JP2642724B2 - X線マスク材料およびx線マスク - Google Patents

X線マスク材料およびx線マスク

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JP2642724B2
JP2642724B2 JP1127289A JP1127289A JP2642724B2 JP 2642724 B2 JP2642724 B2 JP 2642724B2 JP 1127289 A JP1127289 A JP 1127289A JP 1127289 A JP1127289 A JP 1127289A JP 2642724 B2 JP2642724 B2 JP 2642724B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、X線リソグラフィーに用いられるX線マス
ク材料およびX線マスクに関する。
[従来の技術] 半導体産業の分野において、シリコン基盤等に微細パ
ターンからなる集積回路等を形成する技術としてリソグ
ラフィー技術が用いられる。このリソグラフィー技術
は、一般に次のように行われる。露光用電磁波を透過さ
せる作用を有する基板上に、露光用電磁波を吸収する作
用を有する金属等でもつて集積回路等の微細パターンに
対応するパターンが形成されているマスクに、露光用電
磁波を照射することにより、シリコン基板等の上に塗布
されたレジストにマスクの微細パターンを転写させる。
次に、このレジストパターンをもとにエッチング、不純
物注入、誘電体膜作製等の様々な工程を行い、シリコン
基板等に微細パターンからなる集積回路等を形成させ
る。
従来、露光用電磁波として可視光および紫外光を用い
て、微細パターンを転写するフオトリソグラフィー法が
用いられてきた。ところが、最近に至り可視光および紫
外光の物理的限界を超えた、より小さな微細パターンの
転写技術が要求されるに至り、このような微細パターン
を転写させるために、より波長の短いX線を露光用電磁
波として用いるX線リソグラフィー法が試みられてい
る。
ところで、このX線リソグラフィー法に使用されるX
線マスク材料は、基板と、この基板上に形成されたX線
透過率の大きな膜(以下、X線透過膜と言う)と、X線
透過膜上に形成されたX線吸収率の大きな膜(以下、X
線吸収膜と言う)とから構成される。ここで、一般にX
線透過膜は、原子番号の小さな原子から構成される極め
て薄い膜であり、また、X線吸収膜はX線吸収率の大き
な金属等からなる極めて薄い膜である。
X線吸収膜には、X線吸収率の大きな材料が用いられ
ねばならないことは言うまでもないが、さらに、次に述
べる要求を満たさねばならない。第一に内部応力の小さ
いことである。これは、上述のように、X線吸収膜が、
極めて薄いX線透過膜上に形成されることから、X線吸
収膜の内部応力が大きいと、この内部応力によつてX線
マスクに歪みが生じてしまい、パターン転写精度が確保
できなくなるからである。第二に微細パターン形成に適
した膜構造であることである。これは、要求されるパタ
ーンの大きさが0.25μm以下である場合が多く、したが
つて、膜構造も0.25μm以下のパターンの形成可能なア
モルファス状態かあるいは微結晶状態でなければならな
い。
従来、X線マスク材料においてX線吸収膜として用い
られてきたのは、金(Au)、タンタル(Ta)、タングス
テン(W)、レニウム(Re)もしくはこれらの金属と非
金属元素から構成される化合物、例えば、窒化タンタ
ル、窒化タングステン、酸化タンタル、酸化タングステ
ン等であつた。
[発明が解決しようとする課題] ところが、上述の従来のX線吸収膜は、いずれも以下
に述べるような欠点があった。
まず、Auは、柔らかく展性かつ延性に富むことから、
パターン寸法の経時変化が避けられないという欠点があ
つた。また、Auは化学的に不活性であることから、湿式
エッチングおよびドライエッチングによる加工が極めて
困難であるために、微細パターンを直接形成できないと
いう欠点があつた。それゆえに、Au膜に微細パターンを
