32の外周面には、管端部33を残してフランジ34が溶接等により固着されており、管端部33には、球帯状シール体1が貫通孔5を規定する内周面6において嵌合されており、大径側端面8において球帯状シール体1がフランジ34に当接されて着座せしめられており、上流側排気管32と相対向してマフラー側に連結され、端部に凹球面部41と凹球面部41の開口部周縁にフランジ部42とを備えた相手材としての径拡大部43が一体に形成された下流側排気管44が凹球面部41を球帯状シール体1の部分凸球面7に摺動自在に接触させて配置されている。
図6に示す排気管球面継手31において、一端がフランジ34に固定され、他端が径拡大部43のフランジ部42を挿通して配された一対のボルト51とボルト51の膨大頭部及びフランジ部42の間に配された一対のコイルバネ52とにより、下流側排気管44には、常時、上流側排気管32方向にバネ力が付勢されている。そして、排気管球面継手31は、上、下流側排気管32、44に生じる相対角変位に対しては、球帯状シール体1の部分凸球面7と下流側排気管44の端部に形成された径拡大部43の凹球面部41との摺動でこれを許容するように構成されている。
斯かる排気管球面継手31に適用された球帯状シール体1は、補強材3が15重量%から80重量%で、耐熱材2が20重量%から85重量%の割合で含まれており、耐熱材2が1.20g/cmから2.00g/cmの密度を有しているシール本体4からなるために、シール本体4自体を介する排気ガスの漏出のない、相手材である凹球面部41との間における摺動に際して異音発生のないものとなる。
上記では、球帯状シール体1をシール本体4から構成したが、図7に示すように球帯状シール体をシール本体と被覆層とから構成してもよい。即ち図7に示す球帯状シール体61は、環状滑り面としての部分凸球面62を含んだ外周面60、本例では部分凸球面62のみからなる外周面60を具備しており、前述のシール本体4と、シール本体4の外周面7(前述の部分凸球面7)に一体的に形成されていると共に潤滑材からなる被覆層63とを有し、被覆層63の露出面により部分凸球面62が構成されている。
被覆層63は、前述と同様にして形成されたシール本体4の外周面7に刷毛塗り、浸漬、スプレー等により潤滑材を10〜300μm程度の厚みになるように塗布して乾燥させた後に露出面を滑らかにして、斯かる滑らかな露出面からなる部分凸球面62をもって形成される。
被覆層63の形成材料としての潤滑材は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂又はポリテトラフルオロエチレン樹脂を主成分とし、これに必要に応じて窒化ホウ素を含有させたもの等であって、これの水性ディスパージョンを塗布して被覆層64が形成される。
図7に示す球帯状シール体61は、潤滑材からなる被覆層63をシール本体4の外周面7に具備して、被覆層63の露出面により構成された部分凸球面62を有しているために、排気管球面継手31への適用に際しては、斯かる部分凸球面62で接触する相手材との更なる滑らかな摺動を確保でき、しかも、球帯状シール体1と同様に、シール本体4自体を介する排気ガスの漏出がない上に、相手材である凹球面部41との間における摺動に際して異音発生のないものとなる。
本発明の球帯状シール体は、図1及び図7に示す球帯状シール体1及び61に代えて図8及び図9に示すような球帯状シール体71であってもよい。図8及び図9に示す球帯状シール体71は、環状滑り面としての部分凸球面72を含んだ外周面70、本例では部分凸球面72のみからなる外周面70を具備しており、シール本体4と、シール本体4の外周面73(前述の部分凸球面7に相当するが凹凸を有したものとなる)に一体的に形成されていると共に潤滑材74及び耐熱材75と金網からなる補強材76とが圧縮されて補強材76の金網の網目に潤滑材74及び耐熱材75が充填されて当該潤滑材74及び耐熱材75と補強材76とが混在一体化されてなる被覆層77とを有し、補強材76からなる面78と潤滑材74からなる面79とが混在した被覆層77の露出面により部分凸球面72が構成されており、シール本体4及び被覆層77には、補強材3及び76が15重量%から80重量%で、耐熱材2及び75と潤滑材74とが20重量%から85重量%の割合で含まれており、シール本体4及び被覆層77における耐熱材2及び75並びに潤滑材74が1.20g/cmから2.00g/cmの密度を有している。
