JPH10161300A - X線マスクブランク、x線マスク及びパターン転写方法 - Google Patents

X線マスクブランク、x線マスク及びパターン転写方法

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JPH10161300A
JPH10161300A JP33451196A JP33451196A JPH10161300A JP H10161300 A JPH10161300 A JP H10161300A JP 33451196 A JP33451196 A JP 33451196A JP 33451196 A JP33451196 A JP 33451196A JP H10161300 A JPH10161300 A JP H10161300A
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film
ray
etching
mask
stress
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JP33451196A
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English (en)
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Tsutomu Shiyouki
勉 笑喜
Takamitsu Kawahara
孝光 河原
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Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21KTECHNIQUES FOR HANDLING PARTICLES OR IONISING RADIATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; IRRADIATION DEVICES; GAMMA RAY OR X-RAY MICROSCOPES
    • G21K1/00Arrangements for handling particles or ionising radiation, e.g. focusing or moderating
    • G21K1/10Scattering devices; Absorbing devices; Ionising radiation filters

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • High Energy & Nuclear Physics (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Drying Of Semiconductors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 極めて低い応力を有し、したがって、極めて
高い位置精度を有するX線マスクを製造できるX線マス
クブランク等を提供する。 【解決手段】 基板11上に、X線透過膜12を有し、
該X線透過膜12上にX線吸収体膜13を有するX線マ
スクブランクであって、前記X線吸収体膜の上及び/又
は下に、膜応力と膜厚との積が、0〜±1×104dy
n/cmである膜(14,15)を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線リソグラフィ
ーに用いるX線マスクブランク及びX線マスク並びにパ
ターン転写方法等に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体産業において、シリコ
ン基板等に微細なパターンからなる集積回路を形成する
ための微細パターン転写技術としては、可視光や紫外光
を用いて微細パターンを転写するフォトリソグラフィー
法が用いられてきた。
【0003】しかし、近年、半導体技術の進歩ととも
に、超LSIなどの半導体装置の高集積化が進み、従来
のフォトリソグラフィー法で用いてきた可視光や紫外光
での転写限界を超えた高精度の微細パターンの転写技術
が要求されるに至った。
【0004】そして、このような微細パターンの転写を
実現するために、可視光や紫外光よりも波長の短いX線
を用いたX線リソグラフィー法の開発が進められてい
る。
【0005】X線リソグラフィーに用いるX線マスクの
構造を図5に示す。
【0006】同図に示すように、X線マスク1は、X線
を透過するX線透過膜(メンブレン)12と、X線を吸
収するX線吸収体パターン13aから構成されており、
これらは、シリコンからなる支持基板(支持枠)11a
で支持されている。
【0007】X線マスクブランクの構造を図6に示す。
X線マスクブランク2は、シリコン基板11上に形成さ
れたX線透過膜12とX線吸収体膜13から構成されて
いる。
【0008】X線透過膜としては、高いヤング率をも
ち、X線照射に対して優れた耐性をもつ炭化ケイ素が一
般に用いられ、X線吸収体膜には、X線照射に対して優
れた耐性をもつTaを含むアモルファス材料が良く用い
られている。
【0009】X線マスクブランク2からX線マスク1を
作製するプロセスとしては、例えば、以下の方法が用い
られている。X線マスクブランク2上に所望のパターン
