JPH09281689A - マスクパターン形成方法及びx線マスクの製造方法 - Google Patents

マスクパターン形成方法及びx線マスクの製造方法

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JPH09281689A
JPH09281689A JP11971696A JP11971696A JPH09281689A JP H09281689 A JPH09281689 A JP H09281689A JP 11971696 A JP11971696 A JP 11971696A JP 11971696 A JP11971696 A JP 11971696A JP H09281689 A JPH09281689 A JP H09281689A
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mask
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ray
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JP11971696A
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Akira Okubo
亮 大久保
Hideaki Mitsui
英明 三ッ井
Tsutomu Shiyouki
勉 笑喜
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Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 マスクパターン材料層(X線吸収体層など)
とエッチングマスク層及び/又はエッチング停止層との
間の相対的なエッチング選択比を十分に高くし、エッチ
ングマスク層及び/又はエッチング停止層の膜厚低減を
図る。 【解決手段】 X線吸収体材料層13のエッチングガス
として塩素を用い、クロムを主成分とするエッチングマ
スク層14及びエッチング停止層15のエッチングガス
として塩素と酸素の混合ガスを用い、該塩素と酸素の混
合ガスにおける酸素の分量を流量比において1〜50%
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パターン形成方法に関
し、特に、このパターン形成方法を用いたX線マスクの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】超LSI(大規模集積回路)等の半導体
デバイスの高集積化に伴い、製造に用いられるフォトリ
ソグラフィー法の転写限界を上回る微細パターンの作製
が必要とされてきている。この要求に対し、近年、より
波長の短いX線を用いたX線リソグラフィー法の開発が
行われている。
【0003】X線リソグラフィーに用いるX線マスクの
構造を図1に示す。同図に示すように、X線マスク1
は、X線透過膜(メンブレン)12及びX線吸収体パタ
ーン13aを有しており、これらを支持する枠としてシ
リコンからなるシリコン支持基板11が用いられてい
る。X線吸収体パターンを作製するためには、通常、X
線吸収体層の上に所望のパターンを形成した膜を配し、
このパターンをマスクとしたエッチングによってX線吸
収体層のパターニングを行う。このエッチングの方法と
しては、一般的に高アスペクト比を有するサブミクロン
レベルの微細パターン形成が可能なドライエッチングが
用いられている。
【0004】X線吸収体層のエッチングを行う上で要求
される特性としてX線吸収体層上に形成されるマスク層
(以下、マスク層と記述する)はX線吸収体材料に対し
て高いエッチングレート比(以下、選択比と記述する)
を有する必要がある。すなわち、このエッチング選択比
はマスク層の厚さの設計に反映される(選択比に応じて
マスク層の厚さが決定される)が、エッチングにより生
ずるパターン変換差を抑えるためには選択比において高
い値を有していること(マスク層の厚さを薄くできるこ
と)が好ましく、したがって加工性の点においてこれら
の観点からの材料選択が必要となる。
【0005】また、このドライエッチングによりX線吸
収体層のパターニングを行う際には、マスク面内に部分
的なエッチング残りが生じないように、設定した時間よ
りもエッチングを長く行ういわゆるオーバーエッチング
が行われる。しかし、オーバーエッチングでは、吸収体
の下地であるX線透過膜がプラズマに曝されエッチング
