JP2002326504A - 手押し車のキャスタ構造および手押し車 - Google Patents

手押し車のキャスタ構造および手押し車

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JP2002326504A
JP2002326504A JP2001136285A JP2001136285A JP2002326504A JP 2002326504 A JP2002326504 A JP 2002326504A JP 2001136285 A JP2001136285 A JP 2001136285A JP 2001136285 A JP2001136285 A JP 2001136285A JP 2002326504 A JP2002326504 A JP 2002326504A
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JP
Japan
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turning
frame
stroller
caster
engaging
Prior art date
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Application number
JP2001136285A
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English (en)
Inventor
Tetsuji Sato
哲二 佐藤
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Car Mate Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Car Mate Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ベビーカーを折りたたむ際自動的に、キャスタ
を旋回方向所定位置に固定することができるベビーカー
のキャスタ構造およびベビーカーの提供を目的とする。 【解決手段】ベビーカーの前輪フレーム22に旋回シャ
フト24を固定し、この旋回シャフト24と同軸状に旋
回フレーム32を配置し、この旋回フレーム32に車輪
38を取り付けて、ベビーカーの使用時には前輪キャス
タ20を自由旋回可能とする一方で、旋回フレーム32
をその自重により旋回シャフト24に沿って下降可能と
し、旋回フレーム32を旋回方向所定位置に案内した上
で固定する係止機構30を旋回シャフト24および旋回
フレーム32の下部に形成して、ベビーカーの折りたた
み時には前輪キャスタ20を旋回方向所定位置に固定可
能とした構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、手押し車のキャス
タ構造および手押し車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図11に示すようなベビーカー100
は、一般に折りたたみ可能に形成されている。折りたた
み可能とすることにより、収納時に場所をとらないとい
うメリットがある。また、ベビーカーが通行できない階
段等を通行する場合には、ベビーカーを折りたたむこと
によりこれを容易に運搬できるというメリットがある。
【0003】一般にベビーカーは、使用状態から2段階
に折りたたまれる。図12にベビーカーの折りたたみ方
法の説明図を示すが、構造をわかりやすくするためクッ
ション部材の記載は省略している。同図(1)は使用状
態における側面図である。
【0004】第1段階では図12(2)のように前後方
向に折りたたむ。ベビーカーは使用中に折りたたまれる
ことがないように、使用状態でのロック機構がA部に形
成されている。そこで、まずグリップ部2に設けられた
ロック解除ボタン3(図12(3)参照)を押し込んで
ロックを解除する。次に、ベビーカー全体が後退しない
ように後輪10の後部を足で支えながら、グリップ部2
を片手で把持して後方に倒すことにより、ベビーカーを
前後方向に折りたたむ。このように、前後方向には片手
のみで折りたたむことができる。
【0005】第2段階では図12(3)のように左右方
向に折りたたむ。なお、図12(3)は正面図である。
具体的には、グリップ部2の両端部2aを両手で把持し
て、ベビーカーの左右方向両端部を矢印2bのように前
側に折りたたむ(図11参照)。これにより、ベビーカ
ーは上から見てコ字状に折りたたまれ、狭い収納スペー
スにも収納することができるようになる。また、折りた
たまれる両端部にはそれぞれフック4aおよび係合穴4
bが取り付けられていて、これらが係合することにより
左右方向に折りたたんだ状態でロックされる。これによ
り、運搬中にベビーカーが開くことがなくなり、安全に
ベビーカーを運搬することができる。
【0006】一方、再びベビーカーを開いて図12
(1)のような使用状態にする場合には、まずフック4
aと係合穴4bとの係合を解除し、グリップ部2の両端
部2aを両手で把持して、ベビーカーの左右方向両端部
を開く。次に、グリップ部2を片手で把持して持ち上げ
ることにより、ベビーカーを前後方向に開いて使用状態
にする。なお使用状態になると同時に、A部のロック機
構において自動的にロックされる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般にベビーカーの前
輪20には、水平旋回可能な双輪キャスタが採用されて
いる。そして図12(2)のようにベビーカーを前後方
向に折りたたむ場合には、双輪キャスタの2つの車輪が
後輪フレーム12を挟み込む形で、前輪キャスタ20を
後輪10の上方に折りたたむ必要がある。これは図12
(3)のようにベビーカーを左右方向に折りたたむ際
に、前輪キャスタ20どうしが干渉するのを防止するた
めである。
【0008】そのため従来は、ベビーカーを折りたたむ
前に、前輪キャスタ20の旋回をロックする必要があっ
た。図13に従来の旋回ロック機構の説明図を示す。図
13では前輪ベース123に形成された旋回シャフト1
24に対して、旋回フレーム132が旋回可能に形成さ
れている。そして前輪ベース123に取り付けられたレ
バー125を押し下げて、旋回フレームに形成された突
起133に係合させることにより、前輪キャスタ20の
旋回をロックする。
【0009】このように旋回ロック機構130は前輪に
形成されているので、腰をかがめるなどしてロックする
必要があった。この作業は思いのほか労力を要するもの
であり、特にベビーカーが通行できない階段等において
ベビーカーを運搬するために、ベビーカーに乗っていた
幼児を抱き上げた状態でこの作業を行うのは、大変な労
力を要するという問題があった。本発明は上記問題点に
着目し、手押し車を折りたたむ際自動的に、キャスタを
旋回方向所定位置に固定可能な手押し車のキャスタ構造
の提供を目的とする。
【0010】一方、ベビーカーが通行できない階段等に
おいてベビーカーを運搬する場合には、安全かつ容易に
運搬するためベビーカーを折りたたんだ状態で固定する
必要がある。そしてベビーカーをロックするためには、
両手を使って左右方向に折りたたむ必要がある。しか