を形成したレジスト膜を配し、このレジストパターンを
マスクとしてドライエッチングを行いX線吸収体パター
ンを形成する。その後、裏面に形成されたX線透過膜の
うちのウインドウエリア(裏面凹部)に位置する領域部
分の膜をCF4をエッチングガスとしたリアクティブイ
オンエッチング(RIE)により除去し、残った膜をマ
スクにして、フッ酸と硝酸の混合液からなるエッチング
液によりシリコン基板の裏面をエッチング加工してX線
マスク1を得る。
【0010】その際、レジストには、一般に、電子線ビ
ーム(EB)レジストを用い、EB描画法によりパター
ン形成(露光)を行う。
【0011】しかしながら、EBレジストは、X線吸収
体膜を加工するドライエッチングに対して十分な耐性を
持たない(エッチング速度が速い)ために、レジストパ
ターンをマスクとして直接X線吸収体膜をエッチングす
ると、X線吸収体のパターン形成が完了する前にレジス
トパターンがエッチングによって消失し、所望のX線吸
収体パターンが得られない。
【0012】そこで、X線吸収体膜とレジストとの間に
X線吸収体膜に対して高いエッチング選択比をもつエッ
チングマスク層と呼ばれる膜を挿入し、X線吸収体膜の
パターン形成を行うのが一般的である。
【0013】その場合、レジストパターンとX線吸収体
パターンとのサイズのずれ(パターン変換差と呼ぶ)を
なくすために、エッチングマスク層の厚みはできるだけ
薄くする必要がある。したがって、X線吸収体膜をパタ
ーニングする際に、X線吸収体膜のエッチング速度に対
して、エッチングマスク層のエッチング速度が十分に小
さい(高いエッチング選択比をもつ)必要がある。
【0014】一方、X線吸収体膜のエッチングは、マス
ク面内に部分的なエッチング残りを生じることなくウエ
ハ面内で均一なパターン形状を確保するために、設定し
た時間よりもエッチングを長く行ういわゆるオーバーエ
ッチングをある程度行う必要がある。
【0015】このオーバーエッチングにより、X線吸収
体膜の下層であるX線透過膜がプラズマに曝されること
になる。例えば、X線吸収体膜の下層が炭化ケイ素から
なるX線透過膜である場合、X線吸収体膜のエッチング
条件に対して、X線透過膜のエッチング速度が無視でき
る速度を超えるので、オーバーエッチングによりX線透
過膜がエッチングされ、下層のX線透過膜の膜厚が減少
するほか、X線吸収体膜自体のパターン形状の劣化を引
き起こす。X線透過膜の減少は、X線アライナーへの装
着時のアライメントに必要な光学透過率の変化やマスク
の位置歪みの増大を招くため、望ましくない。
【0016】したがって、X線吸収体膜とX線透過膜と
の間には、X線吸収体膜のエッチングに対してエッチン
グされにくい(高いエッチング選択比をもつ)材料から
なるエッチング停止層を挿入することが望ましい。
【0017】従来、Taを主成分とするX線吸収体膜の
エッチングは、塩素ガスを用いて行われており、このX
線吸収体膜に対して高いエッチング選択比を実現できる
エッチングマスク層及びエッチング停止層としては、C
r膜が良く用いられている。また、Wを主成分とするX
線吸収体膜のエッチングは、SF6のようなフッ化物の
ガスを用いて行われており、このX線吸収体膜に対する
エッチングマスク層及びエッチング停止層としても、C
r膜が用いられている。これらのCr膜は、ほとんどの
場合スパッタリング法によりX線吸収体膜の下及び/又
は上に形成されている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】X線マスクには、高い
位置精度が要求され、例えば、0.18μmのデザイン
ルールパターンを有する1Gbit−DRAM用のX線
マスクでは、22nm以下の歪みに抑える必要がある。
【0019】位置歪みは、X線マスク材料の応力に強く
影響され、X線吸収体膜、エッチングマスク層、エッチ
ング停止層の応力が高いとその応力によって位置歪みが
誘発される。したがって、X線吸収体膜、エッチングマ
スク層、エッチング停止層は極めて低い応力である必要
がある。
【0020】しかしながら、1Gbit−DRAM以降
のX線マスクについて、応力の研究は十分なされていな
い。
【0021】本発明は上述した背景の下になされたもの
であり、極めて低い応力を有し、したがって、極めて高
い位置精度を有するX線マスクの製造に適したX線マス
クブランク等の提供を目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、従来主として使
用されてきたCr膜は、X線吸収体膜に対して10倍以
上の高いエッチング選択比(X線吸収体膜/Cr膜)を
もつというエッチング耐性の点で優れた材料であるが、
Cr膜は、結晶質の膜で、スパッタリングの成膜条件に
ほとんど依存せずに、例えばエッチングマスク層やエッ
チング停止層の膜厚を0.05μm程度とした場合、8
00MPa以上の高い引張り応力をもつ。このような大
きな応力をもったCr膜をエッチングマスク層あるいは
エッチング停止層に適用した場合、応力による位置歪み
で位置精度が悪く、1Gbit−DRAM以降のX線マ
スクの製造が困難であることを見い出した。
【0023】そして、さらに研究を重ねた結果、シュミ
レーション解析によって、X線吸収体膜(例えば膜厚
0.5μm)の応力は±10MPa以下、エッチングマ
スク層及び/又はエッチング停止層(例えばそれぞれ膜
厚0.05μm)の応力は±200MPa以下とする必
要があることを見い出した。
