JPH05263944A - 球帯状シール体及びその製造方法 - Google Patents
球帯状シール体及びその製造方法Info
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- JPH05263944A JPH05263944A JP4092235A JP9223592A JPH05263944A JP H05263944 A JPH05263944 A JP H05263944A JP 4092235 A JP4092235 A JP 4092235A JP 9223592 A JP9223592 A JP 9223592A JP H05263944 A JPH05263944 A JP H05263944A
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Abstract
化腐食の進行を好ましく低減し得、その結果密封部の初
期の密封機能及び滑り機能を長期に亘って維持し得る球
帯状シール体並びにその製造方法を得ることを目的とす
るものである。 【構成】 自動車の排気管継手1の球帯状シール体2
は、中央部に円孔3を有し大径端部4と小径端部5との
間の外面に部分凸球面6を有しており、中央部の円孔3
から部分凸球面6に向かって所定の厚みをもって形成さ
れ、圧縮された金網からなる振動吸収層7と、振動吸収
層7を覆って部分凸球面6に向かって所定の厚みをもっ
て形成された耐火材からなる密封層8と、密封層8を覆
って部分凸球面6まで配され、圧縮された金網及びこの
金網の目や隙間を充填した耐火材からなる摺動層9とを
具備している。
Description
いて好適な球帯状シール体及びその製造方法に関する。
から車体フレーム等に配された排気管に導かれて大気中
に排出されるが、この排気管はエンジンのトルク反力及
び慣性等により振動される。この振動は排気管つり架具
を伝わって車室内にもたらされたり、或いは騒音の原因
になるばかりでなく、排気管の疲労折損等の不具合を生
じさせる。このような問題点を解決するために、従来、
排気管の所定箇所に球帯状シール体を具備した排気管継
手を配して振動を吸収させる等の手段が講じられてい
る。この排気管継手に使用される球帯状シール体には、
自動車エンジンの回転にともなって生じる上流側及び下
流側排気管の相対角運動を円滑に許容する機能、排気ガ
スの当該継手部分からの漏洩を防止する密封機能及び自
動車エンジンの回転にともなって生じる排気管の微小振
動を吸収する振動吸収機能などが要求される。
昭58−21144号公報に開示されているように、従
来、ワイヤーメッシュと可撓性を有する耐火材シートと
を重ね合わせ、これらを円筒状に捲回して予備成形体を
形成した後、この予備成形体を当該予備成形体の軸方向
に圧縮して形成したものが使用されている。
ーメッシュと耐火材とからなるシール体は、該耐火材が
ワイヤーメッシュの目や隙間の全てに充填されかつ両者
が互いに絡み合って構造的一体性を有していること、及
びシール体の部分凸球面部に露出した耐火材がそれ自体
可撓性を具備して相手面へのなじみ性に優れていること
から、球面継手部における排気ガスの漏洩に対する密封
機能は高められる反面、排気管に生じる微小振動に対し
てはシール体自体が剛体として作用するため、当該振動
に対する振動吸収性はほとんど期待できず、当該振動に
起因する騒音の発生及び車室のこもり音の発生防止につ
いては問題として残されている。
人は先に特願昭63−126340号(特開平1−29
9393号)において、次の構成からなる球帯状シール
体を提案した。すなわち、中央部に円孔を有し外面に部
分凸球面部を有する球帯状シール体であって、金属細線
を織ったり編んだりして得られる金網と膨脹黒鉛からな
る耐火材とからなり、該シール体はその中央部の円孔側
から該凸球面部側にかけて所定の幅をもって形成された
金網からなる振動吸収部と該振動吸収部と一体的に該振
動吸収部を覆って該凸球面部及び該凸球面部の大径側端
面に形成された該金網と該金網の目や隙間を充填した耐
火材とからなる密封部とを備えた球帯状シール体であ
る。
らもたらされる排気管の振動を金網からなる振動吸収部
の弾性作用によって吸収し、該排気管の振動に起因する
