JP2001054978A - 感熱記録体 - Google Patents

感熱記録体

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JP2001054978A JP2000170206A JP2000170206A JP2001054978A JP 2001054978 A JP2001054978 A JP 2001054978A JP 2000170206 A JP2000170206 A JP 2000170206A JP 2000170206 A JP2000170206 A JP 2000170206A JP 2001054978 A JP2001054978 A JP 2001054978A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐光性および白紙外観性、発色性が良好で、
スティッキング、印字カスの発生が防止された感熱記録
体の提供。 【解決手段】 支持体上に、無色ないし淡色の塩基性無
色染料と有機顕色剤とを主成分として含有する感熱記録
層を設けた感熱記録体において、紫外線吸収性モノマー
(a)、このモノマーと共重合可能なビニル化合物モノ
マー(b)、親水性モノマー(c)、および反応性乳化
剤(d)との乳化共重合物からなる水性エマルション型
高分子紫外線吸収剤の少なくとも一種を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐光性に優れると
共に、白紙外観性および発色性が良好で、且つカス付着
やスティッキングが防止された感熱記録体に関するもの
である。
【0002】
【従来技術】一般に感熱記録体は、通常無色ないし淡色
の塩基性無色染料とフェノール性物質等の有機顕色剤と
を、それぞれ微細な粒子に磨砕分散した後両者を混合
し、バインダー、充填剤、感度向上剤、滑剤その他の助
剤を添加して得た塗液を紙、合成紙、フィルム、プラス
チック等の支持体に塗工したもので、熱ペン、感熱ヘッ
ド、ホットスタンプ、レーザー光等の加熱による瞬時の
化学反応により発色記録を得るものである。これらの感
熱記録体は計測用レコーダー、コンピュータの端末プリ
ンター、ファクシミリ、自動券売機、バーコードラベル
など広範囲の分野に応用されている。この感熱記録体の
一つの用途として、近年各種の見出しラベル、ポスター
などの表示媒体や、チケット等に用いられることが多く
なっている。しかしながらこの種の感熱記録体は光や熱
に対する安定性が低いため、感熱記録体が長期間に渡っ
て室内光や太陽光に曝されたり高湿条件下に置かれる
と、地肌部が黄変して外観が悪くなったり、記録画像の
安定性が損なわれたりするため、結果的に感熱記録体の
商品イメージも著しく損ねる原因となっていた。
【0003】感熱記録体の耐光性を向上させる目的で、
紫外線遮断効果を持つ無機充填剤を感熱記録層やそれを
被覆している保護層中に含有させる方法が特開昭62−
18626号公報、特開平6−64324号公報等に記
載されている。しかし、紫外線遮断効果を持つ酸化亜
鉛、酸化チタン、酸化セリウムなどの無機充填剤の場
合、紫外線遮断効果は大きいものの可視光領域の透過性
が小さく、発色部が隠蔽されて印字濃度が低くなり、こ
れを防ぐために使用量を減少すると、紫外線遮断効果が
悪くなり実用的でないといった問題があった。また、酸
化セリウムは材料自体が淡黄色に着色しており、感熱記
録体の材料としては不適であった。
【0004】一方、耐光性を向上させる目的で、微粉砕
した紫外線吸収剤を感熱記録層および/またはそれを被
覆している保護層中に添加する方法(特開昭50−10
4650号公報、同55−55891号公報、同55−
93492号公報、同58−87093号公報など)が
開示されている。しかし、感熱記録層に微粉砕した紫外
線吸収剤を含有して十分な耐光性を得ようとすれば、紫
外線の吸収効率、遮断効率が悪いため、この欠点を補う
為に紫外線吸収剤を多量に添加する必要がある。その為
このような感熱記録体が高温環境下に置かれると、地肌
カブリを生じたり、あるいは記録濃度が低下するなどの
新たな欠点を付随し、感熱記録体としての性能を損なう
という欠点がある。また、保護層中に微粉砕した紫外線
吸収剤が含まれていても、それが従来提案されている紫
外線吸収剤の場合、それらの化合物が比較的低融点であ
るためか、記録時に感熱ヘッドの加熱で紫外線吸収剤が
容易に溶け、カス、スティックが発生し、長時間の印字
によって感熱ヘッドが汚れるといった問題が引き起こさ
れる。それに加えて、紫外線吸収剤が可塑剤や油脂類等
の影響によって保護層より溶出するため、保護層の機能
が失われ、結果として記録画像の保存性が低下してしま
う。また、水溶性の紫外線吸収剤を用いた場合について
は、特開平7−17131号公報に記載されているよう
に、水溶性の紫外線吸収剤の可溶化にあたりナトリウム
塩等のイオンを形成させているため、サーマルヘッドを
電気化学的に摩耗させるという欠点があった。
【0005】この他、マイクロカプセル化した紫外線吸
収剤を保護層に添加して、保存安定性と耐光性に優れた
感熱記録体を得ることが、特開平5−155134号公
報などに提案されている。しかし、この方法では紫外線
吸収剤のマイクロカプセル化が必要となり、紫外線の吸
収効率を上げるためにはマイクロカプセルを微細化させ
る必要があるが、合成上最小値には限界がある。従って
十分な耐光性を発現させるためには紫外線吸収剤内包マ
イクロカプセルの必要量が多くなりコストアップを招
く。また、紫外線吸収剤内包マイクロカプセルは熱、圧
力に対して安定でなければならないため膜厚を厚くしな
ければならず、これもコストアップの原因となる。
【0006】最近、紫外線吸収性のベンゾトリアゾール
分子あるいはベンゾフェノン分子を高分子化した紫外線
吸収剤を用いた感熱記録体が、特開平7−31489
4、特開平9−221487、特開平9−26818
3、特開平9−314496、特開平10−7177
0、特開平10−36371号公報等に提案されてい
る。さらに、紫外線吸収性モノマーとこのモノマーと共
重合可能なビニル化合物モノマーと、架橋性モノマーと
の乳化共重合物からなる紫外線吸収剤を感熱記録層に含
有させた感熱記録体が特開平6−73368号公報等に
記載されている。しかし、これらの特許に記載の化合物
を用いた場合でも、材料自体の色により感熱記録体の白
紙外観性が劣る、感熱層に用いた場合、十分な効果を得
るためには多量に添加せねばならず記録濃度が低下す
る、化合物中に残存する乳化剤の影響で発色阻害が生じ
る、保護層に用いた場合、可塑剤や油脂類に溶けやすい
ためバリアー性が劣る、耐熱性が劣るためカス・スティ
ックが発生する等、いずれかの問題が見うけられ、各品
質のバランスのとれた紫外線吸収剤は依然として得られ
ていない。以上のように、紫外線遮断剤、紫外線吸収剤
を用いての感熱記録体への耐光性の付与については古く
から行われているものの、未だ満足な方法が開発されて
いないというのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、耐光
性に優れると共に、白紙外観性および発色性が良好で、
且つカス付着やスティッキングが防止された感熱記録体
を提供することを課題とした。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこれらの問
題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明の感熱記録体
を得た。すなわち、本発明の請求項1に記載の発明は、
支持体上に無色ないし淡色の塩基性無色染料と有機顕色
剤とを主成分とする感熱記録層を設けた感熱記録体にお
いて、紫外線吸収性モノマー(a)、このモノマーと共
重合可能なビニル化合物モノマー(b)、親水性モノマ
ー(c)、および反応性乳化剤(d)との乳化共重合物
からなる水性エマルション型高分子紫外線吸収剤の少な
くとも一種を含有することを特徴とするものである。ま
た、請求項2記載の発明は、前記乳化共重合物のガラス
転移温度(Tg)が50℃以上であることを特徴とする
ものである。請求項3記載の発明は、水性エマルション
型高分子紫外線吸収剤を構成する前記紫外線吸収性モノ
マーが、一般式(I)および/または一般式(II)で示
