JPH10233119A - 銅導体ペースト及び該銅導体ペーストを印刷した基板 - Google Patents

銅導体ペースト及び該銅導体ペーストを印刷した基板

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JPH10233119A
JPH10233119A JP5089297A JP5089297A JPH10233119A JP H10233119 A JPH10233119 A JP H10233119A JP 5089297 A JP5089297 A JP 5089297A JP 5089297 A JP5089297 A JP 5089297A JP H10233119 A JPH10233119 A JP H10233119A
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average particle
copper powder
powder
conductor paste
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JP5089297A
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Hiromasa Yagiyuu
裕聖 柳生
Masato Kawahara
正人 川原
Toru Noguchi
徹 野口
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Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/09Use of materials for the conductive, e.g. metallic pattern
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼成膜への半田付け性を改良して基板と焼成
膜間の密着力を向上させ、しかも電気抵抗値の上昇を抑
えた銅導体ペースト及び該銅導体ペーストを印刷した基
板を提供する。 【解決手段】 平均粒子径1〜200nmの範囲にある
銅、銅酸化物、もしくはこれらの混合物からなる微粒子
に、平均粒子径0.5〜10μmの範囲にあるベース銅
粉を主にしこれより上記平均粒子径の範囲が小さい補助
銅粉を少なくとも1種類以上添加した混合銅粉、バイン
ダー樹脂、ガラス粉末、そして有機溶剤を添加した銅導
体ペーストに関する。この銅導体ペーストに添加するガ
ラス粉末が銅、銅酸化物、もしくはこれらの混合物から
なる微粒子や混合銅粉の焼結温度より低くてかつバイン
ダー樹脂の熱分解温度より高い軟化点を有するものであ
り、添加量は微粒子と混合銅粉の合計量100重量部に
対して0.1〜2.0重量部である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は銅導体ペースト及び
これを印刷した基板に係り、詳しくは焼成膜への半田付
け性を改良して基板と焼成膜間の密着力を向上させ、そ
の電気抵抗値の上昇を抑えた銅導体ペースト及び該銅導
体ペーストを印刷した基板に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、セラミックス基板上に回路を印刷
したり、また基板に設けた貫通穴であるスルーホールに
導体を穴埋めするために、導体ペーストが用いられてい
る。この導体ペーストとしては、銀とパラジウムを主成
分とするAg−Pd系ペーストを始め、銀系ペースト、
金系ペースト、銀と白金を主成分とするAg−Pt系ペ
ースト、銅系ペーストがある。
【0003】このうち、Ag−Pd系ペーストは配線用
途として代表的なものであるが、いくつかの不具合点も
備えている。例えば、ペーストを基板上の配線に使用し
た場合、空気中の水分などを介して銀がイオン化し、こ
のイオン化した銀が隣の導体路へ移行して回路をショー
トさせるマイグレーションと呼ばれる現象が発生してい
た。このため、導体路間の距離を狭くできなかった。ま
た、導体路上に他の部品を搭載したり接続するための半
田付け部分では、銀が半田に浸食されやすく、耐半田性
が劣っていた。
【0004】また、上記ペーストを基板へ接着する場合
には、本来ミクロンサイズの金属微粒子は、セラミック
ス基板と反応接着することができないために、ペースト
内に約4〜10重量%のガラス粉末を配合し、印刷後基
板にあるガラス粉末が焼成後に基板と金属膜とを接着す
る役割を与えていた。しかし、その反面ガラス粉末が焼
成後の金属膜内にも多量に残存するため、金属膜の電気
抵抗値が高くなり、またガラス層で金属膜と基板とを接
着しているため、熱膨張差による歪みが出やすくなっ
て、熱衝撃性が弱くなると言った問題が発生した。
【0005】このような不具合点を一部解消したペース
トとして銅系ペーストが知られている。このペースト
は、例えば特開昭60−70746号公報に記載されて
いるように、銅、ガラス粉末、そしてタングステン、モ
リブデン、レニウム等の非銅系物質を有機溶媒中に分散
させた組成からなっており、また特公平3−50365
号公報に記載されているように、銅酸化物を被覆した金
属銅粒子、銅酸化物粒子、ガラス等のガラス粉体を有機
溶媒中に分散させた組成からなっている。