騒音の発生、車室のこもり音の発生を防止するものであ
る。
導体である金網を含んで形成されているため、この金網
を介して排気管内の排気ガスの熱が容易に密封部の外表
面に伝達され、当該外表面が過度に加熱される。この外
表面は外気に晒されているため、これが過度に熱せられ
るとそこでの酸化腐食が促進され、その結果密封部の劣
化が早期に生じ、密封機能の低下に加えて滑り機能の低
下が生じる。
の利点である振動吸収部の機能はそのまま有効に利用
し、密封部の過度の加熱を防止し得てそこでの酸化腐食
の進行を好ましく低減し得、その結果密封部の初期の密
封機能及び滑り機能を長期に亘って維持し得る球帯状シ
ール体並びにその製造方法を得ることを目的とするもの
である。
は、中央部に円孔を有し大径端部と小径端部との間の外
面に部分凸球面を有してなり、排気管継手に用いられる
球帯状シール体であって、中央部の円孔から部分凸球面
に向かって所定の厚みをもって形成され、圧縮された金
網からなる振動吸収層と、この振動吸収層を覆って部分
凸球面に向かって所定の厚みをもって形成された耐火材
からなる密封層と、この密封層を覆って部分凸球面まで
配され、圧縮された金網及びこの金網の目や隙間を充填
した耐火材からなる摺動層とを具備している球帯状シー
ル体によって達成される。
網を渦巻き状に捲回して予備圧縮成形してなる金網円筒
体と、長尺の耐火材を渦巻き状に捲回した後、その外周
に金網と耐火材とからなる複合シートを捲回してこれら
を予備圧縮成形してなる複合円筒体とを準備する工程
と、金網円筒体の外側に複合円筒体を配し、これらを金
型の心棒に同心状に嵌装して金型内に挿入して円筒体の
軸方向に圧縮する工程とを具備した上述の球帯状シール
体の製造方法によっても達成される。
捲回して円筒渦巻き状に形成した後、その外周に長尺の
耐火材を渦巻き状に捲回し、さらにその外周に金網と耐
火材とからなる複合シートを捲回して渦巻き状の予備複
合体を準備する工程と、これを金型の心棒に嵌装し金型
内に挿入して予備複合体の軸方向に圧縮する工程とを具
備してなる、上述の球帯状シール体によっても達成され
る。
とからなる複合シートは、1)帯状の金網と耐火材とを
重ね合わせて構成したもの、2)金網として袋状金網を
使用し、この袋状金網を径方向に圧縮し帯状に加工した
後、この金網内に耐火材を挿入して構成したもの、3)
上記2)の構成からなる複合シートを、さらにロール掛
けして両者を一体化して構成したもの、などが使用され
る。
を捲回して渦巻き状に形成した後、その外周に上記1)
の構成からなる複合シートを使用し、かつ耐火材を外周
に位置させて予備圧縮成形した場合には、外周面に耐火
材が露出した複合円筒体が得られ、最終の球帯状シール
体の外周面、すなわち凸球面は耐火材が露出した平滑な
面となる。
形成した後、その外周面に上記2)または3)の構成か
らなる複合シートを形成して予備圧縮成形した場合に
は、外周面に金網と該金網の目及び隙間を充填した耐火
材が混在した複合円筒体が得られ、最終の球帯状シール
体の外周面、すなわち部分凸球面は金網と該金網の目及
び隙間を充填した耐火材が混在して露出した平滑な面と
なる。
に円孔を有し大径端部と小径端部との間の外面に部分凸
球面を有してなり、排気管継手に用いられる球帯状シー
ル体であって、中央部の円孔から部分凸球面に向かって
所定の厚みをもって形成され、圧縮された金網からなる
振動吸収層と、この振動吸収層を覆って部分凸球面に向
かって所定の厚みをもって形成された耐火材からなる密
封層と、この密封層を覆って部分凸球面まで配され、圧
縮された金網並びにこの金網の目や隙間を充填した耐火
材及び滑り材からなる摺動層とを具備している球帯状シ
ール体によっても達成される。
尺の金網を渦巻き状に捲回して予備圧縮成形してなる金
網円筒体と、長尺の耐火材を渦巻き状に捲回した後、そ
の外周に金網と耐火材と該耐火材の表面に一体的に形成
された滑り材とからなる複合シートを、滑り材を外周面
に位置させて捲回してこれらを予備圧縮成形してなる複
合円筒体とを準備する工程と、金網円筒体の外側に複合
円筒体を配し、これらを金型の心棒に同心状に嵌装して
金型内に挿入して円筒体の軸方向に圧縮する工程とを具
備した上述の球帯状シール体の製造方法によっても達成
