JP3790620B2 - ボード状建材の取付金具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はボード状建材を躯体側の建材下地に取り付けるための取付金具に関する。
【0002】
[発明の背景]
ボード状の外装用建材を躯体側の建材下地に固定するに際して、建材表面からこれを貫通して釘やビス等を建材下地に打ち込むと、釘等の頭部が建材表面に露出した状態となって外観,美観を損なう問題があり、そこで取付金具を建材下地に釘等にて止め付けた上、その取付金具を介して建材を建材下地に取り付けることが広く行われている。
【0003】
図14は従来一般的に用いられている取付金具及びこれを用いた施工の一例を示している。
同図において300は釘等の止具302にて建材下地としての胴縁304に止め付けられた取付金具で、この取付金具300に対して、上下に隣接するボード状の建材306の下端部の第一突出部308及び上端部の第二突出部310が嵌合状態で係合され、以てこれら建材306が、取付金具300を介して建材下地としての胴縁304、つまり躯体側に取り付けられている。
【0004】
従来、かかる取付金具300としては図15に示すような形態のアルミニウム押出成形品から成るものが用いられていた。
同図において312は基板部であって、その基板部312から水平延出部314が水平方向に延び出しており、更にその水平延出部314の先端に上向きの起立状の引掛片316と、下向きに立ち下がる引掛片318とが一体に成形されている。
【0005】
ここで水平延出部314及び上向きの引掛片316は第一係合片部320を、また水平延出部314と下向きの引掛片318とは第二係合片部322をそれぞれ構成しており、そしてその第一係合片部320において建材306の第一突出部308を嵌合状態に係合させ、また第二係合片部322において下段側の建材306の第二突出部310を嵌合状態に係合させることで、これら建材306を躯体側に取り付けるものとなっている。
【0006】
尚、324は止具として釘を用いるときの止付穴であり、また326は止具としてビスを用いるときの止付穴であり、釘又はビスの何れかを選択して取付金具300を胴縁304等の建材下地に止め付けられるようになっている。
【0007】
このアルミニウム押出成形品から成る取付金具300の場合、第一係合片部320及び第二係合片部322を、取付金具300の全幅(左右方向全幅)に亘って連続的に形成することができる。
従ってこの取付金具300の場合、建材306に対して左右方向の係合長さを長くとることができ、建材306を強固に固定することが可能である。
【0008】
ところで、このアルミニウム押出成形品から成る取付金具300は耐火性が十分に高くはなく、そこで耐火度が更に求められる場合にはステンレス鋼から成る取付金具を用いることが考えられる。
但しこのステンレス鋼からなる取付金具の場合、これを押出成形にて形成することができず、従って上記第一係合片部,第二係合片部等はステンレス鋼板の曲げ加工にて形成せざるを得ない。
【0009】
曲げ加工にて第一係合片部,第二係合片部を形成する場合の例として、図16,17,18に示すものが従来公知である。
このうち図16に示す取付金具327は、板材からなる基板部の下端側の部分を水平方向に折り曲げた上、その折曲部分の先端側の部分の一部を更に上向きに曲げ起こす一方、残りの一部を下向きに曲げ起こして水平延出部328と上向き及び下向きの引掛片330,332を形成し、そしてその水平延出部328と上向きの引掛片330とによって第一係合片部334を、また水平延出部328と下向きの引掛片332とで第二係合片部336をそれぞれ構成し、建材306における第一突出部308又は第二突出部310をそれぞれ嵌合状態に係合させるようになしたものである(特開平7−173917)。
【0010】
図17に示す取付金具338も図16とほぼ同様の構成であって、基板部の下端側の部分を水平方向に折り曲げた上、更にその先端部分の一部を上向きに曲げ起こすとともに、残りの部分を下向きに曲げ起こし、以て水平延出部328と上向きの引掛片330及び下向きの引掛片332を形成し、そして共通の水平延出部328と上向きの引掛片330とによって第一係合片部334を、また共通の水平延出部328と下向きの引掛片332とによって第二係合片部336をそれぞれ構成するようにしている(実開平4−100741)。
【0011】
一方、図18に示す取付金具340も基本的に上記2つのものと同様であって、基板部の左右両側においてその一部を水平方向に折り曲げた上、先端側部分の一部を上向きに曲げ起こして引掛片330を形成する一方、残りの一部を下向きに曲げ起こして引掛片332を形成し、そして共通の水平延出部328と上向きの引掛片330とによって第一係合片部334を、また共通の水平延出部328と下向きの引掛片332とによって第二係合片部336を構成している(実公平7−54438)。
【0012】
これらの例から明らかなように、基板部の曲げ加工にて第一係合片部334,第二係合片部336を形成した取付金具327,338,340は、第一係合片部334及び第二係合片部336が、それぞれ左右方向において異なる位置に形成されており、従って第一係合片部334,第二係合片部336における引掛片330,332の左右方向長さが、対応する第一係合片部334,第二係合片部336における水平延出部328と同幅(左右方向幅)ないし小さい幅となってしまっって、建材306の第一突出部308,第二突出部310に対する左右方向の係合長さが必然的に短いものとなってしまう問題があった。
