JPH10229043A - X線マスクブランク及びその製造方法並びにx線マスクの製造方法 - Google Patents

X線マスクブランク及びその製造方法並びにx線マスクの製造方法

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JPH10229043A
JPH10229043A JP9314797A JP9314797A JPH10229043A JP H10229043 A JPH10229043 A JP H10229043A JP 9314797 A JP9314797 A JP 9314797A JP 9314797 A JP9314797 A JP 9314797A JP H10229043 A JPH10229043 A JP H10229043A
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勉 笑喜
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    • G03F1/00Originals for photomechanical production of textured or patterned surfaces, e.g., masks, photo-masks, reticles; Mask blanks or pellicles therefor; Containers specially adapted therefor; Preparation thereof
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いエッチング選択比を保持したままで極め
て低い応力を得ることができ、したがって、極めて高い
位置精度を有するX線マスクを製造できるX線マスクブ
ランク及びX線マスクの製造方法を提供する。 【解決手段】 基板11上に、X線透過膜12を有し、
該X線透過膜12上にX線吸収体膜13を有するX線マ
スクブランクであって、前記X線吸収体膜13の上に、
クロムと炭素及び/又は窒素を含む材料からなるエッチ
ングマスク層14を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線リソグラフィ
ーに用いるX線マスクブランク及びその製造方法並びに
X線マスクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体産業において、シリコン基
板等に微細なパターンからなる集積回路を形成する上で
必要な微細パターンの転写技術としては、露光用電磁波
として可視光や紫外光を用いて微細パターンを転写する
フォトリソグラフィー法が用いられてきた。
【0003】しかし、近年、半導体技術の進歩ととも
に、超LSIなどの半導体装置の高集積化が著しく進
み、従来のフォトリソグラフィー法で用いてきた可視光
や紫外光での転写限界を超えた高精度の微細パターンの
転写技術が要求されるに至った。
【0004】そして、このような微細パターンの転写を
実現するために、可視光や紫外光よりも波長の短いX線
を用いたX線リソグラフィー法の開発、実用化が進めら
れている。
【0005】X線リソグラフィーに用いられるX線マス
クの構造を図4に示す。
【0006】同図に示すように、X線マスク1は、X線
を透過するX線透過膜(メンブレン)12と、X線を吸
収するX線吸収体パターン13aから構成されており、
これらは、シリコンからなる支持基板(支持枠)11a
で支持されている。
【0007】X線マスクブランクの構造を図5に示す。
X線マスクブランク2は、シリコン基板11上に形成さ
れたX線透過膜12とX線吸収体膜13から構成されて
いる。
【0008】X線透過膜としては、高いヤング率をも
ち、X線照射に対して優れた耐性をもつ炭化ケイ素が一
般に用いられ、X線吸収体膜には、X線照射に対して優
れた耐性をもつTaを含むアモルファス材料が良く用い
られている。
【0009】X線マスクブランク2からX線マスク1を
作製するプロセスとしては、例えば、以下の方法が用い
られる。X線マスクブランク2上に所望のパターンを形
成したレジスト膜を配し、このレジストパターンをマス
クとしてドライエッチングを行いX線吸収体パターンを
形成する。その後、裏面に形成されたX線透過膜のうち
のウインドウエリア(裏面凹部)に位置する領域部分の
膜をCF4をエッチングガスとしたリアクティブイオン
エッチング(RIE)により除去し、残った膜をマスク
にして、フッ酸と硝酸の混合液からなるエッチング液に
よりシリコン基板の裏面をエチング加工してX線マスク
1を得る。
【0010】この際、レジストには、一般に、電子線ビ
ーム(EB)レジストを用い、EB描画法によりパター
ン形成(露光)を行う。
【0011】しかしながら、EBレジストは、X線吸収
体膜を加工するドライエッチングに対して十分な耐性を
持たない(エッチング速度が速い)ために、レジストパ
ターンをマスクとして直接X線吸収体膜をエッチングす
ると、X線吸収体のパターン形成が完了する前にレジス
トパターンがエッチングによって消失し、所望のX線吸
収体パターンが得られない。
【0012】そこで、X線吸収体膜とレジストとの間
に、X線吸収体膜に対して高いエッチング選択比をもつ
エッチングマスク層と呼ばれる膜を挿入し、X線吸収体
膜のパターン形成を行うのが一般的である。
【0013】その場合、レジストパターンとX線吸収体
パターンとのサイズのずれ(パターン変換差と呼ぶ)を
なくすために、エッチングマスク層の厚みはできるだけ
薄くする必要がある。したがって、X線吸収体膜をパタ
ーニングする際に、X線吸収体膜のエッチング速度に対
して、エッチングマスク層のエッチング速度が十分に小
さい(高いエッチング選択比をもつ)必要がある。
【0014】一方、X線吸収体膜のエッチングは、マス
