JP3023684B2 - X線マスクの製造方法 - Google Patents

X線マスクの製造方法

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JP3023684B2
JP3023684B2 JP1922090A JP1922090A JP3023684B2 JP 3023684 B2 JP3023684 B2 JP 3023684B2 JP 1922090 A JP1922090 A JP 1922090A JP 1922090 A JP1922090 A JP 1922090A JP 3023684 B2 JP3023684 B2 JP 3023684B2
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、X線リソグラフィーに用いるX線マスクの
製造方法に関するもので、詳しくは、X線マスクの構造
要素であるX線透過膜を備えたX線マスクの製造方法に
関するものである。
[従来の技術] 近年、半導体技術の進歩と共に、超LSI等の半導体装
置の高集積化がめざましい。この様な背景に伴い、在来
のフォト・リソグラフィー法の転写限界を越えた、より
高精度の微細パターンを半導体ウェハー上に転写させる
ために、より波長の短いX線を露光用電磁波として用い
る、X線リソグラフィー法が試みられている。
このX線リソグラフィー法に使用するX線マスクは、
通常、基板等の上に形成されるX線透過膜と、該X線透
過膜上に形成されるX線吸収膜とを具備した構成を有し
ている。更に、X線マスクは、前記X線透過膜が単層の
ものと、多層のものとに分類することができる。
前記X線透過膜は、膜特性(物性)として、大きなX
線透過率を具備する必要がある他、以下に示す条件を満
足することが要求されている。
(1)内部応力が弱い(小さい)引っ張り応力となるこ
と。
(2)露光時のX線照射に対して物性が変化しない様に
X線照射耐性を有すること。
(3)膜表面が所定の平坦度を有すること。
(4)耐薬品性に優れていること、即ち、化学的安定性
を有すること。
(5)高い可視光線透過率を有すること。
(6)機械的強度に優れていること。
尚、上記平坦度は、一般には、膜上の微視的な粗さを
あらわす表面粗さによってあらわすことができる。
一方、前記X線吸収膜は、膜特性として、大きなX線
吸収率を具備しなければならないことは言うまでもない
が、その他にも、以下に示す条件を満足することが要求
されている。
(1)弱い(小さい)内部応力を有していること。
(2)微細パターン形成に適した膜構成(例えばアモル
ファス構造あるいは微結晶構造)であること。
(3)膜表面が所定の平坦度を有すること。
(4)耐薬品性に優れていること、即ち、化学的安定性
を有すること。
(5)熱安定性に優れていること。
(6)機械的強度に優れていること。
さて、X線マスクを製造する場合には、まず、シリコ
ン等の基板上に前記X線透過膜を形成し、次いで、その
上にX線吸収膜を形成するが、従来では、それぞれの膜
の形成に、次に示す方法を採用していた。
まず、先に列挙した条件を全て満たす膜特性を得るべ
く、X線透過膜およびX線吸収膜のそれぞれの膜ごと
に、膜形成に係わる各種の条件(以下、成膜条件と呼
ぶ)を選定する。
そして、次には、この選定した条件に従って、まず、
X線透過膜を形成し、次いで、その上にX線吸収膜を形
成する。
ここに、前記成膜条件の選定とは、膜の材料の選定、
成膜法の選定、成膜時の雰囲気条件(選定した成膜法に
よって膜形成する場合の形成温度、形成圧力、RF電力な
どの条件を指す)の選定を意味している。
また、選定の対象となる膜の材料は、X線透過膜で
は、炭化珪素(SiCx)、窒化珪素(SiNx)、窒化ホウ素
(BN)、珪素(Si)等がある。
その中でも、炭化珪素(SiCx)はX線を照射した際
に、内部応力や透過率等の膜特性が変化せず、所謂、X
線照射耐性に優れており、また、ヤング率が高くて、X
線吸収膜を付けパターン化した際に生じる面内歪を低く
できる。従って、炭化珪素(SiCx)はX線透過膜材料と
して特に優れている。
一方、X線吸収膜の材料としては、金(Au)、タンタ
ル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、もし
くは、これらの金属と非金属元素から構成される合金、
例えば、窒化タンタル(TaNx)、窒化タングステン(WN
x)、酸化タンタル(TaOx)、酸化タングステン(WOx)
等が有効である。
また、選定の対象となる成膜法は、X線透過膜の場合
では、減圧CVD法、プラズマCVD法、スパッタ法などを用
いることができ、一方、X線吸収膜の場合には、主にス
パッタ法を用いる。
[発明が解決しようとする課題] しかし、X線透過膜として、優れた材料である炭化珪
素を使用した場合でも、X線マスクを従来の製造方法に
よって製造すると、前述の各成膜条件の選定が困難を極
め、しかも、前述した全ての膜特性を混合するX線透過
膜を得ることは、非常に困難である。
これは、膜特性として要求される条件が多いため、一
つの膜特性を良好な状態で得るために選定した成膜条件
が、他の膜特性の適正化に対する条件選定の自由度を拘
束してしまうからである。
例えば、X線透過膜の内部応力は、X線マスクX面内
の寸法安定性を高めることなどから、上述した説明の様
に、弱い引っ張り応力とすることが要求されている。こ