【0024】また、マスクの位置歪みは、エッチングマ
スク層及びエッチング停止層の膜厚にも影響を受ける。
つまり、位置歪みに影響を及ぼす膜の力は、膜応力と膜
厚との積に依存するため、要求される応力は膜厚によっ
て変わってくる。したがって、高い位置精度を実現する
ためには、膜応力と膜厚との積を0〜±1×104dy
n/cmの範囲内とする必要があることを見い出した。
【0025】さらに、1Gbit−DRAM以降のX線
マスクでは、25mm角以上のパターンエリアにおい
て、要求される位置精度に抑えるためには、エッチング
マスク層、エッチング停止層の内部応力は、25mm角
以上のパターンエリアにおいて均一である必要がある。
これは、応力分布が不均一であれば、不均一な応力分布
によりパターン歪みが生じるためである。したがって、
不均一な応力分布に基づくパターン歪みをなくし、より
高い位置精度を実現するためには、X線マスクのパター
ンエリアに相当する領域内の任意の複数の点におけるエ
ッチングマスク層及びエッチング停止層の膜応力と膜厚
との積を0〜±1×104dyn/cmの範囲内とする
必要があることを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0026】なお、近年の測定装置技術の進歩に伴い、
応力測定精度も向上し、例えばNTTアドバンステクノ
ロジー(株)が開発した応力測定装置は、従来の基板の
曲率半径の測定を行って応力を測定する方法においても
高精度に応力分布が測定できるようになっている。ま
た、バルジ法と呼ばれる膜を自立化(メンブレン化)
し、そのメンブレンに差圧を加えそのときのメンブレン
の変形量を測定する方法においても応力分布が測定でき
ることを本発明者らは見い出した(T.Shoki et al,SPIE
1924,450(1993))。この両方の方法により基板内の応
力分布が正確に測定できるようになっている。
【0027】すなわち、本発明のX線マスクブランク
は、基板上に、X線透過膜を有し、該X線透過膜上にX
線吸収体膜を有するX線マスクブランクであって、前記
X線吸収体膜の上及び/又は下に、膜応力と膜厚との積
が、0〜±1×104dyn/cmである膜を設けた構
成としてある。
【0028】また、本発明のX線マスクブランクは、基
板上に、X線透過膜を有し、該X線透過膜上にX線吸収
体膜を有するX線マスクブランクであって、前記X線吸
収体膜の上及び/又は下に、予め定められた領域内の複
数の点における膜応力と膜厚との積が、0〜±1×10
4dyn/cmである膜を設けた構成としてある。
【0029】さらに、本発明のX線マスクブランクは、
上記本発明のX線マスクブランクにおいて、X線吸収体
膜の上の膜が、該X線吸収体膜のパターニングのための
マスク層として用いられるエッチングマスク層である構
成、X線吸収体膜の下の膜が、該X線吸収体膜のエッチ
ングに対して高い選択比を有するエッチング停止層であ
る構成、X線吸収体膜の膜応力と膜厚との積が、0〜±
5×103dyn/cmである構成、X線吸収体膜の予
め定められた領域内の複数の点における膜応力と膜厚と
の積が、0〜±5×103dyn/cmである構成、あ
るいは、X線吸収体膜が、高融点金属を主成分とする材
料からなり、X線吸収体膜の上及び/又は下の膜が、C
rを主成分とする材料からなる構成としてある。
【0030】また、本発明のX線マスクは、上記本発明
のX線マスクブランクのX線吸収体膜をパターニングす
ることによって製造された構成としてある。
【0031】さらに、本発明のパターン転写方法は、上
記本発明のX線マスクを用いて、被転写基板にパターン
転写を行う構成としてある。
【0032】
【作用】本発明では、エッチングマスク層及びエッチン
グ停止層の膜応力と膜厚との積を0〜±1×104dy
n/cmの範囲内としてあるので、応力による位置歪み
が少なく、極めて高い位置精度を有するX線マスクが得
られる。
【0033】特に、X線マスクのパターンエリアに相当
する領域内の任意の複数の点におけるエッチングマスク
層及びエッチング停止層の膜応力と膜厚との積を0〜±
1×104dyn/cmの範囲内とすることによって、
不均一な応力分布に基づくパターン歪みをなくし、より
高い位置精度を実現できる。
【0034】また、エッチングマスク層及びエッチング
停止層として、クロム単体ではなく、例えば、クロムを
主成分とする材料を選択することで、高いエッチング選
択比を保持したままで極めて低い応力を得ることが可能
となる。
【0035】さらに、エッチングマスク層及びエッチン
グ停止層の膜厚や膜組成を比較的狭い範囲内で最適化す
ることで、極めて高いパターン精度及び極めて高い位置
精度を有するX線マスクが得られる。
【0036】なお、本発明は、1Gbit−DRAM以
降のX線マスクの量産性に優れており、4Gbit−D
RAM(0.13μmライン&スペース以下のデザイン
ルール)以降のX線マスクの製造にも適している。
【0037】以下、本発明を詳細に説明する。
【0038】まず、本発明のX線マスクブランクについ
て説明する。
【0039】本発明のX線マスクブランクは、基板上
に、X線透過膜を有し、このX線透過膜上にX線吸収体
膜を有する。
【0040】ここで、基板としては、シリコン基板(シ
リコンウエハ)がよく用いられるが、これに限定され
ず、石英ガラスなどの公知の基板を用いることもでき
る。
【0041】X線透過膜としては、SiC、SiN、ダ
