JPH1021744A - 銅導体ペースト及び該銅導体ペーストを印刷した基板 - Google Patents

銅導体ペースト及び該銅導体ペーストを印刷した基板

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JPH1021744A
JPH1021744A JP18821296A JP18821296A JPH1021744A JP H1021744 A JPH1021744 A JP H1021744A JP 18821296 A JP18821296 A JP 18821296A JP 18821296 A JP18821296 A JP 18821296A JP H1021744 A JPH1021744 A JP H1021744A
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copper
copper powder
average particle
powder
conductor
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JP18821296A
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Masato Kawahara
正人 川原
Masayuki Ogino
昌幸 荻野
Toru Noguchi
徹 野口
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板上に印刷しやすく、印刷した後も形状保
持ができ、セラミックス基板に設けたスルーホールに穴
埋めしやすくて固着することができ、そして導体の電気
抵抗値を低下させた銅導体ペースト及び該銅導体ペース
トを印刷した基板を提供することを目的とする。 【解決手段】 平均粒子径1〜100nmの範囲にある
銅、銅酸化物、もしくはこれらの混合物に、平均粒子径
0.5〜10μmの範囲にあるベース銅粉を主にしこれ
より上記平均粒子径の範囲が小さい補助銅粉を少なくと
も1種類以上添加した混合銅粉と、バインダー樹脂、そ
して有機溶剤を添加した構成からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は銅導体ペースト及び
これを印刷した基板に係り、詳しくは基板上に印刷しや
すく、印刷した後も形状保持ができ、しかもセラミック
ス基板に設けたスルーホールに穴埋めしやすい銅導体ペ
ースト及び該銅導体ペーストをスクリーン印刷した基板
に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、セラミックス基板上に回路を印刷
したり、また基板に設けた貫通穴であるスルーホールに
導体を穴埋めするために、導体ペーストが用いられてい
る。この導体ペーストとしては、銀とパラジウムを主成
分とするAg−Pd系ペーストを始め、銀系ペースト、
金系ペースト、銀と白金を主成分とするAg−Pt系ペ
ースト、銅系ペーストがある。
【0003】このうち、Ag−Pd系ペーストは配線用
途として代表的なものであるが、いくつかの不具合点も
備えている。例えば、ペーストを基板上の配線に使用し
た場合、空気中の水分などを介して銀がイオン化し、こ
のイオン化した銀が隣の導体路へ移行して回路をショー
トさせるマイグレーションと呼ばれる現象が発生してい
た。このため、導体路間の距離を狭くできなかった。ま
た、導体路上に他の部品を搭載したり接続するためのハ
ンダ付け部分では、銀がハンダに浸食されやすく、耐ハ
ンダ性が劣っていた。
【0004】また、上記ペーストを基板へ接着する場合
には、本来ミクロンサイズの金属微粒子は、セラミック
ス基板と反応接着することができないために、ペースト
内に約4〜10重量%のガラスフリットを配合し、印刷
後基板にあるガラスフリットが焼成後に基板と金属膜と
を接着する役割を与えていた。しかし、その反面ガラス
フリットが焼成後の金属膜内にも多量に残存するため、
金属膜の電気抵抗値が高くなり、またガラス層で金属膜
と基板とを接着しているため、熱膨張差による歪みが出
やすくなって、熱衝撃性が弱くなると言った問題が発生
した。
【0005】このような不具合点を一部解消したペース
トとして銅系ペーストが知られている。このペースト
は、例えば特開昭60−70746号公報に記載されて
いるように、銅、ガラスフィリット、そしてタングステ