形成させるためには、あらかじめレジスト等にステンシ
ルパターンを形成し、そのステンシルパターン内に電解
メッキ法を用いてAuを堆積させることにより、Auによる
微細パターンを形成させる方法が行われていた。しかし
ながら、電解メッキ法は、X線吸収膜作製に最も重要で
ある、精密な内部応力制御性が得られず、しかも溶液反
応であるために膜が汚染されやすいという欠点があつ
た。
次に、Au以外の金属、例えば、Ta、WおよびRe等につ
いては、これらの膜を形成させる方法としてスパッタ法
がほとんど唯一の方法であるが、スパッタ法で堆積させ
た場合次に述べる欠点があつた。スパッタ法によりX線
吸収膜を作製する場合、内部応力を精密に制御すること
が極めて困難であつた。なぜならば、膜の内部応力はス
パッタガス圧力に依存することが明らかになつている
が、この依存関係は、ガス圧力の微小変化に対して内部
応力の変化が急峻に変化するという依存関係であるゆえ
に、所望の小さな内部応力を得るためのガス圧力の範囲
が極めて小さな範囲に限られてしまうためであつた。し
かも、スパッタガス圧力が内部応力を制御しうる唯一の
パラメーターであつた。さらに内部応力の小さな膜はス
パッタガス圧力の大きな条件においてしか得られず、こ
の条件において得られる膜は密度が小さく、かつ不純物
を含んでいることからX線吸収率が低下し、さらにグレ
インサイズが極端に大きいために微細加工が不可能であ
るという欠点があつた。
次に、金属と非金属元素から構成される化合物、具体
的には窒化タンタル、窒化タングステン、酸化タンタ
ル、酸化タングステン等の膜は前記単体金属膜を形成さ
せる場合と同様のスパッタ法により得られる。この場
合、これらの膜については、アモルファス状態であると
か、微結晶状態であるといつた、微細加工を行うにあた
り優れた膜構造が得られ易い一方で、これらの優れた膜
構造を保ちつつ、なおかつ内部応力の小さな膜は容易に
得られないという欠点があつた。すなわち、内部応力の
小さな膜を得ようとすると、相転移によりアモルファス
状態から結晶状態に変化したり、あるいは微結晶状態か
ら結晶粒径のより大きな結晶状態に変化することによ
り、微細加工が不可能となる欠点があつた。さらに、内
部応力の制御、X線吸収率という点に関しては前記単体
金属の場合とほぼ同じ欠点を有しており、X線吸収膜と
しては極めて不十分であつた。
従つて本発明の第1の目的は、上述の欠点を除去し、
内部応力が小さく、かつ微細加工性にすぐれたX線吸収
膜を有するX線マスク材料を提供することにある。
また本発明の第2の目的は、上記第1の目的を達成す
ることにより得られたX線マスク材料を用いて、極めて
微細なパターンを有するX線マスクを提供することにあ
る。
[課題を解決するための手段] 本発明の第1の目的は、基板上にX線透過膜およびX
線吸収膜を順次設けたX線マスク材料において、前記X
線吸収膜がタンタルとホウ素とを、それらの原子数比
(Ta/B)が8.5/1.5〜7.5/2.5となる範囲で含有すること
を特徴とするX線マスク材料によつて達成される。
また本発明の第2の目的は、上記X線マスク材料のX
線吸収膜を微細パターン化して得られたものであること
を特徴とするX線マスクによつて達成される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のX線マスク材料は、基板上にX線透過膜およ
びX線吸収膜を順次設けたものである。ここに前記基板
としては、シリコン基盤等の通常用いられている基盤が
用いられ、またX線透過膜としては、窒化シリコン、窒
化ホウ素、炭化シリコン等の通常用いられているX線透
過膜が用いられる。
本発明のX線マスク材料において、X線吸収膜は新規
な構成からなり、タンタルとホウ素とをそれらの原子数
比(Ta/B)が8.5/1.5〜7.5/2.5となる範囲で含有するこ
とを特徴とする。
本発明のX線マスク材料において、X線吸収膜とし
て、タンタルとホウ素とを含有する膜を選択した理由
は、以下に示す通りである。
第1の理由は、タンタルおよびホウ素を含むX線吸収
