JPH10211881A - パレット移動用台車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型、軽量で小廻りが利くパレット運搬用台
車を得る。 【解決手段】 台車フレーム１の前部に前輪２、２ａを
前方に倒立自在に取り付けると共に、台車１の後部にハ
ンドル９により方向転換ができる後輪５、５ａを前方に
倒立自在に取り付ける。そして、ロックペダル２０を踏
んでハンドル９を後方に倒すことにより台車の座高を低
くしてパレット３０の下に台車を進入させ、ロックペダ
ル２０を踏みつけながらハンドル９を起立させることに
より台車上にパレット３０を載せる。パレット３０は手
押しで運搬し、方向転換はハンドル９で後輪５、５ａの
方向を変えることにより行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車輪を倒した状態でパ
レットの下に入れてからこの車輪を起立させてパレット
を浮かせることにより、手押しで自由にパレット（荷
物）を運搬又は移動することができる台車に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】パレット移動用台車は、所謂パレットに
荷積みされた状態の荷物をパレットごと運搬又は移動し
たり、コンテナを運搬又は移動したり、荷物かごを運搬
又は移動したりする際に使用されるものであって、現
在、次のような構造のものが公知である。 台車フレームの下に倒立自在の前輪と後輪を取り付
けたもの。 後輪を自在輪としたもの。 電動で走行できるようにしたもの。 パーキングブレーキを設けたもの。 車輪をダブルに設けたもの。 台車の昇降を油圧を用いて行うようにしたもの。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公知の台
車にあっては、車輪は固定式か自在式であるため、次の
ような欠点がある。 固定式の場合は、直線的な走行には便利であるが、
方向転換がしにくく、小型向きである。 自在式の場合は、方向転換は自由にできて便利であ
るが、逆に直進性が悪い。 固定式及び自在式車輪を取り付けた台車の共通した
欠点として、例えばトラックの荷台においてパレットを
移動する場合に、場所が狭いために方向転換がしにくか
ったり、台車がパレットから大きく突出していて先に置
いたパレットとパレットの間の狭いスペースに納めるこ
とができないことがある。 台車は大型で重量があるため、取り扱い及びトラッ
ク等に積んで移動したり、工場の隅に置いたりする際に
不便である。

【０００４】本発明の目的は、方向転換がしやすく、直
進性及び狭い場所での移動性に優れ、なおかつ小型で重
量が軽く、運搬や格納に便利なパレット運搬用台車を提
案することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に提案する本発明に係る台車の構成は次のとおりであ
る。 １．台車フレームの前方に、この台車フレームに設けた
支軸を中心にして前方に倒れる前輪取付フレームを介し
て前輪を取り付けると共に、前記台車フレームの後方
に、この台車フレームに設けた支軸を中心にして後方に
倒すことができるハンドルを設けたこと、前記ハンドル
の下端であって、前記支軸よりも下の位置に後輪を取り
付けたこと、前記ハンドルを後方に倒して後輪を前方に
倒したときに、この運動に連動して前記前輪を前方に倒
すための連結桿及びこの連結桿を駆動するリンク機構を
設けたこと、前記ハンドルを垂直に又は倒したときにこ
れをロックするためのロックペダルを設けたこと、を特
徴とするパレット移動用台車。 ２．ハンドルは、ハンドル軸を中間で分離できる構造と
することにより、運搬及び格納に便利なように構成して
成る前記１記載のパレット移動用台車。

【０００６】

【作用】台車は、ハンドルを後方に倒して前輪と後輪を
前方に倒すことにより台車フレームの高さを低くしてか
らパレットの床下に進入させたのち、ハンドルを立てる
ことにより前輪と後輪を起立させてパレットを持ち上げ
て台車上に乗せ、この状態でパレットを運搬する。そし
て、方向転換が必要な場合は、ハンドルを回転させて後
輪の向きを変えることにより行う。例えば、右方向に転
換したい場合にはハンドルを左方向に角度を変える。台
車は、パレットの床下の左右に入れて用いることが原則
であるが、大きさ又は重量によっては３台又は１台で用
いることも可能である。台車を格納する場合及び運搬す
る場合には、ハンドル軸を中間で分離する。

