JPH0931897A - 偽造防止用紙及びその製造方法 - Google Patents

偽造防止用紙及びその製造方法

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JPH0931897A
JPH0931897A JP7201653A JP20165395A JPH0931897A JP H0931897 A JPH0931897 A JP H0931897A JP 7201653 A JP7201653 A JP 7201653A JP 20165395 A JP20165395 A JP 20165395A JP H0931897 A JPH0931897 A JP H0931897A
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忠弘 岩崎
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光男 阪野
Tatsuya Koike
達也 小池
Yoshihiko Fukumuro
嘉彦 福室
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 紙の主成分であるセルロース繊維と強固に接
着し、損紙や古紙からパルプの回収が可能な偽造防止用
紙及びその製造方法を得ること。 【構成】 紫外線の照射により蛍光発色する蛍光剤を含
んだデンプンの繊維状物が紙中に含まれていることを特
徴とする偽造防止用紙。この用紙の製造例としては、紫
外線の照射により蛍光発色する蛍光剤をデンプンのコロ
イド分散液に混合し、ついで該分散液を凝固液中に混合
撹拌若しくは吐出することで繊維状物を生成させ、つい
でこの繊維状物を製紙用パルプを主体として調製したス
ラリーに添加し抄紙する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、偽造防止用紙及びその
製造方法に関するものである。さらに詳しくは紫外線を
照射することで可視光線を発する(以下本発明では蛍光
発色と呼ぶ)繊維状物が視認でき、かつ印刷適性が良好
であり、損紙からパルプの回収が容易な偽造防止用紙及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】蛍光発色する繊維状物を紙中に含ませた
偽造防止用紙は過去に種々提案されている。この偽造防
止用紙は、紫外線を用紙に照射することで用紙に含まれ
た蛍光発色する繊維状物が可視光領域の特定波長の光を
発し、用紙が偽造されたものであるか否かを判定する。
【0003】蛍光発色する繊維状物及びそれを用紙に利
用した偽造防止用紙には種々の提案があり、例えば特公
昭56−016238号、特開平6−136695号、
他にはセルロース繊維に蛍光性物質を定着させたもの
が、米国特許第2255696号には蛍光発光するセル
ロースアセテート繊維に関するものが、特開昭62−1
84199号には30〜500μmの顆粒状の蛍光発色
する微粒子を含有した証券用紙に関するものが、特開平
6−128807号には酸化物系の蛍光顔料を練り込ん
だ蛍光発色性のある合成繊維に関するもの提案されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】よく知られているよう
に、紙の主成分であるセルロース繊維は叩解することで
フィブリル化して互いにネツトワークを形成し易くな
り、また乾燥すると繊維間で水素結合を生じるため繊維
同士の結合は非常に強いものとなる。これに反して合成
繊維はフィブリル化しないか、してもセルロース繊維に
比較してはるかにその度合いが少なく、また水素結合を
生じないので紙に抄き込まれた合成繊維の結合強度は非
常に弱いものとなる。
【0005】従って、前記偽造防止用紙のうち蛍光発色
する繊維状物として合成繊維を使用した用紙は、印刷
時、特にオフセット印刷時に合成繊維がブランケットに
とられる現象を起こし易くなる。この現象が起きると印