されてしまうという問題が生じる。X線透過膜のエッチ
ングはX線透過膜の膜厚に不均一な分布を生じさせ、X
線マスクのパターン転写精度を落とすだけでなく、X線
透過膜の膜強度を著しく低下させるため深刻な問題であ
る。この現象に対してX線吸収体層とX線透過膜との間
にエッチング停止層を挿入することがX線透過膜の保護
に有効である。
【0006】一方、X線吸収体材料自体に求められる特
性としては、上述したようなエッチング特性の他にも、
X線照射耐性、薬液洗浄工程における耐薬品性等があ
る。
【0007】これらの要求に対して従来用いられてきた
X線マスク材料の代表的な構成では、マスク層としてS
iO2、X線吸収体材料としてTa単体及びTaを含む
材料、X線透過材料としてSiC、SiN、エッチング
停止材料としてAl23、ITO(Indium Tin Oxide)
などを用いてきた。X線吸収体材料であるTaは塩素ガ
スを用いたプラズマエッチングによって高いエッチング
レートを示すことから有望な材料として挙げられてお
り、マスク層:SiO2/X線吸収体材料:Taの構成
にてX線吸収体パターンを形成した例などがある(特開
昭59−14638号公報)。また、半導体業界におけ
る規格化(標準化)のためのワークショップ(1995
年11月6〜9日)において、X線吸収体材料としてT
a系材料を使用し、X線透過材料としてSiCを使用す
ることで合意が図られた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】X線マスクの作製を考
えた場合、上述したようにX線吸収体層の微細加工特性
及び加工精度が大きな問題となる。マスク作製プロセス
におけるX線吸収体層のパターニングは、X線吸収体層
の上層にエッチングマスクパターンを形成し、ドライエ
ッチングを行うが、このドライエッチングを行う際に生
じるX線吸収体層へのパターン変換差が加工精度を低下
させる要因の一つである。
【0009】パターン変換差を生じる原因としては、X
線吸収体層をエッチングするためのマスク層のパターン
形状及びその膜厚等が挙げられる。前者はパターン形状
そのものが下地であるX線吸収体層に反映するためであ
る。後者は、マスク層の厚さが厚い場合、このマスク層
をパターニングする際にマスクパターン側面に傾斜が発
生しやすくなるため、この傾斜したマスクパターンをマ
スクとしてX線吸収体層をエッチングすると加工精度の
低下につながる。また、マスク層の厚さが厚い場合、厚
いマスクパターンを用いて下地に微細なエッチングをす
る際に見られるマイクロローディング効果が発生するた
め、この場合もX線吸収体層の加工精度は著しく低下す
る。したがって、いずれの場合においても高精度なX線
吸収体パターンを形成するためにはマスク層の厚さを薄
くすることが必要となる。そして、この要求を満たすた
めには、X線吸収体材料に対するマスク材料の選択比を
高めることが重要である。しかしながら、従来技術とし
て取り上げたマスク層:SiO2/X線吸収体材料:T
aの組合せを用いたX線マスクでは、X線吸収体材料を
エッチングするときのTa/SiO2のエッチング選択
比は3.5程度しかない。従って、1GbDRAMに適
用される0.18μmライン&スペースにおいてはエッ
チング選択比が3.5程度であってもX線マスクの作製
は不可能ではないが、4GbDRAMレベルにおける
0.13μmライン&スペース以下のデザインルールで
はマスク層の薄膜化が困難なためX線マスクの量産性が
著しく低下するという問題がある。
【0010】より高精度にX線吸収体パターンをエッチ
ングするためには、少なくとも10以上のエッチング選
択比が必要である。
【0011】Taに対するCrのエッチング選択比が低
いと、クロムを主成分とするエッチングマスク層をオー
バーエッチングする際に、下地であるX線吸収体材料層
が凹状にエッチングされ、この凹状態がX線吸収体材料
層のエッチングを介して又はエッチング停止層のエッチ
ングを介してX線透過膜にまで反映されてしまい、X線
透過膜の光学特性や歪みを劣化させるという問題があ
る。
【0012】一方、X線吸収体層をパターニングする際
のエッチングの完遂と下地であるX線透過膜をエッチン
グから保護する観点では、X線透過膜の膜減り防止のた
めに設けるエッチング停止層の設計も重要である。しか
し、X線透過膜の保護のためにエッチング停止層を設け
ても、X線吸収体層のエッチング除去後にエッチング停
止層がX線透過膜上に残存するような設計の場合、この
エッチング停止層はX線透過膜の光学特性の低下を引き
