JP2002030428A - スパッタリングターゲット及びその製造方法並びにそれを用いたフォトマスクブランクの製造方法 - Google Patents

スパッタリングターゲット及びその製造方法並びにそれを用いたフォトマスクブランクの製造方法

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JP2002030428A
JP2002030428A JP2000217161A JP2000217161A JP2002030428A JP 2002030428 A JP2002030428 A JP 2002030428A JP 2000217161 A JP2000217161 A JP 2000217161A JP 2000217161 A JP2000217161 A JP 2000217161A JP 2002030428 A JP2002030428 A JP 2002030428A
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Masataka Watanabe
政孝 渡邉
Masayuki Koide
正幸 小出
Hideo Kaneko
英雄 金子
Tamotsu Maruyama
保 丸山
Sadaomi Inazuki
判臣 稲月
Satoshi Okazaki
智 岡崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パーティクルの発生を実質的に防止でき、高
品質の薄膜を形成できるスパッタリングターゲットを提
供する。 【解決手段】 基板上に成膜する際に用いるスパッタリ
ングターゲットであって、シリコン単結晶と高融点金属
からなる複合ターゲットであることを特徴とするスパッ
タリングターゲット。好ましくは、シリコン単結晶2か
らなる本体に形成された複数の孔4にMo、W、Ti等
の高融点金属を嵌め込んだものとし、複合ターゲット1
の主表面5におけるシリコン単結晶の方位が、<100
>であり、シリコン単結晶と高融点金属との構成比(シ
リコン原子/高融点金属原子)が、2以上である。ま
た、複合ターゲットの裏面6に銅板7等を設けて電気的
に結合する。特にフォトマスクブランクを製造する際に
好適に使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スパッタリングタ
ーゲット、特にフォトマスクブランクを製造する際に使
用するスパッタリングターゲットに関し、具体的には、
半導体製造プロセス中のフォトリソグラフィ工程で使用
される露光転写用のフォトマスクの製造等において、ス
パッタリングにより基板上に成膜する際に使用する複合
ターゲット及びその製造方法、並びにそれを用いたフォ
トマスクブランクの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】IC、LSI等の半導体集積回路の製造
をはじめとして、広範囲な用途を有するフォトマスク
は、一般的には、石英基板等の透光性基板上にクロムを
主成分とした遮光膜を所定のパターンで形成したもので
ある。近年では半導体集積回路の高集積化などの市場要
求に伴って回路パターンの微細化が急速に進み、これに
対して露光波長の短波長化を図ることにより対応してき
た。しかしながら、露光波長の短波長化は、解像度を改
善する反面、焦点深度の減少を招き、パターン転写プロ
セスの安定性が低下し、製品の歩留りに悪影響を及ぼす
という問題があった。
【0003】このような問題に対し、有効なパターン転
写法として位相シフト法があり、微細パターンを転写す
るためのマスクとして位相シフトマスクが使用されてい
る。位相シフトマスクの一つとして、遮光される部分に
わずかな光を通し、かつ透過部との光の位相を変化させ
る層(位相シフタ膜)を設けたハーフトーン型位相シフ
トマスクと呼ばれるものがある。
【0004】ハーフトーン型位相シフトマスクとして
は、例えば、特開平7−140635号公報には、モリ
ブデンシリサイド酸化物(MoSiO)、モリブデンシ
リサイド酸化窒化物(MoSiON)等からなる位相シ
フタ膜を有する位相シフトマスクが提案されている。
【0005】このようなハーフトーン型位相シフトマス
クに限らず、フォトマスクを製造する場合、まず、ター
