JPH10220574A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置

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Publication number
JPH10220574A
JPH10220574A JP3296897A JP3296897A JPH10220574A JP H10220574 A JPH10220574 A JP H10220574A JP 3296897 A JP3296897 A JP 3296897A JP 3296897 A JP3296897 A JP 3296897A JP H10220574 A JPH10220574 A JP H10220574A
Authority
JP
Japan
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shift
mode
transmission path
control
switching
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Application number
JP3296897A
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English (en)
Inventor
Kenji Sawa
研司 澤
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 手動変速を行なうマニュアルモードを有する
自動変速機において、該マニュアルモードで所定の変速
中に2つ目の変速操作が行なわれた場合の変速制御を運
転者に違和感を与えないように改良することを課題とす
る。 【解決手段】 変速制御を行なうコントロールユニット
は、マニュアルモードにおいて、ステップS22で変速
中でない場合、運転者の手動操作によりシフトアップス
イッチ又はシフトダウンスイッチがON操作されると、
ステップS23ないしS25又はS28ないしS30で
該変速操作に応じて目標変速段Gを更新し、ステップS
27で該目標変速段Gを実行する一方、ステップS22
で変速中である場合には、運転者の手動操作を全て無効
とする。これにより、1つ目の変速の終了後に2つ目以
降の変速が起こることがなくなり、該2つ目以降の変速
のタイミングがずれることによる違和感を解消すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機、特
に、変速段を予め運転状態に応じて設定されている変速
特性に基づいて自動的に切り換えるオートモードの他
に、運転者の手動変速操作に応じて変速段を切り換える
マニュアルモードを有する自動変速機の制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車に搭載される自動変速機
は、トルクコンバータと変速歯車機構とを組み合わせ、
この変速歯車機構の動力伝達経路をクラッチやブレーキ
等の複数の摩擦要素の選択的作動により切り換えて、所
定の変速段が達成されるように構成されたものである。
【0003】ところで近年、このような自動車用の自動
変速機として、予め車速やスロットル開度等の運転状態
に応じて設定されている変速特性と、これらの実測値と
に基づいて変速すべき目標変速段を決定し、この決定し
た目標変速段が達成されるように上記動力伝達経路を自
動的に切り換える従来のオートモード(以下「Dモー
ド」又は「第1の変速モード」ともいう。)の他に、運
転者による手動での変速操作に応じて変速段を切り換え
るマニュアルモード(以下「Mモード」又は「第2の変
速モード」ともいう。)を備えたものが実用化されつつ
ある。
【0004】このようなD,M両モード併設の自動変速
機を、例えば特開平7−259976号公報に開示され
たものを例に説明すると、この公報開示の自動変速機に
おいては、シフトレバーを揺動操作するための案内溝
が、車両前後方向に相互に平行に延びる長い縦線部と短
い縦線部と、これらの両縦線部同士を横方向で連通させ
る横線部とからなる全体H型パターンに形成され、シフ
トレバーはこの案内溝に沿って上記H型に揺動操作され
ると共に、長い縦線部は通常のレンジ選択用の通路とさ
れて、P(駐車)、R(後退)、N(中立)、及び変速
モードとしてオートモードが設定される従来のD(ドラ
イブ又はオート)等の各レンジにそれぞれ対応するレン
ジ選択位置(以下「揺動位置」ともいう。)が設けら
れ、一方、短い縦線部は変速モードとしてマニュアルモ
ードが設定されるいわばM(マニュアル)レンジの選択
位置とされて、シフトレバーを上記通常レンジ選択用の
長い縦線部からこのMレンジ選択用の短い縦線部に横線
部を介して揺動操作することにより変速モードがマニュ
アルモードに設定されるようになっている。そして、こ
のMレンジ選択位置においてシフトレバーを該選択位置
中央の中立位置から前方へ揺動操作することにより変速
段が1段シフトアップされ、逆に後方へ揺動操作するこ
とにより変速段が1段シフトダウンされるように構成さ
れているのである。
【0005】ところで、一般に、所定の目標変速段への
1つ目の変速中に、該目標変速段とは異なる別の目標変
速段への2つ目の変速の実行指令が出力される場合があ
るが、このとき、先の1つ目の変速がすでに開始されて
いる状態で、急遽、後の2つ目の変速を実行しようとす
ると、その変速全体の制御が困難なものとなり、変速歯
車機構の動力伝達経路を構成する摩擦要素が急激に解放
されたり締結される等して著しい変速ショックが発生す
ることがある。
【0006】このような問題は、Mモードにおける手動
変速時にもあり得るのであって、例えば運転者がシフト
ダウンしようとしてシフトレバーを1回揺動操作したの
ち、さらにもう1段シフトダウンしようとして2回目の
シフトレバー操作をしたとき、その2回目のレバー操作
が先の1回目のレバー操作から時間的間隔をおかずに行
なわれ、その結果、後のレバー操作が先のレバー操作に
基づく変速の実行中に行なわれたような場合である。そ
してこのとき、先のレバー操作に基づく1つ目の変速を
急遽そこでとり止めて、後のレバー操作に基づく2つ目
の変速に移行しようとすると、上記と同様の問題が生じ
ることになるのである。
【0007】なお、以上の説明はシフトダウン操作が連
続して行なわれる場合であったが、これ以外にもシフト
アップ操作が連続して行なわれる場合や、シフトダウン
操作ののちにシフトアップ操作、あるいはシフトアップ
操作ののちにシフトダウン操作が行なわれる場合におい
ても事情は同じである。
【0008】このような問題に対処するものとして、例
えば上記公報には、先の変速が実質的に開始される前
に、運転者の手動変速操作に基づく後の変速指令が発せ
られた場合には、その先の変速を中止して後の変速を実
行し、先の変速が実質的に開始されたのちに、後の変速
指令が発せられた場合には、その先の変速が完了してか
ら後の変速を実行することが開示されている。これによ
れば、先の変速が実質的に開始される前、すなわち変速
指令が出力されても実際に変速動作(イナーシャフェー
ズ)が開始される前に、後の変速指令が発せられたとき
には、直ちにその先の変速が中止されて後の変速に移行
するが、先の変速が実質的に開始されたのち、すなわち
イナーシャフェーズが開始されたのちに、後の変速指令
が発せられたときにあっては、その先の変速の完了をま
って後の変速が実行されることになるので、先の変速を
中止しても変速ショックを引き起こすような虞の少ない
イナーシャフェーズの開始前では所謂飛越変速等が行な
われ、逆に先の変速を中止すると変速ショックを引き起
こす虞の大きいイナーシャフェーズの開始後では該変速
ショックの発生が回避されることになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報開示の従来技術では、運転者が2段のシフトダウンを
希望してシフトレバーを2回連続操作したときに、1つ
目の変速がレバー操作後に比較的速やかに起こっても、
次の2つ目の変速がレバー操作時から時間的に遅れて実
行される場合が生じ、これにより運転者が違和感を感じ
ることになる。
【0010】また、2つ目の変速が時間的に遅れると、
運転者は2回目のレバー操作が有効でなかったと誤認し
て、その間に再度レバー操作を行なう虞があり、その結
果、1つ目の変速の完了後に、2つ目の変速だけ実行さ
れればよいものが、さらに連続して3つ目の変速が起こ
って意図しない1速までシフトダウンされることが生じ
得る。さらに、その場合に、飛越変速が実行可能な自動
変速機であれば、1つ目の変速の完了後に、2つ目の変
速として変速段が一気に1速までシフトダウンされるよ
うなことも発生し、不具合がより一層大きなものとな
る。
【0011】そこで、本発明は、従来のDモードに加え
てMモードを有する自動変速機における上記のような実
情に対処するもので、Mモードにおける運転者の手動変
速操作に応じた変速制御を安定させ、もって変速ショッ
クを回避し、且つ、運転者に違和感を感じさせない自動