ン、モリブデン、レニウム等の非銅系物質を有機溶媒中
に分散させた組成からなっており、また特公平3−50
365号公報に記載されているように、銅酸化物を被覆
した金属銅粒子、銅酸化物粒子、ガラス等のガラス粉体
を有機溶媒中に分散させた組成からなっている。
【0006】また、他のスルーホールを穴埋めした基板
の製造方法としては、アルミナのスルーホールにタング
ステンを埋設したものを同時に焼成する方法が提案され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記銅系ペーストもガ
ラス粉体として好ましくは4〜10重量%の多くのガラ
スフリットを添加して基板と導体との接着の役割を果し
ている。しかし、上記ペーストは印刷性を改善するため
に動的粘度を低くしているが、静的粘度も低くなるため
に、これを基板にスクリーン印刷した場合にペーストが
たれて印刷した後の導体のエッジがシャープに出現しに
くく正確な印刷ができなくなった。そのために、回路設
計上、導体断面積がつかみにくいという問題につなが
り、一方粘度を高くすると、印刷性が低下するため、導
体路に凹凸が発生し、この凹凸により電気信号にノイズ
が入ってしまうことがあった。
【0008】また、スルーホールの中に穴埋めした後に
焼成してこの中を充填する場合には、ガラスフリットが
焼成後のスルーホール中の導体内に多量に残存するため
に導体の電気抵抗値が高く、更に導体と基板との界面に
存在するガラス層の熱膨張差による歪みが出やすくて耐
熱性や耐熱衝撃性が弱く、充填された導体がスルーホー
ルに付着しない問題があった。この耐熱衝撃性は、導体
をもつ基板を低温雰囲気から高温雰囲気へ、またその逆
方向へ繰り返し移動させた後における導体と基板との接
着力から評価される。また、上記ガラスフリットも低い
軟化点を有する硼珪酸鉛ガラスが使用されていることか
ら、酸化防止やAuワイヤボンディングのために行うメ
ッキ工程では、上記ガラス内の鉛がメッキを阻害してい
た。
【0009】本発明は、このような問題点を改善するも
のであり、基板上に印刷しやすく、印刷した後も形状保
持ができ、セラミックス基板に設けたスルーホールに穴
埋めしやすくて固着することができ、そして導体の電気
抵抗値を低下させた銅導体ペースト及び該銅導体ペース
トを印刷した基板を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、平均粒
子径1〜100nmの範囲にある銅、銅酸化物、もしく
はこれらの混合物に、平均粒子径0.5〜10μmの範
囲にあるベース銅粉を主にしこれより上記平均粒子径の
範囲が小さい補助銅粉を少なくとも1種類以上添加した
混合銅粉と、バインダー樹脂、そして有機溶剤からなる
銅導体ペースト及び該銅導体ペーストを用いて印刷し、
焼成した基板にある。
【0011】また、本発明は、混合銅粉が平均粒子径2
〜5μmの範囲で最も平均粒子径が大きいベース銅粉
と、平均粒子径1〜2μmの範囲にある第1の補助銅粉
と、そして平均粒子径0.5〜1μmの範囲にある第2
の補助銅粉から構成されている場合や、また、平均粒子
径0.5〜1μmの範囲にあるベース銅粉と、平均粒子
径0.1〜0.5μmの範囲にある補助銅粉から構成さ
れている場合、更に、ガラス粉末が混合銅粉と平均粒子
径1〜100nmの範囲にある銅、銅酸化物、もしくは
これらの混合物の合計量100重量部に対して0.1〜
2.0重量部添加されている場合や、バインダー樹脂と
有機溶剤からなる有機分が2〜16重量%である場合を
含む。
【0012】
【作用】本発明の銅導体ペースト及び該銅導体ペースト
を印刷した基板では、ペースト中に平均粒子径1〜10
0nmの範囲にある銅、銅酸化物、もしくはこれらの混
合物が混合銅粉と混在することにより、静的粘度が高
く、印刷後の導体のエッジがシャープに出現して形状保
持が良好になり、しかも動的粘度が高くならないため、
印刷性は良好である。また、平均粒子径1〜100nm
の範囲にある銅、銅酸化物、もしくはこれらの混合物が
基板と反応接着し、混合銅粉を焼き締める作用がある。
また、補助銅粉がベース銅粉の配列により生じる間隙や
空隙を充填し、内部欠陥がなく、焼き締まりも良好な導
体を得ることができる。更に、ベース銅粉をより小さく
することで、ファインラインの印刷にも適用できる。し
かも、導体ペーストの粘度を調節することで、スルーホ
ールに充填しやすく、しかもスルーホールに充填された
ペーストの焼成後の体積変化も少ないことから穴埋め性