イヤモンド薄膜などが挙げられる。X線照射耐性等の観
点からはSiCが好ましい。X線透過膜の膜応力は、5
0〜400MPaであることが好ましい。X線透過膜の
膜厚は、1〜3μm程度であることが好ましい。
【0042】X線吸収体膜の膜応力は、10MPa以下
であることが好ましい。X線吸収体膜の膜厚は、0.3
〜0.8μm程度であることが好ましい。また、X線吸
収体膜の膜応力と膜厚との積は0〜±1×104dyn
/cmの範囲内であることが好ましく、0〜±5×10
3dyn/cmの範囲内であることがより好ましい。こ
れによって、不均一な応力分布に基づくパターン歪みを
なくし、高い位置精度の実現に寄与できる。X線吸収体
膜の材料は、特に制限されないが、Ta、W等の高融点
金属を主成分とする材料からなることが好ましい。
【0043】X線吸収体膜としては、例えば、TaとB
の化合物[例えばTa4B(Ta:B=8:2)や、T
4B以外の組成をもつホウ化タンタルなど]、金属T
a、Taを含むアモルファス材料、Taと他の物質を含
むTa系の材料や、金属W、Wと他の物質を含むW系の
材料等が挙げられ、これらのX線吸収体膜に対して、C
rを主成分とする材料からなるエッチングマスク層又は
エッチング停止層は有効である。
【0044】タンタルを主成分とするX線吸収体材料等
は、アモルファス構造あるいは微結晶構造を有すること
が好ましい。これは、結晶構造(金属構造)であるとサ
ブミクロンオーダーの微細加工が難しく、内部応力が大
きくX線マスクに歪みが生じるからである。
【0045】また、タンタルを主成分とするX線吸収体
材料は、Ta以外に少なくともBを含むことが好まし
い。これは、Ta及びBを含むX線吸収体膜は、内部応
力が小さく、高純度で不純物を含まず、X線吸収率が大
きい等の利点を有するからである。また、スパッタリン
グで成膜する際のガス圧を制御することで容易に内部応
力を制御できるからである。
【0046】Ta及びBを含むX線吸収体膜におけるB
の割合は、15〜25原子%とすることが好ましい。X
線吸収体膜におけるBの割合が上記範囲を超えると微結
晶の粒径が大きくなりサブミクロンオーダーの微細加工
が難しくなるからである。なお、X線吸収体膜における
Bの割合に関しては、本願出願人はすでに出願を行って
いる(特開平2−192116号公報)。
【0047】本発明のX線マスクブランクは、上記X線
吸収体膜の上及び/又は下に、膜応力と膜厚との積が0
〜±1×104dyn/cmの範囲内である膜を設けた
ことを特徴とする。
【0048】膜応力と膜厚との積が上記範囲を超える
と、応力による位置歪みが大きく、極めて高い位置精度
を有するX線マスクが得られない。
【0049】特に、X線マスクのパターンエリアに相当
する領域内の任意の複数の点におけるエッチングマスク
層及び/又はエッチング停止層の膜応力と膜厚との積を
0〜±1×104dyn/cmの範囲内とすることが好
ましい。これによって、不均一な応力分布に基づくパタ
ーン歪みをなくし、より高い位置精度を実現できる。
【0050】同様の観点から、膜応力と膜厚との積は、
0〜±8×103dyn/cmの範囲内であることが好
ましく、0〜±5×103dyn/cmの範囲内である
ことがより好ましい。
【0051】X線吸収体膜の上の膜としては、例えば、
X線吸収体膜のパターニングのためのマスク層として用
いられるエッチングマスク層が挙げられる。この場合、
膜厚は200〜2000オングストローム程度であるこ
とが好ましい。ただし、本発明ではX線吸収体膜の上の
膜はエッチングマスク層に限定されず、保護層、導電層
などの他の目的のために形成される膜も含まれる。応力
の観点からはこれらを区別する必要がないからである。
【0052】X線吸収体膜の下の膜としては、X線吸収
体膜のエッチングに対して高い選択比を有するエッチン
グ停止層が挙げられる。この場合、膜厚は100〜12
00オングストローム程度であることが好ましい。ただ
し、本発明ではX線吸収体膜の下の膜はエッチング停止
層に限定されず、密着層、反射防止層、導電層などの他
の目的のために形成される膜も含まれる。応力の観点か
らはこれらを区別する必要がないからである。
【0053】エッチングマスク層としては、例えば、X
線吸収体膜がTa系の場合、Crを主成分とする材料、
SiO2、Al23等を用いることができ、また、X線
吸収体膜がW系の場合は、Crを主成分とする材料、I
TO(インジウム-錫酸化物)、Ti等を用いることが
できる。エッチング停止層としては、例えば、X線吸収
体膜がTa系の場合は、Crを主成分とする材料、Al
23等を用いることができ、また、X線吸収体膜がW系
の場合は、Crを主成分とする材料、ITO等を用いる
ことができる。なお、SiO2、Al23、ITO等の
材料は、スパッタガス圧等の成膜条件を制御することに
より膜応力を制御することができ、Cr、Ti等の金属
結晶性材料に関しては、炭素、窒素、酸素等を含有する
ことにより膜応力の制御が可能である。
【0054】本発明では、X線吸収体膜の上及び/又は
下の膜の材料は、特に制限されない。
【0055】X線吸収体膜の上及び/又は下の膜として
は、例えば、Crを主成分とする材料(クロムと炭素を
含む材料など)を用いることができる。Crを主成分と
する材料は、Cr単体に比べ、高いエッチング選択比を
保持したままで極めて低い応力を得ることができ、ま
た、組成(スパッタガスの混合比)を微調整することで
