JPH10223196A - 非水系電池 - Google Patents

非水系電池

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JPH10223196A
JPH10223196A JP9032961A JP3296197A JPH10223196A JP H10223196 A JPH10223196 A JP H10223196A JP 9032961 A JP9032961 A JP 9032961A JP 3296197 A JP3296197 A JP 3296197A JP H10223196 A JPH10223196 A JP H10223196A
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separator
cellulose
aqueous battery
csf
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Taiji Mizobuchi
泰司 溝渕
Teruyuki Shinsenji
輝幸 秦泉寺
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 耐熱性、イオン透過性、保液性、内部短絡の
防止等の諸特性を高い非水系電池。 【解決手段】 セパレータはセルロースを原料として湿
紙を製造し、該湿紙に存在する空隙構造を保持したまま
乾燥させた、正極活物質と負極活物質をセパレータによ
って電子的に隔離してなる非水系電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は非水系電池に関し、特に
は正極活物質と負極活物質とを電子的に隔離するセパレ
ータとして、微細な貫通孔を有して多孔質であるととも
に、緻密性を有して気密度が高い、セルロースを原料と
する新規なセパレータを用いることによって、耐熱性、
イオン透過性、保液性、内部短絡の防止等の諸特性を高
いレベルで改善するものである。
【0002】
【従来の技術】リチウム電池、リチウムイオン二次電池
等の非水系電池は小型、軽量で重量エネルギー密度が大
きいため、携帯電話やノートブック型パソコン、一体型
ビデオカメラ等の携帯電子機器の電源として近年飛躍的
に普及してきており、その生産量も年々大幅に増加して
いる。この非水系電池は電解液として非水系溶媒、例え
ばプロピレンカーボネート、エチルメチルカーボネー
ト、エチレンカーボネート、プロピオン酸メチル、γ−
ブチロラクトン、ジエトキシエタン等の非プロトン性の
有機溶媒を使用し、これらの溶媒に電解質としてにLi
BF4、LiPF6、CH3SO3Li等を溶解させて使用
している。また、正極活物質としてリチウム含有酸化物
のLiCoO2やLiNiO2等が使用され、負極活物質
として炭素材料の黒鉛やグラファイト等が使用されてい
る。
【0003】非水系電池の性能を決定する要素の中に、
ショート不良率を軽減するために正極活物質と負極活物
質の接触による内部短絡を防止すること、起電反応を生
ずるために必要にして充分な量の電解液を保持するとと
もに、電池反応のための電荷担体の良好な透過性を確保
すること、即ちイオンの伝導を妨げずに内部抵抗を小さ
くするためにインピーダンス特性、特に等価直列抵抗
(以下ESRと略する)を低くすることがあり、このシ
ョート不良率とESRはセパレータによって大きく左右
される。
【0004】ショート不良率には組立て時及び製品とし
て市場での使用時のふたつのショート不良率があり、い
ずれの場合もショートの発生する箇所はセパレータの弱
い箇所であり、例えばピンホールがあればそこからショ
ートする。そこで、ショート不良率を低減するにはでき
るだけ均一でピンホールなどの貫通孔が無い緻密性の高
いセパレータ、換言すれば気密度の高いセパレータとす
ることが要求される。
【0005】一方ESRを低下させるためにはショート
不良率の改善とは逆に、イオンが通る経路としての貫通
孔を確保するために多孔質のセパレータ、換言すれば気
密度の低いセパレータとすることが要求される。これは
非水系電池の伝導方式はイオン伝導であって、電荷を持
ったイオンが移動することで電荷が移動するためであ
る。このようにショート不良率を低減するには緻密性を
高めて気密度を高くすることが、一方ESRの改善のた
めには多孔質なものとして気密度を低くするという相反
する特性がセパレータには求められているのである。
【0006】従来、非水系電池のセパレータとしては、
高気密度で貫通孔を多数有するものとしてポリオレフィ
ン系の多孔質フィルムや不織布が使用されており、具体
的にはポリプロピレン多孔質フィルムやポリエチレン多
孔質フィルムが商品として提供されている。コイン型電
池には主としてポリオレフィン系の不織布が使用され、
円筒型電池には主としてポリオレフィン系の多孔質フィ
ルムが使用されている。
【0007】これらポリオレフィン系の多孔質フィルム
は10〜40μmと薄く、微細な貫通孔がフィルム全面
に均一にあいているため、数千秒/100ccから数万
秒/100ccの気密度を得ることができ、更にフィル
ム自体の電気絶縁性が高いにもかかわらず電解液を含浸
させたときのESRが低いため、セパレータとして使用
されているのである。
【0008】また、ポリオレフィン系の多孔質フィルム
は、電池が過充電や過放電等により異常に高温となる
と、内部温度が120〜170℃程度で溶融し、微細貫
通孔が閉塞して電流が流れなくなるシャットダウン効果
があり、このシャットダウン効果を安全機構としてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のセパレータはポリオレフィン系であるため、融点が
存在し(PEの耐熱温度は高くても120℃,PPの耐
熱温度は160℃)、寸法安定性に欠けるため、内部温
度が高温となると多孔質フィルムに収縮欠損部を生じ、
収縮欠損した部分で内部短絡が発生してしまう。そのた
め、完全なシャットダウンに至る前に短絡箇所に電流が
集中し、温度が急激に上昇すると、ポリオレフィン系の
多孔質フィルムは収縮あるいは溶融して異常過熱を起こ
す危険性がある。また、130℃以上の高温となると多
孔質フィルムが溶融流出してしまうおそれがあり、両極
が内部短絡して発火する危険性を有する。そこで、安全
性を高めるためにより高い耐熱性と寸法安定性が非水系
電池のセパレータに求められているのである。
【0010】また、非水系電池には高容量化、小型軽量
化が求められており、セパレータには今まで以上に薄膜
化が要求されている。しかしながら、従来のポリオレフ
ィン系の多孔質フィルムには本来μmオーダーのピンホ
ール、具体的には長径0.5μm、短径0.05μm程
度の長円形の裂け目のようなピンホールが多数分散して
存在する。かかるμmオーダのピンホールの存在は、両
極活物質の微細粉が通過可能なサイズであり、容量低下
や短寿命化、内部短絡の原因となる可能性がある。その
ため、薄膜化をすると更にピンホール発生率が高くな
り、かつ、ピンホールのサイズも大きくなって短絡しや
すくなってしまうため、薄膜化の要求に応えることがで
きない。また、ポリオレフィン系の多孔質フィルムは親
液性がなく、電解液の含浸性が悪いため、電解液の保持
量が少なくなり寿命が短い。
【0011】更に、製品となった非水系電池からは安全
性向上のため、より高い耐熱性が要求されている。具体
的にはリチウムイオン電池ではリチウム金属の発火温度
である190℃以上でも形態を保持するセパレータが求
められている。現在、この様な耐熱性を有する多孔質フ
ィルムは存在していない。また、PEやPPは原料とし
て高価であり、製造工程も複雑であることから製造単価
を引き下げることが困難である。また、PE、PPいず
れにしても石油系資源であり、昨今の環境に対する配慮
から新たな素材が求められている。
【0012】そこで、耐熱性と耐薬品性を併せ持った再
生産可能な安価な原料としてセルロースが存在する。素
材としてセルロースを見た場合、230℃までの耐熱性
を有している。また、セルロースを溶かす薬剤が今も探
索されていることからも分るように薬品に対して安定で
ある。そこで、このセルロースを原料として微細な貫通
孔を有して多孔質であるとともに、緻密性を有して気密
度が高いセパレータを製造することができれば、ショー
ト不良率とESRを共に低減させて、耐熱性、イオン透
過性、保液性、内部短絡の防止等の諸特性を高いレベル
で改善することができる。しかしながら、従来の抄紙法
によって製造されたセパレータでは多孔質と高気密度の
双方を充足することはできなかった。非水系電池のセパ
レータとして使用できる100μm以下の厚さで、内部
短絡を防止してショート不良率を低減するために気密度
を1000秒/100cc程度まで高くしようとする
と、セルロースパルプを叩解し密度を0.75g/cm
3程度に抄紙しなければならないが、そうするとセパレ
ータはフィルム状となりイオンの経路としての貫通孔が
無くなってしまいESRが悪化してしまうのである。
【0013】そこで、セルロースを原料として非水系電
池のセパレータを製造しようとする場合にセパレータの