ク面内に部分的なエッチング残りを生じることなくウエ
ハ面内で均一なパターン形状を確保するために、X線吸
収体膜のエッチングに要する時間よりもエッチングを長
く行ういわゆるオーバーエッチングをある程度行う必要
がある。
【0015】このオーバーエッチングにより、X線吸収
体膜の下層であるX線透過膜がプラズマに曝されること
になる。例えば、X線吸収体膜の下層が炭化ケイ素から
なるX線透過膜である場合、X線吸収体膜のエッチング
条件に対して、X線透過膜のエッチング速度が無視でき
る速度を超えるので、オーバーエッチングによりX線透
過膜がエッチングされ、下層のX線透過膜の膜厚が減少
するほか、X線吸収体膜自体のパターン形状の劣化を引
き起こす。X線透過膜の減少は、X線アライナーへの装
着時のアライメントに必要な光学透過率の変化やマスク
の位置歪みの増大を招くため、望ましくない。
【0016】したがって、X線吸収体膜とX線透過膜と
の間には、X線吸収体膜のエッチングに対してエッチン
グされにくい(高いエッチング選択比をもつ)材料から
なるエッチング停止層を挿入することが望ましい。
【0017】従来、Taを主成分とするX線吸収体膜の
エッチングは、塩素ガスを用いて行われており、このX
線吸収体膜に対して高いエッチング選択比を実現できる
エッチングマスク層及びエッチング停止層としては、C
r膜が良く用いられている。また、Wを主成分とするX
線吸収体膜のエッチングは、SF6のようなフッ化物の
ガスを用いて行われており、このX線吸収体膜に対する
エッチングマスク層及びエッチング停止層としても、C
r膜が用いられている。これらのCr膜は、ほとんどの
場合スパッタリング法によりX線吸収体膜の上及び/又
は下に形成されている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】X線マスクには、高い
位置精度が要求され、例えば、0.18μmのデザイン
ルールパターンを有する1Gbit−DRAM用のX線
マスクでは、22nm以下の歪みに抑える必要がある。
【0019】位置歪みは、X線マスク材料の応力に強く
影響され、X線吸収体膜、エッチングマスク層、エッチ
ング停止層の応力が高いとその応力によって位置歪みが
誘発される。したがって、X線吸収体膜、エッチングマ
スク層、エッチング停止層は極めて低い応力である必要
がある。
【0020】しかしながら、1Gbit−DRAM以降
のX線マスクについて、応力の研究やパターン側壁の垂
直性やパターンのシャープさの研究は十分なされていな
い。
【0021】本発明は上述した背景の下になされたもの
であり、高いエッチング選択比を保持したままで極めて
低い応力を得ることができ、したがって、極めて高い位
置精度を有するX線マスクを製造できるX線マスクブラ
ンク及びその製造方法等の提供を第一の目的とする。
【0022】また、X線吸収体膜パターンの側壁が垂直
で、かつパターンがシャープであるX線マスクを製造で
きるX線マスクブランク及びその製造方法等の提供を第
二の目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、従来主として使
用されてきたCr膜は、X線吸収体膜に対して10以上
の高いエッチング選択比をもつというエッチング耐性の
点で優れた材料であるが、Cr膜は、結晶質の膜で、ス
パッタリングの成膜条件にほとんど依存せず500MP
a以上の高い応力をもつ。このような大きな応力をもっ
たCr膜をエッチングマスク層あるいはエッチング停止
層に適用した場合、応力による位置歪みで要求されるマ
スクの位置精度を満たすことができず、1Gbit−D
RAM以降のX線マスクの製造が困難であることを確認
した。
【0024】そして、さらに研究を重ねた結果、シュミ
レーション解析によって、X線吸収体膜の応力は10M
Pa以下、エッチングマスク層及びエッチング停止層の
応力は100MPa以下とする必要があることを見い出
した。また、エッチングマスク層及びエッチング停止層
として、高いエッチング選択比を有するとともに極めて
低い膜応力を得ることができる膜材料としては、クロム
と炭素及び/又は窒素を含む材料が適していることを見
い出し、これらの材料が、1Gbit−DRAM以降の
X線マスクの製造に不可欠な材料であることを見い出し
た。さらに、これらの材料からなるエッチングマスク層
及びエッチング停止層を用いてX線マスクを製造すると
X線吸収体膜パターンの側壁が垂直でかつパターンがシ
ャープであるX線マスクを製造できることを見い出し
た。また、これらの効果を得るためには、単にエッチン
グマスク層及びエッチング停止層の材料としてクロムと
炭素及び/又は窒素を含む材料を用いるだけでは不十分
であり、エッチングマスク層やエッチング停止層の膜厚
や膜組成を最適化する必要があることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0025】すなわち、本発明のX線マスクブランク
は、マスク基板上に、X線を透過するX線透過膜を有
し、該X線透過膜上にX線を吸収するX線吸収体膜を有
するX線マスクブランクであって、前記X線吸収体膜の
上に、クロムと炭素を含む材料からなるエッチングマス
ク層を設けた構成としてある。また、本発明の他のX線
マスクブランクは、マスク基板上に、X線を透過するX
線透過膜を有し、該X線透過膜上にX線を吸収するX線
吸収体膜を有するX線マスクブランクであって、前記X
線吸収体膜の上に、クロムと窒素を含む材料からなるエ
ッチングマスク層を設けた構成としてある。さらに、本
発明の他のX線マスクブランクは、マスク基板上に、X
線を透過するX線透過膜を有し、該X線透過膜上にX線
を吸収するX線吸収体膜を有するX線マスクブランクで
あって、前記X線吸収体膜の上に、クロムと炭素及び窒
素を含む材料からなるエッチングマスク層を設けた構成