【0013】
この場合、例えば台風の際のような悪天候,強風時に建材306に対して負圧が働いて躯体外方向への引張力が作用したとき、建材306における第一突出部308,第二突出部310が破損して、場合により建材306が引き剥がされてしまうといった不都合を生ずる。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本願の発明は、高耐火度のステンレス鋼板材を曲げ加工して取付金具を形成した場合においても上記のような問題を生ずることのない取付金具を提供することを目的としてなされたものである。
而して本願の請求項1の取付金具は、(イ)躯体側に固定される基板部と、(ロ)該基板部より水平方向に延出する水平延出部及び該水平延出部より上向きに起立する引掛片とを有する第一係合片部と、(ハ)該基板部より水平方向に延出する水平延出部及び該水平延出部より下向きに立ち下がる引掛片とを有する第二係合片部とを備えて成り、該第一係合片部において、上下に隣接するボード状建材の上段側の建材の下端部に形成された下向きの第一突出部に嵌合状態に係合して該下端部を固定するとともに、該第二係合片部において、下段側の建材の上端部に形成された上向きの第二突出部に嵌合状態に係合して該上端部を固定するボード状建材の取付金具であって、前記基板部の上下方向中間部分の所定部位以上の上側に第一切込部を、また該所定部位以下の下側に第二切込部をそれぞれ形成し、該第一切込部の内側部分を下側に折り曲げて水平方向に向けた上、その折曲部分の先端側部分を更に上向きに曲げ起こして前記第一係合片部を形成する一方、前記第二切込部の内側部分を上側に折り曲げて水平方向に向けた上、その折曲部分の先端側部分を更に下向きに曲げ起こして前記第二係合片部を形成し、且つ前記第一係合片部における引掛片と第二係合片部における引掛片とを、上下方向に重複する形態で形成したことを特徴とする。
【0015】
本願の請求項2の取付金具は、請求項1において、前記第一係合片部又は第二係合片部における引掛片が水平延出部よりも右向き又は左向きに延び出す形態で設けられていることを特徴とする。
【0016】
本願の請求項3の取付金具は、請求項1,2の何れかにおいて、前記第一係合片部又は第二係合片部における引掛片の右端側が水平延出部よりも右向きに延び出すとともに、左端側が水平延出部よりも左向きに延び出していることを特徴とする。
【0017】
本願の請求項4の取付金具は、請求項1〜3の何れかにおいて、前記第一係合片部又は第二係合片部における水平延出部が左右二個所に分かれて形成されているとともに、引掛片がそれら左右二個所の水平延出部にまたがるように形成されており、該水平延出部と引掛片とが全体としてブリッジ形状をなしていることを特徴とする。
【0018】
本願の請求項5の取付金具は、請求項1〜4の何れかにおいて、前記第一係合片部又は第二係合片部の一方の係合片部が、水平延出部が左右二個所に分かれて形成されているとともに、引掛片がそれら左右二個所の水平延出部にまたがるように形成されいて、該水平延出部と引掛片とが全体としてブリッジ形状をなしており、また他方の係合片部が、引掛片の右端側が水平延出部より右向きに延び出すとともに、左端側が水平延出部より左向きに延び出すように形成され、該他方の係合片部の水平延出部が、該一方の係合片部の左右二個所の水平延出部の間の位置に形成されていることを特徴とする。
【0019】
本願の請求項6の取付金具は、請求項1〜5の何れかにおいて、前記第一切込部及び第二切込部の少なくとも何れかの形状が、前記水平延出部の基端の左右長部分を除いた閉ループ形状とされ、前記基板部の該第一又は第二切込部の外側部分が連続的に繋がった形状とされていることを特徴とする。
【0020】
【作用及び発明の効果】
上記のように請求項1の取付金具は、基板部の上下方向中間部分の所定部位以上の上側に第一切込部を、また所定部位以下の下側に第二切込部をそれぞれ形成し、そして第一切込部の内側部分を下側に折り曲げて水平方向に向けた上、先端側部分を更に上向きに曲げ起こして第一係合片部となす一方、第二切込部の内側部分を上側に折り曲げて水平方向に向けた上、先端側部分を更に下向きに曲げ起こして第二係合片部を形成したものである。
【0021】
即ち、従来にあっては板材の一部を下側又は上側からのみ水平方向に折り曲げた上、その先端側部分の一部を上向きに、また残りの部分を下向きに曲げ起こすことによって、第一係合片部及び第二係合片部を形成していたのを、請求項1の取付金具の場合、互いに反対側の上側と下側との両側から、基板部の一部を水平方向に折り曲げた上、それぞれの先端側部分を更に上向きと下向きとに曲げ起こして、第一係合片部及び第二係合片部を形成するようになしたもので、この取付金具によれば、第一係合片部又は第二係合片部における引掛片を水平延出部に対して容易に長く形成することができるとともに、第一係合片部における引掛片及び第二係合片部における引掛片を、基板部から同じ距離離れた位置に形成することも容易となり、図15に示すアルミニウム押出成形品から成る取付金具に代えて、従来既存の建材に対する取付金具としてそのまま用いることが可能となる。
【0022】