し、ベビーカーに乗っていた幼児を抱き上げた状態でこ
の作業を行うことになり、幼児を支えるため少なくとも
片手は使用している場合が多く、左右方向の折りたたみ
作業まで行うのは困難であるという問題があった。本発
明は上記問題点に着目し、片手で折りたたんだ上で、安
全かつ容易に運搬することができる手押し車の提供を目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る手押し車のキャスタ構造は、折りたた
み可能な手押し車のキャスタ構造であって、前記手押し
車の使用時には前記キャスタを自由旋回可能とする一方
で、前記手押し車の折りたたみ時にはキャスタを旋回方
向所定位置に固定可能とする係止機構を設けた構成とし
た。
【0012】また、折りたたみ可能な手押し車のキャス
タ構造であって、前記手押し車の前輪フレームに旋回シ
ャフトを固定し、この旋回シャフトと同軸状に旋回フレ
ームを配置し、この旋回フレームに車輪を取り付けてキ
ャスタを形成することにより、前記手押し車の使用時に
はキャスタを自由旋回可能とする一方で、前記旋回フレ
ームをその自重により前記旋回シャフトに沿って下降可
能とし、前記旋回シャフトの下部には係合部材を固定
し、前記旋回フレームを旋回方向所定位置に案内した上
で固定する係止機構を前記旋回フレームおよび前記係合
部材に形成することにより、前記手押し車の折りたたみ
時には前記キャスタを旋回方向所定位置に固定可能とし
た構成とした。
【0013】また、折りたたみ可能な手押し車のキャス
タ構造であって、前記手押し車の前輪フレームに旋回シ
ャフトを固定し、この旋回シャフトと同軸状に旋回フレ
ームを配置し、この旋回フレームに車輪を取り付けてキ
ャスタを形成することにより、前記手押し車の使用時に
は前記キャスタを旋回可能とする一方で、前記旋回シャ
フトに沿って上下移動可能とした係合部材を前記旋回フ
レームの下方に配置し、前記係合部材を上方に付勢する
弾性体を前記旋回シャフトに設け、前記旋回フレームを
旋回方向所定位置に案内した上で固定する係止機構を前
記旋回フレームおよび前記係合部材に形成することによ
り、前記手押し車の折りたたみ時には前記キャスタを旋
回方向所定位置に固定可能とした構成とした。
【0014】なお前記係止機構は、前記係合部材の上端
面または前記旋回フレームの下端面のいずれか一方に形
成した係合凸部と、いずれか他方に形成されて前記係合
凸部と係合することにより前記旋回フレームを旋回方向
所定位置に固定する係合凹部と、この係合凹部を設けた
前記旋回シャフトまたは旋回フレームに形成されて前記
係合凸部が摺接することにより前記旋回フレームを前記
旋回方向所定位置に案内する誘導部分とを有する構成と
するのが好ましい。
【0015】また前記係止機構は、前記係合部材として
前記旋回シャフトの下部において軸直角方向に突出する
突起と、前記旋回フレームに形成されて前記突起と係合
することにより前記旋回フレームを旋回方向所定位置に
固定する係合凹部と、前記旋回フレームに形成されて前
記突起が摺接することにより前記旋回フレームを前記旋
回方向所定位置に案内する誘導部分とを有する構成とし
てもよい。なお前記旋回シャフトには、前記旋回フレー
ムを下方に付勢する伸縮自在な弾性体が設けてある構成
とするのが好ましい。
【0016】一方、本発明に係る手押し車は、ハンドル
フレームに沿って下方に付勢されたロックブロックをロ
ックリンクに係合させて手押し車の使用状態を保持可能
とする一方で、前記係合を解除して使用状態から前後方
向に折りたたみ可能とした手押し車であって、前記ロッ
クブロックの側面下端部において軸直角方向に突出する
係合凸部を形成し、前記ロックリンクには、前記手押し
車の前後方向折りたたみ状態にかけて前記前記係合凸部
を上方に変位させるリフト部と、前記手押し車の前後方
向折りたたみ状態において前記係合凸部を係合させる係
合凹部とを形成して、前後方向折りたたみ状態を保持可
能とした構成とした。
【0017】一方、本発明に係る他の手押し車は、左右
フレーム間の連結部材における左右両端部材をそれぞれ
中央部材とヒンジ結合することにより、前後方向折りた
たみ状態から左右方向に折りたたみ可能とした手押し車
であって、前後方向に折りたたんだ状態から左右方向折
りたたみへの移行を防止するロック機構を設けることに
より、前後方向に折りたたんだ状態を保持可能とした構
成とした。
【0018】また前記ロック機構は、前記端部材の折り
たたみ開始位置において前記端部材または前記中央部材
のいずれか一方に形成した凸部を他方に形成した凹部と
係合させてなる構成とした。
【0019】また前記ロック機構は、前記端部材に弾性
体の一端を接続するとともに、前記端部材の折りたたみ
開始位置における前記弾性体の一端の接続点と前記ヒン
ジ結合点とを結んだ線に対し前記端部材の回動方向の反
対側において前記弾性体の他端を前記中央部材に接続し
てなる構成とした。
【0020】なお前記弾性体の他端は、前記端部材の折
りたたみ開始位置における前記弾性体の一端の接続点と
前記ヒンジ結合点とを結んだ線に対し前記端部材の回動
方向の反対側であって、なおかつ前記端部材の折りたた
み終了位置における前記弾性体の一端の接続点と前記ヒ
ンジ結合点とを結んだ線に対し前記端部材の回動方向の
反対側において、前記中央部材に接続した構成とするの
が好ましい。
【0021】
【作用】本発明に係る手押し車のキャスタ構造は、折り
たたみ可能な手押し車のキャスタ構造であって、前記手
押し車の使用時にはキャスタを自由旋回可能とする一方
で、前記手押し車の折りたたみ時には前記キャスタを旋
回方向所定位置に固定可能とする係止機構を設けた構成
とした。これにより、手押し車使用時にはその進路を簡
単に変更することができる一方で、手押し車を折りたた
む際自動的に、キャスタを旋回方向所定位置に固定する
ことができる。
【0022】また、折りたたみ可能な手押し車のキャス
タ構造であって、前記手押し車の前輪フレームに旋回シ
ャフトを固定し、この旋回シャフトと同軸状に旋回フレ
ームを配置し、この旋回フレームに車輪を取り付けてキ
ャスタを形成することにより、前記手押し車の使用時に
はキャスタを自由旋回可能とする一方で、前記旋回フレ
ームをその自重により前記旋回シャフトに沿って下降可
能とし、前記旋回シャフトの下部には係合部材を固定
し、前記旋回フレームを旋回方向所定位置に案内した上
で固定する係止機構を前記旋回フレームおよび前記係合
部材に形成することにより、前記手押し車の折りたたみ
時には前記キャスタを旋回方向所定位置に固定可能とし
た構成とした。
【0023】これにより、手押し車使用時にはその進路
を簡単に変更することができる。一方、手押し車折りた
たみ時にキャスタが地表面から離れると、旋回フレーム
がその自重により旋回シャフトに対し相対的に下降す
る。さらに旋回フレームは、係止機構によって旋回方向
所定位置に誘導され固定される。従って、手押し車を折
りたたむ際自動的に、キャスタを旋回方向所定位置に固
定することができる。また、上記効果を最小限の部品点
数により実現することができるので、製造コストを低減
することができる。
【0024】また、折りたたみ可能な手押し車のキャス
タ構造であって、前記手押し車の前輪フレームに旋回シ
ャフトを固定し、この旋回シャフトと同軸状に旋回フレ