としてある。また、本発明の他のX線マスクブランク
は、マスク基板上に、X線を透過するX線透過膜を有
し、該X線透過膜上にX線を吸収するX線吸収体膜を有
するX線マスクブランクであって、前記X線吸収体膜の
上に、クロムを主成分とするアモルファス構造及び/又
は微結晶構造の膜からなるエッチングマスク層を設けた
構成としてある。
【0026】また、本発明のX線マスクブランクは、上
記本発明のX線マスクブランクにおいて、上記エッチン
グマスク層の表面粗さRaが、1.0nm以下である構
成、上記X線透過膜が、炭化ケイ素からなる構成、上記
X線吸収体膜が、Taを主成分とする材料からなる構
成、上記X線吸収体膜が、Taを主成分とし少なくとも
Bを含む材料からなる構成、 上記X線吸収体膜が、T
aを主成分とするアモルファス構造の膜である構成、あ
るいは、上記X線吸収体膜の下に、クロムと炭素及び/
又は窒素を含む材料からなるエッチング停止層を設けた
構成としてある。
【0027】また、本発明のX線マスクブランクの製造
方法は、マスク基板上に、X線透過膜を形成する工程
と、前記X線透過膜上にX線吸収体膜を形成する工程
と、前記X線吸収体膜の上にクロムと炭素及び/又は窒
素を含む材料からなるエッチングマスク層を形成する工
程とを有し、前記エッチングマスク層を形成する工程に
おいて、クロムターゲットを用い、炭素を含むガス及び
/又は窒素を含むガスをスパッタリングガス中に添加し
てエッチングマスク層を形成する構成としてある。
【0028】さらに、本発明のX線マスクの製造方法
は、上記本発明のX線マスクブランクを用いてX線マス
クを製造する構成としてある。
【0029】
【作用】本発明においては、エッチングマスク層及びエ
ッチング停止層としてクロムと炭素及び/又は窒素を含
む材料を用いることで、高いエッチング選択比を保持し
たままで100MPa以下の極めて低い応力を得ること
ができるため、膜応力による位置歪みが少なく、極めて
高い位置精度を有するX線マスクが得られる。
【0030】また、これらの材料からなるエッチングマ
スク層及びエッチング停止層を用いてX線マスクを製造
するとX線吸収体膜パターンの側壁が垂直でかつパター
ンがシャープであるX線マスクを製造できる。
【0031】さらに、エッチングマスク層及びエッチン
グ停止層等の膜厚や膜組成を比較的狭い範囲内で最適化
することで、極めて高いパターン精度及び極めて高い位
置精度を有するX線マスクが得られる。
【0032】なお、本発明は、1Gbit−DRAM以
降のX線マスクの量産性に優れており、4Gbit−D
RAM(0.13μmライン&スペース以下のデザイン
ルール)以降のX線マスクの製造にも適している。
【0033】以下、本発明を詳細に説明する。
【0034】まず、本発明のX線マスクブランクについ
て説明する。
【0035】本発明のX線マスクブランクは、基板上
に、X線透過膜を有し、このX線透過膜上にX線吸収体
膜を有する。
【0036】ここで、基板としては、シリコン基板(シ
リコンウエハ)がよく用いられるが、これに限定され
ず、石英ガラスなどの公知の基板を用いることもでき
る。
【0037】X線透過膜としては、SiC、SiN、ダ
イヤモンド薄膜などが挙げられる。X線照射耐性等の観
点からはSiC等が好ましい。X線透過膜の膜応力は、
50〜400MPa以下であることが好ましい。また、
X線透過膜の膜厚は、1〜3μm程度であることが好ま
しい。
【0038】X線吸収体膜としては、タンタル、タング
ステンなどの高融点金属を主成分とする材料等が挙げら
れる。具体的には、例えば、TaとBの化合物[例えば
Ta4B(Ta:B=8:2)や、Ta4B以外の組成を
もつホウ化タンタルなど]、金属Ta、Taを含むアモ
ルファス材料、Taと他の物質を含むTa系の材料や、
金属W、Wと他の物質を含むW系の材料等が挙げられ
る。なお、X線照射耐性等の観点からはタンタルを主成
分とする材料等が好ましい。
【0039】ここで、タンタルを主成分とするX線吸収
体材料は、Ta以外に少なくともBを含むことが好まし
い。これは、Ta及びBを含むX線吸収体膜は、内部応
力が小さく、高純度で不純物を含まず、X線吸収率が大
きい等の利点を有するからである。また、スパッタリン
グで成膜する際のガス圧を制御することで容易に内部応
力を制御できるからである。
【0040】Ta及びBを含むX線吸収体膜におけるB
の割合は、15〜25原子%とすることが好ましい。X
線吸収体膜におけるBの割合が上記範囲を超えると微結
晶の粒径が大きくなりサブミクロンオーダーの微細加工
が難しくなる。なお、X線吸収体膜におけるBの割合に
関しては、本願出願人はすでに出願を行っている(特開
平2−192116号公報)。
【0041】タンタルを主成分とするX線吸収体材料
は、アモルファス構造あるいは微結晶構造を有すること
が好ましい。これは、結晶構造(金属構造)であるとサ
ブミクロンオーダーの微細加工が難しく、内部応力が大
きくX線マスクに歪みが生じるからである。
【0042】X線吸収体膜の膜応力は、10MPa以下
であることが好ましい。また、X線吸収体膜の膜厚は、
0.3〜0.8μm程度であることが好ましい。
【0043】本発明のX線マスクブランクは、上記X線
吸収体膜の上に、クロムと炭素及び/又は窒素を含む材
料からなるエッチングマスク層を設けたことを特徴とす
る。
【0044】クロムと炭素及び/又は窒素を含む材料か
らなるエッチングマスク層は、高いエッチング選択比を
保持したままで極めて低い膜応力を得ることができる。
この場合、膜組成、スパッタガスの全圧、RFパワー、
スパッタ装置の種類等を調節及び選択することでエッチ
ング選択比や膜応力の制御が可能である。特に、スパッ
タガスの混合比等を微調整することで膜応力の微妙な制
御が可能である。その一例を図1に示す。図1からスパ
ッタガスの混合比を狭い範囲で微調整することで膜応力
