JP2003097713A - 球帯状シール体及びその製造方法 - Google Patents
球帯状シール体及びその製造方法Info
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Abstract
がなく、しかも、安定したシール特性を有した球帯状シ
ール体及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 球帯状シール体1は、膨張黒鉛を含んで
いる耐熱材2と金網からなる補強材3とが圧縮されて補
強材3の金網の網目に耐熱材2が充填されて当該耐熱材
2と補強材3とが混在一体化されてなるシール本体4を
有しており、シール本体4は、貫通孔5を規定する円筒
状の内周面6と、部分凸球面7と、部分凸球面7の大径
側及び小径側に夫々環状の大径側端面8及び小径側端面
9とを有している。
Description
面管継手に使用される球帯状シール体及びその製造方法
に関する。
管継手に使用される球帯状シール体は、例えば特開昭5
4−76759号公報、特開平6−123362号公
報、特開平10−9396号公報、特開平10−939
7号公報等により種々提案されている。
の継手と比較して製造コストの低減を図り得てしかも耐
久性に優れているのであるが、これらはいずれも、膨張
黒鉛等からなる耐熱材と金網からなる補強材とを圧縮し
て補強材の金網の網目に耐熱材を充填し、当該耐熱材と
補強材とを混在一体化してなるために、耐熱材に対して
補強材が占める割合により球帯状シール体自体を介する
排気ガスの漏出の問題を本来的に具有し、例えば耐熱材
に対して補強材が占める割合が大きすぎると、補強材の
周りに生じる微小通路に対する耐熱材による封止の程度
が減少して初期漏洩を惹起する上に、高温下における耐
熱材の酸化消耗等により早期の排気ガスの漏出の虞があ
る。
凸球面で相手材に摺動自在に接触して、その大径側端面
で排気管に固定されたフランジに着座して配されるため
に、部分凸球面でのシール性はさることながら大径側端
面でも所望のシール性が要求されるのであるが、大径側
端面側で耐熱材に対して補強材が占める割合が大きすぎ
たり大径側端面で耐熱材が部分的に露出していると、こ
こを介して排気ガスが漏出する虞があり、摺動性に加え
て部分凸球面でのシール性を如何に向上させても全体の
シール性が向上しないものとなる。
端面で高温の排気ガスに直接晒されるように設置される
ために、小径側端面側でも耐熱材に対して補強材が占め
る割合が大きすぎると、補強材の周りに生じる微小通路
を介して高温の排気ガスが球帯状シール体の内部に侵入
して、球帯状シール体の内部から耐熱材の酸化消耗が生
じる虞もある。
であり、その目的とするところは、球帯状シール体自体
を介する排気ガスの漏出がなく、しかも、安定したシー
ル特性を有した球帯状シール体及びその製造方法を提供
することにある。
帯状シール体は、環状滑り面を含んだ外周面又は内周面
を有していると共に外周面又は内周面の軸方向の少なく
とも一方の端縁側に環状端面を有しており、少なくとも
耐熱材と金網からなる補強材とが圧縮されて補強材の金
網の網目に耐熱材が充填されて当該耐熱材と補強材とが
混在一体化されてなるシール本体を有しており、ここ
で、外周面又は内周面の少なくとも一方の端縁側の環状
端面には全体的に耐熱材が露出している。
周面又は内周面の少なくとも一方の端縁側の環状端面に
は全体的に耐熱材が露出しているために、当該環状端面
と接触するフランジ部材等の相手材との間で確実なシー
ルを確保できる。
の態様の球帯状シール体のように、好ましくは膨張黒鉛
を含んでいるが、本発明は、これに限定されず、例えば
膨張黒鉛に加えて又はこれに代えて、マイカ及びアスベ
ストのうちの一種又は二種以上から選択されたものを具
備していてもよい。
は、その第三の態様の球帯状シール体のように、部分凸
球面である環状滑り面を含んでいてもよく、この場合、
全体的に耐熱材が露出している環状端面は、部分凸球面
の大径側に位置しているとよく、内周面は、その第四の
態様の球帯状シール体のように、部分凹球面又は截頭円
錐面である環状滑り面を含んでいてもよく、この場合、
全体的に耐熱材が露出している環状端面は、部分凹球面
又は截頭円錐面の小径側に位置しているとよい。
していると共にこの外周面又は内周面の軸方向の少なく
とも一方の端縁側に環状端面を有しており、少なくとも
耐熱材と金網からなる補強材とが圧縮されて補強材の金
網の網目に耐熱材が充填されて当該耐熱材と補強材とが
混在一体化されてなるシール本体を有する球帯状シール
体を製造する本発明の第一の態様方法は、金網からなる
幅Dの補強シート部材を準備する工程と、補強シート部
材の幅Dに対して1.1×Dから2.1×Dの幅を有す
ると共に耐熱材を含んだ耐熱シート部材を準備する工程
と、補強シート部材の幅方向の少なくとも一方の端縁か
ら最大で0.1×Dから0.8×Dだけ耐熱シート部材
が幅方向にはみ出すようにして補強シート部材と耐熱シ
ート部材とを互いに重ね合わせた後、この重合体を円筒
状に捲回して筒状母材を形成する工程と、少なくとも筒
状母材を前記幅方向に圧縮して少なくともシール本体を
有する球帯状シール体を成形する工程とを具備してい
る。
に重ね合わせた重合体を円筒状に捲回して筒状母材を形
成し、この筒状母材を軸方向(シート部材の幅方向)に
圧縮して球帯状シール体を製造する方法では、補強シー
ト部材の幅Dに対して1.1×Dよりも短い幅を有した
耐熱シート部材を用いると、得られる球帯状シール体に
おいて、大径側端面側及び小径側端面側での耐熱材に対
して補強材が占める割合が必要以上に大きくなり、大径
側端面側及び小径側端面側での補強材の周りに生じる微
小通路に対する耐熱材による封止が確実に行われなくな
り、ここからの排気ガスの漏出が生じ、またここでの耐
熱材の酸化消耗が促進される一方、補強シート部材の幅
Dに対して2.1×Dよりも長い幅を有した耐熱シート
部材を用いると、大径側端面側及び小径側端面側で耐熱
材が過量となって補強材による適度の補強が得られ難く
