JPH0853069A - 車輪付軽運搬車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 人力により荷物を運搬するための、車輪付軽
運搬車の改良に関するもので、運搬車に横幅の広い荷物
を積んでいる場合にも、狭い改札口を容易に通過できる
ようにしたものである。 【構成】荷台の前端の両外側に軸着した大径の運搬車輪
と、荷台の下面に固定した複数の小径の支持車輪とを備
えたこと、運搬車輪の半径を、荷台を水平にして軽運搬
車を地表に置いたとき、運搬車輪の軸芯の地表からの高
さ、より小としたこと、即ちｒ＜Ｈとしたこと、荷台前
端より直立した背枠と、該背枠より引き出し可能なハン
ドルと、を備えたこと、により、運搬車を、進行方向と
直角に、横方向にも極めて容易に移動することができる
ように構成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、人力により荷物を運搬
するための、車輪付軽運搬車の改良に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来の車輪付軽運搬車には、 イ． ハンドルの付いた載置台の下端に、載置台と直角
に頑丈な受け台を突出させ、該載置台下端の外側に車輪
を付けたもの。（酒類、清涼飲料などの運搬トラックに
付属させて、貨物の近距離配送に用いるもの。） ロ． 鉄道駅舎のプラットホームで小荷物の運搬に用い
られている手押し車。（載置台の前方下面中央に１個の
「偏芯カスター」を取付け、後方下面の左右に各々１個
の「固定カスター」を取付けたもの。） ハ． 一枚の矩形の台座の下面に、カスターを固定した
もの。（魚市場の買い出し用ブリキ缶を載せて、手押し
運搬をするもの。） ニ． ゴルフ・バツグを載せて運搬するゴルフ・カー
ト。 ホ． 大型旅行鞄を載せて、これを手で曳いて移動する
ための、折り畳み式スーツケース・キヤリヤー。 などがあり、いずれもその使用目的により、台座の大き
さ、強度、車輪の数、車輪の種類、車輪の強度が定めら
れ、また、便利さの点から、車体の全体が剛構造である
か、部分的に折り畳み構造であるか、などが定められて
いた。

【０００３】イ、ニ、および ホ に示した運搬車は、
両側の車輪が夫々独立して自由に回転するので、一方の
車輪を中心としてその場で方向変換ができると言う特徴
はあるが、車輪の回転軸方向（即ち、横方向）に移動す
ることは不可能であつた。即ち、前後に移動、およびそ
の場で方向転換、はできるが、横方向に移動することは
できなかった。 ロ に示した運搬車は、荷台の前方下面中央に位置した
「偏芯カスター」の作用で、方向転換が極めて容易であ
る、と言う特徴はあるが、横方向に移動することは全く
不可能であつた。 ハ に示した運搬車は、１種の「運搬台車」とも言うべ
きもので、駅の改札口を押しながら通れるように、車台
の幅を改札口の幅より少し狭く作つてあり、前後方向に
のみ運動が可能で、横方向に運動することは全く不可能
であつた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
車輪付軽運搬車は、すべて前後運動および方向転換はで
きるが、そのままの位置で左右に運動することは不可能
であつた。本発明は、前後運動および方向転換が可能で
あると同時に、左右方向にも運動できるようにした、便
利な車輪付軽運搬車を安価に供給しようとするものであ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】人力により荷物を運搬す
るための車輪付軽運搬車において、荷台の前端の両外側
に軸着した大径の運搬車輪と、荷台の下面に固定した複
数の小径の支持車輪とを備え、該運搬車輪の半径（ｒ）
を、荷台を水平にして運搬車を地表に置いたときの運搬
車輪の中心軸の地表からの高さ（Ｈ）、より小としたこ
と、即ち ｒ ＜ Ｈ としたこと、によつて、運
搬車を地表に置いたとき、運搬車輪を地表から浮き上が
らせて、運搬車輪が支持車輪の運動を阻害しないように
することにより、支持車輪のみによつて運搬車を左右に
運動可能にしたものである。

【０００６】また、荷台の前端より直立した背枠と、該
背枠より引き出し可能なハンドルとを備えることによ
り、人力によつて本運搬車を便利に、かつ容易に操作で
きるようにした。

【０００７】また、支持車輪を、１方向のみに回転可能
な車輪を有する複数のカスターとして、カスターの軸芯
を運搬車輪の軸芯と夫々直交させて荷台下面に固定する
ことにより、運搬車の横方向への運動を可能にした。

