JPH10212811A - ボード状建材の取付金具 - Google Patents

ボード状建材の取付金具

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JPH10212811A
JPH10212811A JP33640997A JP33640997A JPH10212811A JP H10212811 A JPH10212811 A JP H10212811A JP 33640997 A JP33640997 A JP 33640997A JP 33640997 A JP33640997 A JP 33640997A JP H10212811 A JPH10212811 A JP H10212811A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基板部とこれより水平方向に延出する水平延出
部及びその先端において上向きに立ち上がる引掛片を備
えた第一係合片部、基板部から水平方向に延出する水平
延出部及びその先端から下向きに立ち下がる引掛片から
なる第二係合片部を備え、それら第一及び第二係合片部
において建材の突出部を嵌合状態に係合させて建材を建
材下地に取り付けるための取付金具を鋼板の曲げ加工に
て形成する場合にも、第一係合片部及び第二係合片部の
各引掛片を左右方向に長く形成し得、建材との間で強い
係合力が得られるようにする。 【解決手段】板材の上下方向中間部分の所定部位よりも
上側に第一切込部74を、また下側に第二切込部76を
それぞれ形成し、それら第一及び第二切込部74,76
で囲まれた内側部分を下向きと上向きとの逆方向にそれ
ぞれ折り曲げた上、折曲部分の先端側部分を更に上向き
と下向きに曲げ起こして第一係合片部62及び第二係合
片部64を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はボード状建材を躯
体側の建材下地に取り付けるための取付金具に関する。
【0002】[発明の背景]ボード状の外装用建材を躯
体側の建材下地に固定するに際して、建材表面からこれ
を貫通して釘やビス等を建材下地に打ち込むと、釘等の
頭部が建材表面に露出した状態となって外観,美観を損
なう問題があり、そこで取付金具を建材下地に釘等にて
止め付けた上、その取付金具を介して建材を建材下地に
取り付けることが広く行われている。
【0003】図14は従来一般的に用いられている取付
金具及びこれを用いた施工の一例を示している。同図に
おいて300は釘等の止具302にて建材下地としての
胴縁304に止め付けられた取付金具で、この取付金具
300に対して、上下に隣接するボード状の建材306
の下端部の第一突出部308及び上端部の第二突出部3
10が嵌合状態で係合され、以てこれら建材306が、
取付金具300を介して建材下地としての胴縁304、
つまり躯体側に取り付けられている。
【0004】従来、かかる取付金具300としては図1
5に示すような形態のアルミニウム押出成形品から成る
ものが用いられていた。同図において312は基板部で
あって、その基板部312から水平延出部314が水平
方向に延び出しており、更にその水平延出部314の先
端に上向きの起立状の引掛片316と、下向きに立ち下
がる引掛片318とが一体に成形されている。
【0005】ここで水平延出部314及び上向きの引掛
片316は第一係合片部320を、また水平延出部31
4と下向きの引掛片318とは第二係合片部322をそ
れぞれ構成しており、そしてその第一係合片部320に
おいて建材306の第一突出部308を嵌合状態に係合
させ、また第二係合片部322において下段側の建材3
06の第二突出部310を嵌合状態に係合させること
で、これら建材306を躯体側に取り付けるものとなっ
ている。
【0006】尚、324は止具として釘を用いるときの
止付穴であり、また326は止具としてビスを用いると
きの止付穴であり、釘又はビスの何れかを選択して取付
金具300を胴縁304等の建材下地に止め付けられる
ようになっている。
【0007】このアルミニウム押出成形品から成る取付
金具300の場合、第一係合片部320及び第二係合片
部322を、取付金具300の全幅(左右方向全幅)に
亘って連続的に形成することができる。従ってこの取付
金具300の場合、建材306に対して左右方向の係合
長さを長くとることができ、建材306を強固に固定す
ることが可能である。
【0008】ところで、このアルミニウム押出成形品か
ら成る取付金具300は耐火性が十分に高くはなく、そ
こで耐火度が更に求められる場合にはステンレス鋼から
成る取付金具を用いることが考えられる。但しこのステ
ンレス鋼からなる取付金具の場合、これを押出成形にて
形成することができず、従って上記第一係合片部,第二
係合片部等はステンレス鋼板の曲げ加工にて形成せざる
を得ない。
【0009】曲げ加工にて第一係合片部,第二係合片部
を形成する場合の例として、図16,17,18に示す
ものが従来公知である。このうち図16に示す取付金具
327は、板材の下端側の部分を上向き且つ水平方向に
折り曲げた上、その折曲部分の先端側の部分の一部を更
に上向きに曲げ起こす一方、残りの一部を下向きに曲げ
起こして水平延出部328と上向き及び下向きの引掛片
330,332を形成し、そしてその水平延出部328
と上向きの引掛片330とによって第一係合片部334
を、また水平延出部328と下向きの引掛片332とで
第二係合片部336をそれぞれ構成し、建材306にお
ける第一突出部308又は第二突出部310をそれぞれ
嵌合状態に係合させるようになしたものである(特開平
7−173917)。
【0010】図17に示す取付金具338も図16とほ
ぼ同様の構成であって、板材の下端側の部分を水平方向
に折り曲げた上、更にその先端部分の一部を上向きに曲
げ起こすとともに、残りの部分を下向きに曲げ起こし、
以て水平延出部328と上向きの引掛片330及び下向
きの引掛片332を形成し、そして共通の水平延出部3
28と上向きの引掛片330とによって第一係合片部3
34を、また共通の水平延出部328と下向きの引掛片
332とによって第二係合片部336をそれぞれ構成す
るようにしている(実開平4−100741)。
【0011】一方、図18に示す取付金具340も基本
的に上記2つのものと同様であって、板材の左右両側に