なり、大径側端面側及び小径側端面側で所望の強度を得
ることができず、割れ、欠け、剥離等が生じ易くなる。
法のように、補強シート部材の幅Dに対して1.1×D
から2.1×Dの幅を有する耐熱シート部材を用いる
と、得られる球帯状シール体において、大径側端面側及
び小径側端面側での補強材の周りに生じる微小通路に対
する耐熱材による封止が確実に行われると共に、内部か
らの耐熱材の酸化消耗の虞もなく、しかも、大径側端面
側及び小径側端面側で所望の強度を得ることができ、割
れ、欠け、剥離等の虞もなく、而して、球帯状シール体
自体を介する排気ガスの漏出がなく、しかも、安定した
シール特性を有した球帯状シール体を得ることができ
る。
していると共にこの外周面又は内周面の軸方向の少なく
とも一方の端縁側に環状端面を有しており、少なくとも
耐熱材と金網からなる補強材とが圧縮されて補強材の金
網の網目に耐熱材が充填されて当該耐熱材と補強材とが
混在一体化されてなるシール本体を有する球帯状シール
体を製造する本発明の第二の態様の方法は、金網からな
る長さLの補強シート部材を準備する工程と、補強シー
ト部材の長さLに対して1.30×Lから2.70×L
の長さを有すると共に耐熱材を含んだ耐熱シート部材を
準備する工程と、補強シート部材の長さ方向の少なくと
も一方の端縁から最大で0.30×Lから1.70×L
だけ耐熱シート部材が長さ方向にはみ出すようにして補
強シート部材と耐熱シート部材とを互いに重ね合わせた
後、この重合体を円筒状に捲回して内周側及び外周側の
うちの少なくとも一方側に耐熱シート部材が露出した筒
状母材を形成する工程と、少なくとも筒状母材を前記長
さ方向に直交する方向に圧縮して少なくともシール本体
を有する球帯状シール体を成形する工程とを具備してい
る。
に重ね合わせた重合体を円筒状に捲回して内周側及び外
周側の両方に耐熱シート部材が露出した筒状母材を形成
し、この筒状母材を軸方向(シート部材の幅方向)に圧
縮して球帯状シール体を製造する方法では、補強シート
部材の長さLに対して1.30×Lよりも短い耐熱シー
ト部材を用いると、得られる球帯状シール体において補
強材が占める割合が多くなり、補強材の周りに生じる微
小通路に対する耐熱材による封止が確実に行われなくな
って排気ガスの漏出が生じ易くなる一方、補強シート部
材の長さLに対して2.70×Lよりも長い耐熱シート
部材を用いると、得られる球帯状シール体において耐熱
材が占める割合が多くなり、所望の強度を得ることがで
きず、割れ、欠け、剥離等が生じ易くなる。
法のように、補強シート部材の長さLに対して1.30
×Lから2.70×Lの長さを有する耐熱シート部材を
用いると、得られる球帯状シール体において、補強材の
周りに生じる微小通路に対する耐熱材による封止が確実
に行われると共に所望の強度を得ることができて割れ、
欠け、剥離等の虞もなく、而して、球帯状シール体自体
を介する排気ガスの漏出がなく、しかも、安定したシー
ル特性を有した球帯状シール体を得ることができる。
していると共にこの外周面又は内周面の軸方向の少なく
とも一方の端縁側に環状端面を有しており、少なくとも
耐熱材と金網からなる補強材とが圧縮されて補強材の金
網の網目に耐熱材が充填されて当該耐熱材と補強材とが
混在一体化されてなるシール本体を有する球帯状シール
体を製造する本発明の第三の態様の方法は、金網からな
る幅Dの補強シート部材を準備する工程と、補強シート
部材の幅Dに対して1.1×Dから2.1×Dの幅を有
し、且つ補強シート部材の長さLに対して1.30×L
から2.70×Lの長さを有すると共に耐熱材を含んだ
耐熱シート部材を準備する工程と、補強シート部材の幅
方向の少なくとも一方の端縁から最大で0.1×Dから
0.8×Dだけ耐熱シート部材が幅方向にはみ出すよう
にすると共に、補強シート部材の長さ方向の少なくとも
一方の端縁から最大で0.30×Lから1.70×Lだ
け耐熱シート部材が長さ方向にはみ出すようにして補強
シート部材と耐熱シート部材とを互いに重ね合わせた
後、この重合体を円筒状に捲回して内周側及び外周側の
うちの少なくとも一方側に耐熱シート部材が露出した筒
状母材を形成する工程と、少なくとも筒状母材を前記幅
方向に圧縮して少なくともシール本体を有する球帯状シ
ール体を成形する工程とを具備している。
及び第二の態様の方法による球帯状シール体と同様であ
って、排気ガスの漏出のない、しかも、安定したシール
特性を有した球帯状シール体を製造し得る。
工程においては、好ましくは本発明の第四の態様の方法
のように、製造された球帯状シール体において外周面又
は内周面の軸方向の少なくとも一方の端縁側の環状端面
に全体的に耐熱材が露出するように、当該環状端面側と
なる補強シート部材の幅方向の一方の端縁からの耐熱シ
ート部材の幅方向のはみ出し量が、補強シート部材の幅
方向の他方の端縁からの耐熱シート部材の幅方向のはみ
出し量よりも多くなるように、補強シート部材と耐熱シ
ート部材とを互いに重ね合わせる。
のはみ出し量をもって重ね合わせることにより、帯状シ
ール体の外周面又は内周面の軸方向の少なくとも一方の
端縁側における耐熱材を比較的多く配置できる上に、当
該端縁側の環状端面での補強材の露出を実質的になくす
ことができ、而して、当該端縁側の環状端面側からの排
気ガスの漏出を好ましく防止できる球帯状シール体を製
造できる。
帯状シール体において外周面は、本発明の第五の態様の
方法のように、部分凸球面である環状滑り面を含んでお
り、この場合、全体的に耐熱材が露出する環状端面は、
部分凸球面の大径側に位置するようになっていてもよ
く、また、製造された球帯状シール体において内周面
は、本発明の第六の態様の方法のように、部分凹球面又
は截頭円錐面である環状滑り面を含んでおり、この場
合、全体的に耐熱材が露出している環状端面は、部分凹
球面又は截頭円錐面の小径側に位置するようになってい
てもよい。
ト部材の準備工程においては、本発明の第七の態様の方
法のように、筒状母材における耐熱シート部材の巻き回
数が補強シート部材の巻き回数よりも多くなるように、
補強シート部材の長さLに対して1.30×Lから2.
