JPH10226983A - 光触媒内添紙 - Google Patents

光触媒内添紙

Info

Publication number
JPH10226983A
JPH10226983A JP9040074A JP4007497A JPH10226983A JP H10226983 A JPH10226983 A JP H10226983A JP 9040074 A JP9040074 A JP 9040074A JP 4007497 A JP4007497 A JP 4007497A JP H10226983 A JPH10226983 A JP H10226983A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photocatalyst
weight
paper
parts
composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9040074A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoji Nakajima
陽治 中島
Yoshiaki Tomotake
義明 友竹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokushu Paper Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Tokushu Paper Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokushu Paper Manufacturing Co Ltd filed Critical Tokushu Paper Manufacturing Co Ltd
Priority to JP9040074A priority Critical patent/JPH10226983A/ja
Publication of JPH10226983A publication Critical patent/JPH10226983A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光触媒を水溶性高分子と混合した組成物を混
合抄紙する内添法を用い、歩留りが高く、強度劣化が少
なく、且つ有害ガス分解能が低下しない光触媒内添紙を
提供する。 【解決手段】 デンプン等水溶性高分子と光触媒を混合
し、コロイド分散液にしたものを硫酸アンモニウム等の
凝固液中と混合させることで水不溶性の組成物を形成
し、それを製紙用繊維と混合抄紙する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光触媒内添紙に関し、
より詳しくは光触媒を効率よく紙内部に留めることがで
き、光触媒の作用による強度減少率の少なく、粉落ちの
ない光触媒内添紙に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の生活環境の向上により、悪臭の除
去を積極的に行う社会的気運が常識となりつつある。ま
た、ウィルスによる感染症、微生物が影響すると思われ
る皮膚病等が新たな社会的問題になりつつあり、抗菌、
防かび的環境を必要とする空間が増加している。
【0003】光触媒の一つである酸化チタンは従来か
ら、白色顔料として製紙、プラスチック、塗料、化粧品
など広い範囲にわたって工業的に利用されている。その
理由として、酸化チタンは300〜400nmの紫外光
をよく吸収するために紫外線吸収剤として働き、且つ安
価であるためである。
【0004】酸化チタンそのものを紫外線吸収剤として
用いた場合、酸化チタンは紫外線を吸収すると共に電子
及び正孔を生じ、その正孔は表面の水分と反応して、強
い酸化力を有するヒドロキシルラジカルを生成する。そ
こで従来は水分との反応を防ぎ、ヒドロキシルラジカル
の生成を抑制するために表面処理を行った酸化チタンを
紫外線吸収剤として用いていた。
【0005】近年、酸化チタンをはじめとする光触媒の
見直しがされ、従来欠点とされていた酸化力を積極的に
発揮させようとする動きが工業界で起きてきた。すなわ
ち、ヒドロキシルラジカルの酸化力は大部分の有機物を
分解する能力を持つことがわかっており、特開平7−1
02678号公報及び特開平8−175887号公報に
は院内感染を予防するためのセラミック又は陶磁質の構
造体が、特開平8−173520号公報には環境浄化用
の装飾品が開示されている。
【0006】この光触媒効果を有する光触媒が見直され
ている一つの理由として、脱臭剤としては活性炭等の吸
着脱臭剤とは異なり永続的であり、また、殺菌剤として
みた場合、塩素系、酸性、アルカリ性殺菌剤のように人
体に影響を及ぼすこともなく無害であることが挙げられ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これらの光触媒を紙へ
応用する場合、紙内部へ内添する方法あるいは表面に塗
工する方法が選択できる。しかし、内添の場合、直接セ
ルロース繊維等に歩留り向上剤で定着させるとセルロー
ス繊維と直接接しているために、セルロース繊維が酸化
されてしまい、光照射による強度の低下が著しくなる。
一方、紙に塗工加工を行う場合、酸化チタンの接着剤と
して従来の有機系樹脂エマルジョンを使用した場合、数
時間の紫外線照射によって接着剤が酸化分解されてしま
い、酸化チタンが表面からほとんど脱落してしまう。ま
た、これらの光触媒を抄紙工程で内添する場合、歩留り