刷機を止めて定期的にブランケットを洗浄しなければな
らず大きな問題となる。
【0006】蛍光発色する繊維状物としてセルロース繊
維を使用したものは合成繊維と比較するとこの欠点は非
常に少ない。これは前記したようにセルロース繊維が乾
燥過程で繊維同士に水素結合を生じるからである。セル
ロース繊維を蛍光発色させるにはセルロース繊維に蛍光
染料や蛍光顔料を定着させる。蛍光染料としては、例え
ばジアミノスチルベン系の直接染料等を使用し、これを
硫酸アルミニウム等で繊維に定着させるが、蛍光発色す
る色相は青白色に限定され、また耐光性が悪いという欠
点がある。発光強度を大きくするために多量に染料を定
着させた場合には染料の泣きだし(定着した染料が溶出
する現象)が起こり易くなり、また発光強度にも限界が
ある。一方蛍光顔料を使用した場合は種々の色相に蛍光
発色する利点があるが顔料が繊維から脱落し易いという
欠点がある。
【0007】特開昭62−184199号に提案された
30〜500μmの顆粒状の蛍光発色する微粒子を含有
した証券用紙は微粒子の粒径が大きいため周囲が明るく
ても蛍光色を明瞭に視認できる利点があるが、形状が粒
子状であるためこれを用紙に抄き込むと粒子の歩留りが
悪く、また損紙や古紙からパルプの回収が困難という大
きな問題点があった。
【0008】本発明はこれらの従来技術の問題点を解決
することを課題とする。即ち紙の主成分であるセルロー
ス繊維と強固に接着し、損紙や古紙からパルプの回収が
可能な偽造防止用紙及びその製造方法を得ることを課題
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果本発明を完成する
に至った。即ち本発明は、紫外線の照射により蛍光発色
する蛍光剤を含んだデンプンの繊維状物が紙中に含まれ
ていることを特徴とする偽造防止用紙であり、また紫外
線の照射により蛍光発色する蛍光剤をデンプンのコロイ
ド分散液に混合し、ついで該分散液を凝固液中に混合撹
拌若しくは吐出することで繊維状物を生成させ、ついで
この繊維状物を製紙用パルプを主体として調製したスラ
リーに添加し抄紙することを特徴とする偽造防止用紙の
製造方法であり、また紫外線の照射により蛍光発色する
蛍光剤をデンプンのコロイド分散液に混合し、ついで該
分散液を凝固液中に混合撹拌若しくは吐出することで繊
維状物を生成させ、ついでこの繊維状物を製紙用パルプ
を主体として形成された抄紙網上の紙匹表面の全面若し
くは一部に振りかけた後に該紙匹を脱水し乾燥すること
を特徴とする偽造防止用紙の製造方法であり、また紫外
線の照射により蛍光発色する蛍光剤をデンプンのコロイ
ド分散液に混合し、ついで該分散液を凝固液中に混合撹
拌若しくは吐出することで繊維状物を生成させ、ついで
この繊維状物を製紙用パルプを主体として抄紙された基
紙の表面に塗工することを特徴とする偽造防止用紙の製
造方法であり、また紫外線の照射により蛍光発色する蛍
光剤をデンプンのコロイド分散液に混合し、ついで該分
散液を凝固液中に混合撹拌若しくは吐出することで繊維
状物を生成させ、ついでこの繊維状物を無機顔料とバイ
ンダーを主成分とする塗料に混合し、製紙用パルプを主
体として抄紙された基紙の表面に塗工することを特徴と
する偽造防止用紙の製造方法である。
【0010】次に本発明を詳細に説明する。本発明で使
用する蛍光剤としては有機の蛍光染料や有機の蛍光顔料
あるいは無機の蛍光顔料等がある。有機の蛍光染料とし
ては具体的には、フルオレッセイン,クマリン系,オキ
サゾール系,ピラゾリン系,チアジアゾール系,スピロ
ピラン系,ピレンスルホン酸系,ベンゾイミダゾール
系,ジアミノスチルベン系等を挙げることが出来る。ま
た有機の蛍光顔料としては具体的にはポリ塩化ビニル樹
脂、アルキッド樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、
ユリア樹脂、メラミン樹脂等の樹脂にフルオレッセイ
ン、エオシン、ローダミン6G、ローダミンB、ベーシ
ックイエローHG等の染料を均一に溶解させ粉砕させた