70×Lの長さを有した耐熱シート部材を準備する。
は内周面に一体的に形成されていると共に少なくとも潤
滑材からなる被覆層を更に有した球帯状シール体を製造
するようにしてもよく、斯かる球帯状シール体を製造す
る場合には、本発明の第八の態様の方法のように、上述
の第一から第七のいずれかの態様の方法において、シー
ル本体を成形した後に、シール本体の外周面又は内周面
に潤滑材からなる被覆層を形成する工程を具備していて
もよい。
面に一体的に形成されていると共に少なくとも潤滑材及
び耐熱材と金網からなる補強材とが圧縮されて補強材の
金網の網目に潤滑材及び耐熱材が充填されて当該潤滑材
及び耐熱材と補強材とが混在一体化されてなる被覆層を
更に有しており、補強材からなる面と潤滑材からなる面
とが混在した被覆層の露出面により環状滑り面が構成さ
れている球帯状シール体を製造するようにしてもよく、
斯かる球帯状シール体を製造する場合には、本発明の第
九の態様の方法のように、上述の第一から第七のいずれ
かの態様の方法において、耐熱材を含んだ別の耐熱シー
ト部材を準備し、この別の耐熱シート部材と当該別の耐
熱シート部材の一方の表面に被着された潤滑材からなる
潤滑層とこの潤滑層に配された金網からなる別の補強シ
ート部材とからなる被覆層形成部材を形成する工程と、
この被覆層形成部材を潤滑層の面を外側にして筒状母材
の外周面に捲回して円筒成形体を形成する工程とを具備
していてもよく、この場合、少なくともシール本体を有
する球帯状シール体を成形する工程は、筒状母材を含む
円筒成形体を圧縮してシール本体に加えて潤滑材からな
る被覆層を有する球帯状シール体を成形するようになっ
ていてもよく、また本発明の第十の態様の方法のよう
に、上述の第一から第七のいずれかの態様の方法におい
て、耐熱材を含んだ別の耐熱シート部材を準備し、この
別の耐熱シート部材と当該別の耐熱シート部材の一方の
表面に被着された潤滑材からなる潤滑層とこの潤滑層に
配された金網からなる別の補強シート部材とからなる被
覆層形成部材を形成する工程と、この被覆層形成部材を
潤滑層の面を内側にして捲回して円筒成形体を形成する
工程と、この円筒成形体の外周面に重合体を捲回して筒
状母材を形成する工程とを具備していてもよく、この場
合、少なくともシール本体を有する球帯状シール体を成
形する工程は、筒状母材を含む円筒成形体を圧縮してシ
ール本体に加えて潤滑材からなる被覆層を有する球帯状
シール体を成形するようになっていてもよい。
耐熱材は、好ましくは本発明の第十一の態様の方法のよ
うに、膨張黒鉛を含んでいるが、本発明は、これに限定
されず、例えば膨張黒鉛に加えて又はこれに代えてマイ
カ及びアスベストのうちの一種又は二種以上から選択さ
れたものを含んでいてもよい。
に示す好ましい例に基づいて説明する。なお、本発明は
これらの例に何等限定されないのである。
ル体1は、膨張黒鉛を含んでいる耐熱材2と金網からな
る補強材3とが圧縮されて補強材3の金網の網目に耐熱
材2が充填されて当該耐熱材2と補強材3とが混在一体
化されてなるシール本体4を有しており、本例ではシー
ル本体4自体が、貫通孔5を規定する円筒状の内周面6
と、部分凸球面7と、部分凸球面7の大径側及び小径側
に夫々環状の大径側端面8及び小径側端面9とを有して
いる。即ち、球帯状シール体1は、環状滑り面である部
分凸球面7を含んだ外周面10を有していると共に外周
面10の軸方向の両端縁側に環状端面としての大径側端
面8及び小径側端面9を有しており、膨張黒鉛を含んで
いる耐熱材2と金網からなる補強材3とが圧縮されて補
強材3の金網の網目に耐熱材2が充填されて当該耐熱材
2と補強材3とが混在一体化されてなるシール本体4を
有しており、外周面10の少なくとも一方の端縁側の環
状端面、本例では部分凸球面7の大径側に位置している
大径側端面8には全体的に耐熱材2が露出している。
すると、まず、図2に示すように金属細線を編んで形成
された円筒状金網12をローラ13及び14間に通して
所定の幅Dの帯状金網15を作製し、当該帯状金網15
を所定の長さLに切断した補強シート部材16(図4参
照)又は金属細線を織ったり、編んだりすることによっ
て形成される金網を所定の幅Dと長さLとに切断した補
強シート部材16を準備する。
は、鉄系としてオーステナイト系のSUS304若しく
はSUS316又はフェライト系のSUS430等のス
テンレス鋼線又は鉄線(JIS−G−3532)もしく
は亜鉛メッキ鉄線(JIS−G−3547)、また銅系
として銅−ニッケル合金(白銅)、銅−ニッケル−亜鉛
合金(洋白)、黄銅、ベリリウム銅からなる線径0.1
0〜0.32mm程度の細線材を1本又は2本以上使用
して織ったり、編んだりして形成された網目3〜6mm
程度のものを使用して好適であるが、厚さ0.3〜0.
