JPH10217608A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JPH10217608A
JPH10217608A JP9039833A JP3983397A JPH10217608A JP H10217608 A JPH10217608 A JP H10217608A JP 9039833 A JP9039833 A JP 9039833A JP 3983397 A JP3983397 A JP 3983397A JP H10217608 A JPH10217608 A JP H10217608A
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bowl
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Yoshiharu Shimokawa
芳春 下川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度で印字画素(ドット)の再現性に優
れ、また、感熱ヘッドへのカス付着やスティッキングを
生じ難い感熱記録材料を提供する。 【解決手段】 支持体上に感熱記録層を設けた感熱記録
材料において、該支持体と該記録層との間に、断熱性を
有する重合体粒子を含有する中間層を設ける。該重合体
粒子として、芯部にボイドを有する球状中空重合体粒子
の一部を平面で裁断して得られるお椀型状を有し、その
裁断面に垂直で球状中空重合体粒子の中心を通る断面は
二重円の一部を直線で切り取った形状をなし、該断面の
外側の円弧から上記直線への垂線の長さHの最大値Hm
axは上記二重円の外側の円の半径と等しいか、より大
きいことを特徴とするお椀型重合体粒子を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感熱記録材料に関
し、さらに詳しくは、支持体上に感熱記録層を設けた感
熱記録材料であって、支持体と感熱記録層との間に断熱
性のよいお椀型重合体粒子を含有する中間層を介在せし
めることによって、熱応答性その他の特性が向上した感
熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に感熱記録材料は、支持体上に発色
剤と顕色剤との組合せからなる感熱発色層のような記録
層を設けたものであって、熱ペンまた熱ヘッドのような
手段によって加熱することによって感熱発色層に画像が
形成される。発色剤と顕色剤との組合せとしては、例え
ば、塩基性無色染料と酸性物質からなるロイコ染料型発
色材料、高級脂肪酸鉄塩と没食子酸ステアリルからなる
キレート型発色材料、イミノ化合物とイソシアネートか
らなる顔料型発色材料などが知られている。
【0003】感熱記録材料は計測用レコーダー、コンピ
ューターの端末プリンター、ファクシミリ、自動券売
機、バーコードラベルなど広範囲の分野に応用されてい
るが、最近はこれら記録装置の多様化、高性能化が進め
られるに従って、感熱記録材料に対する要求品質もより
高度なものとなっている。例えば、記録の高速化に伴な
い微小な熱エネルギーでも高濃度で鮮明な発色画像が得
られること、印字画素(ドット)の再現性に優れている
こと、感熱ヘッドへのカス付着やスティッキングを生じ
ないことなどの特性に優れた感熱記録材料が要求されて
いる。
【0004】感熱記録材料の熱応答性を高めるために感
熱発色層と支持体との間に断熱性のよい中間層を介在せ
しめることが提案されている。例えば、特開昭54−9
2263号公報には、ガラス転移点60℃以下の造膜性
高分子からなる中間層を設ける方法が開示されている
が、この方法によっては満足できる熱応答性は得られて
いない。また、特開昭59−5093号公報には、微小
中空球粒子を含有した中間層を設ける方法が、特開昭5
9−171685号公報には、熱発泡剤と熱可塑性高分
子からなる中間層を設け、加熱発泡してスポンジ状の中
間層とする方法が、さらに特開昭59−225987号
公報には、発泡性プラスチックフィラーを加熱発泡させ
た層およびその上の充填材と結合剤を含有させた層の2
つの層を中間層として設ける方法が、それぞれ開示され
ている。
【0005】上記のような微小中空を有する中間層を設
けたものであっても、未だ充分満足できるものは得られ
ていない。例えば、非発泡性の中空球微粒子を用いたも
のは、一応の感度向上は認められるものの、未だ満足で
きる熱応答性は得られない。一方、発泡体を利用して中
空層を設けたものは、充分な断熱機能を有し、微小なエ
ネルギーで高濃度の記録像が得られるものの、発泡体を
発泡させる工程が必要であり、また安定な品質を得るた
めのコントロールが難しいなどという生産上の問題をか
かえている。
【0006】特開平2−164580号公報には、プラ
スチック中空球体をしぼませて凹凸表面を形成した多孔
性の非球状中空フィラーを含有せしめた中間層を設ける
ことが提案されている。しかしながら、このような中間
層を設けることによって熱応答性は向上するものの、支
持体と感熱記録層との結着力が十分でない。
【0007】また、特開平5−573号公報には、プラ
スチック球状または楕円球状中空粒子を含有する中間層
を設けることが提案されている。この中空粒子は、平均
粒径2.0〜20μm、好ましくは3〜10μmを有す
る発泡状態の微小中空粒子であるが、バラツキの少ない
粒径分布がせまく均一なものを調製するのが困難であ
る。
【0008】さらに、特開平2−57382号公報に
は、5μm以下、好ましくは0.1〜3μmの中空重合
体微粒子を含有せしめた中間層を設けることが提案され
ている。しかしながら、このような中間層を設けても感
度は十分でなく、また、スティッキングや感熱ヘッドへ
のカスの付着が生じる。
【0009】また、特開平2−14222号公報には、
扁平面の少なくとも一方に凹部を有している扁平なビニ
ル重合体のエマルジョン粒子が記載されており、さら
に、この粒子は塗料、紙コーティング、情報記録紙など
へのコーティング剤の添加剤として用いられると記載さ
れている。この公開公報には、この粒子を含有する中間
層を感熱記録紙の支持体と感熱記録層との間に設けるこ
とは記載されていない。しかしながら、この扁平重合体
粒子は、その形状が扁平であるために、そのように感熱
記録紙に使用した場合の断熱効果は十分とは言えない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、熱応
答性に優れ、動的感度が高く、印字画素(ドット)の再
現性に優れ、また感熱ヘッドへのカス付着やスティッキ
ングを生じ難い感熱記録材料を提供することにある。本
発明者らは、断熱剤、白色度向上剤および不透明性付与
剤などとして有用な微小重合体粒子の製造を試みていた
が、或る条件下にお椀型の重合体粒子が形成されるこ
と、また、感熱記録材料の支持体と感熱記録層との間
に、そのような粒子を含有する中間層を介在せしめるこ
とによって、意外にも、上記のような特性をもつ感熱記
録材料が得られることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、支持体
上に感熱記録層を設けた感熱記録材料において、該支持
体と該記録層との間に、断熱性を有する重合体粒子を含
有する中間層が設けられており、該重合体粒子は、芯部
にボイドを有する球状中空重合体粒子の一部を平面で裁
断して得られるお椀型状を有し、その裁断面に垂直で球
状中空重合体粒子の中心を通る断面は二重円の一部を直
線で切り取った形状をなし、該断面の外側の円弧から上
記直線への垂線の長さHの最大値Hmaxは上記二重円
の外側の円の半径と等しいか、より大きいお椀型重合体
粒子であることを特徴とする感熱記録材料が提供され
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の感熱記録材料は、支持
体、感熱記録層、および支持体と感熱記録層との間に介
在する、お椀型重合体粒子を含有する中間層を含んで構
成される。支持体は、一般に、紙、合成紙、不織布、プ
ラスチックフィルムもしくはシートなどのシート状物か
ら構成されるが、その形態は必ずしもシート状物に限定
されるものではない。支持体と感熱記録層との間に形成
される中間層は少なくともお椀型重合体粒子とバインダ
ーとを含んで構成される。
【0013】本発明で使用するお椀型重合体粒子は、通
常、その肉厚部が多層重合体構造を有し、次の工程
(1)〜(7)を含む多段重合法によって製造される。 (1)酸性基含有単量体30〜65重量%およびこれと