性能を決定する重要な要素としてセパレータの気密度の
コントロールがあり、ショート不良率とESRの双方を
高いレベルで改善するには、微細な貫通孔を有する多孔
質であって、かつ、高い気密度、具体的には1000秒
/100cc以上の気密度を有するセパレータが望まし
い。気密度が数百秒/100ccのレベルのセパレータ
では全体としては緻密性を有していてもピンホールが存
在するためである。
【0014】従来、セルロースを原料とする紙の気密度
のコントロールは次の二つの方法により行われている。
一つは原料となるセルロース繊維の叩解の度合い進め
て、より密度の高いセパレータを製造する方法であり、
もう一つはセパレータを厚くする方法である。
【0015】叩解の程度による気密度のコントロールで
は、叩解の浅いセルロース繊維を用いて低密度のセパレ
ータに抄紙すると気密度は低く、叩解を進めたセルロー
ス繊維を用いて密度を高く抄紙すると気密度を高くする
ことができる。セルロース繊維の叩解の程度がJIS
P8121に規定するCSF(カナダ標準形口水度、C
anadian Standard Freenes
s、以下、JIS法CSFという)の値で770mlと
ほとんど叩解していないバージンパルプを用いて、密度
を0.3g/cm3、厚さ50μm程度のセパレータを
抄紙すれば、気密度を約1秒/100ccにコントロー
ルすることができ、JIS法CSFの値で400ml程
度まで叩解を進めて抄紙すれば、同一厚さのセパレータ
であっても叩解を進めることによって、密度を0.3g
/cm3から0.55g/cm3に高めることができ、気
密度を数百秒/100ccにコントロールすることがで
きる。
【0016】そこで、叩解を高度に進めていけば気密度
を数千秒/100ccから数万秒/100ccまで、あ
るいはそれ以上までコントロールすることが可能ではな
いかと考えられる。しかしながら、ある程度以上叩解を
進めた原料を使用した場合、セパレータの表裏間の貫通
孔が存在しなくなってしまい、従来のセパレータでは1
000秒/100cc以上の気密度を実現することをコ
ントロールすることはできなかった。これはJIS法C
SFの値で約200mlより叩解を進めて抄紙をする
と、繊維間の空隙がなくなってしまい、セパレータには
もはや貫通孔が存在しなくなり、気密度は無限大となっ
て実際上測定できなくなるからである。これはセパレー
タが自己接着力をもつセルロースで製造されることに起
因する避け難い性質である。貫通孔が存在しなくなるこ
とはイオンが通る経路がなくなることであり、ESRが
極端に悪化してしまう。
【0017】一般に繊維径が小さいほど水の表面張力に
よる湿紙中の繊維間に働く力は大きくなる。このことは
キャンプベル効果(Campbell効果)として知ら
れている。キャンプベルの計算によると繊維径30μm
の繊維間の引力は6.1Kg/cm2、であるのに対
し、繊維径2μmでは繊維間の引力は38Kg/cm2
となり、更に繊維径0.2μmとなると繊維間の引力は
174Kg/cm2になる。高度に叩解された植物繊維
は繊維径が元の大きさに比べ小さくなっており、その繊
維間に働く力も大きく、繊維間の距離も小さくなってい
る。そこで、湿紙の状態から乾燥工程に入ると水が蒸発
し、このとき水の表面張力が大きいため、隣同志の繊維
を強力に引き付ける。繊維間距離が小さくなるとワンデ
ルウァールス力が働き、更に繊維相互を引き付け、つい
には水素結合により密着することとなり、繊維間の空隙
が減少してしまう。そのため、JIS法CSFの値で2
00ml以下に叩解を進めると得られたセパレータの繊
維間の空隙がなくなってしまうため、気密度が測定でき
なくなるのである。よって、イオンが通る経路としての
貫通孔が無くなってしまうこととなる。一方、叩解の程
度が浅く大きな繊維の形状が保持されている場合には、
繊維の接触点で水素結合が発生しても全体としてみると
空隙が多く存在するのである。
【0018】また、JIS法CSFの値で200mlに
到る前に、JIS法CSFの値の微調整を試みることに
よっても、1000秒/100cc以上の気密度をコン
トロールすることはできない。上記したように、繊維径
が小さくなると、繊維間に働く力が急激に大きくなる。
しかもセルロース繊維を叩解するとセルロース繊維は1
/2や1/3に段階的に開裂して行くのではなく、直径
0.4μm程度のフィブリルが繊維の外部から段階的に
ひげ状に発生して行く。即ち、叩解の程度は0.4μm
のフィブリルの発生状況のことであり、叩解が進むこと
はフィブリルの比率が増加することを示している。一
方、基となるセルロース繊維、例えば針葉樹パルプの繊
維は長径40μm、短径10μm程度の楕円形であり、
マニラ麻パルプの繊維は直径20μm程度のほぼ円形で
ある。そのため、叩解の程度はマニラ麻パルプであれ
ば、直径20μmの繊維と、直径0.4μmのフィブリ
ルの比率の変化として捉えることができる。よって、J
IS法CSFの値で200mlに到る前の微妙なJIS
法CSFの値の調整で気密度をコントロールすることは
できないのである。また、試みたとしても目標値に対
し、±数千秒〜数万秒/100ccのバラツキが発生す
ることとなると考えられる。
【0019】そのため、叩解の程度を調節することによ
って、気密度として数百秒/100ccのセパレータを
製造することはできても、イオンが通る経路としての貫
通孔を維持して気密度を上げるために1000〜数万秒
/100ccの気密度をコントロールしながら製造する
ことはできなかった。即ち、セルロースを原料として微
細な貫通孔を有する多孔質であって、かつ、高い気密度
を有するセパレータを製造することはできなかったので
ある。
【0020】また、もう一つの気密度を高くする方法と
してセパレータを厚くする方法がある。理論的には空気
の通過する距離が長くなればなるほど気密度は高くな
り、セパレータを厚くすれば高気密度のセパレータを製
造することが可能である。しかし、セパレータとしては
15〜100μmが主に使われており、これより厚いも
のは実際上使用することができないため、できるだけ薄
い方が良い。特に現在ではより高容量化、小型軽量化が
望まれており、従来より更に薄くすることが期待されて
いる。よって、セパレータとして要求される100μm
以下の厚さの範囲では、厚さを調整することによって、
或は叩解の程度と厚さの調整を併用することによって気
密度を1000秒/100cc以上でコントロールする
ことはできなかった。
【0021】一方、ESRを改善するためにセルロース
を原料として貫通孔を有する多孔質のセパレータを得る
ためには、ショート不良率の改善とは逆にセパレータを
薄く、その密度を低くする必要がある。しかしながら、
セパレータを薄くしたり密度を低くすると必然的に気密
度は低下してしまう。また、気密度を高めるためにセパ
レータを厚くすると一次式的にESRが悪化し、密度を
高めると二次式的にESRが悪化するのである。
【0022】以上のように、従来はセルロースを原料と
してイオンが通る経路としての貫通孔を維持するために
多孔質であって、かつ、高い気密度を有するセパレータ
を得ることはできず、ショート不良率とESRの双方を
高いレベルで改善することはできなかった。
【0023】そこで、叩解の程度を進めたセルロース原
料で製造され、気密度が無限大となって測定不能となる
高密度紙を多孔質のものとすることができれば、従来不
可能とされていた高気密度であって低密度のセパレータ
を得ることができる。即ち、叩解を進めた原料を使用し
ても、空気が通過することのできる微細な貫通孔を有す
るセパレータを製造することができれば、高気密度であ
ってもイオンが通る経路としての貫通孔を確保したセパ
レータをセルロースを原料として得ることができるので
ある。この高気密度であって低密度のセパレータによれ
ば、気密度を高いレベルでコントロールすることがで
き、従来の気密度を上げると密度が高くなってESRが
悪く、密度を下げてESRを良くすると気密度が下がり
緻密性に欠けてショート不良率が増加することとなり、
ショート不良率とESRの双方を同時に高いレベルで満
足させることが困難であったセパレータの欠点を解消す
ることができる。また、セルロースは再生産可能な天然
資源であり、産業廃棄物の問題も少ないため、石油資源
の利用から再生産可能な天然資源への利用へと転換を図
ることができて望ましい。
【0024】そこで、本発明は上記従来の事情に基づ
き、耐熱性、耐薬品性に優れた再生産の可能な天然資源
であるセルロースを原料として、微細な貫通孔を有する
多孔質で低密度であるとともに、緻密性を有して気密度
が高い新規なセパレータ、即ち、イオンが通る経路とし
ての貫通孔を維持するために多孔質であって、かつ、高
い気密度を有するセパレータを用いることによって、耐
熱性、イオン透過性や保液性等の電気特性、内部短絡の
防止等の諸特性を高いレベルで改善する非水系電池を提
供することを課題とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を達成
するために、正極活物質と負極活物質とをセパレータに
よって電子的に隔離してなる非水系電池において、前記