のような内部応力は、理論的には、上記した成膜法にお
ける雰囲気条件である形成圧力、形成温度、RF電力等の
条件を選定することによって、適正値とすることが可能
である。
しかし、要求される内部応力の適正値は、2〜8×10
8dyn/cm2と非常に小さな範囲になるため、各雰囲気条件
の許容範囲が非常に狭くなり、該雰囲気条件の調整によ
って、内部応力以外の膜特性も適正化しようとすると、
いきおい、条件の選定が困難になり、例えば、膜表面の
平坦度に関する膜特性が低下するといった不都合が起こ
り得るのである。
ところが、最近、本発明者等の研究によれば、X線透
過膜における膜表面の平坦度が、X線吸収膜の膜特性に
深く係わっていて、内部応力の適正化に劣らず非常に重
要な特性であることが解明された。
例えば、X線透過膜の膜表面の平坦度で良好でない
と、その上に形成されるX線吸収膜の膜構造がアモルフ
ァス構造あるいは微結晶構造になる筈であったもので
も、結晶粒径の大きな結晶になっていまい、高精度の微
細パターンの形成が不可能になってしまうのである。
更に、X線吸収膜は、内部応力として1×108dyn/cm2
以内の弱い内部応力を保有させる必要があるが、最近の
本発明者等の研究によれば、膜表面の平坦度が良好な場
合には、成膜条件を選定することにより、1×108dyn/c
m2以内の弱い内部応力を容易に得ることができるが、膜
表面の平坦度が良好でない場合には、アモルファス構造
或いは微結晶構造になる筈であったX線吸収膜が結晶粒
径の大きさ結晶になってしまうという結晶状態の変化を
考慮して、成膜条件を設定しなければならず、1×108d
yn/cm2以内の弱い内部応力を得るための成膜条件の選定
が困難であることが解明された。
尚、X線透過膜の表面の平坦度が確保されていなけれ
ば、それを下地とするX線吸収膜における膜表面の平坦
度も悪化することは言うまでもない。即ち、本発明等の
研究によれば、微細加工に好適なX線マスクを得るに
は、従来法における成膜条件の設定の困難性等を克服し
て、X線透過膜の膜表面の平坦度をも満足させること
が、不可欠であることが判明した。
本発明は、前述の従来法による問題点と、本発明者等
の研究によって新たに解明された事実に基づいて、鋭
意、研究を重ねた結果なされたもので、その目的とする
ところは、X線マスクを構成するX線透過膜やX線吸収
膜を形成する場合に、従来法と比較して、それぞれの膜
に要求される、各種の膜特性を確保するための成膜条件
の選定を容易にすることができ、しかも、重要な膜特性
である膜表面の平坦度をも確保することができる。
その結果、微細加工が要求されるX線マスクの品質の
向上と、生産性の向上をはかることができるX線マスク
を製造することができる。
[課題を解決するための手段] ここで、膜表面の平坦度は、表面粗さによってあらわ
すことができる。このことを考慮して、本発明では、基
板と、該基板上に形成されたX線透過膜と、該X線透過
膜上に形成されたX線吸収膜とを備えたX線マスクブラ
ンクにおいて、前記X線透過膜の表面は、十点平均粗さ
で300オングストローム以下の表面粗さを有し、且つ、
前記X線吸収膜は、前記X線透過膜の表面粗さによって
定まる微細パターン形成に適した膜構造、即ち、アモル
ファス構造又は微結晶構造を有しているX線マスクブラ
ンクが得られる。
更に、本発明によれば、上記したX線マスクブランク
をパターニングすることによって形成されたX線マスク
が得られる。
ここで、X線透過膜の表面を十点平均粗さで300オン
グストローム以下にする理由は、300オングストローム
以下とすることにより、その上に形成するX線吸収膜の
結晶状態をアモルファス構造又は微結晶構造に維持する
ことができ、X線吸収膜における結晶粒径が大きな結晶
になってしまうことを防止するためである。この結果と
して、X線吸収膜の成膜条件として、弱い内部応力を得
るための成膜条件を容易に選定できる。
X線透過膜の表面粗さは、十点平均粗さで100オング
ストロームにすることが更に好ましい。
また、前記X線透過膜としては、X線透過材料として
優れている炭化珪素(SiCx)や窒化珪素(SiNx)が好ま
しい。他方、X線吸収膜としては、アモルファス構造又
は微結晶構造を有するホウ化タンタルが好ましい。
更に、本発明によれば、基板上に、予め定められた成
膜条件の下で、X線透過膜として必要な膜特性を備えた
X線透過材料の膜を成膜する工程と、前記X線透過材料
の膜の表面に平坦化処理を施し、所定の表面粗さを有す
る前記X線透過膜を形成する工程と、前記X線透過膜上
に、前記X線透過膜の表面粗さによって定まるアモルフ
ァス構造又は微結晶構造の膜構造を備えた前記X線吸収
膜を形成する工程とを有するX線マスクブランクの製造
方法が得られる。
[作用] 本発明のX線マスクブランクは、X線透過膜を、表面
粗さが十点平均粗さで300オングストローム以下とする
ことによって、その上に形成するアモルファス構造又は
微結晶構造のX線吸収膜の結晶状態を維持することがで
きる。さらに、X線透過膜を炭化珪素で形成した場合、
X線照射耐性に優れ、且つ、面内歪みの少ないものとす
ることができる。
また、本発明のX線マスクブランクの製造方法によれ
ば、前記X線透過膜を形成する際に、まず、選択された
膜特性を得るべく、成膜条件を設定して膜の形成を行
い、次いで、形成した膜の表面に平坦化処理を施すこと
によって、前記成膜条件を設定して形成された膜が有す