向上剤を使用しても定着率には限界があるため一定量以
上は定着できないという問題点があった。
【0008】また、従来の歩留り向上剤などで製紙用繊
維に光触媒を定着する方法では、光触媒は繊維上に強固
に固着していないために粉落ちという問題があるため、
粉落ちによる影響がない場合に限り使用が出来た。
【0009】本発明は上記問題を解決することを課題と
して鋭意検討した結果、光触媒の歩留りが高く、粉落ち
がなく、セルロース繊維の酸化劣化を抑制し強度減少率
を抑えた光触媒内添紙を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記した問
題を解決するために光触媒をデンプン等の水溶性高分子
に混合し、繊維状等に形成したものを製紙用繊維と混合
抄紙した。これにより、光触媒単独で歩留り向上剤など
で内添するときに比べ歩留りが向上し、同時に光触媒を
セルロース繊維と直接接することを減少させることによ
り、光触媒の酸化作用によるセルロース繊維の酸化劣化
を抑えることが可能となることを見いだした。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に係わる水溶性高分子は水
と混合した場合、常温又は加熱時に膨潤しコロイド分散
液となり、凝固液と混合することで水不溶性の組成物を
形成するものであり、その中に光触媒等を混合させても
組成物の形成能が変わらないものを選択できる。光触媒
の添加量としては水溶性高分子10重量部に対して光触
媒は0.1〜90重量部まで添加可能である。
【0012】この組成物は抄紙段階に於いて、製紙用繊
維と化学的、物理的に強固に結合するため光触媒の担持
量も必然的に低下することがないため、歩留り向上剤を
使用した場合と比較して歩留りが著しく高くなる。
【0013】組成物の形状としては繊維状、フレーク
状、粉末状、塊状のいずれも選択できるが、紙へ内添す
る場合、製紙用繊維と組成物の絡み合いなどを考慮する
と繊維状が好ましい。
【0014】組成物を製造する際に使用する水溶性高分
子としては、馬鈴薯、サツマイモ、サトイモ、ナガイ
モ、トウモロコシ、イネ(コメ)、オオムギ、アワ等か
ら得られる天然デンプン、加工デンプン等の変性デンプ
ンを用いることが出来る。本発明では、比較的安価であ
ること、入手しやすいことから天然デンプンを使用する
ことが好ましい。
【0015】デンプンを使用して繊維状組成物を得る場
合、特開平8−27627号に開示されているように、
曳糸性のあるデンプン種と曳糸性のないデンプン種との
混合比率を変えることにより曳糸性を変化させ、任意の
長さの繊維状物を形成することができる。また、特願平
7−196249号では、微細粒子の含有量が変化して
も曳糸性のあるデンプンと曳糸性の無いデンプンの比率
を変化させることにより、繊維状組成物を形成すること
ができる方法を開発し提案した。この発明によると、酸
化チタンの混合比率が高くなるに従い、曳糸性のあるデ
ンプン種の混合比率を増加させることにより、同じ繊維
長分布を持つ組成物を得ることができる。
【0016】組成物の製造方法としては、特願平7−1
96249号に示されているノズルからデンプン懸濁液
を凝固液中に直接吐出させる方法(ノズル方式と称す)
や、商公昭49−41127号に示されているアスピレ
ーターを用いた繊維の製造方法によりデンプン懸濁液を
アスピレーター中で凝固液と混合(アスピレーター方
式)することにより製造できる。なお、アスピレーター
方式は、ノズル方式に比べ単位時間当たりの生産量は約
10倍に向上するため大量生産に適している。
【0017】光触媒組成物製造の際に使用できる凝固液
としては、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マ
グネシウム、リン酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、塩
化アンモニウムなどの水中で電解質を生じる塩の水溶液
が使用でき、硫酸アンモニウムが特に好ましい。凝固液
の濃度が低いと凝固効果が十分に得られないため、30
重量%〜飽和濃度の塩水溶液が好ましい。
【0018】アスピレーター方式では、次のように光触
媒組成物を得ることが出来る。水溶性高分子10〜99
重量部に対して光触媒1〜90重量部、さらに必要に応
じて水溶性高分子に対して防腐剤0.1〜1重量%、抗
菌剤0.1〜1重量%を混合し、3〜15重量%水懸濁
液を調製した。これを80〜98℃に加熱して水溶性高
分子を膨潤させ、光触媒と水溶性高分子の混合コロイド
分散液とした。この分散液を圧力0.5〜10kg/c
2で流入口よりアスピレーター中に流入させ、アスピ
レーター内で凝固液(硫酸アンモニウム35重量%〜飽
和濃度)と流速0.5〜10L/minで混合し、凝固
させることで光触媒組成物を得ることが出来た。
【0019】光触媒組成物は、長さ0.05〜30m
m、直径0.01〜5mmの形状を呈し、パルパー等で
の離解も容易であり、任意の大きさに調節可能である。
水不溶性であるため、従来の抄紙工程で抄紙可能であ
り、任意の割合で製紙用繊維と配合可能である。
【0020】光触媒組成物の紙全体に占める割合は2〜
50重量%が好ましく、特に好ましくは2〜20重量%
である。50重量%を越えると、抄紙時における湿紙強
度の低下、乾燥時に円筒ドライヤーを使用する抄紙機な
どではドライヤー表面に紙が付着してしまうなどの問題
がある。また、2重量%以下であると光触媒能が低くな