ームを配置し、この旋回フレームに車輪を取り付けてキ
ャスタを形成することにより、前記手押し車の使用時に
は前記キャスタを旋回可能とする一方で、前記旋回シャ
フトに沿って上下移動可能とした係合部材を前記旋回フ
レームの下方に配置し、前記係合部材を上方に付勢する
弾性体を前記旋回シャフトに設け、前記旋回フレームを
旋回方向所定位置に案内した上で固定する係止機構を前
記旋回フレームおよび前記係合部材に形成することによ
り、前記手押し車の折りたたみ時には前記キャスタを旋
回方向所定位置に固定可能とした構成とした。
【0025】なお前記係止機構は、前記係合部材の上端
面または前記旋回フレームの下端面のいずれか一方に形
成した係合凸部と、いずれか他方に形成されて前記係合
凸部と係合することにより前記旋回フレームを旋回方向
所定位置に固定する係合凹部と、この係合凹部を設けた
前記旋回シャフトまたは旋回フレームに形成されて前記
係合凸部が摺接することにより前記旋回フレームを前記
旋回方向所定位置に案内する誘導部分とを有する構成と
するのが好ましい。これにより、手押し車折りたたみ時
に旋回フレームが下降すると、誘導部分に当接した係合
凸部は、誘導部分の表面に沿って係合凹部に案内され、
係合凹部と係合する。従って、低コストで、キャスタを
旋回方向所定位置に固定することができる。
【0026】また前記係止機構は、前記係合部材として
前記旋回シャフトの下部において軸直角方向に突出する
突起と、前記旋回フレームに形成されて前記突起と係合
することにより前記旋回フレームを旋回方向所定位置に
固定する係合凹部と、前記旋回フレームに形成されて前
記突起が摺接することにより前記旋回フレームを前記旋
回方向所定位置に案内する誘導部分とを有する構成とし
てもよい。これにより、製造コストをさらに低減するこ
とができる。
【0027】なお前記旋回シャフトには、前記旋回フレ
ームを下方に付勢する伸縮自在な弾性体が設けてある構
成とするのが好ましい。これにより、確実にキャスタを
旋回方向所定位置に固定することができる。
【0028】一方、本発明に係る手押し車は、ハンドル
フレームに沿って下方に付勢されたロックブロックをロ
ックリンクに係合させて手押し車の使用状態を保持可能
とする一方で、前記係合を解除して使用状態から前後方
向に折りたたみ可能とした手押し車であって、前記ロッ
クブロックの側面下端部において軸直角方向に突出する
係合凸部を形成し、前記ロックリンクには、前記手押し
車の前後方向折りたたみ状態にかけて前記前記係合凸部
を上方に変位させるリフト部と、前記手押し車の前後方
向折りたたみ状態において前記係合凸部を係合させる係
合凹部とを形成して、前後方向折りたたみ状態を保持可
能とした構成とした。前後方向折りたたみ状態から使用
状態への復帰を防止するロック機構を形成して、前後方
向折りたたみ状態を保持することにより、手押し車を前
後方向に片手で折りたたんだ上で、安全に運搬すること
ができる。また使用状態におけるロック機構の大部分を
共用化することにより、上記ロック機構を低コストで形
成することができる。
【0029】一方、本発明に係る他の手押し車は、左右
フレーム間の連結部材における左右両端部材をそれぞれ
中央部材とヒンジ結合することにより、前後方向折りた
たみ状態から左右方向に折りたたみ可能とした手押し車
であって、前後方向に折りたたんだ状態から左右方向折
りたたみへの移行を防止するロック機構を設けることに
より、前後方向に折りたたんだ状態を保持可能とした構
成とした。これにより、手押し車を前後方向に片手で折
りたたんだ上で、容易に運搬することができる。
【0030】また前記ロック機構は、前記端部材の折り
たたみ開始位置において前記端部材または前記中央部材
のいずれか一方に形成した凸部を他方に形成した凹部と
係合させてなる構成とした。これにより、上記ロック機
構を低コストで形成することができる。
【0031】また前記ロック機構は、前記端部材に弾性
体の一端を接続するとともに、前記端部材の折りたたみ
開始位置における前記弾性体の一端の接続点と前記ヒン
ジ結合点とを結んだ線に対し前記端部材の回動方向の反
対側において前記弾性体の他端を前記中央部材に接続し
てなる構成とした。これにより、手押し車は常に左右方
向の折りたたみ開始位置に付勢され、衝撃力が作用した
場合でも前後方向に折りたたんだ状態を保持することが
できる。従って、手押し車を前後方向に片手で折りたた
んだ上で、容易に運搬することができる。
【0032】なお前記弾性体の他端は、前記端部材の折
りたたみ開始位置における前記弾性体の一端の接続点と
前記ヒンジ結合点とを結んだ線に対し前記端部材の回動
方向の反対側であって、なおかつ前記端部材の折りたた
み終了位置における前記弾性体の一端の接続点と前記ヒ
ンジ結合点とを結んだ線に対し前記端部材の回動方向の
反対側において、前記中央部材に接続した構成とするの
が好ましい。これにより、手押し車は左右方向の折りた
たみ開始位置だけでなく終了位置にも付勢され、左右方
向に折りたたんだ状態でのロック機構が不要となり、製
造コストを低減することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態につき、図面
を参照して詳細に説明する。なお以下に記載するのは本
発明の実施形態の一態様にすぎず、本発明はこれらに限
定されるものではない。
【0034】最初に、第1実施形態について説明する。
図1および図2に、第1実施形態に係るベビーカーのキ
ャスタ構造の説明図を示す。図1(1)はベビーカー使
用時の前輪キャスタの正面図であり、(2)はC−C線
における側面断面図である。図2(1)はベビーカー折
りたたみ時の前輪キャスタの正面図であり、(2)はD
−D線における側面断面図である。
【0035】第1実施形態に係るベビーカーのキャスタ
構造は、ベビーカーの前輪フレーム22に旋回シャフト
24を固定し、この旋回シャフト24と同軸状に旋回フ
レーム32を配置し、この旋回フレーム32に車輪38
を取り付けて前輪キャスタ20を形成することにより、
ベビーカーの使用時には前輪キャスタ20を自由旋回可
能とする一方で、旋回フレーム32をその自重により旋
回シャフト24に沿って下降可能とし、旋回シャフト2
4の下部には係合部材25を固定して、旋回フレーム3
2を旋回方向所定位置に案内した上で固定する係止機構
30を旋回フレーム32および前記係合部材25に形成
することにより、ベビーカーの折りたたみ時には前輪キ
ャスタ20を旋回方向所定位置に固定可能としたもので
ある。また係止機構30は、係合部材25の上端面25
aに係合凸部を形成し、旋回フレーム32の下端面32
aに係合凹部を形成するとともに、係合凸部が摺接する
ことにより旋回フレームを所定位置に案内する誘導部分
を形成したものである。さらに旋回シャフト24には、
旋回フレーム32を下方に付勢する伸縮自在な弾性体2
8を設けたものである。
【0036】ベビーカーの前輪フレーム22に旋回シャ
フト24を固定する。具体的には、前輪フレーム22の
先端に前輪ベース23を固定し、さらにその軸方向を垂
直方向に一致させて旋回シャフト24を固定する。旋回
シャフト24は金属パイプ等により形成し、その表面に
フッ素樹脂等の低摩擦材料をコーティングして、後述す
る旋回フレーム32との摩擦を低減するのが好ましい。
なお一般に、ベビーカーの前輪フレーム22は金属パイ