変速機の制御装置を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では次のような手段を用いる。
【0013】まず、本願の特許請求の範囲の請求項1に
記載した発明(以下「第1発明」という。)は、エンジ
ンから駆動輪に伝達される駆動力の該伝達経路を切り換
え可能に構成された変速手段と、車両の運転状態を検出
する運転状態検出手段と、運転者の第1の所定の操作を
検出する所定操作検出手段と、予め運転状態に応じて設
定されている変速特性と上記運転状態検出手段の検出結
果とに基づいて上記変速手段を制御する第1の変速モー
ドと上記所定操作検出手段の検出結果に応じて上記変速
手段を制御する第2の変速モードとを有する制御手段
と、運転者の第2の所定の操作に応じて上記第1の変速
モードと第2の変速モードとのいずれか一方を選択する
変速モード選択手段とが備えられた自動変速機の制御装
置であって、上記制御手段が、上記変速モード選択手段
によって選択された変速モードに基づいて上記変速手段
を制御するものであると共に、該制御手段による変速手
段の制御によって上記駆動力の伝達経路の切り換えが実
行中であるかどうかを判定する判定手段と、該判定手段
により伝達経路の切り換えが実行中であると判定されて
いる間は、上記第2の変速モードにおける運転者の第1
の所定の操作に応じた伝達経路の切り換えの実行を禁止
する禁止手段とが備えられていることを特徴とする。
【0014】また、請求項2に記載した発明(以下「第
2発明」という。)は、上記第1発明において、判定手
段が実行中であるかどうかを判定する伝達経路の切り換
えは、第2の変速モードにおいて運転者が先に行なった
第1の所定の操作に基づく伝達経路の切り換えであると
共に、禁止手段が実行を禁止する伝達経路の切り換え
は、第2の変速モードにおいて運転者が後に行なった第
1の所定の操作に基づく伝達経路の切り換えであること
を特徴とする。
【0015】さらに、請求項3に記載した発明(以下
「第3発明」という。)は、上記第1発明において、複
数の揺動位置において保持可能、且つこれらの揺動位置
のうちの所定の揺動位置において該揺動位置内で揺動可
能に構成されたシフトレバーが備えられ、変速モード選
択手段は、このシフトレバーの上記所定揺動位置内での
一方向への揺動を検出するものであり、所定操作検出手
段は、このシフトレバーの上記所定揺動位置内での一方
向又は他方向への揺動を検出するものであり、制御手段
は、第1の変速モードに基づく伝達経路の切り換え制御
中に上記変速モード選択手段によってシフトレバーの所
定揺動位置内での一方向への揺動が検出されたときは上
記第1の変速モードに基づく伝達経路の切り換え制御か
ら第2の変速モードに基づく伝達経路の切り換え制御に
移行すると共に、第2の変速モードにおいては上記所定
操作検出手段が検出するシフトレバーの所定揺動位置内
での一方向又は他方向への揺動に応じて伝達経路の切り
換え制御を行ない、上記第1の変速モードに基づく伝達
経路の切り換え制御から第2の変速モードに基づく伝達
経路の切り換え制御に移行するときには同時に第2の変
速モードに基づく伝達経路の切り換えを実行するもので
あって、判定手段が実行中であるかどうかを判定する伝
達経路の切り換えは、第1の変速モードに基づく伝達経
路の切り換えであると共に、禁止手段が実行を禁止する
伝達経路の切り換えは、第1の変速モードに基づく伝達
経路の切り換え制御から第2の変速モードに基づく伝達
経路の切り換え制御への移行と同時に実行される第2の
変速モードに基づく伝達経路の切り換えであることを特
徴とする。
【0016】上記の手段を用いることにより、本願各発
明はそれぞれ次のように作用する。
【0017】まず、第1発明によれば、判定手段によっ
て駆動力の伝達経路の切り換え、つまり変速が実行中で
あるかどうかが判定され、それによって変速が実行中で
あると判定されている間は、その期間中にMモードにお
ける運転者の変速操作が行なわれても、禁止手段によっ
てその変速操作に応じた変速の実行が禁止されるので、
1つ目の変速が終了したのちに、2つ目の変速が運転者
の変速操作から遅れたタイミングで実行されるというよ
うな運転者に違和感を与えるごとき現象が発生しなくな
ると共に、たとえ運転者が誤ってレバー操作を繰り返し
行なったとしても、それらの手動変速操作が全てキャン
セルされるから、1つ目の変速の終了後に、意図しない
変速段まで連続して、あるいは一気に、変速が起こった
りするようなことがなくなる。
【0018】なお、このとき、禁止手段で実行が禁止さ
れる2つ目の変速はMモードにおける変速であるが、判
定手段で実行中であるかどうかが判定される1つ目の変
速はMモードにおける変速又はDモードにおける変速の
いずれでもよい。
【0019】また、変速(駆動力の伝達経路の切り換
え)の実行中とは、変速指令が出力されてから変速が終
了するまでの期間としてもよく、また、イナーシャフェ
ーズが開始されてから変速が終了するまでの期間等とし
てもよい。前者の場合には、判定手段は変速指令が出力
された時点で変速の実行を判定することになるが、後者
の場合には、判定手段はイナーシャフェーズが開始され
るまでは変速の実行を判定しないことになる。したがっ
て、この後者の場合、変速指令が出力されてからイナー
シャフェーズが開始されるまでの間に運転者の変速操作
が行なわれたときには、その変速操作は無効とされず、
該変速操作に応じた変速が実行されることになる。この
とき、1つ目の変速と運転者の変速操作に応じた2つ目
の変速とが共にダウンシフト変速又はアップシフト変速
の場合であれば、例えば飛越変速等を実行するようにし
てもよい。
【0020】なお、イナーシャフェーズの開始は、例え
ば変速指令が出力されてから所定の時間が経過したこ
と、あるいはタービン回転数の変化率(タービン回転変
化率)の絶対値が所定値以上に大きくなったこと等によ
り判定される。
【0021】次に、第2発明によれば、特に、1つ目の
変速も2つ目の変速も共にMモードにおける変速であっ
て、運転者が該Mモードでシフトレバーを連続操作した
ような場合に、後に行なわれた変速操作がキャンセルさ
れて2つ目の変速の実行が禁止されることになる。
【0022】そして、第3発明によれば、特に、次のよ
うな構成の自動変速機において、2つ目の変速が禁止さ
れることになる。
【0023】すなわち、前述の公報に開示されているよ
うに、通常のレンジ選択位置に加えてMモード専用の選
択位置を追加配置する構成以外にも、いろいろなシフト
レバーの操作装置(変速操作入力装置)の構成が可能で
あり、例えば、シフトレバーの操作領域を小さくして変
速操作入力装置のレイアウト性の向上を図る等のため
に、従来のDレンジをDモードとMモードとの両モード
が設定可能とされるD、M兼用レンジとし、これにより
シフトレバーの揺動位置の増加を回避して、変速操作入
力装置全体の寸法拡大を抑制するように構成することも
できる。
【0024】またその場合に、例えば、シフトレバーを
他のPレンジやRレンジ等からこの両モード兼用のDレ
ンジに操作したときにはDモードが設定され、そしてD
モードの設定中にシフトレバーをこのDレンジ選択位置
内で一方向に揺動させることにより変速モードがDモー
ドからMモードに切り換わるように構成することも可能
である。このように構成することにより、変速モードの
切換操作の操作感ないし操作性が良好なものとなる。
【0025】さらに、変速モードのDからMへの切換え
操作が行なわれるのは、運転者が加速やエンジンブレー
キを要求しているときであり、この場合には、運転者は
Mモードに切り換えたのちに積極的にシフトダウン操作
を行なう場合が多いことを考慮すると、Mモードにおけ
る手動変速時のシフトレバーの揺動方向、特に、変速段
をシフトダウンさせるときの該レバーの揺動方向と、上
記Mモードへの切換時に操作されるシフトレバーの揺動
方向とを同じとし、該レバーのDレンジ選択位置内での
一方向への揺動によって、変速モードがDモードからM
モードに切り換わると同時に、該Mモードにおける手動
でのダウンシフト変速が起こるように構成することも考
えられる。このような構成により、シフトレバーの操作
回数を減らすことができて、シフトダウン要求に対する
応答性や操作性が向上される。
【0026】第3発明は、以上の構成が採用された自動
変速機における1つ目の変速と2つ目の変速との特有の
組合せ、つまり、シフトレバーを所定揺動位置内で一方
向に揺動操作することによって、DモードからMモード
への切換えが起こると同時に変速段の切換えも行なわれ
るように構成された結果として、1つ目の変速が、Mモ
ードへの切換え前のDモードにおける変速であり、2つ
目の変速が、Mモードへの切換えと同時に起こるダウン
シフト変速又はアップシフト変速、好ましくはダウンシ
フト変速である場合に、Mモードへの切換えのためのシ
フトレバーの上記揺動操作が変速操作としては無効とさ
れ、2つ目の変速、すなわちMモードへの切換えと同時
に起こるダウンシフト変速又はアップシフト変速の実行
が禁止されることになる。これにより、運転者がレバー