される。
金網を捲回して渦巻き状に形成した後、その外周に長尺
の耐火材を渦巻状に捲回し、さらにその外周に金網と耐
火材と該耐火材の表面に一体的に形成された滑り材とか
らなる複合シートを、滑り材を外側に位置させて捲回し
て渦巻状の予備複合体を準備する工程と、これを金型の
心棒に嵌装して金型内に挿入して予備複合体の軸方向に
圧縮する工程とを具備してなる、上述の球帯状シール体
の製造方法によっても達成される。
と耐火材の表面に一体的に形成された滑り材からなる複
合シートは、4)帯状の金網上に表面に滑り材が一体的
に形成された耐火材を、滑り材を外側にして重ね合わせ
て構成したもの、5)金網として袋状の金網を使用し、
この袋状金網を径方向に圧縮して帯状に加工した後、こ
の金網内に表面に滑り材が一体的に形成された耐火材を
挿入して構成したもの、6)上記5)の構成からなる複
合シートを、さらにロール掛けして両者を一体化して構
成したもの、などが使用される。
成からなる複合シートを使用した場合には、最終の球帯
状シール体の外周面、すなわち凸球面は滑り材が露出し
た平滑な面に形成される。また、上記5)又は6)の構
成からなる複合シートを使用した場合には、最終の球帯
状シール体の外周面、すなわち凸球面は圧縮された金網
と金網の目及び隙間を充填した滑り材とが混在した平滑
な面に形成される。
は、大径端部側の密封層は振動吸収層の端面と摺動層の
端面との間で無端環状端面を形成して外部に露出してい
る。
ンジンの排気管途中に設けられる排気管継手に適用され
る。このようにして適用された本発明の球帯状シール体
では、振動吸収層によって上流側排気管の微小振動を吸
収し、密封層によって継手部分からの排気ガスの漏洩を
防止する。そして本発明の球帯状シール体では密封層を
覆って配された摺動層が相手材と摺接し、その結果球帯
状シール体を介して接続される排気管の相対角運動を円
滑に許容する。
更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら具体例に何
等限定されないのである。
1に適用された本例の球帯状シール体2は、中央部に円
孔3を有し大径端部4と小径端部5との間の外面に部分
凸球面6を有しており、中央部の円孔3から部分凸球面
6に向かって所定の厚みをもって形成され、圧縮された
金網からなる振動吸収層7と、振動吸収層7を覆って部
分凸球面6に向かって所定の厚みをもって形成された耐
火材からなる密封層8と、密封層8を覆って部分凸球面
6まで配され、圧縮された金網及びこの金網の目や隙間
を充填した耐火材からなる摺動層9とを具備している。
属細線を織ったり編んだりして得られた織組又は編組金
網を使用し得、金属細線としては、オーステナイト系の
SUS304、SUS316、フェライト系のSUS4
30等のステンレス鋼線或いは鉄線、亜鉛メッキ鉄線
(JIS−G−3532)等を例示し得る。金網として
は、3mmから5mmの網目を有するものが使用されて
好適である。
動吸収層7の環状端面と摺動層9の環状端面との間で無
端環状端面10を形成して外部に露出している。密封層
8を構成する耐火材の一つとしては膨脹黒鉛又はマイカ
を例示し得る。
網及びこの金網の目や隙間に充填されていると共に、層
11を形成して部分凸球面6の表面に露出している。
体2は図2に示すように排気管継手1に使用されるわけ
であるが、ここで排気管継手1は、上流側(エンジン
側)の排気管21に溶接等の手段により固着されたフラ
ンジ22と、下流側(消音器側)の排気管23に一端が
溶接等により固着されており、球帯状シール体2の部分
凸球面6に対して相補的形状を有して部分凸球面6に接
した凹球面シール座面24を有したシール座25と、シ
ール座25から一体的に延設されたフランジ26と、フ
ランジ26に穿設された孔27を通って一端がフランジ
22に螺着された一対のボルト28と、ボルト28の膨
大頭部29及びフランジ26間にそれぞれ配されたコイ
ルばね30とを具備しており、球帯状シール体2は、フ
ランジ22とシール座25との間であって、大径端部4
がフランジ22の側面に当接するようにして、排気管2
1の一端に嵌装される。コイルばね30はそのばね力に
よりフランジ22と26とを弾性的に連結し、その結