膜応力の微妙な制御が可能である。
【0056】なお、応力は、スパッタガスの全圧、RF
パワー、スパッタ装置の種類に依存し、これらによって
も調節できる。
【0057】Crを主成分とする材料としては、クロム
以外に炭素、窒素、酸素等を含む材料(二元系以上)が
挙げられる。Crを主成分とする材料からなる膜には、
エッチング選択比や膜応力に影響を与えない範囲で、窒
素、酸素、炭素などさらに他の元素を含め(三元系以
上)、耐熱性、耐洗浄性等を改良することが可能であ
る。
【0058】クロムを主成分とする材料からなる膜は、
例えば、金属クロムをスパッタリングターゲットとし、
炭素、窒素又は酸素等を含むガスをスパッタガスに混合
して、スパッタリング法で形成できる。
【0059】スパッタリング法としては、例えば、RF
マグネトロンスパッタリング、DCスパッタリング、D
Cマグネトロンスパッタリングなどが挙げられる。
【0060】炭素を含むガスとしては、メタン、エタ
ン、プロパンなどの炭化水素系ガス等が挙げられる。
【0061】スパッタガスとしては、アルゴン、キセノ
ン、クリプトン、ヘリウムなどの不活性ガス等が挙げら
れる。
【0062】クロムを主成分とする材料からなるエッチ
ングマスク層の膜厚は、10〜100nm、好ましくは
10〜60nm、より好ましくは10〜50nmであ
る。
【0063】エッチングマスク層の膜厚を薄くすると、
垂直な側壁のエッチングマスクパターンが得られるとと
もにマイクロローディング効果の影響を低減できるの
で、エッチングマスクパターンをマスクとしてX線吸収
体材料層をドライエッチングする際のパターン変換差を
低減できる。
【0064】また、クロムを主成分とする材料からなる
エッチング停止層の膜厚は、5〜100nm、好ましく
は7〜50nm、より好ましくは10〜30nmであ
る。
【0065】エッチング停止層の膜厚を薄くすると、エ
ッチング時間が短くできるので、エッチング停止層を除
去する際のX線吸収体のエッチングによる形状変化を低
減できる。
【0066】本発明のX線マスクブランクの製造には、
従来より公知のX線マスクブランクの製造工程を適用で
きる。
【0067】また、本発明のX線マスクは、上述した本
発明のX線マスクブランクを用いてX線マスクを製造す
ることを特徴とするものであり、他の工程に関しては特
に制限されず、従来より公知のX線マスクの製造工程を
適用できる。
【0068】例えば、エッチングマスク層のパターニン
グには、レジスト(フォト、電子線)を用いたリソグラ
フィー法(レジスト塗布、露光、現像、エッチング、レ
ジスト剥離、洗浄など)、多層レジスト法、多層マスク
(金属膜/レジスト膜等)法などの公知のパターニング
技術が使用される。レジストを用いる場合にあっては、
レジストの膜厚は薄い方が好ましく、50〜1000n
m、好ましくは100〜300nmである。
【0069】また、クロムを主成分とする材料からなる
エッチングマスク層及びエッチング停止層等をドライエ
ッチングする際のエッチングガスとしては、塩素と酸素
の混合ガスを用いることが好ましい。
【0070】これは、エッチングガスである塩素に対し
て酸素を混入させた混合ガスによるエッチングを行うこ
とで、Taを主成分とする材料のエッチング速度(エッ
チングレート)を極端に低下させることができるので、
Taを主成分とする材料に対するCrを主成分とする材
料等のエッチング選択比(Crを主成分とする材料/T
aを主成分とする材料)を大きくすることが可能とな
り、塩素ガス単体によるエッチングの場合(エッチング
選択比は0.1)に比べ、相対エッチング速度を逆転す
ることが可能となるからである。
【0071】ドライエッチング(プラズマエッチング)
装置としては、ECR(Electron Cyclotron Resonanc
e)エッチング装置などの反応性イオンビームエッチン
グ(RIBE)装置、RIE(Reactive Ion Etching)
装置などの反応性イオンエッチング装置、イオンビーム
エッチング(IBE)装置、光エッチング装置等が使用
できる。
【0072】本発明のパターン転写方法は、上述した本
発明のX線マスクを用いて、被転写基板にパターン転写
を行うことを特徴とするものであり、他に関しては特に
制限されず、従来より公知のパターン転写技術を適用で
きる。
【0073】
【実施例】以下、実施例にもとづき本発明をさらに詳細
に説明する。
【0074】実施例1 図1は、本発明の一実施例に係るX線マスクブランクの
製造工程を示す断面図である。
【0075】まず、図1(a)に示すように、シリコン
基板11の両面に、X線透過膜12として炭化ケイ素膜
を成膜してX線マスクメンブレンを作製した。
【0076】なお、シリコン基板11としては、大きさ
3インチφ、厚さ2mmで結晶方位(100)の単結晶
シリコン基板を用いた。また、X線透過膜12である炭
化ケイ素膜は、ジクロロシランとアセチレンを用いてC
VD法により2μmの厚みに成膜して形成した。さら
に、機械研磨により膜表面の平坦化を行い、Ra=1n
m以下の表面粗さを得た。
【0077】次いで、図1(b)に示すように、X線透
過膜12上に、タンタル及びホウ素からなるX線吸収体
膜13を形成した。
【0078】なお、X線吸収体膜13は、タンタルとホ
ウ素とをそれらの原子比(Ta/B)が8/2となる範
囲で含有する化合物をスパッタリングターゲットとし、
アルゴンをスパッタリングガスとして、RFマグネトロ