操作をして変速モードをDモードからMモードに切り換
えてからずれたタイミングで上記のダウンシフト変速又
はアップシフト変速が遅れて起こるというような特異な
違和感が解消されることになる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0028】図1は、この実施の形態における自動車の
変速操作入力装置1の外観を示すもので、当該自動車の
運転席側の車体部材Xにはカバー2が取り付けられ、該
カバー2に設けられた前後方向に細長い開口部2aから
シフトレバー3の上部が突出されている。このシフトレ
バー3は、パイプ部材3aによって本体が構成されてい
ると共に、その中間部より上方の部分は被覆部材3bで
覆われており、上記カバー2の開口部2aに沿って前後
方向に操作されて、その操作位置により、前方からPレ
ンジ、Rレンジ、Nレンジ、及び自動変速が行なわれる
Dモードと手動変速が行なわれるMモードとが設定可能
に構成されたD,M両モード兼用のDレンジが選択され
るようになっている。また、これらの操作位置を示す表
示板4が上記カバー2における開口部2aの側方に設け
られていると共に、該開口部2aは、シフトレバー3に
係合されて該レバー3の操作に従って前後にスライドす
るスライドプレート5によって閉鎖されている。
【0029】一方、シフトレバー3の上端の操作部3c
には、該シフトレバー3のレンジ間のシフト操作の規制
を解除するための規制解除ボタン3dと、シフトレバー
3によって上記D,M両モード兼用のDレンジが選択さ
れた状態で押し操作されることにより、変速モードをD
モードとMモードとの間で交互に切り換えるモード切換
スイッチ15とが設けられている。そして、表示板4の
Dレンジの操作位置には、中立位置を中心として上記M
モードでシフトレバー3が前後に揺動操作されるシフト
アップ位置及びシフトダウン位置がそれぞれ示されてい
る。
【0030】また、このシフトレバー3には、図2に示
すように、該レバー3のシフト操作により移動する操作
ケーブル6が連係されており、該操作ケーブル6はPレ
ンジスイッチ11、Rレンジスイッチ12、Nレンジス
イッチ13、Dレンジスイッチ14を有するインヒビタ
スイッチ10や、コントロールバルブユニットにおける
マニュアルバルブ(図示せず)等に導かれ、これらにシ
フトレバー3の操作を伝達するようになっている。ま
た、シフトレバー3の操作経路におけるDレンジの選択
位置の近くには、後に詳しく説明するように、該Dレン
ジ内におけるシフトレバー3のシフトアップ、シフトダ
ウン操作を検出するシフトアップスイッチ16及びシフ
トダウンスイッチ17がそれぞれ配設されている。
【0031】次に、変速操作入力装置1の上記カバー2
より下方に配置された部分の構造を説明すると、図3及
び図4に示すように、この入力装置1は、合成樹脂で成
形されて、前後4か所のボルト穴21…21に挿通され
るボルト(図示せず)により車体に取り付けられるベー
ス部材20を有する。
【0032】このベース部材20の中央部には下方へ突
出する中空箱状の突出部22が設けられ、この突出部2
2の左右両側面に孔22a,22aが設けられていると
共に、上記シフトレバー3を構成するパイプ部材3aの
下端部には、逆T字状(図5参照)をなすように横方向
に延びる同じくパイプ部材でなる支軸3eが固着されて
おり、この支軸3eの左右両端部が上記突出部22の孔
22a,22aにそれぞれ嵌合されて、シフトレバー3
が該突出部22ないしベース部材20に前後に揺動可能
に支持されている。
【0033】そして、このベース部材20上には、シフ
トレバー3の位置決め機構や、MモードにおけるDレン
ジ内でのシフトアップ、シフトダウン操作を検出する前
述のシフトアップスイッチ16及びシフトダウンスイッ
チ17等が配設されている。
【0034】上記位置決め機構は、ベース部材20の上
面中央部におけるシフトレバー3の突出部の前方に該ベ
ース部材20に一体的に立設された前後方向の壁23に
よって構成される位置決め部と、シフトレバー3に取り
付けられた位置決め用板バネ部材24とで構成されてい
る。このうち、位置決め部23の上縁は上記シフトレバ
ー3の揺動中心を中心とするほぼ円弧面とされ、この円
弧面に前方からPレンジ用、Rレンジ用、Nレンジ用及
びDレンジ用の位置決め凹部23p,23r,23n,
23dが設けられている。
【0035】また、上記板バネ部材24は、シフトレバ
ー3の本体を構成するパイプ部材3aにおける上記カバ
ー2のやや下方位置に固着されたブラケット25に、ボ
ルト26及び回り止めピン27を用いて後端部が固着さ
れて前方へ延びていると共に、その前端部は係合部24
aとされて、上記位置決め部23における各凹部23
p,23r,23n,23dのうちのシフトレバー操作
位置に対応する凹部に係合され、これにより、該シフト
レバー3が各レンジ選択位置において位置決めされるよ
うになっている。その場合に、位置決め部23における
Dレンジ用凹部23dは、Mモードにおいて該Dレンジ
内でシフトレバー3をシフトアップ及びシフトダウン操
作可能なように前後に広い凹部とされている。
【0036】なお、上記ブラケット25には、ベース部
材20の前端部に取り付けられたケーブルガイド29を
通って前方に延びる前述の操作ケーブル6の後端部が連
結されている。
【0037】また、シフトレバー3には、該シフトレバ
ー3のレンジ間のシフト操作の規制機構を構成するシフ
トピン31が設けられており、このシフトピン31の取
り付け構造を図5により説明すると、シフトレバー3の
本体を構成するパイプ部材3aにおける上記ブラケット
25の固着位置の直下方には、左右両側面に上下に長い
長穴3f,3fがそれぞれ設けられていると共に、これ
らの長穴3f,3fにはシフトピン31が挿通されて、
その両端部がパイプ部材3aの左右両側に突出されてい
る。
【0038】このシフトピン31は、パイプ部材3a内
に配置されて該パイプ部材3a内を上下に移動可能とさ
れた支持部材32に中央部を支持されて、上記長穴3
f,3fの範囲内で、該支持部材32と共に上下移動可
能とされていると共に、パイプ部材3a内における支持
部材32の下方には、該支持部材32及びシフトピン3
1を上方に付勢するリターンスプリング33が配設され
ている。また、該支持部材32の上方にはコイルを密に
巻いてなるスプリング34がパイプ部材3a内に挿通さ
れ、シフトレバー3の上端の操作部3cに設けられた前
述の規制解除ボタン3dの押し込み操作により、該スプ
リング34を介して上記支持部材32及びシフトピン3
1が上記リターンスプリング33に抗して下方へ押し下
げられるようになっている。
【0039】そして、ベース部材20におけるシフトレ
バー3の操作経路の前方に向って右側の側方には、その
経路に沿ってガイドプレート41が該ベース部材20に
一体的に立設され、このガイドプレート41に形成され
た段部と上記シフトピン31との係合によって、シフト
レバー3のレンジ間のシフト操作の規制機構が構成され
ているのであるが、これ以上の詳しい説明は省略する。
【0040】一方、このガイドプレート41の上面に
は、先に述べた前後一対のシフトアップスイッチ16及
びシフトダウンスイッチ17が取り付けられている。そ
の場合に、シフトレバー3におけるガイドプレート41
側の側面には、これらの各スイッチ16,17の接片1
6a,17aを押圧する操作部材3gが取り付けられて
おり、シフトレバー3が中立位置から前方のシフトアッ
プ位置または後方のシフトダウン位置に揺動操作された
ときには、上記操作部材3gを介してシフトアップスイ
ッチ16もしくはシフトダウンスイッチ17がON操作
されるようになっている。
【0041】そして、この実施の形態においては、図6
に示すように、自動変速機に備えられたインヒビタスイ
ッチ10におけるPレンジスイッチ11、Rレンジスイ
ッチ12、Nレンジスイッチ13及びDレンジスイッチ
14からの信号と、シフトレバー3に備えられたモード
切換スイッチ15からの信号と、シフトアップスイッチ
16及びシフトダウンスイッチ17からの信号と、さら
に当該自動車の運転状態としての車速及びエンジンのス
ロットル開度をそれぞれ検出する車速センサ18及びス
ロットル開度センサ19からの信号とを入力し、これら
の信号に基づいて変速モードを設定すると共に、各モー
ドにおいて目標変速段を決定し、その目標変速段が達成
されるように油圧制御回路120に制御信号を出力する
コントロールユニット100が備えられている。
【0042】なお、上記車速センサ18は、トルクコン
バータから変速歯車機構への入力軸であるタービン軸の
回転数を検出するようになっており、そのタービン回転
数からギア比等を用いて車速等が算出されるようになっ
ている。
【0043】次に、このコントロールユニット100に
よる変速制御の具体的制御例をフローチャートに従って
説明する。
【0044】すなわち、図7に示すように、まず、コン
トロールユニット100は、ステップS1でDレンジス
イッチ14がONか否かを判定し、ONのときは、ステ
ップS2で次に述べるDレンジにおける変速段の決定制