共重合可能な単量体70〜35重量%との単量体混合物
を共重合することによって核重合体粒子を調製し、
【0014】(2)上記該重合体粒子の存在下に、酸性
基含有単量体10〜35重量%およびこれと共重合可能
な単量体90〜65重量%との単量体混合物を共重合す
ることによって、実質的に上記核重合体粒子を包囲する
芯重合体を形成し(但し、ここで芯重合体粒子中におけ
る酸性基含有単量体の含有比率は、核重合体中における
酸性基含有単量体の含有比率と等しいか、または、より
小さい)、
【0015】(3)上記核/芯重合体粒子の存在下に、
酸性基含有単量体1〜12重量%およびこれと共重合可
能な単量体99〜88重量%との単量体混合物を共重合
することによって、実質的に上記芯重合体粒子を包囲す
る少なくとも1層の中間層重合体を形成し、
【0016】(4)上記芯重合体粒子を包囲する中間層
重合体が形成された重合体粒子の存在下に、芳香族ビニ
ル単量体を単独で、または酸性基含有単量体0.5重量
%以下およびこれと共重合可能な芳香族ビニル単量体9
9.5重量%以上とからなる単量体混合物を共重合する
ことによって、実質的に上記中間層重合体を包囲する外
層重合体を形成し、 (5)得られた少なくとも4層構造を有する重合体粒子
を含有する水性分散液に塩基を添加して該分散液のpH
を7以上とし、
【0017】(6)次いで、所望により、この分散液の
pHを7未満としたうえ、この水性分散液に芳香族ビニ
ル単量体を単独で、または芳香族ビニル単量体90重量
%以上およびこれと共重合可能な単量体10重量%以下
とからなる単量体混合物を添加して、前記少なくとも4
層構造を有する重合体粒子の存在下に、重合することに
よって外層重合体の周囲に最外層重合体を形成し、次い
で、 (7)得られた重合体粒子の分散液を乾燥する。
【0018】上記の製造方法によれば、お椀型重合体粒
子の集合体が得られる。この集合体には、通常、上述の
定義を満足する本発明のお椀型重合体粒子以外の形態的
特性をもつ重合体粒子が約20重量%以下混在する。以
下に、上記多段重合方法をより詳しく説明する。核重合
体の形成核重合体は、酸性基含有単量体30〜65重量
%、好ましくは30〜55重量%およびこれと共重合可
能な単量体70〜35重量%、好ましくは70〜45重
量%との単量体混合物を共重合して得られる。酸性基含
有単量体の量が過少であると、塩基処理工程において重
合体粒子中に塩基が浸透し難くなり、重合体粒子中にボ
イドの形成が困難となり、ひいてはお椀型重合体粒子の
形成が困難となる。また、その量が過大であると、核重
合体が中間層重合体や外層重合体の外側へ移動し易くな
り、重合の安定性が損なわれる。
【0019】酸性基含有単量体は酸性を示す官能基を有
する単量体であって、その具体例としては、アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、イタコン
酸、フマル酸、マレイン酸、ブテントリカルボン酸など
のエチレン性不飽和カルボン酸;イタコン酸モノエチ
ル、フマル酸モノブチル、マレイン酸モノブチルなどの
不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステルなどのカル
ボキシル基含有単量体、ならびにスチレンスルホン酸な
どのスルホン酸基含有単量体などを挙げることができ
る。これらの酸性基含有単量体は、それぞれ単独で、ま
たは2種以上を組み合わせて使用することができる。親
水性が強い酸では酸性基が重合体粒子の外側に局在し易
く、芯重合体および中間層重合体による核重合体の被覆
が困難となったり、お椀型重合体粒子の形成が困難にな
る。酸性基含有単量体の中でもモノカルボン酸およびジ
カルボン酸のモノエステルが好ましく用いられる。これ
らの中でもメタクリル酸が最も好ましい。
【0020】酸性基含有単量体と共重合可能な単量体と
しては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−
メチルスチレン、ハロゲン化スチレンなどの芳香族ビニ
ル単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−
エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの(メ
タ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリルアミド、N
−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメ
チル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルア
ミドおよびその誘導体;ブタジエン、イソプレンなどの
ジエン系単量体;酢酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエ
ステル;塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル;塩化ビニ
リデンなどのハロゲン化ビニリデン;ビニルピリジンな
どを挙げることができる。これらの単量体の中でも(メ
タ)アクリル酸エステルが好ましい。これらの単量体
は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて使
用することができる。
【0021】また、例えば、ジビニルベンゼン、ジアリ
ルフタレート、アリル(メタ)アクリレート、エチレン
グリコールジ(メタ)アクリレートなどの架橋性単量体
を必要に応じて使用することができる。但し、架橋性単
量体を多量に使用するとお椀型重合体粒子形成が困難に
なるので、その量は安定なボイド形成が維持できる範囲
にとどめるべきである。
【0022】核重合体を形成する重合方法としては、通
常、乳化重合法が採られる。ただし、他の重合法によっ
て得られた重合体を転相法によってラテックスとしても
よい。重合方式としては、回分式、半連続式、連続式な
どのいずれの方式を採用してもよい。重合温度も、低
温、高温のいずれでもよい。重合圧力、重合時間も格別
限定されることなく、公知の条件が採られる。また、重
合用副資材としては、公知のもの、例えば、各種乳化
剤、重合開始剤、キレート剤、電解質、分子量調整剤、
界面活性剤などの各種添加剤を使用することができる。
また、核重合体の形成はシードを用いて重合を行うこと
が望ましい。シードを使用すれば生成する重合体粒子の
径を制御することが容易となる。シードの組成は格別限
定されない。重合反応における単量体の転化率は通常9
0重量%以上、好ましくは97重量%以上であり、生成
する共重合体の組成は使用した単量体混合物の組成とほ
ぼ同じである。
【0023】芯重合体の形成 芯重合体は、核重合体の存在下に酸性基含有単量体10
〜35重量%、好ましくは15〜35重量%およびこれ
と共重合可能な単量体90〜65重量%、好ましくは8
5〜65重量%とを共重合して得られる。但し、ここで
芯重合体粒子中における酸性基含有単量体の含有比率
は、核重合体中における酸性基含有単量体の含有比率と
等しいかまたはより小とする。酸性基含有単量体の量が
過小であると、塩基処理工程において重合体粒子中に塩
基が浸透し難くなり、お椀型重合体粒子の形成が困難と
なる。また、その量が過大であると、芯重合体が中間層
重合体や外層重合体の外側へ移動し易くなり、重合の安
定性が損われ、またお椀型粒子が形成困難となる。
【0024】酸性基含有単量体およびこれと共重合可能
な単量体としては、核重合体の生成に用いられる単量体
として例示したものの中から選ぶことができ、これらは
それぞれ単独でまたは2種以上を組合せて用いることが
できる。必要により、少量の架橋性単量体を用いること
ができる。また、重合方法としては、核重合体の場合と
同様に、通常、乳化重合法が採られる。また、重合方
式、重合条件、重合用副資材についても同様に公知のも
のが採られる。
【0025】核重合体と芯重合体との重量比率は、芯重
合体100重量部に対して、核重合体が1〜25重量
部、好ましくは3〜20重量部となるように、芯重合体
形成用単量体混合物を使用する。この重量比率が大きす
ぎると、お椀型粒子が形成されない。少なすぎると重合
安定性が悪くなる。芯層まで形成した重合体粒子の粒径
は、好ましくは150〜500nm、さらに好ましくは
200〜400nmである。これより小さいとお椀型粒
子とならず、大きいと重合安定性が悪い。
【0026】中間層重合体の形成 中間層重合体は芯層まで形成された重合体粒子の存在下