の微妙な制御が可能であることがわかる。また、クロム
単体の膜が柱状構造(結晶構造)であるのに対し、クロ
ムに炭素及び/又は窒素を添加することにより、アモル
ファス構造あるいは微結晶構造の膜(両構造を有する膜
を含む)を形成することができ、その結果、エッチング
マスク層の表面粗さを低減することができる(表面を平
滑にできる)ため、エッチングマスクパターンのエッジ
ラフネスを低減できるという利点がある。このときのエ
ッチングマスク層の表面粗さRaは、1.0nm以下が
好ましく、より好ましくは0.8nm以下、さらに好ま
しくは0.6nm以下である。さらに、クロムに炭素及
び/又は窒素を添加することにより、洗浄液として良く
使用される硫酸、過水硫酸等に対して高い耐薬品性を示
す。
【0045】クロムと窒素及び/又は炭素を含む膜の好
ましい組成は所望する膜特性(膜応力、エッチング選択
比、耐酸性など)等によって異なるので一概には言えな
いが、例えば、クロムと窒素を含む膜の場合には膜中の
窒素含有量は原子%比でN:Cr=1:2〜15程度が
好ましく、また、クロムと炭素を含む膜の場合には膜中
の炭素含有量は原子%比でC:Cr=1:1.5〜15
程度が好ましく、また、クロムと窒素及び炭素を含む膜
の場合には膜中の各成分の含有量はCr:N:C=55
〜66原子%:1〜33原子%:1〜40原子%程度が
好ましい。
【0046】クロムと炭素及び/又は窒素を含む材料か
らなるエッチングマスク層は、クロムと炭素及び窒素を
含む三元系材料としたり、エッチング選択比や膜応力に
影響を与えない範囲で酸素、フッ素などの他の元素を添
加することで、耐熱性、耐洗浄性等を改良することがで
きる。
【0047】本発明では、X線吸収体膜の下に、クロム
と炭素及び/又は窒素を含む材料からなるエッチング停
止層を設けることができる。このエッチング停止層の構
成及び作用効果に関しては上記エッチングマスク層と同
様であるので説明を省略する。ただし、両者を組み合わ
せることで、単独の場合に比べ、より膜応力による位置
歪みが少なく、極めて高い位置精度を有するとともに、
X線吸収体膜パターンの側壁が垂直でかつパターンがシ
ャープであるX線マスクを製造できる。
【0048】エッチングマスク層の膜厚は、10〜20
0nm、好ましくは15〜60nm、より好ましくは3
0〜50nmである。エッチングマスク層の膜厚を薄く
すると、垂直な側壁のエッチングマスクパターンが得ら
れるとともにマイクロローディング効果の影響を低減で
きるので、エッチングマスクパターンをマスクとしてX
線吸収体材料層をドライエッチングする際のパターン変
換差を低減できる。
【0049】エッチング停止層の膜厚は、5〜100n
m、好ましくは7〜50nm、より好ましくは10〜3
0nmである。エッチング停止層の膜厚を薄くすると、
エッチング時間を短くできるので、エッチング停止層を
除去する際のX線吸収体パターンのエッチングによる形
状変化を低減できる。
【0050】エッチングマスク層、エッチング停止層に
おける膜応力と膜厚との積は、±1×104dyn/c
m以下であることが好ましい。膜応力と膜厚との積が上
記範囲を超えると、応力による位置歪みが大きく、極め
て高い位置精度を有するX線マスクが得られない。
【0051】次に、本発明のX線マスクブランクの製造
方法について説明する。
【0052】本発明のX線マスクブランクの製造方法
は、エッチングマスク層及び/又はエッチング停止層
を、クロムターゲットを用い、炭素を含むガス及び/又
は窒素を含むガスをスパッタリングガス中に添加して形
成することを特徴とする。
【0053】ここで、スパッタリング法としては、例え
ば、RFマグネトロンスパッタリング、DCスパッタリ
ング、DCマグネトロンスパッタリングなどが挙げられ
る。
【0054】炭素を含むガスとしては、メタン、エタ
ン、プロパンなどの炭化水素系ガス等が挙げられる。窒
素を含むガスとしては、窒素、アンモニアガス、一酸化
窒素、二酸化窒素、一酸化二窒素等が挙げられる。
【0055】スパッタガスとしては、アルゴン、キセノ
ン、クリプトン、ヘリウムなどの不活性ガス等が挙げら
れる。
【0056】スパッタガス中に添加される炭素を含むガ
ス及び/又は窒素を含むガスの添加量は、所望する膜組
成、膜質(アモルファス構造、微結晶構造)及び膜特性
(膜応力、エッチング選択比、耐酸性等)を制御すべく
調整する。好ましい添加量はガスの種類やその他の成膜
条件及び所望する膜特性等によって異なるので一概には
言えないが、例えば、スパッタガス中に窒素を添加して
クロムと窒素を含む膜を成膜する場合には好ましい窒素
の添加量はガス圧比で7〜50%(より好ましくは15
〜40%)であり、また、スパッタガス中にメタンを添
加してクロムと炭素を含む膜を成膜する場合には好まし
いメタンの添加量はガス圧比で6〜40%(より好まし
くは7〜30%)であり、また、スパッタガス中に窒素
及びメタンを添加してクロムと窒素及び炭素を含む膜を
成膜する場合には好ましい窒素の添加量はガス圧比で1
〜30%であり、好ましいメタンの添加量はガス圧比で
1〜40%である。
【0057】なお、X線マスクブランクの他の製造工程
に関しては特に制限されず、従来より公知のX線マスク
ブランクの製造工程が適用できる。
【0058】次に、本発明のX線マスクの製造方法につ
いて説明する。
【0059】本発明のX線マスクの製造方法は、上述し
た本発明のX線マスクブランクを用いてX線マスクを製
造することを特徴とする。
【0060】X線マスクの製造工程に関しては特に制限
されず、従来より公知のX線マスクの製造工程が適用で
きる。
【0061】例えば、エッチングマスク層のパターニン
グには、レジスト(フォト、電子線)を用いたリソグラ
フィー法(レジスト塗布、露光、現像、エッチング、レ
ジスト剥離、洗浄など)、多層レジスト法、多層マスク
(金属膜/レジスト膜等)法などの公知のパターニング