御のサブルーティンを実行してリターンする。一方、D
レンジスイッチ14がOFFのときは、ステップS3で
Rレンジスイッチ12がONか否かを判定し、ONのと
きは、ステップS4で該Rレンジを実行してリターンす
る。このようにして以下ステップS8までで、各レンジ
スイッチ11〜14のON状態に対応した制御を実行
し、最終的にいずれのレンジスイッチ11〜14もOF
Fと判定されたときには、ステップS9で故障判定をす
ると共に、Mモードにおける目標変速段Gの決定に用い
るためにメモリしておくべき変速段(以下「処理用変速
段」という。)Goの値を3に設定してリターンする。
つまり、当該自動車で何等かのトラブルがあった場合に
はフェールセーフのために3速が達成されるようになっ
ているのである。
【0045】上記ステップS2のサブルーティンは図8
のように表される。まず、コントロールユニット100
は、ステップS11でモード切換スイッチ15がON操
作された直後か否かを判定し、操作された直後のときに
はステップS12でMモードフラグfmが1かどうかを
みて、1の場合はステップS13で該Mモードフラグf
mを0にリセットしたうえで、ステップS14に進ん
で、車速及びスロットル開度をパラメータとして予め設
定されている変速特性に基づいて目標変速段Gを1速〜
4速のうちから決定し、その決定した目標変速段が達成
されるように油圧制御回路120に制御信号を出力す
る。すなわち、Mモードでモード切換スイッチ15がO
N操作されたときはDモードに切り換えられて自動変速
が行なわれることになる。
【0046】なお、コントロールユニット100は、M
モードフラグfmの他にDモードフラグfdをもってい
て、Mモードフラグfmを0にリセットするときはDモ
ードフラグfdを1にセットし、Mモードフラグfmを
1にセットするときはDモードフラグfdを0にリセッ
トするのであるが、この実施の形態に関してはMモード
フラグfmの状態を判定するだけで充分なのでDモード
フラグfdのセット、リセットについては説明を省略し
ている。
【0047】一方、上記ステップS12でMモードフラ
グfmが1でない場合はステップS15で該Mモードフ
ラグfmを1にセットし、次いでステップS16に進ん
で、処理用変速段Goの値を現変速段の値に設定したう
えでリターンする。すなわち、Dモードでモード切換ス
イッチ15がON操作されたときはMモードに切り換え
られることになる。
【0048】また、上記ステップS11でモード切換ス
イッチ15がON操作された直後でなかったときには、
ステップS17において、ステップS12と同様にMモ
ードフラグfmが1かどうかをみて、1の場合はステッ
プS18に進んで次に述べるMモード変速制御のサブル
ーティンを実行してリターンする一方、0の場合はステ
ップS19でステップS14と同様にDモードの自動変
速を行なう。すなわち、モード切換スイッチ15がON
操作されないうちはモードが切り換えられず、現モード
が続行されることになる。
【0049】上記ステップS18のサブルーティンは図
9のように表される。まず、コントロールユニット10
0は、ステップS21で目標変速段Gの値を処理用変速
段Goの値に設定したうえで、ステップS22で変速中
かどうかの判定を行なう。つまり、目標変速段が達成さ
れるようにコントロールユニット100が油圧制御回路
120に制御信号を出力した結果、その目標変速段への
変速が実行中であるかどうかを判定するのである。な
お、この実施の形態においては、コントロールユニット
100は、図6に示したように、判定部100aを有
し、この判定部100aにおいて、上記車速センサ18
で検出されるタービン回転変化率の絶対値が所定値以上
に大きくなったとき、つまり実際に変速動作が開始して
変速がイナーシャフェーズに移行した時点で、変速が実
行中であると判定するようになっている。したがって、
制御信号が出力されていない場合に加えて、該制御信号
が出力されていても、イナーシャフェーズへの移行が検
出されないうちは、変速が実行中であるとは判定されな
いことになる。
【0050】そして、このステップS22で変速中でな
いと判定された場合に限り、次のステップS23に進ん
でシフトアップスイッチ16がON操作されたか否かを
判定し、シフトレバー3のDレンジ内での前方への揺動
操作により、このシフトアップスイッチ16がON操作
されたときには、ステップS24において、処理用変速
段Goの値に設定された現変速段を示す目標変速段Gの
値が4であるか否かを判定し、G=4でなければシフト
アップが可能なので、ステップS25で目標変速段Gを
1だけプラスし、またG=4であればこれ以上のシフト
アップが不可能なので、ステップS25をスキップす
る。そして、次のステップS26で処理用変速段Goの
値をこの1だけプラスし又はしなかった目標変速段Gの
値に設定し直したうえで、ステップS27において、こ
の目標変速段Gが達成されるように油圧制御回路120
に制御信号を出力する。
【0051】一方、上記ステップS23でシフトアップ
スイッチ16がON操作されなかったときには、ステッ
プS28に進んでシフトダウンスイッチ17がON操作
されたか否かを判定し、シフトレバー3のDレンジ内で
の後方への揺動操作により、このシフトダウンスイッチ
17がON操作されたときには、ステップS29におい
て、処理用変速段Goの値に設定された現変速段を示す
目標変速段Gの値が1であるか否かを判定し、G=1で
なければシフトダウンが可能なので、ステップS30で
目標変速段Gを1だけマイナスし、またG=1であれば
これ以上のシフトダウンが不可能なので、ステップS3
0をスキップする。そして、次のステップS26で処理
用変速段Goの値をこの1だけマイナスし又はしなかっ
た目標変速段Gの値に設定し直したうえで、ステップS
27において、この目標変速段Gが達成されるように油
圧制御回路120に制御信号を出力する。
【0052】また、シフトレバー3がDレンジ内で前後
いずれの方向にも揺動操作されず、上記ステップS28
でシフトダウンスイッチ17もON操作されなかったと
きには、目標変速段Gの変更をせずにステップS26に
進んで、処理用変速段Goの値をこの変更しなかった目
標変速段Gの値に戻したうえで、ステップS27におい
て、この目標変速段Gが達成されるように油圧制御回路
120に制御信号を出力する。
【0053】そして、上記ステップS22において変速
中であると判定された場合においては、以上のようなシ
フトレバー3の揺動操作によるシフトアップスイッチ1
6あるいはシフトダウンスイッチ17のON操作の判
定、及びその判定結果に応じた目標変速段Gの切換えを
行なうステップを全てスキップして、直ちにステップS
26に進み、ここで処理用変速段Goの値を目標変速段
Gの値にまた戻したうえで、ステップS27において、
この目標変速段Gが達成されるように油圧制御回路12
0に制御信号を出力する。
【0054】以上のようにして、コントロールユニット
100による変速制御が行われることになるが、上記の
ように、単一のDレンジにおいて、モード切換スイッチ
15の押し操作により、DモードもMモードも交互に実
現可能となり、そしてDモードにおいては自動変速が、
またMモードにおいては該Dレンジ内での運転者による
シフトレバー3の操作通りの手動変速が行なわれること
になる。したがって、Mモードが設定されるMレンジを
別に追加配置する必要がなくなり、レンジ数の増大が防
がれて、当該変速操作入力装置1のレイアウト性が向上
する。また、Mモードにおける変速が運転者によるシフ
トレバー3の揺動操作でシフトアップスイッチ16又は
シフトダウンスイッチ17がON操作されることにより
起こるので、変速操作の実感が生じ、操作性が向上され
ると共に、誤操作の抑制を図ることができる。
【0055】そして、特に、この変速制御によれば、ス
テップS22において変速が実行中か否かが判定され、
その結果、変速中でない場合は、シフトレバー3の揺動
操作によるシフトアップスイッチ16あるいはシフトダ
ウンスイッチ17のON操作の判定、及びその判定結果
に応じた目標変速段Gの切換えが行なわれてMモードの
変速が実行されるのに対し、変速中のときには、このよ
うなステップを全てスキップして、前回の変速段がその
まま維持される。これにより、変速中に行なわれたレバ
ー操作が全て無効とされ、1つ目の変速の終了後に遅れ
たタイミングで2つ目の変速が行なわれるというような
違和感のある現象が回避されると共に、運転者が誤って
複数回レバー操作を行なうことに伴って意図しない変速
段まで変速されるというような不具合が解消される。
【0056】次に、変速制御の第2の制御例について説
明する。
【0057】上記の第1の制御例では、モード切換スイ
ッチ15の押し操作によってモードがDモードからMモ
ードに切り換えられたときには、図8のフローチャート
においてステップS11からS12を経由してステップ
S15、S16が実行されていったんリターンしたの
ち、次のサイクルで今度はステップS11からS17を
経由してステップS18に進み、ここで図9のフローチ
ャートに従って手動変速が実行されることになる。