ゲットを用いたスパッタリングによりガラス基板上に薄
膜を形成した、いわゆるフォトマスクブランクを作るこ
とが知られている。例えば、モリブデンシリサイド酸化
物からなるフォトマスクブランクを製造する際には、モ
リブデンシリサイドのターゲットを用い、ガラス基板が
置かれた反応室内にアルゴンガスと酸素ガスの混合ガス
を供給しながらスパッタリングを行うことで、ガラス基
板上にモリブデンシリサイド酸化物の薄膜が形成され
る。
【0006】モリブデンシリサイドのターゲットは、上
記のようにフォトマスクブランクを製造する場合だけで
なく、LSI等の半導体集積回路を作製する場合のスパ
ッタリングターゲットとしても使用されているが、従
来、モリブデンとシリコンを加熱処理することにより化
合させた後、粉砕し、さらにこれをプレス成形したもの
が使用されている。
【0007】例えば、特開昭61−145828号公報
には、Mo、W等の高融点金属粉末と高純度シリコン粉
末を混合し、加熱成形し、さらに加熱焼結して焼結体を
得た後、電子ビームで溶解して高融点金属シリサイドス
パッタリングターゲットを得る方法が開示されている。
また、特開昭61−141673号公報によれば、モリ
ブデン粉末とシリコン粉末を混合した後、成型してペレ
ットとし、これを加熱してシリサイド合金とした後に粉
砕し、次いでホットプレスによる焼結体として高密度タ
ーゲットを得ている。
【0008】また、特開昭63−219580号公報に
記載されているように、組織の微細化のために、モリブ
デン或いはタングステン等の高融点金属粉末とシリコン
粉末とを真空中でシリサイド反応させ、得られた仮焼結
体を熱間静水圧プレスする方法も提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高融点
金属粉末とシリコン粉末を焼結させた焼結体からなるス
パッタリングターゲットを用いて成膜を行うと、スパッ
タリング中に多数の微粒子(パーティクル)がエロージ
ョン面から脱落し、基板あるいは薄膜上に付着してパー
ティクルを発生するという問題点がある。
【0010】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、パーティクルの発生を実質的に防止でき、高品質
の薄膜を形成できるスパッタリングターゲットを提供す
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するため鋭意検討を重ねた結果、ターゲットとなる
材料の粉末を焼結させるのではなく、例えば、シリコン
単結晶に高融点金属を嵌め込むようにしたシリコン単結
晶と高融点金属からなる複合ターゲットとすれば、従来
のように微粒子金属等がスパッタリング中に落下して薄
膜に多数のパーティクルが付着したり混入したりするこ
となく高品質な薄膜を形成できるスパッタリングターゲ
ットが得られることを見出した。
【0012】そこで、本発明では、基板上に成膜する際
に用いるスパッタリングターゲットであって、シリコン
単結晶と高融点金属からなる複合ターゲットであること
を特徴とするスパッタリングターゲットが提供される
(請求項1)。具体的には、例えばシリコン単結晶から
なる本体に形成された複数の孔に高融点金属を嵌め込ん
だ複合ターゲットとすることができる(請求項2)。
【0013】このように、焼結体ではなく、シリコン単
結晶と高融点金属とを組み合わせた複合ターゲットとす
ることにより、スパッタリング中、ターゲットを構成す
るシリコンあるいは高融点金属の微粒子の発生を実質的
に防ぐことができ、高品質な薄膜を形成することができ
る。
【0014】この場合、前記複合ターゲットの主表面に
おけるシリコン単結晶の方位が、<100>であること
が好ましい(請求項3)。このようにターゲットの主表
面におけるシリコン単結晶の方位を<100>とすれ
ば、スパッタリングにより生じる面粗が小さくなり、シ
リコンの微紛の発生が防止されるとともに、方位<10
0>は、一般に市販されているものであるから入手し易
く、コストも低減する。
【0015】さらに、複合ターゲットを構成するシリコ
ン単結晶と高融点金属との構成比(シリコン原子/高融
点金属原子)が、2以上であることが好ましい(請求項
4)。このように複合ターゲットを構成するシリコン原