技術が使用できる。レジストを用いる場合にあっては、
レジストの膜厚は薄い方が好ましく、50〜1000n
m、好ましくは100〜300nmである。
【0062】エッチングマスク層及びエッチング停止層
をドライエッチングする際のエッチングガスとしては、
塩素と酸素の混合ガスを用いることが好ましい。これ
は、エッチングガスである塩素に対して酸素を混入させ
た混合ガスによるエッチングを行うことで、Taを主成
分とする材料のエッチング速度(エッチングレート)を
極端に低下させることができるので、Taを主成分とす
る材料に対するCrと炭素及び/又は窒素を含む材料の
エッチング選択比(Cr/Ta)を大きくすることが可
能となり、塩素ガス単体によるエッチングの場合(エッ
チング選択比は0.1)に比べ、相対エッチング速度を
逆転(1以上に)することが可能となるからである。
【0063】ドライエッチング装置としては、プラズマ
エッチング装置、光エッチング装置、RIE(反応性イ
オンエッチング:Reactive Ion Etching)装置、反応性
イオンビームエッチング装置(RIBE)、スパッタエ
ッチング装置、イオンビームエッチング装置などが使用
できる。
【0064】
【実施例】以下、実施例にもとづき本発明をさらに詳細
に説明する。
【0065】実施例1〜3及び比較例1 低応力膜の成膜 金属クロムをスパッタリングターゲットとし、アルゴン
とメタンとの混合ガス(全圧約1.2Pa)をスパッタ
ガスとして、RFマグネトロンスパッタリングにより、
エッチングマスク層としてクロムと炭素を含む膜を50
0オンク゛ストローム(50nm)の膜厚で成膜した。表1にア
ルゴンとメタンの混合比を変化させたときの膜応力、T
4B吸収体膜に対するエッチング選択比、表面粗さ、
及び耐薬品性(硫酸、過水硫酸)を示す(実施例1〜
3)。また、比較例として、メタンを混合せずにアルゴ
ンのみをスパッタガスとして上記と同様の条件でスパッ
タリングにより成膜した金属クロム膜の膜応力等の膜特
性を表1に併せて示す(比較例1)。
【0066】
【表1】
【0067】表1から明らかなように、クロムと炭素を
含む膜(実施例1〜3)は、金属クロム膜(比較例1)
と比較して、膜応力が極端に低いことがわかる。また、
アルゴンとメタンの混合比を変えることによって膜応力
を制御できることがわかる。なお、スパッタガスの全
圧、RFパワーによっても膜応力を制御できる。さら
に、クロムと炭素を含む膜(実施例1〜3)は、各種X
線吸収体膜材料に対し、従来の金属クロム膜と同様のエ
ッチング選択比をもつことを確認した。また、クロムと
炭素を含む膜(実施例1〜3)は、金属クロム膜(比較
例1)と比較して、表面粗さ及び耐薬品性(硫酸、過水
硫酸)に優れることがわかる。なお、耐薬品性は硫酸及
び過水硫酸(H2SO4:H2O2=4:1)をそれぞれ100℃に加
熱し1時間浸漬して評価した(「0.1<」は0.1以
下を示す)。また、表面粗さの評価にはAFMを用い
た。
【0068】実施例4 金属クロムをスパッタリングターゲットとし、アルゴン
と窒素とを含むガスをスパッタガスとして、RFマグネ
トロンスパッタリングにより、エッチングマスク層とし
てクロムと窒素を含む膜を成膜した。その際、アルゴン
と窒素の混合比、スパッタガスの全圧、RFパワーを変
えることによって膜応力を制御した。その結果、実施例
1と同様に、低応力であって高いエッチング選択比を有
するとともに、表面平滑性及び耐薬品性(硫酸、過水硫
酸)に優れた膜が得られた(表1)。
【0069】実施例5 金属クロムをスパッタリングターゲットとし、アルゴン
とメタン及び窒素とを含むガスをスパッタガスとして、
RFマグネトロンスパッタリングにより、エッチングマ
スク層としてクロムと炭素と窒素を含む膜を成膜した。
その際、アルゴンとメタン及び窒素の混合比、スパッタ
ガスの全圧、RFパワーを変えることによって膜応力を
制御した。その結果、実施例1と同様に、低応力であっ
て高いエッチング選択比を有するとともに、表面平滑性
及び耐薬品性(硫酸、過水硫酸)に優れた膜が得られた
(表1)。
【0070】実施例6 図2に本発明の一実施例に係るX線マスクブランク製造
工程を示す。
【0071】まず、シリコン基板11の両面に、X線透
過膜12として炭化ケイ素膜を成膜した(図2
(a))。
【0072】なお、シリコン基板11としては、大きさ
3インチφ、厚さ2mmで結晶方位(100)のシリコ
ン基板を用いた。また、X線透過膜12である炭化ケイ
素膜は、ジクロロシランとアセチレンを用いてCVD法
により2μmの厚みに成膜した。さらに、機械研磨によ
り膜表面の平坦化を行い、Ra=1nm以下の表面粗さ
を得た。
【0073】次いで、X線透過膜12上に、タンタル及
びホウ素からなるX線吸収体膜13をRFマグネトロン
スパッタリング法によって0.5μmの厚さで形成した
(図2(b))。
【0074】なお、スパッタターゲットは、タンタルと
ホウ素を原子数比(Ta/B)で8/2の割合で含む焼
結体とした。スパッタ条件は、スパッタガス:Ar、R
Fパワー密度:6.5W/cm2、スパッタガス圧:
1.0Paとした。
【0075】続いて、上記基板を窒素雰囲気下で、25
0℃、2時間アニーリングを行い、10MPa以下の低
応力のX線吸収体膜13を得た。
【0076】次に、X線吸収体膜13上に、エッチング
マスク層14としてクロムと炭素を含む膜をRFマグネ
トロンスパッタリング法によって0.05μmの厚さで
形成した。この結果、100MPa以下の低応力のエッ
チングマスク層14を得た(図2(c))。
【0077】なお、スパッタターゲットにはCrを用
い、スパッタ条件は、スパッタガス:Arにメタンを7
%混合したガス、RFパワー密度:6.5W/cm2
スパッタガス圧:1.2Paとした。
【0078】X線マスクの製造 上記で得られたX線マスクブランクを用いてX線マスク
