JPH10272842A - 感熱記録体 - Google Patents

感熱記録体

Info

Publication number
JPH10272842A
JPH10272842A JP9092872A JP9287297A JPH10272842A JP H10272842 A JPH10272842 A JP H10272842A JP 9092872 A JP9092872 A JP 9092872A JP 9287297 A JP9287297 A JP 9287297A JP H10272842 A JPH10272842 A JP H10272842A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
intermediate layer
polymer particles
parts
group
hollow polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9092872A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoaki Nagai
共章 永井
Reiko Sato
礼子 佐藤
Kaoru Hamada
薫 濱田
Yutaka Wakita
豊 脇田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paper Industries Co Ltd, Jujo Paper Co Ltd filed Critical Nippon Paper Industries Co Ltd
Priority to JP9092872A priority Critical patent/JPH10272842A/ja
Publication of JPH10272842A publication Critical patent/JPH10272842A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 耐可塑剤性等の画像保存性や記録感度に優れ
るとともに、サーマルヘッドへのカス付着やスティッキ
ングが生じ難く、さらに耐擦過性にも優れた感熱記録体
の提供。 【解決手段】 支持体上に、中間層、及び無色ないし淡
色の塩基性無色染料と該塩基性無色染料と反応して発色
させる顕色剤とを主成分として含有する記録層を設けた
感熱記録体において、該中間層が、中空重合体粒子の一
部を平面で裁断して得られる開口部を有する中空重合体
粒子を含有し、且つ前記顕色剤として下記一般式(1)
または(2)で表される少なくとも1種の化合物を含有
する感熱記録体。 N−(ベンゼンスルホニル)−p−(フェニルウレイレ
ン)ベンズアミド N−(フェニル)−N′−{p−(4−トルオイルアミ
ノスルホニル)}フェニルウレア

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐可塑剤性等の画
像保存性や記録感度に優れるとともに、サーマルヘッド
へのカス付着やスティッキングが生じ難く、さらに耐擦
過性にも優れた感熱記録体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、感熱記録体は通常無色ないし淡
色の塩基性無色染料とフェノ−ル性化合物等の有機顕色
剤とを、それぞれ微細な粒子に磨砕分散した後、両者を
混合し、バインダ−、充填剤、感度向上剤、滑剤及びそ
の他の助剤を添加して得られた塗料を、紙、合成紙、フ
ィルム、プラスチック等の支持体に塗工したものであ
り、サ−マルヘッド、ホットスタンプ、熱ペン、レ−ザ
−光等の加熱による瞬時の化学反応により発色し、記録
画像が得られる。感熱記録体は、ファクシミリ、コンピ
ュ−タ−の端末プリンタ−、自動券売機、計測用レコ−
ダ−等に広範囲に使用されている。近年、記録装置の多
様化や高性能化の進展に伴って高速印字及び高速の画像
形成も可能となってきており、感熱記録体の記録感度に
対してより優れた品質が求められている。この要求を満
たす方法として、染料と顕色剤にさらに増感剤を併用す
ることが提案されている。例えば顕色剤がビスフェノ−
ルAに代表されるフェノ−ル系化合物からなる場合、p
−ベンジルビフェニル(特開昭60−82382号)、
p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル(特開昭57−2
01691号)、ベンジルナフチルエ−テル(特開昭5
8−87094号)等が好適な増感剤として使用されて
いる。増感剤を用いた場合、加熱されるとまず増感剤が
溶融し、それが塩基性染料及び顕色剤を溶かし込むこと
によって両者が分子レベルで混じり合い発色反応が誘発
されるので、用いる増感剤と塩基性染料や顕色剤につい
ての検討が重要となる。このような増感剤を使用した場
合、溶融物質が記録体内に多く含有されるため、記録後
に溶融物がサーマルヘッドへ付着するといったカス付着
の問題が生じやすい。
【0003】そこで、感熱記録層と支持体との間に断熱
性のよい中間層を介在せしめることで、感熱記録材料の
熱応答性を高めるといった方法が提案されている。例え
ば、特開昭54−92263号公報には、ガラス転移点
60℃以下の造膜性高分子からなる中間層を設ける方法
が開示されているが、この方法によっては満足できる熱
応答性は得られていない。また、特開昭59−5093
号公報には、微小中空球粒子を含有した中間層を設ける
方法が、特開昭59−171685号公報には、熱発泡
剤と熱可塑性高分子からなる中間層を設け、加熱発泡し
てスポンジ状の中間層とする方法が、さらに特開昭59
−225987号公報には、発泡性プラスチックフィラ
ーを加熱発泡させた層及びその上の充填剤と結合材を含
有させた層の2つの層を中間層として設ける方法がそれ
ぞれ開示されている。上記のような微小中空を有する中
間層を設けたものであっても、未だ充分満足できるもの
は得られていない。例えば、非発泡性の中空球微粒子を
用いたものは一応感度の向上が認められるものの、未だ
満足のできる熱応答性は得られない。一方、発泡体を利
用して中間層を設けたものは、充分な断熱機能を有し、
微小なエネルギーで高濃度の記録像が得られるものの、
発泡体を発泡させる工程が必要であり、また安定な品質
を得るためのコントロールが難しいなどという生産上の
問題をかかえていた。特開平2−164580号公報に
は、プラスチック中空球体をしぼませて凹凸表面を形成
した多孔性の非球状中空フィラーを含有せしめた中間層
を設けることが提案されている。しかしながら、このよ
うな中間層を設けることによって熱応答性は向上するも
のの、支持体と感熱記録層との結着力が充分でない。
【0004】また、特開平5−573号公報には、プラ
スチック球状または楕円球状中空粒子を含有する中間層
を設けることが提案されている。この中空粒子は、平均
粒径2〜20μm、好ましくは3〜10μmを有する発
泡状態の微小中空粒子であるが、バラツキの少ない粒径
分布がせまく均一なものを調製するのが困難である。さ
らに特開平2−57382号公報には、5μm以下、好
ましくは0.1〜3μmの中空重合体微粒子を含有せし
めた中間層を設けることが提案されている。しかしなが
ら、このような中間層を設けても感度は充分でなく、ま
た、スティッキングや感熱ヘッドのカスの付着が生じ
る。さらに最近では、電子写真方式やインクジェット方
式などの普通紙へ記録する方式が普及するにつれて、感
熱記録もこれらの普通紙記録と比較される機会が多くな
っている。例えば、記録画像の可塑剤に対する安定性や
感熱記録面の擦れ発色に対する耐性である耐擦過性は、
普通紙記録並の品質に近づくことが要求されている。増
感剤等で記録感度を向上させた場合、サーマルヘッドへ
のカス付着以外の弊害として、記録画像の保存安定性が
維持できないことが多い。皮脂成分が付着したり、塩ビ
フィルム等のラップフィルムに含まれる可塑剤(DO
P,DOA等)と接触すると画像濃度の著しい低下や消
色が起こるなどの欠点が依然として残されていた。ま
た、本発明者らは、特開平8−67665号公報で新規
な尿素及びチオ尿素誘導体を顕色剤とした画像安定性の
高い感熱記録体を開示している。しかし、これらの感熱
記録体は、印加エネルギーが高い場合は記録感度は良好
であるが、印加エネルギーが低かったり高速で印字した
場合には十分な発色濃度が得られず、このような機器へ
の実用には不十分であった。この場合、増感剤を使用す
ることで記録感度の向上は達成できるが、前記の如く記
録後に溶融物がサーマルヘッドへ付着するといったカス
付着の問題が生じやすく、又、記録画像の耐可塑剤性の
低下がみられた。
【0005】さらに、前記特開平8−67665号公報
に記載の尿素あるいはチオ尿素誘導体は、一般顕色剤に
比較して融点の高いものが多く、熱による溶融後あるい
は増感剤への溶解後、どちらであっても常温では固化が
急激に進むと考えられ、このことがスティック現象を生
じさせる一因となっている。この現象は、急激な顕色剤
の固化によってサーマルヘッドへ感熱記録体が貼り付く
ために起こるものであって、紙送りの際にこれらの貼り
付き部をはがしていくため、記録時に激しい音を発生し
たり、感熱記録体にとっては、記録部の画質の低下や画
像部の縮みやひどい場合記録部の白抜けを引き起こし、
またサーマルヘッドにおいては、前記同様にカス付着を
起こすなどの弊害があった。さらに、このスティック現
象を緩和するためには、離型剤を多く含有させればよい
が、これもカス付着の原因となってしまった。また、記
録感度を向上させるために増感剤を含有したり前記のよ
うな中間層を設けた場合、耐擦過性は悪化する傾向があ
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、可塑
剤等に対する高い画像安定性を有しながら、記録感度に
優れた感熱記録体を提供することにあるが、一般に記録
感度を向上させる際弊害として生じる画像安定性の低
下、サーマルヘッドへのカス付着やスティッキングの発
生、および擦れ発色に対して、極めて高い耐性をも有し
た感熱記録体の提供を課題とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題は、支持体上
に、中間層、および無色ないし淡色の塩基性無色染料と
該塩基性無色染料と反応して発色させる顕色剤とを主成
分として含有する記録層を設けた感熱記録体において、
該中間層が、中空重合体粒子の一部を平面で裁断して得
られるような開口部を有する中空重合体粒子を含有し、
且つ前記顕色剤として下記一般式(1)または(2)で
表される少なくとも1種の化合物を含有することにより
達成された。
【0008】
【化3】
【0009】(式中Aは、水素、炭素数1〜4のアルキ
ル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、ニ
トロ基を表わす。また式中R1、R2、R3は、水素原
子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコ
キシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基を示す。またR1とR2
は互いに結合し芳香環を形成しても良い。またYは硫黄
原子または酸素原子である。)
【0010】
【化4】
【0011】(式中Bは、水素、炭素数1〜4のアルキ
ル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、ニ
トロ基を表わす。また式中R1、R2、R3は、水素原
子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコ
キシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基を示す。またR1とR2
は互いに結合し芳香環を形成しても良い。またYは硫黄
原子または酸素原子である。) 本発明では、顕色剤として上記一般式(1)または
(2)で表される少なくとも1種の尿素またはチオ尿素
化合物を使用するとともに、中空重合体粒子の一部を平
面で裁断して得られるような開口部を有する中空重合体
粒子を成分として構成される中間層を設けたことで、通
常、感熱記録感度を向上させる際に起きやすい耐可塑剤
性等の画像安定性の悪化、サーマルヘッドへのカス付
着、スティッキング現象の発生、及び擦れ発色の悪化