に、酸性基含有単量体1〜12重量%、好ましくは2〜
10重量%、さらに好ましくは3〜9重量%およびこれ
と共重合可能な単量体99〜88重量%、好ましくは9
8〜90重量%、さらに好ましくは97〜91重量%か
らなる単量体混合物を共重合することにより形成され
る。酸性基含有単量体の量が過少であると、塩基の浸透
が困難となり、お椀型粒子とならない。その量が過大で
あると重合の安定性が損なわれる。
【0027】芯層重合体と中間層重合体との重量比率
は、通常5/95〜60/40、好ましくは10/90
〜50/50である。この重量比率が大きすぎると(芯
重合体が多いと)、お椀型粒子になりにくい。酸性基含
有単量体およびこれと共重合可能な単量体としては、核
重合体の生成に用いられる単量体として例示したものの
中から選ぶことができ、これらはそれぞれ単独でまたは
2種以上を組合せて用いることができる。必要により、
少量の架橋性単量体を用いることができる。また、重合
方法としては、核重合体の場合と同様に、通常、乳化重
合法が採られる。重合方式、重合条件、重合用副資材に
ついても同様に公知のものが採られる。
【0028】中間層まで形成した重合体粒子の粒径は、
好ましくは300〜900nm、さらに好ましくは35
0〜800nmである。粒径がこれより小さいと、断熱
効果が十分でなく、これより大きいと重合安定性に問題
が生じる。また、芯層まで形成した重合体と中間層まで
形成した重合体との重量比率(芯層までの重合体/中間
層までの重合体)は0.05以上、好ましくは0.1以
上、さらに好ましくは0.17以上である。この重量比
率が大きいほど、お椀型粒子になりやすい。
【0029】外層重合体の形成 外層重合体は、中間層重合体まで形成された重合体粒子
の外周に形成され、この核/芯/中間層重合体粒子を実
質的に包み込むものである。外層重合体は、中間層重合
体まで形成された重合体粒子の存在下に、芳香族ビニル
単量体を単独で、または芳香族ビニル単量体99.5重
量%以上および酸性基含有単量体0.5重量%以下とか
らなる単量体混合物を重合することによって形成され
る。
【0030】外層重合体の形成に用いる単量体は、芳香
族ビニル単量体のみであるか、または芳香族ビニル単量
体を99.5重量%以上含む単量体混合物であるが、芳
香族ビニル単量体のみであることが望ましい。芳香族ビ
ニル単量体の量が99.5重量%未満であると、断熱効
果に乏しい粒子となる。芳香族ビニル単量体の具体例と
しては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルス
チレンおよびハロゲン化スチレンなどが挙げられる。こ
れらの中でもスチレンが最も好ましい。
【0031】芳香族ビニル単量体と共重合される酸性基
含有単量体としては、核重合体形成用単量体として例示
した酸性基含有単量体の中から選ばれた単量体を用いる
ことができる。酸性基含有単量体の量が0.5重量%を
超えるとお椀型粒子の生成が困難となる。中間層まで形
成した重合体と外層まで形成した重合体との重量比率
(中間層までの重合体/外層までの重合体)は0.4以
上、0.6以下であることが好ましい。これ未満では、
お椀型粒子になり難い。
【0032】芯層まで形成した重合体粒子と外層まで形
成した重合体粒子との重量比率(芯層までの重合体/外
層までの重合体)は、通常0.02以上、好ましくは
0.04以上、さらに好ましくは0.07以上である。
この重量比率が大きいほど重合体粒子がお椀型になり易
い。逆に、この比率が過少であると、重合時または塩基
処理時に芯重合体が外層重合体の外側に移動して、塩基
処理時に粒子中にボイドが形成され難く、ひいてはお椀
型粒子の形成が困難となる。外層重合体を形成するため
の重合方法としては、核重合体、芯重合体および中間層
重合体の場合と同様に、通常、乳化重合法が採用され、
また、重合方式、重合条件、重合用副資材についても同
様に公知のものが採られる。
【0033】塩基処理 核重合体、芯重合体、中間層重合体および外層重合体か
らなる少なくとも4層構造を有する重合体粒子を含有す
るラテックスなどの水性分散液に塩基を添加して水性分
散液のpHを7以上とすることによって、重合体粒子内
に少なくとも一つのボイドが形成される(ただしボイド
は水性分散液を形成する水性媒体で充満している)。
【0034】使用される塩基の具体例としては、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのア
ルカリ金属の水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグ
ネシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物;炭酸ナト
リウム、重炭酸カリウムなどのアルカリ金属(重)炭酸
塩;炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウムなどの
(重)炭酸アンモニウム塩;などを挙げることができ
る。これらの中でも、アルカリ金属の水酸化物が好まし
い。使用する塩基の量は、前記重合体粒子中の酸性基の
少なくとも一部を中和して、重合体粒子を含有する水性
分散液のpHを7以上とする量である。
【0035】塩基を水性分散液に添加して、重合体粒子
内部の酸性基を中和するためには、塩基が重合体粒子内
部に拡散する時間が必要であり、従って、塩基を添加し
た後、時間をかけて攪拌を十分に行うことが望ましい。
塩基処理における処理温度は、重合体粒子を十分に軟化
させうる温度以上が好ましい。塩基添加後の処理時間
は、通常15分〜120分程度である。塩基の添加によ
り水性分散液の安定性が低下することがあるが、これを
防ぐために、塩基を添加する前に、アニオン界面活性剤
や非イオン界面活性剤を単独または併用して添加しても
よい。
【0036】特開平3−26724号公報に開示されて
いる中空重合体粒子の製造方法においては、塩基処理工
程における有機溶剤の存在を教示しているが、本発明に
おいてはむしろ有機溶剤を使用しないほうが望ましい。
塩基処理工程において、有機溶剤、特に非重合性の脂肪
族炭化水素などを存在させると、最終的に得られる粒子
の形状がお椀型ではなく、扁平なものになってしまう。
【0037】塩基処理工程において、重合性単量体を存
在させてもよい。重合性単量体としては、通常、酸性基
を含まない単量体を使用する。重合性単量体は、前記重
合体粒子を製造する際に仕込んだ全単量体混合物100
重量部に対して、通常1〜20重量部、好ましくは2〜
10重量部の範囲で使用する。
【0038】酸処理 塩基処理した重合体ラテックスは、所望ならば、酸で処
理してラテックスのpHを7未満にすることができる。
酸で処理することによって粒子径、ボイド径を大きくす
ることができる。任意工程である酸処理に使用される酸
は、特に限定されず、その具体例としては、塩酸、硫酸
などの鉱酸;酢酸、マロン酸などの有機酸を挙げること
ができる。酸処理工程において、酸として酸性基含有単
量体を使用することができる。酸として酸性基含有単量
体を使用する場合には、核重合体、芯重合体、中間層重
合体および外層重合体の合成に使用した単量体合計10
0重量部に対して、通常0.01〜40重量部、好まし
くは0.05〜20重量部、さらに好ましくは0.2〜
10重量部の範囲で使用する。
【0039】また、酸処理工程において、酸性基含有単
量体と共に、これと共重合可能な単量体を共存させても
よい。酸性基含有単量体と共重合可能な単量体を使用す
る場合には、酸性基含有単量体は、最外層用単量体合計
100重量部に対して、通常0.1〜20重量部、好ま
しくは0.5〜10重量部の範囲で使用する。酸性基含
有単量体および共重合可能な単量体の具体例としては芯
重合体について例示したものと同様な単量体が挙げられ
る。酸処理工程における処理温度、処理時間などは、塩
基処理の条件とほぼ同様である。酸の添加により水性分
散液の安定性が低下することがあるが、これを防ぐため
に、酸を添加する前に、アニオン界面活性剤や非イオン
界面活性剤を単独または併用して添加してもよい。
【0040】最外層重合体の形成 塩基処理の後、またはさらに酸処理を行った後、所望に
より、重合体粒子の存在下に芳香族ビニル単量体を単独
でまたは芳香族ビニル単量体90重量%以上およびこれ
と共重合可能な単量体10重量%以下とからなる単量体
混合物を重合することによって外層重合体の外周に最外
層重合体を形成することができる。芳香族ビニル単量体