される化合物であることを特徴とするものである。
【0009】
【化3】
【0010】(R1:水素、炭素数1〜6のアルキル基
またはアルコキシ基、R2:炭素数1〜10のアルキレ
ン基またはオキシアルキレン基、あるいは存在しない
(この場合はXがベンゼン環に直接結合する)、X:エ
ステル結合、アミド結合、エーテル結合またはウレタン
結合、R3:水素または低級アルキル基)
【0011】
【化4】
【0012】(R4:水素、ハロゲンまたはメチル基、
5:水素または炭素数1〜6の炭化水素基、R6:炭素
数1〜10のアルキレン基、またはオキシアルキレン
基、あるいは存在しない(この場合はYがベンゼン環に
直接結合する)、Y:エステル結合、アミド結合、エー
テル結合またはウレタン結合、R7:炭素数1〜8のア
ルキレン基、アミノアルキレン基または側鎖に水酸基を
有するアルキル基、あるいは存在しない(この場合はY
とCが直接結合する)、R8:水素または低級アルキル
基) 請求項4記載の発明は、水性エマルション型高分子紫外
線吸収剤を構成する前記反応性乳化剤が重合性ビニル化
合物であることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の感熱記録体に含有される
水性エマルション型高分子紫外線吸収剤を構成する紫外
線吸収性モノマー(a)としては、紫外線吸収性を示す
モノマーであればいずれも使用しうるが、好ましくは、
炭素数1〜6のアルキル基またはアルコキシ基が置換し
ていてもよい2−ヒドロキシベンゾフェノン基または炭
素数1〜6の炭化水素基が置換していてもよい2−ヒド
ロキシベンゾトリアゾール基が結合した重合性ビニル化
合物であり、その具体例としては下記の(1)または
(2)のものを挙げることができる。また、下記の
(1)と(2)とを併用することもできる。もちろん、
これらに限定されるものでなく、更にこれら紫外線吸収
性モノマーを二種以上併用することもできる。 (1)一般式(I)で示される2−ヒドロキシベンゾフ
ェノン誘導体。
【0014】
【化5】
【0015】(R1:水素、炭素数1〜6のアルキル基
またはアルコキシ基、R2:炭素数1〜10のアルキレ
ン基またはオキシアルキレン基、あるいは存在しない
(この場合はXがベンゼン環に直接結合する)、X:エ
ステル結合、アミド結合、エーテル結合またはウレタン
結合、R3:水素または低級アルキル基) 一般式(I)で表されるモノマーは、例えば、BP−R
2−OH(BP:2−ヒドロキシベンゾフェノン骨格)
等の官能基を有する紫外線吸収性化合物と、CH2=C
3−COOH等の官能基を有する重合性ビニル化合物
とを反応させ、エステル結合X(−COO−)により重
合性ビニル化合物中に紫外線吸収性化合物残基を結合、
導入する事により得られる。前記一般式(I)で表され
るモノマー化合物の具体例としては、2−ヒドロキシ−
4−アクリロイルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ
シ−4−メタクリロイルオキシベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシ)エトキシベ
ンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリロ
イルオキシ)エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−(2−メチル−2−アクリロイルオキシ)エトキ
シベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0016】(2)一般式(II)で表される2−ヒドロ
キシベンゾトリアゾール誘導体。
【0017】
【化6】
【0018】(R4:水素、ハロゲンまたはメチル基、
5:水素または炭素数1〜6の炭化水素基、R6:炭素
数1〜10のアルキレン基、またはオキシアルキレン
基、あるいは存在しない(この場合はYがベンゼン環に
直接結合する)、Y:エステル結合、アミド結合、エー
テル結合またはウレタン結合、R7:炭素数1〜8のア
ルキレン基、アミノアルキレン基または側鎖に水酸基を
有するアルキル基、あるいは存在しない(この場合はY
とCが直接結合する)、R8:水素または低級アルキル
基) 前記一般式(II)で表されるモノマー化合物の具体例と
しては、2−〔2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロ
イルオキシ)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−
〔2’−ヒドロキシ−5’−(アクリロイルオキシ)フ
ェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ
−3’−t−ブチル−5’−(メタクリロイルオキシ)
フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキ
シ−3’−メチル−5’−(アクリロイルオキシ)フェ
ニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−
5’−(メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕−
5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキ
シ−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕
ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−5’−
(アクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリア
ゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−
5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベン
ゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’−メチ
ル−5’−(アクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベ
ンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−5’−
(メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕−5−ク
ロロベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−
5’−(アクリロイルオキシブチル)フェニル〕−5−
メチルベンゾトリアゾール、〔2−ヒドロキシ−3−t
−ブチル−5−(アクリロイルオキシエトキシカルボニ
ルエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール等が挙げられ
る。
【0019】また、上記の紫外線吸収性モノマーと共重
合可能な他のビニル化合物モノマー(b)(以下、共重
合モノマーと呼ぶ)としては、アクリロニトリル、アク
リル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステ
ル、アルキルビニルエーテル、アルキルビニルエステ
ル、スチレンなどがあり、この場合のアルキル基の炭素
数は特に制約されないが、好ましくは1〜18である。
これら化合物の具体例としては以下のものが挙げられ
る。 (1)アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アル
キルエステル。メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレ
ート、オクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、
ステアリルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチ
ルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エ