る前記膜特性に更に膜表面の表面粗さを付加した膜を得
ている。
このため、膜表面の平坦度は、膜形成後の平坦化処理
によって確保できるため、成膜条件の選定の際に考慮し
なくてもよい。
従って、従来法を利用した場合と比較して、成膜条件
の選定によって確保しなければならない膜特性を一つ減
らすことができ、その分、膜特性の適正化に対する各成
膜条件の選定の自由度が高められて、成膜条件の選定が
容易になる。
また、膜表面の平坦化は、例えば、エッチバック法等
を利用することができ、従来法と比較して、膜表面の平
坦度の適正化が容易にできる。
更に、X線透過膜を成膜後、これに平坦化処理を施
し、その後、該X線透過膜上に、アモルファス構造又は
微結晶構造の膜構造を備えたX線吸収膜を形成する様に
すれば、前記X線吸収膜の形成に際して、既に下地であ
るX線透過膜の膜表面に良好な平坦度が確保されている
ため、X線吸収膜の膜表面の平坦度を確保することがで
き、また、結晶状態で結晶粒径の大きな結晶になってし
まうことを防止できるため、所望の内部応力を得るため
の成膜条件のみを考慮して成膜条件を設定することがで
き、その結果、微細加工が要求されるX線マスクの品質
の向上と、生産性の向上とを達成することが可能とな
る。
[実施例1] (1)第1実施例 本実施例は、X線透過膜の成膜材料として、炭化珪素
(SiCX)を使用し、且つ、単層膜によって形成される前
記X線透過膜を、シリコン基板上に被着させる場合につ
いて第1図により説明する。
まず、第1図(A)に示す様に結晶方位(100)のシ
リコン基板11の両面にX線透過膜12a、12bを形成する。
これらのX線透過膜12a、12bの材料は、前述した様に炭
化珪素(SiCX)であり、また成膜法としては、減圧CVD
法を選定したものについて説明する。この成膜法からも
明らかな通り、X線透過膜12a、12bは複数ガスラインか
ら、ガスを導入できる反応容器内で成膜される。
ここで、X線透過膜12a、12bは成膜の際、反応ガスと
してジクロロシランとアセチレンを用い、キャリアガス
として水素を用いて成膜され、その膜厚は2μmであ
る。ジクロロシランは、標準状態で200cc/分、アセチレ
ンは標準状態で30cc/分、水素は標準状態で2000cc/分
で、それぞれ異なるガスラインから反応容器内に導入さ
れる。この時の各雰囲気条件を挙げると、反応ガス圧力
(即ち、形成圧力)は10Torrに保持され、反応容器加熱
温度(即ち、形成温度)は1000℃であった。
以上の成膜条件の設定は、種々の膜特性の中から、内
部応力、可視光線透過率、化学的安定性を考慮して設定
されたものである。
この様にして形成したX線透過膜12a、12bは内部応力
が10x108dy/cm2の引っ張り応力、波長633nmの光に対す
る透過率40%となる様な膜特性を有すると共に、化学的
安定性は100℃、50wt%NaOH溶液にたいして全く侵され
ない耐アルカリ性を示している。
膜表面の状態に関しては、走査型電子顕微鏡で膜表面
の観察をおこなった。この観察の結果、半球状の凸部が
散在している状態であることが判明した。また、減圧CV
D装置や反応ガスラインの内部の汚染、反応ガスの劣
化、前述の雰囲気条件の設定値の微妙な変化等によって
は、X線透過膜12a、12bにおける膜表面の状態は、さら
に悪化することが確認された。
次に、第1図(B)に示す様に、シリコン基板11の背
面に位置するX線透過膜12aを反応性イオンエッチング
によって中心部をエッチングし、膜12aの周辺部分のみ
を残したリング状の膜12cを形成する。
この場合、反応性イオン・エッチングにおけるエッチ
ングガスとしては、弗素系ガスであるCF4ガスと酸素ガ
スの混合ガスを使用し、また、エッチング条件は、CF4
ガスの流量を標準状態で30cc/分、酸素ガスの流量を標
準状態で10cc/分、エッチング中のガス圧力を4Pa、PRパ
ワー0.49W/cmに設定して行った。上記したエッチング条
件におけるX線透過膜12aのエッチング速度は、420オン
グストローム/分であった。
次に、リング状にした膜12cをマスクとして、シリコ
ン基板11の中心部をウエット・エッチングによりエッチ
ングし、第1図(C)に示す様にシリコン基板11の周辺
部分11aのみを残した状態にする。
この時のウエット・エッチングは、前記リング状の膜
12cをマスクとして活用し、80〜100℃に加熱した10〜50
wt%NaOH水溶液に浸漬することにより行なった。
次いで、第1図(D)、(E)に示す様に、シリコン
基板11の表面側に位置したX線透過膜12bの膜表面に平
坦化処理を施す。この処理は、所謂、エッチバック法を
利用したものである。
ここで、エッチバック法とは、既に形成済みの膜の表
面を平坦化する技術の一つで、まず、平坦化したい膜
(被平坦膜)の上に処理膜を塗布する。この処理膜は、
塗布の際に、スピンコート法を使うなどにより、その膜
面を予め平坦化されている。続いて、このエッチ・バッ
ク法においては、プラズマ・エッチング、反応性イオン
エッチング、反応性イオンビーム・エッチング等によっ
て、前記処理膜の表面から、順次、エッチングを進行さ
せて、処理膜と接触している被平坦化膜の表面の凸凹を
エッチングにより除去する。
このエッチバック法では、前記処理膜と被平坦化膜と
のエッチング速度を同一にするエッチング条件の設定が
重要なポイントになるが、他の平坦化技術と比較する
と、プロセスが、比較的簡単であること、現用の技術、