ンスパッタリング法によって、0.5μm厚のTa-B
膜を作製した。その際のスパッタ条件は、RFパワー密
度:6.5W/cm2、スパッタガス圧:1.0Paと
した。
【0079】上記で得られたTa-B膜を、300℃で
アニールすることにより、25mm角エリアで±10M
Pa以下の均一な低応力膜を得た。
【0080】次に、図1(c)に示すように、X線吸収
体膜13上に、エッチングマスク層14として炭素を含
むクロム膜をRFマグネトロンスパッタリング法によっ
て、25mm角エリアで0.05μmの厚さに形成し
た。
【0081】なお、スパッタターゲットにはCrを用
い、スパッタ条件は、スパッタガスはArにメタンを7
%混合したガスを用い、RFパワー密度:6.5W/c
2、スパッタガス圧:1.2Paとして、±200M
Pa以下の低応力のエッチングマスク層を得た。
【0082】上記で得られたエッチングマスク層を構成
する膜の25mm角エリアでの膜応力と膜厚との積を求
めたところ、+4.0×103dyn/cm以下であっ
た。その際、応力分布は、NTTアドバンステクノロジ
ー(株)社製の高精度応力測定装置により、成膜前後の
シリコン基板の曲率半径を基板面内で256点の任意の
箇所で測定した。また、膜厚分布は、段差計(タリステ
ップ)を用いて測定した。
【0083】上記で得られたX線マスクブランクを用い
てX線マスクを作製し、位置歪みを座標測定機により評
価した結果、表1に示すように、1Gbit−DRAM
用のX線マスクに要求される22nm以下の位置歪みで
あり、高い位置精度が実現できることを確認した。
【0084】
【表1】
【0085】実施例2〜3 スパッタガスとしてArにメタンをそれぞれ8%(実施
例2)、9%(実施例3)混合したガスを用い、エッチ
ングマスク層を構成する膜の25mm角エリアでの膜応
力と膜厚との積を、それぞれ+1.0×103dyn/
cm以下(実施例2)、−7.5×103dyn/cm
以下(実施例3)としたこと以外は、実施例1と同様に
してX線マスクブランク及びX線マスクを作製し同様の
評価を行った。
【0086】その結果、表1に示すように、要求される
位置精度を満たすことを確認した。
【0087】比較例1〜2 表1に示すスパッタガスを用い、エッチングマスク層を
構成する膜の25mm角エリアでの膜応力と膜厚との積
を±1×104dyn/cmを超えるものとしたこと以
外は、実施例1と同様にしてX線マスクブランク及びX
線マスクを作製し同様の評価を行った。
【0088】その結果、表1に示すように、要求される
位置精度を満たさないことを確認した。
【0089】実施例4 実施例4に係るX線マスクブランクの製造工程を示す図
は実施例1と同様であるので図1を用いて説明する。
【0090】まず、図1(a)に示すように、シリコン
基板11の両面に、X線透過膜12として炭化ケイ素膜
を成膜してX線マスクメンブレンを作製した。
【0091】なお、シリコン基板11としては、大きさ
3インチφ、厚さ2mmで結晶方位(100)のシリコ
ン基板を用いた。また、X線透過膜12である炭化ケイ
素膜は、ジクロロシランとアセチレンを用いてCVD法
により2μmの厚みに成膜して形成した。さらに、機械
研磨により膜表面の平坦化を行い、Ra=1nm以下の
表面粗さを得た。
【0092】次いで、図1(b)に示すように、X線透
過膜12上に、タンタル及びホウ素からなるX線吸収体
膜13を形成した。
【0093】なお、X線吸収体膜13は、タンタルとホ
ウ素とをそれらの原子比(Ta/B)が8/2となる範
囲で含有する化合物をスパッタリングターゲットとし、
アルゴンをスパッタリングガスとして、RFマグネトロ
ンスパッタリング法によって、0.5μm厚のTa-B
膜を作製した。その際のスパッタ条件は、RFパワー密
度:6.5W/cm2、スパッタガス圧:1.0Paと
した。
【0094】上記で得られたTa-B膜を、300℃で
アニールすることにより、25mm角エリアで10MP
a以下の均一な低応力膜を得た。
【0095】次に、図1(c)に示すように、X線吸収
体膜13上に、エッチングマスク層14としてクロム炭
化物を含む膜クロム膜をRFマグネトロンスパッタリン
グ法によって、25mm角エリアで0.05μmの厚さ
に形成した。
【0096】なお、スパッタターゲットにはCrを用
い、スパッタガスはArにメタンを10%混合したガス
を用い、RFパワー密度:6.5W/cm2、スパッタ
ガス圧:1.2Paとして、25mm角エリアで最大−
400MPaの応力のエッチングマスク層を得た。この
膜は高温のアニールにより引っ張り方向へ応力変化する
特性を有するのでこれを利用して、この膜を250℃で
アニールすることにより25mm角エリアで−80MP
aの低応力膜を得た。
【0097】上記で得られたエッチングマスク層を構成
する膜の25mm角エリアでの膜応力と膜厚との積を求
めたところ、−4.0×103dyn/cm以下であっ
た。その際、応力分布は、NTTアドバンステクノロジ
ー(株)社製の高精度応力測定装置により、成膜前後の
シリコン基板の曲率半径を基板面内で256点の任意の
箇所で測定した。また、膜厚分布は、段差計(タリステ
ップ)を用いて測定した。
【0098】上記で得られたX線マスクブランクを用い
てX線マスクを作製し、位置歪みを座標測定機により評
価した結果、表1に示すように、1Gbit−DRAM
用のX線マスクに要求される22nm以下の位置歪みで
あり、高い位置精度が実現できることを確認した。