もの等を挙げることが出来る。また無機の蛍光顔料とし
ては具体的には、銅、銀、マンガン等で活性化した硫化
亜鉛、マンガン等で活性化したケイ酸亜鉛、銀、銅等で
活性化した硫化亜鉛カドミウム、ビスマス等で活性化し
た硫化カルシウム、サマリウム、セリウム等で活性化し
た硫化ストロンチウム、鉛等で活性化したタングステン
酸カルシウム、ユーロピウム等で活性化したSr(PO
4)3Cl、マンガン等で活性化したZn2GeO2、ユー
ロピウム等で活性化したY2O2S、ユーロピウム等で活
性化したY2O3等を挙げることが出来る。またこれらに
アントラキノン系やアセトフェノン系等の増感剤を併用
することも適宜行うことが出来る。
【0011】これらの蛍光剤は、昼光若しくは蛍光灯や
白熱電球等の室内光(以下本発明では普通光と呼ぶ)の
もとでは色相を有さないか若しくは淡い色相を有するも
のが好ましい。これらの蛍光剤が用紙に含まれていて
も、普通光のもとでは含まれていることが判らずそれだ
け偽造防止能が高まるからである。無機系の蛍光剤は耐
光性に優れ本発明では好適に使用される。その中でも普
通光では白色か淡い色相のものが特に好ましい。例を挙
げるとユーロピウムで活性化したY2O2S粉末は普通光
のもとでは白色であるが紫外線を照射することで赤色に
発色する。またマンガンで活性化したZn2GeO2は粉
末は普通光のもとでは白色であるが紫外線を照射するこ
とで緑色に発色する。またマンガンで活性化した硫化亜
鉛粉末は普通光のもとでは淡い赤色であるが紫外線を照
射することで橙色に発色する。
【0012】次に本発明で使用する蛍光発色する繊維状
物の製造方法の一例について説明する。デンプンの10
重量%水懸濁液を調製し、これを95℃に加熱・膨潤さ
せてデンプンのコロイド分散液とする。この分散液を5
5℃にして蛍光剤を添加する。蛍光剤の添加量は蛍光剤
の種類により、また蛍光発光強度をどのくらいにするか
で異なるが通常はデンプン100重量部(乾燥重量部)
に対して5〜50重量部である。ついで分散液を凝固液
中に設置したノズルから圧力をかけて凝固液中に吐出さ
せる。凝固液中の凝固液には硫酸アンモニウムの40重
量%水溶液を使用し、凝固浴を撹拌して繊維状物を製造
する。なお本発明の繊維状物とは繊維状の形態の物は無
論のこと、粒子状の形態の物も含む。この形態は次に説
明するように繊維状物の製造条件によって大きく変化す
る。
【0013】本発明者らが種々検討した結果、同一条件
で繊維状物を製造してもデンプンの種類が異なると繊維
長が変化することが判った。従って2種類以上のデンプ
ンを併用することで繊維長を制御することができるよう
になる。デンプンは曳糸性のあるものと曳糸性の無いも
のの2つに大きく分けることが出来ることが判った。曳
糸性のあるデンプンとは長い繊維長が得られるものを言
い、一般的には植物の茎や根から得られるデンプンで、
ポテト、キャッサバ(タピオカ)、サトイモ、サツマイ
モ、ナガイモ、ダイジョ、ヤウテア、ハリイモ、ヤマノ
イモ、インドクワズイモ、キルトスベルマ、等から採取
されるデンプンである。曳糸性の無いデンプンとは短い
繊維長が得られるものを言い、一般的には穀物から得ら
れるデンプンで、トウモロコシ、コムギ、イネ(コ
メ)、オオムギ、ライムギ、エンバク、モロコシ、ア
ワ、ヒエ、キビ、等から採取されるデンプンである。こ
こに例示したデンプンはいずれも天然デンプンであるが
本発明では変性デンプンも使用することができる。本発
明ではこれらの種々のデンプンの1種類若しくは2種類
以上を適宜組み合わせて使用する。
【0014】本発明の偽造防止用紙は主に次に挙げた方
法で製造する。1)蛍光発色するデンプン繊維状物を用
紙に内添する方法、2)蛍光発色するデンプン繊維状物
を紙匹表面へ振りかける方法、3)蛍光発色するデンプ
ン繊維状物を基紙の表面へ塗工する方法、4)無機顔料
とバインダーを主成分とする塗工液に添加して基紙に塗
工する方法、等である。以下具体的に説明する。
【0015】蛍光発色するデンプン繊維状物を内添する