おいてその一部を水平方向に折り曲げた上、先端側部分
の一部を上向きに曲げ起こして引掛片330を形成する
一方、残りの一部を下向きに曲げ起こして引掛片332
を形成し、そして共通の水平延出部328と上向きの引
掛片330とによって第一係合片部334を、また共通
の水平延出部328と下向きの引掛片332とによって
第二係合片部336を構成している(実公平7−544
38)。
【0012】これらの例から明らかなように、板材の曲
げ加工にて第一係合片部334,第二係合片部336を
形成した取付金具327,338,340は、第一係合
片部334及び第二係合片部336が、それぞれ左右方
向において異なる位置に形成されており、従って第一係
合片部334,第二係合片部336における引掛片33
0,332の左右方向長さが、対応する第一係合片部3
34,第二係合片部336における水平延出部328と
同幅(左右方向幅)ないし小さい幅となってしまっっ
て、建材306の第一突出部308,第二突出部310
に対する左右方向の係合長さが必然的に短いものとなっ
てしまう問題があった。
【0013】この場合、例えば台風の際のような悪天
候,強風時に建材306に対して負圧が働いて躯体外方
向への引張力が作用したとき、建材306における第一
突出部308,第二突出部310が破損して、場合によ
り建材306が引き剥がされてしまうといった不都合を
生ずる。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願の発明は、高耐火度
のステンレス鋼板材を曲げ加工して取付金具を形成した
場合においても上記のような問題を生ずることのない取
付金具を提供することを目的としてなされたものであ
る。而して本願の請求項1の取付金具は、(イ)躯体側
に固定される基板部と、(ロ)該基板部より水平方向に
延出する水平延出部及び該水平延出部より上向きに起立
する引掛片とを有する第一係合片部と、(ハ)該基板部
より水平方向に延出する水平延出部及び該水平延出部よ
り下向きに立ち下がる引掛片とを有する第二係合片部と
を備えて成り、該第一係合片部において、上下に隣接す
るボード状建材の上段側の建材の下端部に形成された下
向きの第一突出部に嵌合状態に係合して該下端部を固定
するとともに、該第二係合片部において、下段側の建材
の上端部に形成された上向きの第二突出部に嵌合状態に
係合して該上端部を固定するボード状建材の取付金具で
あって、前記第一係合片部及び第二係合片部の少なくと
も何れか一方を、前記水平延出部よりも前記引掛片が左
右方向に長い形状となしたことを特徴とする。
【0015】本願の請求項2の取付金具は、(イ)躯体
側に固定される基板部と、(ロ)該基板部より水平方向
に延出する水平延出部及び該水平延出部より上向きに起
立する引掛片とを有する第一係合片部と、(ハ)該基板
部より水平方向に延出する水平延出部及び該水平延出部
より下向きに立ち下がる引掛片とを有する第二係合片部
とを備えて成り、該第一係合片部において、上下に隣接
するボード状建材の上段側の建材の下端部に形成された
下向きの第一突出部に嵌合状態に係合して該下端部を固
定するとともに、該第二係合片部において、下段側の建
材の上端部に形成された上向きの第二突出部に嵌合状態
に係合して該上端部を固定するボード状建材の取付金具
であって、板材の上下方向中間部分の所定部位よりも上
側に第一切込部を、また下側に第二切込部をそれぞれ形
成し、該第一切込部の内側部分を下向きに且つ水平方向
に折り曲げた上、該折曲部分の先端側部分を更に上向き
に曲げ起こして前記第一係合片部を形成する一方、前記
第二切込部の内側部分を上向き且つ水平方向に折り曲げ
た上、該折曲部分の先端側部分を更に下向きに曲げ起こ
して前記第二係合片部を形成したことを特徴とする。
【0016】本願の請求項3の取付金具は、請求項1,
2の何れかにおいて、前記第一係合片部及び第二係合片
部における水平延出部が、上下方向において同一位置に
それぞれ形成されていることを特徴とする。
【0017】本願の請求項4の取付金具は、請求項1,
2,3の何れかにおいて、前記第一係合片部における引
掛片と第二係合片部における引掛片とが、上下方向に重
複する形態で形成されていることを特徴とする。
【0018】本願の請求項5の取付金具は、請求項1,
2,3,4の何れかにおいて、前記第一係合片部又は第
二係合片部における引掛片が水平延出部よりも右向き又
は左向きに延び出す形態で設けられていることを特徴と
する。
【0019】本願の請求項6の取付金具は、請求項5に
おいて、前記第一係合片部又は第二係合片部における引
掛片の右端側が水平延出部よりも右向きに延び出すとと
もに、左端側が水平延出部よりも左向きに延び出してお
り、それら水平延出部と引掛片とが展開形状においてT
字形状をなしていることを特徴とする。
【0020】本願の請求項7の取付金具は、請求項5に
おいて、前記第一係合片部又は第二係合片部における水
平延出部が左右二個所に分かれて形成されているととも
に、引掛片がそれら左右二個所の水平延出部にまたがる
ように形成されており、該水平延出部と引掛片とが全体
としてブリッジ形状をなしていることを特徴とする。
【0021】本願の請求項8の取付金具は、請求項7に
おいて、前記第一係合片部又は第二係合片部の一方が前
記ブリッジ形状に形成される一方、他方が請求項6のT
字形状に形成され、該T字形状の第二係合片部又は第一
係合片部の水平延出部が、該ブリッジ形状の第一係合片
部又は第二係合片部の左右二個所の水平延出部の間の位
置に形成されていることを特徴とする。
【0022】本願の請求項9の取付金具は、請求項2,
3,4,5,6,7,8の何れかにおいて、前記第一切
込部及び第二切込部の少なくとも何れかの形状が、前記
水平延出部の基端の左右長部分を除いた閉ループ形状と
され、前記板材の該第一又は第二切込部の外側部分が連
続的に繋がった形状とされていることを特徴とする。
【0023】
【作用及び発明の効果】上記のように請求項1の取付金
具は、第一係合片部及び第二係合片部の少なくとも何れ
か一方において、引掛片を水平延出部よりも左右方向に
長い形状となしたもので、この取付金具によれば、引掛
片を左右方向の広範囲に亘って建材の第一突出部又は第
二突出部に係合させることができ、従って建材に対して
台風時等に面外方向の負圧に基づく大きな引張力が働い