この請求項1の取付金具の場合、第一切込部及び第二切込部が基板部の上下方向中間部分の所定部位よりも上側部分と下側部分とに形成されるため、それら切込部の内側部分が互いに上下方向に重なるように、第一切込部及び第二切込部を形成することができる。
従って第一係合片部及び第二係合片部における引掛片を、互いに上下方向に重なるように形成することができ、それら引掛片部を左右方向に長く形成することが容易となる。
【0023】
この請求項1の取付金具によれば、引掛片を左右方向の広範囲に亘って建材の第一突出部又は第二突出部に係合させることができ、従って建材に対して台風時等に面外方向の負圧に基づく大きな引張力が働いたときにも、取付金具に対する係合部分、具体的には突出部に大きな荷重が集中的に作用して突出部が破損してしまうといったことを効果的に防止でき、ひいては建材が躯体側の建材下地から外れてしまうのを防止することができる。
【0024】
この請求項1において、前記第一切込部を、前記第一係合片部を展開した形状の且つ該第一係合片部における水平延出部の基端の左右長部分を除いた形状と成す一方、前記第二切込部を、前記第二係合片部を展開した形状の且つ該第二係合片部における前記水平延出部の基端の左右長部分を除いた形状と成し、それら第一切込部及び第二切込部で囲まれた内側部分を曲げ変形させて、前記第一係合片部及び第二係合片部を形成することができる。
【0025】
この請求項1の取付金具はまた、第一係合片部における引掛片と第二係合片部における引掛片とを上下方向に重複する形態で形成しており、このようにすれば、第一係合片部又は第二係合片部における引掛片の左右方向長さを長くとることができ、最大では取付金具の左右方向幅と実質上同幅に近い長さで形成することができ、建材との間でより大きな係合力を得ることができる。
【0026】
請求項2の取付金具は、第一係合片部又は第二係合片部における引掛片を水平延出部よりも右向き又は左向きに延び出す形態で設けたもので、このようにすることにより、引掛片を水平延出部に対して左右方向に長く形成することができる。
【0027】
請求項3の取付金具もまた、第一係合片部又は第二係合片部における引掛片をその水平延出部に対して効果的に左右方向に長くすることができる。
【0028】
この請求項3の取付金具において、第一係合片部又は第二係合片部の何れか一方をT字形状に形成し、また他方を該一方における水平延出部の右側と左側との二個所に形成し、該右側のものを、引掛片が水平延出部よりも左向きに延出する、展開形状がL字形状に、また左側のものを、引掛片が水平延出部よりも右向きに延出する、展開形状がL字形状に形成することができる。
【0029】
この取付金具においても第一係合片部及び第二係合片部における引掛片を上下に重複する形態で形成することができ、従ってそれら引掛片を左右方向に長く形成することができる。
更にまた、第一係合片部及び第二係合片部における水平延出部を同一の上下方向位置に形成することができる。
【0030】
請求項4の取付金具は、第一係合片部又は第二係合片部が全体としてブリッジ形状をなすようにしたもので、この取付金具においても、第一係合片部又は第二係合片部における引掛片をその水平延出部に対して効果的に左右方向に長くすることができる。
【0031】
請求項5の取付金具では、第一係合片部及び第二係合片部における水平延出部を上下方向の同一位置に位置させつつ、第一係合片部及び第二係合片部における各引掛片を上下に重複する形態で形成することができ、それら引掛片の左右方向長さを長くとることができる。
【0032】
またこの取付金具においても、第一係合片部及び第二係合片部における各引掛片を基板部から同じ距離だけ離れた位置に形成することができる。
【0033】
請求項6の取付金具は、第一切込部及び第二切込部の少なくとも何れかの形状を、水平延出部の基端の左右長部分を除いた閉ループ形状となして、基板部におけるその切込部の外側部分を第一係合片部又は第二係合片部周りに連続した形状となしたもので、この取付金具の場合、基板部に切込部を形成したにも拘らず、その周りの部分の強度を強く保持することができる。
【0034】
上述したように鋼板材の場合、アルミニウム材と異なって押出成形が困難であって、取付金具を形成するに際して曲げ加工によらざるを得ず、従って上記請求項1〜6の発明はかかる鋼板材からなる取付金具に適用して効果が大きい。
【0035】
【実施例】
次に本発明の実施例を図面に基づいて詳しく説明する。
図1,図2は本例の取付金具を用いたボード状の外装建材の取付施工例を示したもので、図1中10はコンクリート基礎、12は水切り、14は柱、16は防水紙、18は建材下地としての縦胴縁である。
20は本例の取付金具であって、この取付金具20によって外装建材22が縦胴縁18に取付固定されている。
【0036】
図3は図1及び図2における外装建材22の全体形状を示したもので、図示のようにこの例の建材22は、その裏面に突出状の裏足26が左右方向全長に亘って設けられている。
【0037】
またその上端部には左右方向全長に亘って合决り用の上向きの突出部(第二突出部)28が設けられており、また下端部には合决り用の凹部30が同じく左右方向全長に亘って形成されている。そしてこの合决り用の凹部30において、下向きの突出部(第一突出部)32が、同じく建材22の左右方向全長に亘って下向き突出状に設けられている。