方法の一例 針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフ
トパルプ(LBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ
(NBSP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の
製紙用パルプを主体としこれに乾燥紙力増強剤、湿潤紙
力増強剤、サイズ剤、定着剤、歩留り向上剤、濾水性向
上剤、消泡剤、染料、着色顔料などを適宜併用した紙料
を調製しこれに前述したような方法で製造した蛍光発色
するデンプン繊維状物を添加し、通常フリーネス550
〜250mlC.S.F.で長網抄紙機や円網抄紙機等
の公知の抄紙機を使用して抄紙する。あるいは長網抄紙
機へのスラリーの流送途中で蛍光発色するデンプン繊維
状物を添加し抄紙する。あるいは円網抄紙機のバット中
に蛍光発色するデンプン繊維状物を流送し抄紙する。多
槽型円網抄紙機の場合は抄合わせにより用紙を製造でき
るので、任意の紙層に蛍光発色するデンプン繊維状物を
内添出来る。この際、抄紙途上で紙面に澱粉、ポリビニ
ルアルコール、各種表面サイズ等をサイズプレス装置等
で塗工することも可能である。さらに必要に応じ、マシ
ンカレンダー処理やスーパーカレンダー処理を施し、表
面平滑性を向上させることも適宜行われる。
【0016】蛍光発色するデンプン繊維状物を紙匹表面
へ振りかける方法 本発明者らが特願平5−317395号で提案したよう
な装置で長網抄紙機のワイヤー上に形成された紙匹に蛍
光発色するデンプン繊維状物を全面に振りかける方法
や、特願平5−343107号で提案したように長網抄
紙機或いは円網抄紙機で筋状に振りかける方法で製造す
る。あるいは特開平6−108399号で提案されてい
るような噴射手段で振りかけてもよい。
【0017】蛍光発色するデンプン繊維状物を基紙の表
面へ塗工する方法 用紙抄造途中の乾燥ゾーンでサイズプレス装置、ビルブ
レード塗工装置、ゲートロール塗工装置等で蛍光発色す
るデンプン繊維状物に必要に応じてスチレン系樹脂、ス
チレン・アクリル系樹脂、スチレン・マレイン酸樹脂、
アルキルケテンダイマー、、澱粉、酸化澱粉、ヒドロキ
シエチル化澱粉、カルボキシメチル化セルロース、カル
ボキシメチル化グアーガム、リン酸化グアーガム、酸化
グアーガム、ポリビニルアルコール、ポリアリアクリル
アマイド等のバインダーを加え基紙表面に塗工する方法
で製造する。
【0018】無機顔料とバインダーを主成分とする塗工
液に添加して基紙に塗工する方法カオリン、炭酸カルシ
ウム、二酸化チタン、タルク、水酸化アルミニウム、二
酸化珪素、硫酸バリウム、有機顔料、等の白色顔料とデ
ンプン、カゼイン、ポリビニルアルコール、スチレン・
ブタジエン共重合ラテックス、メチルメタクリレート・
ブタジエン共重合ラテックス、ポリアクリル酸エステル
エマルジョン、ポリ酢酸ビニルエマルジョン、等のバイ
ンダーを主成分とする塗工液に蛍光発色するデンプン繊
維状物を添加して塗工し製造する。
【0019】
【実施例】以下実施例を挙げるが、重量部、重量%、g
/m2はいずれも乾燥した重量を意味する。蛍光発色す
るデンプン繊維状物の製造例について先ず述べる。 製造例1 デンプン5重量部(ポテトデンプン:コーンデンプン=
40:60)と蛍光顔料(平均粒子径2.0μmの銅活
性化硫化亜鉛粉末)2.1重量部を水95重量部に懸濁
させ、温度を95℃として20分間煮沸した。ついで5
0℃に冷却した液をノズル径100μmのノズルから攪
拌されている硫酸アンモニウム水溶液(40重量%)中
に吐出させ、平均繊維長約100μmの粒子状の繊維状
物を製造した。この繊維状物は紫外線の照射で緑色に発
色した。
【0020】製造例2 デンプン5重量部(ポテトデンプン:コーンデンプン=
40:60)と蛍光顔料(平均粒子径2.2μmのユー
ロピウム活性化Y2O2S粉末)2.1重量部を水95重
量部に懸濁させ、温度を95℃として20分間煮沸し