5mm程度のステンレス鋼薄板又はリン青銅薄板に切込
みを入れると同時に該切込みを拡開して規則正しい3〜
6mm程度の網目列が形成された、所謂エキスパンドメ
タルを金網として用いてもよい。
6の幅Dに対して1.1×Dから2.1×Dの幅d、具
体的にはこれに限定されないが例えば補強シート部材1
6の幅Dに対して5mmから40mm程度大きい幅dを
有すると共に、補強シート部材16の長さLに対して
1.30×Lから2.70×Lの長さlを有するように
切断されていると共に耐熱材2(図1参照)としての膨
張黒鉛からなる短冊状の耐熱シート部材11を準備す
る。
材11は、膨張黒鉛粒子をシート状に成形した厚み0.
2mmから1.0mm程度、好ましくは0.4mm程度
の膨張黒鉛シートからなり、膨張黒鉛シートの成形に際
しては、膨張黒鉛粒子に加えて必要に応じて五酸化燐及
び燐酸塩等のその他の酸化抑制剤等を含ませてもよい。
6の幅方向の少なくとも一方の端縁18から最大で0.
1×Dから0.8×Dだけ耐熱シート部材11が幅方向
にはみ出すように、本例では、製造された球帯状シール
体1において外周面10の軸方向の少なくとも一方の端
縁側の環状端面である大径側端面8に全体的に耐熱材2
が露出するように、大径側端面8側となる補強シート部
材16の幅方向の一方の端縁18からの耐熱シート部材
11の幅方向のはみ出し量δ1が補強シート部材16の
幅方向の他方の端縁19からの耐熱シート部材11の幅
方向のはみ出し量δ2よりも多くなるようにすると共
に、補強シート部材16の長さ方向の少なくとも一方の
端縁20から最大で0.30×Lから1.70×Lだけ
耐熱シート部材11が長さ方向にはみ出すように、本例
では補強シート部材16の長さ方向の他方の端縁28と
当該端縁28に対応する耐熱シート部材11の長さ方向
の端縁29とを実質的に一致させて補強シート部材16
の長さ方向の一方の端縁20から0.30×Lから1.
70×Lだけ耐熱シート部材11が長さ方向にはみ出す
ようにして、補強シート部材16と耐熱シート部材11
との幅方向及び長さ方向を合致させて互いに重ね合わせ
て、重合体30を得るようにする。
すように耐熱シート部材11を内側にしてうず巻き状で
あって耐熱シート部材11が1回多くなるように捲回し
て、内周側及び外周側の両方に耐熱シート部材11が露
出した筒状母材17を形成する。このように耐熱シート
部材11としては、筒状母材17における耐熱シート部
材11の巻き回数が補強シート部材16の巻き回数より
も多くなるように、補強シート部材16の長さLに対し
て1.30×Lから2.70×Lの長さを有したものが
予め準備される。
連なる部分凹球内壁面22と部分凹球内壁面22に連な
る貫通孔23とを備え、貫通孔23に段付きコア24を
嵌挿することによって内部に中空円筒部25と中空円筒
部25に連なる球帯状中空部26とが形成された図6に
示すような金型27を準備し、金型27の段付きコア2
4に筒状母材17を挿入する。金型27の中空円筒部2
5及び球帯状中空部26に位置せしめられた筒状母材1
7をコア軸方向、即ち前記幅方向、換言すれば前記長さ
方向に直交する方向に所定の圧力で圧縮成形し、図1に
示すような、環状滑り面としての部分凸球面7を有した
シール本体4からなる球帯状シール体1を成形する。
示す排気管球面継手31に組込まれて使用される。すな
わち、エンジン側に連結された上流側排気管32の外周
面には、管端部33を残してフランジ部材34が固着さ
れており、管端部33には、球帯状シール体1が貫通孔
5を規定する内周面6において嵌合されており、大径側
端面8において球帯状シール体1がフランジ部材34に
当接されて着座せしめられており、上流側排気管32と
相対向してマフラー側に連結され、端部に凹球面部41
と凹球面部41の開口部周縁にフランジ部42とを備え
た径拡大部43が一体に形成された下流側排気管44が
凹球面部41を球帯状シール体1の部分凸球面7に摺動
自在に接触させて配置されている。
一端がフランジ部材34に固定され、他端が径拡大部4
3のフランジ部42を挿通して配された一対のボルト5
1とボルト51の膨大頭部及びフランジ部42の間に配
された一対のコイルバネ52とにより、下流側排気管4
4には、常時、上流側排気管32方向にバネ力が付勢さ
れている。そして、排気管球面継手31は、上、下流側
排気管32、44に生じる相対角変位に対しては、球帯
状シール体1の部分凸球面7と下流側排気管44の端部
に形成された径拡大部43の凹球面部41との摺動でこ
れを許容するように構成されている。
端面8には全体的に耐熱材2が露出しているために、当
該大径側端面8と接触するフランジ部材34との間で確
実なシールを確保できる。
ール体1の前記の製造方法では、補強シート部材16の
幅Dに対して1.1×Dから2.1×Dの幅dを有する
と共に補強シート部材16の長さLに対して1.30×
Lから2.70×Lの長さlを有する耐熱シート部材1
1を用いるために、得られる球帯状シール体1におい
て、大径側端面8側及び小径側端面9側での補強材3の
周りに生じる微小通路に対する耐熱材2による封止が確
実に行われると共に、内部からの耐熱材2の酸化消耗の
虞もなく、しかも、大径側端面8側及び小径側端面9側
では勿論のこと全体においても所望の強度を得ることが
でき、割れ、欠け、剥離等の虞もなく、而して、球帯状
シール体1自体を介する排気ガスの漏出がなく、しか
も、安定したシール特性を有した球帯状シール体1を得
ることができる。
本体4からなる球帯状シール体1の製造方法であるが、
前述と同様にして形成されたシール本体4の外周面7
(前述の部分凸球面7)に刷毛塗り、浸漬、スプレー等