尚、これら突出部28及び32の表面側には傾斜面34,36が形成されている。
また上端部の第二突出部28の下側部位には段付部38が全長に亘って形成されている。
【0038】
建材22は、図2に示しているように下段側の建材22の上端部の第二突出部28と上段側の建材22の下端部の凹部30とが上下に互いに合决り嵌合する状態で取付金具20にて躯体側に取り付けられるようになっている。その際、上段側の建材22の下端面が、下段側の建材22の上端部の段付部38の上面に対面する状態となる。
尚、建材22は下向きの第一突出部32と、後述の取付金具20の第一係合片部62との係合に基づいて上下方向の荷重が支持される。
【0039】
図4ないし図6に上記取付金具20の具体的構成が示してある。
本例においてこの取付金具20は、高耐火度を有するステンレス鋼板材を曲げ加工して成るものである。
これらの図において、40は基板部であって、42は基板部40における迫出し部である。迫出し部42は、表面側に所定寸法迫り出した状態で面状に形成されており、その下端部には裏側への曲返し部44が、またその上端部には同じく裏側へ斜めに傾斜する傾斜部46が形成されている。
【0040】
基板部40には、更に、この傾斜部46に続いて上下方向に延び、上記建材下地としての縦胴縁18に裏面が当接する凹陥部48が形成されており、更にこの凹陥部48の上部には、屈曲状且つ断面三角形状で表面側に突出する屈曲部50が形成されている。
【0041】
屈曲部50は、上傾斜部52と下傾斜部54とから成っており、そしてその上傾斜部52に、止具としての釘を打ち込むための止付穴56が形成されている。
また上記凹陥部48には、止具としてのビスを打ち込むための止付穴58が形成されている。
本例においてはこれら止付穴56又は58の何れかを選択して釘又はビスの何れかによって取付金具20を縦胴縁18に固定できるようになっている。
【0042】
尚、図6に示しているように上記迫出し部42にはその下部において表面側に突き出すリブ60が、また上部において裏面側に突き出すリブ60がそれぞれ形成されており、また傾斜部46においても左右方向全長に亘って円弧状に突出するリブ60が形成されている。
【0043】
62及び64は基板部40から突出する状態で設けられた第一係合片部及び第二係合片部である。
第一係合片部62は、水平方向に延出する水平延出部66と、その水平延出部66の先端側から上向きに起立する引掛片68とから成っている。
引掛片68は、上記建材22における下向きの第一突出部32の傾斜面36に対応した角度で僅かに斜めに傾斜している。またこの引掛片68には、左右全長に亘ってリブ60が設けられている。
【0044】
本例において、この第一係合片部62における引掛片68は、右端側及び左端側がそれぞれ水平延出部66よりも右向き及び左向きに長く延び出しており、第一係合片部62は、水平延出部66及び引掛片68を展開した形状がT字形状をなしている。
【0045】
一方第二係合片部64は、基板部40から水平方向に延出する水平延出部70と、その先端において下向きに立ち下がる引掛片72とから成っている。
この第二係合片部64においても、引掛片72が上記建材22における上向きの第二突出部28の傾斜面34に対応した角度で斜めに傾斜している。
【0046】
本例において、この第二係合片部64は、水平延出部70が第一係合片部62における水平延出部66の右側と左側との二個所にそれぞれ形成されている。また第二係合片部64における下向きの引掛片72は、これら二個所の水平延出部70にまたがる長さで形成されており、従ってこの第二係合片部64は、全体としてブリッジ形状をなしている。
【0047】
本例において、これら第一係合片部62及び第二係合片部64における各水平延出部66及び70は、上下方向において同一位置に形成されており、また第一係合片部62及び第二係合片部64における各引掛片68及び72は、基板部40から同じ距離離れた位置からそれぞれ上向き及び下向きに起立し又は立ち下がっている(図6参照)。
【0048】
本例において、これら第一係合片部62及び第二係合片部64は、それぞれステンレス鋼板材に所定形状の切込部を形成し、それら切込部で囲まれた内側部分をそれぞれ曲げ変形させて構成したものである。
図7はそれら切込部の形状及び曲げ加工による上記第一係合片部62及び第二係合片部64の形成方法を模式的に表したものである。
【0049】
図示のように本例では、ステンレス鋼板材の上下方向中間部位の所定部位より上側に第一切込部74を、また下側に第二切込部76をそれぞれ形成し、そして第一切込部74で囲まれた内側部分を下側に且つ水平方向に折り曲げた上、その先端側部分を更に上向きに曲げ起すことによって、第一係合片部62における水平延出部66及び上向きの引掛片68を形成している。
【0050】
また同様に、第二切込部76にて囲まれた内側部分を、第一係合片部62とは反対側、即ち上側に且つ水平方向に折り曲げた上、その先端側部分を更に下向きに曲げ起すことで、第二係合片部64における水平延出部70及び下向きの引掛片72を形成している。
【0051】
而して第一切込部74は、図から明らかなように水平延出部66における基端の左右方向の一方の端を始端とし、他方の端を終端とする閉ループ状、即ち水平延出部66における基端の左右長部分を除いた閉ループ状且つT字形状に形成されている。