膜は、スパッタ法によつて容易に基板上に低温で形成さ
せることができることである。従つて、CVD法のように
熱によるマスク歪みを生じることがない。さらにスパッ
タ法は、電解メッキ法あるいはCVD法に比較して容易に
膜を形成でき、しかも堆積速度が大きい。
第2の理由は、タンタルおよびホウ素を含むX線吸収
膜は、これをスパッタ法により形成した場合、内部応力
が小さい、高密度で不純物を含まない、X線吸収率が大
きい等の利点を有することである。この内部応力に関し
て本発明者は、例えば2Pa以下のごときガス圧力の小さ
な条件で、スパッタターゲットに投入するパワーを変化
させることにより内部応力を容易に制御することができ
ることを確認している。この場合、投入パワーの制御は
スパッタガス圧力の制御と異なり、極めて精密な制御が
可能であるために、投入パワーを正確に設定することに
より、得られる膜の内部応力をほぼ完全にゼロにするこ
とができる。さらに低いガス圧力の条件で膜を形成する
ことから、高密度で不純物の極めて少ない膜が得られ、
したがつて、十分なX線吸収率を持つX線吸収膜が得ら
れる。
スパッタ法による、タンタルおよびホウ素を含む膜の
形成において、ターゲット材料はタンタルとホウ素を含
むターゲットを用いても良いし、純タンタルを用いて、
スパッタガスに例えばジボラン(B2H6)等の、ホウ素原
子を含むガスを混合する反応性スパッタの方法を用いて
も良い。
次にX線吸収膜を構成するタンタルとホウ素との原子
数比(Ta/B)を8.5/1.5〜7.5/2.5に限定した理由は、以
下に示す通りである。
第1の理由は、原子数比(Ta/B)が8.5/1.5を超え、
タンタルが多くなり、ホウ素が少なくなると、形成され
る膜の結晶状態が微結晶であつてもその粒径が例えば15
nmを超える大きさとなり、また原子数比(Ta/B)が7.5/
2.5未満となり、タンタルが少なくなり、ホウ素が多く
なつても、形成される膜の結晶状態が微結晶であつても
その粒径が例えば15nmを超える大きさとなり、いずれの
場合も、例えば0.25μm以下のごとき微細パターンの形
成が困難であるのに対し、原子数比(Ta/B)が8.5/1.5
〜7.5/2.5の範囲にあると、形成される膜がアモルファ
ス状態または例えば15nm以下の粒径を有する微結晶状態
となるので、例えば0.25μm以下ごとき微細パターンの
形成が可能となり微細加工性にすぐれているからであ
る。
第2の理由は原子数比(Ta/B)が8.5/1.5を超える場
合または7.5/2.5未満の場合、膜の結晶粒が大きいた
め、形成されるパターンの上面および壁面が平滑となら
ないのに対し、原子数比(Ta/B)が8.5/1.5〜7.5/2.5の
場合、膜がアモルファス状態であるかまたは結晶粒の小
さな微結晶状態であるため、形成されるパターンの上面
および壁面が平滑となるからである。
なお、本発明においてX線吸収膜はホウ素を含むもの
の、過半量のタンタルを含むため、ドライエッチングに
おける化学的性質が、タンタル単体膜とほぼ同様である
ので、タンタル単体膜の場合に用いられる従来の加工技
術をそのまま用いることができる。
本発明によれば、上記特性を有するX線マスク材料を
用い、そのX線吸収膜を常法により微細パターン化する
ことにより、例えば0.25μm以下の微細パターンを有す
るX線マスクを得ることができる。
[実施例] 以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 X線吸収膜を構成するタンタルとホウ素との原子数比
(Ta/B)が本発明の限定範囲に含まれる8.5/1.5である
場合の実施例を以下に示す。
Si(100)基板上に形成されている厚さ2μmの窒化
シリコン膜(X線透過膜)上に、タンタルおよびホウ素
からなるX線吸収膜をrf(高周波)マグネトロンスパッ
タによつて0.6μmの厚さに形成してX線マスク材料を
得た。スパッタターゲットは、タンタルとホウ素を原子
数比(Ta/B)で8.5/1.5の割合で含む焼結体である。ス
パッタガスはアルゴンで、アルゴン流量は毎分51.0ccで
