JP2883354B2 - X線マスク材料およびx線マスク - Google Patents

X線マスク材料およびx線マスク

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JP2883354B2 JP16887089A JP16887089A JP2883354B2 JP 2883354 B2 JP2883354 B2 JP 2883354B2 JP 16887089 A JP16887089 A JP 16887089A JP 16887089 A JP16887089 A JP 16887089A JP 2883354 B2 JP2883354 B2 JP 2883354B2
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、X線リソグラフィーに用いられるX線マス
ク材料およびX線マスクに関する。
[従来の技術] 半導体産業の分野において、シリコン基板等に微細パ
ターンからなる集積回路等を形成する技術としてリソグ
ラフィー技術が用いられる。このリソグラフィー技術
は、一般に次のように行われる。露光用電磁波を透過さ
せる作用を有する基板上に、露光用電磁波を吸収する作
用を有する金属等でもつて集積回路等の微細パターンに
対応するパターンが形成されているマスクに、露光用電
磁波を照射することにより、シリコン基板等の上に塗布
させたレジストにマスクの微細パターンを転写させる。
次に、このレジストパターンをもとにエッチング、不純
物注入、誘電体膜作製等の様々な工程を行い、シリコン
基板等に微細パターンからなる集積回路等を形成させ
る。
従来、露光用電磁波として可視光および紫外光を用い
て、微細パターンを転写するフオトリソグラフィー法が
用いられてきた。ところが、最近に至り可視光および紫
外光の物理的限界を超えた、より小さな微細パターンの
転写技術が要求されるに至り、このような微細パターン
を転写させるために、より波長の短いX線を露光用電磁
波として用いるX線リソグラフィー法が試みられてい
る。
ところで、このX線リソグラフィー法に使用されるX
線マスク材料は、基板と、この基板上に形成されたX線
透過率の大きな膜(以下、X線透過膜と言う)と、X線
透過膜上に形成されたX線吸収率の大きな膜(以下、X
線吸収膜と言う)とから構成される。ここで、一般にX
線透過膜は、原子番号の小さな原子から構成される極め
て薄い膜であり、また、X線吸収膜はX線吸収率の大き
な金属等からなる極めて薄い膜である。
X線吸収膜には、X線吸収率の大きな材料が用いられ
ねばならないことは言うまでもないが、さらに、次に述
べる要求を満たさねばならない。第一に内部応力の小さ
いことである。これは、上述のように、X線吸収膜が、
極めて薄いX線透過膜上に形成されることから、X線吸
収膜の内部応力が大きいと、この内部応力によつてX線
マスクに歪みが生じてしまい、パターン転写精度が確保
できなくなるからである。第二に微細パターン形成に適
した膜構造であることである。これは、要求されるパタ
ーンの大きさが0.25μm以下である場合が多く、したが
って、膜構造も0.25μm以下のパターンの形成可能なア
モルファス状態かあるいは微結晶状態でなければならな
い。
従来、X線マスク材料においてX線吸収膜として用い
られてきたのは、金(Au)、タンタル(Ta)、タングス
テン(W)、レニウム(Re)もしくはこれらの金属と非
金属元素から構成される化合物、例えば、窒化タンタ
ル、窒化タングステン、酸化タンタル、酸化タングステ
ン等であつた。
[発明が解決しようとする課題] ところが、上述の従来のX線吸収膜は、いずれも以下
に述べるような欠点があつた。
まず、Auは、柔らかく展性かつ延性に富むことから、
パターン寸法の経時変化が避けられないという欠点があ
つた。また、Auは化学的に不活性であることから、湿式
エッチングおよびドライエッチングによる加工が極めて
困難であるために、微細パターンを直接形成できないと
いう欠点があつた。それゆえに、Au膜に微細パターンを
形成させるためには、あらかじめレジスト等にステンシ
ルパターンを形成し、そのステンシルパターン内に電解
メッキ法を用いてAuを堆積させることにより、Auによる