図8及び図9に示す球帯状シール体71の製造方法を次に説明すると、まず、球帯状シール体1と同様にして図4に示すような筒状母材17を準備する。次に、図2に示すような耐熱シート部材11を別に用意し、この別の耐熱シート部材11の一方の表面に、潤滑材としてのポリテトラフルオロエチレン樹脂が含有された水性ディスパージョンを刷毛塗り、ローラ塗り、スプレー等の手段で被覆し、これを乾燥させて、図10に示すような潤滑層80を形成し、更に図3に示すような帯状金網15からなる補強シート部材81を別に用意し、図11に示すように、補強シート部材81内に、潤滑層80を備えた耐熱シート部材11を挿入すると共に、これらを図12に示すように、ローラ82及び83間に通して一体化させ、別の耐熱シート部材11と当該別の耐熱シート部材11の一方の表面に被着された潤滑材を含んだ潤滑層80と潤滑層80に配された金網12からなる別の補強シート部材81とからなる被覆層形成部材84を形成し、このようにして得た被覆層形成部材84を潤滑層80を外側にして筒状母材17の外周面に捲回し、図13に示すような予備円筒成形体85を作製する。この予備円筒成形体85を前記と同様に金型27に配置して圧縮成形することにより球帯状シール体71を得る。
そして、耐熱材2及び75となる両耐熱シート部材11の厚み、補強材3及び76となる金網12の線材の種類、線径、網目の程度、潤滑層80の厚み並びに予備円筒成形体85への圧力の程度等を適宜選定することにより、シール本体4と被覆層77とを有しており、シール本体4及び被覆層77には、補強材3及び76が15重量%から80重量%で、耐熱材2及び75と潤滑材74とが20重量%から85重量%の割合で含まれており、シール本体4及び被覆層77における耐熱材2及び75並びに潤滑材74が1.20g/cmから2.00g/cmの密度を有している球帯状シール体71を得ることができる。
球帯状シール体71は、潤滑材74及び耐熱材75と補強材76とが混在一体化されてなる被覆層77をシール本体4の外周面73に具備して、補強材76からなる面78と潤滑材74からなる面79とが混在一体となった被覆層77の露出面により構成された部分凸球面72を有しているために、球帯状シール体61と同様に、部分凸球面72と接触する相手材である凹球面部41との更なる滑らかな摺動を確保できる上に、露出面における潤滑材74からなる面79を補強材76からなる面78でもって保持し得る上に、部分凸球面72からの潤滑材74の凹球面部41への移着と凹球面部41へ移着した潤滑材74の掻き取りとを適宜に行い得る結果、長期に亘る滑らかな摺動を確保でき、しかも、球帯状シール体1と同様に、シール本体4自体を介する排気ガスの漏出のない、凹球面部41との間における摺動に際して異音発生のないものとなる。
また球帯状シール体71と同様の製造方法を用いると共に、耐熱材2及び75となる両耐熱シート部材11の厚み、補強材3及び76となる金網12の線材の種類、線径、網目の程度、潤滑層80の厚み並びに予備円筒成形体85への圧力の程度等を適宜選定して、シール本体4と被覆層77とを有しており、部分凸球面62から部分凸球面62から中心に向かう1mmまでの環状の表層部分91には、補強材3及び76が60重量%から75重量%で、耐熱材2及び75と潤滑材74とが25重量%から40重量%の割合で含まれており、当該環状の表層部分91における補強材3及び76、耐熱材2及び75並びに潤滑材74が3.00g/cmから5.00g/cmの密度を有しており、環状の表層部分91を除く球帯状シール体の他の環状の部分には、補強材3が20重量%から70重量%で、耐熱材2が30重量%から80重量%の割合で含まれている球帯状シール体としてもよい。
斯かる球帯状シール体では、表層部分91の剥離、脱落が生じ難く、表層部分91を介する排気ガスの初期漏洩がない上に、早期はいうに及ばず長期においても排気ガスの漏洩をなくし得、しかも、相手材である凹球面部41との間における摺動に際して異音を生じさせないようにでき、また他の環状の部分を介する排気ガスの漏洩を確実に防止できる上に、ここでの耐熱材に対する補強が好ましくなされて、耐熱材の剥離を好ましく防止できる。
更に球帯状シール体71と同様の製造方法を用いると共に、耐熱材75となる別の耐熱シート部材11の厚み、補強材76となる金網12の線材の種類、線径、網目の程度、潤滑層80の厚み等を適宜選定して、シール本体4と被覆層77とを有しており、被覆層77には、補強材76が60重量%から75重量%で、潤滑材74及び耐熱材75が25重量%から40重量%の割合で含まれている球帯状シール体としてもよく、斯かる球帯状シール体では、被覆層77の部分の剥離、脱落が生じ難く、被覆層77の部分を介する排気ガスの初期及び早期の漏洩を確実に防止できる。