(耐擦過性の悪化)等の弊害は解消されるに至り、初め
て、高い高い画像安定性や耐擦過性に優れ、且つ感熱記
録感度が高く欠点の無い感熱記録体の提供が可能となっ
た。
【0012】本発明の中間層に用いられる中空重合体粒
子は、中空重合体粒子の一部を平面で裁断して得られる
ような開口部を有するという特徴的な構造を持つもので
ある。具体的に図1に球状である場合の一例を模式的に
示すが、これに限定されるものではなく、壺型や円錐型
など種々の形状をとり得る。図1に沿って説明すると、
本発明で用いられる中空重合体粒子は、芯部に中空部が
存在する中空重合体粒子の一部を平面で裁断することに
よって得られるような開口部を有し、その裁断面に垂直
で中空重合体粒子の中心を通る断面は、二重円の一部を
直線mで切り取った形状をなしている。本発明で用いら
れる中空重合体粒子は、二重円の外側の円pの最大径を
D、外側の円弧上の任意の点から上記直線mへ引いた垂
線の長さHの最大値をHmax、開口部における二重円
内側の肉厚部を含まない相当半径をdとしたとき、「d
≦D/2、かつ、d/Hmax≦1」という条件を満た
せばよい。図1に示す以外の他の形状の場合でも同様で
ある。中でも特に、図2に示すような球状の中空重合体
粒子の一部を平面で裁断して得られるお椀型状で、前記
HmaxがD/2と等しいか又はより大きいものは、本
発明の課題の達成に効果的であることに加え製造上も有
利であり好ましい。この場合、開口縁の近辺では、内方
に向かって若干膨大となっており、お椀型粒子形成前の
中空重合体粒子の肉厚の約2倍の厚さを有している。お
椀型粒子の肉厚部はその内部に元の中空重合体粒子に由
来する扁平状に潰れた中空部を有していてもよく、ある
いは中空部の無い密実なものであってもよい。また、お
椀型重合微粒子の平均最大径は、一般に0.3〜5μ
m、好ましくは0.5〜3μmである。粒子の平均最大
径に対する開口部の平均相当直径の比率は、一般に25
〜100%、好ましくは60〜95%である。
【0013】本発明で使用する開口部を有する重合体粒
子は、通常、その肉厚部が多層重合体構造を有し、その
製造方法の1例として、次の工程(1)〜(7)を含む
多段重合法を挙げることが出来る。 (1)酸性基含有単量体30〜65重量%およびこれと
共重合可能な単量体70〜35重量%との単量体混合物
を共重合することによって核重合体粒子を調製し、
(2)上記該重合体粒子の存在下に、酸性基含有単量体
10〜35重量%およびこれと共重合可能な単量体90
〜65重量%との単量体混合物を共重合することによっ
て、実質的に上記核重合体粒子を包囲する芯重合体を形
成し(但し、ここで芯重合体粒子中における酸性基含有
単量体の含有比率は、核重合体中における酸性基含有単
量体の含有比率と等しいか、または、より小さい)、
(3)上記核/芯重合体粒子の存在下に、酸性基含有単
量体1〜12重量%およびこれと共重合可能な単量体9
9〜88重量%との単量体混合物を共重合することによ
って、実質的に上記芯重合体粒子を包囲する少なくとも
1層の中間層重合体を形成し、(4)上記芯重合体粒子
を包囲する中間層重合体が形成された重合体粒子の存在
下に、芳香族ビニル単量体を単独で、または酸性基含有
単量体0.5重量%以下およびこれと共重合可能な芳香
族ビニル単量体99.5重量%以上とからなる単量体混
合物を共重合することによって、実質的に上記中間層重
合体を包囲する外層重合体を形成し、(5)得られた少
なくとも4層構造を有する重合体粒子を含有する水性分
散液に塩基を添加して該分散液のpHを7以上として重
合体粒子内にボイドを形成し、 (6)次いで、所望に
より、この分散液のpHを7未満としたうえ、この水性
分散液に芳香族ビニル単量体を単独で、または芳香族ビ
ニル単量体90重量%以上およびこれと共重合可能な単
量体10重量%以下とからなる単量体混合物を添加し
て、前記少なくとも4層構造を有する重合体粒子の存在
下に、重合することによって外層重合体の周囲に最外層
重合体を形成し、次いで、(7)得られた重合体粒子の
分散液を乾燥する。
【0014】本発明の感熱記録体では、上記した特定の
中空重合体粒子を成分として構成される中間層の断熱効
果を利用することにより、感熱記録感度が向上すると考
えられる。本発明における中間層の断熱効果は、中間層
の構成成分である特定の中空重合体粒子に存在するボイ
ド(中空部)に起因すると考えられる。本発明で用いら
れる特定の中空重合体粒子は、中空重合体粒子の一部を
平面で裁断して得られるような開口部を有し特徴的な構
造を持つものである。そのため、該中空重合体粒子を含
有する中間層には多くの空隙が存在することになり、断
熱効果の高い空気層が構築されるので、熱エネルギーを
効率良く感熱発色層へ取り込むことが可能になって記録
感度が向上する。従って、比較的低い温度で溶解して顕
色剤を相溶させるような感熱用一般増感剤による増感効
果に頼ることなく、感熱記録感度を向上させることがで
きるため、増感剤を使用した場合に問題となるカス付着
が起こらない。用途によっては、増感剤を使用すること
もできるが、本発明では特徴的な構造を有する中空重合
体粒子を用いるゆえに中間層が溶融物の吸着効果を持つ
ようになり、これもまたサーマルヘッドへのカス付着防
止に寄与する。また、特定の構造を有する中空重合体粒
子を用いた本発明の中間層は、無機填料や密実の重合体
粒子等を使用した場合に比べ、極めて高いクッション性
を有すると推測される。そのため、サーマルヘッドと感
熱記録体の接触性が良くなり、その結果、記録感度に加
えて印字画素の再現性も向上させ、記録部の良好な画質
を与えることになる。特にアミノベンゼンスルホンアミ
ド誘導体は、顕色能を示すに当たり比較的高い熱エネル
ギーを必要としていることからも、無駄なくサーマルヘ
ッドからの熱エネルギーを得ることができ効果的であ
る。さらに、本発明で用いられる特定の中空重合体粒子
は、開口部を有さない通常の中空重合体粒子とは異な
り、外界に対して大きく開かれた中空部を内部に存在さ
せている。そのため、記録時に生じる熱溶融物をその中
空部に吸収することが可能になり、サーマルヘッドへの
カス付着を抑えることができる。
【0015】一方、本発明に顕色剤として使用する一般
式(1)または(2)で表される化合物は、その融点の
高さからスティッキング現象を起こし易い。特に、従来
の微小中空粒子等を含有する中間層を設けた場合は、サ
ーマルヘッドと感熱記録体との密着性が高められるゆえ
に、逆に強いスティッキング現象を引き起こす。しか
し、本発明の特定の中空重合体粒子を含有した中間層を
設けた感熱記録体では、スティッキング現象は認められ
ない。この理由は明らかではないが、一因として、本発
明の中空重合体粒子による熱溶融物(発色成分等)の高
い吸収性が考えられる。記録時にスティッキング現象を
起こし易い一般式(1)または(2)の化合物は、その
他の発色成分と共に熱溶融物となって中間層側へ瞬時に
移動し、熱溶融物はサーマルヘッドに貼り付くことがな
い。また、スティッキング現象を軽減させるために通常
離型剤を添加することが知られており、これを多く添加
するとカス付着が生じるが、本発明では間層の吸着機能
によりカス付着は抑制される。本発明で用いる一般式
(1)または(2)の化合物は、増感剤を含有したり一
般的な中間層を設けて記録感度を向上させた場合、耐擦
過性は悪化する傾向がある。しかし、本発明で用いる特
定の中空重合体粒子を成分として構成される中間層を設
けた場合には、擦過性に対して耐性を示す。この理由に
ついては明確に解明されていないが、次のように推定さ
れる。擦れ発色は、サーマルヘッドによる熱溶融反応と
は異なり、感熱記録層の厚さ方向において、記録層の表
面の薄い部分に発色反応が起きている現象だと考えられ
る。ここで本発明の中間層を設けた感熱記録体では、ク
ッション性による擦れ発色の軽減と共に、擦れにより熱
溶融した記録層の表面の薄い発色部分が中間層側へ瞬時
に移動するために、感熱記録体の表面から見たとき擦れ
による発色が抑えられていると思われる。
【0016】一般式(1)又は(2)の化合物は、US
P2383874に記載されている方法によりN−アリ
−ルスルホニル−ニトロベンズアミドまたはN−アシル
−ニトロスルファミドのニトロ基をアミノ基に還元し、
イソシアネイトまたはチオシアネイトを縮合し得ること
ができる。本発明の化合物としては具体的に以下の化合
物を挙げることができ、これらの化合物は単独或いは必
要に応じて2種以上併用することができる。N−(ベン
ゼンスルホニル)−p−(フェニルウレイレン)ベンズ
アミド、N−(4−トルエンスルホニル)−p−(フェ
ニルウレイレン)ベンズアミド、N−(4−エチルフェ
ニルスルホニル)−p−(フェニルウレイレン)ベンズ
アミド、N−(4−n−プロピルフェニルスルホニル)
−p−(フェニルウレイレン)ベンズアミド、N−(4
−iso−プロピルフェニルスルホニル)−p−(フェ
ニルウレイレン)ベンズアミド、N−(t−ブチルフェ
ニルスルホニル)−p−(フェニルウレイレン)ベンズ
アミド、N−(4−メトキシフェニルスルホニル)−p
−(フェニルウレイレン)ベンズアミド、N−(4−エ
トキシフェニルスルホニル)−p−(フェニルウレイレ
ン)ベンズアミド、N−(4−ヒドロキシフェニルスル
ホニル)−p−(フェニルウレイレン)ベンズアミド、
N−(2−ヒドロキシフェニルスルホニル)−p−(フ
ェニルウレイレン)ベンズアミド、N−(4−ニトロフ
ェニルスルホニル)−p−(フェニルウレイレン)ベン
ズアミド、N−(ベンゼンスルホニル)−p−(4−ト
リルウレイレン)ベンズアミド、N−(4−トルエンス
ルホニル)−p−(4−トリルウレイレン)ベンズアミ
ド、N−(4−エチルフェニルスルホニル)−p−(4
−トリルウレイレン)ベンズアミド、N−(4−iso
−プロピルフェニルスルホニル)−p−(4−トリルウ
レイレン)ベンズアミド、N−(n−ブチルフェニルス
ルホニル)−p−(4−トリルウレイレン)ベンズアミ
ド、N−(4−メトキシフェニルスルホニル)−p−
(4−トリルウレイレン)ベンズアミド、N−(4−ヒ
ドロキシフェニルスルホニル)−p−(4−トリルウレ
イレン)ベンズアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル
スルホニル)−p−(4−トリルウレイレン)ベンズア
ミド、N−(4−ニトロフェニルスルホニル)−p−
(4−トリルウレイレン)ベンズアミド、N−(ベンゼ
ンスルホニル)−p−(2−ナフチルウレイレン)ベン
ズアミド、N−(4−トルエンスルホニル)−p−(2
−ナフチルウレイレン)ベンズアミド、N−(4−is
o−プロピルフェニルスルホニル)−p−(2−ナフチ
ルウレイレン)ベンズアミド、N−(4−メトキシフェ
ニルスルホニル)−p−(2−ナフチルウレイレン)ベ
ンズアミド、N−(4−ヒドロキシフェニルスルホニ
ル)−p−(2−ナフチルウレイレン)ベンズアミド、
N−(4−ニトロフェニルスルホニル)−p−(2−ナ
フチルウレイレン)ベンズアミド、N−(ベンゼンスル
ホニル)−p−(フェニルチオウレイレン)ベンズアミ
ド、N−(4−トルエンスルホニル)−p−(フェニル
チオウレイレン)ベンズアミド、N−(4−エチルフェ
ニルスルホニル)−p−(フェニルチオウレイレン)ベ
ンズアミド、N−(4−n−プロピルフェニルスルホニ
ル)−p−(フェニルチオウレイレン)ベンズアミド、
N−(4−iso−プロピルフェニルスルホニル)−p
−(フェニルチオウレイレン)ベンズアミド、N−(4
−メトキシフェニルスルホニル)−p−(フェニルチオ
ウレイレン)ベンズアミド、N−(4−エトキシフェニ
ルスルホニル)−p−(フェニルチオウレイレン)ベン
ズアミド、N−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)
−p−(フェニルチオウレイレン)ベンズアミド、N−
(2−ヒドロキシフェニルスルホニル)−p−(フェニ
ルチオウレイレン)ベンズアミド、N−(4−ニトロフ
ェニルスルホニル)−p−(フェニルチオウレイレン)
ベンズアミド、N−(ベンゼンスルホニル)−p−(4
−トリルチオウレイレン)ベンズアミド、N−(4−ト
ルエンスルホニル)−p−(4−トリルチオウレイレ
ン)ベンズアミド、N−(4−n−プロピルフェニルス
ルホニル)−p−(4−トリルチオウレイレン)ベンズ
アミド、N−(4−メトキシフェニルスルホニル)−p
−(4−メチルフェニルチオウレイレン)ベンズアミ