【0058】ところで、一般に、運転者がモードをDモ
ードからMモードに切り換えるのは、加速を要求してい
るときやエンジンブレーキを利かせたいときであること
が多い。したがって、その場合には、Mモードへの切換
え後、なるべく早期に変速段がシフトダウンされること
が望ましい。この第2の制御例はかかる要求に対処する
ものである。
【0059】なお、この第2の制御例を実行するにあた
っての当該変速操作入力装置1の機械的構成及び制御シ
ステムの構成は、上記第1制御例の場合と同じであるの
で、その説明は省略する。
【0060】また、制御フローの面においても、図7の
フローチャートにおけるステップS2のDレンジにおけ
る変速段の決定制御のサブルーティンの内容が一部変更
されているだけなので、その変更されている部分を中心
に説明する。
【0061】すなわち、図10に示すように、コントロ
ールユニット100は、ステップS31でモード切換ス
イッチ15がON操作されたか否かを判定し、操作され
たときにはステップS32でMモードフラグfmが1か
どうかをみて、1でない場合はステップS35で該Mモ
ードフラグfmを1にセットする。これにより、Dモー
ドでモード切換スイッチ15がON操作されたときはM
モードに切り換えられることになる。
【0062】そして、引き続き、次のステップS36に
おいて目標変速段Gの値を現変速段の値に設定したうえ
で、ステップS37で、この現変速段を示す目標変速段
Gの値が1であるか否かを判定し、G=1でなければシ
フトダウンが可能なので、以下のステップS39で目標
変速段Gを1だけマイナスするのであるが、その前にス
テップS38において変速中か否かの判定をして、ここ
で変速中でない場合に限り、ステップS39での目標変
速段Gの切換えを行なう。これに対し、ステップS37
でG=1である場合、及びステップS38で変速中であ
る場合には、上記ステップS39をスキップする。そし
て、さらに引き続き、次のステップS40で処理用変速
段Goの値をこの1だけマイナスし又はしなかった目標
変速段Gの値に設定し直したうえで、ステップS41に
おいて、この目標変速段Gが実現されるように油圧制御
回路120に制御信号を出力する。
【0063】以上のようにして、コントロールユニット
100による変速制御が行われることになるが、上記の
ように、この第2の制御例においては、モード切換スイ
ッチ15の押し操作によってモードがDモードからMモ
ードに切り換えられたときには、図10のフローチャー
トにおいてステップS31からS32を経由してステッ
プS35でMモードフラグfmが1にセットされると共
に、同じサイクルの以下のステップS36からS41に
おいてダウンシフト変速が実行されることになる。した
がって、運転者がモードの切換え操作をするだけでシフ
トダウンが起こるので、モードの切換え操作とシフトレ
バー3の後方への揺動操作の二つの操作を行なう必要が
なくなり、後者のシフトダウン操作を省略することがで
きて、シフトダウン要求に対する応答性及び操作性が向
上することになる。
【0064】そして、特に、このモードの切換え操作が
1つ目の変速(この場合はDモードにおける変速とな
る)の実行中に行われた場合には、該切換え操作がダウ
ンシフト変速操作としては無効とされ、その結果、この
モードの切換え操作と同時に行われるはずの上記ダウン
シフト変速が実行されないので、運転者がレバー操作を
して変速モードをDモードからMモードに切り換えてか
らずれたタイミングで上記のダウンシフト変速が遅れて
起こるというような特異な違和感が解消されることにな
る。
【0065】次に、変速制御の第3の制御例について説
明する。
【0066】上記の第1、第2の制御例は、いずれも、
モードの切換えがモード切換スイッチ15の押し操作に
よって行なわれる場合のものであるが、モードの切換操
作のフィーリング性の向上や、誤操作の防止といった観
点からは、このモードの切換操作も、手動変速操作と同
様、運転者によるシフトレバー3の揺動操作によって行
なわれるように構成することもまた好ましい。そこで、
この第3の制御例は、特にDモードからMモードへの切
換えがシフトレバー3の後方への揺動操作によって行な
われるようにプログラム構成されたものである。
【0067】まず第3の制御例を説明する前に、この第
3制御例を実行するにあたっての当該変速操作入力装置
1の機械的構成及び制御システムの構成の上記第1、第
2制御例と比較しての変更点を図面に基づいて説明す
る。なお、図中、第1、第2制御例の場合と同じ構成部
材には同じ符号が付されている。
【0068】すなわち、この場合、図11に示すよう
に、ベース部材20におけるシフトレバー3の操作経路
の前方に向かって左側で該シフトレバー3の後方には、
上記ベース部材20に立設されたブラケット111を介
して、変速モードをMモードに設定するMモードスイッ
チ110が備えられている。
【0069】一方、シフトレバー3においては、シフト
アップスイッチ16又はシフトダウンスイッチ17の各
接片16a,17aを押圧する前述の操作部材3gの取
付面と反対側の側面に、上記Mモードスイッチ110の
接片110aを押圧するMモードスイッチ操作用の操作
部材3hが設けられており、シフトレバー3が中立位置
から後方へ揺動操作されたときには、上記Mモードスイ
ッチ用の操作部材3hを介してMモードスイッチ110
がON操作されるようになっている。その場合に、Mモ
ードスイッチ110がON操作されたときには、そのシ
フトレバー3の後方への揺動操作によって同じくシフト
ダウンスイッチ17もON操作されるようになってい
る。
【0070】また、図1に示すように、シフトレバー3
の上端の操作部3cには、前述のモード切換スイッチ1
5に代えて、シフトレバー3によってDレンジが選択さ
れた状態で押し操作されることにより、変速モードをD
モードに設定するDモードスイッチ115が設けられて
いる。
【0071】そして、図12に示すように、コントロー
ルユニット100は、モード切換スイッチ15からの信
号に代えて、上記Mモードスイッチ110とDモードス
イッチ115の二つのスイッチからの信号をその他の信
号と共に入力し、油圧制御回路120に制御信号を出力
する。
【0072】なお、この第3の制御例においても、図7
のフローチャートにおけるステップS2のDレンジにお
ける変速段の決定制御のサブルーティンの内容が変更さ
れているだけなので、該サブルーティンの部分のみ説明
する。
【0073】すなわち、図13に示すように、コントロ
ールユニット100は、ステップS51でMモードスイ
ッチ110がON操作されたか否かを判定し、シフトレ
バー3のDレンジ内での後方への揺動操作により、この
Mモードスイッチ110がON操作されたときには、ス
テップS52でMモードフラグfmが1かどうかをみ
て、1でない場合は、ステップS53で該Mモードフラ
グfmを1にセットしたうえで次のステップS54で処
理用変速段Goの値を現変速段の値に設定する一方、1
の場合には、すでにMモードフラグfmが前回までに1
にセットされており、且つ、処理用変速段Goの値も設
定されているので、上記ステップS53,54をスキッ
プする。
【0074】次いで、コントロールユニット100は、
ステップS55でシフトダウンスイッチ17がON操作
されたか否かを判定し、上記Mモードスイッチ110の
ON操作と同じシフトレバー3のDレンジ内での後方へ
の揺動操作によって、このシフトダウンスイッチ17が
ON操作されたときには、次のステップS56に進ん
で、目標変速段Gの値を処理用変速段Goの値に設定す
る。一方、ステップS55でシフトダウンスイッチ17
がON操作されなかったと判定された場合は、上記Mモ
ードスイッチ110がON操作されたときにはこのシフ
トダウンスイッチ17もまたON操作されるはずである
から、図7のフローチャートにおけるステップS9に進
んで故障判定をすると共に、処理用変速段Goの値を3
に設定してリターンする。
【0075】上記ステップS56で目標変速段Gの値を
処理用変速段Goの値に設定したのち、コントロールユ
ニット100は、ステップS57で、変速中か否かの判
定を行ない、変速中でない場合に限り、次のステップS
58で、この処理用変速段Goの値に設定された現変速
段を示す目標変速段Gの値が1であるか否かを判定し、
G=1でなければシフトダウンが可能なので、ステップ
S59で目標変速段Gを1だけマイナスし、またG=1
であればこれ以上のシフトダウンが不可能なので、ステ
ップS59をスキップする。また、ステップS57で変
速中である場合には、これらのステップS58及びS5
9をスキップする。そして、次のステップS60で処理
用変速段Goの値をこの1だけマイナスし又はしなかっ
た目標変速段Gの値に設定し直したうえで、ステップS
61において、この目標変速段Gが実現されるように油
圧制御回路120に制御信号を出力する。
【0076】これにより、Mモードにおけるシフトレバ
ー3のDレンジ内での後方への揺動操作によって変速段
がシフトダウンされると共に、同じシフトレバー3のD
レンジ内での後方への揺動操作によって変速モードがD