子の数を高融点金属原子の数の2倍以上の複合ターゲッ
トとすれば、ハーフトーン型位相シフトマスクのフォト
マスクブランクに適した特性とできる上、剥離し難い膜
を形成させることができる。
【0016】さらに、複合ターゲットを構成するシリコ
ン単結晶と高融点金属が、該複合ターゲットの裏面で電
気的に結合されていることが好ましい(請求項5)。こ
のようにシリコン単結晶と高融点金属をターゲットの裏
面で電気的に結合すれば、スパッタリングの際、ターゲ
ットに容易に電圧をかけることができるとともに、複合
ターゲット全面を等電位とすることができ、好適にスパ
ッタリングを行うことができる。
【0017】本発明に係る複合ターゲットを構成する高
融点金属は、Mo、W、Tiのうちの少なくとも1種と
することができる(請求項6)。シリコン単結晶と上記
高融点金属からなる複合ターゲットとすれば、特にハー
フトーン型位相シフトマスクのフォトマスクブランクに
適した高品質の薄膜を形成させることができる。
【0018】本発明によれば、スパッタリングターゲッ
トの製造方法も提供され、すなわち、シリコン単結晶
を、該単結晶の主表面が方位<100>となるように板
状に切り出し、該シリコン単結晶板の厚さ方向に貫通孔
を設け、該貫通孔に高融点金属を嵌め込み、ターゲット
の裏面で前記シリコン単結晶と高融点金属を電気的に結
合させることを特徴とするスパッタリングターゲットの
製造方法である(請求項7)。このような製造方法によ
り、前記本発明に係る高品質の複合ターゲットを容易に
製造することができる。
【0019】本発明に係る複合ターゲットは、フォトマ
スクブランクの製造に好適に使用でき、本発明では、タ
ーゲット表面をスパッタして基板上に成膜することによ
りフォトマスクブランクを製造する方法において、前記
本発明に係るスパッタリングターゲットを使用すること
により高品質のパーティクルのないフォトマスクブラン
クを製造することができる(請求項8)。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態について具体的に説明するが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。すなわち、本発明に係
るスパッタリングターゲットは、シリコン単結晶と高融
点金属からなる複合ターゲットであれば特に限定されな
いが、好適な形態として、シリコン単結晶からなる本体
に形成された複数の孔に高融点金属を嵌め込んだものに
ついて、その製造工程に沿って説明する。
【0021】図1は、本発明に係るスパッタリングター
ゲットを製造する工程の一例を示している。まず、チョ
クラルスキー法等により成長させた円柱状のシリコン単
結晶棒から、複合ターゲットの本体となる、図1(A)
で示されるような円板型のシリコン単結晶板2を切り出
す。このとき、シリコン単結晶の主表面5が方位<10
0>となるように切り出してこの面をターゲットの主表
面とすれば、スパッタリングにおいて面粗れしにくく、
パーティクルの発生の少ないものとすることができる。
【0022】なお、シリコン単結晶棒をチョクラルスキ
ー法等により成長させる場合、シリコン融液に種結晶を
接触させ、これを回転させながら徐々に引き上げてシリ
コン単結晶を成長させるが、種結晶に続いて成長するシ
リコン単結晶は種結晶の結晶方位が反映される。従っ
て、引き上げ方向に垂直な面の方位が<100>である
種結晶を使用してシリコン単結晶棒を製造すれば、これ
を軸方向に垂直に切断することで、主表面が方位<10
0>となるシリコン単結晶の円板を容易に得ることがで
きる。
【0023】次に、切り出されたシリコン単結晶の円板
の厚さ方向に貫通孔を形成させる。図1(B)では、シ
リコン単結晶板2に同心円上に所定の間隔を設けて円筒
状の多数の貫通孔4が穿孔されている。このようなシリ
コン単結晶板2に設けた貫通孔4に、図1(C)に示さ
れるように高融点金属3を嵌め込むことでシリコン単結
晶2と高融点金属3からなる複合ターゲット1を得るこ
とができる。このとき、シリコン単結晶板2が比較的厚
いものであれば、貫通孔4に合致した棒状の高融点金属
3を用いて、貫通孔4に容易に嵌め込むことができる。
【0024】なお、高融点金属とは、一般的に鉄の融点