【0006】また、他のスルーホールを穴埋めした基板
の製造方法としては、アルミナのスルーホールにタング
ステンを埋設したものを同時に焼成する方法が提案され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記銅系ペーストもガ
ラス粉体として好ましくは4〜10重量%の多くのガラ
ス粉体を添加して基板と導体との接着の役割を果してい
る。しかし、焼成条件によっては、ガラス粉末が焼成後
の金属膜内にも多量に残存するため、ガラス粉体の添加
量を少なくする傾向になる。ただ、ガラス粉体の添加量
を少なくすると、ペーストの焼成過程でバインダーポリ
マーの分解後、銅の焼結までの間に銅粉が動きにくく、
銅粉の焼成後に膜面の凹凸が激しくなって半田ぬれ性が
著しく低下した。更には、導線を焼成膜の表面に付着さ
せるために半田付けを行った場合、膜面積に対して半田
の面積が小さくなるため、L型ピール強度法により焼成
膜の密着力を測定すると、半田付けした部分と焼成膜の
間に大きな応力が加わって、本来の基板と焼成膜の密着
力が発揮できない問題があった。
【0008】また、スルーホールの中に穴埋めした後に
焼成してこの中を充填する場合には、ガラス粉末が焼成
後のスルーホール中の導体内に多量に残存するために導
体の電気抵抗値が高く、更に導体と基板との界面に存在
するガラス層の熱膨張差による歪みが出やすくて耐熱性
や耐熱衝撃性が弱く、充填された導体がスルーホールに
付着しない問題があった。この耐熱衝撃性は、導体をも
つ基板を低温雰囲気から高温雰囲気へ、またその逆方向
へ繰り返し移動させた後における導体と基板との接着力
から評価される。また、上記ガラス粉末も低い軟化点を
有する硼珪酸鉛ガラスが使用されていることから、酸化
防止やAuワイヤボンディングのために行うメッキ工程
では、上記ガラス内の鉛がメッキを阻害していた。
【0009】本発明は、このような問題点を改善するも
のであり、焼成膜への半田付け性を改良して基板と焼成
膜間の密着力を向上させ、しかも電気抵抗値の上昇を抑
えた銅導体ペースト及び該銅導体ペーストを印刷した基
板を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち、本願の請求項1記
載の発明では、平均粒子径1〜200nmの範囲にある
銅、銅酸化物、もしくはこれらの混合物からなる微粒子
に、平均粒子径0.5〜10μmの範囲にあるベース銅
粉を主にしこれより上記平均粒子径の範囲が小さい補助
銅粉を少なくとも1種類以上添加した混合銅粉、バイン
ダー樹脂、ガラス粉末、そして有機溶剤を添加した銅導
体ペーストであり、上記ガラス粉末が銅、銅酸化物、も
しくはこれらの混合物からなる微粒子や混合銅粉の焼結
温度より低くてかつバインダー樹脂の熱分解温度より高
い軟化点を有するものであり、しかもその添加量が上記
微粒子と混合銅粉の合計量100重量部に対して0.1
〜2.0重量部である銅導体ペーストにあり、とりわけ
微粒子や混合銅粉の焼結温度とガラス粉末の軟化点の差
を大きくするようにガラス粉末を配合し、銅導体ペース
トの焼成過程において軟化したガラス粉末を基板方向へ
流動させるのと同時に微粒子や混合銅粉も基板方向へ移
動させ、焼成後の膜の平滑化を図ることができ、焼成膜
への半田付け性を改良して基板と焼成膜間の密着力を向
上させ、しかもその電気抵抗値の上昇を抑制することが
できる。
【0011】本願の請求項2記載の発明では、ガラス粉
末が軟化点の異なる少なくとも2種以上のものを含んで
いる銅導体ペーストであり、ガラス粉末を一時に軟化さ
せるのではなく幅広い環境温度の範囲で時間をかけて軟
化し、焼成後の膜の平滑化をより一層図ることができ
る。
【0012】本願の請求項3記載の発明では、混合銅粉
が平均粒子径2〜5μmの範囲で最も平均粒子径が大き
いベース銅粉と、平均粒子径1〜2μmの範囲にある第
1の補助銅粉と、そして平均粒子径0.5〜1μmの範
囲にある第2の補助銅粉から構成されている銅導体ペー
ストであり、補助銅粉がベース銅粉の配列により生じる
間隙や空隙を充填し、内部欠陥がなく、焼き締まりも良
好な焼成膜を得ることができる。
【0013】本願の請求項4記載の発明では、混合銅粉
が平均粒子径0.5〜1μmの範囲で最も平均粒子径が
大きいベース銅粉と、平均粒子径0.1〜0.5μmの
範囲で補助銅粉とから構成されているため、請求項3記
載の発明と同様に焼き締まりも良好な焼成膜を得ること
ができる。
【0014】本願の請求項5記載の発明では、バインダ
ー樹脂が熱分解温度の異なる少なくとも2種以上からな
るため、バインダー樹脂が一度に熱分解せず環境温度に
応じて分解するため、焼成膜中に残存することがなく、
焼き締まりも良好な焼成膜を得ることができる。
【0015】本願の請求項6記載の発明では、平均粒子
径1〜200nmの範囲にある銅、銅酸化物、もしくは
これらの混合物からなる微粒子に、平均粒子径0.5〜
10μmの範囲にあるベース銅粉を主にしこれより上記
平均粒子径の範囲が小さい補助銅粉を少なくとも1種類
以上添加した混合銅粉、バインダー樹脂、上記微粒子や
混合銅粉の焼結温度より低くてかつバインダー樹脂の熱
分解温度より高い軟化点を有するものであって、かつ上
記微粒子と混合銅粉の合計量100重量部に対して0.