るため有害物質の分解能力が低下するため好ましくな
い。
【0021】この組成物を利用する他の利点としては、
紙の製造時、紙の印刷工程等で必ず発生する損紙や古紙
の処理が容易であることが挙げられる。すなわち、ビー
ターやパルパー等で用水を加温し損紙や古紙を処理する
ことで、製紙用繊維と組成物を容易に離解できるからで
ある。
【0022】本発明で用いられる光触媒としては、酸化
チタン、酸化鉄、酸化ビスマス、硫化カドミウム、酸化
亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、酸
化タングステン、酸化ジルコニウム等を挙げることが出
来る。形状としては、懸濁液を調製することを考慮する
と、粉末状が好ましい。
【0023】この発明に用いる製紙用繊維としては、針
葉樹未晒クラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、広
葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹晒クラフトパルプ、サ
ーモメカニカルパルプ等の木材パルプ、麻、竹、ワラ、
ケナフパルプ等の非木材パルプや、ポリオレフィン等の
合成パルプ、レーヨン、ビニロン、ナイロン、ポリエス
テル等の合成繊維の単独若しくは混合したものが使用で
きる。
【0024】紙の製造方法としては、上記した製紙用繊
維50〜98重量部に対して光触媒組成物を2〜50重
量部を混合し、長網抄紙機や円網抄紙機を用いて抄紙す
ることが出来る。
【0025】このとき必要に応じて、クレー、炭酸カル
シウム等の填料、ロジン系、アルキルケテンダイマー等
のサイズ剤、デンプン系、ポリアクリルアミド等の乾燥
紙力増強剤、メラミン樹脂等の湿潤紙力増強剤、硫酸バ
ンド、ポリアクリルアミド等の定着剤等の慣用的な製紙
用副資材を適宜併用する。
【0026】
【実施例】光触媒組成物の調製 馬鈴薯デンプン18重量部、トウモロコシデンプン42
重量部、光触媒酸化チタン(商品名「ST−01」、石
原産業(株)製造)40重量部からなる光触媒組成原料
の10重量%水懸濁液を調製し、これを95℃に加熱し
てデンプンを膨潤させ、光触媒/デンプン混合コロイド
分散液とした。この分散液を圧力2kg/cm2でアス
ピレーター中に流入させ、アスピレーター中で凝固液で
ある40重量%硫酸アンモニウム溶液と流速3L/mi
nで混合し、繊維状光触媒組成物を製造した。
【0027】実施例1 広葉樹晒クラフトパルプ67重量部及び針葉樹晒クラフ
トパルプ33重量部を混合したものを350mlC.
S.F.に叩解した後、これらの混合パルプ95重量部
に対して、馬鈴薯デンプン18重量部、トウモロコシデ
ンプン42重量部、光触媒酸化チタン(同上)40重量
部の組成の繊維状光触媒組成物を5重量部添加し、この
混合物に、紙力増強剤(商品名「ポリアクロンST−1
3」、ミサワセラミックケミカル(株)製造)1.0重
量部、サイズ剤(商品名「サイズパインN−771」、
荒川化学工業(株)製造)1.0重量部、硫酸バンド
3.0重量部を添加し、長網抄紙機で坪量100g/m
2の光触媒内添紙を製造した。
【0028】実施例2 実施例1で用いた混合パルプと繊維状光触媒組成物の重
量部比を98:2に変えた他は実施例1と同条件で製造
した。
【0029】実施例3 実施例1で用いた混合パルプと繊維状光触媒組成物の重
量部比を90:10に変えた他は実施例1と同条件で製
造した。
【0030】実施例4 実施例1で用いた混合パルプと繊維状光触媒組成物の重
量部比を55:45に変えた他は実施例1と同条件で製
造した。
【0031】実施例5 広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)67重量部及び針
葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)33重量部を混合し
たものを350mlC.S.F.に叩解した混合パルプ
95重量部に対して、馬鈴薯デンプン6重量部、トウモ
ロコシデンプン54重量部、光触媒酸化チタン(同上)
40重量部からなる繊維状光触媒組成物を5重量部添加
した後に、分散し、更に、紙力増強剤(「ポリアクロン
ST−13」)1.0重量部、サイズ剤(「サイズパイ
ンN−771」)1.0重量部、硫酸バンド3.0重量
部を添加し、長網抄紙機で坪量100g/m2の光触媒
内添紙を製造した。
【0032】比較例1 実施例1で用いた混合パルプ95重量部に、実施例1の
シート製造に使用した時と同重量になるように、生デン
プン(馬鈴薯:トウモロコシ=3:7)3重量部及び光
触媒酸化チタン2重量部を順次添加し、歩留り向上剤
(商品名「ハイホルダー351」、栗田工業(株)製
造)を2.0重量部添加し、実施例1と同量の紙力増強
剤、サイズ剤、硫酸バンドを加えて実施例1と同条件で
製造した。
【0033】比較例2 実施例2で用いた混合パルプ98重量部に、実施例2の
シート製造時と同添加量の生デンプン(馬鈴薯:トウモ
ロコシ=3:7)1.2重量部及び光触媒酸化チタン
0.8重量部を順次添加し、歩留り向上剤(同上)を
2.0重量部添加した他は、実施例2と同条件で製造し
た。
【0034】比較例3 実施例3で用いた混合パルプ90重量部に、実施例3の
シート製造時と同添加量の生デンプン(馬鈴薯:トウモ
ロコシ=3:7)6.0重量部及び光触媒酸化チタン
4.0重量部を順次添加し、歩留り向上剤(同上)を
2.0重量部添加した他は、実施例3と同条件で製造し
た。
【0035】比較例4 実施例4で用いた混合パルプ55重量部に、実施例4の