チルヘキシルメタクリレート等。 (2)アルキルビニルエーテル。メチルビニルエーテ
ル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、
ステアリルビニルエーテル等。 (3)アルキルビニルエステル。酢酸ビニル、エチルビ
ニル、ブチルビニル、2−エチルヘキシルビニル等。共
重合モノマーの共重合割合としては、全モノマーの5〜
69重量%を使用する。
【0020】本発明では、さらに親水性モノマー(c)
を用いることにより、耐溶剤性および親水性樹脂との相
溶性が向上し、耐久性のある紫外線吸収性高分子被膜が
形成される。親水性モノマーとしては、親水性の反応性
官能基を有するモノマーであればいずれも使用しうる
が、好ましくはヒドロキシ基含有モノマー、カルボン酸
含有モノマーなどであり、その具体例としては以下のも
のが挙げられる。 (1)ヒドロキシ基含有モノマー。2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、ヒドロキシプロピルメタクリレート等。 (2)カルボン酸基含有モノマー。アクリル酸、メタク
リル酸等。 親水性モノマーの共重合割合としては、全モノマーの1
〜20重量%が好適である。20重量%を越える場合で
は、紫外線吸収性モノマーとの共重合性の問題で重合し
にくい。
【0021】本発明で用いられる水性エマルション型高
分子紫外線吸収剤は、水系媒体中で乳化剤と共に各モノ
マーを混合し、水溶性重合開始剤を用いて乳化重合する
ことにより得られる。乳化共重合物は、皮膜の耐熱性等
の面からある程度高めのガラス転移温度(Tg)を有す
ることが望ましく、Tgが50℃以上であることによ
り、良好な皮膜の耐熱性(耐スティッキング性)が得ら
れる。好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以
上である。本発明では、乳化共重合するモノマーの組成
を調整することにより、Tgが50℃以上の水性エマル
ション型高分子紫外線吸収剤が容易に得られる。
【0022】反応性乳化剤としては、従来から乳化重合
で使用されているラジカル重合可能な反応性乳化剤であ
ればいずれも使用しうるが、重合性ビニル化合物がより
好ましい。反応性乳化剤を単独に限らず二種類以上混合
して用いることもできる。これらはエマルション重合時
に得られる共重合体に取り込まれ、非反応性の乳化剤で
一般に見られる被膜形成後の被膜の耐水性、透明性への
悪影響を防止できる。具体的には、ラテムルS−18
0、S−180A、S−120A(花王(株))、アク
アロンHS−10、HS−20、RNシリーズ(第一工
業製薬(株))、エレミノールJS−2(三洋化成工業
(株))、アデカリアソープNE−30(旭電化工業
(株))、等が挙げられる。感熱記録体の発色性の点か
ら、アニオン性の反応性乳化剤が好ましく用いられる。
反応性乳化剤の使用量は、モノマー総量100重量部に
対し、0.5〜5重量部が好適である。5重量部を越え
て用いた場合、塩基性無色染料への影響が大きく発色阻
害等の原因となるとともに、皮膜の耐水性が劣る傾向が
みられる。一般に、乳化に用いられる乳化剤は、乳化さ
れる材料の周りに接触して取り囲む形で存在するものが
多い。これに対し本発明で用いられる反応性乳化剤は、
乳化される材料と反応してそのものの一部になってしま
うため、乳化剤として形が残らず、それゆえ本発明の水
性エマルション型高分子紫外線吸収剤はソープフリーな
状態となり、発色材料に悪影響を及ぼすことがほとんど
ないという利点を有するものと考える。
【0023】重合開始剤としては、過硫酸塩、過炭酸
塩、過ホウ酸塩類などの過酸化物および2,2’−アゾ
ビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕
塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンア
ミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビス〔N−(2−ヒド
ロキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン〕塩酸
塩、2,2’−アゾビス〔2−(5−ヒドロキシ−3,
4,5,6−テトラハイドロピリミジン−2−イル)プ
ロパン〕塩酸塩等のアゾ系水溶性重合開始剤を使用する
ことができる。水溶性重合開始剤の使用量は、対モノマ
ー当たり0.05〜1重量%が好適である。
【0024】本発明で用いられる水性エマルション型高
分子紫外線吸収剤を構成する乳化共重合体は、内部架橋
型の重合体粒子となっており、平均粒径500nm〜8
0nm程度のものが使用でき、好ましくは100nmよ
り大きく、さらに好ましくは180nm以上、また、好
ましくは400nmより小さく、さらに好ましくは30
0nm以下のものが使用できる。本発明の水性エマルシ
ョン型高分子紫外線吸収剤は、上記の各成分を用いて乳
化重合を行うことにより得られるが、その具体的な調製
例を下記に示す。
【0025】(調製例1)アクアロンHS−20(第一
工業製薬(株)製)1g、2−ヒドロキシ−4−(2−
メタクリロキシ)エトキシベンゾフェノン50g、アク
リル酸2−ヒドロキシエチル10g、メチルメタクリレ
ート40g、イオン交換水200gからなるモノマー混
合物301gを調製し、このうち100gを、温度計、
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管および滴下ロートを備
えたガラス製反応容器に加え、70℃で30分間乳化を
行った。次いで重合開始剤として2,2’−アゾビス
〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕塩酸
塩0.5gをイオン交換水33gで溶解した水溶液を前
記反応容器に添加し、直ちにモノマー混合物の残量を9
0分間にわたって反応容器内に連続的に滴下し、70℃
で重合を行った。モノマー混合物の滴下終了後、70℃
で90分間熟成し、調製例1の水性エマルション型高分
子紫外線吸収剤を得た。以下、同様にして、下記表1に
示すように紫外線吸収性モノマー、親水性モノマー、共
重合モノマー、反応性乳化剤、重合開始剤を変えて調製
例2〜8の水性エマルション型高分子紫外線吸収剤を得
た。表中の括弧内の数値は、各成分の使用量を示す。
尚、紫外線吸収モノマーの使用量は、全て50gで統一
した。
【0026】
【表1】
【0027】本発明は、支持体上に塩基性無色染料と有
機顕色剤とを含有する感熱記録層、および必要に応じて
感熱記録層と支持体の間に下塗り層、感熱記録層の上に
保護層、感熱記録層と保護層の間に中間層を設けた感熱
記録体において、少なくともいずれか一層中に、上記の
水性エマルション型高分子紫外線吸収剤の少なくとも一
種を含有させることによって、従来提案されている紫外
線吸収剤および紫外線遮断剤に比べて、耐光性、白紙外
観性、発色性、スティッキングや印字カス等の性能が顕
著に改善されるものである。また、本発明の感熱記録体
が保護層を有し、かかる保護層中に上記の水性エマルシ
ョン型高分子紫外線吸収剤を含有する場合、従来の紫外
線吸収剤等を含有する場合と比べ、上記性質の他バリア
ー性も顕著に改善されるものである。すなわち、本発明
の水性エマルション型高分子紫外線吸剤は、分子中に有
する多量の紫外線吸収性モノマーにより紫外線吸収能が
高く、少量使用で良好な耐光性を示すため、大量配合に
よる感熱記録体の発色濃度低下や地肌カブリが避けられ
る。また、乳化剤が反応性であることにより発色材料に
及ぼす影響が小さいため、良好な発色性および白紙外観
性が得られる。さらに、親水性モノマーにより水性バイ
ンダーとの相溶性が良好であり、可塑剤、油および有機
溶剤等の溶媒に対する溶解性が低いため、保護層に配合
する場合は紫外線吸収剤の溶出に起因するバリアー機能
の低下をきたすことが無く、耐薬品性に優れている。加
えて、ガラス転移点(Tg)が高い場合は耐熱性が良好
となり、保護層に使用してもサーマルヘッドでの記録時
に溶融によるスティッキングやヘッドカスを発生するこ
とが無く、記録走行性にも優れた改善効果が得られる。
また、一般に、紫外線吸収剤を感熱記録体に用いる場合
には、平均粒径が大きい程画像の白化カブリ(画像が白
っぽくなる、濁る、霞がかったような状態になる等の状