1〜2.0重量部のガラス粉末、そして有機溶剤を含ん
だ銅導体ペーストを基板に印刷し、焼成した銅導体ペー
ストを印刷した基板であり、焼成後の膜の平滑化を図る
ことができ、焼成膜への半田付け性を改良して基板と焼
成膜間の密着力を向上させ、しかも電気抵抗値の上昇を
抑制することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明における銅導体ペースト及
び本発明の基板に印刷する銅導体ペーストの第1の成分
となる銅、銅酸化物、もしくはこれらの混合物からなる
微粒子は、例えば沈殿法と呼ばれる方法、即ち金属塩溶
液から還元剤を用いて直接金属微粒子を沈殿析出させる
方法である。ホルマリン、ヒドラジン、次亜リン酸ソー
ダ、水素化ホウ素塩などの還元剤を、金属イオンを含む
水溶液に適当な条件のもとで添加することにより、金属
微粒子を得ることができる。また、上記微粒子は耐酸化
性、分散性等の改善のため、有機脂肪酸やカップリング
剤により表面処理が行われる。上記微粒子の平均粒子径
は1〜200nmの範囲である。好ましくは、100〜
200nmの範囲にあり、この範囲であれば微粒子の凝
集がなくなって緻密な焼成膜が形成され、その電気抵抗
値も小さくなる。
【0017】また、本発明の銅導体ペーストの第2の成
分である混合銅粉は、平均粒子径0.5〜5μmの範囲
にある銅粉をベースにし、これより平均粒子径の範囲が
小さい補助銅粉を少なくとも1〜3種類以上添加したも
のである。具体的な混合銅粉は、平均粒子径2〜5μm
の範囲にある最も平均粒子径が大きいベース銅粉と、平
均粒子径1〜2μmの範囲で次に平均粒子径が大きい第
1の補助銅粉と、そして平均粒子径0.5〜1μmの範
囲で最も平均粒子径が小さい第2の補助銅粉の三段階の
粒子径範囲から構成されている場合や、平均粒子径0.
5〜1μmの範囲にあるベース銅粉と、平均粒子径0.
1〜0.5μmの範囲にある補助銅粉の二段階の粒子径
範囲から構成されている。上記混合銅粉を三段階の粒子
径範囲から構成した場合では、混合銅粉中、ベース銅粉
が80〜98重量%に対して第1の補助銅粉が1〜19
重量%、第2の補助銅粉が1〜19重量%になってい
る。特に、補助銅粉については、これに限定されること
なく、これらの平均粒子径の範囲以下の第3の補助銅粉
を使用してもよい。
【0018】上記補助銅粉の各銅粉は、比較的球形に近
いものが望ましい。これは各銅粉が空隙を少なくして配
列するためである。平均粒子径の異った銅粉を使用する
と、平均粒子径の小さな補助銅粉が平均粒子径の最も大
きなベース銅粉が配列したときに生じる隙間や空隙を充
填するため、焼成後の膜は内部欠陥が少なく、焼き締ま
りも良好になる効果がある。
【0019】ベース銅粉の平均粒子径が5μmを超える
と、酸化の影響を受けにくく焼成条件設定が広くなる
が、低い温度では充分に焼結せず焼き締まり不足が生じ
て焼成膜と基板との密着力が低下する。また、インクロ
ール工程で銅粉がつぶれてしまって銅箔状となり、スク
リーン印刷時にメッシュずまりが発生することがある。
一方、ベース銅粉の平均粒子径が0.5μm未満では、
混合銅粉の総粒子面積が大きくなり過ぎて、酸化の影響
が大きくなり、電気抵抗値が高くなる。また、カサ密度
が大きいため焼き締まり性が悪くなる。
【0020】ベース銅粉の添加量が98重量%を超える
と、低い温度では充分に焼結せずに焼き締まり不足が生
じて焼成膜と基板、またスルーホールとの接着力が低下
し、一方80重量%未満では混合銅粉の総粒子面積が大
きくなり過ぎることになり、前述と同様の不具合が起こ
る。尚、補助銅粉はベース銅粉が配列したときに生じる
間隙や空隙を充填するために添加するものであり、その
平均粒子径と添加量はベース銅粉のそれらに大きく影響
を受ける。
【0021】本発明の銅導体ペーストの第3の成分であ
るバインダー樹脂は、例えばニトロセルロース、エチル