により潤滑材を10〜300μm程度の厚みになるよう
に塗布して乾燥させた後に、図8に示すように露出面を
研磨した滑らかな部分凸球面62をもって被覆層63を
形成し、シール本体1と被覆層63とを具備した球帯状
シール体61を製造してもよい。図8に示す球帯状シー
ル体61は、環状滑り面として部分凸球面62を含んだ
外周面60を有しており、前述のシール本体4と、シー
ル本体4の外周面7に一体的に形成されていると共に潤
滑材からなる被覆層63とを有し、被覆層63の露出面
により部分凸球面62が構成されている。即ち、図8に
示す球帯状シール体61もまた、環状滑り面である部分
凸球面62を含んだ外周面60を有していると共に外周
面60の軸方向の両端縁側に環状端面としての大径側端
面8及び小径側端面9を有しており、膨張黒鉛を含んで
いる耐熱材2と金網からなる補強材3とが圧縮されて補
強材3の金網の網目に耐熱材2が充填されて当該耐熱材
2と補強材3とが混在一体化されてなるシール本体4を
有しており、外周面60の少なくとも一方の端縁側の環
状端面、本例では部分凸球面62の大径側に位置してい
る大径側端面8には全体的に耐熱材2が露出している。
ポリテトラフルオロエチレン樹脂又はポリテトラフルオ
ロエチレン樹脂を主成分とし、これに必要に応じて窒化
ホウ素を含有させたもの等であって、これの水性ディス
パージョンを塗布して被覆層63を形成するとよい。
からなる被覆層63をシール本体4の外周面7に具備し
て、被覆層63の露出面により構成された部分凸球面6
2を有しているために、排気管球面継手31への適用に
際しては、斯かる部分凸球面62で接触する径拡大部4
3の凹球面部41との更なる滑らかな摺動を確保でき、
しかも、球帯状シール体1と同様に、球帯状シール体6
1自体を介する排気ガスの漏出をなくし得、しかも、安
定したシール特性を発揮することができる。
は、図1及び図8に示す球帯状シール体1及び61に代
えて図9及び図10に示すような球帯状シール体71で
あってもよい。図9及び図10に示す球帯状シール体7
1は、部分凸球面72を有しており、シール本体4と、
シール本体4の外周面73(前述の部分凸球面7に相当
するが凹凸を有したものとなる)に一体的に形成されて
いると共に潤滑材74及び耐熱材75と金網からなる補
強材76とが圧縮されて補強材76の金網の網目に潤滑
材74及び耐熱材75が充填されて当該潤滑材74及び
耐熱材75と補強材76とが混在一体化されてなる被覆
層77とを有し、補強材76からなる面78と潤滑材7
4からなる面79とが混在した被覆層77の露出面によ
り部分凸球面72が構成されている。即ち、図9及び図
10に示す球帯状シール体71は、環状滑り面である部
分凸球面72を含んだ外周面70を有していると共に外
周面70の軸方向の両端縁側に環状端面としての大径側
端面8及び小径側端面9を有しており、膨張黒鉛を含ん
でいる耐熱材2と金網からなる補強材3とが圧縮されて
補強材3の金網の網目に耐熱材2が充填されて当該耐熱
材2と補強材3とが混在一体化されてなるシール本体4
を有しており、外周面70の少なくとも一方の端縁側の
環状端面、本例では部分凸球面62の大径側に位置して
いる大径側端面8には全体的に耐熱材3が露出してい
る。
の製造方法を次に説明すると、まず、球帯状シール体1
と同様にして図5に示すような筒状母材17を準備す
る。次に、図3に示すような耐熱シート部材11と同様
であるが、幅Dよりも小さい幅dを有すると共に筒状母
材17を一回巻きできる程度の長さlを有した耐熱シー
ト部材91を別に用意し、この別の耐熱シート部材91
の一方の表面に、潤滑材74としてのポリテトラフルオ
ロエチレン樹脂が含有された水性ディスパージョンを刷
毛塗り、ローラ塗り、スプレー等の手段で被覆し、これ
を乾燥させて、図11に示すような潤滑層80を形成
し、更に図2に示すような帯状金網15からなる補強シ
ート部材81を別に用意し、図12に示すように、補強
シート部材81内に、潤滑層80を備えた耐熱シート部
材91を挿入するとともに、これらを図13に示すよう
に、ローラ82及び83間に通して一体化させ、別の耐
熱シート部材91と当該別の耐熱シート部材91の一方
の表面に被着された潤滑材74を含んだ潤滑層80と潤
滑層80に配された金網からなる別の補強シート部材8
1とからなる被覆層形成部材84を形成し、このように
して得た被覆層形成部材84を潤滑層80を外側にして
筒状母材17の外周面に捲回し、図14に示すような円
筒成形体85を作製する。この円筒成形体85を前記と
同様に金型27に配置して圧縮成形することにより球帯
状シール体71を得る。
ロエチレン樹脂を含む潤滑材74及び膨張黒鉛を含む耐
熱材75と金網からなる補強材76とが混在一体化され
てなる被覆層77をシール本体4の外周面73に具備し
て、補強材76からなる面78と潤滑材74からなる面
79とが混在一体となった被覆層77の露出面により構
成された部分凸球面72を有しているために、球帯状シ
ール体61と同様に、部分凸球面72と接触する相手材
である凹球面部41との更なる滑らかな摺動を確保でき
る上に、露出面における潤滑材74からなる面79を補
強材76からなる面78でもって保持し得る上に、部分
凸球面72からの潤滑材74の凹球面部41への移着と
凹球面部41へ移着した潤滑材74の掻き取りとを適宜
に行い得る結果、長期に亘る滑らかな摺動を確保でき、
しかも、球帯状シール体1と同様に、球帯状シール体7
1自体を介する排気ガスの漏出をなくし得、しかも、安
定したシール特性を有することになる。
凸球面7、62又は72を含んだ外周面10、60又は
70を具備した球帯状シール体1、61又は71の例で