態)が生じ易いため、平均粒径は小さい程良いとされて
いる。しかし、本発明で用いられる水性エマルション型
高分子紫外線吸収剤は、平均粒径が比較的大きいものを
使用した場合でも、白化カブリの防止された鮮明な記録
画像が得られる。この理由は明確には解明されていない
が、本発明で用いられる水性エマルション型高分子紫外
線吸収剤は、構成要素の一つに親水性モノマーを使用し
ているため、水性バインダーとの相溶性が高く、皮膜と
なった時に良好な透明性を示すことによるのではないか
と推測される。
【0028】本発明では、かかる特定の水性エマルショ
ン型高分子紫外線吸収剤を、感熱記録層、および必要に
より設けた下塗り層、中間層、保護層のいずれか一層に
含有させることにより所望の効果が得られるものである
が、二層以上に含有せしめることもでき、これら紫外線
吸収剤を含有せしめる層の組合せは特に制限されるもの
ではない。また、感熱記録層、下塗り層、中間層、保護
層は各一層のみに制限されることなく、それぞれ複数層
設けることもできる。なお、紫外線吸収剤の感熱記録体
への使用量および含有せしめる箇所(層)は、その感熱
記録体に要求される性能品質に依るものであるが、紫外
線の吸収効率の点では、下塗り層よりは感熱記録層、感
熱記録層よりは保護層というように、当該紫外線吸収剤
をより外層に配合する方が優れている。
【0029】本発明の紫外線吸収剤の下塗り層への使用
量については、下塗り層の乾燥重量に対して0.1〜8
0重量%を含有させるのが好ましい。より好ましくは1
〜50重量%である。使用量が0.1重量%未満である
と、十分な耐光性が得られにくい。また、使用量が80
重量%を越えると、支持体と下塗り層の結着性が低下
し、その結果感熱記録体としての表面強度が低下するの
で、セロピック強度、印刷適性等が要求される用途には
不適当である。本発明の紫外線吸収剤の感熱記録層への
使用量については、感熱記録層の乾燥重量に対して0.
1〜25重量%を含有させるのが好ましい。より好まし
くは1〜20重量%である。使用量が0.1%未満であ
ると、十分な耐光性が得られにくい。また、使用量が2
5重量%を越えると発色濃度の低下や地肌カブリへの影
響が大きい。本発明の紫外線吸収剤の保護層への使用量
については、保護層の乾燥重量に対して、0.1〜30
重量%を含有させるのが好ましい。より好ましくは、1
〜25重量%である。使用量が0.1重量%未満である
と、十分な耐光性が得られにくい。また、使用量が30
重量%を越えるとバリアー性が不充分となる傾向があ
る。
【0030】本発明において、感熱記録層で用いられる
塩基性無色染料としては、特に制限されるものではない
が、トリフェニルメタン系、フルオラン系、アザフタリ
ド系、フルオレン系等のロイコ染料が好ましく、以下に
これらの具体例を示す。これらの塩基性無色染料は、単
独又は二種以上を混合して使用することもできる。
【0031】<トリフェニルメタン系ロイコ染料> 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
メチルアミノフタリド〔別名クリスタルバイオレットラ
クトン〕 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド
〔別名マラカイトグリーンラクトン〕
【0032】<フルオラン系ロイコ染料> 3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメ
チルアニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラ
ン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフル
オロメチルアニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロア
ニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロア
ニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロ
アニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−メチルア
ニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルア
ニリノフルオラン
【0033】3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n
−オクチルアミノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアミノ
フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミ
ノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラ
ン 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオ
ラン 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−p−メチルアニ
リノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリ
ノフルオラン 3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン 3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン 3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルア
ニリノ)フルオラン
【0034】3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロア
ニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フル
オラン 3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フ
ルオラン 3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔a〕フルオラン 3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔c〕フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメ
チルアニリノ)フルオラン
【0035】3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−
(o−クロロアニリノ)フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロア
ニリノ)フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロ
アニリノ)フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフル
オロメチルアニリノ)フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−クロロフルオラン 3−ジブチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリ
ノフルオラン 3−ジブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオ
ラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−p−メチルアニ
リノフルオラン 3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フル
オラン 3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フ
ルオラン
【0036】3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル
−7−アニリノフルオラン 3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−(p−