セルロース、酢酸セルロース、ブチルセルロース等のセ
ルロース類、ポリオキシメチレン等のポリエーテル類、
ポリブタジエン、ポリイソプレン等のポリビニル類、ポ
リブチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレート等
のアクリル類、ナイロン6、ナイロン6.6、ナイロン
11等のポリアミドであり、特に制限されないが、焼成
中で分解する必要がある。
【0022】このバインダー樹脂としては、熱分解温度
の相違する樹脂を少なくとも2種類以上含めることが好
ましい。これは焼成した場合でもバインダー樹脂が一度
に熱分解せず環境温度に応じて分解するため、焼成膜中
に残存することがない。
【0023】上記バインダー樹脂を溶かす有機溶剤とし
ては、カルビトール、カルビトールアセテート、ターピ
ノール、メタクレゾール、ジメチルイミダゾリジノン、
ジメチルホルムアミド、ターピノール、ジアセトンアル
コール、トリエチレングリコール、パラキシレン、乳酸
エチル、イソホロン等の高沸点の有機溶剤であり、2種
類以上混合してもよい。
【0024】本発明に添加される第4の成分であるガラ
ス粉末は、銅、銅酸化物、もしくはこれらの混合物から
なる微粒子や混合銅粉の焼結温度より低くてかつバイン
ダー樹脂の熱分解温度より高い軟化点を有するものが使
用される。とりわけ、銅導体ペーストの焼成過程におい
て軟化したガラス粉末を基板方向へ流動させるのと同時
に微粒子や混合銅粉も基板方向へ移動させ、焼成後の膜
の平滑化を図り、焼成膜への半田付け性を改良して基板
と焼成膜間の密着力を向上させ、しかもその電気抵抗値
の上昇を抑えるうえで重要になる。
【0025】このガラス粉末は、鉛を含有しておらず、
平均粒子径1〜10μmの範囲で高軟化点のガラス粉末
と低軟化点のガラス粉末の混合物からなる。高軟化点の
ガラス粉末は軟化点が580〜900°Cで、具体的に
はB2 3 −SiO2 (軟化点770°C)、Al2
3 −B2 3 −SiO2 (軟化点846°C)、ZnO
−SiO2 −B2 3 (軟化点585〜673°C)が
あり、一方低軟化点のガラス粉末は軟化点が500〜5
70°Cで、具体的にはSiO2 −B2 3 −Bi2
3 (軟化点510〜550°C)がある。
【0026】その添加量は全ての銅粉と微粒子化した銅
酸化物、銅、もしくはこれらの混合物の合計量100重
量部に対して0.1〜2.0重量部が好ましい。2.0
重量部を超えると、ガラス粉末が焼成後の焼成膜内に残
存するため、焼成膜の電気抵抗値が上昇する傾向があ
り、また焼成膜と基板との界面にガラス層を形成し、熱
膨張による歪みをおこしやすく、熱衝撃性が弱くなる。
一方、0.1未満では、焼成膜のひび割れや焼き締めの
改善が期待できない。
【0027】そして、本発明の銅導体ペーストは、バイ
ンダー樹脂と有機溶剤からなる有機分が2〜16重量%
の範囲にして粘度調節されている。有機分が2重量%未
満の場合には、銅導体ペーストの粘度が高くなり、スル
ーホールに充填されにくくなり、また有機分が14重量
%を超えると、スルーホールに充填されたペーストが焼
成により収縮するため、穴埋め性が悪くなる。
【0028】また、含有している全ての銅粉と銅酸化
物、銅、もしくはこれらの混合物からなる微粒子が84
〜98重量%の範囲にある。98重量%を超えると、ペ
ーストが高粘度となり焼き締まり不足が生じて焼成膜と
基板、またスルーホールとの接着力が低下し、一方84
重量%未満ではスルーホールに充填されたペーストが焼
成により収縮するために、前述と同様の不具合が起こ
る。
【0029】このようにして得られた銅導体ペースト
は、アルミナ、窒化アルミ、炭化珪素、窒化珪素、サイ
アロン、チタン酸バリウム、PBZT等のセラミックス
基板にスクリーン印刷等の方法で塗布される。スクリー
ン印刷の手順は、水平に置かれたスクリーン(例えば、
ステンレス平織物、300メッシュ)の下に、数ミリメ