設備で実現できるという利点がある。
エッチ・バック法において使用される処理膜として
は、市販のレジストをスピンコートしたレジスト膜でも
良いが、スパッタ法,CVD法等によって形成する、無機膜
あるいは有機膜を使用しても良い。
この実施例の場合では、SiO2系被膜形成用塗布液OCD
[東京応化工業(株)社製品]を使って、第1図(D)
に示す様に処理膜14を形成する。
この処理膜14は、スピンコート法によってX線透過膜
12bの上に塗布した後、N2ガス雰囲気中で、まず、150℃
で3分間、焼成を行ない、その後、さらに、350℃で1
時間焼成を行なったもので、スピンコート法を使うこと
によって、同時に処理膜14の表面の平坦化も達成してい
る。処理膜145の膜厚は約4500オングストロームであ
る。
そして、第1図(D)に示す様に、処理膜14の塗布が
完了すると、反応性イオンエッチングを用いて、処理膜
14の表面をエッチングする。
この時の反応性イオンエッチングにおけるエッチング
ガスとしては、四塩化炭素ガスと、酸素ガスとの混合ガ
スを使用する。
また、エッチング条件を挙げると、四塩化炭素ガスの
流量は標準状態で26cc/分、酸素ガスの流量は標準状態
で4cc/分、エッチング中のガス圧力は3Pa、RFパワーは
0.32W/cm2、エッチング速度は、共に490オングストロー
ム/分であった。
このエッチングは、処理膜14の表面全域にわたって均
一に行ない、第1図(E)に示す様に、X線透過膜12b
の表面上から、処理膜14が全て除去されるまで行なう。
処理膜14が全てエッチングによって除去されれば、平
坦化処理は完了し、平坦化処理されたX線透過膜12dが
形成される。
平坦化処理が終了して第1図(E)の状態が得られた
時、本発明者等は、膜12dに関して、走査型電子顕微鏡
で膜表面の観察を行なった。
この結果、第1図(A)の場合と異なり、膜表面の全
域にわたって半球状の凸凹が消滅しており、極めて良好
な平坦度を有していることが確認された。
また、エッチバックの前後において、膜12b,12dの表
面粗さを触針法で調べたところ、エッチバック前は、十
点平均粗さ(Rz)で500オングストロームであったもの
が、エッチバック後においては、50オングストロームに
改善されていた。
次に、第1図(F)に示す様に、エッチバック法で平
坦化したX線透過膜12dの上に、X線吸収膜15を形成し
て、X線マスクブランクを形成する。このX線吸収膜15
は、タンタルとホウ素とを膜材料に含めたもので、成膜
としてはRFマグネトロン・スパッタ法を利用して行っ
た。この膜15の膜厚は0.6μmであった。
また、上述したスパッタ法においては、スパッタ・タ
ーゲットとして、タンタルとホウ素を含むターゲットを
使用し、スパッタ・ガスはアルゴン・ガスを使用した。
この場合、ターゲットのタンタルとホウ素の組成比を
様々に変化させても、同様の結果が得られているので、
以下、タンタルとホウ素の組成比が4:1の場合のX線吸
収膜をホウ化タンタル膜と呼ぶ。
ホウ化タンタル膜によって形成されたX線吸収膜15を
形成する場合の雰囲気条件として、アルゴン・ガスの流
量を標準状態で51cc/分、膜形成中のガス圧力を1.9Pa、
RFパワーを8.64W/cm2に選定した。
さて、以上の成膜条件において、ホウ化タンタル膜を
平滑表面(例えば、鏡面研磨仕上げのシリコン基板)の
上に形成した場合、ホウ化タンタル膜は、微細パターン
形成に適したアモルフアス構造となり、内部応力はX線
吸収膜に要求される1x108dyn/cm2以内という弱い内部応
力を保有していることを、既に本発明者は確認してい
る。
一方、本実施例におけるX線吸収膜15の膜特性を調べ
ると、同様に、膜構造がアモルフアス構造であり、内部
応力が0〜1×108dyn/cm2という良好な特性が得られて
おり、また、該吸収膜15の膜表面も、平坦化処理を済ま
せたX線透過膜12dの場合と同様の、優れた平坦度特性
を有することが確認された。
次に、第1図(G)に示す様に、良好な膜特性を有す
るX線吸収膜15に、反応性イオンビーム・エッチングを
行なって、X線吸収膜15によるパターン15aを形成すれ
ば、第1実施例の製造方法における全工程が完了する。
この場合、反応性イオンビーム・エッチングは、レジ
ストパターンをマスクとして、塩素ガスを用いて行な
う。このX線マスクを使って微細加工をおこなったとこ
ろ、0.25μm以下のパターンを形成することができた。
以上の製造方法によれば、X線透過膜12dおよびX線
吸収膜15を形成する場合に、従来法と比較して、要求さ
れる膜特性を得るための成膜条件の選定が容易になる。
しかも、膜表面の平坦化は、前述のエッチバック法を
利用することによって、容易に済ませることができ、内
部応力や膜表面の平坦度の適正化が容易で、この他にも
要求される各種の特性を有する膜を比較的容易に得るこ
とができる。
更に、X線透過膜12bにエッチバック法による平坦化
処理を施し、平坦化された膜12dを形成することによっ
て、その上に形成するX線吸収膜15の膜特性の確保が、
より一層容易になり、結果的に、X線マスクの品質の向
上と、生産性の向上が可能となる。
尚、前述の平坦化処理の効果を確認するために、第1
図(c)の処理が済んだら、直ぐに、第2図に示す様
に、X線吸収膜15の形成をおこなった。この場合、X線
吸収膜15の成膜条件は第1図(F)の場合と同様とし
た。ところが、形成されたX線吸収膜15は、膜構造や内