起こす原因となる。Al23やITOなどのように透過
率の高い膜をエッチング停止層として用いた場合(特開
平7−94400号公報等)、X線吸収体材料との充分
な選択比を得ることができなかった。
【0013】さらに、エッチング停止層はX線吸収体層
のエッチング後に除去できることが好ましい。しかし、
エッチング停止層の除去についてもX線吸収体層と同様
にドライエッチングを用いるが、このエッチング停止層
のドライエッチングの際に、先に形成したX線吸収体パ
ターンに、エッチングによるサイドエッチングが生じ、
X線吸収体パターンのパターン形状を損なう。このダメ
ージを防ぐためには除去すべきエッチング停止層の厚さ
を必要最低限に抑え、なおかつエッチング停止層除去の
際のX線吸収体パターンに対するエッチングの影響を低
減する必要がある。エッチング停止層の厚さを必要最低
限に抑えることは同時にエッチング停止層除去の際にX
線透過膜がエッチングに曝される時間を抑えることにも
つながり、結果的にX線透過膜の膜減りを抑えることに
もつながる。
【0014】以上のように、従来技術では微細なX線吸
収体パターンの形成に際し、X線吸収体層に対するマス
ク層及びエッチング停止層の相対的なエッチング選択比
が十分ではなくその改善が求められている。
【0015】本発明は上述した背景の下になされたもの
であり、相対的なエッチング選択比が十分に高く、従来
に比べマスク層及び/又はエッチング停止層の膜厚低減
を図ることのできるパターン形成方法及びX線マスクの
製造方法の提供を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のマスクパターン形成方法は、マスク基体上
に、所定波長域の電磁波もしくは所定エネルギーの荷電
ビームに対して遮光性を有するマスクパターンを形成す
る方法であって、マスクパターン材料層の上側にエッチ
ングマスク層を形成し、該エッチングマスク層を所定の
パターンにエッチングした後、エッチングマスクパター
ンをマスクとしてマスクパターン材料層をエッチングす
る工程、又は、マスクパターン材料層の下側にエッチン
グ停止層を形成し、マスクパターン材料層を所定のパタ
ーンにエッチングした後、エッチング停止層の露出部分
をエッチングする工程の少なくとも一方を有し、前記マ
スクパターン材料層とエッチングマスク層及び/又はエ
ッチング停止層との材料の組合せが、タンタルを主成分
とする材料とクロムを主成分とする材料との組合せであ
り、タンタルを主成分とする材料からなる層のエッチン
グガスとして塩素を用いたドライエッチングを行い、ク
ロムを主成分とする材料からなる層のエッチングガスと
して塩素と酸素を用いたドライエッチングを行う構成と
してある。
【0017】また、本発明のマスクパターン形成方法
は、上記マスクパターン形成方法において、クロムを主
成分とする材料からなる層をエッチングガスとして塩素
と酸素を用いてドライエッチングを行う際に、酸素の分
量が流量比において1〜50%である構成としてある。
【0018】さらに、本発明のX線マスクの製造方法
は、X線マスク支持基板上に、少なくとも、X線透過
膜、クロムを主成分とするエッチング停止層、タンタル
を主成分とするX線吸収体材料層、及びクロムを主成分
とするエッチングマスク層を順次形成してなるX線マス
クブランクを用い、ドライエッチングによる微細加工を
行いX線マスクを製造する際に、タンタルを主成分とす
るX線吸収体材料層のエッチングガスとして塩素を用
い、クロムを主成分とするエッチングマスク層及びエッ
チング停止層のエッチングガスとして塩素と酸素の混合
ガスを用い、該塩素と酸素の混合ガスにおける酸素の分
量を流量比において1〜50%とした構成としてある。
【0019】また、本発明のX線マスクの製造方法は、
上記X線マスクの製造方法において、 タンタルを主成
分とするX線吸収体材料が、アモルファス構造を有する
構成、タンタルを主成分とするX線吸収体材料が、Ta
以外に少なくともBを含む構成、あるいは、X線透過膜
が、SiCからなる構成としてある。
【0020】
【作用】本発明では、X線吸収体層に対するマスク層及
びエッチング停止層の材料及びエッチングガスを特定す
るとともに、エッチングガスにおける成分ガスの分量
(流量比)を特定することで、積層した材料間に制御の
容易な高いエッチング選択比が実現し、マスク層及びエ
ッチング停止層の膜厚低減が可能となり、エッチングに
よって生じるパターン変換差の問題を解消し、さらにエ
ッチング停止層の除去に伴うX線透過膜の膜減りの問題