微細パターンを形成させる方法が行われていた。しかし
ながら、電解メッキ法は、X線吸収膜作製に最も重要で
ある。精密な内部応力制御性が得られず、しかも溶液反
応であるために膜が汚染されやすいという欠点があつ
た。
次に、Au以外の金属、例えば、Ta、WおよびRe等につ
いては、これらの膜を形成させる方法としてスパッタ法
がほとんど唯一の方法であるが、スパッタ法で堆積させ
た場合次に述べる欠点があつた。スパッタ法によりX線
吸収膜を作製する場合、内部応力を精密に制御すること
が極めて困難であつた。なぜならば、膜の内部応力はス
パッタガス圧力に依存することが明らかになつている
が、この依存関係は、ガス圧力の微少変化に対して内部
応力の変化が急峻に変化するという依存関係であるゆえ
に、所望の小さな内部応力を得るためのガス圧力の範囲
が極めて小さな範囲に限られてしまうためであつた。し
かも、スパッタガス圧力が内部応力を制御しうる唯一の
パラメーターであつた。さらに内部応力の小さな膜はス
パッタガス圧力の大きな条件においてしか得られず、こ
の条件において得られる膜は密度が小さく、かつ不純物
を含んでいることからX線吸収率が低下し、さらにグレ
インサイズが極端に大きいために微細加工が不可能であ
るという欠点があつた。
次に、金属と非金属元素から構成される化合物、具体
的には窒化タンタル、窒化タングステン、酸化タンタ
ル、酸化タングステン等の膜は前記単体金属膜を形成さ
せる場合と同様のスパッタ法により得られる。この場
合、これらの膜については、アモルファス状態であると
か、微結晶状態であるといつた、微細加工を行うにあた
り優れた膜構造が得られ易い一方で、これらの優れた膜
構造を保ちつつ、なおかつ内部応力の小さな膜は容易に
得られないという欠点があつた。すなわち、内部応力の
小さな膜を得ようとすると、相転移によりアモルファス
状態から結晶状態に変化したり、あるいは微結晶状態か
ら結晶粒径のより大きな結晶状態に変化することによ
り、微細加工が不可能となる欠点があつた。さらに、内
部応力の制御、X線吸収率という点に関しては前記単体
金属の場合とほぼ同じ欠点を有しており、X線吸収膜と
しては極めて不十分であつた。
従つて本発明の第1の目的は、上述の欠点を除去し、
内部応力が小さい膜構造のX線吸収膜を有するX線マス
ク材料を提供することにある。
また本発明の第2の目的は、上記第1の目的を達成す
ることにより得られたX線マスク材料を用いて、極めて
微細なパターンを有するX線マスクを提供することにあ
る。
[課題を解決するための手段] 本発明の第1の目的は、基板上にX線透過膜およびX
線吸収膜を順次設けたX線マスク材料において、前記X
線吸収膜がタンタルとニッケルとを、それらの原子数比
(Ta/Ni)が3.0/7.0〜5.0/5.0となる範囲で含有するこ
とを特徴とするX線マスク材料によって達成される。
また本発明の第2の目的は、上記X線マスク材料のX
線吸収膜を微細パターン化して得られたものであること
を特徴とするX線マスクによつて達成される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のX線マスク材料は、基板上にX線透過膜およ
びX線吸収膜を順次設けたものである。ここに前記基板
としては、シリコン基板等の通常用いられている基板が
用いられ、またX線透過膜としては、窒化シリコン、窒
化ホウ素、炭化シリコン等の通常用いられているX線透
過膜が用いられる。
本発明のX線マスク材料において、X線吸収膜は新規
な構成からなり、タンタルとニッケルとをそれらの原子
数比(Ta/Ni)が3.0/7.0〜5.0/5.0となる範囲で含有す
ることを特徴とする。
本発明のX線マスク材料において、X線吸収膜とし
て、タンタルとニッケルとを含有する膜を選択した理由
は、以下に示す通りである。
第1の理由は、タンタルおよびニッケルは単体でX線
吸収膜として用いても、シンクロトロン放射光をX線源
として用いた場合に実用上十分なX線吸収率を有してい
ることである。
第2の理由は、タンタルとニッケルを含むX線吸収膜
は、スパッタ法によつて容易に基板上に低温で形成させ
ることができることである。従つて、CVD法のように熱
によるマスク歪みを生じることがない。さらにスパッタ
法は、電解メッキ法あるいはCVD法に比較して容易に膜