部応力が不良で、更に膜表面の平坦度も良好なものでは
なかった。例えば、膜構造は結晶粒径の大きな柱状構造
の多結晶になっており、微細パターンの形成に適したア
モルフアス構造あるいは微結晶構造になっていなかっ
た。
更に、同じ成膜条件で形成したにも拘らず、X線吸収
膜15は、エッチバックした膜12dの上に形成した場合の
1×108dyn/cm2以内という小さな内部応力にはならず、
10×108dyn/cm2という大きな引っ張り応力を有してい
た。尚、上述の実施例では、膜を平坦化する方法とし
て、エッチバック法を示したが、これ以外の公知の平坦
化技術を利用しても良い。
また、上述の実施例における第1図(B)の工程およ
び第1図(C)における裏面の膜をエッチングする工程
は、平坦化処理を終了した後に行なう様にしても良い。
(2)第2実施例 本実施例はX線透過膜の材料として、窒珪素(SiNX
使用し、且つ、前記X線透過膜は、シリコン基板上に単
層膜として形成される場合について説明する。この場
合、成膜工程については、第1実施例と同一であるた
め、第1図を適宜参照して、成膜および雰囲気の条件、
膜の特性等を重点的に説明する。窒化珪素(SiNX)によ
って形成されたX線透過膜は2μmの膜厚を有してお
り、成膜に際して使用した反応ガスは、ジクロロシラン
とアンモニアである。ジクロロシランは標準状態で160c
c/分、アンモニアは標準状態で40cc/分で、それぞれ異
なるガスラインから導入する。この時、反応ガス圧力は
0.17Torr、反応容器の加熱温度は880℃となる様な雰囲
気条件のもとで、窒化珪素(SiNX)からなるX線透過膜
が形成された。
この様にして形成されたX線透過膜は、内部応力が6x
108dyn/cm2の引っ張り応力、可視光線透過率が70〜90
%、機械的強度がウインドウ・サイズ10mm2に対し、静
水圧強度で0.50kg/cm2、化学的安定性が100℃、50wt%N
aOH溶液に対して、全く侵されない耐アルカリ性を有し
ており、膜表面の平坦度以外の膜特性は、全て良好な結
果が得られた。
次に、シリコン基板の背面に形成された前記X線透過
膜の周辺部分をリング状に残し、中心部をエッチングす
る工程(第1図・B)のエッチング条件は、エッチング
・ガスに弗素系ガス(CF4)を使用し、弗素ガスの流量
を標準状態で80cc/分、エッチング中のガス圧力を4Pa,R
Fパワーを0.49w/cm2に設定する。
また、このエッチング条件における前記X線透過膜の
エッチング速度は640オングストローム/分である。
次に、シリコン基板11は先に述ぺた様にウエットエッ
チングによりエッチングされる。更に、前記X線透過膜
の表面に、平坦化処理を施すために、シリコン系のレジ
ストを表面処理膜として塗布するが、この膜厚は約3000
オングストロームである。
前記表面処理膜の塗布完了後、反応性イオンエッチン
グを用いて、エッチングを行うが、本実施例では弗素系
のCF4ガスを使用した。、エッチング条件として、CF4
スの流量を標準状態で40cc/分、エッチング中のガス圧
力を2Pa、RFパワーを0.65W/cm2に設定してエッチングを
おこなった。
尚、エッチング条件における前記表面処理膜および前
記X線透過膜のエッチング速度は、共に40Oオングスト
ローム/分であつた。
次に、エッチバツグの前後における、前記X線透過膜
の表面粗さを触針法で調ぺたところ、エッチバック前は
十点平均粗さ(Rz)で1000オングストロームであったも
のが、エッチバック後は、50オングストロームに改善さ
れていた。以後、第1実施例の場合と同様に、X線吸収
膜15を被着して、X線マスクブランクを形成した後、反
応性イオンビームエッチングを行なって、X線吸収膜15
によるパターン15aを形成する。
この実施例でも、第1実施例と同様に、所望の内部応
力および平坦度を有するX線透過膜およびX線吸収膜を
備えたX線マスクが得られた。
(3)第3実施例 本発明に係るX線マスクの製造方法は、第1実施例及
び第2実施例で述べた様に、X線透過膜が単層膜である
場合に限らず、X線透過膜が多層膜の場合にも適用でき
る。
第3実施例において、前記X線透過膜の多層膜の構造
としては、窒化珪素/炭化珪素/窒化珪素、酸化珪素/
炭化珪素/酸化珪素等をサンドイッチ状に積層したもの
が知られているが、本例では、酸化珪素/炭化珪素/酸
化珪素型の多層X線透過膜を備えたX線マスクを製造す
る場合を第3図を参照して説明する。
まず、第3図(A)に示す様に、結晶方位(100)の
シリコン基板21の両面に、X線透過膜として、炭化珪素
(SiCX)膜22a、22bを減圧CVD法により成膜する。
また、これら炭化珪素膜22a、22bの膜厚は2μmであ
り、成膜に際して使用した反応ガスはジクロロシランと
アセチレンであり、キャリアガスは水素である。
ジクロロシランは標準状態で200cc/分で、アセチレン
は標準状態で30cc/分、水素は標準状態で2000cc/分で、
それぞれ異なるガスラインから反応容器内に導入され
る。この時の各雰囲気条件としては、反応ガス圧力(即
ち、形成圧力)が10Torr、反応容器の加熱温度(即ち、
形成温度度)が1000℃である。
以上の成膜条件は、X線透過膜に要求される多数の膜
特性の中、膜表面の平坦度は度外視して、それ以外の膜
特性を得るために、選定した条件である。
次に、第3図(B)に示す様に、シリコン基板21上の
一方の膜22bについて、エッチバック法による平坦化処
理を施す。