た。ついで50℃に冷却した液をノズル径100μmの
ノズルから攪拌されている硫酸アンモニウム水溶液(4
0重量%)中に吐出させ、平均繊維長約3.5mmの繊
維状物を製造した。この繊維状物は紫外線の照射で赤色
に発色した。
【0021】実施例1 針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)20重量部、広葉
樹晒クラフトパルプ(LBKP)80重量部を350m
lC.S.F.に叩解し、これに白土10重量部、紙力
増強剤(商品名「ポリストロン191」、荒川化学工業
(株)製)0.3重量部、サイズ剤(商品名「サイズパ
インE」、荒川化学工業(株)製)1.0重量部、硫酸
バンドを適量加え紙料を調製した。この紙料に上記製造
例1の繊維状物をパルプに対して0.02重量%、製造
例2の繊維状物を0.01重量%添加した。こうして調
製した紙料を用いて長網抄紙機で坪量110g/m2の
偽造防止用紙を抄造した。
【0022】実施例2 NBKP20重量部、LBKP80重量部を350ml
C.S.F.に叩解し、これに白土10重量部、紙力増
強剤(商品名「ポリストロン191」、荒川化学工業
(株)製)0.3重量部、サイズ剤(商品名「サイズパ
インE」、荒川化学工業(株)製)1.0重量部、硫酸
バンドを適量加え紙料を調製した。この紙料を用いて長
網抄紙機で坪量110g/m2の用紙を抄造する途中
の、抄紙網上に形成された紙匹に特願平5−31739
5号で提案した振りかけ装置を用いて上記製造例1の繊
維状物をパルプに対して0.02重量%、製造例2の繊
維状物を0.01重量%になるように全面に振りかけて
坪量110g/m2の偽造防止用紙を抄造した。
【0023】実施例3 NBKP20重量部、LBKP80重量部を350ml
C.S.F.に叩解し、これに白土10重量部、紙力増
強剤(商品名「ポリストロン191」、荒川化学工業
(株)製)0.3重量部、サイズ剤(商品名「サイズパ
インE」、荒川化学工業(株)製)1.0重量部、硫酸
バンドを適量加え紙料を調製した。この紙料を用いて長
網抄紙機で坪量110g/m2の用紙を抄造する途中
の、第1群シリンダードライヤーと第2群シリンダード
ライヤーの間に設置されたサイズプレス装置を用いて上
記製造例1の繊維状物をカチオン化コーンスターチ
((商品名「CATO SIZE」、王子ナショナル
(株)製造)水溶液に添加し(乾燥換算の重量比で1:
1)この塗工液を2g/m2表面塗工し偽造防止用紙を
製造した。
【0024】実施例4 カオリン(商品名「UW90」、エンゲルハード(株)
製造)50重量部、炭酸カルシウム(商品名「タマパー
ルTP222H」、奥多摩工業(株)製造)50重量
部、分散剤(トリポリリン酸ナトリウム)0.25重量
部、酸化澱粉(日澱化学(株)製造)6重量部、スチレ
ン・ブタジエン共重合ラテックス(商品名「ニポールL
X407C」、日本ゼオン(株)製造)14重量部より
なる塗工液に上記製造例1の繊維状物を塗料に対して
0.05重量%混合し、基紙の表面にエアーナイフコー
ターを使用して15g/m2設け、次いでスーパーキャ
レンダー処理し偽造防止用紙を製造した。
【0025】比較例1 レーヨン(商品名「コロナSB」、三晶(株)製造)を
水に分散(4重量%の濃度)し、蛍光染料(商品名「ケ
イコールBIL」、日本曹達(株)製造)を対繊維5重
量%(原液重量で)添加した。次いでÅ硝を対繊維3%
(原液重量で)原液状態で添加し、この状態で45℃に
加温し20分放置した。次いで硫酸バンドを対繊維4重
量%添加し10分放置した。ついで実施例1と同一の紙
料を用いパルプに対して0.02重量%の添加量で上記
蛍光染料を定着したレーヨンを添加した。こうして調製
した紙料を用いて長網抄紙機で坪量110g/m2の用
紙を抄造した。
【0026】比較例2 NBKP20重量部、LBKP80重量部を350ml
C.S.F.に叩解し、これに白土10重量部、紙力増
強剤(商品名「ポリストロン191」、荒川化学工業