より高い融点を有する金属のことを言い、本発明で使用
できる高融点金属は、これらの金属のうちスパッタリン
グで使用されるものであれば特に限定されないが、特に
Mo、W、Tiが好適であり、シリコンとこれらの高融
点金属からなる複合ターゲットを用いてスパッタリング
を行うことで、半導体集積回路の製造や、特にフォトマ
スクブランクの製造に適した高融点金属シリサイド等か
らなる高品質の薄膜を形成させることができる。
【0025】複合ターゲット1を構成するシリコン単結
晶2と高融点金属3の構成比は、シリコン単結晶板2に
あける貫通孔4の大きさと数によってほぼ決まるが、タ
ーゲットの使用目的、すなわちこれをスパッタして形成
させる薄膜の性質に応じて適宜決めればよい。
【0026】例えば、シリコン単結晶とMo、W、Ti
等の高融点金属との構成比(シリコン原子/高融点金属
原子)が、2以上となるように複合ターゲットを構成す
れば、これを用いたスパッタリングにより形成される膜
は、シリコンの比率が多くなり、透過率が比較的高くな
るので、ハーフトーン型位相シフトマスクのフォトマス
クブランク(ハーフトーン型位相シフトマスクブラン
ク)に適した透過率を有する高品質の薄膜を形成させる
ことができる。また、このような構成比を有する複合タ
ーゲットを用いてスパッタリングにより成膜を行えば、
膜応力を低く抑えることができ、膜の剥離を防止するこ
とができるという利点もある。
【0027】なお、複合ターゲットを構成するシリコン
単結晶と高融点金属の構成比は、例えば、貫通孔1つ当
たりに埋め込むことができる高融点金属の重量は貫通孔
の断面積とシリコン単結晶の厚さと高融点金属の密度か
ら求め、貫通孔を開けたときのシリコン単結晶の重量は
断面積とシリコン単結晶の厚さとシリコン単結晶の密度
から求め、これらの重量を原子数に換算することで容易
に求めることができる。従って、このような計算値をも
とにシリコン単結晶板にあける貫通孔の大きさと数を調
整することで、所望の構成比を有する複合ターゲットを
得ることができるとともに、スパッタリングにより得ら
れる膜の透過率等の特性を調整することができる。
【0028】本発明に係る複合ターゲットは、さらに好
ましくは、ターゲットの裏面でシリコン単結晶と高融点
金属を電気的に結合させたものとする。スパッタリング
を行う際、シリコン単結晶と高融点金属を電気的に結合
させずに電圧をかけると、ターゲットを構成するシリコ
ン単結晶と高融点金属との電位差が大きくなって放電す
る可能性がある。従って、例えば、図1(D)に示され
るように、ターゲット1がスパッタされる主表面5の裏
側、すなわちターゲット1の裏面6に銅板7を接合すれ
ば、ターゲット全体に容易に電圧をかけることができる
上、ターゲット1を構成するシリコン単結晶2と高融点
金属3を等電位にすることができ、放電するようなこと
もない。なお、シリコン単結晶2と高融点金属3を電気
的に結合させる手段としては、通電性やコストの面から
銅板が特に好ましいが、銅板に限らず他の導電性のもの
を使用することができる。また、形態も板状のものに限
らず、銅等をターゲットの裏面6に蒸着等により析出さ
せて形成してもよい。
【0029】以上のようにして製造された本発明に係る
スパッタリングターゲットは、DC(直流)スパッタリ
ング法やRF(高周波)スパッタリング法等で使用する
ことができ、例えば、DCスパッタリング法により成膜
を行う場合は、真空チャンバ内に、本発明に係る複合タ
ーゲットを陰極とし、基板ホルダを兼ねた陽極に基板を
配置するとともに、アルゴン等の不活性ガス、あるいは
これに酸素等を含む混合ガスを供給しながら電極間に数
kVの直流電圧を印加する。このときアルゴンプラズマ
が形成されてターゲットの主表面をスパッタ蒸発し、パ
ーティクルをほとんど発生することなく基板上に薄膜が
形成される。
【0030】例えば、シリコン単結晶とMoとの構成比
(シリコン原子/Mo原子)が2以上である複合ターゲ
ットとし、アルゴンガスと、酸素または酸素と窒素を含
む混合ガスを供給しながら上記のようにスパッタリング
を行うことで、石英基板上に適度な透過率を有する剥離
し難いMoSiO膜あるいはMoSiON膜を形成する
ことができ、優れたハーフトーン型位相シフトマスクブ
ランクを製造することができる。なお、このように本発