を解消し、かつ、エッチング停止層の除去に伴うX線吸
収体パターンの形状変形の問題を解消できる。
【0021】以下、本発明を詳細に説明する。
【0022】本発明は、広くマスクパターンの形成に利
用できるが、説明の便宜上X線マスクの製造方法を例に
とって説明する。
【0023】本発明では、タンタル(Ta)を主成分と
するX線吸収体材料層に対するエッチングマスク層及び
/又はエッチング停止層として、クロム(Cr)を主成
分とする材料を用いる。
【0024】タンタルを主成分とするX線吸収体材料層
のエッチングガスとして用いる塩素(Cl2)に対し、
タンタルを主成分とするX線吸収体材料の被エッチング
速度は300nm/minであり、Crの被エッチング
速度は20nm/minであって、Crに対するタンタ
ルを主成分とするX線吸収体材料のエッチング選択比が
15を越えるため、X線吸収体材料層に対するエッチン
グマスク層及びエッチング停止層の膜厚を従来に比べて
低減することが可能となる。
【0025】エッチングマスク層の膜厚を薄くすると、
垂直な側壁のエッチングマスクパターンが得られるとと
もにマイクロローディング効果の影響を低減できるの
で、エッチングマスクパターンをマスクとしてX線吸収
体材料層をドライエッチングする際のパターン変換差を
低減できる。また、エッチング停止層の膜厚を薄くする
と、エッチング時間が短くできるので、エッチング停止
層を除去する際のX線吸収体のエッチングによる形状変
化を低減できる。
【0026】クロムを主成分とするエッチングマスク層
の膜厚は、上述した観点から、10〜100nm、好ま
しくは15〜60nm、より好ましくは20〜50nm
である。また、クロムを主成分とするエッチング停止層
の膜厚は、上述した観点から、10〜100nm、好ま
しくは10〜50nm、より好ましくは10〜30nm
である。
【0027】本発明では、クロムを主成分とするエッチ
ングマスク層及びエッチング停止層のエッチングマスク
層をドライエッチングする際のエッチングガスとして塩
素と酸素の混合ガスを用いる。
【0028】これは、表1及び図2に示すように、エッ
チングガスである塩素に対して酸素を混入させた混合ガ
スによるエッチングを行うことで、Taを主成分とする
材料のエッチング速度(エッチングレート)を極端に低
下させることができるので、Taを主成分とする材料に
対するCrを主成分とする材料のエッチング選択比を大
きくすることが可能となり、塩素ガス単体によるエッチ
ングの場合(エッチング選択比は0.1)に比べ、相対
エッチング速度を逆転することが可能となる。
【0029】
【表1】
【0030】本発明では、塩素と酸素の混合ガスにおけ
る酸素の分量は流量比で1〜50%とする。
【0031】混合ガスにおける酸素の流量比が1%未満
であるとTaを主成分とする材料に対するCrを主成分
とする材料のエッチング選択比が上がらず、50%を超
えるとX線吸収体パターンの上面や側面に酸化物等が析
出する等の理由からX線吸収体パターンの上面や側面が
粗れてしまう恐れがあるからである。
【0032】これらの理由と高い選択比を得る観点及び
X線吸収体パターンの上面や側面の粗れ等の観点から、
塩素と酸素の混合ガスにおける酸素の分量は流量比で1
0〜35%とするのが好ましく、16〜25%とするの
がさらに好ましい。
【0033】本発明では、ドライエッチング(プラズマ
エッチング)装置として、ECR(Electron Cyclotron
Resonance)装置などのプラズマエッチング装置、RI
E(反応性イオンエッチング:Reactive Ion Etching)
装置などのスパッタエッチング装置、イオンビームエッ
チング装置、光エッチング装置等が使用できる。
【0034】ドライエッチング装置におけるマイクロ波
パワーは、図3に示すように、エッチングレート及びエ
ッチング選択比に影響を与える。Taを主成分とする材
料のエッチングレートを高く(330nm/min以
上)するためにはマイクロ波パワーを400〜800W
とすることが好ましく、Crを主成分とする材料に対す
るTaを主成分とする材料のエッチング選択比を15以
上とするためにはマイクロ波パワーを300〜800W
とすることが好ましい。
【0035】また、ドライエッチング装置におけるガス
圧は、図4に示すように、エッチングレート及びエッチ
ング選択比に影響を与える。Taを主成分とする材料の
エッチングレートを高くし、また、Crを主成分とする
材料に対するTaを主成分とする材料のエッチング選択
比を15以上とするためには、ガス圧を0.2Pa以上