モードからMモードに切り換えられたときには、そのモ
ード切換操作前のDモードにおける変速が実行中でない
場合に限って直ちにシフトダウンが行なわれることにな
る。
【0077】一方、上記ステップS51でMモードスイ
ッチ110がON操作されなかったときには、ステップ
S62に進んでDモードスイッチ115がON操作され
たか否かを判定し、運転者による押し操作により、この
Dモードスイッチ115がON操作されたときには、ス
テップS63でMモードフラグfmが1かどうかをみ
て、1の場合はステップS64で該Mモードフラグfm
を0にリセットし、また1でない場合、つまり例えばD
モードの続行中に運転者が再びDモードスイッチ115
をON操作したような場合には、すでにMモードフラグ
fmが前回までに0にリセットされているのでステップ
S64をスキップする。そして、次のステップS65に
おいて、車速及びスロットル開度をパラメータとして予
め設定されている変速特性に基づいて目標変速段Gを1
速〜4速のうちから設定し、その変速段が実現されるよ
うに油圧制御回路120に制御信号を出力する。これに
より、Dモードにおける自動変速が行なわれることにな
る。
【0078】また一方、上記ステップS62でDモード
スイッチ115もON操作されなかったときには、ステ
ップS66に進んでMモードフラグfmが1かどうかを
みて、1でない場合は上記ステップS65において自動
変速を行なう。すなわち、Dモードが続行されることに
なる。
【0079】これに対し、Mモードフラグfmが1の場
合には、ステップS67で目標変速段Gの値を処理用変
速段Goの値に設定したのち、ステップS68で、変速
中か否かの判定を行ない、変速中でない場合に限り、次
のステップS69で、シフトアップスイッチ16がON
操作されたか否かを判定し、シフトレバー3のDレンジ
内での前方への揺動操作によって、このシフトアップス
イッチ16がON操作されたときには、次のステップS
70に進んで、この処理用変速段Goの値に設定された
現変速段を示す目標変速段Gの値が4であるか否かを判
定し、G=4でなければシフトアップが可能なので、ス
テップS71で目標変速段Gを1だけプラスし、またG
=4であればこれ以上のシフトアップが不可能なので、
ステップS71をスキップする。また、ステップS68
で変速中である場合には、これらのステップS69ない
しS71をスキップする。そして、次のステップS72
で処理用変速段Goの値をこの1だけプラスし又はしな
かった目標変速段Gの値に設定し直したうえで、ステッ
プS73において、この目標変速段Gが実現されるよう
に油圧制御回路120に制御信号を出力する。
【0080】また、シフトレバー3がDレンジ内で前後
いずれの方向にも揺動操作されず(後方への揺動操作が
されなかったことは、ステップS51でMモードスイッ
チ110がON操作されなかったことで分かる)、上記
ステップS69でシフトアップスイッチ16もON操作
されなかったときには、目標変速段Gの変更をせずにス
テップS72に進んで、処理用変速段Goの値をこの変
更しなかった目標変速段Gの値に戻したうえで、ステッ
プS73において、この目標変速段Gが実現されるよう
に油圧制御回路120に制御信号を出力する。
【0081】以上のようにして、コントロールユニット
100による変速制御が行われることになるが、上記の
ように、この第3の制御例においては、シフトレバー3
のDレンジ内での後方への揺動操作でMモードスイッチ
110がON操作されることにより変速モードがMモー
ドに設定される。これにより、モードの切換操作の実感
が生じ、操作性が向上されると共に、誤操作の抑制を図
ることができる。また、シフトレバー3のDレンジ内で
の後方への揺動操作でMモードスイッチ110がON操
作されると同時にシフトダウンスイッチ17もまたON
操作されるので、運転者がMモードの設定操作をするだ
けでダウンシフト変速が起こり、シフトダウン要求に対
する応答性及び操作性が向上することになる。
【0082】そして、特に、この第3の制御例において
も、変速の実行中に行なわれたMモードにおける運転者
の変速操作が無効とされて、その変速操作に応じた変速
の実行が禁止されるので、1つ目の変速が終了したのち
に、2つ目の変速が運転者の変速操作から遅れたタイミ
ングで実行されるというような運転者に違和感を与える
ごとき現象が発生しなくなると共に、たとえ運転者が誤
ってレバー操作を繰り返し行なったとしても、それらの
手動変速操作が全てキャンセルされるから、1つ目の変
速の終了後に、意図しない変速段まで連続して、あるい
は一気に、変速が起こったりするようなことがなくな
る。
【0083】次に、変速制御の第4の制御例について説
明する。
【0084】この第4の制御例は、上記第3制御例の場
合に用いられるMモードスイッチ110をわざわざ設け
ることをなくして、既存のシフトダウンスイッチ17に
該Mモードスイッチ110の機能を兼用させようとする
ものであり、図14に示すように、コントロールユニッ
ト100は、シフトダウンスイッチ17からの信号を、
シフトダウンのための信号として処理すると共に、また
Mモード設定のための信号としても処理する。
【0085】なお、この第4の制御例においても、図7
のフローチャートにおけるステップS2のDレンジにお
ける変速段の決定制御のサブルーティンの内容が変更さ
れているだけなので、該サブルーティンの部分のみ説明
する。
【0086】すなわち、図15ないし図16に示すよう
に、コントロールユニット100は、ステップS81で
Dモードスイッチ115がON操作されたか否かを判定
し、運転者による押し操作により、このDモードスイッ
チ115がON操作されたときには、ステップS82で
Mモードフラグfmが1かどうかをみて、1の場合はス
テップS83で該Mモードフラグfmを0にリセット
し、また1でない場合はステップS83をスキップし
て、次のステップS84においてDモードにおける自動
変速を行なう。
【0087】一方、上記ステップS81でDモードスイ
ッチ115がON操作されなかったときは、ステップS
85に進んでシフトダウンスイッチ17がON操作され
たか否かを判定し、シフトレバー3のDレンジ内での後
方への揺動操作により、このシフトダウンスイッチ17
がON操作されたときには、ステップS86でMモード
フラグfmが1かどうかをみて、1の場合はステップS
87で目標変速段Gの値を処理用変速段Goの値に設定
したのち、ステップS88で、変速中か否かの判定をし
て、変速中でない場合に限り、次のステップS89で、
この処理用変速段Goの値に設定された現変速段を示す
目標変速段Gの値が1であるか否かを判定する。そし
て、G=1でなければシフトダウンが可能なので、ステ
ップS90で目標変速段Gを1だけマイナスし、またG
=1であればこれ以上のシフトダウンが不可能なので、
ステップS90をスキップする。そして、次のステップ
S91で処理用変速段Goの値をこの1だけマイナスし
又はしなかった目標変速段Gの値に設定し直したうえ
で、ステップS92において、この目標変速段Gが実現
されるように油圧制御回路120に制御信号を出力す
る。
【0088】これに対し、上記ステップS86でMモー
ドフラグfmが1でない場合にはステップS93で該M
モードフラグfmを1にセットしたのち、ステップS9
4で目標変速段Gの値を現変速段の値に設定し、次いで
ステップS95で変速中か否かの判定、及びステップS
96、S97、S91、92において変速段のシフトダ
ウンを実行する。
【0089】つまり、この第4の制御例においては、シ
フトダウンスイッチ17がMモードスイッチを兼任して
いるので、すでにMモード中の場合は、ステップS86
からステップS87〜92の流れでMモードのシフトダ
ウンが実行されるのに対し、DモードからMモードへの
切換えの場合には、ステップS86からステップS93
〜97を経由してステップS91,92の流れで同じく
Mモードのシフトダウンが実行されることになるのであ
る。
【0090】また一方、上記ステップS85でシフトダ
ウンスイッチ17がON操作されなかったときは、ステ
ップS98に進んでシフトアップスイッチ16がON操
作されたか否かを判定し、シフトレバー3のDレンジ内
での前方への揺動操作により、このシフトアップスイッ
チ16がON操作されたときには、ステップS99でM
モードフラグfmが1かどうかをみて、1の場合はステ
ップS100で目標変速段Gの値を処理用変速段Goの
値に設定したのち、ステップS101で、変速中か否か
を判定し、変速中でない場合に限り、次のステップS1
02で、この処理用変速段Goの値に設定された現変速
段を示す目標変速段Gの値が4であるか否かを判定す
る。そして、G=4でなければシフトアップが可能なの
で、ステップS103で目標変速段Gを1だけプラス
し、またG=4であればこれ以上のシフトアップが不可
能なので、ステップS103をスキップする。そして、
次のステップS104で処理用変速段Goの値をこの1
だけプラスし又はしなかった目標変速段Gの値に設定し
直したうえで、ステップS105において、この目標変