ド、N−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)−p−
(4−トリルチオウレイレン)ベンズアミド、N−(2
−ヒドロキシフェニルスルホニル)−p−(4−メチル
フェニルチオウレイレン)ベンズアミド、N−(4−ニ
トロフェニルスルホニル)−p−(4−メチルフェニル
チオウレイレン)ベンズアミド、N−(ベンゼンスルホ
ニル)−p−(2−ナフチルチオウレイレン)ベンズア
ミド、N−(4−トルエンスルホニル)−p−(2−ナ
フチルチオウレイレン)ベンズアミド、N−(4−メト
キシフェニルスルホニル)−p−(2−ナフチルチオウ
レイレン)ベンズアミド、N−(4−ヒドロキシフェニ
ルスルホニル)−p−(2−ナフチルチオウレイレン)
ベンズアミド、N−(2−ヒドロキシフェニルスルホニ
ル)−p−(2−ナフチルチオウレイレン)ベンズアミ
ド、N−(4−ニトロフェニルスルホニル)−p−(2
−ナフチルチオウレイレン)ベンズアミド、N−(フェ
ニル)−N’−(p−ベンゾイルアミノスルホニル)フ
ェニルウレア、N−(フェニル)−N’−{p−(4−
トルオイルアミノスルホニル)}フェニルウレア、N−
(フェニル)−N’−{p−(2−ナフトイルアミノス
ルホニル)}フェニルウレア、N−(フェニル)−N’
−{p−(4−ヒドロキシベンゾイルアミノスルホニ
ル)}フェニルウレア、N−(フェニル)−N’−{p
−(2−ヒドロキシベンゾイルアミノスルホニル)}フ
ェニルウレア、N−(フェニル)−N’−{p−(4−
メトキシベンゾイルアミノスルホニル)}フェニルウレ
ア、N−(フェニル)−N’−{p−(4−エトキシベ
ンゾイルアミノスルホニル)}フェニルウレア、N−
(フェニル)−N’−{p−(4−n−プロポキシベン
ゾイルアミノスルホニル)}フェニルウレア、N−(フ
ェニル)−N’−{p−(4−iso−プロポキシベン
ゾイルアミノスルホニル)}フェニルウレア、N−(フ
ェニル)−N’−{p−(4−ニトロベンゾイルアミノ
スルホニル)}フェニルウレア、N−(4−トルイル)
−N’−(p−ベンゾイルアミノスルホニル)フェニル
ウレア、N−(4−トルイル)−N’−{p−(4−ト
ルオイルアミノスルホニル)}フェニルウレア、N−
(4−トルイル)−N’−{p−(2−ナフトイルアミ
ノスルホニル)}フェニルウレア、N−(3−トルイ
ル)−N’−(p−ベンゾイルアミノスルホニル)フェ
ニルウレア、N−(3−トルイル)−N’−{p−(4
−トルオイルアミノスルホニル)}フェニルウレア、N
−(3−トルイル)−N’−{p−(3−トルオイルア
ミノスルホニル)}フェニルウレア、N−(3−トルイ
ル)−N’−{p−(2−トルオイルアミノスルホニ
ル)}フェニルウレア、N−(3−トルイル)−N’−
{p−(2−ナフトイルアミノスルホニル)}フェニル
ウレア、N−(4−トルイル)−N’−{p−(4−ヒ
ドロキシベンゾイルアミノスルホニル)}フェニルウレ
ア、N−(4−トルイル)−N’−{p−(2−ヒドロ
キシベンゾイルアミノスルホニル)}フェニルウレア、
N−(4−トルイル)−N’−{p−(4−メトキシベ
ンゾイルアミノスルホニル)}フェニルウレア、N−
(4−トルイル)−N’−{p−(4−ニトロベンゾイ
ルアミノスルホニル)}フェニルウレア、N−(フェニ
ル)−N’−{p−(4−トルオイルアミノスルホニ
ル)}フェニルチオウレア、N−(フェニル)−N’−
{p−(2−ナフトイルアミノスルホニル)}フェニル
チオウレア、N−(フェニル)−N’−{p−(4−ヒ
ドロキシベンゾイルアミノスルホニル)}フェニルチオ
ウレア、N−(フェニル)−N’−{p−(4−メトキ
シベンゾイルアミノスルホニル)}フェニルチオウレ
ア、N−(フェニル)−N’−{p−(4−ニトロベン
ゾイルアミノスルホニル)}フェニルチオウレア、N−
(4−トルイル)−N’−(p−ベンゾイルアミノスル
ホニル)フェニルチオウレア、N−(4−トルイル)−
N’−{p−(4−トルオイルアミノスルホニル)}フ
ェニルチオウレア、N−(4−トルイル)−N’−{p
−(3−トルオイルアミノスルホニル)}フェニルチオ
ウレア、N−(4−トルイル)−N’−{p−(2−ナ
フトイルアミノスルホニル)}フェニルチオウレア、N
−(3−トルイル)−N’−(p−ベンゾイルアミノス
ルホニル)フェニルチオウレア、N−(3−トルイル)
−N’−{p−(4−トルオイルアミノスルホニル)}
フェニルチオウレア、N−(3−トルイル)−N’−
{p−(3−トルオイルアミノスルホニル)}フェニル
チオウレア、N−(3−トルイル)−N’−{p−(2
−ナフトイルアミノスルホニル)}フェニルチオウレ
ア、N−(4−トルイル)−N’−{p−(4−ヒドロ
キシベンゾイルアミノスルホニル)}フェニルチオウレ
ア、N−(4−トルイル)−N’−{p−(4−メトキ
シベンゾイルアミノスルホニル)}フェニルチオウレ
ア、N−(4−トルイル)−N’−{p−(4−ニトロ
ベンゾイルアミノスルホニル)}フェニルチオウレア。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の感熱記録体を製造する方
法としては、例えば、支持体上に本発明で用いる特定の
中空重合体粒子を含有する中空重合体粒子を設け、さら
に、染料前駆体と顕色剤として一般式(1)で表される
少なくとも一種の化合物を、バインダーと共に各々分散
し、必要に応じて填料、滑剤、紫外線吸収剤、耐水化
剤、消泡剤等の助剤を添加することで記録層用の塗液を
作製し、前記中間層上に通常の方法で塗布、乾燥する方
法がある。中間層は、特定の中空重合体粒子をバインダ
ーに分散し、必要に応じて填料、耐水化剤、消泡剤等の
助剤を添加することで中間層用の塗液を作製し、支持体
上に通常の方法で塗布、乾燥する。本発明において、中
間層に含有される特定の中空重合体粒子は、一部を顔料
で置換することも可能である。顔料は一般によく知られ
ている無機顔料、有機顔料が使用できる。このような顔
料としては、アルミナ、水酸化マグネシウム、水酸化カ
ルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウ
ム、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリ
ン、ケイソウ土、タルク、酸化チタン、水酸化アルミニ
ウムなどの無機顔料、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン
−メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂、アミノ樹
脂フィラーなどの有機顔料などが挙げられる。これらの
各種顔料の中でも特に、焼成カオリンは断熱性に優れて
いるためより好ましく使用される。本発明の中間層に含
有される特定の構造を有する中空重合体粒子、顔料、バ
インダー、その他の各種成分の種類及び量は要求される
性能および記録適性に従って決定されるが通常、中空重
合体粒子と顔料の合計量は全固形分中70〜90重量
%、バインダーは10〜30重量%が適当である。中間
層の塗布量は、一般に2〜20g/m2、好ましくは4
〜10g/m2程度塗布される。本発明の感熱記録体に
使用する染料前駆体としては、従来の感圧あるいは感熱
記録紙分野で公知のものは全て使用可能であり、特に制
限されるものではないが、トリフェニルメタン系化合
物、フルオラン系化合物、フルオレン系、ジビニル系化
合物等が好ましい。以下に代表的な染料前駆体の具体例
を示す。また、これらの染料前駆体は単独または2種以
上混合して使用してもよい。
【0018】<トリフェニルメタン系ロイコ染料> 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
メチルアミノフタリド [別名クリスタルバイオレットラクトン] 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド
[別名マラカイトグリーンラクトン] <フルオラン系ロイコ染料> 3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメ
チルアニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラ
ン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフル
オロメチルアニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロア
ニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロア
ニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロ
アニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルア
ニリノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルア
ミノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアニリ
ノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアニ
リノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラ
ン 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオ
ラン 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−p−メチルアニ
リノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリ
ノフルオラン 3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン 3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン 3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルア
ニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フル
オラン 3−ジエチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フル
オラン 3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フ
ルオラン
【0019】3−ジエチルアミノ−ベンゾ[a]フルオ
ラン 3−ジエチルアミノ−ベンゾ[c]フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメ
チルアニリノ)フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロア
ニリノ)フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロア
ニリノ)フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロ
アニリノ)フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフル
オロメチルアニリノ)フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−クロロフルオラン 3−ジブチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリ
ノフルオラン 3−ジブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオ
ラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−p−メチルアニ
リノフルオラン 3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フル
オラン 3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フ