とすることが好ましい。
【0036】本発明では、タンタルを主成分とするX線
吸収体材料は、アモルファス構造あるいは微結晶構造を
有することが好ましい。これは、結晶構造(金属構造)
であるとサブミクロンオーダーの微細加工が難しく、内
部応力が大きくX線マスクに歪みが生じるからである。
【0037】また、タンタルを主成分とするX線吸収体
材料は、Ta以外に少なくともBを含むことが好まし
い。これは、Ta及びBを含むX線吸収体膜は、内部応
力が小さく、高純度で不純物を含まず、X線吸収率が大
きい等の利点を有するからである。また、図5に示すよ
うに、スパッタリングで成膜する際のガス圧を制御する
ことで容易に内部応力を制御できるからである。
【0038】Ta及びBを含むX線吸収体膜におけるB
の割合は、15〜25原子%とすることが好ましい。X
線吸収体膜におけるBの割合が上記範囲を超えると微結
晶の粒径が大きくなりサブミクロンオーダーの微細加工
が難しくなるからである。なお、X線吸収体膜における
Bの割合に関しては、本願出願人がすでに出願を行って
いる(特開平2−192116号公報)。
【0039】本発明では、クロムを主成分とする材料と
しては、クロム単体の他、クロムに酸素、窒素、炭素等
を含んだものであってもよい。
【0040】本発明では、X線透過膜としては、Si
C、SiNなどが挙げられる。X線照射耐性等の観点か
らはSiCが好ましい。X線マスク支持基板としては、
シリコン基板(シリコンウエハ)などが挙げられる。
【0041】エッチングマスク層のパターニングには、
レジスト(フォト、電子線)を用いたリソグラフィー法
(レジスト塗布、露光、現像、エッチング、レジスト剥
離、洗浄など)、多層レジスト法、多層マスク(金属膜
/レジスト膜等)法などの公知のパターニング技術が使
用される。レジストを用いる場合にあっては、レジスト
の膜厚は薄い方が好ましく、50〜1000nm、好ま
しくは100〜300nmである。
【0042】なお、上述した説明から、本発明は、マス
クパターン材料層(上記例ではX線吸収体層)とエッチ
ングマスク層との間、又はマスクパターン材料層とエッ
チング停止層との間のいずれか一方のみであっても独立
した効果を有し適用可能であるが、両者を組合せて実施
することがより好ましい。また、材料の組合せを逆にし
てマスクパターン材料層をCr系材料としエッチングマ
スク層及び/又はエッチング停止層をTa系材料として
も、同様の関係が成り立つので同様の効果が得られる。
【0043】また、本発明はX線マスクの製造方法に限
定されず、フォトマスクや電子線マスク等のマスクパタ
ーンの形成方法としても利用できる。例えば、石英基板
上にTa系又はCr系の遮光膜を形成した紫外線用のフ
ォトマスクの製造等に利用できる。
【0044】
【実施例】以下、実施例にもとづき本発明をさらに詳細
に説明する。
【0045】実施例1 図8に示すX線マスクブランクを用い、図9に示す工程
を経て、図1に示すX線マスクを製造した。
【0046】図8に示すX線マスクブランクにおいて
は、X線透過膜12としてSiC(膜厚:2μm)、X
線吸収体層13としてホウ化タンタル(Ta4B)(膜
厚:500nm)、エッチングマスク層(膜厚:20n
m)14及びエッチング停止層(膜厚:45nm)15
としてCr、エッチングマスク層14のパターニングの
ためのマスク層としてTa4B(膜厚:20nm)16
及び電子線レジスト層(膜厚:300nm)17の二層
膜を用いた。
【0047】ブランクの製造 X線マスク支持基板として直径3インチφ、厚さ0.3
8nm、結晶方位Si(100)のシリコンウエハを用
いた。
【0048】シリコンウエハの両面に、X線透過膜とし
てSiCを、ジクロルシラン及びアセチレンを原料ガス
としてホットウォール型減圧気相成長法にて2μmの厚
さで成膜した。その後、SiC膜表面の研磨を行い表面
をRa=1.0nm以下に平坦化した。
【0049】次いで、エッチング停止層としてCrを、
Arガスを用いたRFマグネトロンスパッタリング法に
て20nmの厚さで成膜した。
【0050】この上に、X線吸収体層としてホウ化タン
タル(Ta4B)をArガスを用いたRFマグネトロン
スパッタリング法にて500nmの厚さで成膜し、さら
に、エッチングマスク層としてCrを、Arガスを用い
たRFマグネトロンスパッタリング法にて45nmの厚
さで成膜した。
【0051】続いて、上記エッチングマスク層のパター
ニングを行うためのマスク層としてTa4BをArガス