シート製造時と同添加量の生デンプン(馬鈴薯:トウモ
ロコシ=3:7)27重量部及び光触媒酸化チタン18
重量部を順次添加し、歩留り向上剤(同上)を2.0重
量部添加した他は、実施例4と同条件で抄紙した。
【0036】比較例5 実施例1の処方から光触媒酸化チタンを除いた他は、実
施例1と同条件で光触媒を含まないデンプン繊維混抄紙
を製造した。
【0037】上記実施例1〜5及び比較例1〜5で作製
した光触媒酸化チタン内添紙をそれぞれ1.5cm×1
0cmに裁断し、オートフェードメーター(FA−AU
・B型、スガ試験機(株)製造)で24時間紫外線を照
射することにより耐光性の評価を行った。
【0038】表1に酸化チタン添加量、灰分、歩留り、
光照射後の各シートの強度減少率及びアルデヒドガス分
解能を示した。なお、灰分はJIS P 8128に示
される「紙及び板紙の灰分試験方法」より測定した。歩
留りは、酸化チタンを添加していない紙料(比較例5)
の灰分からパルプ自身の灰分を算出し、次式より算出し
た。
【0039】
【数1】
【0040】強度減少率はJIS P 8115に示さ
れる「紙及び板紙のMIT形試験機器による耐折強さ試
験方法」により耐折強さを測定し未照射サンプルに対す
る減少率で評価した。
【0041】アセトアルデヒド分解能は、循環系の試験
装置内を200ppmのアセトアルデヒドガスを循環さ
せ、光触媒内添紙をセットした石英ガラス管に1.5m
W/cm2の紫外線ランプを用いて4時間光照射した後
の試験装置内のアセトアルデヒドガス濃度をガスクロマ
トグラフィーにて測定し、減少率(%)を分解能として
評価した。
【0042】
【表1】
【0043】表1では、本発明の光触媒組成物を紙に内
添する方法に対して、同重量の光触媒及び生デンプンを
紙に歩留り向上剤により内添する方法を、実施例1に対
して比較例1、実施例2に対して比較例2、実施例3に
対して比較例3、実施例4に対して比較例4にそれぞれ
対応させて示した。また、参考までに光触媒を含まない
デンプン繊維混抄紙を比較例5に示した。
【0044】表1の灰分から分かるように、本発明を用
いた方法では光触媒酸化チタンの歩留りが82〜97%
と高いのに対して、従来の歩留り向上剤を用いた方法で
は31〜54%にとどまっていることが明らかなことか
ら、本発明の方法が効率よく光触媒を紙に内添する方法
であることが分かる。
【0045】同重量光触媒を添加した実施例1と比較例
1の強度減少率を比較すると、実施例1は34%に対し
て、比較例1は58%の減少率を示していることから
も、光触媒によるセルロース繊維などの酸化劣化を抑制
する方法として有効であることが分かる。これは、光触
媒内添量が多いものほど顕著にあられた。
【0046】分解能では、光触媒を組成物に混合したこ
とによる有害ガスの分解能が低下したことは見られなか
った。また、光触媒を含まない比較例5でも分解能とし
て3.5%という値が得られたが、これは紙自信にアセ
トアルデヒドガスが吸着されたものと予想でき、誤差範
囲を示すものである。
【0047】従って、灰分、強度減少率、分解能を総合
的に評価すると、本発明の方法、すなわち光触媒をデン
プンなどの水溶性高分子に混合し、光触媒組成物に加工
して紙に内添することが歩留り、強度低下の抑制、有害
ガス分解能力において有効な手段であることが分かる。
【0048】光触媒組成物を製造する際の馬鈴薯デンプ
ンとトウモロコシデンプンの比を1:9にしたものが実
施例5であり、馬鈴薯デンプンとトウモロコシデンプン
の比が3:7である実施例1と比較すると、歩留りで1
5%の差があった。しかし、同重量光触媒を添加した比
較例1と比較すると1.67倍の歩留りであるためデン
プンの組成を変えても歩留り向上剤より効率よく光触媒
を紙に内添出来る。また、強度減少率、分解能ともに実
施例1とほぼ変わらない結果となった。
【0049】デンプン組成の差に起因する歩留りの低下
は、曳糸性のないトウモロコシデンプンの比率を増やし
たことで、繊維状組成物の平均繊維長が短くなり、抄紙
工程で組成物自体の歩留りが若干低くなったためであ
る。しかし、平均繊維長が短くなったことで、組成物自
体の比表面積が大きくなり、組成物中の光触媒酸化チタ
ンの表面への露出量が多くなった結果、分解能が変わら
なかったものと推測できる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明の光触媒内
添紙によれば、以下に示す顕著な効果を有する。
【0051】(1)従来の内添法に比べ、光触媒が製紙
用繊維に直接接していないため、繊維自体の劣化速度が
遅延されるので強度減少率が少なく長時間の使用が可能
となる。
【0052】(2)光触媒が水溶性高分子に包埋された
構造で内添されているため、光触媒の歩留りが飛躍的に
向上し、コスト削減につながる。
【0053】(3)従来の歩留り向上剤などで製紙用繊
維に光触媒を定着する方法では、粉落ちという問題があ
ったが、組成物内に混合されているために粉落ちがな
い。
【0054】本発明の光触媒内添紙は前記した特徴を生
かして、壁装材、室内装飾品、照明器具の反射板、空気
清浄機、脱臭機、消臭機、カレンダー類、ポスター類な
どに使用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光触媒組成物を含んだ光触媒内添
紙の断面図である。
【図2】 光触媒組成物の拡大図である。
【符号の説明】
1 光触媒内添紙 2 光触媒組成物 3 水溶性高分子 4 光触媒