セパレータはセルロースを原料として湿紙を製造し、該
湿紙に存在する空隙構造を保持したまま乾燥させた非水
系電池及び該湿紙に存在する空隙構造を保持したまま乾
燥させることにより、微細な貫通孔を有する非水系電池
を基本として提供する。また、湿紙は原料を水に分散さ
せて抄紙し、又は原料を水より表面張力の小さい有機溶
媒に分散させて抄紙する。湿紙中の水分は水と相溶性の
ある表面張力の小さい溶媒と置換し、又は凍結乾燥させ
ることにより乾燥させる。また、湿紙中の有機溶媒は揮
発させることにより乾燥させる。湿紙は原料をキャステ
ィング製膜することもできる。原料のセルロースとして
は繊維径が1μm以下の微細なセルロースを使用し、微
細なセルロースとしてはセルロース繊維をJIS法CS
F(JIS P8121)の値で200ml以下に叩解
したセルロース、或は変法CSF(JISP8121に
規定する測定法において、試料3gを試料0.3gとし
て測定する)の値で700ml以下に叩解したセルロー
スを使用する。また、微細なセルロースとしてセルロー
ス繊維を高圧下剪断力で解繊したマイクロフィブリル化
セルロースを使用することもできる。更に、湿紙にホウ
酸アルミニウム又はチタン酸カリウムなどの無機フィラ
ーを混抄することも有効である。そして、得られたセパ
レータは厚さが100μm以下、気密度が1000秒/
100cc以上が好ましい。
【0026】上記本発明によれば、湿紙の状態において
セルロース繊維間の空隙構造に保持された水を溶媒置換
又は凍結乾燥によって乾燥させ、或はセルロース繊維を
有機溶媒に分散させて抄紙することにより湿紙を製造
し、湿紙中の有機溶媒を揮発させることにより乾燥させ
るため、従来の抄紙法のように湿紙からの乾燥工程で水
が蒸発するときに隣同志の繊維を強力に引き付けて水素
結合により密着することがない。そのため、湿紙に存在
する空隙構造をそのまま保持することにより、微細な貫
通孔を有する多孔質で低密度であるとともに、緻密性を
有して気密度が高い新規なセパレータ、具体的には厚さ
が100μm以下、気密度が1000秒/100cc以
上の多孔質高気密度のセパレータを得ることができる。
即ち、ショート不良率を改善するために高い気密度を有
し、かつ、ESRを改善するためにイオンが通る経路と
しての貫通孔を維持した多孔質のセパレータを得ること
ができる。よって、このセパレータを用いることによっ
て、イオン透過性や保液性等の電気特性、内部短絡の防
止、耐熱性等の諸特性を高いレベルで改善する信頼性の
高い非水系電池を提供することができる。
【0027】本発明によれば、微細な貫通孔を有して多
孔質であるとともに、緻密性を有して気密度が高い実用
性の高いセパレータを再生産可能な天然資源であるセル
ロースから作ることができる。この結果、非水系電池の
信頼性向上、普及促進、ポリオレフィン系樹脂から製造
された多孔質フィルムが耐熱性の不足により使用できな
かった分野への利用の拡大を図ることができる。即ち、
セルロースを原料とすることにより230℃の耐熱性を
実現することができ、例えばリチウムイオン電池におい
てリチウム金属の発火温度である190℃以上の耐熱性
を実現することができる。また、セルロースは再生産可
能な天然資源であるため、有限な石油資源の利用から再
生産可能な天然資源への利用への転換が図ることができ
る。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる非水系電池
の各実施形態を説明する。本発明にかかる非水系電池
は、正極活物質と負極活物質とを電子的に隔離するセパ
レータとして、セルロースを原料として湿紙を製造し、
該湿紙に存在する空隙構造を保持したまま乾燥させるこ
とにより、イオンが通る経路としての微細な貫通孔を維
持するために多孔質であって、かつ、高い気密度を有す
るセパレータを使用することに特徴を有する。
【0029】従来の抄紙法においても、原料としてのセ
ルロース繊維の叩解を進めていくと得られるセパレータ
の気密度は高くなるが、前記したようにJIS法CSF
の値で約200ml以下に叩解を進めて密度0.75g
/cm3以上に抄紙をすると繊維間の空隙がなくなって
しまい、セパレータには貫通孔がもはや存在しなくな
り、気密度は無限大となって実際上測定できなくなって
しまう。しかしながら、その場合であっても湿紙の状態
においては空隙構造を有する。即ち、乾燥したセパレー
タには貫通孔が存在しなくても、乾燥前の湿紙には貫通
孔が存在する。乾燥することによって、水分が蒸発し、
セルロース繊維相互の水素結合によって空隙が癒されて
貫通孔が存在しなくなるが、湿紙の状態ではどんなに叩
解の程度を進めたとしても水分が保持されている空隙が
存在するのである。例えば、JIS法CSFの値で約2
00ml以下まで叩解を進めて抄紙したとしても、湿紙
の状態ではプレスすることにより脱水することができ
る。このことは湿紙中に連続した水の流路が存在するこ
とを示しているに他ならない。本発明は乾燥時における
湿紙の空隙構造に与える水の影響を極力小さくすること
によって、換言すれば水素結合の発生を抑制することに
よって、この湿紙状態の空隙構造、即ち水の流路を保持
したまま乾燥させて、微細な貫通孔を有する多孔質で高
気密度のセパレータを使用した非水系電池を提供するも
のである。
【0030】先ず、本発明は耐熱性、耐薬品性に優れた
再生産可能な天然資源であるセルロースを原料とする。
使用するセルロースそのものには限定がなく、針葉樹木
材パルプ、広葉樹木材パルプ、エスパルトパルプ、マニ
ラ麻パルプ、サイザル麻パルプ、コットンパルプ等の天
然セルロース繊維、或はこれら天然セルロース繊維を冷
アルカリ処理して得たマーセル化パルプ、更には普通レ
ーヨン繊維、ポリノジックレーヨン繊維、有機溶剤紡糸
レーヨン繊維等の再生セルロース繊維などのいずれでも
よい。なお、使用するセルロースは洗浄・脱水・除塵な
ど公知の方法で不純物を除去しておく。
【0031】更に、より高気密度のセパレータを得るた
めには繊維径が1μm以下の微細なセルロースを原料と
する。具体的には高度に叩解したセルロース、或はマイ
クロフィブリル化セルロース(MFC)を使用する。高
度に叩解したセルロースは、基のセルロースの繊維の形
状が破壊されて、外部フィブリル化が進み、直径0.4
μm程度のフィブリルの占有率が高くなっているもので
あり、繊維径としては1μm以下のものである。なお、
本発明でいう繊維径が1μm以下の微細なセルロース
は、フィブリルの占有率が高いもの、即ちフィブリルが
繊維の主たる要素となっていればよく、フィブリルだけ
のものと共に、一部にフィブリル化されていない繊維径
1μmを越える基の繊維が残存しているものであっても
よい。
【0032】前記したようにセルロース繊維を叩解する
とセルロース繊維は1/2や1/3に段階的に開裂して
行くのではなく、直径0.4μm程度のフィブリルが繊
維の外部から段階的にひげ状に発生して行く。従って、
天然セルロース繊維を叩解或は他の手段によって、開裂
させて繊維径を小さくすることはできないのである。叩
解の程度は0.4μmのフィブリルの発生状況のことで
あり、叩解が進むことはフィブリルの比率が増加するこ
とを示している。本発明ではこのフィブリルの占有率の
高い微細な天然セルロースを原料とするものである。因
に天然セルロース繊維で繊維径の小さいものとしてエス
パルト繊維があるが、このエスパルト繊維でも繊維径は
10μm程度である。
【0033】また、この繊維径が1μm以下の微細なセ
ルロースを原料とすることによって、得られるセパレー
タの緻密性が高まり地合が均一となってESRも改善さ
れる。従来は繊維径が1μm以下まで高度に叩解した原
料を使用すると乾燥時の水素結合によって貫通孔が存在
しなくなり、ESRが極端に悪化するのである。本発明
では従来より繊維径が小さい1μm以下の繊維径の微細
なセルロースを原料としてもイオンが通る経路としての
貫通孔を維持した多孔質のセパレータを製造することが
できるため、繊維径が小さいことと、多孔質であるとの
相乗効果によってESRを改善することができるのであ
る。
【0034】これらのセルロースを繊維径が1μm以下
の微細なセルロースとするための手段の一つとして、J
IS法CSFの値で200ml以下に、或は変法CSF
の値で700ml以下まで高度に叩解を行う。通常、叩
解の程度はJIS法CSF(JIS P8121)の値
で測定される。しかしながら、本発明ではより正確に気
密度をコントロールするための叩解の程度の基準とし
て、JIS法CSFとともに、JIS法CSFの変法と
して、変法CSFにより叩解の程度を特定する。そこ
で、JIS法CSFの内容及び本発明で基準とする変法
CSFの内容について以下に説明する。
【0035】〔JIS法CSF〕JIS P8121に
規定されている測定手段である。先ず測定するパルプ3
gを水で良く離解して正確に1000mlの試料液と
し、この試料液を図7(A)に示すカナダ標準型フリー
ネステスターのロ水筒31に入れて上蓋32を閉める。
次に下蓋33を開けて、上蓋のコック34を開けると、
ロ水筒31の下部に配置された80メッシュの網35を
通じてロ水が流れ出る。このとき80メッシュの網35