プで形成されているので、前輪フレームの先端に垂直部
分を形成し、これをそのまま旋回シャフト24として、
製造コストを低減してもよい。
【0037】この旋回シャフト24と同軸状に、旋回フ
レーム32を配置する。旋回フレーム32はプラスチッ
ク材料等により筒状に形成する。そして旋回シャフト2
4の表面を摺動可能とすることにより、前輪キャスタ2
0における旋回機構を形成する。また、旋回フレーム3
2には緩衝フレーム36をヒンジ結合する。旋回フレー
ム32の張り出し部分と緩衝フレーム36との間には、
ゴムやバネ等の緩衝部材35を配置し、前輪キャスタ2
0における緩衝機構を形成する。さらに緩衝フレーム3
6の先端には車軸37を回転可能に配置し、車軸の両端
には車輪38を取り付けて、双輪の前輪キャスタ20を
形成する。
【0038】一方、旋回フレーム32はその自重によ
り、旋回シャフト24に沿って下降可能とする。旋回フ
レーム32よりも長く旋回シャフト24を形成すること
により、旋回フレーム32は旋回シャフト24に沿って
下降可能となる。
【0039】さらに、旋回フレーム32を旋回方向所定
位置に固定する係止機構30を、旋回シャフト24およ
び旋回フレーム32の下部に形成する。まず旋回フレー
ム32の下部には、旋回フレームの中心軸に対する斜交
面で切断した形の下端面32aを形成する。この下端面
32aにおいて、下方に突出した部分が誘導部分とな
り、上方に窪んだ部分が係合凹部となる。一方旋回シャ
フト24の下部には、旋回フレーム32の下端面32a
と同形状の上端面25aを有する係合部材25を固定す
る。この上端面25aにおいて、上方に突出した部分が
係合凸部となる。なお、旋回シャフト24に沿って旋回
フレーム32を最上部まで移動させた場合に、旋回フレ
ームにおける下端面32aの最下点が、係合部材25に
おける上端面25aの最上点より上方に位置するよう
に、係止機構30を構成する各部の形状および旋回シャ
フト24の長さ等を決定する。これにより、ベビーカー
使用時に前輪キャスタ20が自由旋回可能となる。
【0040】ここで係合部材25を固定する旋回方向位
置は、その上端面25aの係合凸部が旋回フレーム32
の下端面32aの係合凹部と係合した場合に、旋回フレ
ームに取り付けた車輪38がベビーカーの進行方向に対
し平行となる所定位置とする。なお、旋回フレーム32
の下端面32aおよび係合部材25の上端面25aは、
上記のように中心軸に対する斜交面で切断した形に連続
的に形成されているので、旋回フレーム32がいかなる
姿勢で下降してきた場合でも、自動的に係合位置に誘導
されて固定される。
【0041】旋回シャフト24には、旋回フレーム32
を下方に付勢する、伸縮自在な弾性体28を設ける(図
2参照)。具体的には、前輪ベース23等の旋回シャフ
ト24側に、バネやゴム等の弾性体28を設ける。弾性
体28は、ベビーカー折りたたみ時には旋回フレーム3
2を下降させ、前輪キャスタ20を旋回方向所定位置に
固定可能とする。一方で、ベビーカー使用時には旋回フ
レーム32を係合位置から解放し前輪キャスタ20を自
由旋回可能とするように、弾性体28のバネ定数は低く
設定する。なお、ベビーカーの自重のみにより前輪キャ
スタ20を自由旋回可能とすべく、バネ定数を極めて低
く設定してもよいし、搭乗する幼児の体重と合わせて前
輪キャスタ20を自由旋回可能とすべく、バネ定数を若
干高く設定してもよい。また弾性体28として、変形量
とともにバネ定数が高くなる非線形特性を有するものを
使用すれば、弾性体を前輪キャスタ20の緩衝機構とし
て機能させることも可能となり、緩衝部材35および緩
衝フレーム36を廃止して製造コストを削減することが
できる。一方、弾性体28の下端は旋回フレーム32に
固定せず相互に摺動可能とすることにより、前輪キャス
タ20をより自由に旋回させることができる。
【0042】上記のように構成した第1実施形態に係る
ベビーカーのキャスタ構造は、以下の方法で使用する。
最初に、ベビーカーを図12(2)のように前後方向に
折りたたむ方法について説明する。ベビーカーは使用中
に折りたたまれることがないように、使用状態でのロッ
ク機構がA部に形成されているので、まずグリップ部2
に設けられたロック解除ボタン3(図12(3)参照)
を押し込んでロックを解除する。次に、ベビーカー全体
が後退しないように後輪10の後部を足で支えながら、
グリップ部2を後方に倒し込む。すると図2に示すよう
に、前輪キャスタ20が地表面から離れ、旋回フレーム
32は弾性体28により下方に付勢されて、旋回シャフ
ト24に対し相対的に下降する。さらに旋回フレーム3
2は、その下端面32aの先端部分が係合部材25の上
端面25aの表面を倣いつつ、旋回方向所定位置に誘導
されて固定される。これにより前輪キャスタの車輪38
は、ベビーカーの前後方向に平行な状態で固定される。
よって、前輪キャスタ20の2つの車輪が後輪フレーム
12を挟み込む形で、前輪キャスタ20を後輪10の上
方に折りたたむことができる。その後、図12(3)に
示すように左右方向に折りたたむ方法は、従来技術と同
様である。
【0043】一方、ベビーカーを再度使用する場合に
は、図12(1)のような状態に開いて前輪キャスタ2
0を接地させる。すると図1に示すように、ベビーカー
の自重により前輪フレーム22および旋回シャフト24
が下降し、旋回フレーム32が弾性体28を圧縮して相
対的に上昇する。そして旋回フレーム32は係合部材2
5から離脱し、旋回シャフト24に沿って最上部まで移
動する。ここで、旋回フレーム32を最上部まで移動さ
せた場合に、旋回フレーム下端面32aの最下点が係合
部材25上端面25aの最上点より上に位置するように
形成しているので、ベビーカー使用時に前輪キャスタ2
0が水平面内を自由旋回可能となる。
【0044】上記のように、ベビーカー使用時には前輪
キャスタを自由旋回可能とする一方で、折りたたみ時に
は前輪キャスタをその自重により下降させて旋回方向所
定位置に固定可能とする係止機構を形成したので、ベビ
ーカー使用時にはその進路を簡単に変更することができ
る一方で、ベビーカーを折りたたむ際自動的に、前輪キ
ャスタを旋回方向所定位置に固定することができる。従
って、腰をかがめるなどして前輪キャスタ20の旋回を
ロックする必要がなくなる。これにより、特にベビーカ
ーが通行できない階段等において、ベビーカーを運搬す
る場合に、ベビーカーに乗っていた幼児を抱き上げた状
態でも、簡単にベビーカーを折りたたむことができる。
よって、幼児を持つ父母の肉体的負担を軽減することが
できる。
【0045】また、特に第1実施形態に係るベビーカー
のキャスタ構造では、ベビーカーの前輪フレーム22に
旋回シャフト24を固定し、この旋回シャフト24と同
軸状に旋回フレーム32を配置し、この旋回フレーム3
2に車輪38を取り付けて、ベビーカー使用時に前輪キ
ャスタ20を自由旋回可能としたので、従来技術に係る
ベビーカーのキャスタ構造と同様に、ベビーカーの進路
を簡単に変更することができる。加えて、旋回フレーム
32を旋回シャフト24の軸方向に移動可能とし、旋回
フレーム32を旋回方向所定位置に誘導した上で固定す
る係止機構30を旋回シャフト24および旋回フレーム
32の下端部に形成して、ベビーカーの折りたたみ時に