そして基板部40における第一切込部74の外側部分は、その第一切込部74周りに連続した形状をなしている。
【0052】
一方、第二切込部76もまた、左右二個所の一対の水平延出部70の基端の左右長部分を除いた閉ループ形状とされ、その外側部分が連続的に繋がった形状とされている。
【0053】
図7から明らかなように、本例においては第一係合片部62及び第二係合片部64における引掛片68,72が、左右方向に同じ長さで形成されている。またこれら第一係合片部62及び第二係合片部64における各引掛片68,72は、上下方向に互いに重複する(オーバーラップする)形態で形成されている。
【0054】
上記のように本例における取付金具20は、所定寸法の四角形状のステンレス鋼板材における上下方向中間部分の所定部分より上側に第一切込部74を、また下側に第二切込部76をそれぞれ形成し、そして第一切込部74で囲まれた内側部分を下側に且つ水平方向に折り曲げた上、その先端側部分を更に上向きに曲げ起こして第一係合片部62を形成する一方、第二切込部76で囲まれた内側部分を上側に且つ水平方向に折り曲げた上、その先端側部分を下向きに曲げ起こして第二係合片部64を形成し、これにより第一係合片部62における引掛片68をその水平延出部66よりも左右方向に長く、また第二係合片部64における引掛片72をその水平延出部70よりも左右方向に長くそれぞれ形成し、更に第一係合片部62及び第二係合片部64における各引掛片68,72を上下に重複する(オーバーラップする)形態で形成したもので、本例の取付金具20の場合、第一係合片部62を建材22における下向きの第一突出部32に対して左右方向に長い範囲に亘って係合させることができる。
【0055】
また同じく第二係合片部64を、建材22における上向きの第二突出部28に対して左右方向に長い範囲に亘って係合させることができる。
従って台風時等において建材22に対し、面外方向に負圧が働いて引張力が作用したときにも、建材22における第一突出部32及び第二突出部28を破損させることがなく、これら第一及び第二突出部32,28、ひいては建材22を強固に保持した状態に保つことができる。
【0056】
本例においては、また、上記のように第一係合片部62と第二係合片部64とを、上側と下側との両側から下側及び上側に曲げ加工して形成しており、従って第一係合片部62における引掛片68と第二係合片部64における引掛片72とを、基板部42から等しい距離だけ離れた位置に形成することができ、図15に示すアルミニウム押出成形品から成る取付金具300と同様の条件で、建材22の取付施工を行うことができる。
【0057】
本例においては、更に、第一係合片部62を展開形状がT字形状に形成し、また第二係合片部64をブリッジ形状に形成し、そして第一係合片部62の水平延出部66を、ブリッジ状の第二係合片部64の左右二個所の水平延出部70の間の位置に位置させていることから、第一係合片部62及び第二係合片部64における水平延出部66及び70を上下方向の同一位置に位置させつつ、それらの引掛片68及び72を上下に重複する形態で形成することができ、それら引掛片68及び72を左右方向に長く形成することができる。
【0058】
尚、上例では上側の第一係合片部62を展開形状がT字状に、下側の第二係合片部64をブリッジ状に形成しているが、これとは逆に上側の第一係合片部62をブリッジ状に、また下側の第二係合片部64を展開形状がT字状に形成することも可能である。
【0059】
次に図8は取付金具の他の形態例を示したものである。
同図(A)に示しているように本例の取付金具78では、第一係合片部80及び第二係合片部82ともにブリッジ形状をなしている。
即ち、第一係合片部80は、左右二個所に設けられた水平延出部84と、それらに跨る形態で上向きに形成された引掛片86とから成っており、第二係合片部82もまた、左右二個所に分かれて水平方向に延出する水平延出部88と、それらに跨る形態で下向きに立ち下がる引掛片90とから成っている。
【0060】
本例においてもこれら第一係合片80及び第二係合片82は、それぞれ四角形状のステンレス鋼板の上下方向中間部分の所定部位の上側に第一切込部92を形成する一方、下側に第二切込部94を形成し、そして第一切込部92で囲まれた内側部分を一旦下側に且つ水平方向に折り曲げた上、先端側部分を更に上向きに曲げ起こすことによって第一係合片部80を形成し、また第二切込部94で囲まれた内側部分を一旦上側に且つ水平方向に折り曲げた上、先端側部分を更に下向きに曲げ起こすことによって第二係合片部82を形成してある。
【0061】
本例においても、同図(B)に示しているように第一係合片部80における引掛片86と第二係合片部82における引掛片90とが左右方向に同長とされており、また各係合片部80,82における水平延出部84と88とが上下方向において同一位置に形成されている。
また各係合片部80,82における引掛片86と,90とが、基板部40から同じ距離だけ離れた位置において上向き又は下向きに形成されている。
【0062】
本例においては、第一係合片部80と第二係合片部82とが左右方向に若干位置をずらせて形成してある。
即ち、第一係合片部80における左側の水平延出部84が、第二係合片部82における左右一対の水平延出部88の間の位置に位置させられており、また第一係合片部80における右側の延出部84が、第二係合片部82における右側の水平延出部88よりも更に右側位置に位置させられている。