たときにも、取付金具に対する係合部分、具体的には突
出部に大きな荷重が集中的に作用して突出部が破損して
しまうといったことを効果的に防止でき、ひいては建材
が躯体側の建材下地から外れてしまうのを防止すること
ができる。
【0024】次に請求項2の取付金具は、板材の上下方
向中間部分の所定部位よりも上側に第一切込部を、また
下側に第二切込部をそれぞれ形成し、そして第一切込部
の内側部分を下向き且つ水平方向に折り曲げた上、先端
側部分を更に上向きに曲げ起こして第一係合片部となす
一方、第二切込部の内側部分を上向き且つ水平方向に折
り曲げた上、先端側部分を更に下向きに曲げ起こして第
二係合片部を形成したものである。
【0025】即ち、従来にあっては板材の一部を下側又
は上側からのみ水平方向に折り曲げた上、その先端側部
分の一部を上向きに、また残りの部分を下向きに曲げ起
こすことによって、第一係合片部及び第二係合片部を形
成していたのを、請求項2の取付金具の場合、互いに反
対側の上側と下側との両側から、互いに逆方向である下
向きと上向きとに板材の一部を折り曲げた上、それぞれ
の先端側部分を更に上向きと下向きとに曲げ起こして、
第一係合片部及び第二係合片部を形成するようになした
もので、この取付金具によれば、第一係合片部又は第二
係合片部における引掛片を水平延出部に対して容易に長
く形成することができるとともに、第一係合片部におけ
る引掛片及び第二係合片部における引掛片を、基板部か
ら同じ距離離れた位置に形成することも容易となり、図
15に示すアルミニウム押出成形品から成る取付金具に
代えて、従来既存の建材に対する取付金具としてそのま
ま用いることが可能となる。
【0026】この請求項2の取付金具の場合、第一切込
部及び第二切込部が板材の上下方向中間部分の所定部位
よりも上側部分と下側部分とに形成されるため、それら
切込部の内側部分が互いに上下方向に重なるように、第
一切込部及び第二切込部を形成することができる。従っ
て第一係合片部及び第二係合片部における引掛片を、互
いに上下方向に重なるように形成することができ、それ
ら引掛片部を左右方向に長く形成することが容易とな
る。
【0027】この請求項2において、前記第一切込部
を、前記第一係合片部を展開した形状の且つ該第一係合
片部における水平延出部の基端の左右長部分を除いた形
状と成す一方、前記第二切込部を、前記第二係合片部を
展開した形状の且つ該第二係合片部における前記水平延
出部の基端の左右長部分を除いた形状と成し、それら第
一切込部及び第二切込部で囲まれた内側部分を曲げ変形
させて、前記第一係合片部及び第二係合片部を形成する
ことができる。
【0028】請求項3の取付金具は、第一係合片部及び
第二係合片部における水平延出部を同一の上下方向位置
に形成したもので、このようにした場合、図15に示す
従来のアルミニウム押出成形品から成る取付金具300
を用いた場合と同様の条件で建材の取付けを行うことが
でき、上下の建材の納まりを良好となすことができる。
【0029】請求項4の取付金具は、第一係合片部にお
ける引掛片と第二係合片部における引掛片とを上下方向
に重複する形態で形成したもので、このようにすれば、
第一係合片部又は第二係合片部における引掛片の左右方
向長さを長くとることができ、最大では取付金具の左右
方向幅と実質上同幅に近い長さで形成することができ、
建材との間でより大きな係合力を得ることができる。
【0030】請求項5の取付金具は、第一係合片部又は
第二係合片部における引掛片を水平延出部よりも右向き
又は左向きに延び出す形態で設けたもので、このように
することにより、引掛片を水平延出部に対して左右方向
に長く形成することができる。
【0031】請求項6の取付金具は、第一係合片部又は
第二係合片部を、展開形状においてT字形状をなすよう
に形成したもので、この取付金具の場合、第一係合片部
又は第二係合片部における引掛片をその水平延出部に対
して効果的に左右方向に長くすることができる。
【0032】この請求項6の取付金具において、第一係
合片部又は第二係合片部の何れか一方を前記T字形状に
形成し、また他方を該一方における水平延出部の右側と
左側との二個所に形成し、該右側のものを、引掛片が水
平延出部よりも左向きに延出する、展開形状がL字形状
に、また左側のものを、引掛片が水平延出部よりも右向
きに延出する、展開形状がL字形状に形成することがで
きる。
【0033】この取付金具においても第一係合片部及び
第二係合片部における引掛片を上下に重複する形態で形
成することができ、従ってそれら引掛片を左右方向に長
く形成することができる。更にまた、第一係合片部及び
第二係合片部における水平延出部を同一の上下方向位置
に形成することができる。
【0034】請求項7の取付金具は、第一係合片部又は
第二係合片部が全体としてブリッジ形状をなすようにし
たもので、この取付金具においても、第一係合片部又は
第二係合片部における引掛片をその水平延出部に対して
効果的に左右方向に長くすることができる。
【0035】請求項8の取付金具は、第一係合片部又は
第二係合片部の一方を上記ブリッジ形状に、他方を上記
のT字形状に形成し、そしてT字形状の係合片部の水平
延出部がブリッジ形状の係合片部における左右二個所の
水平延出部の間の位置に位置するようになしたもので、
この取付金具の場合、第一係合片部及び第二係合片部に
おける水平延出部を上下方向の同一位置に位置させつ
つ、第一係合片部及び第二係合片部における各引掛片を
上下に重複する形態で形成することができ、それら引掛
片の左右方向長さを長くとることができる。
【0036】この請求項8の取付金具において、前記第
一係合片部及び第二係合片部の何れもが前記ブリッジ形
状をなすとともに、該第一係合片部又は第二係合片部の
何れか一方の、左右二個所の水平延出部の間の位置に、
他方の左右二個所の水平延出部の右又は左の水平延出部
が位置するようになすことができる。このようにすれば
限られた板材の左右方向幅の下で、第一係合片部及び第
二係合片部の各引掛片を効率的に左右方向に長く形成す
ることができる。
【0037】またこの取付金具においても、第一係合片
部及び第二係合片部におけるそれぞれの水平延出部を上
下方向の同一位置に形成することができ、また各引掛片
を基板部から同じ距離だけ離れた位置に形成することが
できる。
【0038】請求項9の取付金具は、第一切込部及び第