が良好で、しかも高水準の接着力が維持できる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明における導体ペースト及び
本発明の基板に印刷する導体ペーストの第1の成分とな
る銅、銅酸化物、もしくはこれらの混合物からなる微粒
子は、例えば沈殿法と呼ばれる方法、即ち金属塩溶液か
ら還元剤を用いて直接金属微粒子を沈殿析出させる方法
である。ホルマリン、ヒドラジン、次亜リン酸ソーダ、
水素化ホウ素塩などの還元剤を、金属イオンを含む水溶
液に適当な条件のもとで添加することにより、金属微粒
子を得ることができる。また、上記微粒子は耐酸化性、
分散性等の改善のため、有機脂肪酸やカップリング剤に
より表面処理が行われる。上記微粒子の平均粒子径は1
〜100nmの範囲であり、好ましくは40〜60nm
である。
【0014】また、本発明の導体ペーストの第2の成分
である混合銅粉は、平均粒子径0.5〜5μmの範囲に
ある銅粉をベースにし、これより平均粒子径の範囲が小
さい補助銅粉を少なくとも1〜3種類以上添加したもの
である。具体的な混合銅粉は、平均粒子径2〜5μmの
範囲にある最も平均粒子径が大きいベース銅粉と、平均
粒子径1〜2μmの範囲で次に平均粒子径が大きい第1
の補助銅粉と、そして平均粒子径0.5〜1μmの範囲
で最も平均粒子径が小さい第2の補助銅粉の三段階の粒
子径範囲から構成されている場合や、平均粒子径0.5
〜1μmの範囲にあるベース銅粉と、平均粒子径0.1
〜0.5μmの範囲にある補助銅粉の二段階の粒子径範
囲から構成されている。上記混合銅粉を三段階の粒子径
範囲から構成した場合では、混合銅粉中、ベース銅粉が
80〜98重量%に対して第1の補助銅粉が1〜19重
量%、第2の補助銅粉が1〜19重量%になっている。
特に、補助銅粉については、これに限定されることな
く、これらの平均粒子径の範囲以下の第3の補助銅粉を
使用してもよい。
【0015】上記補助銅粉の各銅粉は、比較的球形に近
いものが望ましい。これは各銅粉が空隙を少なくして配
列するためである。平均粒子径の異った銅粉を使用する
と、平均粒子径の小さな補助銅粉が平均粒子径の最も大
きなベース銅粉が配列したときに生じる隙間や空隙を充
填するため、焼成後の導体は内部欠陥が少なく、焼き締
まりも良好になる効果がある。
【0016】ベース銅粉の平均粒子径が5μmを超える
と、酸化の影響を受けにくく焼成条件設定が広くなる
が、低い温度では充分に焼結せず焼き締まり不足が生じ
て導体と基板との接着力が低下する。また、インクロー
ル工程で銅粉がつぶれてしまって銅箔状となり、スクリ
ーン印刷時にメッシュずまりが発生することがある。一
方、ベース銅粉の平均粒子径が0.5μm未満では、混
合銅粉の総粒子面積が大きくなり過ぎて、酸化の影響が
大きくなり、電気抵抗値が高くなる。また、カサ密度が
大きいため焼き締まり性が悪くなる。
【0017】ベース銅粉の添加量が98重量%を超える
と、低い温度では充分に焼結せずに焼き締まり不足が生
じて導体と基板、またスルーホールとの接着力が低下
し、一方80重量%未満では混合銅粉の総粒子面積が大
きくなり過ぎることになり、前述と同様の不具合が起こ
る。尚、補助銅粉はベース銅粉が配列したときに生じる
間隙や空隙を充填するために添加するものであり、その
平均粒子径と添加量はベース銅粉のそれらに大きく影響
を受ける。
【0018】本発明の導体ペーストの第3の成分である
バインダー樹脂は、例えばニトロセルロース、エチルセ
ルロース、酢酸セルロース、ブチルセルロース等のセル
ロース類、ポリオキシメチレン等のポリエーテル類、ポ
リブタジエン、ポリイソプレン等のポリビニル類、ポリ
ブチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレート等の
アクリル類、ナイロン6、ナイロン6.6、ナイロン1
1等のポリアミドであり、特に制限されないが、窒素焼
成中で分解するものが好ましい。
【0019】上記バインダー樹脂を溶かす有機溶剤とし
ては、カルビトール、カルビトールアセテート、ターピ
ノール、メタクレゾール、ジメチルイミダゾリジノン、
ジメチルホルムアミド、ターピノール、ジアセトンアル
コール、トリエチレングリコール、パラキシレン、乳酸
エチル、イソホロン等の高沸点の有機溶剤であり、2種
類以上混合してもよい。
【0020】本発明に添加される第4の成分であるガラ
