JPH10219915A - ファンフィルタユニットの据付工法及び据付装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】ファンフィルタユニットを簡単に据え付けるこ
とができるファンフィルタユニットの据付工法及び据付
装置を提供する。 【解決手段】天井フレーム１８にレール３６を形成する
と共に、レール３６に沿って走行可能で、ファンフィル
タユニット１２を保持可能な搬送台車２４を設ける。天
井フレーム１８にファンフィルタユニット１２の集積ス
テーション６４を形成し、この集積ステーション６４に
複数台のファンフィルタユニット１２を集積する。集積
ステーション６４で搬送台車２４にファンフィルタユニ
ット１２を保持させ、搬送台車２４をレール３６に沿っ
て走行させて、ファンフィルタユニットを天井フレーム
１８の必要な据付位置に据え付ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はファンフィルタユニ
ットの据付工法及び据付装置に係り、特にクリーンルー
ムの天井フレームに複数台のファンフィルタユニットを
据え付けるための据付工法及び据付装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】クリーンルームの天井フレームにファン
フィルタユニットを据え付ける場合には、まず、ファン
フィルタユニットを斜めにした状態で天井フレームの下
方から天井フレームに挿入する。そして、ファンフィル
タユニットを水平に戻した後、ファンフィルタユニット
を降ろしてファンフィルタユニットの下部周縁部を天井
フレームに載置する。このような作業を繰り返すことに
よって、複数台のファンフィルタユニットを天井フレー
ムに据え付ける。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ファンフィルタユニットの据付工法は、ファンフィルタ
ユニットを天井の下方から１台ずつ据え付ける工法なの
で、作業に手間がかかるという欠点がある。本発明はこ
のような事情に鑑みてなされたもので、ファンフィルタ
ユニットを簡単に据え付けることができるファンフィル
タユニットの据付工法及び据付装置を提供することを目
的とする。

【０００４】

【課題を解決する為の手段】本発明は、前記目的を達成
する為に、複数台のファンフィルタユニットを、クリー
ンルームの天井部に敷設された天井フレームに据え付け
るためのファンフィルタユニットの据付工法に於いて、
前記天井フレームに前記ファンフィルタユニットの集積
場とレールを形成すると共に、該レールに沿って走行可
能でファンフィルタユニットを着脱可能に保持する搬送
台車を設け、集積場で搬送台車にファンフィルタユニッ
トを保持させて、該搬送台車をレールに沿って据付位置
まで走行させることにより該据付位置にファンフィルタ
ユニットを据え付けるようにしたことを特徴とする。

【０００５】本発明によれば、まず、集積場でファンフ
ィルタユニットを搬送台車に保持させ、次に、搬送台車
を天井フレームのレールに沿って走行させて必要な据付
位置まで搬送する。次いで、搬送台車からファンフィル
タユニットを降ろして、ファンフィルタユニットをその
据付位置に据え付ける。この後に、次のファンフィルタ
ユニットを据え付ける場合には、空の搬送台車を集積場
に戻して、次のファンフィルタユニットの据え付け準備
を行う。この手順を繰り返して、複数台のファンフィル
タユニットを天井フレームに順次据え付ける。したがっ
て、本発明は、ファンフィルタユニットを天井フレーム
のレールを介して必要な据付位置に搬送するようにした
ので、ファンフィルタユニットを簡単に据え付けること
ができる。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係
るファンフィルタユニットの据付工法及び据付装置の好
ましい実施の形態について詳説する。図１は、本発明に
係るファンフィルタユニットの据付工法でファンフィル
タユニットが据え付けられたクリーンルームの室内を示
す斜視図である。同図に示すクリーンルーム１０は、天
井部に多数のファンフィルタユニット１２、１２…が密
に敷設されている。ファンフィルタユニット１２は図２
に示すように、略直方体形状のケーシング１３を有し、
その上面開口部１３Ａの下方にファン１４（図２中破線
で示す）が設けられている。ファン１４が駆動されると
天井室内のエアが、上面開口部１３Ａを介してケーシン
グ１３内に吸引され、このエアはケーシング１３の下部
に取り付けられたＨＥＰＡフイルタ１６で除塵されてク
リーンルーム１０に供給される。

【０００７】前記ファンフィルタユニット１２は、図３
に示す格子状に構築された天井フレーム１８の各矩形状
枠２０、２０…に１台ずつ据え付けられる。この天井フ
レーム１８は、吊りボルト２２（図５、図６参照）によ
って、クリーンルーム建屋の図示しない天井梁に垂設さ
れる。図４は、ファンフィルタユニット１２を搬送する
搬送台車２４の斜視図で、図５はファンフィルタユニッ
ト１２を保持した状態の搬送台車２４の正面図、図６は
図５の左側面図である。