上には繊維がマット状に堆積して行く。試料液はこのマ
ット状の繊維間を通過して、ロ水としては図7(B)に
示すロ水筒31の下方に位置する漏斗36に入り下部排
出口37から流出する。このとき漏斗36へ一度に多く
のロ水が入れば、ロ水は排出口37だけでなく、漏斗3
6の横に取付けた側管38からも排水される。この側管
38からの排水をメスシリンダーに受け、この排水の量
をもってCSFの値とする。なお、図7(C)は架台3
9を示すものであり、上台40にロ水筒31を載置し、
下台41に漏斗36を載置して、ロ水筒31と漏斗36
の高さと中心を合わせて測定するものである。
【0036】CSFの値は1000mlの試料液がロ水
筒31からロ水として漏斗36に一度に流入する量によ
って決定される。漏斗36に一度に多量のロ水が流入し
た場合は、下部排出口37から全量を排出することがで
きず、溜ったロ水が側管38からあふれ出ることとな
る。一方、ロ水が少しずつ流出すると全量が下部排出口
37から排出されることとなり、側管38から流出する
ことはない。この場合CSFは0mlとなる。また、叩
解の程度が浅いとマット状の繊維間を水が通過すること
ができ、ロ水の量が多く流入速度も早いため、CSFの
値が高くなる。一方、叩解の程度が高いとマット状の繊
維間を水が通過しにくくなり、ロ水の量が減り流入速度
も遅くなるため、CSFの値が低くなるのである。
【0037】JIS法CSFではパルプの採取量を3g
と規定している。この方法は叩解度の低いパルプを想定
しており、低気密度のセパレータを抄紙するには、JI
S法CSFは叩解の程度の変化が値として判り易くて都
合が良い。しかしながら、高気密度のセパレータを抄紙
するため叩解を進めていくと、ある時点からJIS法C
SFの値が0mlとなって、叩解の進行度を把握するこ
とができなくなる。本発明の課題とする多孔質高気密度
のセパレータを得るためにはJIS法CSFで規定する
0ml前後からそれ以降の原料叩解が重要である。そこ
で、本発明では、高度に叩解を進めた原料の叩解の程度
をより正確に測定するために、JIS法CSFを基準と
して次のような変法を用いた。
【0038】〔変法CSF〕JIS P8121に規定
する方法を基本とし、パルプ量のみを3gから0.3g
に変更して測定した。採取パルプの量以外は全てJIS
法CSFと同様とした。
【0039】この変法CSFによれば、高度に叩解を進
めた原料であっても叩解の程度の差をCSFの値として
捉えることができる。このJIS法CSFによる測定値
と変法CSFによる測定値を比較検討するため、図1に
叩解を進めたときのJIS法CSFと変法CSFの値の
変化をグラフとして示すと共に、図2に縦軸に変法CS
Fの値を、横軸にJIS法CSFの値を取って、両者の
関係をグラフとして示す。図1に示すように、変法CS
Fで700mlの値は、JIS法CSFで略200ml
の値となり、変法CSFで300mlの値はJIS法C
SFでは0mlとなって、もはや叩解の程度をCSFの
値として測定することができない。また、図2に示すよ
うに叩解の浅い初期の段階、即ちJIS法CSFの値で
200ml以上の状態(200〜800ml)ではJI
S法CSFの測定値が大きく変化するのに対し変法CS
Fの値の測定値は変化が乏しい。この段階ではJIS法
CSFの方が叩解の深浅の程度を把握しやすい。逆に、
叩解が進んだ段階、即ちJIS法CSFで200ml以
下の値となると、変法CSFでの測定値の方が変化が大
きくなって捉らえやすくなる。一方、JIS法CSFの
値では0mlになった場合においても変法CSFの値で
は300mlであり、更に叩解を進めた場合JIS法C
SFでは測定不可能であるが、変法CSFでは叩解の程
度を数値として測定することができる。
【0040】変法CSFの値は図2中の換算式を用いる
ことにより、JIS法CSFの値から換算することがで
きる。なお、換算式は図2に示すように、JIS法CS
Fの値で、200ml以下の値、200〜600mlの
範囲の値、600〜800の範囲の値の3種類のゾーン
にて係数を異にしている。なお、表3においてrは相関
係数であり、JIS法CSFの値から換算式によって求
めた変法CSFの値が実際の値と一致していることを示
している。
【0041】変法CSFではパルプ量をJIS法CSF
の1/10である0.3gとすることによって、パルプ
の絶対量の減少と共に、試料液の濃度が低下することと
なり、ロ水の流入量が増加し流入速度も大きくなる。そ
のため、JIS法CSFに比較してCSFの値が高くな
るのである。例えばJIS法CSFの値で0mlまで叩
解したパルプではJIS法CSFの測定方法である3g
で測定すると、試料液の粘度が高くなり、80メッシュ
の網35の上に小量で緻密なマット状の繊維が形成され
て、ロ水の流出が止まってしまうため、それ以上に叩解
を進めたパルプのCSFの測定を行うことができなくな
る。これに対し、変法CSFの0.3gでは試料液の粘
度が低く、80メッシュの網35の上にマット状の繊維
が形成される前に一定量のロ水がロ水筒31から漏斗3
6に流入するため、側管38からあふれ出たロ水の量を
測定することができ、JIS法CSFで0ml以下に更
に叩解を進めたパルプのCSFの値を変法CSFとして
測定できるのである。
【0042】そこで、フィブリルを発生させて本発明に
おける繊維径が1μm以下の微細なセルロースとするた
めには、JIS法CSFの値で200ml以下に、或は
変法CSFの値で700ml以下まで高度に叩解を行う
必要があり、更に求める高気密度に応じて変法CSFの
値で700ml〜0mlまでの叩解を行う。
【0043】また、叩解することなく、繊維径が1μm
以下の微細なセルロースとしてセルロース繊維を高圧下
剪断力で解繊したマイクロフィブリル化セルロース(M
FC)を使用することもできる。MFCとしては商品
名:ダイセル化学株式会社製のセリッシュKY−110
Sが市販されている。更に、現在工業的に使用はされて
いないが、バクテリアセルロースを使用することもでき
る。バクテリアセルロースとはバクテリアが生産するセ
ルロースのことで、繊維径が数nm(ナノメーター)〜
数十nmである。
【0044】これら所定の叩解を行った繊維径が1μm
以下の微細なセルロース或はマイクロフィブリル化セル
ロース等からなる原料を水に分散させて、抄紙機上で抄
紙を行うことにより、湿紙を製造する。抄紙機として
は、繊維径が1μm以下の微細なセルロースであるため
長網抄紙機を用いる。なお、製造した多孔質高気密度紙
の強度向上のため叩解の浅い原料を用い円網抄紙機で抄
紙したものを抄き合せる長網円網コンビネーションマシ
ンで抄紙することも有効であるが、少なくとも1層は高
度に叩解した原料を長網抄紙機で抄紙した湿紙が含まれ
ていることが必要である。
【0045】更に、湿紙を製造する手段として抄紙機を
使用することなく、平板上に原料としてのセルロース繊
維の水系ドープ液をドクターブレード等でキャスティン
グして湿紙としての膜を形成することもできる。本発明
における湿紙はキャスティング製膜による湿膜を含むも
のである。
【0046】このようにして製造した湿紙中には、変法
CSFの値で700ml〜0mlに叩解した繊維径が1
μm以下のフィブリル化した微細なセルロースを原料と
していても、水の存在するセルロース繊維間の空隙構造
を有している。本発明はこの湿紙中の空隙構造を保持し
たまま乾燥させるものである。そのために、湿紙中の空
隙構造に保持された水を表面張力の小さい他の溶媒で置
換して乾燥させる。この溶媒置換乾燥に用いる溶媒とし
ては水と相溶性があり、表面張力の小さいものが適して
いる。一般にはメチルアルコール、エチルアルコール、
イソプロピルアルコールなどのアルコール類やアセト
ン、メチルエチルケトンなどのケトン類などが適してい
る。また、置換は浸漬・プレス脱液あるいは噴霧・脱液
等の方法で行う。目的とする気密度により、置換操作は
1回もしくは複数回行う。溶媒置換は抄紙機上で行って
もよいし、湿紙のまま巻き取り別途行ってもよい。な
お、製造された湿紙は溶媒置換の前に予め、プレスロー
ルにより余分な水分を脱水しておくとよい。
【0047】この溶媒置換に際して留意すべきことは乾
燥前の、即ち乾燥により繊維間に水素結合が形成する前
に溶媒置換により水を取り除くことである。特に叩解を
高度に進めた原料を使って抄紙し、フィルム状の外観を
呈するような密度が0.75g/cm3以上の高密度の
セパレータは一度乾紙になるとセルロース間の水素結合
は強固であり、水に浸漬しても膨潤はするが、抄紙機上
の湿紙の状態まで戻すことは困難である。乾紙を水に浸
漬し、その後溶媒置換乾燥したものは未乾燥の湿紙、即
ち抄紙機上で溶媒置換、あるいは湿紙のまま巻き取り別
の装置で溶媒置換して乾燥したものに比べESRが悪
い。そのため、抄紙機から湿紙のまま巻き取り別途に溶
媒置換を行う場合には特に乾燥により繊維間に水素結合
が形成しない十分な水分を含んでおく必要がある。
【0048】上記した溶媒置換乾燥に代えて、凍結乾燥
を採用することもできる。この凍結乾燥は湿紙を凍結さ
せた後に、減圧下の条件で凍結した水分を昇華させて乾