は前輪キャスタを旋回方向所定位置に固定可能としたの
で、ベビーカーを折りたたむ際に前輪キャスタ20が地
表面から離れると、旋回フレーム32が旋回シャフト2
4に対し相対的に下降する。さらに旋回フレーム32
は、係止機構30によって旋回方向所定位置に誘導され
固定される。従って、ベビーカーを折りたたむ際自動的
に、前輪キャスタ20を旋回方向所定位置に固定するこ
とができる。また、上記効果を最小限の部品点数により
実現することができるので、製造コストを低減すること
ができる。
【0046】また係止機構30は、旋回シャフト24の
下部に設けた係合部材25の上端面25aまたは旋回フ
レーム32の下端面32aのいずれか一方に形成した係
合凸部と、いずれか他方に形成されて係合凸部と係合す
ることにより旋回フレーム32を旋回方向所定位置に固
定する係合凹部と、この係合凹部を設けた旋回シャフト
24または旋回フレーム32に形成されて前記係合凸部
が摺接することにより旋回フレーム32を旋回方向所定
位置に案内する誘導部分とを有する構成とした。これに
より、低コストで、前輪キャスタ20を旋回方向所定位
置に固定することができる。
【0047】また旋回シャフト24には、旋回フレーム
32を下方に付勢する伸縮自在な弾性体28が設けてあ
る構成とした。これにより、確実に前輪キャスタ20を
旋回方向所定位置に固定することができる。なお弾性体
28を使用しなくても、前輪キャスタ20の自重により
これを下降させて、旋回方向所定位置に誘導し固定する
ことができる。この場合には、弾性体28を使用しない
分だけ製造コストを低減することができる。
【0048】なお第1実施形態のキャスタ構造は、シル
バーカー、ショッピングカートおよび車椅子等のあらゆ
る手押し車に適用することができる。もっとも手押し車
の中でも、ベビーカーに適用する場合が特に有効であ
る。ベビーカーは、ベビーカーが通行できない階段等で
これを運搬するため、幼児等を抱えた状態においてこれ
を折りたたむ場合が特に多く、折りたたみ作業の労力低
減が重要な問題となるからである。従って、第1実施形
態のキャスタ構造はベビーカーに適用する場合が最も有
効であり、これは第2および第4実施形態においても同
様である。
【0049】次に、第2実施形態に係るベビーカーのキ
ャスタ構造について説明する。図3に第2実施形態に係
るベビーカーのキャスタ構造の説明図を示す。同図
(1)はベビーカー使用時の前輪キャスタの正面図であ
り、(2)はE−E線における側面断面図である。また
同図(3)はベビーカー折りたたみ時の前輪キャスタの
正面図であり、(4)はF−F線における側面断面図で
ある。第2実施形態に係るベビーカーのキャスタ構造
は、第1実施形態に係るキャスタ構造の係止機構30に
代えて、係合部材として旋回シャフト44の下部におい
て軸直角方向に突出するピン45と、旋回フレーム52
に形成されて上記ピン45と係合することにより旋回フ
レーム52を旋回方向所定位置に固定する係合凹部と、
旋回フレーム52に形成されて上記ピン45が摺接する
ことにより旋回フレーム52を旋回方向所定位置に案内
する誘導部分とを有する、係止機構50を採用したもの
である。
【0050】図3の係止機構50では、まず旋回フレー
ム52の下端面52aには、周方向に沿って2個の山部
および2個の谷部を交互に形成している。この下端面5
2aでは、谷部が係合凹部であり、山部が誘導部分であ
る。一方係合部材として、旋回シャフト44の下部に
は、その直径方向両端部に突起としてピン45を突出さ
せて、係合凸部としている。この場合、旋回シャフト4
4の軸直角方向に貫通孔を形成し、これにピン45を圧
入して形成すればよい。なお、旋回シャフト44に沿っ
て旋回フレーム52を最上部まで移動させた場合に、旋
回フレーム下端面52aの山部の最下点が、ピン45よ
り上に位置するようにする。これによりベビーカー使用
時に、前輪キャスタ20が自由旋回可能となる。
【0051】そして旋回フレーム下端面52aの谷部が
ピン25と係合することにより、旋回フレームに接続し
た車輪38がベビーカーの進行方向に対し平行となるよ
うな旋回方向所定位置に固定される。なお理論的には1
80度旋回した位置にも固定され得るが、現実にベビー
カーを折りたたむ際には前輪キャスタ20の自重によ
り、ほとんど全ての場合に図3(4)の位置に固定され
る。また、旋回フレーム下端面52aの山部と谷部とを
滑らかに連続的に形成しているので、旋回フレーム52
がいかなる姿勢で下降してきた場合でも、自動的に係合
位置に誘導されて固定される。
【0052】上記のように構成した第2実施形態に係る
ベビーカーのキャスタ構造でも、第1実施形態と同様の
効果を得ることができる。加えて第2実施形態では、旋
回シャフト下部の係合凸部をピンで構成しているので、
製造コストをさらに低減することができる。
【0053】次に、第3実施形態について説明する。図
4に第3実施形態に係るベビーカーのキャスタ構造の説
明図を示す。図4(1)はベビーカー使用時および折り
たたみ時の前輪キャスタの正面図であり、(2)はH−
H線における側面断面図である。
【0054】第3実施形態に係るベビーカーのキャスタ
構造は、ベビーカーの前輪フレーム222に旋回シャフ
ト224を固定し、この旋回シャフト224と同軸状に
旋回フレーム232を配置し、この旋回フレーム232
に車輪238を取り付けて前輪キャスタ220を形成す
ることにより、ベビーカーの使用時に前輪キャスタ22
0を旋回可能とする一方で、旋回シャフト224に沿っ
て上下移動可能とした係合部材225を旋回フレーム2
32の下方に配置し、係合部材225を上方に付勢する
弾性体228を旋回シャフト224に設けて、旋回フレ
ーム232を旋回方向所定位置に案内した上で固定する
係止機構230を旋回フレーム232および係合部材2
25に形成することにより、ベビーカーの折りたたみ時
には前輪キャスタ220を旋回方向所定位置に固定可能
としたものである。なお、係止機構230の具体的な構
造は、第1実施形態と同様である。その他、第1実施形
態と同様の構成となる部分については、説明を省略す
る。
【0055】ベビーカーの前輪フレーム222に旋回シ
ャフト224を固定し、旋回シャフト224と同軸状に
旋回フレーム232を配置する。旋回フレーム232の
内部では、車軸237との間にゴムやバネ等の緩衝部材
235を配置し、前輪キャスタ220における緩衝機構
を形成する。さらに車軸237の両端には車輪238を
取り付けて、双輪の前輪キャスタ220を形成する。な
お、旋回シャフト224は旋回フレーム232より長く
形成するが、旋回フレーム232は必ずしも旋回シャフ
ト224に沿って下降可能とする必要はない。
【0056】一方、旋回フレーム232を旋回方向所定
位置に固定する係止機構230を形成する。まず、旋回
シャフト224に沿って上下移動可能としたリング状の
係合部材225を、旋回フレーム232の下方に配置す
る。なお、係合部材225の内周面には軸方向に伸びる
キー状突起を形成し、旋回シャフト224の外周面には
キー溝を形成して、両者を係合させることにより係合部
材225を旋回方向に固定する。係合部材225の上部
には、旋回フレームの中心軸に対する斜交面で切断した
形の上端面を形成する。一方、旋回フレーム232の下
部には係合部材225の上端面と同形状の下端面を形成