(株)製)0.3重量部、サイズ剤(商品名「サイズパ
インE」、荒川化学工業(株)製)1.0重量部、硫酸
バンドを適量加え紙料を調製した。この紙料に蛍光発色
繊維(ユーロピウム活性化Y2O2Sを30重量%添加し
たポリエステル繊維で長さ3mm、20デニールの太
さ)をパルプに対して0.03重量%添加した。こうし
て調製した紙料を用いて長網抄紙機で坪量110g/m
2の用紙を抄造した。
【0027】表1に各実施例及び比較例の評価結果を示
す。なお評価方法は下記によった。 1)蛍光発色強度:室内(蛍光灯の照明下)及び暗室で
用紙にブラックライトを照射し、目視により発光強度を
判定し評価した。5点が室内照明下でも明瞭に蛍光発色
が認められるレベルを、3点は注意して見れば認められ
るレベルを、4点は5点と3点の中間のレベルを、2点
は室内照明下では認められないが暗室では明瞭に認めら
れるレベルを、1点は暗室でも弱い蛍光発色しか認めら
れないレベルを示す。 2)耐光性:JIS L0887に準拠したキセノンア
ーク燈光による耐光堅ろう試験を行い、5点法で評価し
た。5点は耐光性が最も優れていることを、1点は最も
劣っていることを示す。 3)印刷適性(表面強度):オフセット印刷機で印刷し
て評価した。用紙1000枚を印刷後に印刷機を止め、
ブランケットに取られる繊維の量で評価した。評価は5
点法で行い、5点が全く取られない状態を示し、1点は
数多く取られる状態を示す。実用的には3点以上が必要
である。 4)印刷適性(網点再現性):オフセット印刷機で印刷
して評価した。評価は5点法で行い、5点が最も優れて
いることを示し、1点が最も劣っていることを示す。3
点以上が実用的に必要なレベルである。 5)パルプの回収試験:3段階で評価結果を示した。優
は損紙をパルパーに投入して温度をとって攪拌しスクリ
ーンに通すだけでパルプの回収ができることを、良は専
用の回収装置で回収が可能なことを、不良は蛍光発色繊
維とパルプが分離出来ないことを示す。
【0028】
【表1】
【0029】表1の評価結果から次のことが判る。 1)本発明の実施例である実施例1〜4の偽造防止用紙
はいずれも蛍光発色する繊維状物の発光強度が強く、ま
た耐光性も優れることが判る。これに対して蛍光染料を
セルロース繊維に定着した比較例1では蛍光発色強度が
実施例に比べて弱く、また耐光性が著しく悪いことが判
る。各実施例の蛍光発色強度が強い理由として実施例の
蛍光発色する繊維状物の構成要素であるデンプンは透明
であり、繊維状物の内部まで紫外線が到達し内部に含ま
れる蛍光顔料全部が蛍光発色するのに対し、セルロース
繊維に蛍光染料を定着した比較例では蛍光染料は繊維の
表面のみに分布し蛍光発色に寄与する蛍光剤の絶対量が
不足するためと推定できる(なお比較例1での蛍光染料
の添加量は、添加量をこれ以上増加しても蛍光発色強度
は向上しないことは確かめてある)。 2)実施例はいずれも印刷時に蛍光発色する繊維状物の
脱落が無いことが判る。これに対して比較例2の蛍光顔
料を練り込んで製造したポリエステル繊維の混抄では印
刷時に繊維が著しく脱落することが判る。これは蛍光発
色する繊維状物は用紙を構成するセルロース繊維と乾燥
工程で強固に接着するのに対し、ポリエステル繊維はこ
の性質が全く無いためである。 3)実施例はいずれも損紙からパルプの回収が容易であ
る。これは蛍光発色するデンプンの繊維状物が回収時に
熱により溶解されてしまうからである。これに対し比較
例では蛍光発色する繊維の除去が不可能であるので回収
された繊維の再使用が限定されるという問題点がある。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明の偽造防止用
紙は製造され、下記に述べるような顕著な効果を有す
る。 1)蛍光剤を含んだデンプンの繊維状物は用紙を構成す
るセルロース繊維と乾燥工程で強固に接着するので印刷
時、特にオフセット印刷時に繊維が脱落する欠点が無
い。 2)損紙や古紙から蛍光剤を含まないパルプの回収が可
能となる。 3)必要に応じてブラックライトの照射で種々の色相に