ートルの間隔をもたせて印刷基板を設置する。このスク
リーンの上に銅導体ペーストをのせた後、スキージーを
用いてスクリーン全面に広げる。この時には、スクリー
ンと印刷基板とは間隔を有している。続いて、スクリー
ンが印刷基板に接触する程度にスキージーでスクリーン
を押さえ付けて移動させ、印刷をする。以後これを繰り
返す。
【0030】これを従来のように予備焼成することなく
直接、基板をベルト炉に入れ、窒素中、600〜100
0°Cの温度下で5〜20分間(ピーク保持時間)焼成
し、銅粉を焼結させるとともに基板と反応接着させる。
この時この炉には所定量の酸素が送り込まれ、焼成膜と
基板との密着力を高めて焼成膜の電気抵抗値を減少させ
る。
【0031】
【実施例】次に、本発明を具体的な実施例により更に詳
細に説明する。 実施例1〜8、比較例1〜2 (銅導体ペーストの作製)所定粒径をもったCu、混合
銅粉、そして所定のガラス粉末を表1に示すように混合
した。混合銅粉としてベース銅粉と2種類の補助銅粉か
らなる3種を使用した。また、アクリル樹脂をターピノ
ール、カルビトールアセテートで溶かしたものを用意し
た。上記これらを混合し、更にインクロールにて均一に
混合することによって茶色の銅導体ペーストを作製し
た。
【0032】(焼成膜の作製)密着力評価用の窒化アル
ミ基板及びアルミナには、銅導体ペーストをポリエステ
ル200のスクリーンを用いて2×2mmの範囲で印刷
し、また電気抵抗値評価用の窒化アルミ基板には銅導体
ペーストをポリエステル200のスクリーンを用いて直
径15mmに印刷した。これらを直接ベルト炉に入れ、
窒素中で酸素濃度150ppm、600〜900°Cの
焼成温度でピーク保持時間10分間焼成して基板を作製
した。
【0033】(評価方法)焼成膜への半田付け性、焼成
膜の密着力、そして焼成膜の電気抵抗値を以下の方法で
測定した。
【0034】1.焼成膜への半田付け性 260°Cに保持された半田浴に基板を5秒間浸漬し、
焼成膜上にある半田の面積と焼成膜の面積の割合から半
田付け性を評価した。○は半田が50%以上存在してい
る場合、△は50%未満の場合、そして×は半田が全く
存在していない場合を示す。
【0035】2.焼成膜の密着力(L型ピール強度) L型に曲げた直径0.8mmのスズメッキ銅線を2mm
×2mmの大きさに焼成した焼成膜の表面に半田付して
固定し、垂直に折り曲げた銅線の付着力をバネ計りで計
測し基板と焼成膜間の接着力を求めた。
【0036】3.焼成膜の電気抵抗値 窒化アルミ基板上の厚さ10μm、直径15mmの焼成
膜を用いて、四探針法により電気抵抗値を測定した。
【0037】4.粘度 東京計器社製の粘度計(DVO−E型)を用い、銅導体
ペーストを入れた容器にNo.9のロータを入れて回転
させ、静的粘度(ロータ回転1rpm)と動的回転(ロ
ータ回転5rpm)を測定した。測定温度は25°Cで
ある。上記の評価方法によって得られた結果を表1に示
す。
【0038】
【表1】
【0039】この結果によると、軟化点の相違する2種
類のガラス粉末を使用すれば、焼成膜表面の凹凸性が減
少して半田付け性が向上し、また基板と焼成膜間の密着
力も向上し、更にはその電気抵抗値も減少していること
が判る。
【0040】
【発明の効果】以上のように本願の請求項1記載の発明
では、ガラス粉末として銅、銅酸化物、もしくはこれら
の混合物からなる微粒子や混合銅粉の焼結温度より低く
てかつバインダー樹脂の熱分解温度より高い軟化点を有
するものであり、しかも上記微粒子と混合銅粉の合計量
100重量部に対して0.1〜2.0重量部添加して微
粒子や混合銅粉の焼結温度とガラス粉末の軟化点の差を
大きくし、銅導体ペーストの焼成過程において軟化した
ガラス粉末を基板方向へ流動させるのと同時に微粒子や
混合銅粉も基板方向へ移動させ、焼成後の膜の平滑化を
図ることができ、焼成膜への半田付け性を改良して基板