果、部分凸球面6に凹球面シール座面24を弾性的に押
圧させている。
に対する排気管21の滑らかな相対的角変位を球帯状シ
ール体2の摺動層9によって可能とし、排気管21側の
大きな振動の排気管23側への伝達を効果的に防止す
る。そして自動車のエンジンの回転に伴って生じる排気
管21の微小振動は主に球帯状シール体2の振動吸収層
7において吸収され、また排気ガスの漏洩は密封層8に
よって防止される。更に球帯状シール体2では、振動吸
収層7と摺動層9との間に耐火材からなる密封層8が設
けられているため、密封層8が断熱層としても機能し、
摺動層9への排気ガスの熱の伝達が密封層8により遮断
され、摺動層9が過度に加熱されるような事態もを避け
ることができ、その結果外気に晒される摺動層9が酸化
腐食する程度を極端に少なくし得る。
大径端部4側の密封層8の無端環状端面10が外部に露
出してこれが無端環状的にぴったりとフランジ22の側
面に当接し得る結果、孔3と排気管21の一端の外面と
の間の隙間を介する排気ガスの流出をここで確実に阻止
し得る。また無端環状端面10が振動吸収層7の環状端
面と摺動層9の環状端面との間に形成されているため、
大径端部4側の端面に当接するフランジ22の部位が多
少小径であっても、密封層8とフランジ22との当接を
常に確保し得る。更に好ましくは無端環状端面10が他
の部位に対して軸方向に若干突出していると、更にシー
ル性が増大し好ましい。
縮された金網及びこの金網の目や隙間に充填され、摺動
層9を構成する耐火材を、層11を形成するように、部
分凸球面6の表面に露出させたが、これに代えて耐火材
の層11を形成することなしに、摺動層9を構成する耐
火材を、圧縮された金網の目や隙間を充填してこの金網
と混在して部分凸球面6の表面に露出させても良く、こ
のようにすると部分凸球面6の表面の耐火材が、金網に
しっかりと保持され剥離、脱落することを好ましく防止
し得る。
この金網の目や隙間を充填した耐火材及び滑り材から構
成しても良く、滑り材としては、四フッ化エチレン樹脂
が好適であるが、その他の耐熱性を有して摺動摩擦抵抗
を低減し得るものであればいずれであっても良い。ここ
で摺動層9を構成する滑り材を、上述と同様に層11を
形成するように、部分凸球面6の表面に露出させても良
く、または滑り材の層11を形成することなしに、圧縮
された金網の目や隙間を充填し、この金網と混在して部
分凸球面6の表面に露出させても良い。このように滑り
材をももって摺動層9を構成すると、振動においてさら
に低摩擦抵抗状態で部分凸球面6と凹球面シール座面2
4とが摺接するため、振動及び摩耗を好ましく低減し得
る。
ら図9を参照して説明する。まず図3及び図4に示すよ
うに、金網円筒体41と複合円筒体42とを準備する。
金網円筒体41は、図6に示すように長尺の金網43を
多数回心棒44に渦巻き状に捲回し、この捲回して渦巻
き円筒状になった金網43を心棒44から取り外してプ
レス装置で予備圧縮成形することにより得ることができ
る。複合円筒体42は図7に示すような長尺の耐火材4
5を図6に示したと同様に渦巻き状に捲回した後、その
外周に、図8に示すような金網46と金網46に重ね合
わされた耐火材47とからなる複合シート48を、耐火
材47が外側となるように一回捲回し、これをプレス装
置で予備圧縮成形することにより得ることができる。次
に図5に示すように金網円筒体41の外側に複合円筒体
42を配し、これを金型の心棒51に同心状に嵌装して
金型52内に装着して金網円筒体41の軸方向であるA
方向に圧縮して、図1に示す球帯状シール体2を得る。
り付加される面圧は、好ましい例では30kgf/cm
2ないし100kgf/cm2であるが、これに限定され
ないのはもちろんであって、金網円筒体41の形状保持
性を考慮して適宜決定すれば良い。複合円筒体42は、
面圧150kgf/cm2ないし500kgf/cm2 程
度の予備成形荷重でプレス装置により圧縮成形すること
により得ることができる。
細線を織ったり編んだりして図9に示すように長尺の袋
状の金網61を形成し、これを二つのローラ62及び6
3によりローラ掛けして偏平にすることにより得ること
ができるが、本発明はこのような袋状の2層の金網43
及び46に限定されず、一層でも良い。