を用いたRFマグネトロンスパッタリング法にて20n
mの厚さで成膜し、最上層にポジ型電子線レジスト(日
本ゼオン社製:ZEP7000B)をスピンコート法に
て300nmの厚さで成膜した。
【0052】最後に、クリーンオーブンにて180℃で
電子線レジストのベークを行いX線マスク作製用のX線
マスクブランクを得た(図8参照)。
【0053】X線マスクの製造 上記で得られたX線マスクブランクを用い、図9に示す
工程を経てX線マスクを製造した。
【0054】具体的には、まず、X線マスクブランク2
の最上層の電子線レジスト17に設計値0.25μmの
ラインアンドスペース(以下、L&Sと記す)パターン
を電子線描画し(図9(a))、湿式現像によって電子
線レジストパターン17aを形成した(図9(b))。
【0055】この電子線レジストパターン17aをマス
クとして、ECR(Electron Cyclotron Resonance)ド
ライエッチング装置を用いて、マイクロ波600W、コ
イル電流13A、RFパワー120mW/cm2のエッ
チング条件下、基板部分を2.5℃に冷却しながら塩素
ガス単体(ガス流量:30sccm)にてTa4B16
のエッチングを行い、レジストを除去してTa4Bパタ
ーン16aを得た(図9(c))。
【0056】このTa4Bパターン16aをマスクとし
て、塩素と酸素の混合ガス(塩素:25sccm、酸
素:5sccm)を用いたこと以外はTa4B16のパ
ターニングと同様の条件でECRドライエッチング装置
にてエッチングマスク層(Cr)14のエッチングを行
い、Ta4Bパターン16aを除去してエッチングマス
クパターン14aを得た(図9(d))。
【0057】このエッチングマスクパターン14aをマ
スクとして、ECRドライエッチング装置を用いTa4
B16のパターニングと同様の条件で、X線吸収体層
(ホウ化タンタル)13のエッチングを行い、エッチン
グマスクパターン14aを除去してX線吸収体パターン
13aを得た(図9(e))
【0058】最後に、エッチングマスク層14のエッチ
ングと同様の条件でECRドライエッチング装置にてエ
ッチング停止層(Cr)15のエッチングを行い、X線
マスク1を得た(図9(f))。
【0059】評価 上記で得られたX線マスクのパターン断面をSEM(Sc
anning Electron Microscope)によって形状観察した結
果、側壁が垂直に形成された極めて良好(側壁の垂直
性、側壁の表面状態、ラインの直線性等)な0.25μ
mのL&SのX線吸収体パターンの形成が確認された。
また、エッチング停止層の除去に伴うX線透過膜の膜減
りについても同様に調べたが、X線透過膜の膜減りは確
認されなかった。
【0060】実施例2 エッチング停止層を除去する工程(図9(f))におけ
るエッチングガスである塩素と酸素の混合ガスの混合比
を塩素:27sccm、酸素:3sccmとしたこと以
外は実施例1と同様にしてX線マスクを製造した。
【0061】評価 酸素の混合比が小さいためX線吸収体パターン(Ta4
B)のエッチングレートは実施例1ほど低下しないもの
の、形成されたX線マスクのパターン断面をSEMによ
って形状観察した結果、側壁が垂直に形成された良好な
0.25μmのL&SのX線吸収体パターンの形成が確
認された。
【0062】実施例3 エッチング停止層を除去する工程(図9(f))におけ
るエッチングガスである塩素と酸素の混合ガスの混合比
を塩素:20sccm、酸素:10sccmとしたこと
以外は実施例1と同様にしてX線マスクを製造した。
【0063】評価 得られたX線マスクのパターン断面をSEMによって形
状観察した結果、側壁が垂直に形成された良好な0.2
5μmのL&SのX線吸収体パターンの形成が確認され
た。
【0064】実施例4 エッチングマスク層の厚さを45nmとし、X線吸収体
層をXeガスを用いたRFマグネトロンスパッタリング
法にて成膜したこと以外は実施例1と同様にしてX線マ
スクを製造した。
【0065】評価 その結果は実施例1と同様であった。なお、本実施例で
は、Xeガスをスパッタリングガスとして用いた場合、
Arガスよりも低いガス圧での応力制御が可能であり、
コントロールがし易いという利点がある(図5参照)。
また、Xeガスをスパッタリングガスとして用いた場
合、粗れた面上(SiC)でも平坦な面上(Si)でも
X線吸収体膜の応力制御が可能であり、X線吸収体膜の
膜応力は下地基板の表面粗さによらないこと(図6参
照)、及び、X線吸収体膜の面内において膜応力のばら
つきが低い(膜応力の面内均一性が高い)こと(図7参