あつた。スパッタ条件は、rfパワー400W(8.64W/c
m2)、スパッタガス圧力1.6Paであつた。堆積開始温度
は室温であつた。上記条件で作製されたX線吸収膜はES
CA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysi
s)によれば、ターゲットと同一の組成比からなり、こ
の組成比は膜の深さ方向においてほぼ一定であり、また
不純物は含まれていないことも確認された。このX線吸
収膜は、微結晶状態(結晶粒の大きさ10nm)であり、そ
の応力は、測定限界(1×108dyn/cm2)以下であつた。
また、得られた膜は極めて硬く、傷等のつきにくい膜
であつた。さらに、得られた膜の密度を重量法で求めた
ところ、15.9g/cm3であり、X線吸収膜として十分な密
度を有していることが確認された。また内部応力の熱安
定性は十分に確保されていることが確認された。すなわ
ち、真空中340℃、3時間の条件でアニーリングを行つ
ても内部応力は変化しなかつた。
次にX線吸収膜表面の清浄化を行つた後、電子線照射
用レジストを塗布し、電子線により線幅0.25μmのレジ
ストパターンを形成した。さらに、レジストパターンを
反応性イオンビームエッチングによりX線吸収膜に転写
した。このとき、0.25μmの線幅のパターンをX線吸収
膜に形成することができた。なお、上記反応性イオンビ
ームエッチング法は、エッチングガスとして塩素および
四フッ化炭素をそれぞれ流量毎分50ccで用い、イオンの
加速エネルギー400V、エッチング温度15℃の条件で行な
つたが、いずれのエッチングガスを用いた場合にも、エ
ッチング速度は、タンタル単体膜の場合とほぼ同一であ
り、実用上十分なエッチング速度が得られることが確認
された。
最後に、90℃に保たれた飽和水酸化ナトリウム水溶液
に浸すことよりSi基板中心部をエッチング除去し、X線
マスクを作製した。さらに、シンクロトロン放射光を、
マスクパターンを介して厚さ0.6μmのPMMAレジストに
露光したところ、十分なコントラストを有し、線幅0.25
μmのレジストパターンを転写できた。これにより、本
発明におけるX線吸収膜の有効性を確認できた。
実施例2 X線吸収膜を構成するタンタルとホウ素との原子数比
(Ta/B)が本発明の限定範囲に含まれる8/2である場合
の実施例を以下に示す。
Si(100)基板上に形成されている厚さ2μmの窒化
シリコン膜(X線透過膜)上に、タンタルおよびホウ素
からなるX線吸収膜をrf(高周波)マグネトロンスパッ
タによつて0.6μmの厚さに形成してX線マスク材料を
得た。スパッタターゲットは、タンタルとホウ素を原子
数比(Ta/B)で8/2の割合で含む焼結体である。スパッ
タガスはアルゴンで、アルゴン流量は毎分51.0ccであつ
た。スパッタ条件は、rfパワー400W(8.64W/cm2)、ス
パッタガス圧力1.9Paであつた。堆積開始温度は室温で
あつた。上記条件で作製されたX線吸収膜はESCA(Elec
tron Spectroscopy for Chemical Analysis)によ
れば、ターゲットと同一の組成比からなり、この組成比
は膜の深さ方向においてほぼ一定であり、また不純物は
含まれていないことも確認された。このX線吸収膜は、
アモルファス状態であり、その応力は、測定限界(1×
108dyn/cm2)以下であつた。また、得られた膜は極めて
硬く、傷等のつきにくい膜であつた。さらに得られた膜
の密度を重量法で求めたところ、15.8g/cm3であり、X
線吸収膜として十分な密度を有していることが確認され
た。また内部応力の熱安定性は十分に確保されているこ
とが確認された。すなわち、真空中340℃、3時間の条
件でアニーリングを行つても内部応力は変化しなかつ
た。
次にX線吸収膜表面の清浄化を行つた後、電子線照射
用レジストを塗布し、電子線により線幅0.12μmレジス
トパターンを形成した。さらに、レジストパターンを反
応性イオンビームエッチングによりX線吸収膜に転写し
た。このとき、レジストの現像条件および反応性イオン
