JPH04146218A - 創傷被覆材及びその製造方法 - Google Patents

創傷被覆材及びその製造方法

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JPH04146218A
JPH04146218A JP2271502A JP27150290A JPH04146218A JP H04146218 A JPH04146218 A JP H04146218A JP 2271502 A JP2271502 A JP 2271502A JP 27150290 A JP27150290 A JP 27150290A JP H04146218 A JPH04146218 A JP H04146218A
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alginic acid
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小林 良生
Hiroshi Ueshima
上嶋 洋
Kazuhiro Miyasato
和宏 宮里
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、創傷被覆材、止血材、機能性包装材等として
利用されるアルギン酸塩繊維及びその面状集合体並びに
その製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、創傷被覆材としては、キチン粉末をアミド溶剤に
溶解し、これを水溶液中に押し出し凝固させて繊維を得
た後、この繊維を所定の長さに切断して乾式又は湿式法
によって不織布としたものが知られている。なお、キチ
ンはN−アセチル−D−グルコサミンの1,4−結合よ
りなるムコ多糖類の一種で、セルロースのグルコース残
基の水酸基のみがアミノアセチル基で置換された型であ
る。
また、海藻から抽出されるアルギン酸のナトリウム塩か
らアルギン酸カルシウム繊維を形成し、これを乾式又は
湿式不織化したもの又は抄紙したものが包帯やばんそう
こうに利用できることが知られている。
さらに、殺菌作用を有する金属イオンを保持するゼオラ
イト系粒子を少なくとも繊維表層部に含有する抗菌性ア
クリル系繊維も知られている(特開平!−250413
号公報)。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、上記従来のキチンを利用したものやアルギン
酸カルシウムを利用した創傷被覆材は、創傷治癒効果や
血液凝固作用は認められるものの、特に創傷部における
抗菌効果が発揮されないという問題点があった。
また、前記抗菌性アクリル系繊維は、殺菌作用は発揮さ
れるものの創傷治癒効果や血液凝固作用が発揮されない
という問題点があった。
本発明の目的は、抗菌効果が発現されるとともに、創傷
治癒効果や血液凝固作用が十分に発揮されるアルギン酸
塩繊維及びその面状体並びにその製造方法を提供するこ
とにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記問題点を解決するために、本発明の第1の発明のア
ルギン酸塩繊維では、抗菌作用を有する金属を含有する
ゼオライト系化合物を配合するという構成を採用してい
る。
また、第2の発明では、第1の発明のアルギン酸塩繊維
を面状に形成してなるという構成を採用している。
第3の発明では、第1の発明において抗菌作用を有する
金属が銀又は亜鉛であるという構成を採用している。
第4の発明では、第2の発明において抗菌作用を有する
金属が銀又は亜鉛であるという構成を採用している。
第5の発明のアルギン酸塩繊維の製造方法では、アルギ
ン酸のアルカリ金属塩に、抗菌作用を有する金属を含有
するゼオライト系化合物が配合された混合物を、多価金
属塩の溶液中へ押し出すという構成を採用している。
さらに、第6の発明では、第5の発明においてアルギン
酸のアルカリ金属塩がアルギン酸のナトリウム塩であり