燥させる方法である。なお、本発明において凍結後、減
圧下で凍結した氷を昇華させるのは、凍結した水分が再
度融け、水の状態になった後に乾燥したのでは水の影響
によるセルロース繊維相互の水素結合を防止することが
できず湿紙の空隙構造を維持できないためである。
【0049】溶媒置換された湿紙中、或は凍結乾燥した
湿紙中に残っている溶媒及び水は乾燥することにより取
り除く。乾燥は従来のドラム式ドライヤーでもよいし、
送風や赤外線などを用いることもできる。
【0050】更に本発明では湿紙を製造するのに水を当
初から使用せずに、繊維径が1μm以下の微細なセルロ
ースを水より表面張力の小さい有機溶剤に分散させて、
抄紙又はキャスティング製により湿紙を製造し、該湿紙
中の有機溶剤を揮発・乾燥させることにより、湿紙に存
在する空隙構造を保持したまま乾燥させるようにしても
よい。
【0051】また、本発明にかかる多孔質高気密度のセ
パレータにはセルロース繊維にホウ酸アルミニウム又は
チタン酸カリウム等の無機フィラーを添加することもで
きる。これは無機フィラーとセルロースはもともと水が
介在しても水素結合を形成せず、湿紙中の空隙が大きい
ため、電気特性を改善することができるためである。
【0052】以上説明した原料、湿紙製造方法、乾燥方
法、セパレータの厚さ、密度等の組合わせにより気密度
をコントロールして多孔質高気密度のセパレータを製造
することができる。得られた多孔質高気密度のセパレー
タは湿紙の状態のときの空隙構造をそのまま維持してい
るため、微細な貫通孔を有しており、原料となるセルロ
ース繊維の叩解の程度等に応じて高気密度を有する。ま
た、原料としてのセルロース繊維の叩解の程度をJIS
法CSFで200ml以下、変法CSFの値で700〜
0mlとしても、叩解の程度に応じて微細な貫通孔を維
持しており、気密度が無限大となることはない。即ち、
従来製造できなかった厚さが100μm以下の紙で、1
000秒/100ccの気密度を有する多孔質高気密度
のセパレータを得ることができた。
【0053】次に本発明にかかる多孔質高気密度のセパ
レータの製造方法について説明する。先ず、原料となる
セルロース繊維をビーターあるいはダブルディスクリフ
ァイナー等の製紙用叩解機で所定のJIS法CSF又は
変法CSFの値まで叩解し、これを原料紙料2として図
4に示すように長網インレット1に収納し、長網インレ
ット1の下部で回転する長網ワイヤー3の表面に供給し
て、長網ワイヤー3の表面に連続した湿紙4を形成す
る。形成された湿紙4はウェットフェルト5に移送され
て搬送され、プレスロール6にて過剰の水分が取り除か
れる。その後所定の溶媒8を収納した第1の溶媒バット
7に湿紙4を浸漬して、湿紙4中の水分と溶媒8を置換
し、その後プレスロール9により余分な溶媒8を取り除
いて、再び溶媒8が収納された第2の溶媒バット10に
湿紙4を浸漬して、湿紙4中に残存する水分と溶媒8を
置換する。その後プレスロール11により余分な溶媒8
を取り除くと共に、ドライフェルト12に移送されて搬
送され、蒸気あるいは熱媒体によって加熱された円筒形
状のドライヤー13の外表面に接触させて乾燥させて、
巻取ロールに巻き取られて多孔質高気密度のセパレータ
14が製造される。この乾燥工程において、セルロース
繊維を水素結合させて空隙構造を癒してしまう水分が存
在せず、溶媒に置換されているため、乾燥後にも湿紙の
空隙構造がそのまま維持された多孔質で高気密度のセパ
レータを製造することができる。この図4の例は長網抄
紙機で抄紙後に抄紙機上で溶媒置換し、乾燥させて巻き
取る例である。
【0054】図5は湿紙4を溶媒に浸漬することに代え
て、湿紙4上に溶媒8を噴霧することによって、湿紙4
中の水分と溶媒を置換するものである。前記図4と同一
構成の部分については同一の符号を付して説明を省略す
る。なお、図5は図4と同様の長網抄紙機で抄紙された
湿紙4を乾燥することなく巻き取り(ウエットワインデ
ィング)、長網抄紙機とは別の装置で溶媒置換する例を
示している。即ち、ロール状に巻き取られた湿紙4はウ
ェットフェルト5に移送されて搬送され、プレスロール
6で過剰な水分が取り除かれ、その後湿紙4上に溶媒8
が第1の溶媒噴霧器16により噴霧されて、湿紙4中の
水分と溶媒8が置換される。噴霧された溶媒8は吸引脱
液装置17によって吸引脱液されると共に、湿紙4から
過剰な溶媒がプレスロール9にて取り除かれ、再び溶媒
8が第2の溶媒噴霧器液18により噴霧され、湿紙4中
に残存する水分と溶媒8が置換される。噴霧された溶媒
8は吸引脱液装置19によって吸引脱液されると共に、
その後湿紙4から過剰な溶媒がプレスロール11にて取
り除かれる。以後は図4の例と同様である。このように
溶媒置換は抄紙機上で行ってもよいし、又別途行っても
よい。なお、図4における浸漬による溶媒置換、及び図
5における噴霧による溶媒置換は2回行ったが、その回
数は溶媒の種類や、原料、製造された湿紙等に必要に応
じて選択するものである。
【0055】次に図6は溶媒置換に代えて、凍結乾燥に
よって湿紙中の空隙構造を保持したまま乾燥する例を示
すものである。先ず湿紙4を冷凍庫21内にて−70℃
の温度で凍結させて凍結湿紙4aとする。次に凍結湿紙
4aを凍結乾燥器22内に収納し、凍結乾燥器22内の
空気を脱気して減圧する。減圧によって凍結湿紙4a中
の凍結した水分が昇華して脱水されて、多孔質高気密度
のセパレータ14aが製造される。尚、昇華を促進する
ために凍結乾燥器22内に昇温棚23を設置して、該昇
温棚23に凍結湿紙4aを載置することが好ましい。な
お、この際、凍結した氷が水に戻ることなく、氷から昇
華することで乾燥することが肝要である。
【0056】従来の抄紙法では本発明に規定するほど叩
解した原料を抄紙し乾燥する場合、多筒式のドライヤー
が必要であるが、本発明のように湿紙中の水分を溶媒置
換したものを乾燥する場合は、単筒式のドライヤーで十
分である。これは従来の抄紙法では乾燥時の水分が蒸発
する際、メニスカスの後退と同時に繊維を引きつけ合
い、これがヒジワ(乾燥ジワ)となるため多筒式ドライ
ヤーにより徐々に乾燥する必要があるからである。本発
明の場合、乾燥時には、ヒジワ(乾燥ジワ)の原因とな
る水分がないため、又使用した溶媒が容易に飛散するた
め単筒式のドライヤーにより乾燥を行うことができる。
更に、ドライヤーも従来のドラム式ドライヤーに限定す
ることなく、赤外線ドライヤーや送風ドライヤーなど各
種の乾燥方法が利用できる。
【0057】このようにして得られるセパレータの厚さ
は15〜100μmの範囲が好ましい。15μm未満で
は機械的強度が低下して取扱が難しく、内部短絡の危険
があり、100μmを超えると小型化ができず、厚くな
る分電気抵抗も上昇するためである。また、コイン型電
池ではセパレータにある程度の厚さがないとプレス成型
時にショートする確率が高くなるため、コイン型電池で
は100μm迄の厚さが要求されている。一方、密度に
ついては特に制限はないが、実用的には密度0.3〜
0.6g/cm3が好ましい。0.3g/cm3未満では
引張強度が極端に低下し、非水系電池用のセパレータと
して実用性に欠ける。また、本発明によるセパレータは
空隙構造が保持されるため実質的に密度0.6g/cm
3を超えることがない。なお、実用上セパレータの厚さ
が制限される場合にはキャレンダー加工を行うことによ
って厚さを薄くし、密度を0.6〜0.8g/cm3
することも好ましい。
【0058】かかるセパレータを組み込む非水系電池の
電解液としてはプロピレンカーボネート、エチレンカー
ボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、メチルエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエ
タン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクト
ン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラ
ン、1,3−ジオキソラン、スルホラン、メチルスルホ
ラン、アセトニトリル、プロピロニトリル、ギ酸メチ
ル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル等のいずれか
1種または2種以上を混合したものを溶解させて使用し
ている。
【0059】本発明の非水系電池に用いられる電解液の
電解質としてはLiClO4、LiAsF6、LiP
6、LiBF4、CH3SO3Li、CF3SO3Li、C
3SO3Li、(CF3SO22NLi等のリチウム塩
のいずれか1種または2種以上を混合したものを使用す
る。
【0060】本発明の非水系電池の正極活物質としては
TiS2、MoS2、NbSe等の金属カルコゲン化合
物、V25、MnO2、Nb25等の金属酸化物、Li
CoO2、LiNiO2、LixMnO4等のリチウム含有
複合金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール等の高分
子重合体、フッ化カーボンのいずれか1種を用いる。特
に、リチウムイオンを脱ドープし、かつ、ドープし得る