ビームエッチングの条件を適切に選択することにより、
0.1μmの線幅のパターンをX線吸収膜に形成すること
ができた。なお、上記反応性イオンビームエッチング法
は、エッチングガスとして塩素および四フッ化炭素をそ
れぞれ流量毎分50ccで用い、イオンの加速エネルギー40
0V、エッチング温度15℃の条件で行つたが、いずれのエ
ッチングガスを用いた場合にも、エッチング速度は、タ
ンタル単体膜の場合とほぼ同一であり、実用上十分なエ
ッチング速度が得られることが確認された。
最後に、90℃に保たれた飽和水酸化ナトリウム水溶液
に浸すことによりSi基板中心部をエッチング除去し、X
線マスクを作製した。さらに、シンクロトロン放射光
を、マスクパターンを介して厚さ0.6μmのPMMAレジス
トに露光したところ、十分なコントラストを有し、線幅
0.1μmのレジストパターンを転写できた。これによ
り、本発明におけるX線吸収膜の有効性を確認できた。
実施例3 X線吸収膜を構成するタンタルとホウ素との原子数比
(Ta/B)が本発明の限定範囲に含まれる7.5/2.5である
場合の実施例を以下に示す。
Si(100)基板上に形成されている厚さ2μmの窒化
シリコン膜(X線透過膜)上に、タンタルおよびホウ素
からなるX線吸収膜をrf(高周波)マグネトロンスパッ
タによつて0.6μmの厚さに形成してX線マスク材料を
得た。スパッタターゲットは、タンタルとホウ素を原子
数比(Ta/B)で8.5/1.5の割合で含む焼結体である。ス
パッタガスはアルゴンで、アルゴン流量は毎分51.0ccで
あつた。スパッタ条件は、rfパワー400W(8.64W/c
m2)、スパッタガス圧力1.6Paであつた。堆積開始時温
度は室温であつた。上記条件で作製されたX線吸収膜は
ESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analy
sis)によれば、ターゲットと同一の組成比からなり、
この組成比は膜の深さ方向においてほぼ一定であり、ま
た不純物は含まれていないことも確認された。このX線
吸収膜は、微結晶状態(結晶粒の大きさ100nm)であ
り、その応力は、測定限界(1×108dyn/cm2)以下であ
つた。また、得られた膜は極めて硬く、傷等のつきにく
い膜であつた。さらに、得られた膜の密度を重量法で求
めたところ、15.7g/cm3であり、X線吸収膜として十分
な密度を有していることが確認された。また内部応力の
熱安定性は十分に確保されていることが確認された。す
なわち、真空中340℃、3時間の条件でアニーリングを
行つても内部応力は変化しなかつた。
次にX線吸収膜表面の清浄化を行つた後、電子線照射
用レジストを塗布し、電子線により線幅0.25μmレジス
トパターンを形成した。さらに、レジストパターンを反
応性イオンビームエッチングによりX線吸収膜に転写し
た。このとき、0.25μmの線幅のパターンをX線吸収膜
に形成することができた。なお、上記反応性イオンビー
ムエッチング法は、エッチングガスとして塩素および四
フッ化炭素をそれぞれ流量毎分50ccで用い、イオンの加
速エネルギー400V、エッチング温度15℃の条件で行つた
が、いずれのエッチングガスを用いた場合にも、エッチ
ング速度は、タンタル単体膜の場合とほぼ同一であり、
実用上十分なエッチング速度が得られることが確認され
た。
最後に、90℃に保たれた飽和水酸化ナトリウム水溶液
に浸すことによりSi基板中心部をエッチング除去し、X
線マスクを作製した。さらに、シンクロトロン放射光
を、マスクパターンを介して厚さ0.6μmのPMMAレジス
トに露光したところ、十分なコントラストを有し、線幅
0.25μmのレジストパターンを転写できた。これによ
り、本発明におけるX線吸収膜の有効性を確認できた。
比較例1 X線吸収膜をタンタルのみによつて形成した場合の比
較例を以下に示す。
Si(100)基板上に形成されている厚さ2μmの窒化
シリコン膜(X線透過膜)上に、タンタルからなるX線
吸収膜をrf(高周波)マグネトロンスパッタによつて0.