【０００８】図４に示すように搬送台車２４の脚部２
６、２６…には、それぞれ車輪２８、２８…が設けられ
る。これらの車輪２８は図７に示すように、脚部２６の
下部に設けられた軸３０に軸受３２を介して支持される
と共に、軸３０の外側に固着されたストッパ板３４によ
って軸３０からの脱落が防止されている。前記車輪２８
は、天井フレーム１８の上面に形成されたレール３６上
に載せられてガイドされ、レール３６からの脱輪が防止
されている。このレール３６は図３に示すように、天井
フレーム１８を構成する縦フレーム１９、１９…に各々
２本ずつ形成されている。なお、本実施の形態では、レ
ール３６として断面凹状の溝レールを適用したが、これ
に限られるものではなく断面凸状のレールでも良い。こ
の場合には、車輪２８の断面形状を凹状に形成すれば良
い。

【０００９】図４において、搬送台車２４のシャシ３６
は、前プレート４０と後プレート４２とを有し、前プレ
ート４０に前輪側の脚部２６、２６が固定され、後プレ
ート４２に後輪側の脚部２６、２６が固定されている。
搬送台車２４にはファンフィルタユニット１２の保持機
構が設けられており、この保持機構は、４つの係合コマ
４４、４４、…と、これらの係合コマ４４、４４…を駆
動させるリンク機構とから構成される。係合コマ４４、
４４…は、搬送台車２４の前部及び後部にそれぞれ一対
ずつ配置される。これらの係合コマ４４、４４は、シャ
シ３６から垂設された駆動軸４６の下部に取り付けられ
ている。

【００１０】各駆動軸４６の上端部にはクランク４８が
固着され、このクランク４８には、リンク機構を構成す
るクランクバー５０の一端が軸支されている。また、各
クランクバー５０の他端部は連結板５２に軸支されてい
る。連結板５２には、別のクランクバー５４の一端部が
軸支され、このクランクバー５４の他端部はハンドル５
６に軸支されている。ハンドル５６は、搬送台車２４の
上面中央に固定された支持板５８に軸６０を介して回動
自在に設けられている。

【００１１】このリンク機構において、ハンドル５６を
図４中実線で示す位置から二点鎖線で示す位置に矢印方
向に回動すると、２本のクランクバー５４、５４が互い
に離れる方向に移動する。これに連動して、係合コマ４
４が連結板５２、クランクバー５０及び駆動軸６６を介
して回動し、図５、６に示すファンフィルタユニット１
２側のフック６２と係合される。

【００１２】図３において、天井フレーム１８にはファ
ンフィルタユニット１２の集積ステーション６４が形成
される。この集積ステーション６４は、クリーンルーム
１０の壁面に沿って形成されると共に、４台のファンフ
ィルタユニット１２、１２…が集積できる大きさに形成
されている。ファンフィルタユニット１２は、図８に示
す昇降装置６６によってクリーンルーム１０の室内から
上昇されて、集積ステーション６４に位置される。即
ち、ファンフィルタユニット１２は、昇降装置６６の昇
降台６８上に並べて載せられたのち、昇降台６８を上昇
させることによって、図３に示した集積ステーション６
４に位置される。

【００１３】次に、本実施の形態のファンフィルタユニ
ットの据付工法について説明する。まず、昇降装置６６
を用いて図３に示した集積ステーション６４に、４台の
ファンフィルタユニット１２、１２…を予め集積する。
次に、集積ステーション６４で、搬送台車２４に１台目
のファンフィルタユニット１２を保持させる。この手順
は、まず、ファンフィルタユニット１２に搬送台車２４
を被せるように配置する。そして、搬送台車２４を前後
移動させて、係合コマ４４の位置をフック６２の位置に
合わせる。そして、ハンドル５６を係合方向に回動（図
４参照）させて、４つの係合コマ４４、４４…を４つの
フック６２、６２…に係合させる。これにより、ファン
フィルタユニット１２が搬送台車２４に保持される。

【００１４】次に、この搬送台車２４を天井フレーム１
８のレール３６、３６上に載せて、レール３６、３６に
沿って走行させ、必要な据付位置まで搬送する。この据
付位置に搬送台車２４が位置すると、ハンドル５６を先
とは逆方向に回動させて、係合コマ４４とフック６２と
の係合を解除し、搬送台車２４からファンフィルタユニ
ット１２を降ろしてその据付位置に据え付ける。これで
１台のファンフィルタユニット１２の据付作業が終了す
る。