【0063】
本例においても、第一係合片部80及び第二係合片部82における各引掛片86及び90を上下に重複した形態で左右方向に長く形成することができ、従って本例の取付金具78の場合もまた、建材22の第一突出部32及び第二突出部28に対して左右方向に長い範囲に亘って係合させることができ、それら建材22をしっかりと保持することができる。
【0064】
次に、図9は本発明の取付金具の他の形態例を示したものである。
本例の取付金具95においても、ステンレス鋼板材の上下方向中間部分の所定部位よりも上側に第一切込部108を形成して、その第一切込部108で囲まれた内側部分を曲げ加工することによって左右二個所に第一係合片部96を形成している。また同様に上記所定部位よりも下側に第二切込部110を形成し、その第二切込部110にて囲まれた内側部分を曲げ加工することによって第二係合片部98を形成している。
【0065】
ここで第一切込部108及び第二切込部110は、何れも上記の実施例と同様に後述の水平延出部100及び104の基端の左右長部分を除いた閉ループ形状をなしている。
【0066】
本例において、第二係合片部98はその展開形状においてT字形状を成しており、また左右一対の第一係合片部96は、それぞれ展開形状においてL字形状をなしている。
即ち第二係合片部98は、下向きの引掛片106がその水平延出部104に対して左右両方向に長く延び出している。
【0067】
一方第一係合片部96は、第二係合片部98に対して右側のものが、その水平延出部100に対して上向きの引掛片102が左方向に長く延び出しており、また左側のものは、その水平延出部100に対して上向きの引掛片102が右向きに長く延び出している。
尚本例においても、各引掛片102,106は上記実施例と同様の角度で斜めに若干傾斜している。
【0068】
図9(B)に示しているように、本例においても第一係合片部96及び第二係合片部98における各引掛片102及び106が、互いに上下方向に重複する形態で左右方向に長く形成されている。
【0069】
従って本例においても、これら第一係合片部96及び第二係合片部98において、建材22における下向きの第一突出部32及び上向きの第二突出部28に対して左右方向に長い範囲に亘って係合することができ、建材22を強固に保持することができる。
【0070】
更に本例においても、第一係合片部96及び第二係合片部98における各引掛片102,106がそれぞれ基板部40から同じ距離だけ離れた位置に形成されており、また各水平延出部100及び104がそれぞれ同一の上下方向位置に形成してある。
【0071】
従って本例の取付金具95においてもまた、図15に示すアルミニウム押出成形品から成る取付金具300と同様の条件の下で、建材22の取付けを行うことができる。
【0072】
次に図10は本発明の更に他の実施例を示したものである。
本例の取付金具150においても、ステンレス鋼板材の上下方向中間部分の所定部位よりも上側に左右一対の第一切込部152を形成して、それら第一切込部152で囲まれた内側部分を曲げ加工することによって左右2個所に第一係合片部154を形成している。
また同様に上記所定部位よりも下側に左右一対の第二切込部156を形成し、それら第二切込部156にて囲まれた内側部分を曲げ加工することによって、左右一対の第二係合片部158を形成している。
【0073】
本例においても各第一切込部152及び156は、図9に示す実施例と同様に閉ループ形状を成している。
本例において、左右各一対の第一係合片部154及び第二係合片部158は、何れも展開形状においてL字形状を成している。
即ち右側の第一係合片部154は、上向きの引掛片160が水平延出部162に対して左向きに長く延び出しており、また左側の第一係合片部154は、引掛片160が水平延出部162に対して右向きに長く延び出している。
【0074】
一方右側の第二係合片部158は、下向きの引掛片164が水平延出部166に対して右向きに長く延び出しており、また左側の第二係合片部158は、引掛片164が水平延出部166に対して左向きに長く延び出している。
尚、本例においても各引掛片160,164は上記実施例と同様の角度で斜めに若干傾斜している。
【0075】
本例の取付金具150の場合、図9に示す例の取付金具におけるT字状の第二係合片部98を、左右一対のL字状の第二係合片部158に分けて且つ左右方向に所定距離隔てて構成し、そしてそれらL字状の一対の第二係合片部158と158との間の部分において、図9における第二切込部110の上辺と下辺とを連結部168で連結したものと考えることができる。
【0076】
図9に示す実施例の取付金具95の場合、第二切込部110の内側に大きな空隙部分が生じ、これによって取付金具95における基板部40自体の強度が低くなる恐れがあるが、図10に示す本例の取付金具150の場合、その第二切込部156の内側の空隙部分が小さいものとなるため、基板部40自体の強度が高強度となる利点を有する。
【0077】
尚本例においては、図9に示す取付金具95の上端部の3つの止付穴56のうち、真中に位置する止付穴56が傾斜部46の左右方向中間位置に設けられている。即ち1つの止付穴56が、取付金具150全体の上下及び左右の略中間位置に設けられている。この上下及び左右中間位置の止付穴56を用いて取付金具150を躯体側に止付固定することで、取付金具150全体をバランス良く止め付けることができ、止付強度を高めることができる。