加えて、球帯状シール体71と同様の製造方法を用いると共に、耐熱材75となる別の耐熱シート部材11の厚み、補強材76となる金網12の線材の種類、線径、網目の程度、潤滑層80の厚み等を適宜選定して、シール本体4と被覆層77とを有しており、部分凸球面72において、補強材76からなる面78が0.5%から30%で、潤滑材74からなる面79が70%から99.5%の面積割合をもって露出している球帯状シール体としてもよく、斯かる球帯状シール体では、部分凸球面72での潤滑材74からなる面79の剥離、脱落を防ぎ得て、しかも、長期の使用においても凹球面部41との間での円滑な摺動を得ることができる。
ところで、前記では環状滑り面としての部分凸球面7、62又は72を含んだ外周面10、60又は70を具備した球帯状シール体1、61又は71の例であるが、これに代えて、本発明では、図14に示すように、環状滑り面として截頭円錐面102を含んだ内周面100を具備した球帯状シール体101であってもよい。図14に示す球帯状シール体101は、截頭円錐面102に加えて截頭円錐面102に連接された円筒内面103を含んだ内周面100と、截頭円錐面102に対応する截頭円錐外面104及び截頭円錐外面104に連接された円筒外面105を含んだ外周面106と、截頭円錐面102の大径側及び小径側に夫々環状の端面108及び109とを有しており、球帯状シール体1、61又は71と同様に構成されている。
環状滑り面として截頭円錐面102を含んだ内周面100を具備した図14に示す球帯状シール体101は、例えば図15に示す排気管球面継手131に組込まれて使用される。すなわち、エンジン側に連結された上流側排気管32の外周面には、フランジ部材132が溶接等により固着されており、フランジ部材132の截頭円錐部133の環状面134、截頭円錐面135及び円筒面136からなる内周面137には、外周面106の端面109、截頭円錐外面104及び円筒外面105が夫々ぴったりと当接されて当該外周面106で球帯状シール体101が嵌合されており、上流側排気管32と相対向してマフラー側に連結されていると共に、凸球面部138とフランジ部139とを一体的に有した相手材としての凸球面部材140が溶接等により固着された下流側排気管44が凸球面部138を球帯状シール体101の截頭円錐面102に摺動自在に接触させて配置されている。
図15に示す排気管球面継手131においては、一端がフランジ部139に固定され、他端がフランジ部材132のフランジ部141を十分な隙間をもって貫通して配された一対のボルト51とボルト51の膨大頭部及びフランジ部141の間に配された一対のコイルバネ52とにより、下流側排気管44には、常時、上流側排気管32方向にバネ力が付勢されている。そして、排気管球面継手131は、上、下流側排気管32、44に生じる相対角変位に対しては、球帯状シール体101の截頭円錐面102と下流側排気管44の端部に溶接等により固着された凸球面部材140の凸球面部138との摺動でこれを許容するように構成されている。
斯かる排気管球面継手131に適用された球帯状シール体101は、球帯状シール体1、61又は71と同様に構成されているので、上記球帯状シール体1、61又は71と同様な効果を生じさせる。
球帯状シール体1又は61に相当する図14に示す球帯状シール体101を製造するには、まず、前述の図2に示すような短冊状の耐熱シート部材11と前述の図3に示すような補強シート部材16とを準備し、次に、耐熱シート部材11と補強シート部材16とを重ね合わせると共に、この重合体を、耐熱シート部材11を内側にしてうず巻き状であって耐熱シート部材11が1回多くなるように捲回し、図4に示すような筒状母材17を形成する。更に、円筒内壁面145と円筒内壁面145に連なる截頭円錐面146と段部147を介して截頭円錐面146に連なる円孔148とを備え、円孔148に段付きコア149を嵌挿することによって内部に中空円筒部151と中空円筒部151に連なる截頭円錐状中空部152とが形成された図16に示すような金型153を準備し、金型153の段付きコア149の外周面であって中空円筒部151に筒状母材17を挿入して円筒内壁面145に装着する。筒状母材17の円筒内壁面145への装着後、図16に示すような截頭円錐面161を先端部に有した円筒状の押圧部材162を金型153の中空円筒部151に挿入して、押圧部材162により図17に示すように筒状母材17をコア軸方向に所定の圧力で圧縮成形してシール本体を形成し、このシール本体をそのまま用いることにより球帯状シール体1に相当する図14に示すような球帯状シール体101となり、筒状母材17の押圧部材162による圧縮成形後に得られたシール本体の内周面に刷毛塗り、浸漬、スプレー等により潤滑材を塗布して乾燥させた後にこの塗布層の露出面を滑らかにして斯かる滑らかな露出面からなる截頭円錐面102をもって被覆層を形成することにより球帯状シール体61に相当する図14に示す球帯状シール体101を得ることができる。