うに膨脹黒鉛又はマイカを用いることができ、膨脹黒鉛
を用いる場合には、一つの例では、特公昭44−239
66号公報に開示されている米国ユニオンカーバイド社
製のグラフォイル(商品名)或いは日本カーボン社製の
ニカフィルム(商品名)等を用いると良く、耐火材にマ
イカを用いる場合には、シリコンで接合したマイカシー
トを用いると良い。
体2では摺動層9は層11を有し、部分凸球面6は耐火
材47が露出した平滑な面となる。
れた耐火材47とからなる複合シート48を用いて球帯
状シール体2を製造したが、図10に示すように金網4
6と金網46に重ね合わされた耐火材47と、さらに耐
火材47の一方の面に一体的に形成された滑り材71と
からなる複合シート72を用いて前記と同様にして球帯
状シール体2を製造しても良い。すなわち、長尺の金網
43を捲回して予備圧縮成形してなる金網円筒体41
と、長尺の耐火材45を捲回して円筒状に形成した後、
その外周に金網46と耐火材47と耐火材47の表面に
一体的に形成された滑り材71とからなる複合シート7
2を、滑り材71を外周面に位置させて一回捲回し、こ
れらを予備圧縮成形してなる複合円筒体42に相当する
複合円筒体とを準備し、金網円筒体41の外側にこの準
備した複合円筒体を配し、これらを金型52の心棒51
に同心状に嵌装して金型52内に挿入して金網円筒体4
1の軸方向に圧縮して球帯状シール体2を製造しても良
い。このようにして製造された球帯状シール体2では、
圧縮された金網46並びに金網46の目や隙間を充填し
た耐火材47及び滑り材71からなる摺動層9はさらに
滑り材71からなる層11を具備し、しかして部分凸球
面6の表面に滑り材71が露出されている。
エチレン樹脂が好適であるが、このような四フッ化エチ
レン樹脂が滑り材71として上面に設けられた耐火材4
7は、一つの例としては、耐火材としての膨脹黒鉛シー
トの一方の面に四フッ化エチレン樹脂を塗布して形成す
ることができ、また、図11に示すように、膨脹黒鉛シ
ート75の上に四フッ化エチレン樹脂フィルム又はテー
プ76を重ね合わた後、これらをローラ77及び78に
よってローラ掛けして圧着一体化しても形成することが
できる。使用して好適な四フッ化エチレン樹脂フィルム
又はテープ76の厚さは、0.05mmから0.5mm
程度である。例えば四フッ化エチレン樹脂ファインパウ
ダー(テフロン6J、ポリフロンF101、フルオンC
D1、いずれも商品名)をペースト押出し成形法によっ
て製造された四フッ化エチレン樹脂フィルム、生テープ
等は好適なものとして例示し得る。
わされた複合シート48又は72を用いて球帯状シール
体2を製造したが、図9に示すようにして製造された袋
状の金網46を用いる場合には、図12に示すように袋
状の金網46の内部に滑り材71を有さない耐火材47
又は滑り材71を一体的に有する耐火材47を挿入して
複合シート81を形成し、複合シート81を用いて前記
と同様に球帯状シール体2を製造しても良い。こうして
得られた球帯状シール体2では、層11を有することな
しに、耐火材47又は滑り材71は圧縮された金網46
の目や隙間を充填して金網46と混在して露出し、平滑
な部分凸球面6を形成する。なお複合シート81に予め
図11に示すようなローラ掛けをして、その後渦巻き状
に捲回された長尺の耐火材45の外周にこれを滑り材7
1が外側になるようにして捲回しても良い。
によれば、予備圧縮成形された金網円筒体41と複合円
筒体42とを金型52に適用するため、作業性を飛躍的
に向上させることができ、より一定の品質をもった製品
を安価に提供し得る。
備圧縮成形してなる金網筒状体41及び複合円筒体42
を準備して球帯状シール体2を製造したが、このような
予備圧縮成形体を準備することなしに、図13に示すよ
な予備複合体91を準備してこれから球帯状シール体2
を製造しても良い。すなわち、図6に示すような長尺の
金網43を捲回して図13に示すように円筒渦巻き状に
形成した後、その外周に、図7に示すような長尺の耐火
材45を渦巻き状に捲回し、さらにその外周に、図8に
示すような金網46と耐火材47とからなる複合シート
48を、耐火材47を外側にして一回捲回して渦巻き状
の予備複合体91を準備し、予備複合体91を図5に示