クロロアニリノ)フルオラン 3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(m−トリフルオロ
メチルアニリノ)フルオラン 3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−クロロ−7−アニリ
ノフルオラン 3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(p−クロロアニリ
ノ)フルオラン 3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル
−7−アニリノフルオラン 3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−
メチル−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−
メチル−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−キシルアミノ)−6−メチル−
7−(p−クロロアニリノ)フルオラン 3−(N−エチル−p−トルイディノ)−6−メチル−
7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン
【0037】3−(N−エチル−N−イソアミルアミ
ノ)−6−クロロ−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミ
ノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−エトキシプロピルアミノ)−6
−メチル−7−アニリノフルオラン 3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジメチルアミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジエチルアミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジプロピルアミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン 2−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 2−メトキシ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)アミノアニリノフルオラン 2−クロロ−3−メチル−6−p−(p−フェニルアミ
ノフェニル)アミノアニリノフルオラン 2−クロロ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン
【0038】2−ニトロ−6−p−(p−ジエチルアミ
ノフェニル)アミノアニリノフルオラン 2−アミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 2−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフ
ェニル)アミノアニリノフルオラン 2−フェニル−6−メチル−6−p−(p−フェニルア
ミノフェニル)アミノアニリノフルオラン 2−ベンジル−6−p−(p−フェニルアミノフェニ
ル)アミノアニリノフルオラン 2−ヒドロキシ−6−p−(p−フェニルアミノフェニ
ル)アミノアニリノフルオラン 3−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフ
ェニル)アミノアニリノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジブチルアミノフ
ェニル)アミノアニリノフルオラン 2,4−ジメチル−6−[(4−ジメチルアミノ)アニ
リノ]−フルオラン
【0039】<フルオレン系ロイコ染料> 3,6,6´−トリス(ジメチルアミノ)スピロ〔フル
オレン−9,3´−フタリド〕 3,6,6´−トリス(ジエチルアミノ)スピロ〔フル
オレン−9,3´−フタリド〕 <ジビニル系ロイコ染料> 3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)
−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,
6,7−テトラブロモフタリド 3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)
−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,
6,7−テトラクロロフタリド 3,3−ビス−〔1,1−ビス(4−ピロリジノフェニ
ル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラブ
ロモフタリド 3,3−ビス−〔1−(4−メトキシフェニル)−1−
(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−
4,5,6,7−テトラクロロフタリド
【0040】<その他> 3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)
−4−アザフタリド 3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−
3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イ
ル)−4−アザフタリド 3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシ
フェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール
−3−イル)−4−アザフタリド 3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3
−イル)フタリド 3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(3
´−ニトロ)アニリノラクタム 3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4
´−ニトロ)アニリノラクタム 1,1−ビス−〔2´,2´,2'',2''−テトラキス
−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,
2−ジニトリルエタン 1,1−ビス−〔2´,2´,2'',2''−テトラキス
−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2−
β−ナフトイルエタン 1,1−ビス−〔2´,2´,2'',2''−テトラキス
−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,
2−ジアセチルエタン ビス−〔2,2,2´,2´−テトラキス−(p−ジメ
チルアミノフェニル)−エテニル〕−メチルマロン酸ジ
メチルエステル
【0041】本発明の感熱記録層で用いられる有機顕色
剤としては、特に制限されるものではないが、例えば下
記の如き公知の顕色剤が挙げられる。活性白土、アタパ
ルジャイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム等の
無機酸性物質、4,4’−イソプロピリデンジフェノー
ル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4
−メチルペンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル
スルフィド、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、4−
ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニ
ルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジ
フェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポ
キシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒド
ロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシ−4’−メ
チルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシフェニル−
4’−ベンジルオキシフェニルスルホン、3,4−ジヒ
ドロキシフェニル−4’−メチルフェニルスルホン、
【0042】特開平8−59603記載のアミノベンゼ
ンスルホンアミド誘導体、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ルチオエトキシ)メタン、1,5−ジ(4−ヒドロキシ
フェニルチオ)−3−オキサペンタン、ビス(p−ヒド
ロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシフ
ェニル)酢酸メチル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス〔α−メ
チル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベン
ゼン、1,3−ビス〔α−メチル−α−(4’−ヒドロ
キシフェニル)エチル〕ベンゼン、ジ(4−ヒドロキシ
−3−メチルフェニル)スルフィド、2,2’−チオビ
ス(3−tert−オクチルフェノール)、2,2’−チオ
ビス(4−tert−オクチルフェノール)、
【0043】国際公開WO97/16420号に記載の
ジフェニルスルホン架橋型化合物等のフェノール性化合
物、N,N’−ジ−m−クロロフェニルチオウレア等の
チオ尿素化合物、p−クロロ安息香酸、没食子酸ステア
リル、ビス〔4−(n−オクチルオキシカルボニルアミ
ノ)サリチル酸亜鉛〕2水和物、4−〔2−(p−メト
キシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸、4−〔3
−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル
酸、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキ
シ)クミル〕サリチル酸の芳香族カルボン酸、およびこ
れらの芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミ
ニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケ
ル等の多価金属塩との塩、さらにはチオシアン酸亜鉛の
アンチピリン錯体、テレフタルアルデヒド酸と他の芳香
族カルボン酸との複合亜鉛塩等が挙げられる。これらの
有機顕色剤は、単独又は二種以上を混合して使用するこ
ともできる。この他、特開平10−258577号公報
記載の高級脂肪酸金属複塩や多価ヒドロキシ芳香族化合
物などの金属キレート型発色成分を使用することもでき
る。
【0044】本発明では、感熱記録発色感度を向上させ
るために、感熱記録層中に感度向上剤を含有させること
ができる。感度向上剤としては、従来から感熱記録体で
使用されている化合物であればいずれも使用しうる。例
えば、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の脂
肪酸アマイド、エチレンビスアマイド、モンタンワック
ス、ポリエチレンワックス、テレフタル酸ジベンジル、
p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、ジ−p−トリル
カーボネート、p−ベンジルビフェニル、フェニルα−
ナフチルカーボネート、1,4−ジエトキシナフタレ
ン、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステ
ル、1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタン、シ
ュウ酸ジ(p−メチルベンジル)、β−ベンジルオキシ
ナフタレン、4−ビフェニル−p−トリルエーテル、O
−キシレン−ビス−(フェニルエーテル)、4−(m−
メチルフェノキシメチル)ビフェニル、p−トルエンス
ルホンアマイド、o−トルエンスルホンアマイド等を添
加することができるが、特にこれらに制限されるもので
はない。これらの感度向上剤は、単独または二種以上混
合して使用してもよい。
【0045】本発明においては、主に発色記録画像の保
存性向上のために、感熱記録層中に画像安定剤を含有さ
せても良い。このような画像安定剤としては、例えば
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリ
ス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフ
ェニル)ブタン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒド
ロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、4,4’
−〔1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデ
ン)〕ビスフェノール、および4,4’−〔1,3−フ
ェニレンビス(1−メチルエチリデン)〕ビスフェノー
ル、4,4′−ブチリデン(6−t−ブチル−3−メチ
ルフェノール)、2,2′−ジ−t−ブチル−5,5′
−ジメチル−4,4′−スルホニルジフェノールなどの
フェノール系の化合物、4−ベンジルオキシフェニル−
4’−(2−メチル−2,3−エポキシプロピルオキ
シ)フェニルスルホン、4−(2−メチル−1,2−エ
ポキシエチル)ジフェニルスルホン、および4−(2−
エチル−1,2−エポキシエチル)ジフェニルスルホン
等のエポキシ化合物、並びに1,3,5−トリス(2,
6−ジメチルベンジル−3−ヒドロキシ−4−tert−ブ
チル)イソシアヌル酸などのイソシアヌル酸化合物から
選ばれた一種以上を含むものを用いることができる。こ
れらの画像安定剤は、単独または二種以上を混合して使
用することもできる。
【0046】本発明の感熱記録体を製造するために、塩
基性無色染料及び有機顕色剤を支持体上に結合支持させ
る場合、従来公知のバインダーを適宜用いることができ
る。その具体例としては、重合度が200〜1900の
完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニ
ルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、
アマイド変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポ
リビニルアルコール、ブチラール変性ポリビニルアルコ
ール、その他の変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシ
エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、並びにエチルセルロース、アセチルセル
ロースのようなセルロース誘導体、スチレン−無水マレ
イン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリ
塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポ
リアクリル酸エステル、ポリビニルブチラール、ポリス
チロールおよびそれらの共重合体、ポリアミド樹脂、シ
リコーン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、
クマロン樹脂等が挙げられる。これらの高分子物質は
水、アルコール類、ケトン類、エステル類、炭化水素等
の溶剤に溶かして使用するほか、水又は他の媒体中に乳
化又はペースト状に分散した状態で使用し、要求品質に
応じて併用することも出来る。
【0047】本発明における感熱記録体で使用すること
のできる充填剤としては、シリカ、炭酸カルシウム、ク
レー、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ土、合成ケイ