あるが、これに代えて、本発明では、図15に示すよう
に、環状滑り面である截頭円錐面102を含んだ内周面
100を具備した球帯状シール体101であってもよ
い。図15に示す球帯状シール体101は、截頭円錐面
102に加えて截頭円錐面102に連接された円筒内面
103を含んだ内周面100と、截頭円錐面102に対
応する截頭円錐外面104及び截頭円錐外面104に連
接された円筒外面105を含んだ外周面106と、截頭
円錐面102の大径側及び小径側に夫々環状の端面10
8及び109とを有しており、球帯状シール体1、61
又は71と同様に構成されている。即ち、球帯状シール
体101は、環状滑り面である截頭円錐面102を含ん
だ内周面100を有していると共に内周面100の軸方
向の両端縁側に環状端面としての端面108及び109
を有しており、膨張黒鉛を含んでいる耐熱材2と金網か
らなる補強材3とが圧縮されて補強材3の金網の網目に
耐熱材2が充填されて当該耐熱材2と補強材3とが混在
一体化されてなるシール本体4を有しており、内周面1
00の少なくとも一方の端縁側の環状端面、本例では截
頭円錐面102の小径側に位置している端面109には
全体的に耐熱材3が露出している。
だ内周面100を具備した図15に示す球帯状シール体
101は、例えば図16に示す排気管球面継手131に
組込まれて使用される。すなわち、エンジン側に連結さ
れた上流側排気管32の外周面には、フランジ部材13
2が溶接等により固着されており、フランジ部材132
の截頭円錐部133の環状面134、截頭円錐面135
及び円筒面136からなる内周面137には、外周面1
06の端面109、截頭円錐外面104及び円筒外面1
05が夫々ぴったりと当接されて当該外周面106で球
帯状シール体101が嵌合されており、上流側排気管3
2と相対向してマフラー側に連結されていると共に、凸
球面部138とフランジ部139とを一体的に有した相
手材としての凸球面部材140が溶接等により固着され
た下流側排気管44が凸球面部138を球帯状シール体
101の截頭円錐面102に摺動自在に接触させて配置
されている。
ては、一端がフランジ部139に固定され、他端がフラ
ンジ部材132のフランジ部141を十分な隙間をもっ
て貫通して配された一対のボルト51とボルト51の膨
大頭部及びフランジ部141の間に配された一対のコイ
ルバネ52とにより、下流側排気管44には、常時、上
流側排気管32方向にバネ力が付勢されている。そし
て、排気管球面継手131は、上、下流側排気管32、
44に生じる相対角変位に対しては、球帯状シール体1
01の截頭円錐面102と下流側排気管44の端部に溶
接等により固着された凸球面部材140の凸球面部13
8との摺動でこれを許容するように構成されている。
球帯状シール体101は、球帯状シール体1、61又は
71と同様に構成されているので、上記球帯状シール体
1、61又は71と同様な効果を生じさせる。
5に示す球帯状シール体101を製造するには、製造さ
れた球帯状シール体101において内周面100の軸方
向の少なくとも一方の端縁側の環状端面である端面10
9に全体的に耐熱材2が露出するように、端面109側
となる補強シート部材16の幅方向の一方の端縁18か
らの耐熱シート部材11の幅方向のはみ出し量δ1が補
強シート部材16の幅方向の他方の端縁19からの耐熱
シート部材11の幅方向のはみ出し量δ2よりも多くな
るようにして前述の図4に示すような重合体30を作製
し、斯かる重合体30から図5に示すような筒状母材1
7を形成する。更に、円筒内壁面145と円筒内壁面1
45に連なる截頭円錐面146と段部147を介して截
頭円錐面146に連なる円孔148とを備え、円孔14
8に段付きコア149を嵌挿することによって内部に中
空円筒部151と中空円筒部151に連なる截頭円錐状
中空部152とが形成された図17に示すような金型1
53を準備し、金型153の段付きコア149の外周面
であって中空円筒部151に筒状母材17を挿入して円
筒内壁面145に装着する。筒状母材17の円筒内壁面
145への装着後、図17に示すような截頭円錐面16
1を先端部に有した円筒状の押圧部材162を金型15
3の中空円筒部151に挿入して、押圧部材162によ
り図18に示すように筒状母材17をコア軸方向に所定
の圧力で圧縮成形してシール本体を形成し、このシール
本体をそのまま用いることにより球帯状シール体1に相
当する図15に示すような球帯状シール体101とな
り、筒状母材17の押圧部材162による圧縮成形後に
得られたシール本体の内周面に刷毛塗り、浸漬、スプレ
ー等により潤滑材を塗布して乾燥させた後にこの塗布層
の露出面を滑らかにして斯かる滑らかな露出面からなる
截頭円錐面102をもって被覆層を形成することにより
球帯状シール体61に相当する図15に示す球帯状シー
ル体101を得ることができる。
す球帯状シール体101を製造するには、前述の図13
に示すような被覆層形成部材84を潤滑層80の面を内
側にして捲回して円筒成形体を形成し、この円筒成形体
の外周に、製造された球帯状シール体101において内
周面100の軸方向の少なくとも一方の端縁側の環状端
面である端面109に全体的に耐熱材2が露出するよう
に、端面109側となる補強シート部材16の幅方向の
一方の端縁18からの耐熱シート部材11の幅方向のは
み出し量δ1が補強シート部材16の幅方向の他方の端
縁19からの耐熱シート部材11の幅方向のはみ出し量
δ2よりも多くなるようにして前述の図4に示すような
重合体30を巻回して筒状母材17と同様の筒状母材を
形成し、、斯かる円筒成形体とこの円筒成形体の外周に