またはそれを主成分とする単量体混合物を重合すること
によってガラス転移温度(Tg)の高い最外層重合体が
形成され、得られる中空重合体粒子の断熱効果が向上す
るとともに、粒子同士の融着も防止される。
【0041】最外層重合体形成用単量体は、前述のよう
に、塩基処理工程において重合体粒子中への塩基の拡散
を促進するために、塩基処理する重合体の水性分散液中
に添加することができる。また、芳香族ビニル単量体に
併用する共重合可能な単量体として、酸性基含有単量体
を用いることが好ましい。この酸性基含有単量体は、前
記酸処理工程で説明したように酸処理を目的として重合
体の水性分散液に添加することができる。芳香族ビニル
単量体に酸性基含有単量体を併用すると、中空重合体粒
子の空隙率が向上し、お椀型になりやすいので好まし
い。
【0042】最外層重合体形成用単量体混合物中の芳香
族ビニル単量体の量が90重量%未満であると断熱効果
が不十分となり、粒子同士の融着も起り易くなる。外層
重合体まで形成した重合体粒子と最外層重合体との重量
比(外層重合体までの重合体/最外層重合体)は、通常
100/10〜50/100、好ましくは100/25
〜100/100である。
【0043】所望ならば、最外層重合体形成用単量体混
合物の一部として、少割合の架橋性単量体を用いること
ができる。最外層重合体を形成するための重合方法とし
ては、他の層の場合と同様に、通常、乳化重合法が採用
され、また、重合方式、重合条件、重合用副資材につい
ても同様に公知のものが採用される。
【0044】乾燥 最外層まで形成すると、少くとも一つのボイドを有する
中空重合体粒子が形成される。ただし、重合終了段階で
は重合体粒子中のボイドは水性液で充満している。この
中空重合体粒子の水性分散液を乾燥することによって、
お椀型重合体粒子を得ることができる。乾燥の進行に伴
い、内部の水が揮散するとともに、中空重合体粒子の外
殻が内側に折返されるように陥没して粒子全体がお椀型
形状になると考えられる。乾燥の進行に伴い、陥没の度
合いが増し、中空部分が次第に小さくなり、最終的には
中空部分のないお椀型重合体粒子となる。
【0045】乾燥は、ラテックスをスプレー乾燥などの
方法によって直接乾燥するか、あるいは通常のラテック
ス凝固法に従って凝固して中空重合体粒子を分離した
後、常法に従って乾燥する。比較的急速に乾燥すること
によって中空部分のないお椀型重合体粒子を得ることが
できる。スプレー乾燥によれば、直接、中空部分のない
お椀型粒子を得ることができる。
【0046】上述の製造方法によって得られる本発明で
使用するお椀型重合体粒子は、恰かも、芯部にボイド
(中空部)を有するほぼ真球状の中空重合体粒子の一部
を平面で裁断することによって得られるようなお椀型を
していて、その裁断面に垂直で中空重合体粒子の中心を
通る断面は、図1に示すように、二重円の一部を直線m
で切り取ったような形状をしている。図1に示す断面に
おいて、外側の円弧上の任意の点から上記直線mへの垂
線の長さHの最大値Hmaxは、上記二重円の外側の円
pの半径D/2と等しいか、またはより大きい。換言す
れば、お椀型重合体粒子の外径は、ほぼ、お椀型粒子形
成前の元の球状中空重合体粒子の直径(外径)に等し
く、また、お椀型重合体粒子の外形は、元の球状中空重
合体粒子の半分(半球)よりは大きく、半球と球状粒子
との中間的形状をしている。すなわち、お椀型重合体粒
子の外径Dと高さHmaxとの比は1より大きく、2と
等しいか、または2より小さい(1<D/Hmax≦
2)。
【0047】お椀型重合体粒子の肉厚部は、お椀の開口
縁の近辺では、内方に向って若干膨大となっており、お
椀型粒子形成前の中空重合体粒子の肉厚の約2倍の厚さ
を有している。お椀型重合体粒子の肉厚は、開口縁の近
辺では、粒子の最大外径Dの約10〜約30%である。
また、お椀型重合体粒子の肉厚部は、その内部に元の中
空重合体粒子の芯部のボイドに由来する扁平状に潰れた
ボイド(中空部)を有していてもよく、または、中空部
のない密実なものであってもよい。
【0048】お椀型重合体粒子の平均最大直径は、一般
に、0.3〜5μm、好ましくは0.5〜3μmであ
る。また、開口部の平均直径(肉厚部を含む外径)の粒
子の平均最大直径に対する比率は、一般に25〜100
%、好ましくは60〜95%である。
【0049】感熱記録材料 支持体上に、上記のお椀型重合体粒子を含有する中間層
を形成するには、お椀型重合体粒子をバインダーととも
に水に分散し、この分散液を支持体表面に塗布し、乾燥
する。塗布方法は特に限定されるものではなく、周知慣
用技術に従うことができ、例えばエアーナイフコータ
ー、ロッドブレードコーター、ビルブレードコーター、
ロールコーターなどコーターを備えたオフマシン塗工機
やオンマシン塗工機が使用される。
【0050】バインダーとしては、例えば、部分ケン化
または完全ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変
性ポリビニルアルコール、アミド変性ポリビニルアルコ
ール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラー
ル変性ポリビニルアルコール、その他の変性ポリビニル
アルコール、デンプンおよびその誘導体、メトキシセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースな
どのセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビ
ニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル
共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタ
クリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重
合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合
体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソー
ダ、ゼラチン、カゼインなどの水溶性高分子、ならび
に、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、スチレン
/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリ
ル系重合体などのラテックスや塩化ビニル樹脂、酢酸ビ
ニル樹脂、酢酸ビニル/アクリル酸共重合体、スチレン
/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル樹
脂、ポリビニルブチラール、ポリアミド樹脂、ポリウレ
タン樹脂などのエマルジョンなどの高分子水性エマルジ
ョンが挙げられる。
【0051】中間層形成用塗液中のお椀型重合体粒子お
よびバインダーの量は、それぞれ、両者の固形分合計重
量に基づき、5〜95重量%、好ましくは60〜85重
量%、および95〜5重量%、好ましくは40〜15重
量%である。支持体表面への塗液の適用量は、お椀型重
合体粒子の量として1〜30g/m2、好ましくは3〜
20g/m2である。
【0052】中間層形成用塗液中には、お椀型重合体粒
子およびバインダーとともに、必要に応じて、感熱記録
材料に用いられる補助添加成分、例えば、充填剤、分散
剤、消泡剤、蛍光染料、着色染料、無機顔料、有機顔
料、ワックスなどの滑剤、ベンゾフェノン系やトリアゾ
ール系などの紫外線吸収剤、増感剤、導電性物質などを
配合することができる。また、必要に応じて、お椀型重
合体粒子を含有する中間層に加えて、顔料、その他の補
助成分とバインダーを含有する付加層を中間層とを支持
体との間および/または中間層と感熱記録層との間に形
成することもできる。
【0053】顔料としては公知の無機顔料および有機顔
料が使用できる。無機顔料としては、アルミナ、水酸化
マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸マグネシウム、
酸化亜鉛、硫酸バリウム、シリカ、炭酸カルシウム、カ
オリン、焼成カオリン、ケイソウ土、タルク、酸化チタ
ン、水酸化アルミニウムなどが挙げられる。有機顔料と
しては尿素−ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリル酸
共重合体、ポリスチレン樹脂、アミノ樹脂フィラーなど
が挙げられる。これらのうち、特に吸油量が30〜20