と焼成膜間の密着力を向上させ、しかもその電気抵抗値
を小さくすることができる効果がある。
【0041】本願の請求項2記載の発明では、ガラス粉
末が軟化点の異なる少なくとも2種以上のものを含んで
いる銅導体ペーストであり、ガラス粉末を一時に軟化さ
せるのではなく幅広い環境温度の範囲で時間をかけて軟
化し、より一層焼成後の膜の平滑化を図ることができる
効果がある。
【0042】本願の請求項3および4記載の発明では、
請求項1記載の発明の効果に加えて、補助銅粉がベース
銅粉の配列により生じる間隙や空隙を充填し、内部欠陥
がなく、焼き締まりも良好な焼成膜を得ることができ
る。
【0043】本願の請求項5記載の発明では、バインダ
ー樹脂が熱分解温度の異なる少なくとも2種以上からな
るため、バインダー樹脂が一度に熱分解せず環境温度に
応じて分解するため、焼成膜中に残存することがなく、
焼き締まりも良好な焼成膜を得ることができる。
【0044】本願の請求項6記載の発明では、焼成後の
膜の平滑化を図り、焼成膜への半田付け性を改良して基
板と焼成膜間の密着力を向上させ、しかもその電気抵抗
値を小さくすることができる基板を得ることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径1〜200nmの範囲にある
    銅、銅酸化物、もしくはこれらの混合物からなる微粒子
    に、平均粒子径0.5〜10μmの範囲にあるベース銅
    粉を主にしこれより上記平均粒子径の範囲が小さい補助
    銅粉を少なくとも1種類以上添加した混合銅粉、バイン
    ダー樹脂、ガラス粉末、そして有機溶剤を添加した銅導
    体ペーストであり、上記ガラス粉末が銅、銅酸化物、も
    しくはこれらの混合物からなる微粒子や混合銅粉の焼結
    温度より低くてかつバインダー樹脂の熱分解温度より高
    い軟化点を有するものであり、しかもその添加量が上記
    微粒子と混合銅粉の合計量100重量部に対して0.1
    〜2.0重量部であることを特徴とする銅導体ペース
    ト。
  2. 【請求項2】 ガラス粉末が軟化点の異なる少なくとも
    2種以上のものを含んでいる請求項1記載の銅導体ペー
    スト。
  3. 【請求項3】 混合銅粉が平均粒子径2〜5μmの範囲
    で最も平均粒子径が大きいベース銅粉と、平均粒子径1
    〜2μmの範囲にある第1の補助銅粉と、そして平均粒
    子径0.5〜1μmの範囲にある第2の補助銅粉から構
    成されている請求項1記載の銅導体ペースト。
  4. 【請求項4】 混合銅粉が平均粒子径0.5〜1μmの
    範囲で最も平均粒子径が大きいベース銅粉と、平均粒子
    径0.1〜0.5μmの範囲で補助銅粉とから構成され
    ている請求項1または2記載の銅導体ペースト。
  5. 【請求項5】 バインダー樹脂が熱分解温度の異なる少
    なくとも2種以上からなる請求項1、2、3、または4
    記載の銅導体ペースト。
  6. 【請求項6】 平均粒子径1〜200nmの範囲にある
    銅、銅酸化物、もしくはこれらの混合物からなる微粒子
    に、平均粒子径0.5〜10μmの範囲にあるベース銅
    粉を主にしこれより上記平均粒子径の範囲が小さい補助
    銅粉を少なくとも1種類以上添加した混合銅粉、バイン
    ダー樹脂、上記微粒子や混合銅粉の焼結温度より低くて
    かつバインダー樹脂の熱分解温度より高い軟化点を有す
    るものであって、しかも上記微粒子と混合銅粉の合計量
    100重量部に対して0.1〜2.0重量部のガラス粉
    末、そして有機溶剤を含んだ銅導体ペーストを基板に印
    刷し、焼成したことを特徴とする銅導体ペーストを印刷
    した基板。
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