正極活物質で、一般式Lixyz2(Mは遷移金属の
少なくとも1種を表し、Nは非遷移金属の少なくとも1
種を表す。Mは特に限定されないが、Co、Ni、F
e、Mn、V、Mo等が挙げられ、同じくNも特に限定
されないがAl、In、Snが挙げられ)で示されるリ
チウム含有複合金属酸化物が好ましい。その具体例とし
てはLiイオンを含有した放電状態での化学式で示す
と、 リチウムコバルト酸化物→例えばLixCoyz2(N
はAl、In、Snの中から選ばれた少なくとも1種の
金属、0<x≦1.1、0.5<y≦1、z≦0.1、
LixCoO2(0<x≦1)、LixCoyNiz2(0
<x≦1、y+z=1) リチウムニッケル酸化物→例えばLixNiO2(0<x
≦1) リチウムマンガン酸化物→例えばLixMnO2、Lix
Mn24(0<x≦1)、LiCoxMn2−xO4(0
<x≦0.5) リチウムクロム酸化物→例えばLixCr38(0<x
≦1)、LiCrO2 リチウムバナジウム酸化物→例えばLix25(0<
x≦1)、Lix613、Li1+x38 リチウムモリブデン酸化物→例えばLixMoO2 リチウムモリブデン二硫化物→例えばLixMoS2 リチウムチタン酸化物→例えばLixTi24 リチウムチタン硫化物→例えばLixTi22 リチウム鉄酸化物→例えばLixFeO2(0<x≦
1)、LixFeyz2(NはC,Ni,Ti,Mnの
中から選ばれた少なくとも1種の金属、0<x≦1、
0.8≦y≦0.99、0.01≦z≦0.2)等が挙
げられる。そして、特に好ましくはリチウムコバルト酸
化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸化
物、リチウム鉄酸化物である。
【0061】本発明の非水系電池の負極活物質として
は、Li金属及びLiAl等のリチウム合金、炭素質材
料、ポリアセン,ポリ−P−フェニレン等の導電性高分
子材料、LixFe22、LixWO2等の金属酸化物の
いずれか1種が用いられる。特に、リチウムイオンをド
ープし、かつ、脱ドープし得る負極活物質で、グラファ
イト、熱分解炭素、ピッチコークス、ニードルコーク
ス、石油コークス、有機高分子の焼成体(フェノール樹
脂、フラン樹脂、ポリアクリロニトリル等の焼成体)等
の炭素質材料が好ましい。
【0062】
【実施例】そこで、本発明にかかる多孔質高気密度のセ
パレータ及び該セパレータを正極と負極の間に介在させ
て巻取り電池素子を製作した後、電解液を含浸させ、封
口を施して製作した非水系電池の具体的な各種実施例
と、比較のために製造した従来品の比較例を示す。非水
系電池の作成方法及び各実施例と比較例の各測定値の測
定方法は次の通りである。なお、JIS法CSF及び変
法CSFの測定法は前記した通りである。
【0063】(1)正極の製作方法 Li103Co092Sn0022の組成を有するLi・
Co複合酸化物100重量%とグラファイト2.5重量
%、アセチレンブラック2.5重量%を混合した後、フ
ッ素ゴム2重量%を酢酸エチル/エチルセロソルブの
1:1(重量比)混合溶剤60重量%に溶解させた液を
混合し、スラリー状塗工液を得た。そして、この塗工液
を幅600mm、厚さ15μmのアルミニウム箔の両面
に、ドクターブレードコーターヘッドを有する塗工機を
用いて片面当り270g/m2(乾燥時)の塗布量で塗
布し、その塗工厚を215μmとする。この塗工品をカ
レンダーロールにてプレス後、スリッターを用い39m
m幅にスリットし、非水系電池の正極とした。
【0064】(2)負極の製作方法 ニードルコークス粉砕品100重量%とフッ素ゴム5重
量%を、酢酸エチル/エチルセロソルブの1:1(重量
比)混合溶剤90重量%に溶解させた液を混合し、スラ
リー状塗工液を得た。そして、この塗工液を幅600m
m、厚さ10μmの銅箔の片面に、ドクターブレードコ
ーターヘッドを有する塗工機を用いて138g/m
2(乾燥時)の塗布量で塗布し、その塗工厚を300μ
mとする。この塗工品をカレンダーロールにてプレス
後、スリッターを用い40mm幅にスリットし、非水系
電池の負極とした。
【0065】(3)非水系電池の製作 セパレータの両面に上記正極と負極とを重ね、捲回機を
用いて外径14.9mmのコイル状に捲回する。この捲
回コイルを外径16mmの電池缶に入れ、プロピレンカ
ーボネート/エチレンカーボネート/γ−ブチロラクト
ンの1:1:2(重量比)の混合溶剤にLiBF4を1
M濃度に溶かしたものを電解液として含浸させた後封口
し、高さ50mmの非水系電池を得た。
【0066】(4)セパレータの厚さ、密度、引張強度 厚さ、密度及び引張強度は旧JIS C2301(電解
コンデンサ紙)に規定された方法で測定した。
【0067】(5)セパレータの気密度 気密度に関してはJIS C2111(電気絶縁紙試験
方法)に規定する“12.1 気密度”の項に従い、B
型試験器(ガーレーデンソメータ)によって測定した。
但し穴の部分の直径が6mmであるアダプターを使用し
た。
【0068】(6)セパレータのESR セパレータのESRは電解液を含浸した後、38mmφ
の電極に挟み20℃、1kHzの周波数でLCRメータ
ーによって測定した。
【0069】(7)非水系電池の電池容量 電池容量は20℃にて0.5Aで放電したときの値を測
定した。
【0070】(8)非水系電池のショート不良率 ショート不良率は、非水系電池組み立て初期におけるセ
パレータの絶縁不良の比率を絶縁不良個数/測定総数で
表した。また、耐熱性を評価するために、加熱時のショ
ート不良率として、200℃のオーブン中に非水系電池
を10分間放置した後のセパレータの絶縁不良の比率を
絶縁不良個数/測定総数で表した。
【0071】[実施例1〜7]実施例1〜5はマニラ麻
パルプをダブルディスクリファイナーを用いて変法CS
Fの値で700ml〜50mlまで叩解の程度を段階的
に変化させた原料を水に分散させて、長網抄紙機により
湿紙を製造し、該湿紙に図5に示すようにアセトンを噴
霧して湿紙中の水分とアセトンとを置換する作業を2度
繰り返した後に、ドライヤーでアセトン及び残渣として
の水を乾燥させて、実施例1〜5の多孔質高気密度のセ
パレータを得た。実施例6は実施例5と同一の原料で同
様に製造した湿紙を、実施例1〜5の溶媒置換乾燥に代
えて、図6に示す凍結乾燥法によって湿紙を凍結させた
後に、減圧下の条件で凍結した水分を昇華させて乾燥さ
せ、残った水をドライヤーで乾燥させたものである。実
施例7は実施例5と同一の原料の調成を行った後、無機
フィラーであるホウ酸アルミニウムを10重量%添加し
て同一の製造方法により得たセパレータである。この実
施例1〜7の厚さ、密度、気密度、ESR等を表1に示
す。また、実施例1〜5の叩解の程度と気密度との関係
をグラフ化したものを図3に示す。
【0072】
【表1】
【0073】表1に示すように、実施例1〜5は厚さ5
0μm前後、密度0.500g/cm3前後であって、
叩解が進むにつれ、得られるセパレータが緻密となって
1000秒/100ccの高気密度を実現している。し
かし、叩解が高度に進んでも気密度は実際上測定できな
いほど大きくなることはない。実施例1は変法CSFの
値で700ml(JIS法CSFで200ml)まで叩
解した原料を使用したものであって、その気密度は11
00秒/100ccであり、外観は不透明感があった。
これは湿紙中に存在した空隙構造がそのまま紙層内に残
存しているため、光を乱反射するためである。変法CS
Fの値700ml(JIS法CSFで200ml)まで
叩解を進めると基のセルロースの繊維の形状が破壊され
て、外部フィブリル化が進み、直径0.4μm程度のフ
ィブリルの占有率が高くなっているものであり、100
0秒/100cc以上の気密度を実現するためには、基
のセルロース繊維の形状が無くなるまで、即ち変法CS
Fの値700ml(JIS法CSFで200ml)まで
叩解する必要があることが判る。
【0074】また、実施例5は変法CSFの値で50m
l(JIS法CSFでは測定不可)まで叩解しており、
気密度は7000秒/100ccである。よって、従来
気密度が測定不可能な無限大となるJIS法CSFの値
で200ml以下まで叩解を進めても、イオンが通る経
路としての貫通孔が存在していることが判る。このよう
に本発明によれば、叩解の程度を進めても多孔質を維持
することができて、気密度が無限大となることがないた
め、1000秒/100cc以上の気密度をコントロー
ルすることができる。更に高気密度のセパレータが要求
されれば原料叩解を進めたり、厚さを厚くしたり、密度
を高くしたりすることでイオンが通る経路としての貫通
孔を維持して気密度を上げたセパレータを容易に製造す
ることが可能である。なお、叩解が進むにつれセパレー
タに不透明感が強く表れてくる。これは叩解が進むにつ
れ繊維間の空隙が小さくなり光の散乱が多くなり不透明
感が強くなるからと考えられる。
【0075】図3は実施例1〜5の叩解の程度と気密度
との関係をグラフ化したものであり、横軸が叩解の程度
を、左軸が変法CSFの値を、右軸が気密度を示してい
る。例えば、変法CSFの値のグラフにおいて、実施例
1は左軸に示すように変法CSFの値が700mlであ