を製造した。
【0079】具体的には、まず、X線マスクブランク上
に塗布した電子線レジストに設計値0.25μmのライ
ンアンドスペース(以下、L&Sと記す)パターンを電
子線描画し、湿式現像によって電子線レジストパターン
を形成した。
【0080】この電子線レジストパターンをマスクとし
て、ECR(Electron Cyclotron Resonance)エッチン
グ装置を用いて、マイクロ波600W、コイル電流13
A、RFパワー120mW/cm2のエッチング条件
下、基板部分を2.5℃に冷却しながら塩素と酸素の混
合ガス(塩素:25sccm、酸素:5sccm)にて
エッチングマスク層のエッチングを行い、エッチングマ
スクパターンを得た。
【0081】このエッチングマスクパターンをマスクと
して、ECRドライエッチング装置を用い、マイクロ波
600W、コイル電流13A、RFパワー120mW/
cm2のエッチング条件下、基板部分を2.5℃に冷却
しながら塩素ガス(25sccm)にてX線吸収体層の
エッチングを行い、次いでエッチングマスクパターンを
除去し、X線吸収体パターンを形成して、X線マスクを
得た。
【0082】評価 上記で得られたX線マスクのパターン断面をSEM(Sc
anning Electron Microscope)によって形状観察した結
果、側壁が垂直に形成された極めて良好(側壁の垂直
性、側壁の表面状態、ラインの直線性等)な0.18μ
mのL&SのX線吸収体パターンの形成が確認された。
【0083】さらに、上記で得られたX線マスクの位置
歪みを座標測定機により評価した結果、1Gbit−D
RAM用のX線マスクに要求される22nm以下の位置
歪みであり、高い位置精度が実現できることを確認し
た。
【0084】実施例7 実施例7に係るX線マスクブランクの製造工程は、実施
例6と同様であるので図2を用いて説明する。
【0085】まず、シリコン基板11の両面に、X線透
過膜12として炭化ケイ素膜を成膜した(図2
(a))。
【0086】なお、シリコン基板11としては、大きさ
3インチφ、厚さ2mmで結晶方位(100)のシリコ
ン基板を用いた。また、X線透過膜12である炭化ケイ
素膜は、ジクロロシランとアセチレンを用いてCVD法
により2μmの厚みに成膜した。さらに、機械研磨によ
り膜表面の平坦化を行い、Ra=1nm以下の表面粗さ
を得た。
【0087】次いで、X線透過膜12上に、タンタル及
びホウ素からなるX線吸収体膜13をRFマグネトロン
スパッタリング法によって0.5μmの厚さで形成した
(図2(b))。
【0088】なお、スパッタターゲットは、タンタルと
ホウ素を原子数比(Ta/B)で8/2の割合で含む焼
結体とした。スパッタ条件は、スパッタガス:Ar、R
Fパワー密度:6.5W/cm2、スパッタガス圧:
1.0Paとした。
【0089】続いて、上記基板を窒素雰囲気下で、25
0℃、2時間アニーリングを行い、10MPa以下の低
応力のX線吸収体膜13を得た。
【0090】次に、X線吸収体膜13上に、エッチング
マスク層14としてクロムと窒素を含む膜をRFマグネ
トロンスパッタリング法によって0.05μmの厚さで
形成した。この結果、100MPa以下の低応力のエッ
チングマスク層14を得た(図2(c))。
【0091】なお、スパッタターゲットにはCrを用
い、スパッタ条件は、スパッタガス:Arに窒素を35
%混合したガス、RFパワー密度:6.5W/cm2
スパッタガス圧:0.6Paとした。
【0092】X線マスクの製造 上記で得られたX線マスクブランクを用い実施例6と同
様にしてX線マスクを製造した。
【0093】評価 上記で得られたX線マスクのパターン断面をSEM(Sc
anning Electron Microscope)によって形状観察した結
果、側壁が垂直に形成された極めて良好(側壁の垂直
性、側壁の表面状態、ラインの直線性等)な0.18μ
mのL&SのX線吸収体パターンの形成が確認された。
【0094】また、上記で得られたX線マスクの位置歪
みを座標測定機により評価した結果、1Gbit−DR
AM用のX線マスクに要求される22nm以下の位置歪
みであり、高い位置精度が実現できることを確認した。
【0095】実施例8 実施例8に係るX線マスクブランクの製造工程は、実施
例6と同様であるので図2を用いて説明する。
【0096】まず、シリコン基板11の両面に、X線透
過膜12として炭化ケイ素膜を成膜した(図2
(a))。
【0097】なお、シリコン基板11としては、大きさ
3インチφ、厚さ2mmで結晶方位(100)のシリコ
ン基板を用いた。また、X線透過膜12である炭化ケイ
素膜は、ジクロロシランとアセチレンを用いてCVD法
により2μmの厚みに成膜した。さらに、機械研磨によ
り膜表面の平坦化を行い、Ra=1nm以下の表面粗さ
を得た。
【0098】次いで、X線透過膜12上に、タンタル及
びホウ素からなるX線吸収体膜13をRFマグネトロン
スパッタリング法によって0.5μmの厚さで形成した
(図2(b))。
【0099】なお、スパッタターゲットは、タンタルと
ホウ素を原子数比(Ta/B)で8/2の割合で含む焼
結体とした。スパッタ条件は、スパッタガス:Ar、R
Fパワー密度:6.5W/cm2、スパッタガス圧:
1.0Paとした。
【0100】続いて、上記基板を窒素雰囲気下で、25
0℃、2時間アニーリングを行い、10MPa以下の低
応力のX線吸収体膜13を得た。
【0101】次に、X線吸収体膜13上に、エッチング
マスク層14としてクロムと炭素及び窒素を含む膜をR
Fマグネトロンスパッタリング法によって0.05μm
の厚さで形成した。この結果、100MPa以下の低応
力のエッチングマスク層14を得た(図2(c))。
【0102】なお、スパッタターゲットにはCrを用
い、スパッタ条件は、スパッタガス:Arにメタン5
%、窒素を30%混合したガス、RFパワー密度:6.