【0078】
更に本例の取付金具150の場合、第二係合片部158における引掛片164の先端部が、若干基板部40側に僅かな傾斜角度でもって曲げ返されている。
【0079】
次に図11は本発明の更に他の実施例を示している。
この例の取付金具170は主にコーナ用に用いられるもので、左右方向の幅が上記実施例のもの(左右方向幅が約90mm幅)に比べて小さいものとされている(約45mm幅)。
【0080】
本例の取付金具170においても、ステンレス鋼板材の上下方向中間部分の所定部位よりも上側に左右一対の第一切込部172を形成して、それら第一切込部172で囲まれた内側部分を曲げ加工することで、左右2個所に第一係合片部174を形成している。
【0081】
また同様に上記所定部位よりも下側に第二切込部176を形成し、その第二切込部176にて囲まれた内側部分を曲げ加工することによって第二係合片部178を、一対の第一係合片部174の左右方向中間位置に形成している。
【0082】
ここで一対の第一係合片部174は何れもL字形状を成している。即ち右側の第一係合片部174は、上向きの引掛片180が水平延出部182に対して左向きに延び出した形態を成しており、また左側の第一係合片部174は、引掛片180が水平延出部182に対して右向きに延び出した形態を成している。
一方第二係合片部178は、下向きの引掛片184が水平延出部186とほぼ同幅とされている。
【0083】
本例の取付金具170においても、第一切込部172,第二切込部176で囲まれた空隙部分の大きさが何れも小さく、基板部40自体の強度が高強度とされている。
尚、本例においても各引掛片180,184は上記実施例と同様の角度で斜めに若干傾斜している。
【0084】
また図10の実施例及び図11の実施例の何れにおいても、第一係合片部154,174の水平延出部162及び182と、第二係合片部158及び178における水平延出部166及び186が、何れも上下方向の同一高さ位置にそれぞれ形成されている。
【0085】
以上は第一係合片部及び第二係合片部における水平延出部を互いに同一の上下方向位置に形成した場合の例であるが、図12に示す取付金具112のように、第一係合片部114及び第二係合片部116における水平延出部118及び120を、上下方向に微小距離隔てた位置に形成し、そしてそれらの先端部から上向きの引掛片122及び下向きの引掛片124をそれぞれ形成するといったことも場合により可能である。
【0086】
この場合、図12(ア)の第一切込部126及び第二切込部128の形状から明らかなように、第一係合片部114及び第二係合片部116を、左右方向に同長で且つ左右方向全範囲に亘って上下方向に重複する形態で形成することが可能となる。
また更にこの場合、第一係合片部114及び第二係合片部116における引掛片122及び124を、それぞれの水平延出部118及び120と同幅で形成することも可能となる。
【0087】
以上は何れもステンレス鋼板材の上下中間部分の所定部位より上側に第一切込部を、また下側に第二切込部を形成してそれら第一切込部及び第二切込部で囲まれた内側部分を下側に又は上側に曲げ加工して第一係合片部及び第二係合片部を形成しているが、図13に示す取付金具130(参考例)のように、同じ下側部分(又は上側部分)に第一切込部132と第二切込部134をそれぞれ形成し、それらを一旦水平方向且つ上側(又は下側)に折り曲げた後、更に先端側部分を上向きに或いは下向きに曲げ起こして、第一係合片部136及び第二係合片部138を形成するといったことも可能である。
【0088】
尚、同図中において140,144はそれぞれ第一係合片部136及び第二係合片部138における水平延出部を示し、また142及び146は、第一係合片部136における上向きの引掛片及び第二係合片部138における下向きの引掛片をそれぞれ示している。
【0089】
この例においても、各係合片部136,138における引掛片142及び146はそれらの水平延出部140及び144よりも左右方向に長く形成されており、且つそれら引掛片142,146は上下方向において一部重複する形態で形成されている。
また各引掛片142及び146は、基板部40から互いに同じ距離だけ離れた位置において上向き又は下向きに形成されている。
【0090】
但し本例に従って第一係合片部136及び第二係合片部138を形成した場合、第一係合片部136又は第二係合片部138の何れか一方(本例では第二係合片部138)における引掛片(この例では引掛片146)が、(I)から明らかなように第一係合片部136及び第二係合片部138における水平延出部140及び144の同一高さの基端位置から遠い位置に形成されることとなる。
【0091】
従って引掛片142及び146が傾斜している場合において、引掛片146における横長部分146aが、引掛片142よりも基板部40から若干遠い位置に形成されることとなる。
【0092】
以上本発明の実施例を詳述したがこれはあくまで一例示である。
例えば本発明はボード状の外装建材の施工に用いて好適であるが、その他のボード状建材の取付施工に際して用いることも場合に可能であるし、また本例の取付金具を上例以外の他の種々形態で構成することも可能である。