、多価金属塩がカルシウム塩であるという構成を採用し
ている。
次に、本発明の各構成要件について説明する。
まず、アルギン酸のアルカリ金属塩について説明する。
アルギン酸は、マンヌロン酸とグルコン酸が結合した天
然の多糖類であり、こんぶ、かじめ、あらめ、わかめ等
の褐藻類の細胞膜を形成しているもので、これらの中に
20〜30重量%含まれている。アルギン酸のアルカリ
金属塩はアルギン酸のナトリウム、カリウム等の塩であ
り、いずれも水溶性である。これらのうち、特にアルギ
ン酸のナトリウム塩が好適である。
次に、抗菌作用を有する金属を含有するゼオライト系化
合物について説明する。この抗菌作用を有する金属を含
有するゼオライト系化合物は、アルミノ珪酸塩であるゼ
オライトに抗菌作用を宵する金属、特に銀(Ag )及
び亜鉛(Zn )を付着させたものであり、下記の化学
式を有するものである。なお、ゼオライトは天然品、合
成品のいずれであってもよい。また、抗菌作用を有する
金属は銅等の金属であってもよい。
(Na、Ag2.Z@ 、2NH4)0 ・Alx O
s・SiO2・nH!0 但し、Agとしテ2.0〜3.0 X、Znとして13
.0〜16.0%を含有し、粒径は1〜50μmである
ことが好ましい。これらの範囲を外れると製造が難しく
なったり、着色したりする傾向がある。
このゼオライトは白色又はわずかに着色した粉末で、臭
い及び味はない。また、水又はエタノールにほとんど溶
けない。
上記抗菌剤をゼオライト系化合物に含有させることによ
る特長は、第1に抗菌作用が発現されることであり、第
2に耐熱性が発揮されるということである。従って、こ
のゼオライト系化合物を配合したアルギン酸塩繊維を乾
式不織布化又は抄紙して乾燥しても抗菌性等の効果が低
減しない。従来の抗菌剤が有機金属化合物、有機系化合
物を使用しているため、これら化合物が一般に融点が低
く、揮発性が高いので、抗菌剤として使用する場合、熱
に対して不安定であり、効果の持続性に問題があったの
に対し、上記耐熱性は本発明の1つの特長である。
このゼオライト系化合物は、アルギン酸塩繊維に対して
0.O1〜15.0重量%の範囲で配合するのが好まし
い。0.01重量%未満では、抗菌作用が確認できず、
15.0重量%を越えると、繊維化が困難となりやすい
次に、本発明のアルギン酸塩繊維の製造方法について説
明する。
まず、上述のアルギン酸のアルカリ金属塩、特にアルギ
ン酸ナトリウムに対し抗菌作用を有する金属を含有する
ゼオライト系化合物を配合した混合物を調製する。次い
で、これを多価金属塩、特に塩化カルシウムの溶液中へ
押し出して紡糸した後、水洗することにより、アルギン
酸カルシウム繊維が容易に得られる。本発明におけるア
ルギン酸塩繊維は、このようなアルギン酸カルシウム繊
維を代表とし、その他力ルシウムに代゛えて亜鉛、鉄、
マグネシウム等を用いた繊維をいう。
このようにして得られたアルギン酸塩繊維は、−乾式又
は湿式の不織布製造法に準じてシート状に形成すること
によって包帯やばんそうこう等の創傷被覆材として利用
に供される。
〔作用〕
前記構成を採用したことにより、第1の発明ではアルギ
ン酸塩繊維とこれに配合されている抗菌作用を有する金
属を含有するゼオライト系化合物が相まって、優れた抗
菌作用、殺菌作用を発現するとともに、創傷治癒作用や
血液凝固作用をも有効に発現する。
第2の発明では、第1の発明のアルギン酸塩繊維から形
成された面状体が、例えば創傷被覆材等の医療用として
使用される場合、面全体として患部を覆い優れた抗菌作
用等が発現される。
また、第3又は第4の発明では、第1又は第2の発明に
おいて前記抗菌作用を有する金属が銀又は亜鉛であるこ
とにより、特に抗菌作用及び殺菌作用が有効に発現され
る。
第5の発明ではアルギン酸のアルカリ金属塩に抗菌作用
を有する金属を含有するゼオライト系化合物を配合した
混合物を、多価金属塩の溶液中へ押し出すことにより、
アルギン酸塩繊維が容易に得られ、かかる繊維は優れた