ルオラン 3−n−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン 3−n−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−(p−ク
ロロアニリノ)フルオラン 3−n−ジペンチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノ
フルオラン 3−n−ジペンチルアミノ−7−(p−クロロアニリ
ノ)フルオラン 3−n−ジペンチルアミノ−7−(m−トリフルオロメ
チルアニリノ)フルオラン 3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル
−7−アニリノフルオラン 3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−
メチル−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−
メチル−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−キシルアミノ)−6−メチル−
7−(p−クロロアニリノ)フルオラン 3−(N−エチル−p−トルイディノ)−6−メチル−
7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−クロ
ロ−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミ
ノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−エトキシプロピルアミノ)−6
−メチル−7−アニリノフルオラン 3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジメチルアミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジエチルアミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジプロピルアミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン
【0020】2−メチル−6−p−(p−ジメチルアミ
ノフェニル)アミノアニリノフルオラン 2−メトキシ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)アミノアニリノフルオラン 2−クロロ−3−メチル−6−p−(p−フェニルアミ
ノフェニル)アミノアニリノフルオラン 2−クロロ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 2−ニトロ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 2−アミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 2−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフ
ェニル)アミノアニリノフルオラン 2−フェニル−6−メチル−6−p−(p−フェニルア
ミノフェニル)アミノアニリノフルオラン 2−ベンジル−6−p−(p−フェニルアミノフェニ
ル)アミノアニリノフルオラン 2−ヒドロキシ−6−p−(p−フェニルアミノフェニ
ル)アミノアニリノフルオラン 3−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフ
ェニル)アミノアニリノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジブチルアミノフ
ェニル)アミノアニリノフルオラン 2,4−ジメチル−6−[(4−ジメチルアミノ)アニ
リノ]−フルオラン
【0021】<フルオレン系ロイコ染料> 3、6、6´−トリス(ジメチルアミノ)スピロ[フル
オレン−9,3´−フタリド] 3、6、6´−トリス(ジエチルアミノ)スピロ[フル
オレン−9,3´−フタリド] <ジビニル系ロイコ染料> 3,3−ビス−[2−(p−ジメチルアミノフェニル)
−2−(p−メトキシフェニル)エテニル]−4,5,
6,7−テトラブロモフタリド 3,3−ビス−[2−(p−ジメチルアミノフェニル)
−2−(p−メトキシフェニル)エテニル]−4,5,
6,7−テトラクロロフタリド 3,3−ビス−[1,1−ビス(4−ピロリジノフェニ
ル)エチレン−2−イル]−4,5,6,7−テトラブ
ロモフタリド 3,3−ビス−[1−(4−メトキシフェニル)−1−
(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル]−
4,5,6,7−テトラクロロフタリド <その他> 3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)
−4−アザフタリド 3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−
3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イ
ル)−4−アザフタリド 3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシ
フェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール
−3−イル)−4−アザフタリド 3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3
−イル)フタリド 3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(3
´−ニトロ)アニリノラクタム 3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4
´−ニトロ)アニリノラクタム 1,1−ビス−[2´,2´,2'',2''−テトラキス
−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル]−2,
2−ジニトリルエタン 1,1−ビス−[2´,2´,2'',2''−テトラキス
−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル]−2−
β−ナフトイルエタン 1,1−ビス−[2´,2´,2'',2''−テトラキス
−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル]−2,
2−ジアセチルエタン ビス−[2,2,2´,2´−テトラキス−(p−ジメ
チルアミノフェニル)−エテニル]−メチルマロン酸ジ
メチルエステル
【0022】本発明においては、上記課題に対する所望
の効果を阻害しない範囲で、染料前駆体を発色させる従
来公知の顕色剤を併用することができる。ただし、極め
て少量の添加が望ましく、一般式(1)または(2)で
表される化合物に対し従来公知の顕色剤は0.01〜
0.9部程度である。かかる顕色剤としては、例えば、
特開平3−207688号、特開平5−24366号公
報等に記載のビスフェノールA類、4−ヒドロキシ安息
香酸エステル類、4−ヒドロキシフタル酸ジエステル
類、フタル酸モノエステル類、ビス−(ヒドロキシフェ
ニル)スルフィド類、4−ヒドロキシフェニルアリール
スルホン類、4−ヒドロキシフェニルアリールスルホナ
ート類、1,3−ジ[2−(ヒドロキシフェニル)−2
−プロピル]−ベンゼン類、4−ヒドロキシベンゾイル
オキシ安息香酸エステル、ビスフェノールスルホン類が
例示される。以下に、具体例を示す。 <ビスフェノールA類> 4,4′−イソプロピリデンジフェノール(別名:ビス
フェノールA) 4,4′−シクロヘキシリデンジフェノール p,p′−(1−メチル−ノルマルヘキシリデン)ジフ
ェノール 1,7−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−
ジオキサヘプタン <4−ヒドロキシ安息香酸エステル類> 4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル 4−ヒドロキシ安息香酸エチル 4−ヒドロキシ安息香酸プロピル 4−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル 4−ヒドロキシ安息香酸ブチル 4−ヒドロキシ安息香酸イソブチル 4−ヒドロキシ安息香酸メチルベンジル <4−ヒドロキシフタル酸ジエステル類> 4−ヒドロキシフタル酸ジメチル 4−ヒドロキシフタル酸ジイソプロピル 4−ヒドロキシフタル酸ジベンジル 4−ヒドロキシフタル酸ジヘキシル
【0023】<フタル酸モノエステル類> フタル酸モノベンジルエステル フタル酸モノシクロヘキシルエステル フタル酸モノフェニルエステル フタル酸モノメチルフェニルエステル フタル酸モノエチルフェニルエステル フタル酸モノプロピルベンジルエステル フタル酸モノハロゲンベンジルエステル フタル酸モノエトキシベンジルエステル <ビス−(ヒドロキシフェニル)スルフィド類> ビス−(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−6−
メチルフェニル)スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)
スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2−メチル−5−エチルフェ
ニル)スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2−メチル−5−イソプロピ
ルフェニル)スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2,3−ジメチルフェニル)
スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)
スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2,5−ジイソプロピルフェ
ニル)スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルフェ
ニル)スルフィド ビス−(2,4,5−トリヒドロキシフェニル)スルフ
ィド ビス−(4−ヒドロキシ−2−シクロヘキシル−5−メ
チルフェニル)スルフィド ビス−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)スルフ
ィド ビス−(4,5−ジヒドロキシ−2−tert−ブチル
フェニル)スルフィドビス−(4−ヒドロキシ−2,5
−ジフェニルフェニル)スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2−tert−オクチル−5
−メチルフェニル)スルフィド
【0024】<4−ヒドロキシフェニルアリールスルホ
ン類> 4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスル
ホン 4−ヒドロキシ−4′−プロポキシジフェニルスルホン 4−ヒドロキシ−4′−n−ブチルオキシジフェニルス
ルホン 4−ヒドロキシ−4′−n−プロポキシジフェニルスル
ホン <4−ヒドロキシフェニルアリールスルホナート類> 4−ヒドロキシフェニルベンゼンスルホナート 4−ヒドロキシフェニル−p−トリルスルホナート 4−ヒドロキシフェニルメチレンスルホナート 4−ヒドロキシフェニル−p−クロルベンゼンスルホナ
ート 4−ヒドロキシフェニル−p−tert−ブチルベンゼ
ンスルホナート 4−ヒドロキシフェニル−p−イソプロポキシベンゼン
スルホナート 4−ヒドロキシフェニル−1′−ナフタリンスルホナー
ト 4−ヒドロキシフェニル−2′−ナフタリンスルホナー
ト <1,3−ジ[2−(ヒドロキシフェニル)−2−プロ
ピル]ベンゼン類> 1,3−ジ[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プ
ロピル]ベンゼン 1,3−ジ[2−(4−ヒドロキシ−3−アルキルフェ
ニル)−2−プロピル]ベンゼン 1,3−ジ[2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−