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性高分子と光触媒からなる光触媒組
    成物と、製紙用繊維からなることを特徴とする光触媒内
    添紙。
  2. 【請求項2】 前記光触媒組成物が紙全体重量の2〜5
    0重量%含まれることを特徴とする光触媒内添紙。
  3. 【請求項3】 前記光触媒組成物が水溶性高分子10重
    量部に対して光触媒を0.1〜90重量部含むことを特
    徴とする請求項1または2のいずれか一項記載の光触媒
    内添紙。
  4. 【請求項4】 前記水溶性高分子がデンプンであること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の光触媒
    内添紙。
  5. 【請求項5】 前記光触媒が酸化チタンであることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の光触媒内添
    紙。
JP9040074A 1997-02-07 1997-02-07 光触媒内添紙 Pending JPH10226983A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9040074A JPH10226983A (ja) 1997-02-07 1997-02-07 光触媒内添紙

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9040074A JPH10226983A (ja) 1997-02-07 1997-02-07 光触媒内添紙

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10226983A true JPH10226983A (ja) 1998-08-25

Family

ID=12570786

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9040074A Pending JPH10226983A (ja) 1997-02-07 1997-02-07 光触媒内添紙

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10226983A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006161183A (ja) * 2004-12-02 2006-06-22 Nippon Paper Industries Co Ltd 印刷用塗工紙
WO2007069683A1 (ja) 2005-12-14 2007-06-21 Nippon Paper Industries Co., Ltd. 印刷用塗工紙
WO2007142302A1 (ja) 2006-06-07 2007-12-13 Nippon Paper Industries Co., Ltd. キャスト塗工紙