エッチバックに使う処理膜24には、酸化珪素系の被膜
形成用塗布液OCD[東京応化工業(株)社製品]を使
う。この処理膜24は、スピンコート法によって膜22bの
上に塗布した後、窒素ガスの雰囲気中で、まず、150℃
で3分間の焼成を行ない、その後、さらに350℃で1時
間の焼成を行なったもので、スピンコート法を使うこと
によって、同時に処理膜24の表面の平坦化も達成してい
る。処理膜24の膜厚は約4500オングストロームである。
そして、処理膜24の塗布が完了したら、反応性イオン
エッチングを用いて、処理膜24の表面をエッチングし、
第3図(C)に示す様に、平坦な膜表面を有するX線透
過膜22dを確保する。この時の、反応性イオンエッチン
グにおけるエッチングガスとしては、四塩化炭素と酸素
の混合ガスを用いる。
また、エッチング条件は、四塩化炭素ガスの流量を標
準状態で26cc/分、酸素ガスの流量を標準状態で4cc/
分、エッチング中のガス圧力を3Pa、RFパワーを0.32W/c
m2に設定する。また、このエッチング条件における処理
膜24および膜22bのエッチング速度は、共に490オングス
トローム/分である。
次に、第3図(D)に示す様に、エッチバック法で平
坦化した膜表面を有するX線透過膜22dの上に、X線透
過膜として酸化珪素膜23を形成する。この膜23は、1100
オングストロームの膜厚で、RFマグネトロン・スパッタ
法によって形成する。また、このスパッタ法において
は、スパッタ・ターゲットは酸化珪素ターゲットを使用
し、スパッタ・ガスはアルゴンガスを使用する。
この時の、雰囲気条件は、アルゴンガスの流量を標準
状態で45cc/分、膜形成中のガス圧力を0.73Pa、RFパワ
ーを3.29W/cm2に設定する。この様な成膜条件で形成し
た酸化珪素膜23は、内部応力として、1×108dyn/cm2
いう弱い引っ張り応力を有し、しかも、この膜23は、膜
表面の平坦度が良好なため、さらにエッチバック法によ
る平坦化処理を行なう必要がない。
次に、第3図(E)に示す様に、シリコン基板21の背
面に位置する炭化珪素膜22aについては、反応性イオン
エッチングによって中心部をエッチングし、膜22aの周
辺部分22cのみを残した状態にする。この時の反応性イ
オンエッチングにおけるエッチングガスには、弗素系ガ
スであるCF4ガスと酸素ガスとの混合ガスを使用する。
また、エッチング条件は、CF4ガスの流量を標準状態
で30cc/分、酸素ガス流量を標準状態で10cc/分、エッチ
ング中のガス圧力を4Pa、RFパワーを0.49W/cm2に設定し
てエツチングを行なう。この場合のエッチング条件にお
ける膜22aのエッチング速度は、420オングストローム/
分である。
次に、第3図(F)に示す様に、前記周辺部分22Cを
マスクとして、シリコン基板21の中心部をウェットエッ
チングによりエッチングし、シリコン基板の周辺部分21
aのみを残した状態にする。
この時のウェットエッチングは、前記周辺部分22bを
マスクとして活用し、80〜100℃に加熱した10〜50wt%N
aOH水溶液に浸漬することにより行なう。
次に、第3図(G)に示す様に、炭化珪素膜22dの裏
面およぴ22cの表面に膜厚1100オングストロームの酸化
珪素膜23aを形成する。この酸化珪素膜23aはRFマグネト
ロン・スパッタ法によって形成する。この酸化珪素膜23
aは、第3図(D)における膜23と同一の成膜条件で形
成した。
次に、第3図(11)に示す様に、平坦化した膜表面23
の上に、X線吸収膜であるホウ化タンタル膜25をRFマグ
ネトロン・スパッタ法によって0.6μmの膜厚に形成し
て、X線マスクブランクを作成した。
また、このスパッタ法においては、スパッタ・ターゲ
ットとしてホウ化タンタルによるターゲットを使用し、
スパッタガスにはアルゴンを使用する。この場合の雰囲
気条件は、第1図(F)と同様である。
この様な成膜条件で形成した膜25は、膜構造がアモル
フアス構造で、内部応力も1×108dyn/cm2以内という弱
い内部応力を保有し、更には、膜表面も優れた平坦度特
性を有する。
次に、第3図(I)に示す様に、良好な膜特性を有す
るホウ化タンタル膜25に、レジストパターンをマスクと
して、塩素ガスを使用した反応性イオンビームエッチン
グを行なって、この膜25をパターン25a化することによ
って、本実施例における全工程が完了する。
以上の製造方法によれば、単層のX線透過膜を保有し
たX線マスクの場合と同様に、従来法の場合では得るこ
とのできない品質の向上と、生産性の向上とを達成する
ことが可能になる。
尚、本実施例は、酸化珪素/炭化珪素/酸化珪素型の
サンドイッチ構造にしているため、酸化珪素自身が反射
防止膜の役目を果たし、波長633nmの光に対する透過率
は、炭化珪素の単層の場合は40%であったが、本実施例
の場合は、約55%に向上させることができた。
また、エッチバック法を施す際に、処理膜に使用する
レジストは、前述の実施例の場合には酸化珪素系、被膜
形成用塗布液0CD[東京応化工業(株)社製品]を使用
したが、この他に、シリコン系ネガ形電子線レジスト、
シリコン系ネガ形フオトレジストや、シリコン含有ポジ
形電子線レジスト、ポリスチレン系ネガ形レジスト、ノ
ボラック樹脂系フオトレジスト等を使用することもでき
る。
更に、上述した実施例においては、X線透過膜に平坦
化処理を施したが、X線吸収膜の上に他の膜を成膜する