する。これら係合部材225の上端面および旋回フレー
ム232の下端面が、係止機構230を構成する。
【0057】さらに、係合部材225を上方に付勢する
弾性体228を旋回シャフト224に設ける。弾性体2
28は、ベビーカー使用時において前輪キャスタ220
に若干の横力が作用した程度では、係止機構230にお
ける係合部材225と旋回フレーム232との係合が解
消されない程度に、そのバネ定数を決定する。
【0058】上記のように構成した第1実施形態に係る
ベビーカーのキャスタ構造は、以下の方法で使用する。
ベビーカーを図12(2)のように前後方向に折りたた
む場合、弾性体228が係合部材225を上方に付勢
し、これにより係合部材225の上端面が旋回フレーム
232の下端面と係合する。従って前輪キャスタの車輪
38は、ベビーカーの前後方向に平行な状態で固定され
る。よって、前輪キャスタ20の2つの車輪が後輪フレ
ーム12を挟み込む形で、前輪キャスタ20を後輪10
の上方に折りたたむことができる。その後図12(3)
に示すように左右方向に折りたたむ方法は、従来技術と
同様である。
【0059】一方、ベビーカー使用時にも、弾性体22
8が係合部材225を上方に付勢し、これにより係合部
材225の上端面が旋回フレーム232の下端面と係合
する。従って前輪キャスタの車輪238は、ベビーカー
の前後方向に平行な状態で固定され、若干の横力が作用
してもその位置を保持する。もっともベビーカーの進路
を変更しようとする場合には、前輪キャスタ220に強
い横力が作用するので、旋回フレーム232は係合部材
225を押し下げて旋回する。従って前輪キャスタの車
輪238は、ベビーカーの進行方向に向けてその位置を
変更することができる。
【0060】このように、第3実施形態に係るベビーカ
ーのキャスタ構造では、ベビーカー使用時における直進
安定性を確保することができる。一般にベビーカーは、
自由旋回可能な前輪キャスタを有するため、歩道におけ
る車の乗り入れ部分や車道の路肩等、進行方向の左右側
に傾斜する斜面を横行する場合には、まっすぐに押して
もベビーカーが傾斜方向に進路を変えてしまう、いわゆ
る片流れ現象が発生する。また、一方の手に荷物を持ち
他方の手でベビーカーの左右片側を押す場合にも、同様
に片流れ現象が発生する。しかし第3実施形態に係るベ
ビーカーのキャスタ構造では、ベビーカー使用時にも通
常は前輪キャスタが旋回方向所定位置に固定されている
ので、直進安定性を確保して片流れ現象を防止すること
ができる。加えて、ベビーカーの進路を変更しようとす
る場合には、前輪キャスタの旋回方向位置を変更するこ
とができるので、進路変更の容易性も維持することがで
きる。
【0061】次に、第4実施形態について説明する。図
5に第4実施形態に係るベビーカーの部分拡大図を示
す。同図(1)は図12におけるA部の拡大図であり、
(2)は図12におけるB部の拡大図である。
【0062】第4実施形態に係るベビーカーは、ロック
ブロック6の側面下端部において軸直角方向に突出する
係合凸部8を形成し、ロックリンク16には、ベビーカ
ーの前後方向折りたたみ状態にかけて係合凸部を上方に
変位させるリフト部18aと、ベビーカーの前後方向折
りたたみ状態において係合凸部8を係合させる係合凹部
18とを形成したものである。
【0063】図12(1)に示すように、ベビーカーは
一般に、ハンドルフレーム5、アームレスト14、前輪
フレーム22および水平フレーム15により、第1の4
リンク機構を形成している。また、ハンドルフレーム
5、アームレスト14、後輪フレーム12およびロック
リンク16により、第2の4リンク機構を形成してい
る。これら2個の4リンク機構でベビーカー全体が構成
されるため、ベビーカー全体が前後方向に折りたたみ可
能となる。一方、上記2個の4リンク機構の間ではハン
ドルフレーム5およびアームレスト14が共通構成要素
であるため、いずれか2つの構成要素間を固定すること
により、2個の3リンク機構となってベビーカー全体の
状態を保持することができる。よって、ハンドルフレー
ム5の下端部にロックブロック6を形成し、これとロッ
クリンク16とを係合させることにより、ベビーカー全
体の状態を保持することができる。
【0064】図5(1)に示すように、ロックブロック
6はプラスチック材料等により筒状に形成し、ハンドル
フレーム5と同軸状に配置する。また、バネやゴム等の
弾性体により下方に付勢しておき、ロック解除ボタン3
(図12(3)参照)に連動して上方に移動可能とす
る。そしてロックリンク16と係合させるため、ロック
ブロック6の側面下端部には係合段部7を形成するとと
もに、その下段中央部分を軸直角方向に突出させ係合凸
部8を形成する。一方、ロックリンク16はプラスチッ
ク材料や金属材料等によりブーメラン状に形成し、その
一方端部16aにおいて後輪フレーム12とピン結合す
るとともに、他方端部16bにおいてハンドルフレーム
5および水平フレーム15とピン結合する。端部16b
側の最先端部には、ロックブロック6の係合段部7と係
合する係合段部17を形成する。またロックリンク16
の中央部には、ロックブロック6の係合凸部8と係合す
る係合凹部18を形成するとともに、係合前にロックブ
ロック6を上方に変位させるリフト部18aを係合凹部
18に隣接して形成する。
【0065】上記のように構成した第4実施形態に係る
ベビーカーは、以下の方法で使用する。ベビーカーは使
用中に折りたたまれることがないように、図12(1)
の状態でロックされている。すなわち図5(1)に示す
ように、ロックブロック6に形成した係合段部7がロッ
クリンク16に形成した係合段部17と係合することに
より、ハンドルフレーム5とロックリンク16とが相互
に固定され、ベビーカー全体が使用状態において保持さ
れている。
【0066】ベビーカーを前後方向に折りたたむ場合に
は、まず上記ロックを解除する必要がある。グリップ部
2に設けられたロック解除ボタン3(図2(3)参照)
を押し込むと、これに連動してロックブロック6が上方
に移動し、ロックリンク16との係合から解放されて、
使用状態におけるロックが解除される。そして第1実施
形態に述べた方法に従って、図12(2)のようにベビ
ーカーを前後方向に折りたたむ。折りたたみの過程で
は、図5(2)に示すようにロックブロック6の凸部8
がロックリンクのリフト部18aに沿って上方に持ち上
げられる。ここでロックブロック6は下方に付勢されて
いるので、最終位置まで折りたたむと自動的に凸部8が
凹部18に係合する。これにより自動的にロックされ、
前後方向に折りたたんだ状態から使用状態への復帰が阻
止される。
【0067】一方、再びベビーカーを開いて使用状態に
する場合には、ロック解除ボタン3を押し込んで、使用
状態への復帰を阻止するためのロックを解除する。そし
てベビーカーを図12(1)のように開けば、使用状態
において自動的にロックされ保持される。
【0068】上記のように、前後方向に折りたたんだ状
態から使用状態への復帰を防止することにより、ベビー
カーを前後方向に片手で折りたたんだ上で、安全に運搬
することができる。この点、ベビーカーが通行できない
階段等でベビーカーを運搬する場合には、ベビーカーが
開いてしまうと周囲に危険がおよぶおそれがあるので、
ロックした状態で運搬する必要がある。そしてロックす