5W/cm2、スパッタガス圧:0.6Paとした。
【0103】X線マスクの製造 上記で得られたX線マスクブランクを用い実施例6と同
様にしてX線マスクを製造した。
【0104】評価 上記で得られたX線マスクのパターン断面をSEM(Sc
anning Electron Microscope)によって形状観察した結
果、側壁が垂直に形成された極めて良好(側壁の垂直
性、側壁の表面状態、ラインの直線性等)な0.18μ
mのL&SのX線吸収体パターンの形成が確認された。
【0105】また、上記で得られたX線マスクの位置歪
みを座標測定機により評価した結果、1Gbit−DR
AM用のX線マスクに要求される22nm以下の位置歪
みであり、高い位置精度が実現できることを確認した。
【0106】実施例9 図3に本発明の他の実施例に係るX線マスクブランク製
造工程を示す。
【0107】まず、シリコン基板11の両面に、X線透
過膜(X線マスクメンブレン)12として炭化ケイ素膜
を成膜した(図3(a))。
【0108】なお、シリコン基板11としては、大きさ
3インチφ、厚さ2mmで結晶方位(100)のシリコ
ン基板を用いた。また、X線透過膜12である炭化ケイ
素膜は、ジクロロシランとアセチレンを用いてCVD法
により2μmの厚みに成膜した。さらに、機械研磨によ
り膜表面の平坦化を行い、Ra=1nm以下の表面粗さ
を得た。
【0109】次いで、X線透過膜12上に、エッチング
ストッパー層15としてクロムと炭素を含む膜をRFマ
グネトロンスパッタリング法によって0.02μmの厚
さで形成した(図3(b))。この結果、100MPa
以下の低応力のエッチングストッパー層15を得た。
【0110】なお、スパッタターゲットにはCrを用
い、スパッタ条件は、スパッタガス:Arにメタンを8
%混合したガス、RFパワー密度:6.5W/cm2
スパッタガス圧:1.2Paとした。
【0111】次に、エッチングストッパー層15上に、
タンタル及びホウ素からなるX線吸収体膜13をRFマ
グネトロンスパッタリング法によって0.5μmの厚さ
で形成した(図3(c))。
【0112】なお、スパッタターゲットは、タンタルと
ホウ素を原子数比(Ta/B)で8/2の割合で含む焼
結体とした。スパッタ条件は、スパッタガス:Ar、R
Fパワー密度:6.5W/cm2、スパッタガス圧:
1.0Paとした。
【0113】続いて、上記基板を窒素雰囲気下で、25
0℃、2時間アニーリングを行い、10MPa以下の低
応力のX線吸収体膜13を得た。
【0114】次に、X線吸収体膜13上に、エッチング
マスク層14としてクロムと炭素を含む膜をRFマグネ
トロンスパッタリング法によって0.05μmの厚さで
形成した(図3(d))。この結果、100MPa以下
の低応力のエッチングマスク層14を得た。
【0115】なお、スパッタターゲットにはCrを用
い、スパッタ条件は、スパッタガス:Arにメタンを1
0%混合したガス、RFパワー密度:6.5W/c
2、スパッタガス圧:0.6Paとした。
【0116】上記で得られたX線マスクブランクを用い
てX線マスクを作製し、位置歪みを座標測定機により評
価した結果、1Gbit−DRAM用のX線マスクに要
求される22nm以下の位置歪みであり、高い位置精度
が実現できることを確認した。
【0117】また、上記で得られたX線マスクのパター
ン断面をSEM(Scanning Electron Microscope)によ
って形状観察した結果、側壁が垂直に形成された極めて
良好(側壁の垂直性、側壁の表面状態、ラインの直線性
等)な0.18μmのL&SのX線吸収体パターンの形
成が確認された。さらに、エッチング停止層の除去に伴
うX線透過膜の膜減りについても同様に調べたが、X線
透過膜の膜減りは確認されなかった。
【0118】以上好ましい実施例をあげて本発明を説明
したが、本発明は必ずしも上記実施例に限定されるもの
ではない。
【0119】例えば、RFマグネトロンスパッタリング
法の代わりに、DCマグネトロンスパッタリング法を用
いて、エッチングマスク層及びエッチング停止層の成膜
を行っても同様の効果がある。
【0120】また、Arガスの代わりにキセノン、クリ
プトン、ヘリウム、ネオン等の他の不活性ガスを用い、
メタンの代わりに得たん、プロパンなどの炭化水素系ガ
スを用いても同様の効果がある。
【0121】さらに、メタンあるいは窒素の添加濃度は
実施例の値に限定されず、スパッタリング装置、スパッ
タガス圧、パワー等に応じて適宜変更される。
【0122】また、エッチングマスク層は、クロムと窒
素以外に酸素を含むものとしてもよい。また、エッチン
グマスク層の応力制御をより正確に行うために、エッチ
ングマスク層又はエッチングマスクパターンを200℃
〜250℃の温度でアニール処理してもよい。
【0123】さらに、X線吸収体膜として、Ta4B以
外の組成をもつホウ化タンタル、金属Ta、Taを含む
アモルファス材料を等用いてもよい。
【0124】また、X線透過膜として、炭化ケイ素の代
わりに、窒化ケイ素やダイヤモンド膜等を用いてもよ
い。
【0125】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、エ