抗菌作用、殺菌作用を発現するとともに、創傷治癒作用
や血液凝固作用を発現する。
また、第6の発明ではアルギン酸のアルカリ金属塩がナ
トリウム塩であり、多価金属塩がカルシウム塩であるこ
とにより、上記第5の発明の作用が容易かつ確実に奏せ
られる。
〔実施例〕
以下に本発明を具体化した一実施例について説明する。
なお、本実施例においては、重量部を部、重量%を%と
表す。
まず、アルギン酸ナトリウムの5%の高粘度のゲル状物
を調製する。このアルギン酸ナトリウムのゲル状物10
0部に、下記−最大で示す銀及び亜鉛を含有するゼオラ
イト0.25部を配合する。
(Nag、 Age’、 Zm 、  2NH4) O
・AJi!* Ox・5iOz   H2O 但し、このゼオライト0.25部中にAgとして0、0
0758部、Znとして0.03625部を含有する。
一方、5%の塩化カルシウムの水溶液を調製する。
そして、前記銀及び亜鉛を含有するゼオライトを配合し
たアルギン酸ナトリウム水溶液を0.11(0,1〜0
.5 amの範囲内であればよい)の孔口を通して塩化
カルシウム水溶液中へ押し出す。すると、水溶性のアル
ギン酸ナトリウムは不溶性のアルギン酸カルシウムに変
化して無色透明の糸状に形成される。この糸状体を取り
出し、所定の寸法に切断することにより、アルギン酸カ
ルシウム繊維が得られる。
次に、このアルギン酸カルシウム繊維を、乾式又は湿式
の不織布化によりシート状に形成することができる。ま
た、アルギン酸カルシウム繊維を織ることにより、所定
の布を形成することができる。この紙や布を使用して創
傷被覆効果、止血効果、抗菌効果等を確認するために、
以下のような試験を行った。
(1)創傷治癒効果 抗菌性ゼオライトを含有するアルギン酸塩繊維を、ラッ
トを部皮膚切開部の筋肉と筋膜の間に挿入し、絹糸縫合
糸にて縫合し、3.5.7日後に縫合糸を取り外し、切
開部が破壊するに要する抗張力を測定した。その結果を
第1表に示す。
なお、比較例1はアルギン酸カルシウム繊維の代わりに
綿を使用した例である。
第1表の結果から、実施例1の抗菌性ゼオライトを含有
するアルギン酸カルシウム繊維は、比較例1に比べて抗
張力が高く、創傷治癒効果に優れていることがわかる。
(2)止血効果 前記実施例1の抗菌性上オライドを含有するアルギン酸
カルシウム繊維を傷当て材として使用すると、血液と接
触する部分は即座にイオン化され、アルギン酸ナトリウ
ムに置換される。置換されたアルギン酸ナトリウムは血
液に可溶であり、傷口において高粘度液になるか、又は
保護ゲルの薄膜を形成することによって傷口を固定し、
止血作用を発揮する。
(3)抗菌効果 前記抗菌性ゼオライトを1.0重量%含有するアルギン
酸カルシウム繊維(実施例2)、抗菌性ゼオライトを3
.0重量%含有するアルギン酸カルシウム繊維(実施例
3)、抗菌性ゼオライトを5.0重量%含有するアルギ
ン酸カルシウム繊維(実施例4)をそれぞれ1.5gと
って細かく切り、60%アルコール液で殺菌し、200
m1の三角フラスコに入れ、これに菌液を75m1加え
た。この三角フラスコを25℃、振とう回数150 r
prnで18時間振とう後、生菌数を菌試験紙(一般細
菌用、大腸菌群用)にて測定した。また、比較例2とし
て綿糸を使用した試験及び比較例3として、菌液のみを
振とうする試験も行った。これらの結果を第2表に示す
。なお、菌液はリン酸緩衝液に細菌を懸濁させた液であ
る。
第2表の結果から、抗菌性ゼオライトを所定量含有する
実施例2〜4では、いずれも18時間後には一般細菌は
相当量減少し、大腸菌は存在しなくなった。一方、綿糸
を用いた比較例2では、18時間後に一般細菌、大腸菌
ともに増加した。
また、上記実施例2〜4と同様にして、銀を3゜0重量
%含有するゼオライトを5.0重量%配合したアルギン
酸カルシウム繊維を用いた場合(実施例5)、亜鉛を1
4.3重量%含有するゼオライトを5.0重量%配合し
たアルギン酸カルシウム繊維を用いた場合(実施例6)
、銀を2.7重量%、亜鉛を14.5重量%含有するゼ