【0099】図2に実施例1〜3及び比較例1〜2にお
けるエッチングマスク層を構成する膜のスパッタガスの
混合比と膜応力との関係を示す。図2からスパッタガス
の混合比を微調整することで膜応力の微妙な制御が可能
であることがわかる。
【0100】実施例5 図3は、本発明の他の実施例に係るX線マスクブランク
の製造工程を示す断面図である。
【0101】まず、シリコン基板11の両面に、X線透
過膜(X線マスクメンブレン)12として炭化ケイ素膜
を成膜した(図3(a))。
【0102】なお、シリコン基板11としては、大きさ
3インチφ、厚さ2mmで結晶方位(100)のシリコ
ン基板を用いた。また、X線透過膜12である炭化ケイ
素膜は、ジクロロシランとアセチレンを用いてCVD法
により2μmの厚みに成膜した。さらに、機械研磨によ
り膜表面の平坦化を行い、Ra=1nm以下の表面粗さ
を得た。
【0103】次いで、X線透過膜12上に、エッチング
ストッパー層15としてクロムと炭素を含む膜をRFマ
グネトロンスパッタリング法によって0.02μmの厚
さで形成した(図3(b))。この結果、±500MP
a以下の低応力のエッチングストッパー層15を得た。
【0104】なお、スパッタターゲットにはCrを用
い、スパッタ条件は、スパッタガス:Arにメタンを8
%混合したガス、RFパワー密度:6.5W/cm2
スパッタガス圧:1.2Paとした。
【0105】次に、エッチングストッパー層15上に、
タンタル及びホウ素からなるX線吸収体膜13をRFマ
グネトロンスパッタリング法によって0.5μmの厚さ
で形成した(図3(c))。
【0106】なお、スパッタターゲットは、タンタルと
ホウ素を原子数比(Ta/B)で8/2の割合で含む焼
結体とした。スパッタ条件は、スパッタガス:Ar、R
Fパワー密度:6.5W/cm2、スパッタガス圧:
1.0Paとした。
【0107】続いて、上記基板を窒素雰囲気下で、25
0℃、2時間アニールを行い、10MPa以下の低応力
のX線吸収体膜13を得た。
【0108】上記で得られたX線マスクブランクを用い
てX線マスクを作製し、位置歪みを座標測定機により評
価した結果、1Gbit−DRAM用のX線マスクに要
求される22nm以下の位置歪みであり、高い位置精度
が実現できることを確認した。
【0109】実施例6 図4に本発明の他の実施例に係るX線マスクブランク製
造工程を示す。
【0110】まず、シリコン基板11の両面に、X線透
過膜(X線マスクメンブレン)12として炭化ケイ素膜
を成膜した(図4(a))。
【0111】なお、シリコン基板11としては、大きさ
3インチφ、厚さ2mmで結晶方位(100)のシリコ
ン基板を用いた。また、X線透過膜12である炭化ケイ
素膜は、ジクロロシランとアセチレンを用いてCVD法
により2μmの厚みに成膜した。さらに、機械研磨によ
り膜表面の平坦化を行い、Ra=1nm以下の表面粗さ
を得た。
【0112】次いで、X線透過膜12上に、エッチング
ストッパー層15としてクロムと炭素を含む膜をRFマ
グネトロンスパッタリング法によって0.02μmの厚
さで形成した(図4(b))。この結果、500MPa
以下の低応力のエッチングストッパー層15を得た。
【0113】なお、スパッタターゲットにはCrを用
い、スパッタ条件は、スパッタガス:Arにメタンを8
%混合したガス、RFパワー密度:6.5W/cm2
スパッタガス圧:1.2Paとした。
【0114】次に、エッチングストッパー層15上に、
タンタル及びホウ素からなるX線吸収体膜13をRFマ
グネトロンスパッタリング法によって0.5μmの厚さ
で形成した(図4(c))。
【0115】なお、スパッタターゲットは、タンタルと
ホウ素を原子数比(Ta/B)で8/2の割合で含む焼
結体とした。スパッタ条件は、スパッタガス:Ar、R
Fパワー密度:6.5W/cm2、スパッタガス圧:
1.0Paとした。
【0116】続いて、上記基板を窒素雰囲気下で、25
0℃、2時間アニールを行い、10MPa以下の低応力
のX線吸収体膜13を得た。
【0117】次に、X線吸収体膜13上に、エッチング
マスク層14としてクロムと炭素を含む膜をRFマグネ
トロンスパッタリング法によって0.05μmの厚さで
形成した(図4(d))。この結果、200MPa以下
の低応力のエッチングマスク層14を得た。
【0118】なお、スパッタターゲットにはCrを用
い、スパッタ条件は、スパッタガス:Arにメタンを1
0%混合したガス、RFパワー密度:6.5W/c
2、スパッタガス圧:0.6Paとした。
【0119】上記で得られたX線マスクブランクを用い
てX線マスクを作製し、位置歪みを座標測定機により評
価した結果、1Gbit−DRAM用のX線マスクに要
求される22nm以下の位置歪みであり、高い位置精度
が実現できることを確認した。
【0120】実施例6で得られたX線マスクのパターン
断面をSEM(Scanning ElectronMicroscope)によっ
て形状観察した結果、側壁が垂直に形成された極めて良
好(側壁の垂直性、側壁の表面状態、ラインの直線性
等)な0.18μmのL&SのX線吸収体パターンの形
成が確認された。また、エッチング停止層の除去に伴う
X線透過膜の膜減りについても同様に調べたが、X線透
過膜の膜減りは確認されなかった。
【0121】以上好ましい実施例をあげて本発明を説明
したが、本発明は必ずしも上記実施例に限定されるもの
ではない。