二切込部の少なくとも何れかの形状を、水平延出部の基
端の左右長部分を除いた閉ループ形状となして、板材に
おけるその切込部の外側部分を第一係合片部又は第二係
合片部周りに連続した形状となしたもので、この取付金
具の場合、板材に切込部を形成したにも拘らず、その周
りの部分の強度を強く保持することができる。
【0039】上述したように鋼板材の場合、アルミニウ
ム材と異なって押出成形が困難であって、取付金具を形
成するに際して曲げ加工によらざるを得ず、従って上記
請求項1〜9の発明はかかる鋼板材からなる取付金具に
適用して効果が大きい。
【0040】
【実施例】次に本発明の実施例を図面に基づいて詳しく
説明する。図1,図2は本例の取付金具を用いたボード
状の外装建材の取付施工例を示したもので、図1中10
はコンクリート基礎、12は水切り、14は柱、16は
防水紙、18は建材下地としての縦胴縁である。20は
本例の取付金具であって、この取付金具20によって外
装建材22が縦胴縁18に取付固定されている。
【0041】図3は図1及び図2における外装建材22
の全体形状を示したもので、図示のようにこの例の建材
22は、その裏面に突出状の裏足26が左右方向全長に
亘って設けられている。
【0042】またその上端部には左右方向全長に亘って
合决り用の上向きの突出部(第二突出部)28が設けら
れており、また下端部には合决り用の凹部30が同じく
左右方向全長に亘って形成されている。そしてこの合决
り用の凹部30において、下向きの突出部(第一突出
部)32が、同じく建材22の左右方向全長に亘って下
向き突出状に設けられている。尚、これら突出部28及
び32の表面側には傾斜面34,36が形成されてい
る。また上端部の第二突出部28の下側部位には段付部
38が全長に亘って形成されている。
【0043】建材22は、図2に示しているように下段
側の建材22の上端部の第二突出部28と上段側の建材
22の下端部の凹部30とが上下に互いに合决り嵌合す
る状態で取付金具20にて躯体側に取り付けられるよう
になっている。その際、上段側の建材22の下端面が、
下段側の建材22の上端部の段付部38の上面に対面す
る状態となる。尚、建材22は下向きの第一突出部32
と、後述の取付金具20の第一係合片部62との係合に
基づいて上下方向の荷重が支持される。
【0044】図4ないし図6に上記取付金具20の具体
的構成が示してある。本例においてこの取付金具20
は、高耐火度を有するステンレス鋼板材を曲げ加工して
成るものである。これらの図において、40は基板部で
あって、42は基板部40における迫出し部である。迫
出し部42は、表面側に所定寸法迫り出した状態で面状
に形成されており、その下端部には裏側への曲返し部4
4が、またその上端部には同じく裏側へ斜めに傾斜する
傾斜部46が形成されている。
【0045】基板部40には、更に、この傾斜部46に
続いて上下方向に延び、上記建材下地としての縦胴縁1
8に裏面が当接する凹陥部48が形成されており、更に
この凹陥部48の上部には、屈曲状且つ断面三角形状で
表面側に突出する屈曲部50が形成されている。
【0046】屈曲部50は、上傾斜部52と下傾斜部5
4とから成っており、そしてその上傾斜部52に、止具
としての釘を打ち込むための止付穴56が形成されてい
る。また上記凹陥部48には、止具としてのビスを打ち
込むための止付穴58が形成されている。本例において
はこれら止付穴56又は58の何れかを選択して釘又は
ビスの何れかによって取付金具20を縦胴縁18に固定
できるようになっている。
【0047】尚、図6に示しているように上記迫出し部
42にはその下部において表面側に突き出すリブ60
が、また上部において裏面側に突き出すリブ60がそれ
ぞれ形成されており、また傾斜部46においても左右方
向全長に亘って円弧状に突出するリブ60が形成されて
いる。
【0048】62及び64は基板部40から突出する状
態で設けられた第一係合片部及び第二係合片部である。
第一係合片部62は、水平方向に延出する水平延出部6
6と、その水平延出部66の先端側から上向きに起立す
る引掛片68とから成っている。引掛片68は、上記建
材22における下向きの第一突出部32の傾斜面36に
対応した角度で僅かに斜めに傾斜している。またこの引
掛片68には、左右全長に亘ってリブ60が設けられて
いる。
【0049】本例において、この第一係合片部62にお
ける引掛片68は、右端側及び左端側がそれぞれ水平延
出部66よりも右向き及び左向きに長く延び出してお
り、第一係合片部62は、水平延出部66及び引掛片6
8を展開した形状がT字形状をなしている。
【0050】一方第二係合片部64は、基板部40から
水平方向に延出する水平延出部70と、その先端におい
て下向きに立ち下がる引掛片72とから成っている。こ
の第二係合片部64においても、引掛片72が上記建材
22における上向きの第二突出部28の傾斜面34に対
応した角度で斜めに傾斜している。
【0051】本例において、この第二係合片部64は、
水平延出部70が第一係合片部62における水平延出部
66の右側と左側との二個所にそれぞれ形成されてい
る。また第二係合片部64における下向きの引掛片72
は、これら二個所の水平延出部70にまたがる長さで形
成されており、従ってこの第二係合片部64は、全体と
してブリッジ形状をなしている。
【0052】本例において、これら第一係合片部62及
び第二係合片部64における各水平延出部66及び70
は、上下方向において同一位置に形成されており、また
第一係合片部62及び第二係合片部64における各引掛
片68及び72は、基板部40から同じ距離離れた位置
からそれぞれ上向き及び下向きに起立し又は立ち下がっ
ている(図6参照)。
【0053】本例において、これら第一係合片部62及
び第二係合片部64は、それぞれステンレス鋼板材に所
定形状の切込部を形成し、それら切込部で囲まれた内側
部分をそれぞれ曲げ変形させて構成したものである。図
7はそれら切込部の形状及び曲げ加工による上記第一係
合片部62及び第二係合片部64の形成方法を模式的に
表したものである。
【0054】図示のように本例では、ステンレス鋼板材
の上下方向中間部位の所定部位より上側に第一切込部7
4を、また下側に第二切込部76をそれぞれ形成し、そ
して第一切込部74で囲まれた内側部分を下向き且つ水