るため左右方向に折りたたむ際には、両手を使って折り
たたむ必要があった。しかし、前後方向に折りたたんだ
状態から使用状態への自動復帰を防止するロック機構を
形成して、前後方向に折りたたんだ状態を保持可能とす
ることにより、ベビーカーを前後方向に片手で折りたた
んだ上で、安全に運搬することができる。これにより、
幼児を持つ父母の肉体的負担を軽減することができる。
【0069】また、特に第4実施形態に係るベビーカー
では、ロックブロック6の側面下端部において軸直角方
向に突出する係合凸部8を形成し、ロックリンク16に
は、ベビーカーの前後方向折りたたみ状態にかけて係合
凸部8を上方に変位させるリフト部18aと、ベビーカ
ーの前後方向折りたたみ状態において係合凸部8を係合
させる係合凹部18とを形成した構成としたので、使用
状態におけるロック機構の大部分を共用化することがで
き、前後方向に折りたたんだ状態から使用状態への復帰
を防止するロック機構を、低コストで形成することがで
きる。
【0070】なお第4実施形態の構成は、シルバーカ
ー、ショッピングカートおよび車椅子等のあらゆる手押
し車に適用することができる。もっとも手押し車の中で
も、ベビーカーに適用する場合が特に有効である。ベビ
ーカーは、ベビーカーが通行できない階段等でこれを運
搬するため、幼児等を抱えた状態でこれを折りたたんで
運搬する場合が特に多く、折りたたみ作業の労力低減並
びに運搬作業の安全性および容易性の確保が重要な問題
となるからである。従って、第5実施形態の構成はベビ
ーカーに適用する場合が最も有効であり、これは第5な
いし第7実施形態においても同様である。
【0071】次に、第5実施形態について説明する。図
6に第5実施形態に係るベビーカーに使用する連結部材
の説明図を示す。同図(1)は平面図であり、(2)は
後面図であり、(3)はG−G線における断面図の部分
拡大図である。
【0072】第5実施形態に係るベビーカーは、左右フ
レーム間の連結部材60における左右両端部材64をそ
れぞれ中央部材62とヒンジ結合して左右方向に折りた
たみ可能とする一方で、端部材64の折りたたみ開始位
置において端部材64に形成した凸部64aを中央部材
62に形成した凹部62aと係合させたものである。
【0073】図12(1)に示す各フレームは、ベビー
カーの左右両側に配置されている。そして左右のフレー
ム間は、連結部材によって連結されている。連結部材に
は、図11に示す前輪フレーム連結部材60および後輪
フレーム連結部材61のほか、図示しない水平フレーム
連結部材がある。いずれの連結部材も同様の形状であ
り、第5実施形態の構成はいずれの連結部材においても
採用可能である。以下には前輪フレーム連結部材60を
例にして説明する。
【0074】連結部材60は、プラスチック材料等によ
って形成する。図6(1)に示すように連結部材60
は、フレーム22に接続された左右の端部材64と、中
央部材62とで構成される。端部材64は中央部材62
にヒンジ結合され、矢印69のように回動可能とされて
いる。これにより、ベビーカーを前後方向に折りたたん
だ後、左右各フレーム22とともにベビーカーを左右方
向に折りたたむことができる。
【0075】また図6(3)に示すように、ヒンジ結合
部分近傍における端部材と中央部材との対面部分におい
て、端部材64には凸部64aを形成するとともに、中
央部材62には凹部62aを形成する。なお、端部材6
4の折りたたみ開始位置において、凸部64aと凹部6
2aとが係合可能となるような位置に、凸部64aおよ
び凹部62aを形成する。
【0076】上記のように構成した第5実施形態に係る
ベビーカーは、従来技術と同様の方法で折りたたむこと
ができる。もっとも左右方向に折りたたむ際には、連結
部材60における凸部64aと凹部62aとの係合を解
除した上で折りたたむ必要があり、従来技術に係るベビ
ーカーより若干大きな力を要する。なおベビーカーを開
いて使用状態にする場合も、従来技術と同様の方法で行
うことができる。
【0077】上記のように、前後方向に折りたたんだ状
態から左右方向折りたたみへの移行を防止することによ
り、ベビーカーを前後方向に片手で折りたたんだ上で、
容易に運搬することができる。この点、ベビーカーが通
行できない階段等でベビーカーを運搬する場合には、ベ
ビーカーの状態が固定されていないと運搬が困難であ
り、ロックした状態で運搬する必要がある。そしてロッ
クするため左右方向に折りたたむ場合には、両手を使っ
て折りたたむ必要があった。しかし、前後方向に折りた
たんだ状態から左右方向折りたたみへの移行を防止する
ロック機構を形成して、前後方向に折りたたんだ状態を
保持可能とすることにより、ベビーカーを前後方向に片
手で折りたたんだ上で、容易に運搬することができる。
これにより、幼児を持つ父母の肉体的負担を軽減するこ
とができる。
【0078】また、特に第5実施形態に係るベビーカー
では、端部材64の折りたたみ開始位置において端部材
64に形成した凸部65を中央部材62に形成した凹部
63と係合させた構成としたので、前後方向に折りたた
んだ状態から左右方向折りたたみへの移行を防止するロ
ック機構を、低コストで形成することができる。
【0079】なお、第5実施形態に係るベビーカーで
は、左右方向に折りたたむ際には従来技術に係るベビー
カーより若干大きな力を必要とする。もっとも、前後方
向に折りたたんだ状態を保持可能としたベビーカーにお
いては、左右方向にまで折りたたむのはベビーカーを収
納する場合が主であると考えられる。そしてベビーカー
を収納する場合には、両手が空いている場合が多いと考
えられる。従って、左右方向に折りたたむ際に若干大き
な力が必要になっても、両手で折りたたむことができる
ので、実用上問題にはならないと考えられる。
【0080】次に、第6実施形態について説明する。図
7に第6実施形態に係るベビーカーに使用する連結部材
の説明図を示す。同図(1)は平面図であり、(2)は
後面図であり、(3)は弾性体接続部分の説明図であ
る。
【0081】第6実施形態に係るベビーカーは、弾性体
76の一端を端部材74に接続するとともに、端部材7
4の折りたたみ開始位置における弾性体76の一端の接
続点74aとヒンジ結合点73とを結んだ線77に対し
端部材74の回動方向79の反対側において、弾性体7
6の他端78を中央部材72に接続したものである。な
お、第5実施形態と同じ構成となる部分については、そ
の説明を省略する。
【0082】図7(3)に示すように、バネやゴム等の
弾性体76の一端を、端部材74の先端部に接続する。
そして、端部材74の折りたたみ開始位置における上記
弾性体76の一端の接続点74aと、端部材74と中央
部材72とのヒンジ結合点73とを結ぶ、仮想線77を
引く。この仮想線77に対し、回動方向79の反対側す
なわち図7(3)の下側において、弾性体74の他端7
8を中央部材72に接続する。
【0083】上記のように構成した第6実施形態に係る
ベビーカーは、従来技術と同様の方法で折りたたむこと
ができる。もっとも左右方向に折りたたむ際には、端部
材74の回動方向79に沿って弾性体76の変形量が大
きくなるので、従来技術に係るベビーカーより若干大き
な力を要する。なお、左右方向に折りたたんだ後は、従
来技術と同様に図12(3)に示すフック4aを係合穴