形成された筒状母材との組み合わせ体を前述の筒状母材
17と同様に図17に示す金型153の段付きコア14
9の外周面であって中空円筒部151内に挿入して円筒
内壁面145に装着し、押圧部材162により図18に
示すように組み合わせ体を金型153内においてコア軸
方向に所定の圧力で圧縮成形することにより球帯状シー
ル体101を得る。
周面100の環状滑り面を截頭円錐面102でもって構
成して、截頭円錐面102の一個所の一部分に凸球面部
138を摺動自在に接触させるようにしたが、これに代
えて、図19に示すように内周面100の環状滑り面を
部分凹球面171で構成して、部分凹球面171のほぼ
全域に凸球面部138を摺動自在に接触させるようにし
てもよく、また図20に示すように内周面100の環状
滑り面を二個の連接する截頭円錐面172及び173で
構成し、截頭円錐面172及び173の二個所で部分的
に凸球面部138を摺動自在に接触させるようにしても
よい。
01でも、球帯状シール体1、61又は71と同様に構
成されているので、上記球帯状シール体1、61又は7
1と同様な効果を生じさせることができる。
介する排気ガスの漏出がなく、しかも、安定したシール
特性を有した球帯状シール体及びその製造方法を提供す
ることができる。
シール体の縦断面図である。
シート部材の形成方法の説明図である。
斜視図である。
ある。
である。
を挿入した状態を示す縦断面図である。
面継手の縦断面図である。
状シール体の縦断面図である。
球帯状シール体の縦断面図である。
面図である。
成した耐熱シート部材の縦断面図である。
部材の形成方法の説明図である。
部材の形成方法の説明図である。
の平面図である。
他の例を示す縦断面図である。
面図である。
母材を挿入した状態を示す縦断面図である。
態を示す縦断面図である。
他の例を組込んだ排気管球面継手の縦断面図である。
他の例を組込んだ排気管球面継手の縦断面図である。
Claims (15)
- 【請求項1】 環状滑り面を含んだ外周面又は内周面を
有していると共に外周面又は内周面の軸方向の少なくと
も一方の端縁側に環状端面を有しており、少なくとも耐
熱材と金網からなる補強材とが圧縮されて補強材の金網
の網目に耐熱材が充填されて当該耐熱材と補強材とが混
在一体化されてなるシール本体を有する球帯状シール体
であって、外周面又は内周面の少なくとも一方の端縁側
の環状端面には全体的に耐熱材が露出している球帯状シ
ール体。 - 【請求項2】 耐熱材は膨張黒鉛を含んでいる請求項1
に記載の球帯状シール体。 - 【請求項3】 外周面は、部分凸球面である環状滑り面
を含んでおり、全体的に耐熱材が露出している環状端面
は、部分凸球面の大径側に位置している請求項1又は2
に記載の球帯状シール体。 - 【請求項4】 内周面は、部分凹球面又は截頭円錐面で
ある環状滑り面を含んでおり、全体的に耐熱材が露出し
ている環状端面は、部分凹球面又は截頭円錐面の小径側
に位置している請求項1又は2に記載の球帯状シール
体。 - 【請求項5】 環状滑り面を含んだ外周面又は内周面を
有していると共にこの外周面又は内周面の軸方向の少な
くとも一方の端縁側に環状端面を有しており、少なくと
も耐熱材と金網からなる補強材とが圧縮されて補強材の
金網の網目に耐熱材が充填されて当該耐熱材と補強材と
が混在一体化されてなるシール本体を有する球帯状シー
ル体の製造方法であって、金網からなる幅Dの補強シー
ト部材を準備する工程と、補強シート部材の幅Dに対し
て1.1×Dから2.1×Dの幅を有すると共に耐熱材
を含んだ耐熱シート部材を準備する工程と、補強シート
部材の幅方向の少なくとも一方の端縁から最大で0.1
×Dから0.8×Dだけ耐熱シート部材が幅方向にはみ
出すようにして補強シート部材と耐熱シート部材とを互
いに重ね合わせた後、この重合体を円筒状に捲回して筒
状母材を形成する工程と、少なくとも筒状母材を前記幅
方向に圧縮して少なくともシール本体を有する球帯状シ
ール体を成形する工程とを具備した球帯状シール体の製
造方法。 - 【請求項6】 環状滑り面を含んだ外周面又は内周面を
有していると共にこの外周面又は内周面の軸方向の少な
くとも一方の端縁側に環状端面を有しており、少なくと
も耐熱材と金網からなる補強材とが圧縮されて補強材の
金網の網目に耐熱材が充填されて当該耐熱材と補強材と
が混在一体化されてなるシール本体を有する球帯状シー
ル体の製造方法であって、金網からなる長さLの補強シ
ート部材を準備する工程と、補強シート部材の長さLに
対して1.30×Lから2.70×Lの長さを有すると
共に耐熱材を含んだ耐熱シート部材を準備する工程と、
補強シート部材の長さ方向の少なくとも一方の端縁から
最大で0.30×Lから1.70×Lだけ耐熱シート部
材が長さ方向にはみ出すようにして補強シート部材と耐
熱シート部材とを互いに重ね合わせた後、この重合体を
円筒状に捲回して内周側及び外周側のうちの少なくとも
一方側に耐熱シート部材が露出した筒状母材を形成する
工程と、少なくとも筒状母材を前記長さ方向に直交する
方向に圧縮して少なくともシール本体を有する球帯状シ
ール体を成形する工程とを具備した球帯状シール体の製
造方法。 - 【請求項7】 環状滑り面を含んだ外周面又は内周面を
有していると共にこの外周面又は内周面の軸方向の少な
くとも一方の端縁側に環状端面を有しており、少なくと
も耐熱材と金網からなる補強材とが圧縮されて補強材の
金網の網目に耐熱材が充填されて当該耐熱材と補強材と
が混在一体化されてなるシール本体を有する球帯状シー
ル体の製造方法であって、金網からなる幅Dの補強シー
ト部材を準備する工程と、補強シート部材の幅Dに対し