を形成でき、しかも堆積速度が大きい。
第3の理由は、タンタルとニッケルを含むX線吸収膜
は、これをスパッタ法により形成した場合、内部応力が
小さい、高密度で不純物を含まない、X線吸収率が大き
い等の利点を有することである。この内部応力に関して
本発明者は、例えば2Pa以下のごときガス圧力の小さな
条件で、スパッタターゲットに投入するパワーを変化さ
せることにより内部応力を容易に制御することができる
ことを確認している。この場合、投入パワーの制御はス
パッタガス圧力の制御と異なり、極めて精密な制御が可
能であるために、投入パワーを正確に設定することによ
り、得られる膜の内部応力をほぼ完全にゼロにすること
ができる。さらに低いガス圧力の条件で膜を形成するこ
とから、高密度で不純物の極めて少ない膜が得られ、し
たがつて、十分なX線吸収率を持つX線吸収膜が得られ
る。
スパッタ法による、タンタルとニッケルを含む膜の形
成において、ターゲット材料はタンタルとニッケルを含
むターゲットを用いれば良い。
次に、X線吸収膜を構成するタンタルとニッケルと
を、それらの原子数比(Ta/Ni)が3.0/7.0〜5.0/5.0に
限定した理由は、以下に示す通りである。
第1の理由は、原子数比(Ta/Ni)が3.0/7.0未満とな
り、タンタルが少なくなり、ニッケルが多くなると、形
成される膜の結晶状態が微結晶であつてもその粒径が例
えば15nmを超える大きさとなり、また原子数比(Ta/N
i)が5.0/5.0を超え、タンタルが多くなり、ニッケルが
少なくなっても、形成される膜の結晶状態が微結晶であ
つてもその粒径が例えば15nmを超える大きさとなり、い
ずれの場合も、膜の結晶状態が大きいため、形成される
パターンの上面および壁面が平滑とならないのに対し、
原子数比(Ta/Ni)が3.0/7.0〜5.0/5.0の場合、膜がア
モルファス状態であるかまたは結晶粒の小さな微結晶状
態であるため、形成されるパターンの上面および壁面が
平滑となるからである。
なお、本発明においてX線吸収膜はタンタルとニッケ
ルを含むものの、ドライエッチング等の従来の加工技術
をそのまま用いることができる。
本発明によれば、上記特性を有するX線マスク材料を
用い、そのX線吸収膜を常法により微細パターン化する
ことにより、例えば0.25μm以下の微細パターンを有す
るX線マスクを得ることができる。
[実施例] 以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 X線吸収膜を構成するタンタルとニッケルとの原子数
比(Ta/Ni)が本発明の限定範囲に含まれる3.0/7.0であ
る場合の実施例を以下に示す。
Si(100)基板上に形成されている厚さ2μmの窒化
シリコン膜(X線透過膜)上に、タンタルとニッケルか
らなるX線吸収膜をrf(高周波)マグネトロンスパッタ
によつて0.6μmの厚さに形成してX線マスク材料を得
た。スパッタターゲットは、タンタルとニッケルを原子
数比(Ta/Ni)で3.0/7.0の割合で含む焼結体である。ス
パッタガスはアルゴンで、アルゴン流量は毎分51.0ccで
あつた。スパッタ条件は、rfパワー300W(6.58W/c
m2)、スパッタガス圧力1.60Paであつた。堆積開始温度
は室温であつた。上記条件で作製されたX線吸収膜はES
CA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)
によれば、ターゲットと同一の組成比からなり、この組
成比は膜の深さ方向においてほぼ一定であり、また不純
物は含まれていないことも確認された。このX線吸収膜
は、微結晶状態(結晶粒の大きさ10nm)であり、その応
力は、測定限界(1×108dyn/cm2)以下であつた。
また、得られた膜は極めて硬く、傷等のつきにくい膜
であつた。さらに、得られた膜の密度を重量法で求めた
ところ、11.0g/cm3であった。また内部応力の熱安定性
は十分に確保されていることが確認された。すなわち、
真空中350℃、3時間の条件でアニーリングを行つても
内部応力は変化しなかつた。
次にX線吸収膜表面の清浄化を行つた後、電子線照射
用レジストを塗布し、電子線により線幅0.25μmのレジ
ストパターンを形成した。さらに、レジストパターンを