【０００７】

【発明を実施するための形態】台車フレームは、金属体
で前後に長い四角形の枠体とすることにより強度をつけ
る。前輪と後輪は、一輪でもよいが、重量のあるものを
前提として、左右に２輪並べたものが、走行安定性の観
点からも有利である。ハンドルは人が手で持つのに便利
な高さ（長さ）として、上端には、例えば水平状の握り
部を形成しておくと便利である。

【０００８】ハンドルのロックは、安全性の観点から重
要であり、強度も十分に必要である。又、台車は低いの
で、足で行うペダル操作でロック及びこの解除を行うこ
とができるようにする。ハンドルを倒したり起立させた
りする運動は、リンク機構と連結桿を経由して前輪の取
付フレームに伝達されるようにする。

【０００９】

【実施例１】図１は本発明に係る台車の斜視図である。
この図１において、符号の１は、金属で形成された細長
い台車フレーム、２、２ａは支軸４により台車フレーム
１に対して前方に倒れるように取り付けられた前輪取付
フレーム３に軸２ｂを介して取り付けられた前輪であ
る。５、５ａは後輪であって、この後輪５、５ａは上部
ハンドル軸１０と下部ハンドル軸１１から成るハンドル
９の下部ハンドル軸１１の下端に取り付けられている。
８はハンドル９の下部ハンドル軸１１部分を回転自在に
保持しているハンドル軸受であって、このハンドル軸受
８は、支軸７により台車フレーム１に対して後方に倒す
ことができるように取り付けられたハンドル軸受支持部
材６に固定されている。

【００１０】１２はハンドル９の上部ハンドル軸１０の
下端１０ａに挿入した下部ハンドル軸１１の上端１１ａ
を固定している止めねじであって、このねじ１２を弛め
て上部ハンドル軸１１側を取り外すことができる。１４
はパレットの位置決め用のために台車フレーム１に取り
付けられたストッパー、１５は台車フレーム１に対して
水平に取り付けた支軸１６により、後方に倒立自在のリ
ンクバー、１７はリンクバー１５の上端と前記ハンドル
軸受８の上端の間を連結している連結桿、１８、１９は
止めピン、２０は前記リンクバー１５の中間部の支軸２
１から後方に略水平に取り付けられたロックペダルであ
って、このロックペダル２０の中間部には２箇所にロッ
ク溝２２ａ、２２ｂが上向きに形成してあり、前記ハン
ドル軸受８（ハンドル軸受支持部材６）が垂直に起立し
ているときにはハンドル軸受支持部材６から突出させた
ロックピン２５が嵌合してハンドル軸受８をロックし、
ハンドル軸受８を後方に倒したときには、ロックピン２
５がロック溝２２ｂに嵌合してハンドル軸受８（ハンド
ル軸受支持部材６）を倒れた状態にロックする。

【００１１】２０ａは前記ロックペダル２０の先端から
下方に突出させたスプリング受けであって、このスプリ
ング受け２０ａと台車フレーム１の後端部１ａ間にはス
プリング２３が取り付けられていて、図１において、こ
のスプリング２３は、支軸２１を中心にしてロックペダ
ル２０に対し、反時計方向の回転力を賦与している。２
４は前記リンクバー１５の下端１５ａと前記前輪２、２
ａの車軸２ｂ間を連結していて、ハンドル９を後方に倒
して後輪５、５ａを前方に倒したときに、これに連動し
て前輪２、２ａを前方に倒すための連結バーである。

【００１２】上記台車の使用例を図２〜図７に基づいて
詳述する。台車自体の移動は、図２に示すように、ハン
ドル９を垂直に起立させることにより前輪２、２ａと後
輪５、５ａを立てて台車フレーム１の座高を高くする。
そして、パレットを運搬する場合には、図２において、
ロックペダル２０を足で矢印ａ方向に踏みつけてハンド
ル９をｂ方向に倒すと、ロック溝２０ａからロックピン
２５が外れ、スプリング２３が伸長し、ハンドル軸受支
持部材６が支軸７を中心としてハンドル９（上部ハンド
ル軸１０）と一緒に後方に倒れ、これに連動して連結桿
１７が矢印ｃ方向に引かれてリンクバー１５が支軸１６
を中心にして矢印ｄ方向に倒れ、同時に連結バー２４が
矢印ｅ方向に前進する。