また更に、上記建材はあくまで一例を示したに過ぎないもので他の様々な形態の建材の取付施工に本発明を適用することが可能であるなど、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である取付金具を用いたボード状外装建材の取付施工例を示す図である。
【図2】 図1における取付金具及びその周辺部の要部断面図である。
【図3】 図1及び図2における外装建材単体の図である。
【図4】 図1及び図2における取付金具の全体を示す斜視図である。
【図5】 同じ取付金具を一部切り欠いた状態で示す斜視図である。
【図6】 同じ取付金具の正面構成及び断面構成を示す図である。
【図7】 同じ取付金具の構成を製造方法によって表わす図である。
【図8】 本発明の他の実施例である取付金具の図である。
【図9】 本発明の更に他の実施例である取付金具の図である。
【図10】 本発明の更に他の実施例である取付金具の図である。
【図11】 本発明の更に他の実施例である取付金具の図である。
【図12】 本発明の更に他の実施例の取付金具の図である。
【図13】 参考例の取付金具の図である。
【図14】 従来の取付金具とこれを用いた施工例の図である。
【図15】 図14における取付金具を単体で示す斜視図である。
【図16】 従来公知の図15とは異なる形態の取付金具の例を示す図である。
【図17】 従来公知の図15及び図16とは異なる形態の取付金具の例を示す図である。
【図18】 従来公知の図15,16,17とは異なる形態の取付金具の例を示す図である。
【符号の説明】
20,78,95,112,130,150,170 取付金具
22 外装建材
28 第二突出部
32 第一突出部
40 基板部
62,80,96,114,136,154,174 第一係合片部
64,82,98,116,138,158,178 第二係合片部
66,70,84,88,100,104,118,120,140,144,162,166,182,186 水平延出部
68,72,86,90,102,106,122,124,142,146,160,164,180,184 引掛片
74,92,108,126,132,152,172 第一切込部
76,94,110,128,134,156,176 第二切込部
Claims (6)
- (イ)躯体側に固定される基板部と、(ロ)該基板部より水平方向に延出する水平延出部及び該水平延出部より上向きに起立する引掛片とを有する第一係合片部と、(ハ)該基板部より水平方向に延出する水平延出部及び該水平延出部より下向きに立ち下がる引掛片とを有する第二係合片部とを備えて成り、該第一係合片部において、上下に隣接するボード状建材の上段側の建材の下端部に形成された下向きの第一突出部に嵌合状態に係合して該下端部を固定するとともに、該第二係合片部において、下段側の建材の上端部に形成された上向きの第二突出部に嵌合状態に係合して該上端部を固定するボード状建材の取付金具であって
前記基板部の上下方向中間部分の所定部位以上の上側に第一切込部を、また該所定部位以下の下側に第二切込部をそれぞれ形成し、該第一切込部の内側部分を下側に折り曲げて水平方向に向けた上、その折曲部分の先端側部分を更に上向きに曲げ起こして前記第一係合片部を形成する一方、前記第二切込部の内側部分を上側に折り曲げて水平方向に向けた上、その折曲部分の先端側部分を更に下向きに曲げ起こして前記第二係合片部を形成し、且つ前記第一係合片部における引掛片と第二係合片部における引掛片とを、上下方向に重複する形態で形成したことを特徴とするボード状建材の取付金具。 - 請求項1において、前記第一係合片部又は第二係合片部における引掛片が水平延出部よりも右向き又は左向きに延び出す形態で設けられていることを特徴とするボード状建材の取付金具。
- 請求項1,2の何れかにおいて、前記第一係合片部又は第二係合片部における引掛片の右端側が水平延出部よりも右向きに延び出すとともに、左端側が水平延出部よりも左向きに延び出していることを特徴とするボード状建材の取付金具。
- 請求項1〜3の何れかにおいて、前記第一係合片部又は第二係合片部における水平延出部が左右二個所に分かれて形成されているとともに、引掛片がそれら左右二個所の水平延出部にまたがるように形成されており、該水平延出部と引掛片とが全体としてブリッジ形状をなしていることを特徴とするボード状建材の取付金具。
- 請求項1〜4の何れかにおいて、前記第一係合片部又は第二係合片部の一方の係合片部が、水平延出部が左右二個所に分かれて形成されているとともに、引掛片がそれら左右二個所の水平延出部にまたがるように形成されいて、該水平延出部と引掛片とが全体としてブリッジ形状をなしており、また他方の係合片部が、引掛片の右端側が水平延出部より右向きに延び出すとともに、左端側が水平延出部より左向きに延び出すように形成され、該他方の係合片部の水平延出部が、該一方の係合片部の左右二個所の水平延出部の間の位置に形成されていることを特徴とするボード状建材の取付金具。
- 請求項1〜5の何れかにおいて、前記第一切込部及び第二切込部の少なくとも何れかの形状が、前記水平延出部の基端の左右長部分を除いた閉ループ形状とされ、前記基板部の該第一又は第二切込部の外側部分が連続的に繋がった形状とされていることを特徴とするボード状建材の取付金具。
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