反応性イオンビームエッチングによりX線吸収膜に転写
した。このとき、0.25μmの線幅のパターンをX線吸収
膜に形成することができた。なお、上記反応性イオンビ
ームエッチング法は、エッチングガスとして六フッ化イ
オウ(SF6)を流量毎分10ccで用い、イオンの加速エネ
ルギー600V、エッチング温度15℃の条件で行なつたが、
エッチング速度は、タンタル単体膜の場合をやや下回る
程度であり、実用上十分なエッチング速度が得られるこ
とが確認された。
最後に、90℃に保たれた飽和水酸化ナトリウム水溶液
に浸すことよりSi基板中心部をエッチング除去し、X線
マスクを形成した。さらに、シンクロトロン放射光を、
マスクパターンを介して厚さ0.6μmのPMMA(ポリメチ
ルメタクリレート)レジストに露光したところ、十分な
コントラストを有し、線幅0.25μmのレジストパターン
を転写できた。これにより、本発明におけるX線吸収膜
の有効性を確認できた。
実施例2 X線吸収膜を構成するタンタルとニッケルとの原子数
比(Ta/Ni)が本発明の限定範囲に含まれる4.0/6.0であ
る場合の実施例を以下に示す。
Si(100)基板上に形成されている厚さ2μmの窒化
シリコン膜(X線透過膜)上に、タンタルとニッケルか
らなるX線吸収膜をrf(高周波)マグネトロンスパッタ
によつて0.6μmの厚さに形成してX線マスク材料を得
た。スパッタターゲットは、タンタルとニッケルを原子
数比(Ta/Ni)で4.0/6.0の割合で含む焼結体である。ス
パッタガスはアルゴンで、アルゴン流量は毎分51.0ccで
あつた。スパッタ条件は、rfパワー300W(6.58W/c
m2)、スパッタガス圧力1.65Paであつた。堆積開始温度
は室温であつた。上記条件で作製されたX線吸収膜はES
CA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)
によれば、ターゲットと同一の組成比からなり、この組
成比は膜の深さ方向においてほぼ一定であり、また不純
物は含まれていないことも確認された。このX線吸収膜
は、アモルファス状態であり、その応力は、測定限界
(1×108dyn/cm2)以下であつた。
また、得られた膜は極めて硬く、傷等のつきにくい膜
であつた。さらに、得られた膜の密度を重量法で求めた
ところ、11.7g/cm3であった。また内部応力の熱安定性
は十分に確保されていることが確認された。すなわち、
真空中350℃、3時間の条件でアニーリングを行つても
内部応力は変化しなかつた。
次にX線吸収膜表面の清浄化を行つた後、電子線照射
用レジストを塗布し、電子線により線幅0.10μmのレジ
ストパターンを形成した。さらに、レジストパターンを
反応性イオンビームエッチングによりX線吸収膜に転写
した。このとき、0.10μmの線幅のパターンをX線吸収
膜に形成することができた。なお、上記反応性イオンビ
ームエッチング法は、エッチングガスとして六フッ化イ
オウ(SF6)を流量毎分10ccで用い、イオンの加速エネ
ルギー600V、エッチング温度15℃の条件で行つたが、エ
ッチング速度は、タンタル単体膜の場合をやや下回る程
度であり、実用上十分なエッチング速度が得られること
が確認された。
最後に、90℃に保たれた飽和水酸化ナトリウム水溶液
に浸すことによりSi基板中心部をエッチング除去し、X
線マスクを形成した。さらに、シンクロトロン放射光
を、マスクパターンを介して厚さ0.6μmのPMMAレジス
トに露光したところ、十分なコントラストを有し、線幅
0.10μmのレジストパターンを転写できた。これによ
り、本発明におけるX線吸収膜の有効性を確認できた。
実施例3 X線吸収膜を構成するタンタルとニッケルとの原子数
比(Ta/Ni)が本発明の限定範囲に含まれる5.0/5.0であ
る場合の実施例を以下に示す。
Si(100)基板上に形成されている厚さ2μmの窒化
シリコン膜(X線透過膜)上に、タンタルとニッケルか
らなるX線吸収膜をrf(高周波)マグネトロンスパッタ
によつて0.6μmの厚さに形成してX線マスク材料を得
た。スパッタターゲットは、タンタルとニッケルを原子
数比(Ta/Ni)で5.0/5.0の割合で含む焼結体である。ス
パッタガスはアルゴンで、アルゴン流量は毎分51.0ccで