速段Gが実現されるように油圧制御回路120に制御信
号を出力する。これに対し、上記ステップS99でMモ
ードフラグfmが1でない場合には、ステップS106
に進んでDモードにおける自動変速を実行する。
【0091】つまり、Mモードの続行中であって、モー
ドの切換操作が行なわれない状態で、シフトレバー3が
Dレンジ内で前方に揺動操作されたときには、手動変速
によるシフトアップが行なわれるのに対し、Dモードの
続行中であって、モードの切換操作が行なわれない状態
で、シフトレバー3だけがDレンジ内で前方に揺動操作
されたような場合には、何も起こらずそのままDモード
が続行されるのである。
【0092】そして一方、Dモードスイッチ115も押
し操作されず、且つ、シフトレバー3もDレンジ内で前
後いずれの方向にも揺動操作されなかったときには、ス
テップS98からステップS107に進み、ここでMモ
ードフラグfmが1の場合はステップS108でMモー
ドとして現変速段を維持し、1でない場合には上記ステ
ップS106でDモードの自動変速を実行する。
【0093】以上のようにして、コントロールユニット
100による変速制御が行われることになるが、上記の
ように、この第4の制御例においては、シフトダウンス
イッチ17をMモードスイッチとして兼用するので、部
品点数を削減することができ、ひいては当該変速操作入
力装置1の製造コストの低減を図ることができる。
【0094】そして、特に、この第4の制御例において
も、変速の実行中にMモードにおける手動変速操作が行
なわれても、該変速操作が無効とされて、その変速操作
に基づく変速がタイミングがずれて行なわれるというよ
うな不具合が回避されることになる。
【0095】次に、本発明のさらに別の実施の形態につ
いて説明する。
【0096】上記の各実施の形態においては、レンジと
して、P,R,N,Dの4つのレンジが設けられ、その
うちのDレンジでDモードとMモードの両方が選択的に
設定可能とされていたが、この第5の実施の形態におい
ては、図17に示すように、レンジとして、上記4つの
レンジに加えてMレンジが設けられ、シフトレバー3が
該Mレンジの選択位置にあるときにONとされるMレン
ジスイッチ215が備えられている。また、シフトアッ
プスイッチ16及びシフトダウンスイッチ17は共にこ
のMレンジ内に配置され、シフトレバー3はこのMレン
ジの選択位置内において前後に揺動可能とされている。
【0097】そして、コントロールユニット100は、
図18に示すように、このMレンジスイッチ215及び
Dレンジスイッチ14からの信号により、シフトレバー
3がDレンジに切り換えられたときはDモードで、また
Mレンジに切り換えられたときにはMモードでそれぞれ
変速制御を行なうように構成されている。
【0098】この場合の変速制御の一例を説明すると、
図19に示すように、まずコントロールユニット100
は、ステップS201でDレンジスイッチ14又はMレ
ンジスイッチ215のいずれかがONか否かを判定し、
YESであれば、ステップS202で、次に述べるDモ
ード又はMモードにおける変速段の決定制御のサブルー
ティンを実行してリターンする。一方、Dレンジスイッ
チ14及びMレンジスイッチ215のいずれもがOFF
のときは、ステップS203でRレンジスイッチ12が
ONか否かを判定し、ONのときは、ステップS204
で該Rレンジを実行してリターンする。このようにして
以下ステップS208までで、各レンジスイッチ11〜
14,215のON状態に対応した制御を実行し、最終
的にいずれのレンジスイッチ11〜14,215もOF
Fと判定されたときには、前述と同様に、ステップS2
09で故障判定をし、処理用変速段Goの値を3に設定
してリターンする。
【0099】上記ステップS202のサブルーティンは
図20のように表される。まず、コントロールユニット
100は、ステップS211でMレンジスイッチ215
がONか否か、つまりシフトレバー3でMレンジが選択
された状態か否かを判定し、YESであればステップS
212でMモードフラグfmが1かどうかをみて、1の
場合、つまり前回以前よりMレンジが選択されていると
きは、ステップS213で、次に述べるMモード変速制
御のサブルーティンを直ちに実行してリターンする一
方、Mモードフラグfmが0の場合、つまりシフトレバ
ー3がMレンジに切り換えられた直後であれば、ステッ
プS214で該フラグfmを1にセットすると共に、ス
テップS215で処理用変速段Goの値を現変速段の値
に設定したうえでステップS213の上記サブルーティ
ンに移る。
【0100】一方、上記ステップS211でMレンジス
イッチ215がONでないとき、つまりシフトレバー3
でDレンジが選択された状態のときには、ステップS2
16において、ステップS212と同様にMモードフラ
グfmが1かどうかをみて、1の場合、つまりシフトレ
バー3がDレンジに切り換えられた直後であれば、ステ
ップS217で該フラグfmを0にリセットしたうえ
で、ステップS218に進んでDモードの自動変速を行
なう一方で、上記ステップS216でMモードフラグf
mが0の場合、つまり前回以前よりDレンジが選択され
ているときは、ステップS218のDモードの自動変速
に直ちに移行する。
【0101】上記ステップS213におけるMモード変
速制御のサブルーティンは図21のように表される。な
お、このサブルーティンは、前述の図9に示したMモー
ド変速制御のサブルーティンと略同じ流れで進行し、ま
ず、コントロールユニット100は、ステップS221
で目標変速段Gの値を処理用変速段Goの値に設定した
うえで、ステップS222で変速中かどうかの判定を行
ない、そして変速中でないと判定された場合に限り、次
のステップS223に進んでシフトアップスイッチ16
がON操作されたか否かを判定し、シフトレバー3のM
レンジ内での前方への揺動操作により、このシフトアッ
プスイッチ16がON操作されたときには、ステップS
224において、処理用変速段Goの値に設定された現
変速段を示す目標変速段Gの値が4であるか否かを判定
し、G=4でなければシフトアップが可能なので、ステ
ップS225で目標変速段Gを1だけプラスし、またG
=4であればこれ以上のシフトアップが不可能なので、
ステップS225をスキップする。そして、次のステッ
プS226で処理用変速段Goの値をこの1だけプラス
し又はしなかった目標変速段Gの値に設定し直したうえ
で、ステップS227において、この目標変速段Gが達
成されるように油圧制御回路120に制御信号を出力す
る。
【0102】一方、上記ステップS223でシフトアッ
プスイッチ16がON操作されなかったときには、ステ
ップS228に進んでシフトダウンスイッチ17がON
操作されたか否かを判定し、シフトレバー3のMレンジ
内での後方への揺動操作により、このシフトダウンスイ
ッチ17がON操作されたときには、ステップS229
において、処理用変速段Goの値に設定された現変速段
を示す目標変速段Gの値が1であるか否かを判定し、G
=1でなければシフトダウンが可能なので、ステップS
230で目標変速段Gを1だけマイナスし、またG=1
であればこれ以上のシフトダウンが不可能なので、ステ
ップS230をスキップする。そして、次のステップS
226で処理用変速段Goの値をこの1だけマイナスし
又はしなかった目標変速段Gの値に設定し直したうえ
で、ステップS227において、この目標変速段Gが達
成されるように油圧制御回路120に制御信号を出力す
る。
【0103】また、シフトレバー3がDレンジ内で前後
いずれの方向にも揺動操作されず、上記ステップS22
8でシフトダウンスイッチ17もON操作されなかった
ときには、目標変速段Gの変更をせずにステップS22
6に進んで、処理用変速段Goの値をこの変更しなかっ
た目標変速段Gの値に戻したうえで、ステップS227
において、この目標変速段Gが達成されるように油圧制
御回路120に制御信号を出力する。
【0104】そして、上記ステップS222において変
速中であると判定された場合においては、以上のような
シフトレバー3の揺動操作によるシフトアップスイッチ
16あるいはシフトダウンスイッチ17のON操作の判
定、及びその判定結果に応じた目標変速段Gの切換えを
行なうステップを全てスキップして、直ちにステップS
226に進み、ここで処理用変速段Goの値を目標変速
段Gの値にまた戻したうえで、ステップS227におい
て、この目標変速段Gが達成されるように油圧制御回路
120に制御信号を出力する。
【0105】以上のようにして、コントロールユニット
100による変速制御が行われることになるが、上記の
ように、レンジ選択位置が5つとされたこの第5の実施
の形態においても、ステップS222において変速が実
行中か否かが判定され、その結果、変速中でない場合
は、シフトレバー3の揺動操作によるシフトアップスイ
ッチ16あるいはシフトダウンスイッチ17のON操作
の判定、及びその判定結果に応じた目標変速段Gの切換
えが行なわれてMモードの変速が実行されるのに対し、
変速中のときには、このようなステップを全てスキップ
して、前回の変速段がそのまま維持される。これによ