【００１５】２台目のファンフィルタユニット１２を据
え付ける場合には、空の搬送台車２４を集積ステーショ
ン６４に戻し、そして、ファンフィルタユニット１２を
搬送台車２４に保持させた後、２番目の据付位置に搬送
台車２４を走行させる。３台目の据え付けが終了し、４
台目のファンフィルタユニット１２が集積ステーション
６４から搬出されると、昇降台６８を降ろして５台目か
ら８台目のファンフィルタユニット１２、１２…を昇降
台６８に載せる。そして、昇降台６８を上昇させてファ
ンフィルタユニット１２、１２…を集積ステーション６
４に位置させる。この作業を繰り返して、図３に示す２
列の天井フレーム１８Ａ、Ｂにファンフィルタユニット
１２、１２…を順次据え付ける。

【００１６】そして、２列の天井フレーム１８Ａ、Ｂに
ファンフィルタユニット１２が全て据え付けられると、
その集積ステーション６４の隣の集積ステーション６４
Ａに集積場をかえて、次の列の天井フレーム１８Ｃにフ
ァンフィルタユニット１２を順次据え付ける。このよう
に本実施の形態は、天井フレーム１８に形成されたレー
ル３６を介してファンフィルタユニット１２を据え付け
るようにしたので、ファンフィルタユニット１２を簡単
に据え付けることができる。

【００１７】本実施の形態では、１台の搬送台車２４を
用いた例について説明したが、複数台の搬送台車２４で
据付作業を行えば、ファンフィルタユニット１２を短時
間で据え付けることができる。また、集積ステーション
６４を広くして多数台のファンフィルタユニット１２を
集積可能とし、それに加えて複数台の搬送台車２４を稼
働させれば、更に短時間でファンフィルタユニットを据
え付けることができる。なお、集積ステーション６４の
位置は、図３に示した位置に限定されず、ファンフィル
タユニット１２を簡単に効率良く据え付けることができ
る位置（例えば、天井フレーム１８の中央）であればそ
の位置は問わない。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように本発明に係るファン
フィルタユニットの据付工法及び据付装置によれば、フ
ァンフィルタユニットを搭載した搬送台車を、天井フレ
ームに形成したレールに沿って走行させてファンフィル
タユニットを必要な据付位置に据え付けるようにしたの
で、ファンフィルタユニットを簡単に据え付けることが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施の形態のファンフィルタユニットの据付
工法でファンフィルタユニットが据え付けられたクリー
ンルームを示す説明図

【図２】ファンフィルタユニットの側面図

【図３】天井フレーム１８を上方から見た斜視図

【図４】搬送台車の斜視図

【図５】ファンフィルタユニットが保持された搬送台車
の正面図

【図６】図５の側面図

【図７】搬送台車の車輪とレールとの拡大断面図

【図８】集積ステーションにファンフィルタユニットを
位置させる昇降装置の説明図

【符号の説明】

１０…クリーンルーム １２…ファンフィルタユニット ２４…搬送台車 ３６…レール ６４…集積ステーション ６６…昇降装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野寺 敏雄 東京都千代田区内神田１丁目１番14号 日 立プラント建設株式会社内 (72)発明者 宝槻 豊 東京都千代田区内神田１丁目１番14号 日 立プラント建設株式会社内 (72)発明者 佐藤 史 東京都千代田区内神田１丁目１番14号 日 立プラント建設株式会社内 (72)発明者 藤根 亮一 東京都千代田区内神田１丁目１番14号 日 立プラント建設株式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数台のファンフィルタユニットを、クリ
   ーンルームの天井部に敷設された天井フレームに据え付
   けるためのファンフィルタユニットの据付工法に於い
   て、 前記天井フレームに前記ファンフィルタユニットの集積
   場とレールを形成すると共に、該レールに沿って走行可
   能でファンフィルタユニットを着脱可能に保持する搬送
   台車を設け、 集積場で搬送台車にファンフィルタユニットを保持させ
   て、該搬送台車をレールに沿って据付位置まで走行させ
   ることにより該据付位置にファンフィルタユニットを据
   え付けるようにしたことを特徴とするファンフィルタユ
   ニットの据付工法。
2. 【請求項２】前記ファンフィルタユニットは、前記クリ
   ーンルームの室内の所定の場所から昇降装置によって上
   昇されて前記集積場に集積されることを特徴とする請求
   項１記載のファンフィルタユニットの据付工法。
3. 【請求項３】クリーンルームの天井部に敷設された天井
   フレームにレールを形成し、該レールに沿って走行可能
   でファンフィルタユニットを着脱可能に保持する搬送台
   車を設け、該搬送台車をレールに沿って走行させて天井
   フレームの所定位置にファンフィルタユニットを据え付
   ける据付装置において、 前記レールの断面は凹状に形成されて搬送台車の車輪の
   脱輪が防止されることを特徴とするファンフィルタユニ
   ットの据付装置。