平方向に折り曲げた上、その先端側部分を更に上向きに
曲げ起すことによって、第一係合片部62における水平
延出部66及び上向きの引掛片68を形成している。
【0055】また同様に、第二切込部76にて囲まれた
内側部分を、第一係合片部62とは反対向き、即ち上向
きに且つ水平方向に折り曲げた上、その先端側部分を更
に下向きに曲げ起すことで、第二係合片部64における
水平延出部70及び下向きの引掛片72を形成してい
る。
【0056】而して第一切込部74は、図から明らかな
ように水平延出部66における基端の左右方向の一方の
端を始端とし、他方の端を終端とする閉ループ状、即ち
水平延出部66における基端の左右長部分を除いた閉ル
ープ状且つT字形状に形成されている。そして基板部4
0における第一切込部74の外側部分は、その第一切込
部74周りに連続した形状をなしている。
【0057】一方、第二切込部76もまた、左右二個所
の一対の水平延出部70の基端の左右長部分を除いた閉
ループ形状とされ、その外側部分が連続的に繋がった形
状とされている。
【0058】図7から明らかなように、本例においては
第一係合片部62及び第二係合片部64における引掛片
68,72が、左右方向に同じ長さで形成されている。
またこれら第一係合片部62及び第二係合片部64にお
ける各引掛片68,72は、上下方向に互いに重複する
(オーバーラップする)形態で形成されている。
【0059】上記のように本例における取付金具20
は、所定寸法の四角形状のステンレス鋼板材における上
下方向中間部分の所定部分より上側に第一切込部74
を、また下側に第二切込部76をそれぞれ形成し、そし
て第一切込部74で囲まれた内側部分を下向き且つ水平
方向に折り曲げた上、その先端側部分を更に上向きに曲
げ起こして第一係合片部62を形成する一方、第二切込
部76で囲まれた内側部分を上向き且つ水平方向に折り
曲げた上、その先端側部分を下向きに曲げ起こして第二
係合片部64を形成し、これにより第一係合片部62に
おける引掛片68をその水平延出部66よりも左右方向
に長く、また第二係合片部64における引掛片72をそ
の水平延出部70よりも左右方向に長くそれぞれ形成
し、更に第一係合片部62及び第二係合片部64におけ
る各引掛片68,72を上下に重複する(オーバーラッ
プする)形態で形成したもので、本例の取付金具20の
場合、第一係合片部62を建材22における下向きの第
一突出部32に対して左右方向に長い範囲に亘って係合
させることができる。
【0060】また同じく第二係合片部64を、建材22
における上向きの第二突出部28に対して左右方向に長
い範囲に亘って係合させることができる。従って台風時
等において建材22に対し、面外方向に負圧が働いて引
張力が作用したときにも、建材22における第一突出部
32及び第二突出部28を破損させることがなく、これ
ら第一及び第二突出部32,28、ひいては建材22を
強固に保持した状態に保つことができる。
【0061】本例においては、また、上記のように第一
係合片部62と第二係合片部64とを、上側と下側との
両側から下向き及び上向きに曲げ加工して形成してお
り、従って第一係合片部62における引掛片68と第二
係合片部64における引掛片72とを、基板部42から
等しい距離だけ離れた位置に形成することができ、図1
5に示すアルミニウム押出成形品から成る取付金具30
0と同様の条件で、建材22の取付施工を行うことがで
きる。
【0062】本例においては、更に、第一係合片部62
を展開形状がT字形状に形成し、また第二係合片部64
をブリッジ形状に形成し、そして第一係合片部62の水
平延出部66を、ブリッジ状の第二係合片部64の左右
二個所の水平延出部70の間の位置に位置させているこ
とから、第一係合片部62及び第二係合片部64におけ
る水平延出部66及び70を上下方向の同一位置に位置
させつつ、それらの引掛片68及び72を上下に重複す
る形態で形成することができ、それら引掛片68及び7
2を左右方向に長く形成することができる。
【0063】尚、上例では上側の第一係合片部62を展
開形状がT字状に、下側の第二係合片部64をブリッジ
状に形成しているが、これとは逆に上側の第一係合片部
62をブリッジ状に、また下側の第二係合片部64を展
開形状がT字状に形成することも可能である。
【0064】次に図8は取付金具の他の形態例を示した
ものである。同図(A)に示しているように本例の取付
金具78では、第一係合片部80及び第二係合片部82
ともにブリッジ形状をなしている。即ち、第一係合片部
80は、左右二個所に設けられた水平延出部84と、そ
れらに跨る形態で上向きに形成された引掛片86とから
成っており、第二係合片部82もまた、左右二個所に分
かれて水平方向に延出する水平延出部88と、それらに
跨る形態で下向きに立ち下がる引掛片90とから成って
いる。
【0065】本例においてもこれら第一係合片80及び
第二係合片82は、それぞれ四角形状のステンレス鋼板
の上下方向中間部分の所定部位の上側に第一切込部92
を形成する一方、下側に第二切込部94を形成し、そし
て第一切込部92で囲まれた内側部分を一旦下向き且つ
水平方向に折り曲げた上、先端側部分を更に上向きに曲
げ起こすことによって第一係合片部80を形成し、また
第二切込部94で囲まれた内側部分を一旦上向き且つ水
平方向に折り曲げた上、先端側部分を更に下向きに曲げ
起こすことによって第二係合片部82を形成してある。
【0066】本例においても、同図(B)に示している
ように第一係合片部80における引掛片86と第二係合
片部82における引掛片90とが左右方向に同長とされ
ており、また各係合片部80,82における水平延出部
84と88とが上下方向において同一位置に形成されて
いる。また各係合片部80,82における引掛片86
と,90とが、基板部40から同じ距離だけ離れた位置
において上向き又は下向きに形成されている。
【0067】本例においては、第一係合片部80と第二
係合片部82とが左右方向に若干位置をずらせて形成し
てある。即ち、第一係合片部80における左側の水平延
出部84が、第二係合片部82における左右一対の水平
延出部88の間の位置に位置させられており、また第一
係合片部80における右側の延出部84が、第二係合片
部82における右側の水平延出部88よりも更に右側位
置に位置させられている。
【0068】本例においても、第一係合片部80及び第