0cc/100g程度のものが好ましく用いられる。中
間層の上に感熱記録層が形成されるが、必要に応じて、
中間層形成後カレンダー処理を行い表面を平滑にしたう
え、感熱記録層形成用塗液を適用することができる。
【0054】感熱記録層は発色剤と顕色剤との組合せを
含有する。発色剤と顕色剤の組合せは特に限定されるも
のではなく、熱によって両者が接触して呈色反応を起こ
すような組合せなら何れも使用可能であり、例えば無色
ないし淡色の塩基性染料と無機または有機の酸性物質と
からなるロイコ染料型発色材料、ステアリン酸第2鉄な
どの高級脂肪酸金属塩と没食子酸ステアリルからなるキ
レート型発色材料、イミノ化合物とイソシアナート化合
物とからなる顔料型発色剤、ジアゾニウム化合物、カプ
ラーおよび塩基性物質の組合せなどが挙げられる。発色
剤と顕色剤との組合せの中でも、塩基性無色ないし淡色
染料と酸性物質からなるロイコ染料型発色材料が好まし
い。
【0055】塩基性無色ないし淡色染料の具体例として
は、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6
−ジメチルアミノフタリドなどのトリフェニルメタン系
ロイコ染料;3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジ
ノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N
−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル
−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−
ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ
−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラ
ン、3−N−n−ジブチルアミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−N−n−ジブチルアミノ−7−
(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル
−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メ
チル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、
3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル
−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−
クロル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ
−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3
−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−メチルアニ
リノ)フルオラン、3−n−ジブチルアミノ−6−メチ
ル−7−(m−メチルアニリノ)フルオラン、3−ジエ
チルアミノ−6−メチル−クロルフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−6−メチル−フルオラン、3−シクロヘキ
シルアミノ−6−クロルフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−ベンゾ[a]−フルオラン、3−n−ジペンチルア
ミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−(4
−オキソ−ヘキシル)−3−ジメチルアミノ−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、2−(4−オキソ−ヘキ
シル)−3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン、2−(4−オキソ−ヘキシル)−3−ジ
プロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、2−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)アミノアニリノフルオラン、2−クロル−3−メチ
ル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノア
ニリノフルオラン、2−メトキシ−6−p−(p−ジメ
チルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−
クロロ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミ
ノアニリノフルオラン、2−ニトロ−6−p−(p−ジ
エチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2
−アミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)ア
ミノアニリノフルオラン、2−ジエチルアミノ−6−p
−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフル
オラン、2−フェニル−6−メチル−6−p−(p−フ
ェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2
−ベンジル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン、2−ヒドロキシ−6−p−
(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオ
ラン、3−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェ
ニル)アミノアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ
−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニ
リノフルオランおよび3−ジエチルアミノ−6−p−
(p−ジブチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオ
ランなどのフルオラン系ロイコ染料;3,6,6′−ト
リス(ジメチルアミノ)スピロ[フルオレン−9,3′
−フタリド]および3,6,6′−トリス(ジエチルア
ミノ)スピロ[フルオレン−9,3′−フタリド]など
のフルオレン系ロイコ染料;3,3−ビス−[2−(p
−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェ
ニル)エテニル]−4,5,6,7−テトラブロモフタ
リド、3,3−ビス−[2−(p−ジメチルアミノフェ
ニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル]−
4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス
−[1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン
−2−イル]−4,5,6,7−テトラブロモフタリド
および3,3−ビス−[1−(4−メトキシフェニル)
−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イ
ル]−4,5,6,7−テトラクロロフタリドなどのジ
ビニル系ロイコ染料;ならびに1,1−ビス−[2′,
2′,2″,2″−テトラキス−(p−ジメチルアミノ
フェニル)−エテニル]−2,2−ジニトリルエタン、
1,1−ビス−[2′,2′,2″,2″−テトラキス
−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル]−2−
β−ナフトイルエタン、1,1−ビス−[2′,2′,
2″,2″−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−エテニル]−2,2−ジアセチルエタン、ビス−
[2,2,2′,2′−テトラキス(p−ジメチルアミ
ノフェニル)−エテニル]−メチルマロン酸ジメチルエ