ス粉末は、導体のひび割れを改善したり、焼き締めを改
善する補助的な役割を担持させるために添加してもよ
い。このガラス粉末は、鉛を含有しておらず、平均粒子
径1〜10μmの範囲で軟化点200〜700°Cを有
しており、その添加量は全ての銅粉と超微粒子化した銅
酸化物、銅、もしくはこれらの混合物の合計量100重
量部に対して0.1〜2.0重量部が好ましい。2.0
重量部を超えると、ガラス粉末が焼成後の導体内に残存
するため、導体の電気抵抗値が上昇する傾向があり、ま
た導体と基板との界面にガラス層を形成し、熱膨張によ
る歪みをおこしやすく、熱衝撃性が弱くなる。一方、
0.1未満では、導体のひび割れや焼き締めの改善が期
待できない。
【0021】そして、本発明の導体ペーストは、バイン
ダー樹脂と有機溶剤からなる有機分が2〜16重量%の
範囲にある。有機分が2重量%未満の場合には、導体ペ
ーストの粘度が高くなり、スルーホールに充填されにく
くなり、また有機分が14重量%を超えると、スルーホ
ールに充填されたペーストが焼成により収縮するため、
穴埋め性が悪くなる。
【0022】また、含有している全ての銅粉と微粒の銅
酸化物、銅、もしくはこれらの混合物が84〜98重量
%の範囲にある。98重量%を超えると、ペーストが高
粘度となり焼き締まり不足が生じて導体と基板、またス
ルーホールとの接着力が低下し、一方84重量%未満で
はスルーホールに充填されたペーストが焼成により収縮
するために、前述と同様の不具合が起こる。
【0023】このようにして得られた導体ペーストは、
アルミナ、窒化アルミ、炭化珪素、窒化珪素、サイアロ
ン、チタン酸バリウム、PBZT等のセラミックス基板
にスクリーン印刷等の方法で塗布される。スクリーン印
刷の手順は、水平に置かれたスクリーン(例えば、ステ
ンレス平織物、300メッシュ)の下に、数ミリメート
ルの間隔をもたせて印刷基板を設置する。このスクリー
ンの上に導体ペーストをのせた後、スキージーを用いて
スクリーン全面に広げる。この時には、スクリーンと印
刷基板とは間隔を有している。続いて、スクリーンが印
刷基板に接触する程度にスキージーでスクリーンを押さ
え付けて移動させ、印刷をする。以後これを繰り返す。
【0024】これを従来のように予備焼成することなく
直接、基板をベルト炉に入れ、窒素中、600〜100
0°Cの温度で5〜20分間(ピーク保持時間)焼成
し、銅粉を焼結させるとともに基板と反応接着させる。
【0025】
【実施例】次に、本発明を具体的な実施例により更に詳
細に説明する。 実施例1〜8、比較例1〜2 (導体ペーストの作製)粒径40nmのCuもしくはC
2 O、混合銅粉、そしてガラス粉を表1に示すように
混合した。混合銅粉としてベース銅粉と2種類の補助銅
粉からなる3種を使用した。また、アクリル樹脂をター
ピノール、カルビトールアセテートで溶かしたものを用
意した。上記これらを混合し、更にインクロールにて均
一に混合することによって茶色の導体ペーストを作製し
た。
【0026】(導体の作製)接着力評価用基板は導体ペ
ーストをポリエステル200のスクリーンを用いて2×
2mmに印刷し、また電気抵抗値評価用基板は導体ペー
ストをポリエステル200のスクリーンを用いて直径1
5mmに印刷した。更に、スルーホール評価用基板は導
体ペーストをポリエステル200のスクリーンを用いて
直径0.3mmのスルーホールを複数個有するアルミナ
基板上にスクリーン印刷し、同時にスルーホール内に導
体ペーストを押し込んだ。これらを直接ベルト炉に入
れ、窒素中で酸素濃度0〜10ppm、900°Cの焼
成温度でピーク保持時間10分間焼成して基板を作製し
た。
【0027】(評価方法)焼成後の導体の接着力、導体
の電気抵抗値、そしてスルーホール穴埋め部の接着性、
穴埋め性、そして印刷エッジを以下の方法で測定した。
【0028】1.焼成後の導体膜の接着力(L型ピール
強度) L型に曲げた直径0.8mmのスズメッキ銅線を2mm
×2mmの大きさに焼成した導体の表面にハンダ付して
固定し、垂直に折り曲げた銅線の付着力をバネ計りで計
測し基板と導体間の接着力を求めた。
【0029】2.導体の電気抵抗値 アルミナ基板上の厚さ10μm、直径15mmの導体を
用いて、四探針法により電気抵抗値を測定した。
【0030】3.スルーホール穴埋め部の接着性 スルーホール穴埋め部をテーバー摩耗試験機にて100
0回摩耗した後の状態を肉眼で観察した。評価は三段階
で、◎は優、○は良、△は不良である。