あつた。スパッタ条件は、rfパワー300W(6.58W/c
m2)、スパッタガス圧力1.55Paであつた。堆積開始時温
度は室温であつた。上記条件で作製されたX線吸収膜は
ESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysi
s)によれば、ターゲットと同一の組成比からなり、こ
の組成比は膜の深さ方向においてほぼ一定であり、また
不純物は含まれていないことも確認された。このX線吸
収膜は、微結晶状態(結晶粒の大きさ10nm)であり、そ
の応力は、測定限界(1×108dyn/cm2)以下であつた。
また、得られた膜は極めて硬く、傷等のつきにくい膜
であつた。さらに、得られた膜の密度を重量法で求めた
ところ、12.5g/cm3であった。また内部応力の熱安定性
は十分に確保されていることが確認された。すなわち、
真空中350℃、3時間の条件でアニーリングを行つても
内部応力は変化しなかつた。
次にX線吸収膜表面の清浄化を行つた後、電子線照射
用レジストを塗布し、電子線により線幅0.25μmのレジ
ストパターンを形成した。さらに、レジストパターンを
反応性イオンビームエッチングによりX線吸収膜に転写
した。このとき、0.25μmの線幅のパターンをX線吸収
膜に形成することができた。なお、上記反応性イオンビ
ームエッチング法は、エッチングガスとして六フッ化イ
オウ(SF6)を流量毎分10ccで用い、イオンの加速エネ
ルギー600V、エッチング温度15℃の条件で行つたが、エ
ッチング速度は、タンタル単体膜の場合をやや下回る程
度であり、実用上十分なエッチング速度が得られること
が確認された。
最後に、90℃に保たれた飽和水酸化ナトリウム水溶液
に浸すことによりSi基板中心部をエッチング除去し、X
線マスクを形成した。さらに、シンクロトロン放射光
を、マスクパターンを介して厚さ0.6μmのPMMAレジス
トに露光したところ、十分なコントラストを有し、線幅
0.25μmのパターンを転写できた。これにより、本発明
のX線吸収膜の有効性を確認できた。
比較例1 X線吸収膜をタンタルのみによつて形成した場合の比
較例を以下に示す。
Si(100)基板上に形成されている厚さ2μmの窒化
シリコン膜(X線透過膜)上に、タンタルからなるX線
吸収膜をrf(高周波)マグネトロンスパッタによつて0.
6μmの厚さに形成してX線マスク材料を得た。スパッ
タターゲットは、タンタルのみを含む焼結体である。ス
パッタガスはアルゴンで、アルゴン流量は毎分51.0ccで
あつた。スパッタ条件は、rfパワー290W(6.36W/c
m2)、スパッタガス圧力3.0Paであつた。堆積開始温度
は室温であつた。上記条件で作製されたX線吸収膜はES
CA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)
によれば、ターゲットと同一の組成比からなり、この組
成比は膜の深さ方向においてほぼ一定であり、また不純
物は含まれていないことも確認された。このX線吸収膜
は、柱状結晶状態(柱状結晶の直径20nm)であり、その
応力は、測定限界(1×108dyn/cm2)以下であつた。X
線吸収膜表面の清浄化を行つた後、電子線照射用レジス
トを塗布し、電子線により線幅0.25μmのレジストパタ
ーンを形成した。さらに、レジストパターンを反応性イ
オンビームエッチングによりX線吸収膜に転写した。こ
のとき、形成されたパターンの上面および壁面は平滑で
はなく、所望の0.25μmの線幅のパターンは形成できな
かった。
比較例2 X線吸収膜を構成するタンタルとニッケルとの原子数
比(Ta/Ni)が本発明の限定範囲に含まれない2.0/8.0で
ある場合の比較例を以下に示す。
Si(100)基板上に形成されている厚さ2μmの窒化
シリコン膜(X線透過膜)上に、タンタルおよびホウ素
からなるX線吸収膜をrf(高周波)マグネトロンスパッ
タによつて0.6μmの厚さに形成してX線マスク材料を
得た。スパッタターゲットは、タンタルとニッケルを原
子数比(Ta/Ni)で2.0/8.0の割合で含む焼結体である。
スパッタガスはアルゴンで、アルゴン流量は毎分51.0cc
であつた。スパッタ条件は、rfパワー300W(6.58W/c
m2)、スパッタガス圧力1.40Paであつた。堆積開始時温