り、気密度を示すグラフにおいて実施例1は右軸に示す
ように1100秒/100ccである。図に示すよう
に、叩解が進むにつれ変法CSFの値が下がっている。
一方、気密度は叩解が進むにつれ高くなることが判る。
【0076】一方、ESRは表1に示すように叩解が進
むに連れて低下している。例えば、変法CSFの値で7
00mlまで叩解した原料を使用した実施例1のESR
が2.369Ω/1kHzであるのに対し、変法CSF
の値で50mlまで叩解した原料を使用した実施例5の
ESRは0.588Ω/1kHzと大きく低下してい
る。これは従来のセパレータとは全く逆の結果であり、
叩解を進めることにより、ESRを改善できることは画
期的な効果である。従来のセパレータでは叩解を進める
連れて気密度が上がるが、ESRの値も高くなって悪化
してしまう。しかし、本発明によればその関係が逆転
し、高気密度で、同時にESRを改善することのできる
セパレータを製造することができるのである。これは叩
解を進めるに連れて、基のセルロースの繊維の形状が破
壊されて、外部フィブリル化が進み、直径0.4μm程
度のフィブリルの占有率が高くなって、繊維径が小さく
なって行き、得られるセパレータの緻密性が高まり地合
が均一となるとともに、イオンが通る経路としての微細
な貫通孔を維持した多孔質であるためである。即ち、本
発明は繊維径が小さいく繊維がそれぞれ独立してセパレ
ータを構成していることと、多孔質であるとの相乗効果
によってESRを改善することができるのである。
【0077】実施例6は溶媒置換乾燥に代えて凍結乾燥
を行った例であるが、この実施例6も外観は不透明感が
あって、光を乱反射しており、紙層内に多数の空隙を有
していることが判る。この実施例6は同一原料を使用し
た実施例5に対して、気密度が17600秒/100c
cと略2.5倍向上しているが、ESRの方は2.16
4Ω/1kHzと略4倍悪化している。これは通常乾燥
に比べると湿紙状態の空隙が保持されているものの、乾
燥時に水が存在することから繊維同志の引き付けが起っ
たものと考えられる。しかしながら、実施例1と同程度
のESRの値で、実施例1の略17倍の高い気密度を実
現している。更に高気密度のセパレータが要求されれば
原料叩解を進めたり、厚さを厚くしたり、密度を高くし
たりすることにより容易に製造することができる。
【0078】実施例7は実施例5と同様に色目も白く、
不透明感がある。これも実施例5と同様紙層内に空隙が
存在し、光を乱反射するためである。気密度は6000
秒/100ccと緻密ではあるが、実施例5には及ばな
い。これは無機フィラーを混抄したため、湿紙状態での
無機フィラーとパルプ繊維の引き付けが弱かったためと
考えられる。しかし、無機フィラーを混抄した分だけE
SRが実施例5の0.588Ω/1kHzから更に0.
548Ω/1kHzと改善されている。
【0079】次に非水系電池を製作した結果について実
施例及び比較例に基づいて説明する。
【0080】[実施例8]実施例8は木材パルプ(NU
KP:針葉樹未晒クラフトパルプ)をダブルディスクリ
ファイナーを用いて変法CSFの値で300mlまで叩
解したものを水に分散させて、長網抄紙機により湿紙を
抄紙し、プレスロールにて過剰な水分を取り除いた後に
ロール状に巻き取った。このロール状の湿紙を繰り出し
て図4に示すように、エチルアルコールに浸漬して湿紙
中の水分とエチルアルコールとを置換する作業を2度繰
り返した後に、ドライヤーでエチルアルコール及び残渣
としての水を乾燥させて、厚さ24.1μm、密度0.
414g/cm3の一重紙のセパレータを得た。この実
施例8のセパレータを使用して前記した内容の非水系電
池を製作した。
【0081】[比較例1,2]比較例1,2は実施例8
と同様の木材パルプ(NUKP:針葉樹未晒クラフトパ
ルプ)を原料として、比較例1は変法CSFの値で80
0mlとほとんど叩解しない状態で抄紙し、又比較例2
は実施例8と同様に変法CSFの値で300mlまで叩
解した状態で抄紙し、共に湿紙中の水分をエチルアルコ
ールで溶媒置換することなく、通常の抄紙法におけるド
ライヤーで乾燥させたものである。比較例1は実施例8
と略同一の厚さ23.8μm、密度0.422g/cm
3となり、比較例2は厚さ14.0μm、密度0.71
5g/cm3となった。この比較例1,2のセパレータ
を使用して実施例8と同様の非水系電池を製作した。こ
れら実施例8及び比較例1,2のセパレータの厚さ、密
度、気密度等及び得られた非水系電池のショート不良率
と電池容量等を表2に示す。
【0082】
【表2】
【0083】実施例8は原料セルロースとして未晒しク
ラフトパルプを使用しているため、本来ならば茶色の外
観を呈するはずであるが、実際の外観は色目も白く、不
透明感があった。このように白く不透明感があるのは溶
媒置換乾燥を行っているために、湿紙中に存在した空隙
構造がそのまま紙層内に残存しているため、光を乱反射
するためである。実施例8の気密度は5000秒/10
0ccであって、極めて緻密ではあるが、空気が通り抜
けることから貫通孔が存在していることが分る。よっ
て、高い気密度であってもイオンが通る経路が確保され
ている。このように実施例8は従来製造できなかった1
000秒/100cc以上の気密度を実現している。そ
の結果得られた非水系電池のショート不良率は組立時に
おいて0%である。また、セルロースを原料としたセパ
レータを使用しているため、200℃のオーブン中に1
0分間放置後の加熱時のショート不良率も0%であり、
少なくとも200℃以上の耐熱性を有していることが判
る。しかも、厚さは24.1μmであり、密度も0.4
14g/cm3と変法CSFの値で300mlまで叩解
しているにもかかわらず、比較例2より格段に低密度と
なっている。比較例2は溶媒置換を行っていないため、
実施例8と同じ湿紙から製造したにもかかわらず、厚さ
が14.0μmであって、実施例1より薄くなり、密度
も0.715g/cm3と高くなって、色は茶色でフィ
ルム状になっている。また、貫通孔が存在せず気密度も
無限大となって測定することができない。その結果ショ
ート不良率は組立時及び加熱時の双方ともに0%である
が、後述するように充放電ができず、電池にならない。
実施例8と比較例2は原料調成が同じ原料であるが、抄
紙された紙の厚さ、密度には大きな差がある。これは溶
媒置換を行わなかった比較例2が乾燥の際、表面張力の
大きい水が蒸発し繊維同志をひき付け合い、繊維間に強
固な結合ができたのに対し、溶媒置換した実施例8は水
の蒸発に伴う繊維間のひき付け合いが弱く、密度の低い
紙となったためである。よって、実施例8によれば、叩
解の程度を進めた原料を使用しても貫通孔を有する多孔
質で低密度であるとともに、緻密性を有して高気密度の
セパレータを得ることができている。
【0084】そこで、実施例8と略同じ厚さと密度であ
る比較例1を実施例8を比較すると、比較例1の気密度
は1秒/100mlであって、貫通孔は存在するが、緻
密性がないことが判る。よって、目的とする気密度を達
成することができない。これは表面張力の大きい水が乾
燥時に蒸発することにより、繊維間を引合うが、原料叩
解が浅いため繊維径が大きく、繊維同志の密着度が低い
ためである。その結果ショート不良率は組立時が70%
(20個中14個)、加熱時が50%(6個中3個)と
なっている。
【0085】次に得られた非水系電池の電池容量を比較
すると実施例8は5000秒/100ccの高い気密度
を有し、同時に415mAh/0.5A放電の電池容量
を有しており、気密度1秒/100ccの比較例1より
良い値を示している。このように本発明によれば非常に
高い気密度であっても、多孔質であるためイオンが通る
経路としての貫通孔を確保することができること、及び
原料繊維の繊維径が小さいためESRが良好で、ショー
ト不良率と電池容量を極めて高い次元で満足させる非水
系電池を提供することができるのである。比較例2は溶
媒置換を行っていないため、実施例8と同じ湿紙から製
造したにもかかわらず、気密度が測定不可能な無限大で
あって、貫通孔が存在しないため、充放電不能であり、
電池として使用することができない。
【0086】[実施例9]実施例9は未晒マニラ麻パル
プをダブルディスクリファイナーを用いて変法CSFの
値で200mlまで高度に叩解したものを水に分散させ
て長網抄紙機により湿紙を製造し、湿紙の状態でロール
状に巻き取った。このロール状の湿紙を繰り出して図4
に示すように、エチルアルコールに浸漬して湿紙中の水
分とエチルアルコールとを置換する作業を2度繰り返し
た後に、ドライヤーでエチルアルコール及び残渣として
の水を乾燥させて、厚さ26.0μm、密度0.380
g/cm3のセパレータを得た。この実施例9のセパレ
ータを使用して前記した非水系電池を製作した。
【0087】[比較例3]比較例3は実施例9と同様の
未晒マニラ麻パルプを変法CSFの値で780mlと殆
ど叩解せずに水に分散させて円網抄紙機により湿紙を製
造し、該湿紙中の水分をエチルアルコールで溶媒置換す
ることなく、通常の抄紙法におけるドライヤーで乾燥さ
せて、実施例9と略同一の厚さ25.4μm、密度0.