【0031】4.穴埋め性 スルーホールの穴埋め部を顕微鏡で観察した。評価は三
段階で、◎は優、○は良、△は不良である。
【0032】5.印刷エッジ 水平に置かれたスクリーン(ポリエステル平織物、20
0メッシュ)の下に、数ミリメートルの間隔をもたせて
印刷基板を設置し、このスクリーンの上に導体ペースト
をのせた後、スキージーを用いてスクリーン全面に広
げ、続いてスクリーンが印刷基板に接触する程度にスキ
ージーでスクリーンを押さえ付けて移動させ、印刷をす
る。焼成した後の基板を顕微鏡で拡大して導体のエッジ
を観察した。エッジがシャープで角張っているものは
◎、エッジが丸くなり、中央部が平坦になっているもの
は○、エッジが丸くなり、中央部が窪んでいるものは△
として評価した。
【0033】6.粘度 東京計器社製の粘度計(DVO−E型)を用い、導体ペ
ーストを入れた容器にNo.9のロータを入れて回転さ
せ、静的粘度(ロータ回転1rpm)と動的粘度(ロー
タ回転5rpm)を測定した。測定温度は温度25°C
である。上記の評価方法によって得られた結果を表1に
示す。
【0034】
【表1】
【0035】この結果によると、実施例では、スルーホ
ールに充填しやすく、スルーホールに充填されたペース
トの焼成後の穴埋め性も良好であり、また基板上に印刷
しやすく、印刷した後も形状保持ができることが判る。
しかし、比較例では、印刷エッジが悪いものがある。
【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明の銅導体ペースト
及び該銅導体ペーストを印刷した基板では、平均粒子径
1〜100nmの範囲にある銅、銅酸化物、もしくはこ
れらの混合物が混合銅粉と混在することにより、静的粘
度の向上により印刷後の導体のエッジがシャープに出現
して形状保持が良好で、しかも動的粘度も低くなるた
め、印刷性も良好であり、また補助銅粉がベース銅粉の
配列により生じる間隙や空隙を充填し、内部欠陥がな
く、焼き締まりも良好な導体を得ることができ、しかも
導体ペーストの粘度を調節することによりスルーホール
に充填しやすく、しかもスルーホールに充填されたペー
ストの焼成後の体積変化も少ないことから穴埋め性が良
好で、しかも高水準の接着力が維持できる効果を有して
いる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径1〜100nmの範囲にある
    銅、銅酸化物、もしくはこれらの混合物に、平均粒子径
    0.5〜10μmの範囲にあるベース銅粉を主にしこれ
    より上記平均粒子径の範囲が小さい補助銅粉を少なくと
    も1種類以上添加した混合銅粉と、バインダー樹脂、そ
    して有機溶剤を添加してなることを特徴とする銅導体ペ
    ースト。
  2. 【請求項2】 混合銅粉が平均粒子径2〜5μmの範囲
    で最も平均粒子径が大きいベース銅粉と、平均粒子径1
    〜2μmの範囲にある第1の補助銅粉と、そして平均粒
    子径0.5〜1μmの範囲にある第2の補助銅粉から構
    成されている請求項1記載の銅導体ペースト。
  3. 【請求項3】 混合銅粉が平均粒子径0.5〜1μmの
    範囲で最も平均粒子径が大きいベース銅粉と、平均粒子
    径0.1〜0.5μmの範囲で補助銅粉とから構成され
    ている請求項1記載の銅導体ペースト。
  4. 【請求項4】 ガラス粉末が混合銅粉と平均粒子径1〜
    100nmの範囲にある銅、銅酸化物、もしくはこれら
    の混合物の合計量100重量部に対して0.1〜2.0
    重量部添加されている請求項1、2または3記載の銅導
    体ペースト。
  5. 【請求項5】 バインダー樹脂と有機溶剤からなる有機
    分が2〜16重量%の範囲にある請求項1、2、3また
    は4記載の銅導体ペースト。
  6. 【請求項6】 平均粒子径1〜100nmの範囲にある
    銅、銅酸化物、もしくはこれらの混合物に、平均粒子径
    0.5〜10μmの範囲にあるベース銅粉を主にしこれ
    より上記平均粒子径の範囲が小さい補助銅粉を少なくと
    も1種類以上添加した混合銅粉と、バインダー樹脂、そ
    して有機溶剤を添加してなる銅導体ペーストを印刷し、
    焼成したことを特徴とする銅導体ペーストを印刷した基
    板。
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