度は室温であつた。上記条件で作製されたX線吸収膜は
ESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysi
s)によれば、ターゲットと同一の組成比からなり、こ
の組成比は膜の深さ方向においてほぼ一定であり、また
不純物は含まれていないことも確認された。このX線吸
収膜は、微結晶状態(結晶粒の大きさ20nm)であり、そ
の応力は、測定限界(1×108dyn/cm2)以下であつた。
X線吸収膜表面の清浄化を行つた後、電子線照射用レジ
ストを塗布し、電子線により線幅0.25μmのレジストパ
ターンを形成した。さらに、レジストパターンを反応性
イオンビームエッチングによりX線吸収膜に転写して、
0.25μmの線幅のパターンを形成した。尚、このとき形
成されたパターンの上面および壁面は平滑性の点では実
施例1〜3に比べて若干劣るものであった。
比較例3 X線吸収膜を構成するタンタルとニッケルとの原子数
比(Ta/Ni)が本発明の限定範囲に含まれない6.0/4.0で
ある場合の実施例を以下に示す。
Si(100)基板上に形成されている厚さ2μmの窒化
シリコン膜(X線透過膜)上に、タンタルとニッケルか
らなるX線吸収膜をrf(高周波)マグネトロンスパッタ
によつて0.6μmの厚さに形成してX線マスク材料を得
た。スパッタターゲットは、タンタルとニッケルを原子
数比(Ta/Ni)で6.0/4.0の割合で含む焼結体である。ス
パッタガスはアルゴンで、アルゴン流量は毎分51.0ccで
あつた。スパッタ条件は、rfパワー300W(6.58W/c
m2)、スパッタガス圧力1.36Paであつた。堆積開始時温
度は室温であつた。上記条件で作製されたX線吸収膜は
ESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysi
s)によれば、ターゲットと同一の組成比からなり、こ
の組成比は膜の深さ方向においてほぼ一定であり、また
不純物は含まれていないことも確認された。このX線吸
収膜は、微結晶状態(結晶粒の大きさ20nm)であり、そ
の応力は、測定限界(1×108dyn/cm2)以下であつた。
X線吸収膜表面の清浄化を行つた後、電子線照射用レジ
ストを塗布し、電子線により線幅0.25μmのレジストパ
ターンを形成した。さらに、レジストパターンを反応性
イオンビームエッチングによりX線吸収膜に転写して、
0.25μmの線幅のパターンを形成した。尚、このとき形
成されたパターンの上面および壁面は平滑性の点では実
施例1〜3に比べて若干劣るものであった。
[発明の効果] 以上述べたように本発明によれば、内部応力が小さい
膜構造のすぐれたX線吸収膜を有するX線マスク材料が
提供された。
さらに本発明によれば、上記X線マスク材料を用い
て、例えば0.25μm以下の極めて微細なパターンを有す
るX線マスクが提供された。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−94424(JP,A) 特開 平2−94427(JP,A) 特開 平2−94423(JP,A) 特開 昭61−269313(JP,A) 特開 昭61−138955(JP,A) 特開 昭63−155618(JP,A) 特開 昭62−153957(JP,A) 特開 昭62−216228(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/027

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上にX線透過膜およびX線吸収膜を順
    次設けたX線マスク材料において、前記X線吸収膜がタ
    ンタルとニッケルとを、それらの原子数比(Ta/Ni)が
    3.0/7.0〜5.0/5.0となる範囲で含有することを特徴とす
    るX線マスク材料。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のX線マスク材料のX線吸
    収膜を微細パターン化して得られたものであることを特
    徴とするX線マスク。
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