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6035480B2 (ja) * 1976-03-25 1985-08-14 ナシヨナル・スタ−チ・アンド・ケミカル・コ−ポレイシヨン デンプン繊維を含む紙の製造法
JPH04126820A (ja) * 1990-09-11 1992-04-27 Kuraray Co Ltd 抗菌性ポリビニルアルコール系合成繊維及びそれを用いた成形物
JPH04146218A (ja) * 1990-10-08 1992-05-20 Agency Of Ind Science & Technol 創傷被覆材及びその製造方法
JPH08257360A (ja) * 1995-03-24 1996-10-08 Mitsubishi Paper Mills Ltd 光反応性有害物質除去材
JPH0931897A (ja) * 1995-07-14 1997-02-04 Tokushu Paper Mfg Co Ltd 偽造防止用紙及びその製造方法
JPH0941224A (ja) * 1995-08-01 1997-02-10 Tokushu Paper Mfg Co Ltd 微細粒子複合化デンプン繊維の製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6035480B2 (ja) * 1976-03-25 1985-08-14 ナシヨナル・スタ−チ・アンド・ケミカル・コ−ポレイシヨン デンプン繊維を含む紙の製造法
JPH04126820A (ja) * 1990-09-11 1992-04-27 Kuraray Co Ltd 抗菌性ポリビニルアルコール系合成繊維及びそれを用いた成形物
JPH04146218A (ja) * 1990-10-08 1992-05-20 Agency Of Ind Science & Technol 創傷被覆材及びその製造方法
JPH08257360A (ja) * 1995-03-24 1996-10-08 Mitsubishi Paper Mills Ltd 光反応性有害物質除去材
JPH0931897A (ja) * 1995-07-14 1997-02-04 Tokushu Paper Mfg Co Ltd 偽造防止用紙及びその製造方法
JPH0941224A (ja) * 1995-08-01 1997-02-10 Tokushu Paper Mfg Co Ltd 微細粒子複合化デンプン繊維の製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006161183A (ja) * 2004-12-02 2006-06-22 Nippon Paper Industries Co Ltd 印刷用塗工紙
US7575802B2 (en) 2004-12-02 2009-08-18 Nippon Paper Industries Co., Ltd. Coated printing papers
WO2007069683A1 (ja) 2005-12-14 2007-06-21 Nippon Paper Industries Co., Ltd. 印刷用塗工紙
WO2007142302A1 (ja) 2006-06-07 2007-12-13 Nippon Paper Industries Co., Ltd. キャスト塗工紙

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE69619910T2 (de) Titanoxid enthaltendes Papier, und daraus hergestellte Wellpappe und deodorisierendes Element
JP2001040574A (ja) 機能性繊維布帛
JPH10226983A (ja) 光触媒内添紙
JP2900307B2 (ja) 光触媒の定着方法
JPH08173805A (ja) 酸化チタン担持紙
RU2534771C2 (ru) Фоторазлагаемая бумага и ее использование
JPH11279446A (ja) 光触媒塗料及びその製造方法、並びにその塗料を使用した光触媒脱臭紙
JP3558807B2 (ja) 吸着分解シート
JPH1025696A (ja) 光触媒を含有するシ−ト及びその製造方法
JP4679790B2 (ja) 機能性繊維布帛
JP3560276B2 (ja) 脱臭紙
JP7094897B2 (ja) 消臭シートおよび消臭方法
JP4248016B2 (ja) 機能性レーヨン繊維の製造方法
JP4840615B2 (ja) 光触媒脱臭殺菌方法
JPH0649061B2 (ja) 酸化セルロース系消臭材料
JP3545145B2 (ja) 脱臭抗菌シート
JP3571103B2 (ja) 酸化チタン含有有害物除去材の製造方法
JPH10314284A (ja) セルロース系消臭材料およびその製造方法
JP2006316382A (ja) パルプの改質方法、および、改質パルプ、および、この改質パルプより加工された機能紙シートおよびその製造方法、および、この機能性シートより加工された機能性フィルター
JP4486233B2 (ja) 触媒含有機能材およびその製造方法
JPH11117196A (ja) 光触媒脱臭紙
JP2000342978A (ja) 光触媒部材
JP7163053B2 (ja) 消臭シートおよび消臭方法
KR100624401B1 (ko) 항균 탈취 초배지 및 그 제조방법
JP2954313B2 (ja) セルロース系消臭材料