【０００８】また、支持車輪を偏芯カスターとし、また
は、支持車輪をボール・カスターとした場合でも、本運
搬車は横方向への運動が可能である。

【０００９】

【作 用 】

１： 運搬車輪の半径（ｒ）を、荷台を水平にして本運
搬車を地表に置いたときの運搬車輪の中心軸の地表から
の高さ（Ｈ）、より小としたこと、即ち ｒ ＜ Ｈ
としたので、本運搬車を地表に置いたとき、運搬車
輪が必ず地表から離れて浮き上がるので、運搬車輪が地
表に接する事がなく、支持車輪の運動を阻害することが
ないので、本運搬車は支持車輪のみによつて、運搬車輪
の運動方向と直角方向に、即ち左右に軽く運動すること
ができる。 ２： 支持車輪が、複数の、１方向のみに回転可能な車
輪を有するカスターであつて、その軸芯を運搬車輪の軸
芯と夫々直交させて荷台下面に固定してある場合には、
各カスターはその車輪の回転方向が正しく横方向に平行
に並んでいるので、運搬車を容易に横方向に運動するこ
とができる。 ３： 支持車輪が偏芯カスターである場合、および支持
車輪がボールカスターである場合には、加えられた外力
に順応してカスターの回転軸の方向が自動的に変わるの
で、カスターの取付に当たつて軸の方向を考える必要は
ない。

【００１０】

【 実 施 例 】図について、本発明の１実施例を説
明すると、（１）は車輪付軽運搬車の荷台、（２）は荷
台（１）から直角に立ち上がつた背枠、（３）は引き出
しハンドル、（４）は運搬車輪、（５）は支持車輪、
（６）は旅行用大型トランク、である。背枠（２）は荷
台（１）に固定されているのが普通であるが、折り畳み
可能に構成してあつてもよい。荷台（１）の前端（７）
外側には運搬車輪（４）がその回転軸を水平にして軸着
されており、両車輪（４）は同一の半径（ｒ）を有し、
夫々独立に回転する。

【００１１】荷台（１）の下面には支持車輪（５）が固
定されている。支持車輪（５）は、図３に示したよう
に、運搬車輪（４）近い位置に夫々１個宛を配置し、荷
台（１）後端（１４）の中央下面に１個、合計３個を配
置する。

【００１２】支持車輪（５）が、１方向のみに回転可能
な車輪を有する普通のカスター（８）であるときは、そ
の軸芯（９）を運搬車輪（４）の軸芯（１０）と夫々直
交させて、荷台（１）の下面に固定する。支持車輪
（５）が、外力に順応して自動的に回転方向を変えるこ
とができる構造のカスター、即ち、偏芯カスター（１
２）、又はボール・カスター（１３）、を使用するとき
には、軸芯線を平行に揃える配慮は不要である。

【００１３】次に、運搬車輪（４）の大きさは、支持車
輪（５）を取り付けた荷台（１）を水平に地表（１１）
に置いたときに、運搬車輪（４）の外周が地表（１１）
から必ず離れるように、運搬車輪（４）の大きさを定め
る。即ち、運搬車輪（４）の軸芯（１０）の地表（１
１）からの高さを Ｈ、運搬車輪（４）の半径を ｒ
とすると、 ｒ ＜ Ｈ と定める。この関係は、支持車輪（５）が１方向のみに
回転可能な車輪を有する普通のカスター（８）であつて
も、偏芯カスター（１２）であつても、ボール・カスタ
ー（１３）であつても、いずれの場合でも変わらない。

【００１４】背枠（２）は荷台（１）から直角に立ち上
がつて、荷台（１）に固定されており、引き出しハンド
ル（３）が背枠（２）に出没自在に装着されている。

【００１５】なお、荷台（１）下面における支持車輪
（５）の配列は、図３に示したように、台座（１）の両
側の前端（７）に近い位置に夫々１個と、台座（１）の
後端（１４）の中央に１個とを、三角形に配列するのが
最も実用的であるが、荷台（１）の４隅に夫々１個、合
計４個を配列してもよい。また、荷台（１）の後端（１
４）に取り付ける支持車輪（５）の代わりに、支持車輪
（５）の高さと等しい（または、僅かに短い）長さの支
持棒（図示せず）を取り付けても良い。ただしこの場
合、運搬車を横方向に動かすには、背枠（２）を少しく
前に傾けて、支持棒を地表（１１）から必ず離さなけれ
ばならない、と言う不便が生じる。