酸アルミニウム、タルク、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸
化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸マグ
ネシウム、表面処理された炭酸カルシウムやシリカなど
の無機充填剤、並びに、尿素−ホルマリン樹脂、スチレ
ン−メタクリル酸共重合樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化
ビニリデン等の有機充填剤などが挙げられる。このほか
に、脂肪酸金属塩などの離型剤、ワックス類などの滑
剤、グリオキザールなどの耐水化剤、分散剤、消泡剤、
酸化防止剤、蛍光染料等、感熱記録体に慣用の従来公知
の材料を適宜使用することができる。
【0048】本発明の感熱記録層用塗液の調製方法は特
に限定されるものではないが、一般に記録体に使用する
塩基性無色染料及び有機顕色剤の量、その他の各種成分
の種類及び量は要求される性能および記録適性に従って
決定され、通常、塩基性無色染料の1部に対して、有機
顕色剤1〜8部、充填剤1〜20部を使用し、バインダ
ーは全固形分中5〜25%が適当である。これらの塩基
性無色染料、有機顕色剤並びに必要に応じて添加する材
料はボールミル、アトライター、サンドグライダーなど
の粉砕機あるいは適当な乳化装置によって数ミクロン以
下の粒子径になるまで微粒化し、バインダー及び必要に
応じて本発明の水性エマルション型高分子紫外線吸収剤
等、各種の添加材料を加えて塗液とする。感熱記録層の
形成方法については特に限定されず、例えばブレードコ
ーター、エアナイフコーター、バーコーター、リバース
ロールコーター等により上記組成から成る塗液を支持体
上に塗布、乾燥することによって目的とする感熱記録体
が得られる。
【0049】本発明の感熱記録体において、感熱記録層
と支持体との間に下塗り層を設ける場合、このような下
塗り層は通常、バインダーと充填剤を含有するものであ
る。バインダー、充填剤および各種助剤としては、感熱
記録層の構成成分として例示された材料を要求品質に応
じて適宜使用することができる。なお、焼成カオリン
や、特公平3−54074号公報記載の殻を有する微小
中空球粒子や特開平10−258577号公報記載のお
椀型状中空重合体粒子など従来感熱記録体の下塗り層に
用いられている公知の中空粒子は断熱効果が高く、下塗
り層の充填剤としてより好ましい。本発明では、必要に
応じ、前記の水性エマルション型高分子紫外線吸収剤を
下塗り層に適宜配合することができる。下塗り層用の塗
液の調整方法については特に限定されるものではなく、
一般に水を分散媒体とし、バインダー、充填剤の他に、
必要に応じて添加される前記特定の水性エマルション型
高分子紫外線吸収剤、消泡剤等を混合して調製される。
下塗り層の形成方法については特に限定されず、例えば
前記感熱層の形成方法の如き各種の塗布方法により下塗
り層用塗液を支持体上に塗布・乾燥するなどの方法で形
成される。
【0050】本発明の感熱記録体において、感熱記録層
の上に保護層を設ける場合、このような保護層は通常、
水溶性または水分散性バインダーと充填剤を含有するも
のである。バインダー、充填剤および各種助剤として
は、感熱記録層の構成成分として例示された材料を要求
品質に応じて適宜使用することができる。この時架橋剤
を添加して、保護層に耐水性を付与することがより好ま
しい。本発明では、必要に応じ、前記の水性エマルショ
ン型高分子紫外線吸収剤を保護層に適宜配合することが
できる。保護層用塗液の調製方法については特に限定さ
れるものではなく、一般に水を分散媒体とし、水性バイ
ンダーの他に、必要に応じて添加される前記特定の水性
エマルション型高分子紫外線吸収剤、充填剤および滑剤
などを混合して調製される。保護層の形成方法について
は特に限定されず、例えば前記の如き各種の塗布方法に
より保護層用塗液を感熱記録層上に塗布・乾燥するなど
の方法で形成される。
【0051】本発明の感熱記録体において、感熱記録層
と保護層の間に中間層を設ける場合、このような中間層
は通常、バインダーと充填剤を含有するものである。バ
インダー、充填剤および各種助剤としては、感熱記録層
の構成成分として例示された材料を要求品質に応じて適
宜使用することができる。この時架橋剤を添加して、中
間層に耐水性を付与することもできる。本発明では、必
要に応じ、前記の水性エマルション型高分子紫外線吸収
剤を中間層に適宜配合することができる。中間層用塗液
の調製方法については特に限定されるものではなく、一
般に水を分散媒体とし、水性バインダーの他に、必要に
応じて添加される前記特定の水性エマルション型高分子
紫外線吸収剤、充填剤および滑剤などを混合して調製さ
れる。中間層の形成方法については特に限定されず、例
えば前記の如き各種の塗布方法により中間層用塗液を感
熱記録層上に塗布・乾燥するなどの方法で形成される。
本発明の感熱記録体に使われる支持体としては、紙(酸
性紙、中性紙)、再生紙、プラスティックフィルム、合
成紙、不織布、金属蒸着シート等、感熱記録層および必
要に応じて設けたその他の層を保持できるものであれば
いずれも使用しうる。
【0052】
【実施例】以下に本発明を実施例によって説明する。
尚、説明中、部は、特に断わらない限り、重量部を示
す。
【0053】〔実施例1〜8〕実施例1〜8は、保護層
に本発明の紫外線吸収剤を使用した例である。紫外線吸
収剤として、調製例1〜8の化合物をそれぞれ単独で使
用した。 (1)感熱記録層の形成 下記の組成物の各液をサンドグライダーで平均粒子径1
ミクロンまで磨砕した。 A液(顕色剤分散液) 2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン 6.0部 10%ポリビニルアルコール水溶液 18.8部 水 11.2部 B液(塩基性無色染料分散液) 3−ジ−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン (ODB−2) 2.0部 10%ポリビニルアルコール水溶液 4.6部 水 2.6部 C液(感度向上剤分散液) パラベンジルビフェニル 4.0部 10%ポリビニルアルコール水溶液 5.0部 水 3.0部 次いで下記の割合で分散液を混合、撹拌し、感熱記録層
用塗液とした。 A液 36.0部 B液 9.2部 C液 12.0部 カオリンクレー(50%分散液) 12.0部 上記塗液を50g/m2のLBKP80%、NBKP2
0%より構成される上質紙の片面に塗布量6.0g/m
2になるように塗布乾燥して感熱記録層を得た。 (2)保護層の形成 下記の割合で分散液を混合、撹拌し、保護層用塗液とし
た。 10%ポリビニルアルコール水溶液 60.0部 水酸化アルミニウム(50%分散液) 30.0部 ステアリン酸亜鉛 10.0部 水 50.0部 調製例1〜8の化合物(30%) 20.0部 上記塗液を感熱記録層上に塗布量4.0g/m2になる
ように塗布乾燥して保護層を得た。このシートをスーパ
ーカレンダーでベック平滑度が200〜600秒となる
よう処理し、感熱記録体を得た。
【0054】〔実施例9〕実施例9は、感熱記録層に本
発明の紫外線吸収剤を使用した例である。実施例1の感
熱層の形成において、感熱記録層用塗液に調製例8の紫
外線吸収剤(30%)を10.0部加え、保護層を設け
なかった以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得
た。
【0055】〔実施例10〕実施例10は、感熱記録層
および保護層に本発明の紫外線吸収剤を含有させた例で
ある。実施例8の感熱層の形成において、感熱記録層用
塗液に調製例2の紫外線吸収剤(30%)を10.0部
加えた以外は、実施例8と同様にして感熱記録体を得
た。
【0056】〔実施例11〕実施例11は、下塗り層と
保護層に本発明の紫外線吸収剤を含有させた例である。
実施例8において、支持体と感熱層の間に紫外線吸収剤
として調製例4を含む下塗り層を下記のようにして設け
た他は、実施例8と同様にして感熱記録体を得た。 下塗り層の形成 10%ポリビニルアルコール水溶液 150部 焼成カオリン(40%分散液) 250部 調製例4の化合物(30%) 50部 上記の割合で材料を混合、撹拌し、下塗り層用塗液とし