ッチングマスク層及びエッチング停止層としてクロムと
炭素及び/又は窒素を含む材料を用いることで、高いエ
ッチング選択比を保持したままで極めて低い膜応力を得
ることができるため、膜応力による位置歪みが少なく、
極めて高い位置精度を有するX線マスクが得られる。ま
た、これらの材料からなるエッチングマスク層及びエッ
チング停止層を有するX線マスクブランクを用いてX線
マスクを製造するとX線吸収体膜パターンの側壁が垂直
でかつパターンがシャープであるX線マスクを製造でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】スパッタガスの混合比と膜応力との関係を示す
図である。
【図2】本発明の一実施例に係るX線マスクブランクの
製造工程を説明するための図である。
【図3】本発明の他の実施例に係るX線マスクブランク
の製造工程を説明するための図である。
【図4】X線マスクの構造を説明するための断面図であ
る。
【図5】X線マスクブランクを説明するための図であ
る。
【符号の説明】
1 X線マスク 2 X線マスクブランク 11 シリコン基板 11a 支持基板(支持枠) 12 X線透過膜 13 X線吸収体膜 13a X線吸収体パターン 14 エッチングマスク層 15 エッチング停止層

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスク基板上に、X線を透過するX線透
    過膜を有し、該X線透過膜上にX線を吸収するX線吸収
    体膜を有するX線マスクブランクであって、 前記X線吸収体膜の上に、クロムと炭素を含む材料から
    なるエッチングマスク層を設けたことを特徴とするX線
    マスクブランク。
  2. 【請求項2】 マスク基板上に、X線を透過するX線透
    過膜を有し、該X線透過膜上にX線を吸収するX線吸収
    体膜を有するX線マスクブランクであって、 前記X線吸収体膜の上に、クロムと窒素を含む材料から
    なるエッチングマスク層を設けたことを特徴とするX線
    マスクブランク。
  3. 【請求項3】 マスク基板上に、X線を透過するX線透
    過膜を有し、該X線透過膜上にX線を吸収するX線吸収
    体膜を有するX線マスクブランクであって、 前記X線吸収体膜の上に、クロムと炭素及び窒素を含む
    材料からなるエッチングマスク層を設けたことを特徴と
    するX線マスクブランク。
  4. 【請求項4】 マスク基板上に、X線を透過するX線透
    過膜を有し、該X線透過膜上にX線を吸収するX線吸収
    体膜を有するX線マスクブランクであって、 前記X線吸収体膜の上に、クロムを主成分とするアモル
    ファス構造及び/又は微結晶構造の膜からなるエッチン
    グマスク層を設けたことを特徴とするX線マスクブラン
    ク。
  5. 【請求項5】 エッチングマスク層の表面粗さRaが、
    1.0nm以下であることを特徴とする請求項1〜4か
    ら選ばれるいずれか一項に記載のX線マスクブランク。
  6. 【請求項6】 前記X線透過膜が、炭化ケイ素からなる
    ことを特徴とする請求項1〜5から選ばれるいずれか一
    項に記載のX線マスクブランク。
  7. 【請求項7】 前記X線吸収体膜が、Taを主成分とす
    る材料からなることを特徴とする請求項1〜6から選ば
    れるいずれか一項に記載のX線マスクブランク。
  8. 【請求項8】 前記X線吸収体膜が、Taを主成分とし
    少なくともBを含む材料からなることを特徴とする請求
    項1〜7から選ばれるいずれか一項に記載のX線マスク
    ブランク。
  9. 【請求項9】 前記X線吸収体膜が、Taを主成分とす
    るアモルファス構造の膜であることを特徴とする請求項
    7又は8に記載のX線マスクブランク。
  10. 【請求項10】 前記X線吸収体膜の下に、クロムと炭
    素及び/又は窒素を含む材料からなるエッチング停止層
    を設けたことを特徴とする請求項1〜9から選ばれるい
    ずれか一項に記載のX線マスクブランク。
  11. 【請求項11】 マスク基板上に、X線透過膜を形成す
    る工程と、前記X線透過膜上にX線吸収体膜を形成する
    工程と、前記X線吸収体膜の上にクロムと炭素及び/又
    は窒素を含む材料からなるエッチングマスク層を形成す
    る工程とを有し、 前記エッチングマスク層を形成する
    工程において、クロムターゲットを用い、炭素を含むガ
    ス及び/又は窒素を含むガスをスパッタリングガス中に
    添加してエッチングマスク層を形成することを特徴とす
    るX線マスクブランクの製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜10に記載のX線マスクブ
    ランクを用いてX線マスクを製造することを特徴とする
    X線マスクの製造方法。
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