り、変速中に行なわれたレバー操作が全て無効とされ、
1つ目の変速の終了後に遅れたタイミングで2つ目の変
速が行なわれるというような違和感のある現象が回避さ
れると共に、運転者が誤って複数回レバー操作を行なう
ことに伴って意図しない変速段まで変速されるというよ
うな不具合が解消されることになる。
【0106】なお、以上の各実施の形態においては、イ
ナーシャフェーズの開始をもって変速中であると判定す
るので、変速制御信号が出力されていてもイナーシャフ
ェーズが開始される前であれば、変速中であると判定さ
れず、これにより、該期間中にレバー操作があったとき
には、各フローチャートから明らかなように、そのレバ
ー操作に基づいて目標変速段の更新が行なわれる。した
がって、この場合には、油圧制御回路120に、さらに
更新された制御信号が出力されることになり、結果とし
て、例えば4−2ダウンシフト変速や2−4アップシフ
ト変速等のような所謂飛越変速が実行可能とされてい
る。
【0107】また、このようにイナーシャフェーズの開
始をもって変速中であると判定するに限らず、変速制御
信号の出力中を変速中であると判定するようにしてもよ
い。この場合には、1つ目の制御信号が出力されたのち
は、その変速が終了するまでは、2つ目以降のレバー操
作が無効とされるので、上記のような経緯による飛越変
速は起こらない。
【0108】また、以上の各実施の形態においては、イ
ナーシャフェーズの開始をタービン回転変化率に基づい
て検出したが、これに限らず、タイマを用いて変速制御
信号が出力されてから所定時間が経過したときにイナー
シャフェーズの開始、つまり変速中を判定するようにし
てもよく、さらに、これらを併用して変速中の判定を行
なうようにしてもよい。
【0109】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、判定手
段によって変速が実行中であるかどうかが判定され、そ
れによって変速が実行中であると判定されている期間中
は、その期間中にMモードにおける運転者の変速操作が
行なわれても、禁止手段によってその変速操作に応じた
変速の実行が禁止されるので、1つ目の変速が終了した
のちに、2つ目の変速が運転者の変速操作から遅れたタ
イミングで実行されるというような運転者に違和感を与
えるごとき現象が発生しなくなると共に、たとえ運転者
が誤ってレバー操作を繰り返し行なったとしても、それ
らの手動変速操作が全てキャンセルされるから、1つ目
の変速の終了後に、意図しない変速段まで連続して、あ
るいは一気に、変速が起こったりするようなことがなく
なって、Mモードにおける運転者の手動変速操作に応じ
た変速制御が安定することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態における自動車の変速操
作入力装置の外観図である。
【図2】 同変速操作入力装置の上部の一部省略平面図
である。
【図3】 本発明の第1、第2及び第4の実施の形態に
おける同変速操作入力装置の下部の平面図である。
【図4】 同変速操作入力装置の側面図である。
【図5】 図4のa−a線による断面図である。
【図6】 第1及び第2の実施の形態における変速制御
システム図である。
【図7】 同第1の実施の形態における変速制御のメイ
ンフローチャートである。
【図8】 同メインフローにおけるサブルーティンのフ
ローチャートである。
【図9】 図8のフローの一部分のフローチャートであ
る。
【図10】 第2の実施の形態における変速制御のメイ
ンフローにおけるサブルーティンのフローチャートであ
る。
【図11】 本発明の第3の実施の形態における変速操
作入力装置の下部の平面図である。
【図12】 第3の実施の形態における変速制御システ
ム図である。
【図13】 同第3の実施の形態における変速制御のメ
インフローにおけるサブルーティンのフローチャートで
ある。
【図14】 第4の実施の形態における変速制御システ
ム図である。
【図15】 同第4の実施の形態における変速制御のメ
インフローにおけるサブルーティンのフローチャートで
ある。
【図16】 図15のフローの一部分のフローチャート
である。
【図17】 第5の実施の形態における変速操作入力装
置の上部の一部省略平面図である。
【図18】 同第5の実施の形態における変速制御シス
テム図である。
【図19】 同第5の実施の形態における変速制御のメ
インフローチャートである。
【図20】 同メインフローにおけるサブルーティンの
フローチャートである。
【図21】 図20のフローの一部分のフローチャート
である。
【符号の説明】
1 変速操作入力装置 3 シフトレバー 14 Dレンジスイッチ 15 モード切換スイッチ 16 シフトアップスイッチ 17 シフトダウンスイッチ 18 車速センサ 19 スロットル開度センサ 100 コントロールユニット 110 Mモードスイッチ 115 Dモードスイッチ 120 油圧制御回路 215 Mレンジスイッチ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンから駆動輪に伝達される駆動力
    の該伝達経路を切り換え可能に構成された変速手段と、
    車両の運転状態を検出する運転状態検出手段と、運転者
    の第1の所定の操作を検出する所定操作検出手段と、予
    め運転状態に応じて設定されている変速特性と上記運転
    状態検出手段の検出結果とに基づいて上記変速手段を制
    御する第1の変速モードと上記所定操作検出手段の検出
    結果に応じて上記変速手段を制御する第2の変速モード
    とを有する制御手段と、運転者の第2の所定の操作に応
    じて上記第1の変速モードと第2の変速モードとのいず
    れか一方を選択する変速モード選択手段とが備えられた
    自動変速機の制御装置であって、上記制御手段が、上記
    変速モード選択手段によって選択された変速モードに基
    づいて上記変速手段を制御するものであると共に、該制
    御手段による変速手段の制御によって上記駆動力の伝達
    経路の切り換えが実行中であるかどうかを判定する判定
    手段と、該判定手段により伝達経路の切り換えが実行中
    であると判定されている間は、上記第2の変速モードに
    おける運転者の第1の所定の操作に応じた伝達経路の切
    り換えの実行を禁止する禁止手段とが備えられているこ
    とを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 判定手段が実行中であるかどうかを判定
    する伝達経路の切り換えは、第2の変速モードにおいて
    運転者が先に行なった第1の所定の操作に基づく伝達経
    路の切り換えであると共に、禁止手段が実行を禁止する
    伝達経路の切り換えは、第2の変速モードにおいて運転
    者が後に行なった第1の所定の操作に基づく伝達経路の
    切り換えであることを特徴とする請求項1に記載の自動
    変速機の制御装置。
  3. 【請求項3】 複数の揺動位置において保持可能、且つ
    これらの揺動位置のうちの所定の揺動位置において該揺
    動位置内で揺動可能に構成されたシフトレバーが備えら
    れ、変速モード選択手段は、このシフトレバーの上記所
    定揺動位置内での一方向への揺動を検出するものであ
    り、所定操作検出手段は、このシフトレバーの上記所定
    揺動位置内での一方向又は他方向への揺動を検出するも
    のであり、制御手段は、第1の変速モードに基づく伝達
    経路の切り換え制御中に上記変速モード選択手段によっ
    てシフトレバーの所定揺動位置内での一方向への揺動が
    検出されたときは上記第1の変速モードに基づく伝達経
    路の切り換え制御から第2の変速モードに基づく伝達経
    路の切り換え制御に移行すると共に、第2の変速モード
    においては上記所定操作検出手段が検出するシフトレバ
    ーの所定揺動位置内での一方向又は他方向への揺動に応
    じて伝達経路の切り換え制御を行ない、上記第1の変速
    モードに基づく伝達経路の切り換え制御から第2の変速
    モードに基づく伝達経路の切り換え制御に移行するとき
    には同時に第2の変速モードに基づく伝達経路の切り換
    えを実行するものであって、判定手段が実行中であるか
    どうかを判定する伝達経路の切り換えは、第1の変速モ
    ードに基づく伝達経路の切り換えであると共に、禁止手
    段が実行を禁止する伝達経路の切り換えは、第1の変速
    モードに基づく伝達経路の切り換え制御から第2の変速
    モードに基づく伝達経路の切り換え制御への移行と同時
    に実行される第2の変速モードに基づく伝達経路の切り
    換えであることを特徴とする請求項1に記載の自動変速
    機の制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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