396g/cm3のセパレータを得た。この比較例3の
セパレータを使用して前記した非水系電池を製作した。
【0088】[比較例4,5]比較例4は非水系電池に
従来使用されているポリエチレン多孔質フィルムを、又
比較例5はポリプロピレン多孔質フィルムをセパレータ
として、前記した非水系電池を製作したものである。こ
れら実施例9及び比較例3,4,5のセパレータの厚
さ、密度、気密度等及び得られた非水系電池のショート
不良率と電池容量等を表3に示す。
【0089】
【表3】
【0090】実施例9は3500秒/100ccの高気
密度を実現しているが、空気が通り抜けることから貫通
孔が存在していることが分る。よって、高い気密度であ
ってもイオンが通る経路が確保されている。よって、シ
ョート不良率は組立時及び加熱時の双方において0%で
あると共に、電池容量も410mAh/0.5A放電と
良好な数値を実現している。一方、比較例3は実施例9
と略同一厚さ、同一密度であるが、叩解の浅い原料を使
用しているため、気密度が1秒/100ccであって、
ショート不良率が組立時において75%(20個中15
個)であり、加熱時において60%(5個中3個)と高
くなっている。比較例3の加熱時のショート不良率に示
すようにセルロースを原料としても、気密度が低ければ
200℃以上の耐熱性を実現できないのである。更に、
比較例4,5は従来使用されているポリエチレン多孔質
フィルムとポリプロピレン多孔質フィルムをセパレータ
として使用した非水系電池である。比較例4,5の気密
度は8300秒/100ccと9000秒/100cc
と高く、電池容量も大きい。しかしながら、ポリエチレ
ン多孔質フィルムの耐熱温度は高くても120℃であ
り、ポリプロピレン多孔質フィルムの耐熱温度は160
℃であるため、200℃の加熱時には溶融流出してしま
い、全数ショートを発生し(20個中の20個)、耐熱
性が劣ることが判る。これに対し、実施例9はセルロー
スを原料とする多孔質で高気密殿セパレータを使用して
いるため、組立時と共に、200℃の加熱時においても
ショート不良率は0%であり、従来のポリエチレン多孔
質フィルム等より高い耐熱性を有し、又電池容量も同等
の値を示している。
【0091】
【発明の効果】以上詳細に説明した如く、本発明によれ
ば湿紙の状態においてセルロース繊維間の空隙構造に保
持された水を溶媒置換又は凍結乾燥によって乾燥し、或
はセルロース繊維を有機溶媒に分散させて抄紙すること
により湿紙を製造し、湿紙中の有機溶媒を揮発させるこ
とにより乾燥させるため、従来の抄紙法のように湿紙か
らの乾燥工程で水が蒸発するときに隣同志の繊維を強力
に引き付けて水素結合により密着することがない。その
ため、繊維径が1μm以下の微細なセルロース繊維を原
料として、高気密度であって多孔質のセパレータを、厚
さを厚くすることなく得ることができる。具体的には厚
さが100μm以下、気密度が1000秒/100cc
以上の多孔質高気密度のセパレータを得ることができ
る。即ち、本発明にかかる多孔質高気密度のセパレータ
は叩解の程度を進めた原料を使用しても、貫通孔が存在
するため、低密度であるとともに、緻密性を有して気密
度が高いものである。外観的にも白色で不透明感があ
り、このことは紙中に多くの空隙を有していることを示
している。
【0092】そのため、ショート不良率を改善するため
に高い気密度を有し、かつ、ESRを改善するためにイ
オンが通る経路としての貫通孔を維持した多孔質のセパ
レータを得ることができる。また、電解液を含浸させた
ときに、イオンの通過に対する抵抗も小さい。この結
果、近年飛躍的に普及してきてするリチウムイオン2次
電池等の非水系電池の信頼性向上、普及促進、ポリオレ
フィン系樹脂から製造された多孔質フィルムが耐熱性の
不足により使用できなかった分野への利用の拡大を図る
ことができる。即ち、セルロースを原料とすることによ
り230℃の耐熱性を実現することができ、例えばリチ
ウムイオン電池においてリチウム金属の発火温度である
190℃以上の耐熱性を実現することができる。また、
セルロースは再生産可能な天然資源であるため、有限な
石油資源の利用から再生産可能な天然資源への利用への
転換が図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における変法CSFとJIS法CSFと
の関係を示すグラフ。
【図2】本発明における変法CSFとJIS法CSFと
の関係を示すグラフ。
【図3】変法CSFの値と気密度との関係を示すグラ
フ。
【図4】本発明にかかるセパレータの溶媒置換による製
造方法の一例を示す説明図。
【図5】本発明にかかるセパレータの溶媒置換による製
造方法の他例を示す説明図。
【図6】本発明にかかるセパレータの凍結乾燥による製
造方法を示す説明図。
【図7】叩解度の測定装置のロ水筒を示す説明図
(A)、漏斗を示す説明図(B)、架台を示す説明図
(C)。
【符号の説明】
1…長網インレット 2…原料紙料 3…長網ワイヤー 4…湿紙 4a…凍結湿紙 5…ウェットフェルト 6,9,11…プレスロール 7…第1の溶媒バット 8…溶媒 10…第2の溶媒バット 12…ドライフェルト 13…ドライヤー 14,14a…多孔質高気密度紙 16…第1の溶媒噴霧器 17…第1の吸引脱液装置 18…第2の溶媒噴霧器 19…第2の吸引脱液装置 21…冷凍庫 22…凍結乾燥器 23…昇温棚

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極活物質と負極活物質とをセパレータ
    によって電子的に隔離してなる非水系電池において、前
    記セパレータはセルロースを原料として湿紙を製造し、
    該湿紙に存在する空隙構造を保持したまま乾燥させたこ
    とを特徴とする非水系電池。
  2. 【請求項2】 正極活物質と負極活物質とをセパレータ
    によって電子的に隔離してなる非水系電池において、前
    記セパレータはセルロースを原料として湿紙を製造し、
    該湿紙に存在する空隙構造を保持したまま乾燥させるこ
    とにより、微細な貫通孔を有することを特徴とする非水
    系電池。
  3. 【請求項3】 原料を水に分散させて抄紙することによ
    り湿紙を製造する請求項1又は2記載の非水系電池。
  4. 【請求項4】 原料を水より表面張力の小さい有機溶媒
    に分散させて抄紙することにより湿紙を製造する請求項
    1又は2記載の非水系電池。
  5. 【請求項5】 湿紙中の水分を水と相溶性のある表面張
    力の小さい溶媒と置換することにより、湿紙の状態にお
    いて空隙構造に存在する水を空隙を癒すことなく乾燥さ
    せる請求項1,2又は3記載の非水系電池。
  6. 【請求項6】 湿紙中の水分を凍結乾燥させることによ
    り、湿紙に存在する空隙構造を癒すことなく乾燥させる
    請求項1,2又は3記載の非水系電池。
  7. 【請求項7】 湿紙中の有機溶媒を揮発させることによ
    り、湿紙の状態において空隙構造に存在する水を空隙を
    癒すことなく乾燥させる請求項4記載の非水系電池。
  8. 【請求項8】 抄紙に代えて、原料をキャスティング製
    膜することにより湿紙を製造する請求項3,4,5,6
    又は7記載の非水系電池。
  9. 【請求項9】 繊維径が1μm以下の微細なセルロース
    を原料として湿紙を製造する請求項1,2,3,4,
    5,6,7又は8記載の非水系電池。
  10. 【請求項10】 微細なセルロースとしてセルロース繊
    維をJIS法CSFの値で200ml以下に叩解したセ
    ルロースを使用する請求項9記載の非水系電池(但し、
    JIS法CSFの値はJIS P8121の規定により
    測定した値とする)。
  11. 【請求項11】 微細なセルロースとしてセルロース繊
    維を変法CSFの値で700ml以下に叩解したセルロ
    ースを使用する請求項9記載の非水系電池(但し、変法
    CSFの値はJIS P8121に規定する測定法にお
    いて、試料3gを試料0.3gとして測定した値とす
    る)。
  12. 【請求項12】 微細なセルロースとしてセルロース繊
    維を高圧下剪断力で解繊したマイクロフィブリル化セル
    ロースを使用する請求項9記載の非水系電池。
  13. 【請求項13】 湿紙に無機フィラーを混抄する請求項
    1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11又は
    12記載の非水系電池。
  14. 【請求項14】 無機フィラーとしてホウ酸アルミニウ
    ム又はチタン酸カリウムを使用する請求項13記載の非
    水系電池。
  15. 【請求項15】 得られたセパレータは厚さが100μ
    m以下、気密度が1000秒/100cc以上である請
    求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,1
    1,12,13又は14記載の非水系電池。
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