【００１６】

【発明の効果】本発明の車輪付軽運搬車は、上記のよう
な構成であり、次のように使用する。まず、荷台（１）
を水平に地上に置き、荷台（１）上に旅行用大型トラン
ク（１６）を載せ、トランク（１６）を荷台（１）と背
枠（２）とに固く縛着する。つぎに、運搬車を前に動か
すには、背枠（２）より引き出しハンドル（３）を引き
出し、ハンドル（３）を前に傾けると、まず運搬車輪
（４）が地表（１１）に着き、更に傾けると、支持車輪
（５）が地表（１１）から離れて、図２に示したよう
に、運搬車輪（４）だけでトランク（６）の重さを支え
た状態になる。この状態でハンドル（３）を持つて前進
すれば、運搬車輪（４）が回転して、極めて軽くトラン
ク（６）を運搬することができる。両側の運搬車輪
（４）は夫々独立に回転するので、運搬の方向を変える
ことも極めて容易である。

【００１７】次に、この運搬車を引いて駅の改札口を通
る場合、トランク（６）の幅が広すぎて改札口につかえ
て通れない場合には、その場で荷台（１）を９０度回転
させてハンドル（３）から手を離すと、トランク（６）
の重さで荷台（１）が水平になり、運搬車輪（４）が地
表（１１）から離れるので、そのままトランク（６）を
押せば、荷台（１）は支持車輪（５）に乗つて横方向に
軽く運動することができるので、幅の広いトランク
（６）を縛着したままで、狭い改札口を容易に通過する
ことができる、という特徴がある。。この特徴は、自動
改札口を通る場合に特に有効に発揮できる。

【００１８】荷台（１）に偏心カスター（１２）を取り
付けた場合も、同じくボール・カスター（１３）を取り
付けた場合も、いずれの場合にも上と同様の作用効果が
あるので、同様の特徴を発揮できる。

【００１９】

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の車輪付軽運搬車の側面図

【図２】 同じく、使用状態を示す側面図

【図３】 車輪の配列を説明するための、荷台の平面図

【図４】 偏芯カスターの斜視図

【図５】 ボール・カスターの斜視図

【図６】 運搬車の使用状態を説明するための斜視図

【図７】 普通カスターの斜視図である。

【００２０】

【符号の説明】 １・・・・・・・・・・荷台 ２・・・・・・・・・・背枠 ３・・・・・・・・・・引きだしハンドル ４・・・・・・・・・・運搬車輪 ５・・・・・・・・・・支持車輪 ６・・・・・・・・・・トランク ７・・・・・・・・・・荷台の前端 ８・・・・・・・・・・普通のカスター ９・・・・・・・・・・普通のカスターの軸芯 １０・・・・・・・・・・運搬車輪の軸芯 １１・・・・・・・・・・地表 １２・・・・・・・・・・偏芯カスター １３・・・・・・・・・・ボール・カスター １４・・・・・・・・・・荷台の後端 １５・・・・・・・・・・鋼球

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】人力により荷物を運搬するための、車輪付
   軽運搬車において、 荷台（１）の前端（７）の両外側に軸着した大径の運搬
   車輪（４）と、荷台（１）の下面に固定した複数の小径
   の支持車輪（５）とを備えたこと、 運搬車輪（４）の半径（ｒ）を、荷台（１）を水平にし
   て軽運搬車を地表（１１）に置いたとき、運搬車輪
   （４）の軸芯（１０）の地表（１１）からの高さ
   （Ｈ）、より小としたこと、 即ち ｒ ＜ Ｈ とし
   たこと、 荷台（１）前端（７）より直立した背枠（２）と、該背
   枠（２）より引き出し可能なハンドル（３）と、を備え
   たこと、 を特徴とする、車輪付軽運搬車。
2. 【請求項２】複数の支持車輪（５）は、軸芯（９）が固
   定された普通のカスター（８）の車輪であり、その車輪
   の軸芯（９）を運搬車輪（４）の軸芯（１０）と夫々直
   交させて、カスター（８）を荷台（１）下面に固定し
   た、 請求項１記載の、車輪付軽運搬車。
3. 【請求項３】支持車輪（５）が、偏芯カスター（１２）
   の車輪である、 請求項１記載の、車輪付軽運搬車。
4. 【請求項４】支持車輪（５）が、ボール・カスター（１
   ３）の鋼球である、 請求項１記載の、車輪付軽運搬車。