照)が確認されている。
【0066】比較例1 エッチング停止層を除去する工程(図9(f))におけ
るエッチングガスである塩素と酸素の混合ガスの混合比
を塩素:12sccm、酸素:18sccmとしたこと
以外は実施例1と同様にしてX線マスクを製造した。
【0067】評価 得られたX線マスクのパターン断面をSEMによって形
状観察した結果、X線吸収体パターンの側壁にTaの酸
化物とみられる析出物が発生しており、X線吸収体パタ
ーンの側壁についても垂直に保たれておらず傾斜を有す
るテーパー形状であることが確認された。
【0068】比較例2 エッチング停止層を除去する工程(図9(f))におけ
るエッチングガスである塩素と酸素の混合ガスの混合比
を塩素:30sccm、酸素:0sccmとした(酸素
含まず)こと以外は実施例1と同様にしてX線マスクを
製造した。
【0069】その結果、X線吸収体パターンがエッチン
グされてしまい、優れたパターン形状が得られなかっ
た。
【0070】比較例3 エッチング圧力、マイクロ波周波数等を変化させたこと
以外は、比較例1と同様にしてX線マスクを製造した。
【0071】この結果、良好なX線吸収体パターンは得
られなかった。また、X線吸収体パターンの側壁に発生
する析出物等によるX線吸収体パターンの荒れは高精度
な微細構造を要求されるX線マスクにおいては転写され
るパターンの欠陥につながる。したがって、比較例1〜
2におけるエッチング条件ではX線マスクの作製に適し
ないことを確認した。
【0072】比較例4 単体ガス又は混合ガスとして使用するエッチングガスで
ある塩素の代わりに、塩素系ガス(CH2Cl2、CHC
3、CCl4等)を用いたこと以外は実施例1と同様に
してX線マスクを製造した。
【0073】その結果、カーボンによる異物(コンタミ
ネーション)が発生することがあった。
【0074】以上好ましい実施例をあげて本発明を説明
したが、本発明は必ずしも上記実施例に限定されるもの
ではない。
【0075】例えば、各層の膜厚は実施例で示した設計
値に限定されるものではなく、各層のエッチングによる
パターニングを行う上でそのエッチング条件下における
材料間の選択比から求められる厚さ以上に設定すればよ
い。
【0076】また、ECRエッチング装置の代わりに、
RIEエッチング装置を用いて各層又はその一部のエッ
チングを行ってもよい。
【0077】また、実施例において、Arガスの代わり
に、ヘリウム、ネオン、キセノン等の他の不活性ガスを
用いてもよい。
【0078】さらに、実施例において、Ta4Bの代わ
りに、Ta単体やTa4B以外のホウ化タンタル等を用
いてもよい。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように本発明のパターン形
成方法及びX線マスクの製造方法によれば、マスクパタ
ーン材料層(X線吸収体層など)とエッチングマスク層
及び/又はエッチング停止層との間の相対的なエッチン
グ選択比を十分に高くすることができ、したがって従来
に比べマスク層及び/又はエッチング停止層の膜厚低減
を図ることができる。
【0080】本発明では、X線吸収体層に対するマスク
層及びエッチング停止層の材料及びエッチングガスを特
定するとともに、エッチングガスにおける成分ガスの分
量(流量比)を特定することで、積層した材料間に制御
の容易な高いエッチング選択比が実現し、マスク層及び
エッチング停止層の膜厚低減が可能となり、エッチング
によって生じるパターン変換差の問題を解消し、さらに
エッチング停止層の除去に伴うX線透過膜の膜減りの問
題を解消し、かつ、エッチング停止層の除去に伴うX線
吸収体パターンの形状変形の問題を解消できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】X線マスクの構造を説明するための断面図であ
る。
【図2】酸素流量比(濃度)とエッチングレート及び選
択比との関係を示す図である。
【図3】マイクロ波パワーとエッチングレート及び選択
比との関係を示す図である。
【図4】ガス圧とエッチングレート及び選択比との関係
を示す図である。
【図5】ガス圧と内部応力との関係を示す図である。
【図6】下地基板に対するガス圧と内部応力との関係を
示す図である。
【図7】膜応力の面内分布を示す図であり、図7(a)
は測定位置を示す図、図7(b)は各測定位置における
膜応力を示す図である。
【図8】X線マスクブランクの層構成を説明するための
図である。
【図9】X線マスクの製造工程を示す図である。