【0122】例えば、上記実施例ではRFマグネトロン
スパッタリング法を用いて成膜を行ったが、本発明はこ
れに限定されることはなく、一般に行われているDCマ
グネトロンスパッタリング法などのスパッタリング法を
用いてエッチングマスク層やエッチング停止層等の成膜
を行っても、同様の効果がある。
【0123】また、上記実施例ではスパッタガスとして
アルゴンとメタンの混合ガスを用いたが、本発明はこれ
に限定されることはなく、アルゴンの代わりに、キセノ
ン、クリプトン、ヘリウムなどの不活性ガスを使用で
き、メタンの代わりに、エタン、プロパンなどの炭化水
素系ガスを使用でき、同様の効果がある。
【0124】さらに、エッチングマスク層及びエッチン
グ停止層は、クロムと炭素以外に窒素や酸素を含むもの
としてもよい。
【0125】また、X線吸収体膜として、TaとBの化
合物(Ta:B=8:2)の代わりに、金属Ta、Ta
を含むアモルファス材料、Ta4B以外の組成をもつホ
ウ化タンタル等を用いてもよい。
【0126】さらに、X線マスクブランクの構造は図6
に示した態様のものに限定されず、X線透過膜形成後に
裏面中心部のシリコンをエッチング除去し、メンブレン
化したものを用いてもよい。
【0127】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、エッチ
ングマスク層及びエッチング停止層の膜応力と膜厚との
積を0〜±1×104dyn/cmの範囲内としてある
ので、応力による位置歪みが少なく、極めて高い位置精
度を有するX線マスクが得られる。
【0128】特に、X線マスクのパターンエリアに相当
する領域内の任意の複数の点におけるエッチングマスク
層及びエッチング停止層の膜応力と膜厚との積を0〜±
1×104dyn/cmの範囲内とすることによって、
不均一な応力分布に基づくパターン歪みをなくし、より
高い位置精度を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るX線マスクブランクの
製造工程を説明するための図である。
【図2】スパッタガスの混合比と膜応力との関係を示す
図である。
【図3】本発明の他の実施例に係るX線マスクブランク
の製造工程を説明するための図である。
【図4】本発明の他の実施例に係るX線マスクブランク
の製造工程を説明するための図である。
【図5】X線マスクの構造を説明するための断面図であ
る。
【図6】X線マスクブランクを説明するための図であ
る。
【符号の説明】
1 X線マスク 2 X線マスクブランク 11 シリコン基板 11a 支持基板(支持枠) 12 X線透過膜 13 X線吸収体膜 13a X線吸収体パターン 14 エッチングマスク層 15 エッチング停止層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、X線透過膜を有し、該X線透
    過膜上にX線吸収体膜を有するX線マスクブランクであ
    って、 前記X線吸収体膜の上及び/又は下に、膜応力と膜厚と
    の積が、0〜±1×104dyn/cmである膜を設け
    たことを特徴とするX線マスクブランク。
  2. 【請求項2】 基板上に、X線透過膜を有し、該X線透
    過膜上にX線吸収体膜を有するX線マスクブランクであ
    って、 前記X線吸収体膜の上及び/又は下に、予め定められた
    領域内の複数の点における膜応力と膜厚との積が、0〜
    ±1×104dyn/cmである膜を設けたことを特徴
    とするX線マスクブランク。
  3. 【請求項3】 X線吸収体膜の上の膜が、該X線吸収体
    膜のパターニングのためのマスク層として用いられるエ
    ッチングマスク層であることを特徴とする請求項1又は
    2に記載のX線マスクブランク。
  4. 【請求項4】 X線吸収体膜の下の膜が、該X線吸収体
    膜のエッチングに対して高い選択比を有するエッチング
    停止層であることを特徴とする請求項1〜3から選ばれ
    る一項に記載のX線マスクブランク。
  5. 【請求項5】 X線吸収体膜の膜応力と膜厚との積が、
    0〜±5×103dyn/cmであることを特徴とする
    請求項1〜4から選ばれる一項に記載のX線マスクブラ
    ンク。
  6. 【請求項6】 X線吸収体膜の予め定められた領域内の
    複数の点における膜応力と膜厚との積が、0〜±5×1
    3dyn/cmであることを特徴とする請求項1〜4
    から選ばれる一項に記載のX線マスクブランク。
  7. 【請求項7】 X線吸収体膜が、高融点金属を主成分と
    する材料からなり、X線吸収体膜の上及び/又は下の膜
    が、Crを主成分とする材料からなることを特徴とする
    請求項1〜6から選ばれる一項に記載のX線マスクブラ
    ンク。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載のX線マ
    スクブランクのX線吸収体膜をパターニングすることに
    よって製造されたことを特徴とするX線マスク。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載のX線マスクを用いて、
    被転写基板にパターン転写を行うことを特徴とするパタ
    ーン転写方法。
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