明の複合ターゲットを用いてハーフトーン型位相シフト
マスクブランクを製造する場合、膜の透過率は、ターゲ
ットを構成するシリコン単結晶と高融点金属の構成比、
並びに反応ガスの混合比等を適宜変えることで調整する
ことができる。このように製造されたハーフトーン型位
相シフトマスクブランクは、従来同様、レジスト形成、
現像等を経てハーフトーン型位相シフトマスクとするこ
とができる。
【0031】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。 (実施例)シリコン単結晶を、該単結晶の主表面が方位
<100>となるように直径76.2mm、厚さ5mm
の円板状に切り出し、このシリコン単結晶板の厚さ方向
に径6mmの貫通孔を所定の間隔をあけて37ヶ所に穿
孔し、これらの貫通孔にMoを嵌め込み、さらに裏面で
シリコン単結晶とMoが電気的に結合するように銅板を
接合し、シリコン単結晶と高融点金属との構成比(シリ
コン原子/高融点金属原子)=2.3の複合ターゲット
を得た。
【0032】上記のようにして得た複合ターゲットを用
い、Arと酸素と窒素とを体積比7:4:4に混合した
スパッタガスを流しながら、圧力0.3Pa、電力50
0W、成膜温度120℃の条件で、DCスパッタ法にて
6インチ径の石英基板上にMoSiON膜の成膜を行っ
た。
【0033】(比較例)シリコン粉末とMo粉末を(シ
リコン原子/高融点金属原子)=2.3の割合で混合し
た後、これを焼結してスパッタリングターゲットとし、
実施例1と同じ条件で、DCスパッタ法にて6インチ径
の石英基板上にMoSiON膜の成膜を行った。
【0034】実施例及び比較例で得られたMoSiON
膜について、レーザー散乱光で0.3μm以上の大きさ
のパーティクルの数を測定した。その結果を表1に示
す。
【0035】
【表1】
【0036】表1から明らかなように、実施例で形成し
たMoSiON膜に付着あるいは混入しているパーティ
クル数は非常に少なかったのに対し、比較例では、ター
ゲットから多くのパーティクルが発生し、膜に付着して
いるパーティクル数は極めて多かった。
【0037】この結果から、例えば、ハーフトーン型位
相シフトマスクブランクを製造する際、本発明に係るス
パッタリングターゲットを用いれば、パーティクルのな
い非常に良質のMoSiON膜を得ることができること
が分かる。
【0038】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は単なる例示であり、本
発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的
に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、
いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含され
る。
【0039】例えば、上記実施の形態では、シリコン単
結晶板に貫通孔を設けて高融点金属を嵌め込んだものに
ついて説明したが、本発明に係るスパッタリングターゲ
ットの形態はこれに限定されず、例えば、貫通孔の形状
に関しても、円筒状でなくてもよい。また、本発明のス
パッタリングターゲットの用途は、ハーフトーン型位相
シフトマスクブランクの製造に限定されず、LSIの配
線等、半導体集積回路の製造工程においてシリコン等か
らなる半導体基板上に各種シリサイドを形成させる際に
好適に使用することができる。
【0040】また、ターゲットの構成に関しては、実施
例ではシリコンとモリブデンから構成される複合ターゲ
ットを用いたが、本発明ではシリコン単結晶と、W、T
iのほか、Zr等の高融点金属との複合ターゲットとす
ることができ、また、シリコン単結晶に嵌め込む高融点
金属は、1種類に限定されず、1枚のシリコン単結晶板
に複数の高融点金属を嵌め込んでスパッタリングをする
ことで、三元あるいは四元合金のような多元合金薄膜を
形成させることもできる。
【0041】
【発明の効果】本発明に係るスパッタリングターゲット
は、例えば、シリコン単結晶からなる本体に形成された
複数の孔にMo、W、Ti等の高融点金属を嵌め込むな
どして構成された、シリコン単結晶と高融点金属からな
る複合ターゲットであるため、これを用いてスパッタリ