【００１３】この結果、ハンドル９の下端に取り付けら
れた後輪５、５ａ及び前輪２、２ａが矢印ｆ方向に倒
れ、台車フレーム１の座高が低くなる。図３において、
実線はハンドル９を倒す前の状態、点線はロックペダル
２０を踏んでハンドル９を後方に倒した状態を示すもの
である。図４は脚３１付のパレット３０の床下に台車を
進入させる直前の説明図、図５はパレット３０の床下に
台車を進入させたあと、ロックペダル２０を踏みつけな
がらハンドル９を起立させて先程とは逆に前輪２、２ａ
と後輪５、５ａを立てることにより、パレット３０を台
車フレーム１上に載せた状態の説明図である。

【００１４】図６はパレット３０の床下の両サイドに台
車を進入させてパレット３０を台車に載せた状態の説明
図、図７はハンドル９を持ちながらパレット３０を運搬
している状態の説明図である。上記運搬に際し、方向転
換を行う場合には、ハンドル９の向きを変えると、この
下部ハンドル軸１１の下端に取り付けられた後輪５、５
ａの向きが変り、これにより方向転換が可能である。

【００１５】

【発明の効果】本発明に係る台車は、以上のように、ハ
ンドルを倒したり起立させたりすることにより台車の座
高を上下に変えることができると共に、ハンドルの向き
を変えることにより後輪の向きを変えて方向転換を行う
ことができるので、次の効果を奏する。 １．小廻りが利くため、狭い場所でのパレットの移動及
び運搬を行うのに便利である。 ２．ロックペダルを踏みながらハンドルを倒すことによ
り、後輪に連動して前輪を倒すだけで台車の座高を低く
することができるので、操作性が良い。

【００１６】３．ロックペダルを踏みながらハンドルを
起立させることにより、後輪に連動して前輪を立てて座
高を高くし、パレットをテコの原理で持ち上げるので、
大きな力を必要としない。 ４．ハンドルの運動をリンク機構により前輪に伝えるだ
けのため、構造が簡単で小型化でき、これにより重量も
軽くなり、運搬や格納時の取り扱いが便利であると共
に、場所をとらない。 ５．ハンドルを上部ハンドル軸と下部ハンドル軸に分離
できるので、運搬、格納時に小型化できる。 ６．構造簡単、小型化により、製作コストが安い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る台車の斜視図。

【図２】台車の側面図。

【図３】前輪と後輪部及びリンク機構部の構造とその作
用の説明図。

【図４】パレットの床下に台車を進入させる直前の説明
図。

【図５】パレットを台車に載せた状態の説明図。

【図６】台車２台を用いてパレットを運搬する状態の説
明図。

【図７】パレットを運搬している状態の説明図。

【符号の説明】

１ 台車フレーム ２、２ａ 前輪 ５、５ａ 後輪 ８ ハンドル軸受 ９ ハンドル １５ リンクバー １７ 連結桿 ２０ ロックペダル ２４ 連結バー ３０ パレット

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 台車フレームの前方に、この台車フレー
   ムに設けた支軸を中心にして前方に倒れる前輪取付フレ
   ームを介して前輪を取り付けると共に、前記台車フレー
   ムの後方に、この台車フレームに設けた支軸を中心にし
   て後方に倒すことができるハンドルを設けたこと、 前記ハンドルの下端であって、前記支軸よりも下の位置
   に後輪を取り付けたこと、 前記ハンドルを後方に倒して後輪を前方に倒したとき
   に、この運動に連動して前記前輪を前方に倒すための連
   結桿及びこの連結桿を駆動するリンク機構を設けたこ
   と、 前記ハンドルを垂直に又は倒したときにこれをロックす
   るためのロックペダルを設けたこと、 を特徴とするパレット移動用台車。
2. 【請求項２】 ハンドルは、ハンドル軸を中間で分離で
   きる構造とすることにより、運搬及び格納に便利なよう
   に構成して成る請求項１記載のパレット移動用台車。