場合には、その膜の下地となるX線吸収膜の表面を平坦
化処理することにより、X線吸収膜上に形成される膜の
特性を改善することも可能である。
加えて、必要に応じて、形成されたX線吸収膜の表面
を平坦化しても、勿論かまわない。
(4)第4実施例 X線透過膜が多層である場合の第3実施例と、製造工
程を異にする製造方法を第4図を参照して説明する。
尚、本実施例での透過膜の構造は、窒化珪素/酸化珪素
/窒化珪素型である。
まず、第4図(A)に示す様に、シリコン基板31の両
面に、X線透過膜として窒化珪素(SiNX)膜32を、減圧
CVD法により形成する。この透過膜32の膜厚は0.2μmで
あり、成膜に際して使用した反応ガスは、ジクロロシラ
ンとアンモニアである。ジクロロシランは標準状態で16
0cc/分、アンモニアは標準状態で40cc/分で、それぞ
れ、異なるガスラインから反応容器内に導入される。
この時の、各雰囲気条件は反応ガス圧力で0.17Torr、
反応容器の加熱温度で880℃である。
次に、第4図(B)に示す様に、シリコン基板31上
の、一方の透過膜32について、エッチバック法による平
坦化処理を施す。
エッチバックに使う処理膜33には、シリコン系ネガ形
電子線レジストを使う。この処理膜33は、スピンコート
法によって塗布することにより、処理膜33の表面の平坦
化も同時に達成できる。処理膜33の膜厚は約3000オング
ストロームである。
次に、処理膜33の塗布が完了したら、反応性イオンエ
ッチングを用いて、処理膜33の表面をエッチングし、第
4図(C)に示す様に、透過膜32に平坦な膜表面32aを
確保する。この時のエッチングガスとしては、弗素系ガ
スであるCF4ガスを用いる。エッチングの条件は、CF4
スの流量を標準状態で40cc/分、エッチング中のガス圧
力を2Pa、RFパワーを0.65W/cm2に設定した。また、この
条件における処理膜33および透過膜32のエッチング速度
は、共に40Oオングストローム/分である。
次に、第4図(D)に示す様に、エッチバック法で平
坦化したX線透過膜表面32a上に、第2層目のX線透過
膜として、酸化珪素(Si0X)膜34を形成する。このX線
透過膜34は1.0μmの膜厚で、RFマグネトロン・スパッ
タ法によって、形成する。
また、このスパッタ法においてはスパッタ・ターゲッ
トには酸化珪素ターゲットを用い、スパッタガスとして
アルゴン(Ar)ガスを使用する。この時の雰囲気条件
は、アルゴンガスの流量を標準状態で20cc/分、膜形成
中のガス圧力を0.6Pa、RFパワーを8.64W/cm2に選定し
た。
この様な成膜条件で形成したX線透過膜である酸化珪
素膜34は、内部応力が6x108dyn/cm2という弱い引っ張り
応力になっている。この透過膜34は、膜表面の平坦度が
良好なため、さらにエッチバック法による平坦化処理を
行なう必要がない。
次に、第4図(E)に示す様に、スパッタ法で形成し
たX線透過膜34の上に、第3層目のX線透過膜として、
膜厚0.2μmの窒化珪素膜32bを減圧CVD法によって形成
する。このX線透過膜32bは、第4図(A)におけるX
線透過膜32と同一の成膜条件で形成する。
次に、第4図(F)に示す様に、エッチバック法によ
って、窒化珪素膜32bの平坦化を行なう。
この場合、窒化珪素膜32bの上に塗布する平坦化処理
膜33aは、シリコン系ネガ形電子線レジストを使用した
もので、第4図(B)の場合と同様に、スピンコート法
で塗布することによって、表面の平坦化を図る。その
後、反応性イオンエッチングを施して、第4図(G)に
示す様に、窒化珪素膜32bに平坦な膜表面32cを確保す
る。
この時のエッチング条件は、第4図(C)で行なった
反応性イオンエッチングの場合と同一である。
次に、第4図(H)に示す様に、シリコン基板31の背
面に位置づけられた窒化珪素膜32については、反応性イ
オンエッチングによって、中心部をエッチングし、窒化
珪素膜32の周辺部分32dのみを残した状態にする。この
時のエッチングガスには、弗素系ガスであるCF4ガスを
使用する。
この場合のエッチング条件はCF4ガスの流量を標準状
態で80cc/分、エッチング中のガス圧力を4Pa、RFパワー
を0.49W/cm2に設定した。また、このエッチング条件に
おける線透過膜32のエッチング速度は、640オングスト
ローム/分であった。
次に、第4図(I)に示す様に、前記周辺部分32dを
マスクとして、シリコン基板31の中心部をウェットエッ
チングによりエッチングし、シリコン基板の周辺部分31
aのみを残した状態にする。この時のウエットエッチン
グは、前記周辺部分32dをマスクとして活用し、80〜100
℃に加熱した30〜50wt%NaOH水溶液に浸漬することによ
り行なう。
次に、第4図(J)に示す様に、平坦化したX線透過
膜32Cの上に、X線吸収膜であるホウ化タンタル膜35をR
Fマグネトロン・スパッタ法によって、0.6μmの膜厚だ
け形成して、X線マスクブランクを作成する。
また、このスパッタ法においては、スパッタ・ターゲ
ットとして、ホウ化タンタルによるターゲットを用い、
スパッタガスとしてはアルゴンガスを使用する。この場
合の雰囲気条件は、アルゴンガスの流量を標準状態で51
cc/分、成膜中のガス圧力を1.9Pa、RFパワーを8.64W/cm
2に選定した。
この成膜条件で形成したX線吸収膜35は、膜構造がア
モルファス構造で、且つ、内部応力が0〜1X10dyn/cm2
という弱い引っ張り応力を有しており、更に、膜表面も