6μmの厚さに形成してX線マスク材料を得た。スパッ
タターゲットは、タンタルのみを含む焼結体である。ス
パッタガスはアルゴンで、アルゴン流量は毎分27.0ccで
あつた。スパッタ条件は、rfパワー290W(6.36W/c
m2)、スパッタガス圧力3.0Paであつた。堆積開始温度
は室温であつた。上記条件で作製されたX線吸収膜はES
CA(Electron Spectoroscopy for Chemical Analys
is)によれば、ターゲットと同一の組成比からなり、こ
の組成比は膜の深さ方向においてほぼ一定であり、また
不純物は含まれていないことも確認された。このX線吸
収膜は、柱状結晶状態(柱状結晶の直径20nm)であり、
その応力は、測定限界(1×108dyn/cm2)以下であつ
た。X線吸収膜表面の清浄化を行つた後、電子線照射用
レジストを塗布し、電子線により線幅0.25μmのレジス
トパターンを形成した。さらに、レジストパターンを反
応性イオンビームエッチングによりX線吸収膜に転写し
た。このとき、形成されたパターンの上面および壁面は
平滑ではなく、所望の0.25μmの線幅のパターンは形成
できなかつた。
比較例2 X線吸収膜を構成するタンタルとホウ素の原子数比
(Ta/B)が本発明の限定範囲に含まれない9/1である場
合の比較例を以下に示す。
Si(100)基板上に形成されている厚さ2μmの窒化
シリコン膜(X線透過膜)上に、タンタルおよびホウ素
からなるX線吸収膜をrf(高周波)マグネトロンスパッ
タによつて0.6μmの厚さに形成してX線マスク材料を
得た。スパッタターゲットは、タンタルとホウ素を原子
数比(Ta/B)で9/1の割合で含む焼結体である。スパッ
タガスはアルゴンで、アルゴン流量は毎分51.0ccであつ
た。スパッタ条件は、rfパワー400W(8.64W/cm2)、ス
パッタガス圧力1.5Paであつた。堆積開始温度は室温で
あつた。上記条件で作製されたX線吸収膜はESCA(Elec
tron Spectoroscopy for Chemical Analysis)によ
れば、ターゲットと同一の組成比からなり、この組成比
は膜の深さ方向においてほぼ一定であり、また不純物は
含まれていないことも確認された。このX線吸収膜は、
微結晶状態(結晶粒の大きさ100nm)であり、その応力
は、測定限界(1×108dyn/cm2)以下であつた。X線吸
収膜表面の清浄化を行つた後、電子線照射用レジストを
塗布し、電子線により線幅0.25μmのレジストパターン
を形成した。さらに、レジストパターンを反応性イオン
ビームエッチングによりX線吸収膜に転写した。このと
き、形成されたパターンの上面および壁面は平滑ではな
く、所望の0.25μmの線幅のパターンは形成できなかつ
た。
比較例3 X線吸収膜を構成するタンタルとホウ素との原子数比
(Ta/B)が本発明の限定範囲に含まれない7/3である場
合の比較例を以下に示す。
Si(100)基板上に形成されている厚さ2μmの窒化
シリコン膜(X線透過膜)上に、タンタルおよびホウ素
からなるX線吸収膜をrf(高周波)マグネトロンスパッ
タによつて0.6μmの厚さに形成してX線マスク材料を
得た。スパッタターゲットは、タンタルとホウ素を原子
数比(Ta/B)で7/3の割合で含む焼結体である。スパッ
タガスはアルゴンで、アルゴン流量は毎分51.0ccであつ
た。スパッタ条件は、rfパワー400W(8.64W/cm2)、ス
パッタガス圧力1.4Paであつた。堆積開始温度は室温で
あつた。上記条件で作製されたX線吸収膜はESCA(Elec
tron Spectoroscopy for Chemical Analysis)によ
れば、ターゲットと同一の組成比からなり、この組成比
は膜の深さ方向においてほぼ一定であり、また不純物は
含まれていないことも確認された。このX線吸収膜は、
微結晶状態(結晶粒の大きさ20nm)であり、その応力
は、測定限界(1×108dyn/cm2)以下であつた。X線吸
収膜表面の清浄化を行つた後、電子線照射用レジストを
塗布し、電子線により線幅0.25μmのレジストパターン
を形成した。さらに、レジストパターンを反応性イオン
ビームエッチングによりX線吸収膜に転写した。このと
き、形成されたパターンの上面および壁面は平滑ではな
く、所望の0.25μmの線幅のパターンは形成できなかつ
た。
〔発明の効果〕
以上述べたように本発明によれば、内部応力が小さ
く、かつ微細加工性にすぐれたX線吸収膜を有するX線
マスク材料が提供された。
さらに本発明によれば、上記X線マスク材料を用い
て、例えば0.25μm以下の極めて微細なパターンを有す
るX線マスクが提供された。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上にX線透過膜およびX線吸収膜を順
    次設けたX線マスク材料において、前記X線吸収膜がタ
    ンタルとホウ素とを、それらの原子数比(Ta/B)が8.5/
    1.5〜7.5/2.5となる範囲で含有することを特徴とするX
    線マスク材料。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のX線マスク材料のX線吸
    収膜を微細パターン化して得られるものであることを特
    徴とするX線マスク。
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