発色する繊維状物が混抄されて見える偽造防止用紙を製
造できる。 4)曳糸性のあるデンプンと曳糸性の無いデンプンの混
合比率を変化させることで粒状から長い繊維状物まで種
々の形態の蛍光発色する繊維状物が含まれた偽造防止用
紙を製造できる。 5)蛍光発色する繊維状物を無機顔料とバインダーを主
成分とする塗料に混合し、製紙用パルプを主体として抄
紙された基紙の表面に塗工することで印刷適性の優れた
偽造防止用紙を製造できる。 6)用紙に沃素液を噴霧することでデンプンが紫色に発
色し(沃素−デンプン反応による)、用紙が偽造された
否かを容易に判定できる。 7)耐光性のよい種々の蛍光発色材料を使用できるの
で、従来の蛍光染料で染着した繊維を使用した偽造防止
用紙と比較して偽造防止能が高まる。
フロントページの続き (72)発明者 阪野 光男 静岡県駿東郡長泉町本宿501番地 特種製 紙株式会社内 (72)発明者 小池 達也 静岡県駿東郡長泉町本宿501番地 特種製 紙株式会社内 (72)発明者 福室 嘉彦 静岡県駿東郡長泉町本宿501番地 特種製 紙株式会社内 (72)発明者 高見 憲 静岡県駿東郡長泉町本宿501番地 特種製 紙株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外線の照射により蛍光発色する蛍光剤
    を含んだデンプンの繊維状物が紙中に含まれていること
    を特徴とする偽造防止用紙。
  2. 【請求項2】 紫外線の照射により蛍光発色する蛍光剤
    をデンプンのコロイド分散液に混合し、ついで該分散液
    を凝固液中に混合撹拌若しくは吐出することで繊維状物
    を生成させ、ついでこの繊維状物を製紙用パルプを主体
    として調製したスラリーに添加し抄紙することを特徴と
    する偽造防止用紙の製造方法。
  3. 【請求項3】 紫外線の照射により蛍光発色する蛍光剤
    をデンプンのコロイド分散液に混合し、ついで該分散液
    を凝固液中に混合撹拌若しくは吐出することで繊維状物
    を生成させ、ついでこの繊維状物を製紙用パルプを主体
    として形成された抄紙網上の紙匹表面の全面若しくは一
    部に振りかけた後に該紙匹を脱水し乾燥することを特徴
    とする偽造防止用紙の製造方法。
  4. 【請求項4】 紫外線の照射により蛍光発色する蛍光剤
    をデンプンのコロイド分散液に混合し、ついで該分散液
    を凝固液中に混合撹拌若しくは吐出することで繊維状物
    を生成させ、ついでこの繊維状物を製紙用パルプを主体
    として抄紙された基紙の表面に塗工することを特徴とす
    る偽造防止用紙の製造方法。
  5. 【請求項5】 紫外線の照射により蛍光発色する蛍光剤
    をデンプンのコロイド分散液に混合し、ついで該分散液
    を凝固液中に混合撹拌若しくは吐出することで繊維状物
    を生成させ、ついでこの繊維状物を無機顔料とバインダ
    ーを主成分とする塗料に混合し、製紙用パルプを主体と
    して抄紙された基紙の表面に塗工することを特徴とする
    偽造防止用紙の製造方法。
  6. 【請求項6】 デンプンのコロイド分散液が曳糸性のあ
    るデンプンと曳糸性の無いデンプンのコロイド分散液で
    あることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項記載
    の偽造防止用紙の製造方法。
  7. 【請求項7】 曳糸性のあるデンプンとして馬鈴薯デン
    プンを、曳糸性のないデンプンとしてトウモロコシデン
    プンを使用する請求項6記載の偽造防止用紙の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 蛍光剤が無機系の蛍光顔料である請求項
    1〜5のいずれか1項記載の偽造防止用紙の製造方法。
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