ングを行っても、シリコン紛や金属紛の発生を防止でき
る。従って、スパッタリング中、従来のように生成薄膜
に多数のパーティクルが付着することもなく、高品質な
薄膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(D)は、本発明に係るスパッタリン
グターゲットの製造工程の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1…複合ターゲット、 2…シリコン単結晶(板)、
3…高融点金属、 4…貫通孔、 5…主表面、 6…
裏面、 7…銅板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 英雄 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社精密機能材料研 究所内 (72)発明者 丸山 保 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社精密機能材料研 究所内 (72)発明者 稲月 判臣 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社精密機能材料研 究所内 (72)発明者 岡崎 智 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社精密機能材料研 究所内 Fターム(参考) 2H095 BB03 4K029 AA08 BA52 BD00 BD01 CA05 DC01 DC03 DC05 DC15

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に成膜する際に用いるスパッタリ
    ングターゲットであって、シリコン単結晶と高融点金属
    からなる複合ターゲットであることを特徴とするスパッ
    タリングターゲット。
  2. 【請求項2】 前記複合ターゲットが、シリコン単結晶
    からなる本体に形成された複数の孔に高融点金属を嵌め
    込んだものであることを特徴とする請求項1に記載のス
    パッタリングターゲット。
  3. 【請求項3】 前記複合ターゲットの主表面におけるシ
    リコン単結晶の方位が、<100>であることを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載のスパッタリングタ
    ーゲット。
  4. 【請求項4】 前記複合ターゲットを構成するシリコン
    単結晶と高融点金属との構成比(シリコン原子/高融点
    金属原子)が、2以上であることを特徴とする請求項1
    ないし請求項3のいずれか1項に記載のスパッタリング
    ターゲット。
  5. 【請求項5】 前記複合ターゲットを構成するシリコン
    単結晶と高融点金属が、該複合ターゲットの裏面で電気
    的に結合されていることを特徴とする請求項1ないし請
    求項4のいずれか1項に記載のスパッタリングターゲッ
    ト。
  6. 【請求項6】 前記高融点金属が、Mo、W、Tiのう
    ちの少なくとも1種であることを特徴とする請求項1な
    いし請求項5のいずれか1項に記載のスパッタリングタ
    ーゲット。
  7. 【請求項7】 スパッタリングターゲットの製造方法に
    おいて、シリコン単結晶を、該単結晶の主表面が方位<
    100>となるように板状に切り出し、該シリコン単結
    晶板の厚さ方向に貫通孔を設け、該貫通孔に高融点金属
    を嵌め込み、ターゲットの裏面で前記シリコン単結晶と
    高融点金属を電気的に結合させることを特徴とするスパ
    ッタリングターゲットの製造方法。
  8. 【請求項8】 ターゲット表面をスパッタして基板上に
    成膜することによりフォトマスクブランクを製造する方
    法において、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に
    記載のスパッタリングターゲットを使用することを特徴
    とするフォトマスクブランクの製造方法。
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