2−プロピル]ベンゼン 1,3−ジ[2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)−2−プロピル]ベンゼン <レゾルシノール類> 1,3−ジヒドロキシ−6(α,α−ジメチルベンジ
ル)−ベンゼン <4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸エステル> 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸ベンジル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸メチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸エチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸プロピル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸ブチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸イソプロピル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸tert−ブ
チル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸ヘキシル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸オクチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸ノニル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸シクロヘキシ
ル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸β−フェネチ
ル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸フェニル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸α−ナフチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸β−ナフチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸sec−ブチ
【0025】<ビスフェノールスルホン類(I)> ビス−(3−1−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチル
フェニル)スルホン ビス−(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン ビス−(3−プロピル−4−ヒドロキシフェニル)スル
ホン ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン ビス−(2−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)
スルホン ビス−(2−エチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン ビス−(3−クロル−4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン ビス−(2,3−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)
スルホン ビス−(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)
スルホン ビス−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)スル
ホン 4−ヒドロキシフェニル−2′−エチル−4′−ヒドロ
キシフェニルスルホン 4−ヒドロキシフェニル−2′−イソプロピル−4′−
ヒドロキシフェニルスルホン 4−ヒドロキシフェニル−3′−イソプロピル−4′−
ヒドロキシフェニルスルホン 4−ヒドロキシフェニル−3′−secブチル−4′−
ヒドロキシフェニルスルホン 3−クロル−4−ヒドロキシフェニル−3′−イソプロ
ピル−4′−ヒドロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−4′−ヒド
ロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−アミノフェニル−4′−ヒド
ロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−イソプロピルフェニル−4′
−ヒドロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル−4′−ヒ
ドロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−3′−クロ
ル−4′−ヒドロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−3′−メチ
ル−4′−ヒドロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−3′−イソ
プロピル−4′−ヒドロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−2′−メチ
ル−4′−ヒドロキシフェニルスルホン
【0026】<ビスフェノールスルホン類(II)> 4,4′−スルホニルジフェノール 2,4′−スルホニルジフェノール 3,3′−ジクロル−4,4′−スルホニルジフェノー
ル 3,3′−ジブロモ−4,4′−スルホニルジフェノー
ル 3,3′,5,5′−テトラブロモ−4,4′−スルホ
ニルジフェノール 3,3′−ジアミノ−4,4′−スルホニルジフェノー
ル <その他> p−tert−ブチルフェノール 2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン ノボラック型フェノール樹脂 4−ヒドロキシアセトフェノン p−フェニルフェノール ベンジル−4−ヒドロキシフェニルアセテート p−ベンジルフェノール また、本発明においては、上記課題に対する所望の効果
を阻害しない範囲で、従来公知の増感剤を使用すること
ができる。かかる増感剤としては、ステアリン酸アミ
ド、パルミチン酸アミド、エチレンビスアミド、モンタ
ン酸ワックス、ポリエチレンワックス、1,2−ジ−
(3−メチルフェノキシ)エタン、p−ベンジルビフェ
ニル、β−ベンジルオキシナフタレン、4−ビフェニル
−p−トリルエーテル、m−ターフェニル、1,2−ジ
フェノキシエタン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ
(p−クロロベンジル)、シュウ酸ジ(p−メチルベン
ジル)、テレフタル酸ジベンジル、p−ベンジルオキシ
安息香酸ベンジル、ジ−p−トリルカーボネート、フェ
ニル−α−ナフチルカーボネート、1,4−ジエトキシ
ナフタレン、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル
エステル、o−キシレリン−ビス−(フェニルエ−テ
ル)、4−(m−メチルフェノキシメチル)ビフェニ
ル、p−トルエンスルホンアミドやo−トルエンスルホ
ンアミド等の芳香族系スルホンアミド化合物を例示する
ことができるが、特に、これらに制限されるものではな
い。これらの増感剤は単独または2種以上混合して使用
してもよい。本発明で使用するバインダーとしては、重
合度が200〜1900の完全ケン化ポリビニルアルコ
ール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変
性ポリビニルアルコール、アマイド変性ポリビニルアル
コール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラ
ール変性ポリビニルアルコールなどの変性ポリビニルア
ルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロ
ース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、アセチルセルロースなどのセルロース誘導体、スチ
レン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン
共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアク
リルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルブチ
ラール、ポリスチロール及びそれらの共重合体、ポリア
ミド樹脂、シリコン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケ
トン樹脂、クマロン樹脂を例示することができる。これ
らの高分子物質は水、アルコール、ケトン、エステル、
炭化水素等の溶剤に溶かして使用するほか、水または他
の媒体中乳化またはペースト状に分散した状態で使用
し、要求品質に応じて併用することもできる。また、本
発明においては、上記課題に対する所望の効果を阻害し
ない範囲で、記録画像の耐油性効果などを示す公知の安
定剤であるp−ニトロ安息香酸金属塩(Ca,Zn)、
または、フタル酸モノベンジルエステル金属塩(Ca,
Zn)を添加することも可能である。
【0027】本発明で使用することができる填料として
は、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリ
ン、ケイソウ土、タルク、酸化チタン、酸化亜鉛、水酸
化アルミニウム、ポリスチレン樹脂、尿素−ホルマリン
樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−ブ
タジエン共重合体や、中空プラスチックピグメントなど
の無機または有機充填剤などが挙げられる。このほかに
脂肪酸金属塩などの離型剤、ワックス類などの滑剤、ベ
ンゾフェノン系やトリアゾール系の紫外線吸収剤、グリ
オキザールなどの耐水化剤、分散剤、消泡剤、酸化防止
剤、蛍光染料などを使用することができる。支持体とし
ては、紙、合成紙、プラスチックフィルム、不織布、金
属箔等が使用可能であり、また、これらを組み合わせた
複合シートを使用してもよい。本発明の感熱記録体に使
用する染料前駆体と顕色剤の量、その他の各種成分の種
類及び量は要求される性能及び記録適性に従って決定さ
れ、特に限定されるものではないが、通常、染料前駆体
1部に対して、一般式(1)又は(2)で表される顕色
剤1〜8部、填料1〜20部を使用し、バインダーは全
固形分中10〜25%が適当である。顕色剤、染料前駆
体並びに必要に応じて添加する材料はボールミル、アト
ライター、サンドグラインダーなどの粉砕機あるいは適
当な乳化装置によって数ミクロン以下の粒子径になるま
で微粒化し、バインダー及び目的に応じて各種の添加材
料を加えて塗液とする。塗布法としては、手塗り、サイ
ズプレスコーター法、ロールコーター法、エアナイフコ
ーター法、ブレンドコーター法、フローコーター法、コ
ンマダイレクト法、グラビアダイレクト法、グラビアリ
バース法、リバース・ロールコーター法等が挙げられ
る。又、噴霧、吹付け又は浸漬後、乾燥してもよい。本
発明の感熱記録体においては、さらに、保存性を高める
目的で高分子物質等のオーバーコート層を感熱記録層上
に設けることもできる。本発明の感熱記録体は、その感
熱記録層等に光を吸収して熱に変換する光吸収剤を含有
させて、光記録可能な感熱記録体とすることができる。
本発明の記録体に使用する光を熱に変換する光吸収剤と
しては、各種光源の発光波長を吸収する物質であればよ
く、各種染料、各種顔料、近赤外吸収剤等が使用でき、
特に限定されるものではない。
【0028】
【実施例】以下に本発明を実施例によって説明する。
尚、説明中、部及び%は重量基準を示す。 [中空重合体粒子の製造例1]メチルメタクリレート
(MMA)60%、ブチルアクリレート(BA)5%及
びメタクリル酸(MAA)35%からなる、核重合体形
成用の単量体混合物(a)1部、乳化剤(DBS)0.