二係合片部82における各引掛片86及び90を上下に
重複した形態で左右方向に長く形成することができ、従
って本例の取付金具78の場合もまた、建材22の第一
突出部32及び第二突出部28に対して左右方向に長い
範囲に亘って係合させることができ、それら建材22を
しっかりと保持することができる。
【0069】次に、図9は本発明の取付金具の他の形態
例を示したものである。本例の取付金具95において
も、ステンレス鋼板材の上下方向中間部分の所定部位よ
りも上側に第一切込部108を形成して、その第一切込
部108で囲まれた内側部分を曲げ加工することによっ
て左右二個所に第一係合片部96を形成している。また
同様に上記所定部位よりも下側に第二切込部110を形
成し、その第二切込部110にて囲まれた内側部分を曲
げ加工することによって第二係合片部98を形成してい
る。
【0070】ここで第一切込部108及び第二切込部1
10は、何れも上記の実施例と同様に後述の水平延出部
100及び104の基端の左右長部分を除いた閉ループ
形状をなしている。
【0071】本例において、第二係合片部98はその展
開形状においてT字形状を成しており、また左右一対の
第一係合片部96は、それぞれ展開形状においてL字形
状をなしている。即ち第二係合片部98は、下向きの引
掛片106がその水平延出部104に対して左右両方向
に長く延び出している。
【0072】一方第一係合片部96は、第二係合片部9
8に対して右側のものが、その水平延出部100に対し
て上向きの引掛片102が左方向に長く延び出してお
り、また左側のものは、その水平延出部100に対して
上向きの引掛片102が右向きに長く延び出している。
尚本例においても、各引掛片102,106は上記実施
例と同様の角度で斜めに若干傾斜している。
【0073】図9(B)に示しているように、本例にお
いても第一係合片部96及び第二係合片部98における
各引掛片102及び106が、互いに上下方向に重複す
る形態で左右方向に長く形成されている。
【0074】従って本例においても、これら第一係合片
部96及び第二係合片部98において、建材22におけ
る下向きの第一突出部32及び上向きの第二突出部28
に対して左右方向に長い範囲に亘って係合することがで
き、建材22を強固に保持することができる。
【0075】更に本例においても、第一係合片部96及
び第二係合片部98における各引掛片102,106が
それぞれ基板部40から同じ距離だけ離れた位置に形成
されており、また各水平延出部100及び104がそれ
ぞれ同一の上下方向位置に形成してある。
【0076】従って本例の取付金具95においてもま
た、図15に示すアルミニウム押出成形品から成る取付
金具300と同様の条件の下で、建材22の取付けを行
うことができる。
【0077】次に図10は本発明の更に他の実施例を示
したものである。本例の取付金具150においても、ス
テンレス鋼板材の上下方向中間部分の所定部位よりも上
側に左右一対の第一切込部152を形成して、それら第
一切込部152で囲まれた内側部分を曲げ加工すること
によって左右2個所に第一係合片部154を形成してい
る。また同様に上記所定部位よりも下側に左右一対の第
二切込部156を形成し、それら第二切込部156にて
囲まれた内側部分を曲げ加工することによって、左右一
対の第二係合片部158を形成している。
【0078】本例においても各第一切込部152及び1
56は、図9に示す実施例と同様に閉ループ形状を成し
ている。本例において、左右各一対の第一係合片部15
4及び第二係合片部158は、何れも展開形状において
L字形状を成している。即ち右側の第一係合片部154
は、上向きの引掛片160が水平延出部162に対して
左向きに長く延び出しており、また左側の第一係合片部
154は、引掛片160が水平延出部162に対して右
向きに長く延び出している。
【0079】一方右側の第二係合片部158は、下向き
の引掛片164が水平延出部166に対して右向きに長
く延び出しており、また左側の第二係合片部158は、
引掛片164が水平延出部166に対して左向きに長く
延び出している。尚、本例においても各引掛片160,
164は上記実施例と同様の角度で斜めに若干傾斜して
いる。
【0080】本例の取付金具150の場合、図9に示す
例の取付金具におけるT字状の第二係合片部98を、左
右一対のL字状の第二係合片部158に分けて且つ左右
方向に所定距離隔てて構成し、そしてそれらL字状の一
対の第二係合片部158と158との間の部分におい
て、図9における第二切込部110の上辺と下辺とを連
結部168で連結したものと考えることができる。
【0081】図9に示す実施例の取付金具95の場合、
第二切込部110の内側に大きな空隙部分が生じ、これ
によって取付金具95における基板部40自体の強度が
低くなる恐れがあるが、図10に示す本例の取付金具1
50の場合、その第二切込部156の内側の空隙部分が
小さいものとなるため、基板部40自体の強度が高強度
となる利点を有する。
【0082】尚本例においては、図9に示す取付金具9
5の上端部の3つの止付穴56のうち、真中に位置する
止付穴56が傾斜部46の左右方向中間位置に設けられ
ている。即ち1つの止付穴56が、取付金具150全体
の上下及び左右の略中間位置に設けられている。この上
下及び左右中間位置の止付穴56を用いて取付金具15
0を躯体側に止付固定することで、取付金具150全体
をバランス良く止め付けることができ、止付強度を高め
ることができる。
【0083】更に本例の取付金具150の場合、第二係
合片部158における引掛片164の先端部が、若干基
板部40側に僅かな傾斜角度でもって曲げ返されてい
る。
【0084】次に図11は本発明の更に他の実施例を示
している。この例の取付金具170は主にコーナ用に用
いられるもので、左右方向の幅が上記実施例のもの(左
右方向幅が約90mm幅)に比べて小さいものとされて
いる(約45mm幅)。
【0085】本例の取付金具170においても、ステン
レス鋼板材の上下方向中間部分の所定部位よりも上側に
左右一対の第一切込部172を形成して、それら第一切
込部172で囲まれた内側部分を曲げ加工することで、
左右2個所に第一係合片部174を形成している。
【0086】また同様に上記所定部位よりも下側に第二
切込部176を形成し、その第二切込部176にて囲ま