優れた平坦度特性を有している。
次に、第4図(K)に示す様に、良好な膜特性を有す
るX線吸収膜35にレジストパターンをマスクとして、塩
素ガスを用いた反応性イオンビーム・エッチングを行っ
て、X線吸収膜35によるパターン36を形成すれば、この
実施例における全工程が完了する。
[発明の効果] 以上の説明から明らかな様に、本発明に係るX線マス
クブランクによれば、X線透過膜を、表面粗さが十点平
均粗さで300オングストローム以下とすることによっ
て、その上に形成するアモルファス構造又は微結晶構造
のX線吸収膜の結晶状態を維持することができ、さらに
X線吸収膜表面の平坦度も確保できるので、微細パター
ン加工に優れたX線マスクブランクを得ることができ
る。
また、本発明に係るX線マスクの製造方法によれば、
従来法を利用した場合と比較して、成膜条件の選定によ
って確保しなげればならない膜特性を、一つ減らすこと
ができ、その分、膜特性の適正化に対する各成膜条件の
選定の自由度が高められて、成膜条件の選定が容易にな
る。
また、膜表面の平坦化は、例えば、エッチバツク法を
利用することによって、比較的容易に済ませることがで
き、従来法の場合と比較して、膜表面の平坦度の適正化
が容易にできる。
更に、本発明では、表面が平坦なX線透過膜上に、膜
構造がアモルファス構造又は微結晶構造のX線吸収膜を
形成している。この構成では、下地であるX線透過膜の
膜表面において既に良好な平坦度が確保されているた
め、該X線吸収膜表面の平坦度の確保や、膜構造および
内部応力の適正化等のX線吸収膜における膜特性の確保
が、より一層容易になり、結果的に、微細加工が要求さ
れるX線マスクと品質の向上と、生産性の向上が可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)〜(G)は本発明の第1,2実施例の工程説
明図、第2図は従来の製造法における−工程説明図、第
3図(A)〜(I)は、本発明の第3実施例の工程を順
に説明するための図、及び、第4図(A)〜(K)は本
発明の第4実施例の工程を説明するための図である。 [第1図,第2図] 11……シリコン基板 12……X線透過膜 14……平坦化処理膜 15……X線吸収膜 15a……パターン [第3図] 21……シリコン基板 22、23……X線透過膜 24……平坦化処理膜 25……X線吸収膜 25a……パターン [第4図] 31……シリコン基板 32、33……X線透過膜 34……平坦化処理膜 35……X線吸収膜 36……パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山城 一秀 東京都新宿区中落合2丁目7番5号 ホ ーヤ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−186427(JP,A) 特開 昭62−155515(JP,A) 特開 平2−177530(JP,A) 特開 昭63−76325(JP,A) 特開 昭62−48019(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、該基板上に形成されたX線透過膜
    と、該X線透過膜上に形成されたX線吸収膜とを備えた
    X線マスクブランクにおいて、 前記X線透過膜の表面は、十点平均粗さで300オングス
    トローム以下の表面粗さを有し、且つ、 前記X線吸収膜は、アモルファス構造又は微結晶構造か
    らなる膜構造を有していることを特徴とするX線マスク
    ブランク。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項において、前記X線
    透過膜が、炭化珪素及び窒化珪素のいずれか一方の材料
    からなることを特徴とするX線マスクブランク。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項又は第2項におい
    て、前記X線吸収膜が、タンタルと他の元素とを含む材
    料からなることを特徴とするX線マスクブランク。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第3項において、他の元素
    がホウ素であることを特徴とするX線マスクブランク。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第1項乃至第4項のいずれ
    かに記載されたX線マスクブランクをパターニングする
    ことによって形成されたことを特徴とするX線マスク。
  6. 【請求項6】基板上に形成されたX線透過膜と、該X線
    透過膜上に形成されたX線吸収膜とを有するX線マスク
    ブランクの製造方法において、 前記基板上に、前記X線透過膜として必要な膜特性を備
    えたX線透過材料の膜を成膜する工程と、前記X線透過
    材料の膜の表面に平坦化処理を施し、十点平均粗さで30
    0オングストローム以下の表面粗さを有する前記X線透
    過膜を形成する工程と、前記X線透過膜上に、アモルフ
    ァス構造又は微結晶構造からなる膜構造を有する前記X
    線吸収膜を形成する工程とを有することを特徴とするX
    線マスクブランクの製造方法。
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