すような金型52の心棒51に嵌装し金型52内に挿入
して複合円筒体91の軸方向に圧縮して球帯状シール体
2を製造しても良い。複合シート48を用いてこうして
製造された球帯状シール体2では、摺動層9を構成する
耐火材は、層11を形成して部分凸球面6の表面に露出
することとなる。またこの製造方法において、複合シー
ト48の代わりに複合シート72を、滑り材71を外側
にして捲回して渦巻き状の予備複合体91と同様の予備
複合体を準備しても良く、こうして製造された球帯状シ
ール体2では、摺動層9を構成する滑り材71は、圧縮
された金網46の目や隙間を充填した耐火材47の表面
に配され、層11を形成して部分凸球面6の表面に露出
することとなる。さらに図13に示す製造方法におい
て、複合シート48又は複合シート72の代わりに図1
2に示すような袋状の金網46の内部に滑り材71を有
さない耐火材47又は滑り材71を一体的に有する耐火
材47を挿入した複合シート81を、耐火材47又は滑
り材71を外側にして捲回して前記と同様に球帯状シー
ル体2を製造しても良い。こうして得られた球帯状シー
ル体2では、層11を有することなしに、耐火材47又
は滑り材71は圧縮された金網46の目や隙間を充填し
て金網46と混在して露出し、平滑な部分凸球面6を形
成することとなる。なお、この場合においてもローラ掛
けされた複合シート81を用いても良い。
シール体2を製造する場合には、予備圧縮成形工程を省
き得るため作業時間を短縮し得る。
は、振動吸収層と摺動層との間に耐火材からなる密封層
が設けられているため、密封層が断熱層としても機能
し、摺動層への排気ガスの熱の伝達が密封層により遮断
され、摺動層が過度に加熱されるような事態を避けるこ
とができ、その結果外気に晒される摺動層が酸化腐食す
る程度を極端に少なくし得る。
断面図である。
が適用された排気管継手の断面図である。
金網円筒体の説明図である。
複合円筒体の説明図である。
ある。
である。
図である。
る。
トの説明図である。
図である。
る。
図である。
Claims (17)
- 【請求項1】 中央部に円孔を有し大径端部と小径端部
との間の外面に部分凸球面を有してなり、排気管継手に
用いられる球帯状シール体であって、中央部の円孔から
部分凸球面に向かって所定の厚みをもって形成され、圧
縮された金網からなる振動吸収層と、この振動吸収層を
覆って部分凸球面に向かって所定の厚みをもって形成さ
れた耐火材からなる密封層と、この密封層を覆って部分
凸球面まで配され、圧縮された金網及びこの金網の目や
隙間を充填した耐火材からなる摺動層とを具備している
球帯状シール体。 - 【請求項2】 摺動層を構成する耐火材は、部分凸球面
の表面に露出している請求項1に記載の球帯状シール
体。 - 【請求項3】 摺動層を構成する耐火材は、部分凸球面
の表面に圧縮された金網の目や隙間を充填して該金網と
混在して露出している請求項1に記載の球帯状シール
体。 - 【請求項4】 大径端部側の密封層は、振動吸収層の端
面と摺動層の端面との間で無端環状端面を形成して外部
に露出している請求項1から3のいずれか一項に記載の
球帯状シール体。 - 【請求項5】 中央部に円孔を有し大径端部と小径端部
との間の外面に部分凸球面を有してなり、排気管継手に
用いられる球帯状シール体であって、中央部の円孔から
部分凸球面に向かって所定の厚みをもって形成され、圧
縮された金網からなる振動吸収層と、この振動吸収層を
覆って部分凸球面に向かって所定の厚みをもって形成さ
れた耐火材からなる密封層と、この密封層を覆って部分
凸球面まで配され、圧縮された金網並びにこの金網の目
や隙間を充填した耐火材及び滑り材からなる摺動層とを
具備している球帯状シール体。 - 【請求項6】 摺動層を構成する滑り材は、圧縮された
金網の目や隙間を充填した耐火材の表面に配され、部分
凸球面の表面に露出している請求項5に記載の球帯状シ
ール体。 - 【請求項7】 摺動層を構成する滑り材は、部分凸球面
の表面に圧縮された金網の目や隙間を充填し、該金網と
混在して露出している請求項5に記載の球帯状シール
体。 - 【請求項8】 耐火材は、膨脹黒鉛からなる請求項1か
ら7のいずれか一項に記載の球帯状シール体。 - 【請求項9】 滑り材は、四フッ化エチレン樹脂からな