れた内側部分を曲げ加工することによって第二係合片部
178を、一対の第一係合片部174の左右方向中間位
置に形成している。
【0087】ここで一対の第一係合片部174は何れも
L字形状を成している。即ち右側の第一係合片部174
は、上向きの引掛片180が水平延出部182に対して
左向きに延び出した形態を成しており、また左側の第一
係合片部174は、引掛片180が水平延出部182に
対して右向きに延び出した形態を成している。一方第二
係合片部178は、下向きの引掛片184が水平延出部
186とほぼ同幅とされている。
【0088】本例の取付金具170においても、第一切
込部172,第二切込部176で囲まれた空隙部分の大
きさが何れも小さく、基板部40自体の強度が高強度と
されている。尚、本例においても各引掛片180,18
4は上記実施例と同様の角度で斜めに若干傾斜してい
る。
【0089】また図10の実施例及び図11の実施例の
何れにおいても、第一係合片部154,174の水平延
出部162及び182と、第二係合片部158及び17
8における水平延出部166及び186が、何れも上下
方向の同一高さ位置にそれぞれ形成されている。
【0090】以上は第一係合片部及び第二係合片部にお
ける水平延出部を互いに同一の上下方向位置に形成した
場合の例であるが、図12に示す取付金具112のよう
に、第一係合片部114及び第二係合片部116におけ
る水平延出部118及び120を、上下方向に微小距離
隔てた位置に形成し、そしてそれらの先端部から上向き
の引掛片122及び下向きの引掛片124をそれぞれ形
成するといったことも場合により可能である。
【0091】この場合、図12(ア)の第一切込部12
6及び第二切込部128の形状から明らかなように、第
一係合片部114及び第二係合片部116を、左右方向
に同長で且つ左右方向全範囲に亘って上下方向に重複す
る形態で形成することが可能となる。また更にこの場
合、第一係合片部114及び第二係合片部116におけ
る引掛片122及び124を、それぞれの水平延出部1
18及び120と同幅で形成することも可能となる。
【0092】以上は何れもステンレス鋼板材の上下中間
部分の所定部位より上側に第一切込部を、また下側に第
二切込部を形成してそれら第一切込部及び第二切込部で
囲まれた内側部分を下向きに又は上向きに曲げ加工して
第一係合片部及び第二係合片部を形成しているが、図1
3に示す取付金具130のように、同じ下側部分(又は
上側部分)に第一切込部132と第二切込部134をそ
れぞれ形成し、それらを一旦水平方向且つ上向き(又は
下向き)に折り曲げた後、更に先端側部分を上向きに或
いは下向きに曲げ起こして、第一係合片部136及び第
二係合片部138を形成するといったことも可能であ
る。
【0093】尚、同図中において140,144はそれ
ぞれ第一係合片部136及び第二係合片部138におけ
る水平延出部を示し、また142及び146は、第一係
合片部136における上向きの引掛片及び第二係合片部
138における下向きの引掛片をそれぞれ示している。
【0094】この例においても、各係合片部136,1
38における引掛片142及び146はそれらの水平延
出部140及び144よりも左右方向に長く形成されて
おり、且つそれら引掛片142,146は上下方向にお
いて一部重複する形態で形成されている。また各引掛片
142及び146は、基板部40から互いに同じ距離だ
け離れた位置において上向き又は下向きに形成されてい
る。
【0095】但し本例に従って第一係合片部136及び
第二係合片部138を形成した場合、第一係合片部13
6又は第二係合片部138の何れか一方(本例では第二
係合片部138)における引掛片(この例では引掛片1
46)が、(I)から明らかなように第一係合片部13
6及び第二係合片部138における水平延出部140及
び144の同一高さの基端位置から遠い位置に形成され
ることとなる。
【0096】従って引掛片142及び146が傾斜して
いる場合において、引掛片146における横長部分14
6aが、引掛片142よりも基板部40から若干遠い位
置に形成されることとなる。
【0097】以上本発明の実施例を詳述したがこれはあ
くまで一例示である。例えば本発明はボード状の外装建
材の施工に用いて好適であるが、その他のボード状建材
の取付施工に際して用いることも場合に可能であるし、
また本例の取付金具を上例以外の他の種々形態で構成す
ることも可能である。また更に、上記建材はあくまで一
例を示したに過ぎないもので他の様々な形態の建材の取
付施工に本発明を適用することが可能であるなど、本発
明はその主旨を逸脱しない範囲において種々変更を加え
た形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である取付金具を用いたボー
ド状外装建材の取付施工例を示す図である。
【図2】図1における取付金具及びその周辺部の要部断
面図である。
【図3】図1及び図2における外装建材単体の図であ
る。
【図4】図1及び図2における取付金具の全体を示す斜
視図である。
【図5】同じ取付金具を一部切り欠いた状態で示す斜視
図である。
【図6】同じ取付金具の正面構成及び断面構成を示す図
である。
【図7】同じ取付金具の構成を製造方法によって表わす
図である。
【図8】本発明の他の実施例である取付金具の図であ
る。
【図9】本発明の更に他の実施例である取付金具の図で
ある。
【図10】本発明の更に他の実施例である取付金具の図
である。
【図11】本発明の更に他の実施例である取付金具の図
である。
【図12】本発明の更に他の実施例の取付金具の図であ
る。
【図13】本発明の更に他の実施例の取付金具の図であ
る。
【図14】従来の取付金具とこれを用いた施工例の図で
ある。
【図15】図14における取付金具を単体で示す斜視図
である。
【図16】従来公知の図15とは異なる形態の取付金具
の例を示す図である。
【図17】従来公知の図15及び図16とは異なる形態
の取付金具の例を示す図である。
【図18】従来公知の図15,16,17とは異なる形
態の取付金具の例を示す図である。
【符号の説明】
20,78,95,112,130,150,170
取付金具 22 外装建材 28 第二突出部 32 第一突出部 40 基板部 62,80,96,114,136,154,174