ステルなどが挙げられる。これらの染料は、単独でまた
は2種以上を混合して用いられる。
【0056】上記のようなロイコ染料と組合せる顕色剤
としては、4,4′−イソプロピリデンジフェノール
(別名ビスフェノールA)、4,4′−シクロヘキシリ
デンジフェノール、p,p′−(1−メチル−ノルマル
ヘキシリデン)ジフェノールおよび1,7−ジ(ヒドロ
キシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタンなどの
ビスフェノールA類;4−ヒドロキシ安息香酸ベンジ
ル、4−ヒドロキシ安息香酸エチル、4−ヒドロキシ安
息香酸プロピル、4−ヒドロキシ安息香酸イソプロピ
ル、4−ヒドロキシ安息香酸ブチル、4−ヒドロキシ安
息香酸イソブチルおよび4−ヒドロキシ安息香酸メチル
ベンジルなどの4−ヒドロキシ安息香酸エステル類;4
−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシフタル
酸ジイソプロピル、4−ヒドロキシフタル酸ジベンジル
および4−ヒドロキシフタル酸ジヘキシルなどの4−ヒ
ドロキシフタル酸ジエステル類;フタル酸モノベンジル
エステル、フタル酸モノシクロヘキシルエステル、フタ
ル酸モノフェニルエステル、フタル酸モノメチルフェニ
ルエステル、フタル酸モノエチルフェニルエステル、フ
タル酸モノプロピルベンジルエステル、フタル酸モノハ
ロゲンベンジルエステルおよびフタル酸モノエトキシベ
ンジルエステルなどのフタル酸モノエステル類;ビス−
(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−6−メチル
フェニル)スルフィド、ビス−(4−ヒドロキシ−2,
5−ジメチルフェニル)スルフィド、ビス−(4−ヒド
ロキシ−2−メチル−5−エチルフェニル)スルフィ
ド、ビス−(4−ヒドロキシ−2−メチル−5−イソプ
ロピルフェニル)スルフィド、ビス−(4−ヒドロキシ
−2,3−ジメチルフェニル)スルフィド、ビス−(4
−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)スルフィ
ド、ビス−(4−ヒドロキシ−2,5−ジイソプロピル
フェニル)スルフィド、ビス−(4−ヒドロキシ−2,
3,6−トリメチルフェニル)スルフィド、ビス−
(2,4,5−トリヒドロキシフェニル)スルフィド、
ビス−(4−ヒドロキシ−2−シクロヘキシル−5−メ
チルフェニル)スルフィド、ビス−(2,3,4−トリ
ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス−(4,5−ジ
ヒドロキシ−2−tert−ブチルフェニル)スルフィ
ド、ビス−(4−ヒドロキシ−2,5−ジフェニルフェ
ニル)スルフィドおよびビス−(4−ヒドロキシ−2−
tert−オクチル−5−メチルフェニル)スルフィド
などのビス−(ヒドロキシフェニル)スルフィド類;4
−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホ
ン、4−ヒドロキシ−4′−プロポキシジフェニルスル
ホン、4−ヒドロキシ−4′−n−ブチルオキシジフェ
ニルスルホンおよび4−ヒドロキシ−4′−n−プロポ
キシジフェニルスルホンなどの4−ヒドロキシフェニル
アリールスルホン類;4−ヒドロキシフェニルベンゼン
スルホナート、4−ヒドロキシフェニル−p−トリルス
ルホナート、4−ヒドロキシフェニルメチレンスルホナ
ート、4−ヒドロキシフェニル−p−クロルベンゼンス
ルホナート、4−ヒドロキシフェニル−p−tert−
ブチルベンゼンスルホナート、4−ヒドロキシフェニル
−p−イソプロポキシベンゼンスルホナート、4−ヒド
ロキシフェニル−1′−ナフタリンスルホナートおよび
4−ヒドロキシフェニル−2′−ナフタリンスルホナー
トなどの4−ヒドロキシフェニルアリールスルホナート
類;1,3−ジ[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2
−プロピル]−ベンゼン、1,3−ジ[2−(4−ヒド
ロキシ−3−アルキルフェニル)−2−プロピル]−ベ
ンゼン、1,3−ジ[2−(2,4−ジヒドロキシフェ
ニル)−2−プロピル]−ベンゼンおよび1,3−ジ
[2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2−
プロピル]−ベンゼンなどの1,3−ジ[2−(ヒドロ
キシフェニル)−2−プロピル]−ベンゼン類;1,3
−ジヒドロキシ−6(α,α−ジメチルベンジル)−ベ
ンゼンなどのレゾルシノール類;4−ヒドロキシベンゾ
イルオキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシベンゾイ
ルオキシ安息香酸メチル、4−ヒドロキシベンゾイルオ
キシ安息香酸エチル、4−ヒドロキシベンゾイルオキシ
安息香酸プロピル、4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安
息香酸ブチル、4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香
酸イソプロピル、4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息
香酸tert−ブチル、4−ヒドロキシベンゾイルオキ
シ安息香酸ヘキシル、4−ヒドロキシベンゾイルオキシ
安息香酸オクチル、4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安
息香酸ノニル、4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香
酸シクロヘキシル、4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安
息香酸β−フェネチル、4−ヒドロキシベンゾイルオキ
シ安息香酸フェニル、4−ヒドロキシベンゾイルオキシ
安息香酸α−ナフチル、4−ヒドロキシベンゾイルオキ
シ安息香酸β−ナフチルおよび4−ヒドロキシベンゾイ
ルオキシ安息香酸sec−ブチルなどの4−ヒドロキシ
ベンゾイルオキシ安息香酸エステル類;ビス−(3−1
−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)スル
ホン、ビス−(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)
スルホン、ビス−(3−プロピル−4−ヒドロキシフェ
ニル)スルホン、ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)スルホン、ビス−(2−イソプロピル−4−
ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス−(2−エチル−
4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス−(3−クロ
ル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス−(2,
3−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビ
ス−(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ス
ルホン、ビス−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン、4−ヒドロキシフェニル−2′−エチル
−4′−ヒドロキシフェニルスルホン、4−ヒドロキシ
フェニル−2′−イソプロピル−4′−ヒドロキシフェ
ニルスルホン、4−ヒドロキシフェニル−3′−イソプ
ロピル−4′−ヒドロキシフェニルスルホン、4−ヒド
ロキシフェニル−3′−secブチル−4′−ヒドロキ
シフェニルスルホン、3−クロル−4−ヒドロキシフェ
ニル−3′−イソプロピル−4′−ヒドロキシフェニル
スルホン、2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−
4′−ヒドロキシフェニルスルホン、2−ヒドロキシ−
5−t−アミノフェニル−4′−ヒドロキシフェニルス
ルホン、2−ヒドロキシ−5−t−イソプロピルフェニ
ル−4′−ヒドロキシフェニルスルホン、2−ヒドロキ
シ−5−t−オクチルフェニル−4′−ヒドロキシフェ