る請求項5から8のいずれか一項に記載の球帯状シール
体。 - 【請求項10】 大径端部側の密封層は、振動吸収層の
端面と摺動層の端面との間で無端環状端面を形成して外
部に露出している請求項5から9のいずれか一項に記載
の球帯状シール体。 - 【請求項11】 長尺の金網を渦巻き状に捲回して予備
圧縮成形してなる金網円筒体と、長尺の耐火材を渦巻き
状に捲回した後、その外周に金網と耐火材とからなる複
合シートを捲回してこれらを予備圧縮成形してなる複合
円筒体とを準備する工程と、金網円筒体の外側に複合円
筒体を配し、これらを金型の心棒に同心状に嵌装して金
型内に挿入して円筒体の軸方向に圧縮する工程とを具備
した請求項1に記載の球帯状シール体の製造方法。 - 【請求項12】 長尺の金網を捲回して円筒渦巻き状に
形成した後、その外周に長尺の耐火材を渦巻き状に捲回
し、さらにその外周に金網と耐火材とからなる複合シー
トを捲回して渦巻き状の予備複合体を準備する工程と、
これを金型の心棒に嵌装し金型内に挿入して予備複合体
の軸方向に圧縮する工程とを具備した請求項1に記載の
球帯状シール体の製造方法。 - 【請求項13】 耐火材は、膨脹黒鉛からなる請求項1
1又は12に記載の球帯状シール体の製造方法。 - 【請求項14】 長尺の金網を渦巻き状に捲回して予備
圧縮成形してなる金網円筒体と、長尺の耐火材を渦巻き
状に捲回した後、その外周に金網と耐火材と該耐火材の
表面に一体的に形成された滑り材とからなる複合シート
を、滑り材を外周面に位置させて捲回してこれらを予備
圧縮成形してなる複合円筒体とを準備する工程と、金網
円筒体の外側に複合円筒体を配し、これらを金型の心棒
に同心状に嵌装して金型内に挿入して円筒体の軸方向に
圧縮する工程とを具備した請求項5に記載の球帯状シー
ル体の製造方法。 - 【請求項15】 長尺の金網を捲回して渦巻き状に形成
した後、その外周に長尺の耐火材を渦巻状に捲回し、さ
らにその外周に金網と耐火材と該耐火材の表面に一体的
に形成された滑り材とからなる複合シートを、滑り材を
外側に位置させて捲回して渦巻状の予備複合体を準備す
る工程と、これを金型の心棒に嵌装して金型内に挿入し
て予備複合体の軸方向に圧縮する工程とを具備した請求
項5に記載の球帯状シール体の製造方法。 - 【請求項16】 耐火材は、膨脹黒鉛からなる請求項1
4又は15に記載の球帯状シール体の製造方法。 - 【請求項17】 滑り材は、四フッ化エチレン樹脂から
なる請求項14から16のいずれか一項に記載の球帯状
シール体の製造方法。
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---|---|---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004019879A (ja) * | 2002-06-19 | 2004-01-22 | Noritake Co Ltd | シールユニット及びシール材ならびにその利用 |
JP2004204879A (ja) * | 2002-12-24 | 2004-07-22 | Oiles Ind Co Ltd | 球帯状シール体及びその製造方法 |
JP2006029369A (ja) * | 2004-07-12 | 2006-02-02 | Honda Motor Co Ltd | 球帯状シール体及びその製造方法 |
JP2006029368A (ja) * | 2004-07-12 | 2006-02-02 | Honda Motor Co Ltd | 球帯状シール体及びその製造方法 |
WO2015045327A1 (ja) * | 2013-09-27 | 2015-04-02 | オイレス工業株式会社 | 球帯状シール体 |
JP2015117743A (ja) * | 2013-12-17 | 2015-06-25 | オイレス工業株式会社 | 球帯状シール体 |
-
1992
- 1992-03-17 JP JP9223592A patent/JP3575547B2/ja not_active Expired - Fee Related
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