た。この塗液を50g/m2 のLBKP80%、NBK
P20%より構成される上質紙の片面に塗布量5.0g
/m2となるように塗布乾燥して、下塗り層を形成し
た。
【0057】〔実施例12〕実施例12は、下塗り層、
感熱記録層、および保護層に本発明の紫外線吸収剤を含
有させた例である。実施例11の感熱記録層の形成にお
いて感熱記録層用塗液に紫外線吸収剤として調製例2の
化合物(30%)を用いた以外は、実施例11と同様に
して感熱記録体を得た。
【0058】〔比較例1〕比較例1は、紫外線吸収剤無
配合の例である。実施例1の保護層の形成において、紫
外線吸収剤を用いなかった以外は、実施例1と同様にし
て感熱記録体を得た。 〔比較例2〕比較例2は、実施例9の感熱記録層の形成
において、調製例8の化合物の代わりに、下記表2に示
す化合物1(30%)を用いた他は、実施例9と同様に
して感熱記録体を得た。なお、表2に記載の化合物はす
べて、調製例1に準じて調製した。ここで、化合物1は
非反応性の乳化剤を用いた紫外線吸収剤である。 〔比較例3〜5〕比較例3〜5は、実施例1の保護層の
形成において、調製例1の化合物の代わりに、下記表2
に示す化合物2、3、4(各30%)を用いた他は、実
施例1と同様にして感熱記録体を得た。ここで、化合物
2はTgが0℃である紫外線吸収剤である。また、化合
物3は親水性モノマーを用いない紫外線吸収剤であり、
化合物4は親水性モノマーの代わりに疎水性の架橋性モ
ノマーを用いた紫外線吸収剤である。
【0059】
【表2】
【0060】〔発色性の評価〕得られた感熱記録体につ
いて、大倉電気社製のTH−PMD(感熱記録紙印字試
験機、京セラ社製サーマルヘッドを装着)を用い、印加
エネルギー0.42mJ/dotで印字した。記録部の
記録濃度を、マクベス濃度計(RD−914、アンバー
フィルター使用)で測定した(濃度:Da)。 〔耐光性の評価〕 (1)上記条件で印字した感熱記録体をカーボンアーク
フェードメータ(東洋精機BH)により12時間処理
し、記録部の濃度を上記条件で測定した(濃度:D
b)。また、同時に地肌部の濃度を使用フィルターをブ
ルーフィルターに替えて測定した(濃度:Dc)。 (2)下記式により評価を行った。 記録部耐光性(残存率):Db/Da×100=Rd
(%) 地肌部耐光性 :Dc Rdの値が大きい程、記録部の耐光性が良いことを示
す。実用的には80%以上が望ましい。また、Dcの値
が小さいほど、地肌部の耐光性が良好であることを示
す。実用的には0.15以下が望ましい。
【0061】〔スティッキングの評価〕得られた感熱記
録体を、パナソニック製パナファックスUF−22を使
用し、送信モードにて印字し、印字音および印字画像の
スティック状態を、官能的に評価した。 評価: ◎ 音が静かである、 ○ 音は少しするが、
実用的に問題なし、× 音が大きく、画像にスティック
パターンが現れる。 印字音が小さく、画像のスティック状態が少ない程望ま
しい。 〔印字カスの評価〕得られた感熱記録体を、パナソニッ
ク製パナファックスUF−60を使用し、コピーモード
でB4版縦縞原稿40枚印字後、サーマルヘッドの印字
カス付着状態を目視にて評価した。印字カスは少ない程
望ましい。 評価: ○ ほとんど無い、 △ 有る、 × 非常に
多い
【0062】〔バリアー性の評価〕この評価は、保護層
を有する感熱記録体のみに関して行った。得られた感熱
記録体の保護層表面に、酢酸エチルをスポイトにて一滴
滴下しガーゼを用いて直径約3cmの円状に広げ、1分
後の感熱層の発色度合いを目視にて評価した。発色度合
いが小さい程望ましい。 評価: ◎ 発色しない、 ○ ほとんど発色しない、 × 発色部の面積が非発色部の面積以上である 上記の結果を表3に示す。なお、表3中の記号「−」
は、試験を行っていないことを示す。
【0063】
【表3】
【0064】前記の表3から明らかなように、本発明の
水性エマルション型高分子紫外線吸収剤を用いると、良
好な耐光性が示され、発色性、スティッキング、印字カ
スの発生状態も良好である。特にスティッキングに関し
ては、感熱記録体印字面最上層に用いる当該紫外線吸収
剤のTgが高いほど良好であり、Tgが50℃〜70℃
である実施例5、7と比べて、Tgが80℃以上である
実施例1〜3、8〜12の方がスティック音が小さく静
かである。なお、Tgが70℃〜80℃である実施例
4、6のスティッキングの状態は、両者の中間程度であ
る。また、感熱記録体が保護層を有し、該保護層にかか
る紫外線吸収剤を用いた場合、優れたバリアー性が示さ
れる。一方、紫外線吸収剤無配合の場合、比較例1のよ
うに耐光性が非常に劣り、また他の紫外線吸収剤用いた
場合、非反応性の乳化剤を使用した比較例2では発色性
が劣り、親水性モノマーを含まない比較例4、5ではバ
リアー性が劣る。また、Tgの低い比較例3ではスティ
ッッキング、印字カスの発生がみられる。このように、
本発明の水性エマルション型高分子紫外線吸収剤を用い
ることにより、耐光性および発色性が良好で、スティッ
キング、印字カスの発生が防止された感熱記録体が得ら
れることがわかる。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、耐光性および白紙外観
性、発色性が良好で、スティッキング、印字カスの発生
が防止された感熱記録体が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 濱田 薫 東京都新宿区上落合1丁目30番6号 日本 製紙株式会社商品開発研究所内 (72)発明者 木村 義英 東京都新宿区上落合1丁目30番6号 日本 製紙株式会社商品開発研究所内 (72)発明者 山本 隆一 兵庫県小野市小田町1516番地の1 一方社 油脂工業株式会社内 (72)発明者 川端 啓行 兵庫県小野市小田町1516番地の1 一方社 油脂工業株式会社内 (72)発明者 杉森 斉司 兵庫県小野市小田町1516番地の1 一方社 油脂工業株式会社内 Fターム(参考) 2H026 DD08 DD09 DD15 DD48 DD53

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、無色ないし淡色の塩基性無
    色染料と有機顕色剤とを主成分として含有する感熱記録
    層を設けた感熱記録体において、紫外線吸収性モノマー
    (a)、このモノマーと共重合可能なビニル化合物モノ
    マー(b)、親水性モノマー(c)、および反応性乳化
    剤(d)との乳化共重合物からなる水性エマルション型
    高分子紫外線吸収剤の少なくとも一種を含有することを
    特徴とする感熱記録体。
  2. 【請求項2】 前記乳化共重合物のガラス転移温度(T
    g)が50℃以上であることを特徴とする請求項1記載
    の感熱記録体。
  3. 【請求項3】 前記水性エマルション型高分子紫外線吸
    収剤を構成する紫外線吸収性モノマーが下記一般式
    (I)および/または一般式(II)で示される化合物で
    あることを特徴とする請求項1または2記載の感熱記録
    体。 【化1】 (R1:水素、炭素数1〜6のアルキル基またはアルコ
    キシ基、R2:炭素数1〜10のアルキレン基またはオ
    キシアルキレン基、あるいは存在しない(この場合はX
    がベンゼン環に直接結合する)、X:エステル結合、ア
    ミド結合、エーテル結合またはウレタン結合、R3:水
    素または低級アルキル基) 【化2】 (R4:水素、ハロゲンまたはメチル基、R5:水素また
    は炭素数1〜6の炭化水素基、R6:炭素数1〜10の
    アルキレン基、またはオキシアルキレン基、あるいは存
    在しない(この場合はYがベンゼン環に直接結合す
    る)、Y:エステル結合、アミド結合、エーテル結合ま
    たはウレタン結合、R7:炭素数1〜8のアルキレン
    基、アミノアルキレン基または側鎖に水酸基を有するア
    ルキル基、あるいは存在しない(この場合はYとCが直
    接結合する)、R8:水素または低級アルキル基)
  4. 【請求項4】 前記反応性乳化剤が重合性ビニル化合物
    である請求項1、2または3記載の感熱記録体。
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