005部及びイオン交換水0.8部を攪拌下混合してエ
マルジョン(イ)を調製した。別に、MMA70%、B
A10%及びMAA20%からなる、芯重合体形成用単
量体混合物(b)10部、乳化剤(DBS)0.05部
およびイオン交換水8部を攪拌下に混合してエマルジョ
ン(ロ)を調製した。又、MMA78%、BA16%、
およびMAA6%からなる中間層重合体形成用の単量体
(c)25部、乳化剤(DBS)0.1部およびイオン
交換水35部を攪拌下に混合してエマルジョン(ハ)を
調製した。さらに、スチレン(ST)36.9部、乳化
剤(DBS)0.3部およびイオン交換水16部を攪拌
下に混合して多層重合体形成用のエマルジョン(ニ)を
調製した。また、ST96.9%およびMAA3.1%
からなる、最外層重合体形成用の単量体混合物(d)3
8.1部、乳化剤(DBS)0.3部およびイオン交換
水16部を攪拌下に混合してエマルジョン(ホ)を調製
した。攪拌装置、環流冷却管、温度計、分液ロートを取
り付けた反応器に、イオン交換水2.8部、粒子径35
nm、固形分濃度12%のアクリルシード系ラテックス
0.04部(固形分換算)を仕込み、80℃まで昇温し
た。ついで、過硫酸カリウム(KPS)3%水溶液0.
17部を分液ロートより添加し、エマルジョン(イ)を
4時間かけて連続的に添加し、その後さらに1時間重合
して核重合体エマルジョンを得た。単量体混合物(イ)
の重合体転化率は99%であった。次いで、イオン交換
水28部、KPS3%水溶液1.7部を添加した後、エ
マルジョン(ロ)を上記反応器に3時間かけて連続的に
添加した。添加後、さらに2時間重合して芯層重合体を
形成した。単量体混合物(ロ)の重合転化率は99%で
あった。
【0029】次いで、イオン交換水を240部、KPS
3%水溶液6.7部を添加した後、エマルジョン(ハ)
を上記反応器に4時間かけて連続的に添加した。添加
後、さらに2時間重合して中間層重合体を形成した。単
量体混合物(ハ)の重合転化率は99%であった。さら
に、85℃に昇温し、KPS3%水溶液6.7部を添加
した後、エマルジョン(ニ)を上記反応器に1.5時間
かけて連続的に添加した。添加後、さらに1時間重合し
て外層重合体を形成した。単量体混合物(ニ)の重合転
化率は99%であった。上記で得た重合体粒子を含有す
るラテックスに、水酸化ナトリウム10%水溶液9部を
分液ロートから滴下し、その後30分、85℃に加熱を
続けて塩基処理を行った。この段階でラテックスの一部
を採取し、室温でラテックスのpHを測定したところ、
8.7であった。次に、KPS3%水溶液10部を添加
し、ついでエマルジョン(ホ)を上記反応器に1.5時
間かけて連続的に添加した。添加後、さらに2時間重合
して最外層重合体が形成された重合体粒子を含有するラ
テックスを得た。単量体混合物(ホ)の重合体転化率は
99%であった。次に、上記重合体粒子を含有するラテ
ックスを入り口温度160℃のスプレー乾燥機で乾燥し
て(出口温度は60℃であった。)、重合体粒子を得
た。得られた重合体粒子の走査型電子顕微鏡写真(SE
M)を図2に示す。SEMにより、得られた重合体粒子
の形状を観察したところ、平均最大直径890nmの球
状粒子の一部が凹面部を形成しているお椀型粒子であ
り、凹面部の開口部の平均直径は690nmであった。 [中空重合体粒子の製造例2]アクリル系シードラテッ
クスの使用量を0.0048部とし、核重合体形成用単
量体混合物(a)の使用量を0.12部とし、芯用重合
体形成用単量体混合物の(b)の組成をMMA60%、
BA10%およびMAA30%、使用量を3部とした他
は、製造例1と同様にして、重合体粒子を製造した。生
成物は平均最大直径1390nmの球状粒子の一部が凹
面部を形成しているお椀型粒子であり、開口部の直径は
1100nmであった。
【0030】<<感熱記録体の製造;実施例1〜18、
比較例1〜8>>以下に本発明の感熱記録体を実施例に
よって説明する。尚、説明中、部及び%はそれぞれ重量
部及び重量%を示す。各種溶液、分散液、あるいは塗液
を以下のように調製した。 [実施例1〜6]実施例1〜6は、本発明の感熱記録体
に、顕色剤として下記に示す化合物a、b、c、d、
e、又はf、染料前駆体として、3−ジエチルアミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン(以下ODBとす
る)、中間層に製造例1で調製した中空重合体粒子を使
用した例である。 (使用した顕色剤) 化合物a:N−(ベンゼンスルホニル)−p−(フェニ
ルウレイレン)ベンズアミド 化合物b:N−(4−トルエンスルホニル)−p−(フ
ェニルウレイレン)ベンズアミド 化合物c:N−(ベンゼンスルホニル)−p−(フェニ
ルチオウレイレン)ベンズアミド 化合物d:N−(4−トルエンスルホニル)−p−(フ
ェニルチオウレイレン)ベンズアミド 化合物e:N−(フェニル)−N’−{p−(ベンゾイ
ルアミノスルホニル)}フェニルウレア 化合物f:N−(フェニル)−N’−{p−(ベンゾイ
ルアミノスルホニル)}フェニルチオウレア 下記配合からなる配合物を攪拌分散して、中間層塗液
(U液)を調製した。 U液(中間層塗液) 製造例1で調製した中空重合体粒子 100部 スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(固形分48%) 11部 10%ポリビニルアルコール水溶液 10部 水 150部
【0031】次いで、中間層塗液(U液)を支持体(6
0g/m2の基紙)の片面に塗布した後、乾燥を行い、
塗布量8.0g/m2の中間層を得た。下記配合の顕色
剤分散液(D液)、及び染料前駆体分散液(L液)を、
それぞれ別々にサンドグラインダーで平均粒子径1ミク
ロンになるまで湿式磨砕を行った。 D液(顕色剤分散液) 一般式(1)又は(2)の顕色剤 6.0部 10%ポリビニルアルコール水溶液 18.8部 水 11.2部 L液(染料前駆体分散液) 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(ODB) 2.0部 10%ポリビニルアルコール水溶液 4.6部 水 2.6部 次いで下記の割合で分散液を混合して記録層の塗液とした。 記録層塗液 D液(顕色剤分散液) 36.0部 L液(染料前駆体分散液) 9.2部 カオリンクレー(50%分散液) 12.0部 次いで、記録層塗液を前記中間層形成紙の中間層上に塗
布した後、乾燥を行い、このシートをスーパーカレンダ
ーで平滑度が500〜600秒になるように処理し、塗
布量6.0g/m2の記録層を得た。
【0032】[実施例7〜10]実施例7〜10は、顕
色剤として化合物b、染料前駆体としてODB以外の下
記に示す染料前駆体、中間層に製造例1で調製した中空
重合体粒子を使用した例である。 (染料前駆体) ODB−2;3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン(実施例7) PSD−170;3−ピロリジノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン(実施例8) BLACK100;3−ジエチルアミノ−7−(m−ト
リフルオロメチルアニリノ)フルオラン(実施例9) CVL;3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)
−6−ジメチルアミノフタリド(実施例10) 実施例1〜6と同様にして化合物bの顕色剤分散液を処
理した。ODB以外の染料前駆体の分散液(D液)は、
それぞれ別々にサンドグラインダーで平均粒径1ミクロ
ンになるまで湿式磨砕を行った。 L2液(ODB以外の染料前駆体分散液) 前記の染料前駆体 2.0部 10%ポリビニルアルコール水溶液 4.6部 水 2.6部 次いで下記の割合で分散液を混合、攪拌し、塗液を調製した。 D液(顕色剤、化合物b分散液 ) 36.0部 L2液(ODB以外の染料前駆体分散液) 9.2部 カオリンクレー(50%分散液) 2.0部 次いで、記録層塗液を実施例1〜6と同様の中間層形成
紙の中間層上に塗布した後、乾燥を行い、このシートを
スーパーカレンダーで平滑度が500〜600秒になる
ように処理し、塗布量6.0g/m2の記録層を得た。
【0033】[実施例11、12]実施例11、12
は、顕色剤として化合物a、又は化合物b、染料前駆体
としてODB、中間層に製造例2で調製した中空重合体
粒子を使用した例である。下記配合からなる配合物を攪
拌分散して、中間層塗液(U2液)を調製した。 U2液(中間層塗液) 製造例2で調製した中空重合体粒子 100部 スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(固形分48%) 11部 10%ポリビニルアルコール水溶液 10部 水 150部 次いで、中間層塗液(U2液)を支持体(60g/m2
基紙)の片面に塗布した後、乾燥を行い、塗布量8.0
g/m2の中間層を得た。実施例1〜6と同様にして顕
色剤分散液及びODB分散液を処理し、次いで下記の割
合で分散液を混合、攪拌し、塗液を調製した。 D液(顕色剤分散液) 36.0部 L液(染料前駆体[ODB]分散液) 9.2部 カオリンクレー(50%分散液) 12.0部 次いで、記録層塗液を前記中間層形成紙の中間層上に塗
布した後、乾燥を行い、このシートをスーパーカレンダ
ーで平滑度が500〜600秒になるように処理し、塗