オライトを5.0重量%配合したアルギン酸カルシウム
繊維を用いた場合(実施例7)、銀や亜鉛を含有しない
七オライドを5.0重量%配合したアルギン酸カルシウ
ム繊維を用いた場合(比較例4)及びアルギン酸カルシ
ウム繊維のみを用いた場合(比較例5)について抗菌効
果を試験した。その結果を第3表に示す。
第3表 第3表の結果から、銀及び/又は亜鉛を含有するゼオラ
イトを配合したアルギン酸カルシウム繊維を使用した実
施例5〜7では、一般細菌、大腸菌群が大きく減少する
ことがわかる。それに対し、銀や亜鉛を含有していない
ゼオライトを配合したアルギン酸カルシウム繊維を用い
た比較例4やアルギン酸カルシウム繊維のみを用いた比
較例5では一般細菌及び大腸菌群の大きな減少は見られ
ない。
上記の結果から、本発明のアルギン酸塩繊維は優れた創
傷被覆効果、止血効果及び抗菌効果が発現されたことが
わかる。これは上記アルギン酸塩繊維には、前記銀及び
亜鉛を有するゼオライトが全面にわたって分散され、か
かるゼオライトとアルギン酸塩繊維が相乗的に作用して
いるためと考えられる。
従って、本発明のアルギン酸塩繊維は、ガーゼ、包帯、
絆創膏をはじめ、肌着、靴下等の用途に好適に使用され
る。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば
以下のように構成することもできる。
即ち、アルギン酸塩繊維に抗菌作用を有する金属を含有
するゼオライト系化合物を配合する方法としては、アル
ギン酸塩繊維を表面処理して繊維表面にこのゼオライト
系化合物を含有させたりすることもできる。
〔発明の効果〕
本発明における第1の発明では、アルギン酸塩繊維自体
が有する効果と抗菌作用を有する金属を含有するゼオラ
イト系化合物が有する効果とが相まって、優れた抗菌効
果、殺菌効果に加え、創傷治癒効果と血液凝固効果が発
揮される。
第2の発明では、第1の発明のアルギン酸塩繊維によっ
て形成された面状体が、第1の発明と同様の優れた効果
を発揮する。
また、第3及び第4の発明では、前記抗菌作用を有する
金属が銀又は亜鉛であることにより、特に抗菌作用及び
殺菌作用が有効に発現されるという効果を奏する。
第5の発明のアルギン酸塩繊維の製造方法によれば、ア
ルギン酸のアルカリ金属塩に抗菌作用を有する金属を含
有するゼオライト系化合物を配合した溶液を、多価金属
塩の溶液中へ押し出すことにより、アルギン酸塩繊維が
容易に得られると同時に、この繊維は優れた抗菌作用、
゛殺菌作用を発現することができ、しかも創傷治癒効果
や血液凝固作用を発現できるという効果を奏する。
また、第6の発明ではアルギン酸のアルカリ金属塩がナ
トリウム塩であり、多価金属塩が塩化カルシウムである
ことにより、上記第5の発明の効果が容易かつ確実に発
揮されるという効果を奏する。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.抗菌作用を有する金属を含有するゼオライト系化合
    物を配合してなるアルギン酸塩繊維。
  2. 2.請求項1に記載のアルギン酸塩繊維を面状に形成し
    てなる面状集合体。
  3. 3.前記抗菌作用を有する金属が銀又は亜鉛であること
    を特徴とする請求項1に記載のアルギン酸塩繊維。
  4. 4.前記抗菌作用を有する金属が銀又は亜鉛であること
    を特徴とする請求項2に記載の面状集合体。
  5. 5.アルギン酸のアルカリ金属塩に、抗菌作用を有する
    金属を含有するゼオライト系化合物が配合された混合物
    を、多価金属塩の溶液中へ押し出すことを特徴とするア
    ルギン酸塩繊維の製造方法。
  6. 6.前記アルギン酸のアルカリ金属塩がアルギン酸のナ
    トリウム塩であり、多価金属塩がカルシウム塩であるこ
    とを特徴とする請求項5に記載のアルギン酸塩繊維の製
    造方法。
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