【符号の説明】
1 X線マスク 2 X線マスクブランク 11 シリコン支持基盤 12 X線透過膜 13 X線吸収体層 13a X線吸収体パターン 14 エッチングマスク層 14a エッチングマスクパターン 15 エッチング停止層 16 Ta4B層 16a Ta4Bパターン 17 電子線レジスト層 17a 電子線レジストパターン

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスク基体上に、所定波長域の電磁波も
    しくは所定エネルギーの荷電ビームに対して遮光性を有
    するマスクパターンを形成する方法であって、 マスクパターン材料層の上側にエッチングマスク層を形
    成し、該エッチングマスク層を所定のパターンにエッチ
    ングした後、エッチングマスクパターンをマスクとして
    マスクパターン材料層をエッチングする工程、又は、マ
    スクパターン材料層の下側にエッチング停止層を形成
    し、マスクパターン材料層を所定のパターンにエッチン
    グした後、エッチング停止層の露出部分をエッチングす
    る工程の少なくとも一方を有し、 前記マスクパターン材料層とエッチングマスク層及び/
    又はエッチング停止層との材料の組合せが、タンタルを
    主成分とする材料とクロムを主成分とする材料との組合
    せであり、 タンタルを主成分とする材料からなる層のエッチングガ
    スとして塩素を用いたドライエッチングを行い、クロム
    を主成分とする材料からなる層のエッチングガスとして
    塩素と酸素を用いたドライエッチングを行うことを特徴
    とするマスクパターン形成方法。
  2. 【請求項2】 クロムを主成分とする材料からなる層を
    エッチングガスとして塩素と酸素を用いてドライエッチ
    ングを行う際に、酸素の分量が流量比において1〜50
    %であることを特徴とする請求項1記載のマスクパター
    ン形成方法。
  3. 【請求項3】 X線マスク支持基板上に、少なくとも、
    X線透過膜、クロムを主成分とするエッチング停止層、
    タンタルを主成分とするX線吸収体材料層、及びクロム
    を主成分とするエッチングマスク層を順次形成してなる
    X線マスクブランクを用い、 ドライエッチングによる微細加工を行いX線マスクを製
    造する際に、タンタルを主成分とするX線吸収体材料層
    のエッチングガスとして塩素を用い、クロムを主成分と
    するエッチングマスク層及びエッチング停止層のエッチ
    ングガスとして塩素と酸素の混合ガスを用い、該塩素と
    酸素の混合ガスにおける酸素の分量を流量比において1
    〜50%としたことを特徴とするX線マスクの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 タンタルを主成分とするX線吸収体材料
    が、アモルファス構造を有することを特徴とする請求項
    3記載のX線マスクの製造方法。
  5. 【請求項5】 タンタルを主成分とするX線吸収体材料
    が、Ta以外に少なくともBを含むことを特徴とする請
    求項3又は4記載のX線マスクの製造方法。
  6. 【請求項6】 X線透過膜が、SiCからなることを特
    徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載のX線マス
    クの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6696205B2 (en) 2000-12-21 2004-02-24 International Business Machines Corporation Thin tantalum silicon composite film formation and annealing for use as electron projection scatterer
JP2006268035A (ja) * 2005-02-28 2006-10-05 Hoya Corp グレートーンマスクの製造方法及びグレートーンマスク、並びにグレートーンマスクブランク
JP2007150053A (ja) * 2005-11-29 2007-06-14 Kyocera Corp 光インプリント用スタンパおよびそれを用いた発光装置の製造方法

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