布量6.0g/m2の記録層を得た。 [実施例13]実施例13は、顕色剤としてa及びb、
染料前駆体としてODB、中間層に製造例1で調製した
中空重合体粒子を使用した例である。実施例1〜6と同
様にして化合物a及びbの顕色剤分散液、ODB分散液
を処理した。次いで下記の割合で分散液を混合、攪拌
し、塗液を調製した。 D液(顕色剤[化合物a]分散液) 18.0部 D液(顕色剤[化合物b]分散液) 18.0部 L液(染料前駆体[ODB]分散液) 9.2部 カオリンクレー(50%分散液) 12.0部 次いで、記録層塗液を実施例1〜6と同様の中間層形成
紙の中間層上に塗布した後、乾燥を行い、このシートを
スーパーカレンダーで平滑度が500〜600秒になる
ように処理し、塗布量6.0g/m2の記録層を得た。
【0034】[実施例14]実施例14は、顕色剤とし
てb、染料前駆体としてODB及びPSD−170、中
間層に製造例1で調製した中空重合体粒子を使用した例
である。実施例1〜10と同様にして化合物bの顕色剤
分散液、ODB及びPSD−170の分散液を処理し
た。次いで下記の割合で分散液を混合、攪拌し、塗液を
調製した。 D液(顕色剤[化合物b]分散液) 36.0部 L液(染料前駆体[ODB]分散液) 4.6部 L2液(染料前駆体[PSD−170] 4.6部 カオリンクレー(50%分散液) 12.0部 次いで、記録層塗液を実施例1〜6と同様の中間層形成
紙の中間層上に塗布した後、乾燥を行い、このシートを
スーパーカレンダーで平滑度が500〜600秒になる
ように処理し、塗布量6.0g/m2の記録層を得た。 [実施例15]実施例15は、顕色剤として化合物b、
染料前駆体として、3−ジエチルアミノ−6−メチル−
7−アニリノフルオラン(以下ODBとする)、中間層
に製造例1及び製造例2で調製した中空重合体粒子を使
用した例である。下記配合からなる配合物を攪拌分散し
て、中間層塗液(U液)を調製した。 U3液(中間層塗液) 製造例1で調製した中空重合体粒子 50部 製造例2で調製した中空重合体粒子 50部 スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(固形分48%) 11部 10%ポリビニルアルコール水溶液 10部 水 150部 次いで、中間層塗液(U3液)を支持体(60g/m2
基紙)の片面に塗布した後、乾燥を行い、塗布量8.0
g/m2の中間層を得た。記録層は、実施例1〜6と同
様にして作製した。
【0035】[実施例16]実施例16は、顕色剤とし
て化合物b、染料前駆体として、3−ジエチルアミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン(以下ODBとす
る)、中間層に製造例1で調製した中空重合体粒子及び
焼成カオリンを使用した例である。下記配合からなる配
合物を攪拌分散して、中間層塗液(U液)を調製した。 U3液(中間層塗液) 製造例1で調製した中空重合体粒子 50部 焼成カオリン 50部 スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(固形分48%) 11部 10%ポリビニルアルコール水溶液 10部 水 150部 次いで、中間層塗液(U3液)を支持体(60g/m2
基紙)の片面に塗布した後、乾燥を行い、塗布量8.0
g/m2の中間層を得た。記録層は、実施例1〜6と同
様にして作製した。 [実施例17、18]実施例17、18は、本発明の感
熱記録体に、顕色剤として化合物b、染料前駆体とし
て、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン(以下ODBとする)、増感剤として4−ビフ
ェニル−p−トリルエーテル(実施例17)、またはp
−トルエンスルホンアミド(実施例18)、中間層に製
造例1で調製した中空重合体粒子を使用した例である。
下記配合の増感剤分散液(S液)を、それぞれ別々にサ
ンドグラインダーで平均粒子径1ミクロンになるまで湿
式磨砕を行った。 S液(増感剤分散液) 前記増感剤 2.0部 10%ポリビニルアルコール水溶液 2.5部 水 1.5部 次いで下記の割合で分散液を混合して記録層の塗液とした。 記録層塗液 D液(顕色剤分散液) 36.0部 L液(染料前駆体分散液) 9.2部 S液(増感剤分散液) 6.0部 カオリンクレー(50%分散液) 12.0部 次いで、記録層塗液を実施例1〜6と同様の中間層形成
紙の中間層上に塗布した後、乾燥を行い、このシートを
スーパーカレンダーで平滑度が500〜600秒になる
ように処理し、塗布量6.0g/m2の記録層を得た。
【0036】[比較例1]比較例1は、実施例2の中間
層の無い例である。実施例2の記録層塗液をそのまま支
持体(60g/m2の基紙)の片面に塗布した後、乾燥
を行い、塗布量6.0g/m2の記録層を得た。 [比較例2、3]比較例2及び3は、それぞれ実施例1
7及び18の中間層の無い例である。実施例17、及び
18の記録層塗液をそのまま支持体(60g/m2の基
紙)の片面に塗布した後、乾燥を行い、塗布量6.0g
/m2の記録層を得た。 [比較例4〜6]比較例4〜6は、実施例2の中間層に
使用した製造例1で調製した中空重合体粒子を下記の各
粒子に同じ添加量で置き換えた例である。 比較例4:焼成カオリン 比較例5:密実型スチレン重合体粒子 比較例6:スチレン・アクリレート共重合体中空粒子 [比較例7、8]比較例7、8は、実施例2の顕色剤
を、下記の顕色剤に置き換えた例である。 比較例7:4,4´−イソプロピリデンジフェノール
(別名BPA) 比較例8:4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフ
ェニルスルホン(別名D−8) 下記配合の顕色剤分散液(D2液)を、サンドグライン
ダーで平均粒子径1ミクロンになるまで湿式磨砕を行っ
た。 D2液(顕色剤分散液) 顕色剤(BPA、又はD−8) 6.0部 10%ポリビニルアルコール水溶液 18.8部 水 11.2部 次いで下記の割合で分散液を混合して記録層の塗液とした。 記録層塗液 D2液(顕色剤分散液) 36.0部 L液(染料前駆体分散液) 9.2部 カオリンクレー(50%分散液) 12.0部 次いで、記録層塗液を実施例1〜6と同様の中間層形成
紙の中間層上に塗布した後、乾燥を行い、このシートを
スーパーカレンダーで平滑度が500〜600秒になる
ように処理し、塗布量6.0g/m2の記録層を得た。
【0037】<<感熱記録体の評価;実施例1〜18、
比較例1〜8>>実施例1〜18及び比較例1〜8の感
熱記録体について下記の試験を行い、その結果を表1に
示した。 [感熱記録性テスト(動的発色濃度)]大倉電気社製の
TH−PMD(感熱記録紙印字試験機、京セラ社製サー
マルヘッド装着)を使用し、印加エネルギー0.30m
j/dot及び0.38mj/dotで、作製した感熱
記録体に感熱記録を行った(以下に示す感熱記録は全て
同じ条件)。記録部の記録濃度は、マクベス濃度計(R
D−914、アンバーフィルター使用、以下全て同じ条
件)で測定した。本発明の化合物を顕色剤に使用した実
施例1〜18の感熱記録体は、プリンターにより十分な
記録濃度が得られた。 [耐可塑剤性テスト]紙管に塩ビラップ(三井東圧製ハ
イラップKMA)を1重に巻き付け、この上に前記プリ
ンター(0.38mj/dot)により記録した感熱記
録体を貼り付け、更にこの上に塩ビラップを3重に巻き
付けたものを40℃4時間放置した後、画像部及び地色
部のマクベス濃度を測定した。本発明の実施例1〜18
の感熱記録体では、記録画像はほぼ残存しており、地色
部の発色も起こらなかった。 [カス付着の確認]大倉電気社製のTH−PMD(感熱
記録紙印字試験機、京セラ社製サーマルヘッド装着)を
使用し、印加エネルギー0.41mj/dotで、ベタ
黒記録をB4サイズで20枚行い、サーマルヘッドに付
着したカスの量を目視により観察した。 A:カス付着無し B:カス付着がやや認められる C:カス付着あり 本発明の実施例1〜18の感熱記録体では、サーマルヘ
ッドへのカス付着は認められなかった。 [スティック現象の確認]大倉電気社製のTH−PMD
(感熱記録紙印字試験機、京セラ社製サーマルヘッド装
着)を使用し、印加エネルギー0.41mj/dot
で、ベタ黒記録を行い、記録面の白抜け及びスティック
音を確認した。 A:記録面の白抜け及びスティック音が全くない B:スティック音がややする C:記録面の白抜けがあり及びスティック音が激しい 本発明の実施例1〜18の感熱記録体では、記録面の白
抜け及びスティック音は認められなかった。 [耐擦過性の確認(擦れ発色試験)]直径5cmの面を
もつ円筒(重量1kg)を、作製した感熱記録体の記録
面上で40cm/secの速度で20cm同一面を30
回移動させた後、擦れ発色の度合いを目視により観察し
た。本発明の実施例1〜18の感熱記録体では、擦れ発
色はほとんど認められなかった。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明の感熱記録体は、中空重合体粒子
の一部を平面で裁断して得られる開口部を有する中空重
合体粒子を成分として構成される中間層を設けたことに
より、顕色剤である一般式(1)または(2)で示され
る化合物の特性である可塑剤性等の画像安定性を維持し
つつ、記録感度に優れ、サーマルヘッドへのカス付着や
スティッキングが生じ難く、さらに耐擦過性にも優れた
感熱記録体となっている。本発明の効果をまとめると次