ニルスルホン、2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニ
ル−3′−クロル−4′−ヒドロキシフェニルスルホ
ン、2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−3′−
メチル−4′−ヒドロキシフェニルスルホン、2−ヒド
ロキシ−5−t−ブチルフェニル−3′−イソプロピル
−4′−ヒドロキシフェニルスルホン、2−ヒドロキシ
−5−t−ブチルフェニル−3′−クロル−4′−ヒド
ロキシフェニルスルホン、2−ヒドロキシ−5−t−ブ
チルフェニル−3′−メチル−4′−ヒドロキシフェニ
ルスルホン、2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル
−3′−イソプロピル−4′−ヒドロキシフェニルスル
ホン、2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−2′
−メチル−4′−ヒドロキシフェニルスルホン、4,
4′−スルホニルジフェノール、2,4′−スルホニル
ジフェノール、3,3′−ジクロル−4,4′−スルホ
ニルジフェノール、3,3′−ジプロモ−4,4′−ス
ルホニルジフェノール、3,3′,5,5′−テトラプ
ロモ−4,4′−スルホニルジフェノール、および3,
3′−ジアミノ−4,4′−スルホニルジフェノールな
どのビスフェノールスルホン類;ならびに、4,4′−
ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミ
ノ)ジフェニルメタン、p−tert−ブチルフェノー
ル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ノボラック
型フェノール樹脂、4−ヒドロキシアセトフェノン、p
−フェニルフェノール、ベンジル−4−ヒドロキシフェ
ニルアセテートおよびp−ベンジルフェノールなどが例
示される。発色性塩基性染料と顕色剤の重量比率は、前
者1部に対し後者1〜8部の範囲である。
【0057】感熱記録層を形成するための塗液にはバイ
ンダーが配合されるが、その量は塗液の全固形分重量に
基づき通常5〜40重量%、好ましくは10〜25重量
%程度である。バインダーとしては中間層用バインダー
の場合と同様に水溶性高分子または高分子水性エマルジ
ョンが用いられ、その具体例としては、中間層用バイン
ダーとして例示のものと同様なものが挙げられる。
【0058】さらに、本発明においては、本発明の効果
を阻害しない範囲で、感熱記録層に公知の増感剤を含有
せしめることができる。増感剤としては、ステアリン酸
アミド、パルミチン酸アミドなどの脂肪酸アミド、エチ
レンビスアミド、モンタン系ワックス、ポリエチレンワ
ックス、テレフタル酸ジベンジル、p−ベンジルオキシ
安息香酸ベンジル、ジ−p−トリルカーボネート、p−
ベンジルビフェニル、フェニルα−ナフチルカーボネー
ト、1,4−ジエトキシナフタリン、1−ヒドロキシ−
2−ナフエト酸フェニルエステル、1,2−ジ−(3−
メチルフェノキシ)エタン、シュウ酸ジ(p−メチルベ
ンジル)、β−ベンジルオキシナフタレン、4−ビフェ
ニルp−トリルエーテル、o−キシレリン−ビス−(フ
ェニルエーテル)、4−(m−メチルフェノキシメチ
ル)ビフェニルなどを例示することができる。これらの
増感剤は単独で、または2種以上混合して使用すること
ができる。
【0059】また、感熱記録層には、p−ニトロ安息香
酸金属塩、フタル酸モノベンジルエステル金属塩のよう
な安定剤、および顔料や充填剤を配合することもでき
る。顔料および充填剤としては、中間層に配合する顔料
として例示したものと同様なものが挙げられる。さら
に、脂肪酸金属塩などの雛型剤、ワックス類などの滑
剤、ベンゾフェノン系やトリアゾール系などの紫外線吸
収剤、グリオキザールなどの耐水化剤、分散剤、消泡剤
なども配合できる。
【0060】感熱記録層形成用塗液の塗布も、中間層形
成用塗液の場合と同様公知方法に従って行うことができ
る。なお、保存性を高める目的で感熱記録層上に顔料を
含有する高分子物質からなるオーバーコート層を設けた
り、支持体に高分子物質からなるバックコート層を設け
ることもできる。
【0061】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに具体的
に説明する。なお、以下の実施例において部および%
は、いずれも重量基準である。また、ラテックスの量は
固形分換算重量で示した。参考例1 お椀型重合体粒子の製造例1 メチルメタクリレート(MMA)60%、ブチルアクリ
レート(BA)5%およびメタクリル酸(MAA)35
%からなる、核重合体形成用の単量体混合物(a)1
部、乳化剤(DBS)0.005部およびイオン交換水
0.8部を攪拌下に混合してエマルジョン(イ)を調製
した。
【0062】別に、MMA70%、BA10%およびM
AA20%からなる、芯重合体形成用単量体混合物
(b)10部、乳化剤(DBS)0.05部およびイオ
ン交換水8部を攪拌下に混合してエマルジョン(ロ)を
調製した。また、MMA78%、BA16%およびMA
A6%からなる、中間層重合体形成用の単量体(c)2
5部、乳化剤(DBS)0.1部およびイオン交換水3
5部を攪拌下に混合してエマルジョン(ハ)を調製し
た。
【0063】さらに、スチレン(ST)36.9部、乳
化剤(DBS)0.3部およびイオン交換水16部を攪
拌下に混合して外層重合体形成用のエマルジョン(ニ)
を調製した。また、ST96.9%およびMAA3.1
%からなる、最外層重合体形成用の単量体混合物(d)
38.1部、乳化剤(DBS)0.3部およびイオン交
換水16部を攪拌下に混合してエマルジョン(ホ)を調
製した。
【0064】攪拌装置、還流冷却管、温度計、分液ロー
トを取り付けた反応器に、イオン交換水2.8部、粒子
径35nm、固形分濃度12%のアクリルシード系ラテ
ックス0.04部(固形分換算)を仕込み、80℃まで
昇温した。次いで、過硫酸カリウム(KPS)3%水溶
液0.17部を分液ロートより添加し、エマルジョン
(イ)を4時間かけて連続的に添加し、その後さらに1
時間重合して核重合体エマルジョンを得た。単量体混合
物(イ)の重合転化率は99%であった。
【0065】次いで、イオン交換水28部、KPS3%
水溶液1.7部を添加した後、エマルジョン(ロ)を上
記反応器に3時間かけて連続的に添加した。添加後、さ
らに2時間重合して芯層重合体を形成した。単量体混合
物(ロ)の重合転化率は99%であった。次いで、イオ
ン交換水を240部、KPS3%水溶液6.7部を添加
した後、エマルジョン(ハ)を上記反応器に4時間かけ
て連続的に添加した。添加後、さらに2時間重合して中
間層重合体を形成した。単量体混合物(ハ)の重合転化
率は99%であった。
【0066】さらに、85℃に昇温し、KPS3%水溶
液6.7部を添加した後、エマルジョン(ニ)を上記反
応器に1.5時間かけて連続的に添加した。添加後、さ
らに1時間重合して外層重合体を形成した。単量体混合
物(ニ)の重合転化率は99%であった。上記で得た重
合体粒子を含有するラテックスに、水酸化ナトリウム1
0%水溶液9部を分液ロートから滴下し、その後30
分、85℃に加熱を続けて塩基処理を行った。この段階
でラテックスの一部を採取し、室温でラテックスのpH
を測定したところ、8.7であった。
【0067】次に、KPS3%水溶液10部を添加し、
次いでエマルジョン(ホ)を上記反応器に1.5時間か
けて連続的に添加した。添加後、さらに2時間重合して
最外層重合体が形成された重合体粒子を含有するラテッ
クスを得た。単量体混合物(ホ)の重合転化率は99%
であった。次に、上記重合体粒子を含有するラテックス
を入り口温度160℃のスプレー乾燥乾燥機で乾燥して
(出口温度は60℃であった。)、重合体粒子を得た。
【0068】得られた重合体粒子の走査型電子顕微鏡写
真(SEM)を図2に示す。SEMにより、得られた重
合体粒子の形状を観察したところ、平均最大直径890
nmの球状粒子の一部が凹面部を形成しているお椀型粒
子であり、凹面部の開口部の平均直径は690nmであ
った。
【0069】参考例2 お椀型重合体粒子の製造例2 アクリル系シードラテックスの使用量を0.0048部
とし、核重合体形成用単量体混合物(a)の使用量を
0.12部とし、芯用重合体形成用単量体混合物の
(b)の組成をMMA60%、BA10%およびMAA
30%、使用量を3部とした他は、参考例1と同様にし
て、重合体粒子を製造した。生成物は平均最大直径13