第一係合片部 64,82,98,116,138,158,178
第二係合片部 66,70,84,88,100,104,118,1
20,140,144,162,166,182,18
6 水平延出部 68,72,86,90,102,106,122,1
24,142,146,160,164,180,18
4 引掛片 74,92,108,126,132,152,172
第一切込部 76,94,110,128,134,156,176
第二切込部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)躯体側に固定される基板部と、
    (ロ)該基板部より水平方向に延出する水平延出部及び
    該水平延出部より上向きに起立する引掛片とを有する第
    一係合片部と、(ハ)該基板部より水平方向に延出する
    水平延出部及び該水平延出部より下向きに立ち下がる引
    掛片とを有する第二係合片部とを備えて成り、該第一係
    合片部において、上下に隣接するボード状建材の上段側
    の建材の下端部に形成された下向きの第一突出部に嵌合
    状態に係合して該下端部を固定するとともに、該第二係
    合片部において、下段側の建材の上端部に形成された上
    向きの第二突出部に嵌合状態に係合して該上端部を固定
    するボード状建材の取付金具であって前記第一係合片部
    及び第二係合片部の少なくとも何れか一方を、前記水平
    延出部よりも前記引掛片が左右方向に長い形状となした
    ことを特徴とするボード状建材の取付金具。
  2. 【請求項2】 (イ)躯体側に固定される基板部と、
    (ロ)該基板部より水平方向に延出する水平延出部及び
    該水平延出部より上向きに起立する引掛片とを有する第
    一係合片部と、(ハ)該基板部より水平方向に延出する
    水平延出部及び該水平延出部より下向きに立ち下がる引
    掛片とを有する第二係合片部とを備えて成り、該第一係
    合片部において、上下に隣接するボード状建材の上段側
    の建材の下端部に形成された下向きの第一突出部に嵌合
    状態に係合して該下端部を固定するとともに、該第二係
    合片部において、下段側の建材の上端部に形成された上
    向きの第二突出部に嵌合状態に係合して該上端部を固定
    するボード状建材の取付金具であって板材の上下方向中
    間部分の所定部位よりも上側に第一切込部を、また下側
    に第二切込部をそれぞれ形成し、該第一切込部の内側部
    分を下向きに且つ水平方向に折り曲げた上、該折曲部分
    の先端側部分を更に上向きに曲げ起こして前記第一係合
    片部を形成する一方、前記第二切込部の内側部分を上向
    き且つ水平方向に折り曲げた上、該折曲部分の先端側部
    分を更に下向きに曲げ起こして前記第二係合片部を形成
    したことを特徴とするボード状建材の取付金具。
  3. 【請求項3】 請求項1,2の何れかにおいて、前記第
    一係合片部及び第二係合片部における水平延出部が、上
    下方向において同一位置にそれぞれ形成されていること
    を特徴とするボード状建材の取付金具。
  4. 【請求項4】 請求項1,2,3の何れかにおいて、前
    記第一係合片部における引掛片と第二係合片部における
    引掛片とが、上下方向に重複する形態で形成されている
    ことを特徴とするボード状建材の取付金具。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3,4の何れかにおい
    て、前記第一係合片部又は第二係合片部における引掛片
    が水平延出部よりも右向き又は左向きに延び出す形態で
    設けられていることを特徴とするボード状建材の取付金
    具。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記第一係合片部又
    は第二係合片部における引掛片の右端側が水平延出部よ
    りも右向きに延び出すとともに、左端側が水平延出部よ
    りも左向きに延び出しており、それら水平延出部と引掛
    片とが展開形状においてT字形状をなしていることを特
    徴とするボード状建材の取付金具。
  7. 【請求項7】 請求項5において、前記第一係合片部又
    は第二係合片部における水平延出部が左右二個所に分か
    れて形成されているとともに、引掛片がそれら左右二個
    所の水平延出部にまたがるように形成されており、該水
    平延出部と引掛片とが全体としてブリッジ形状をなして
    いることを特徴とするボード状建材の取付金具。
  8. 【請求項8】 請求項7において、前記第一係合片部又
    は第二係合片部の一方が前記ブリッジ形状に形成される
    一方、他方が請求項6のT字形状に形成され、該T字形
    状の第二係合片部又は第一係合片部の水平延出部が、該
    ブリッジ形状の第一係合片部又は第二係合片部の左右二
    個所の水平延出部の間の位置に形成されていることを特
    徴とするボード状建材の取付金具。
  9. 【請求項9】 請求項2,3,4,5,6,7,8の何
    れかにおいて、前記第一切込部及び第二切込部の少なく
    とも何れかの形状が、前記水平延出部の基端の左右長部
    分を除いた閉ループ形状とされ、前記板材の該第一又は
    第二切込部の外側部分が連続的に繋がった形状とされて
    いることを特徴とするボード状建材の取付金具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100447357C (zh) * 2005-03-22 2008-12-31 日吉华株式会社 金属固定件以及外壁施工构造
DE102007056824B4 (de) * 2007-11-23 2019-06-27 Hecht & Kloth GmbH Fassadenelement
DE102018005072B4 (de) 2018-06-27 2022-11-10 Markus Rensburg Befestigungselement zur Montage einer Fassadenpaneele

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