の諸点が挙げられる。 (1)本発明の感熱記録体は、比較的低いエネルギーで
感熱記録が可能でありながら、日常使用されるラップフ
ィルム等に含有されている可塑剤と接触しても、記録画
像が消色せず実用性に富み、また、地色部の着色も起こ
らないので外観を損なうことがない。 (2)オーバーコート層を設けなくとも、カス付着、ス
ティッキング現象、又は擦れ発色が起きないため、経済
性に優れた塗工が行える。 (3)カス付着、スティッキング現象が起きないため、
サーマルヘッドが長時間使用可能である。 (4)耐擦過性にも優れているため、屋外用途にも使用
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で用いられる中空重合体粒子の一例を
模式的に表したものであり、開口面に垂直で粒子の中心
を通る断面を示す。
【図2】 製造例1において得られた中空重合体粒子の
走査電子顕微鏡写真(SEM)を示す。
【符号の説明】 p 二重円の外側の円 D 二重円の外側の円pの最大径 H 外側の円弧上の任意の点から直線mへ引いた垂線の
長さ Hmax Hの最大値 d 開口部における二重円内側の肉厚部を含まない相当
半径
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年11月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】一方、本発明に顕色剤として使用する一般
式(1)または(2)で表される化合物は、その融点の
高さからスティッキング現象を起こし易い。特に、従来
の微小中空粒子等を含有する中間層を設けた場合は、サ
ーマルヘッドと感熱記録体との密着性が高められるゆえ
に、逆に強いスティッキング現象を引き起こす。しか
し、本発明の特定の中空重合体粒子を含有した中間層を
設けた感熱記録体では、スティッキング現象は認められ
ない。この理由は明らかではないが、一因として、本発
明の中空重合体粒子による熱溶融物(発色成分等)の高
い吸収性が考えられる。記録時にスティッキング現象を
起こし易い一般式(1)または(2)の化合物は、その
他の発色成分と共に熱溶融物となって中間層側へ瞬時に
移動し、熱溶融物はサーマルヘッドに貼り付くことがな
い。また、スティッキング現象を軽減させるために通常
離型剤を添加することが知られており、これを多く添加
するとカス付着が生じるが、本発明では間層の吸着機
能によりカス付着は抑制される。本発明で用いる一般式
(1)または(2)の化合物は、増感剤を含有したり一
般的な中間層を設けて記録感度を向上させた場合、耐擦
過性は悪化する傾向がある。しかし、本発明で用いる特
定の中空重合体粒子を成分として構成される中間層を設
けた場合には、擦過性に対して耐性を示す。この理由に
ついては明確に解明されていないが、次のように推定さ
れる。擦れ発色は、サーマルヘッドによる熱溶融反応と
は異なり、感熱記録層の厚さ方向において、記録層の表
面の薄い部分に発色反応が起きている現象だと考えられ
る。ここで本発明の中間層を設けた感熱記録体では、ク
ッション性による擦れ発色の軽減と共に、擦れにより熱
溶融した記録層の表面の薄い発色部分が中間層側へ瞬時
に移動するために、感熱記録体の表面から見たとき擦れ
による発色が抑えられていると思われる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 脇田 豊 東京都新宿区上落合1丁目30番6号 日本 製紙株式会社商品開発研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、中間層、および無色ないし
    淡色の塩基性無色染料と該塩基性無色染料と反応して発
    色させる顕色剤とを主成分として含有する記録層を設け
    た感熱記録体において、該中間層が、中空重合体粒子の
    一部を平面で裁断して得られるような開口部を有する中
    空重合体粒子を含有し、且つ前記顕色剤が下記一般式
    (1)または(2)で表される少なくとも1種の化合物
    であることを特徴とする感熱記録体。 【化1】 (式中Aは、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数
    1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基を表わ
    す。また式中R1、R2、R3は、水素原子、炭素数1〜
    4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロ
    キシ基、ニトロ基を示す。またR1とR2は互いに結合し
    芳香環を形成しても良い。またYは硫黄原子または酸素
    原子である。) 【化2】 (式中Bは、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数
    1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基を表わ
    す。また式中R1、R2、R3は、水素原子、炭素数1〜
    4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロ
    キシ基、ニトロ基を示す。またR1とR2は互いに結合し
    芳香環を形成しても良い。またYは硫黄原子または酸素
    原子である。)
  2. 【請求項2】 前記中間層に含有される中空重合体粒子
    が、球状中空重合体粒子の一部を平面で裁断して得られ
    るような開口部を有するお椀型状であり、その裁断面に
    垂直で球状中空重合体粒子の中心を通る断面は二重円の
    一部を直線で切り取った形状をなし、該断面の外側の円
    弧から上記直線へ引いた垂線の長さの最大値が前記二重
    円の外側の円の最大径の半分と等しいか又はより大きい
    ことを特徴とする請求項1記載の感熱記録体。
JP9092872A 1997-03-28 1997-03-28 感熱記録体 Pending JPH10272842A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9092872A JPH10272842A (ja) 1997-03-28 1997-03-28 感熱記録体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9092872A JPH10272842A (ja) 1997-03-28 1997-03-28 感熱記録体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10272842A true JPH10272842A (ja) 1998-10-13

Family

ID=14066537

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9092872A Pending JPH10272842A (ja) 1997-03-28 1997-03-28 感熱記録体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10272842A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022255256A1 (ja) * 2021-05-31 2022-12-08 三菱ケミカル株式会社 可逆熱変色性組成物、該可逆熱変色性組成物を用いた筆記具及び玩具

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022255256A1 (ja) * 2021-05-31 2022-12-08 三菱ケミカル株式会社 可逆熱変色性組成物、該可逆熱変色性組成物を用いた筆記具及び玩具

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3478198B2 (ja) 感熱記録体
KR20040075074A (ko) 감열 기록체
JPH10272848A (ja) 感熱記録体
JP2967708B2 (ja) 感熱記録体
JP2002200846A (ja) 感熱記録体
EP0585127B1 (en) Thermal Recording sheet
JPH10272842A (ja) 感熱記録体
US5747414A (en) Thermal recording sheet
JP3306492B2 (ja) 感熱記録体
JP2012076228A (ja) 感熱記録体
JPH10264534A (ja) 感熱記録体
JP3603738B2 (ja) 感熱記録体
JP4999358B2 (ja) 感熱記録体
JP2624952B2 (ja) 感熱記録シート
JP2967707B2 (ja) 感熱記録体
JP2727885B2 (ja) 感熱記録シート
JP2681905B2 (ja) 感熱記録シート
JPH05318927A (ja) 感熱記録シート
JP2967709B2 (ja) 感熱記録体
JPH11208123A (ja) 感熱記録体
JP2001054978A (ja) 感熱記録体
JP2001113837A (ja) 感熱記録紙
JPH10264528A (ja) 感熱記録体
JP2008094032A (ja) 感熱記録体
JP2001162938A (ja) 感熱記録体