球帯状シール体71に相当する図14に示す球帯状シール体101を製造するには、前述の図12に示すような被覆層形成部材84を潤滑層80の面を内側にして捲回して筒状母材17と同様の筒状母材を形成し、前述の図3に示すような短冊状の金網からなる別の補強シート部材16を前述の図2に示すような耐熱材を含んだ別の耐熱シート部材11に重ね合わせたのち、この重合体を被覆層形成部材84からなる筒状母材の外周面に捲回して予備円筒成形体85と同様の予備円筒成形体を形成し、前述と同様にこの予備円筒成形体を図16に示す金型153の段付きコア149の外周面であって中空円筒部151内に挿入して円筒内壁面145に装着し、押圧部材162により図17に示すように予備円筒成形体を金型153内においてコア軸方向に所定の圧力で圧縮成形することにより球帯状シール体101を得る。
ところで、球帯状シール体101では、内周面100の環状滑り面を截頭円錐面102でもって構成して、截頭円錐面102の一個所の一部分に凸球面部138を摺動自在に接触させるようにしたが、これに代えて、図18に示すように内周面100の環状滑り面を部分凹球面171で構成して、部分凹球面171のほぼ全域に凸球面部138を摺動自在に接触させるようにしてもよく、また図19に示すように内周面100の環状滑り面を二個の連接する截頭円錐面172及び173で構成し、截頭円錐面172及び173の二個所で部分的に凸球面部138を摺動自在に接触させるようにしてもよい。
図18及び図19に示す球帯状シール体101でも、球帯状シール体1、61又は71と同様に構成されているので、上記球帯状シール体1、61又は71と同様な効果を生じさせることができる。
1 球帯状シール体
2 耐熱材
3 補強材
4 シール本体
7 部分凸球面

Claims (5)

  1. 環状滑り面を有しており、少なくとも耐熱材と金網からなる補強材とが圧縮されて補強材の金網の網目に耐熱材が充填されて耐熱材と補強材とが混在一体化されてなるシール本体と、このシール本体の外周面に一体的に形成されていると共に少なくとも潤滑材及び耐熱材と金網からなる補強材とが圧縮されて補強材の金網の網目に潤滑材及び耐熱材が充填されて当該潤滑材及び耐熱材と補強材とが混在一体化されてなる被覆層とを有しており、補強材からなる面と潤滑材からなる面とが混在した被覆層の露出面により環状滑り面が構成されている球帯状シール体であって、被覆層には、補強材が60重量%から75重量%で、潤滑材及び耐熱材が25重量%から40重量%の割合で含まれており、シール本体及び被覆層における耐熱材及び潤滑材が1.20g/cmから2.00g/cmの密度を有しており、環状滑り面は、二個の連接する截頭円錐面で構成されている球帯状シール体。
  2. 環状滑り面を有しており、少なくとも耐熱材と金網からなる補強材とが圧縮されて補強材の金網の網目に耐熱材が充填されて耐熱材と補強材とが混在一体化されてなるシール本体と、このシール本体の外周面に一体的に形成されていると共に少なくとも潤滑材及び耐熱材と金網からなる補強材とが圧縮されて補強材の金網の網目に潤滑材及び耐熱材が充填されて当該潤滑材及び耐熱材と補強材とが混在一体化されてなる被覆層とを有しており、補強材からなる面と潤滑材からなる面とが混在した被覆層の露出面により環状滑り面が構成されている球帯状シール体であって、環状滑り面において、補強材からなる面が0.5%から30%で、潤滑材からなる面が70%から99.5%の面積割合をもって露出しており、シール本体及び被覆層における耐熱材及び潤滑材が1.20g/cmから2.00g/cmの密度を有しており、環状滑り面は、二個の連接する截頭円錐面で構成されている球帯状シール体。
  3. 耐熱材は、膨張黒鉛を含んでいる請求項1又は2に記載の球帯状シール体。
  4. 環状滑り面を含んだ外周面を具備している請求項1から3のいずれか一項に記載の球帯状シール体。
  5. 環状滑り面を含んだ内周面を具備している請求項1から3のいずれか一項に記載の球帯状シール体。
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