90nmの球状粒子の一部が凹面部を形成しているお椀
型粒子であり、凹面開口部の直径は1100nmであっ
た。
【0070】実施例1 以下の配合からなる配合物を攪拌分散して、中間層塗液
[A液]を調製した。 [A液] 参考例1で調製したお椀型重合体粒子(A) 100部 スチレン/ブタジエン共重合体ラテックス(固形分48%) 11部 10%ポリビニルアルコール水溶液 5部 水 150部 次に[A液]を坪量50g/m2の上質紙に、乾燥後の
塗布量が8g/m2となるように塗布乾燥して中間層形
成紙を得た。
【0071】また、次の配合からなる各混合物を、それ
ぞれ、平均粒径が1μm以下となるようにサンドグライ
ンダーで粉砕分散して、B液、C液およびD液を調製し
た。 [B液](顕色剤分散液) 4,4′−イソプロピリデンジフェノール 6.0部 10%ポリビニルアルコール水溶液 18.8部 水 11.2部 [C液](染料分散液) 3−N−n−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 2.0部 10%ポリビニルアルコール水溶液 4.6部 水 2.6部 [D液](増感剤分散液) 4−ビフェニル−p−トリルエーテル 4.0部 10%ポリビニルアルコール水溶液 5.0部 水 3.0部
【0072】次に、上記B液、C液およびD液をカオリ
ンクレー分散液とともに下記の割合で混合して、塗工液
を調製した。 B液 36.0部 C液 9.2部 D液 12.0部 カオリンクレー(50%分散液) 12.0部 上記塗工液を、上記中間層形成紙上に、乾燥後の塗布量
が6.0g/m2となるように塗布乾燥し、このシート
をスーパーカレンダーで平滑度が700〜800秒にな
るように処理し、感熱記録シートを作成した。
【0073】上記感熱記録シートについて、下記の試験
方法により、動的発色感度、ドット再現性および熱ヘッ
ドへのカス付着性を評価した。 (動的発色感度)松下電送社製感熱ファクシミリUF−
1000Bを用いて、電圧14.7V、抵抗値360
Ω、パルス幅0.82ms、印加エネルギー0.37m
J/ドットで記録した画像濃度を、マクベス濃度計(R
D−914、アンバーフィルター使用)で測定した。 (ドット再現性)上記と同様にして動的記録した画像の
印字ドットの形状を目視により観察した。A 良好 B やや不良
【0074】(カス付着性)松下電送社製感熱ファクシ
ミリUF−60コピーモード、縦縞原稿(B4)20枚
を記録し、感熱ヘッドに付着したカスの量を目視により
観察した。 A 非常に良好 B 良好 C やや不良 これらの評価結果を、表2に示す。
【0075】実施例2、比較例1〜4 お椀型重合体粒子のラテックス(A)に代えて表1に示
す各粒子を使用した他は、実施例と同様の評価を行っ
た。結果を併せて表2に示す。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】発明の好ましい実施態様 本発明の感熱記録材料、すなわち、「支持体上に感熱記
録層を設けた感熱記録材料において、該支持体と該記録
層との間に、断熱性を有する重合体粒子を含有する中間
層が設けられており、該重合体粒子は、芯部にボイドを
有する球状中空重合体粒子の一部を平面で裁断して得ら
れるお椀型状を有し、その裁断面に垂直で球状中空重合
体粒子の中心を通る断面は二重円の一部を直線で切り取
った形状をなし、該断面の外側の円弧から上記直線への
垂線の長さHの最大値Hmaxは上記二重円の外側の円
の半径と等しいか、より大きいお椀型重合体粒子である
ことを特徴とする感熱記録材料」の好ましい実施態様を
まとめると以下のとおりである。
【0079】(イ)お椀型重合体粒子の平均最大直径は
0.3〜5μm、より好ましくは0.5〜3μmであ
る。 (ロ)お椀型重合体粒子の開口部の平均直径(外径)の
粒子の平均最大直径に対する比率は25〜100%、よ
り好ましくは60〜95%である。 (ハ)お椀型重合体粒子の開口縁部の肉厚は粒子の平均
最大直径の約10〜約30%である。
【0080】(ニ)お椀型重合体粒子は下記の工程
(1)〜(7)を含む製造方法によって製造されたもの
である。 (1)酸性基含有単量体30〜65重量%およびこれと
共重合可能な単量体70〜35重量%との単量体混合物
を共重合することによって核重合体粒子を調製し、
(2)上記該重合体粒子の存在下に、酸性基含有単量体
10〜35重量%およびこれと共重合可能な単量体90
〜65重量%との単量体混合物を共重合することによっ
て、実質的に上記核重合体粒子を包囲する芯重合体を形
成し(但し、ここで芯重合体粒子中における酸性基含有
単量体の含有比率は、核重合体中における酸性基含有単
量体の含有比率と等しいか、または、より小さい)、
【0081】(3)上記核/芯重合体粒子の存在下に、
酸性基含有単量体1〜12重量%およびこれと共重合可
能な単量体99〜88重量%との単量体混合物を共重合
することによって、実質的に上記芯重合体粒子を包囲す
る少なくとも1層の中間層重合体を形成し、(4)上記
芯重合体粒子を包囲する中間層重合体が形成された重合
体粒子の存在下に、芳香族ビニル単量体を単独で、また
は酸性基含有単量体0.5重量%以下およびこれと共重
合可能な芳香族ビニル単量体99.5重量%以上とから
なる単量体混合物を共重合することによって、実質的に
上記中間層重合体を包囲する外層重合体を形成し、
【0082】(5)得られた少なくとも4層構造を有す
る重合体粒子を含有する水性分散液に塩基を添加して該
分散液のpHを7以上とし、(6)次いで、該水性分散
液に芳香族ビニル単量体を単独でまたは芳香族ビニル単
量体90重量%以上およびこれと共重合可能な単量体1
0重量%以下とからなる単量体混合物を添加して、前記
少なくとも4層構造を有する重合体粒子の存在下に、重
合することによって外層重合体の周囲に最外層重合体を
形成し、次いで、(7)得られた重合体分散液を乾燥す
る。
【0083】(ホ)中間層は、お椀型重合体粒子と高分
子物質バインダーを、両者の固形分重量に基づき、それ
ぞれ、5〜95重量%、より好ましくは60〜85重量
%、および95〜5重量%、より好ましくは40〜15
重量%の割合で含み、また、中間層中のお椀型重合体粒
子の量は1〜30g/m2、より好ましくは3〜20g
/m2である。 (ヘ)感熱記録層は、無色ないし淡色の塩基性染料と無
機または有機の酸性物質とからなるロイコ染料型発色材
料、ステアリン酸第2鉄などの高級脂肪酸金属塩と没食
子酸ステアリルからなるキレート型発色材料、イミノ化
合物とイソシアナート化合物とからなる顔料型発色剤、
ジアゾニウム化合物、カプラーおよび塩基性物質の組合
せの中から選ばれた、発色剤と顕色剤との組合せを含有
し、かつ全固形分重量に基づき5〜40重量%の高分子
物質バインダーを含有する。
【0084】
【発明の効果】感熱記録層と支持体との間に形成された
お椀型重合体粒子を含有する中間層は断熱層として作用
するため、熱ヘッドなどの熱エネルギーの利用度が向上
し、感熱記録層の発色感度が高まる。また、中間層中の
お椀型重合体粒子は適度の弾力性をもつので印字画素
(ドット)の再現性が向上する。さらに、本発明の感熱
記録材料は感熱ヘッドへのカス付着やスティッキングを
生じ難い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用するお椀型重合体粒子の開口面に
垂直で球状中空重合体粒子の中心を通る断面を示す。
【図2】参考例1において得られたお椀型重合体粒子の
走査型電子顕微鏡写真(SEM)を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に感熱記録層を設けた感熱記録
    材料において、該支持体と該記録層との間に、断熱性を
    有する重合体粒子を含有する中間層が設けられており、
    該重合体粒子は、芯部にボイドを有する球状中空重合体
    粒子の一部を平面で裁断して得られるお椀型状を有し、
    その裁断面に垂直で球状中空重合体粒子の中心を通る断
    面は二重円の一部を直線で切り取った形状をなし、該断
    面の外側の円弧から上記直線への垂線の長さHの最大値
    Hmaxは上記二重円の外側の円の半径と等しいか、よ
    り大きいお椀型重合体粒子であることを特徴とする感熱
    記録材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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