て1.1×Dから2.1×Dの幅を有し、且つ補強シー
ト部材の長さLに対して1.30×Lから2.70×L
の長さを有すると共に耐熱材を含んだ耐熱シート部材を
準備する工程と、補強シート部材の幅方向の少なくとも
一方の端縁から最大で0.1×Dから0.8×Dだけ耐
熱シート部材が幅方向にはみ出すようにすると共に、補
強シート部材の長さ方向の少なくとも一方の端縁から最
大で0.30×Lから1.70×Lだけ耐熱シート部材
が長さ方向にはみ出すようにして補強シート部材と耐熱
シート部材とを互いに重ね合わせた後、この重合体を円
筒状に捲回して内周側及び外周側のうちの少なくとも一
方側に耐熱シート部材が露出した筒状母材を形成する工
程と、少なくとも筒状母材を前記幅方向に圧縮して少な
くともシール本体を有する球帯状シール体を成形する工
程とを具備した球帯状シール体の製造方法。 - 【請求項8】 製造された球帯状シール体において外周
面又は内周面の軸方向の少なくとも一方の端縁側の環状
端面に全体的に耐熱材が露出するように、当該環状端面
側となる補強シート部材の幅方向の一方の端縁からの耐
熱シート部材の幅方向のはみ出し量が、補強シート部材
の幅方向の他方の端縁からの耐熱シート部材の幅方向の
はみ出し量よりも多くなるように、補強シート部材と耐
熱シート部材とを互いに重ね合わせる請求項5又は7に
記載の球帯状シール体の製造方法。 - 【請求項9】 製造された球帯状シール体において外周
面は、部分凸球面である環状滑り面を含んでおり、全体
的に耐熱材が露出する環状端面は、部分凸球面の大径側
に位置するようになっている請求項8に記載の球帯状シ
ール体の製造方法。 - 【請求項10】 製造された球帯状シール体において内
周面は、部分凹球面又は截頭円錐面である環状滑り面を
含んでおり、全体的に耐熱材が露出している環状端面
は、部分凹球面又は截頭円錐面の小径側に位置するよう
になっている請求項8に記載の球帯状シール体の製造方
法。 - 【請求項11】 筒状母材における耐熱シート部材の巻
き回数が補強シート部材の巻き回数よりも多くなるよう
に、補強シート部材の長さLに対して1.30×Lから
2.70×Lの長さを有した耐熱シート部材を準備する
請求項6又は7に記載の球帯状シール体の製造方法。 - 【請求項12】 シール本体の外周面又は内周面に一体
的に形成されていると共に少なくとも潤滑材からなる被
覆層を更に有しており、この被覆層の露出面により環状
滑り面が構成されている請求項5から11のいずれか一
項に記載の球帯状シール体の製造方法であって、シール
本体を成形した後に、シール本体の外周面又は内周面に
潤滑材からなる被覆層を形成する工程を具備した球帯状
シール体の製造方法。 - 【請求項13】 シール本体の外周面に一体的に形成さ
れていると共に少なくとも潤滑材及び耐熱材と金網から
なる補強材とが圧縮されて補強材の金網の網目に潤滑材
及び耐熱材が充填されて当該潤滑材及び耐熱材と補強材
とが混在一体化されてなる被覆層を更に有しており、補
強材からなる面と潤滑材からなる面とが混在した被覆層
の露出面により環状滑り面が構成されている請求項5か
ら11のいずれか一項に記載の球帯状シール体の製造方
法であって、耐熱材を含んだ別の耐熱シート部材を準備
し、この別の耐熱シート部材と当該別の耐熱シート部材
の一方の表面に被着された潤滑材からなる潤滑層とこの
潤滑層に配された金網からなる別の補強シート部材とか
らなる被覆層形成部材を形成する工程と、この被覆層形
成部材を潤滑層の面を外側にして筒状母材の外周面に捲
回して円筒成形体を形成する工程とを具備しており、少
なくともシール本体を有する球帯状シール体を成形する
工程は、筒状母材を含む円筒成形体を圧縮してシール本
体に加えて潤滑材からなる被覆層を有する球帯状シール
体を成形するようになっている球帯状シール体の製造方
法。 - 【請求項14】 シール本体の内周面に一体的に形成さ
れていると共に少なくとも潤滑材及び耐熱材と金網から
なる補強材とが圧縮されて補強材の金網の網目に潤滑材
及び耐熱材が充填されて当該潤滑材及び耐熱材と補強材
とが混在一体化されてなる被覆層を更に有しており、補
強材からなる面と潤滑材からなる面とが混在した被覆層
の露出面により環状滑り面が構成されている請求項5か
ら11のいずれか一項に記載の球帯状シール体の製造方
法であって、耐熱材を含んだ別の耐熱シート部材を準備
し、この別の耐熱シート部材と当該別の耐熱シート部材
の一方の表面に被着された潤滑材からなる潤滑層とこの
潤滑層に配された金網からなる別の補強シート部材とか
らなる被覆層形成部材を形成する工程と、この被覆層形
成部材を潤滑層の面を内側にして捲回して円筒成形体を
形成する工程と、この円筒成形体の外周面に重合体を捲
回して筒状母材を形成する工程とを具備しており、少な
くともシール本体を有する球帯状シール体を成形する工
程は、筒状母材を含む円筒成形体を圧縮してシール本体
に加えて潤滑材からなる被覆層を有する球帯状シール体
を成形するようになっている球帯状シール体の製造方
法。 - 【請求項15】 耐熱材が膨張黒鉛を含んでいる請求項
5から14のいずれか一項に記載の球帯状シール体の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001289283A JP5114821B2 (ja) | 2001-09-21 | 2001-09-21 | 球帯状シール体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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