4bに係合させてロックする。なおベビーカーを開いて
使用状態にする場合も、従来技術と同様の方法で行うこ
とができる。
【0084】上記のように、ベビーカーの左右方向折り
たたみへの移行を防止することにより、第5実施形態と
同様に、ベビーカーを前後方向に片手で折りたたんだ上
で容易に運搬することができる。
【0085】なお第5実施形態に係るベビーカーでは、
端部材64に衝撃力が作用して凸部64aと凹部62a
との係合が一旦解除されると、ベビーカーの状態を固定
することができない。しかし第6実施形態に係るベビー
カーでは、弾性体76の一端を端部材74に接続すると
ともに、端部材74の折りたたみ開始位置における弾性
体76の一端の接続点74aとヒンジ結合点73とを結
んだ線77に対し端部材74の回動方向79の反対側に
おいて弾性体74の他端78を中央部材72に接続した
構成としたので、ベビーカーは常に左右方向の折りたた
み開始位置に付勢され、衝撃力が作用した場合でも前後
方向に折りたたんだ状態を保持することができる。
【0086】なお第6実施形態に係るベビーカーでは、
左右方向に折りたたむ際には従来技術に係るベビーカー
より若干大きな力を必要とするが、第5実施形態と同様
に実用上問題にはならないと考えられる。それに加えて
第6実施形態では、ベビーカーは常に左右方向の折りた
たみ開始位置に付勢されているので、ベビーカーを開い
て使用状態にする場合には、ほとんど力を必要としない
というメリットがある。
【0087】また、図8に第6実施形態に係るベビーカ
ーに使用する連結部材の変形例の説明図を示す。同図
(1)は平面図であり、(2)は後面図であり、(3)
は弾性体接続部分の説明図である。
【0088】第6実施形態の変形例は、弾性体86の他
端を、端部材84の折りたたみ開始位置における弾性体
86の一端の接続点84aとヒンジ結合点83とを結ん
だ線87aに対し端部材84の回動方向89の反対側で
あって、端部材84の折りたたみ終了位置における弾性
体86の一端の接続点84bとヒンジ結合点83とを結
んだ線87bに対し端部材84の回動方向89の反対側
において、中央部材82に接続したものである。すなわ
ち、図8(3)のハッチング88aの部分において、弾
性体86の他端を中央部材82に接続している。なお、
第4および第5実施形態と同じ構成となる部分について
は、その説明を省略する。
【0089】上記の場合にも、ベビーカーを左右方向に
折りたたむ際には、端部材84の回動方向89に沿って
弾性体86の変形量が大きくなるので、従来技術に係る
ベビーカーより若干大きな力を要する。もっとも、弾性
体86の中心軸がヒンジ結合点83を通過する際に弾性
体86の変形量は最大となり、その後は回動方向89に
沿って変形量が小さくなるので、第6実施形態の場合に
比べれば折りたたみに力を要する範囲は小さい。それに
加えて上記変形例では、ベビーカーは左右方向の折りた
たみ開始位置だけでなく終了位置にも付勢されているの
で、左右方向に折りたたんだ状態をも保持することが可
能となる。従って、図12(3)に示すフック4aおよ
び係合穴4bで構成される、左右方向に折りたたんだ状
態でのロック機構が不要となり、製造コストを低減する
ことができる。またロック作業も不要となり、幼児を持
つ父母の肉体的負担を軽減することができる。
【0090】次に、第7実施形態について説明する。図
9に第7実施形態に係るベビーカーに使用する連結部材
の説明図を示す。同図(1)はロック解除状態の平面図
であり、(2)は後面図である。また、同図(3)はロ
ック状態の平面図であり、(4)は後面図である。
【0091】第7実施形態に係るベビーカーは、連結部
材60と同軸状に配置した円筒形状のホルダ96を連結
部材60の軸方向に沿って摺動可能とし、中央部材92
および端部材94の外周上に同時に配置可能としてなる
ものである。なお、第4実施形態と同じ構成となる部分
については、その説明を省略する。
【0092】図9(1)に示すように、円筒形状のホル
ダ96を、中央部材92と同軸状にその両端部に配置す
る。このホルダ96は、プラスチック材料または金属材
料によって形成し、中央部材92の軸方向に沿って摺動
可能とする。一方、端部材94の一部としてヒンジ結合
点93より中央部材92側に、ストッパ94aを形成す
る。なお中央部材92の対応する部分には、ストッパ9
4aと同形状の窪みを形成する。ストッパ94aは、端
部材94の折りたたみ方向99とは反対方向に、端部材
94が折りたたまれるのを防止する機能を有する。な
お、ホルダ96は端部材92の外周上に配置してもよ
い。この場合には、中央部材92の一部としてヒンジ結
合点93より端部材94側に、ストッパを形成する。
【0093】上記のように構成した第7実施形態に係る
ベビーカーは、以下のようにして使用する。ベビーカー
の使用を開始する際には、まず従来技術と同様の方法で
折りたたまれたベビーカーを左右方向に開く。そして前
後方向に開く前に、図9(2)に示すように、ホルダ9
6を中央部材の軸方向に沿って摺動させ、端部材のスト
ッパ94aおよび中央部材92の外周上に同時に位置さ
せる。すると、ホルダ96を介して端部材94が中央部
材92に固定され、端部材94の左右方向折りたたみへ
の移行が防止される。なお、中央部材92の両端部に配
置した各ホルダ96,96について、上記作業を行う。
その後、ベビーカーを前後方向に開いて使用可能な状態
とする。
【0094】一方、ベビーカーが通行できない階段等に
おいてベビーカーを運搬する場合には、従来技術と同様
の方法で前後方向に折りたたむ。すると、ホルダ96に
より左右方向折りたたみへの移行が防止されているの
で、そのまま運搬することができる。なおベビーカーの
使用を終了し、折りたたんで収納する場合には、ホルダ
96を元の位置に戻すことにより左右方向に折りたたむ
ことができる。
【0095】上記のように、前後方向に折りたたんだ状
態から左右方向折りたたみへの移行を防止することによ
り、ベビーカーを前後方向に片手で折りたたんだ上で、
容易に運搬することができる。
【0096】加えて第7実施形態では、ホルダにより端
部材が中央部材に固定されるので、衝撃力が作用した場
合でも端部材が回動することなく、前後方向に折りたた
んだ状態を保持することができる。従って、安定した状
態でベビーカーを運搬することができる。また、コンパ
クトかつ低コストなロック機構を実現することができ
る。なお、第7実施形態に係るベビーカーでは、使用開
始時に左右方向折りたたみへの移行をロックする作業が
必要であり、また使用終了時にロックを解除する作業が
必要であるが、第5実施形態の場合と同様に実用上問題
にはならないと考えられる。
【0097】また、図10に第7実施形態に係るベビー
カーに使用する連結部材の変形例の説明図を示す。同図
(1)はロック解除状態の平面図であり、(2)は後面
図である。また、同図(3)はロック状態の平面図であ
り、(4)は後面図である。
【0098】第7実施形態の変形例は、中央部材60と
同軸状に配置した円筒形状のホルダ98を、各端部材9
4のストッパ94aにかけて延在させる。また、ホルダ
98の両端部に切り欠き98aを設けて、各端部材94
のストッパ94aの回動軌道を解放することにより、各
端部材94を折りたたみ可能とする。一方で、ホルダ9
8を中央部材92の周りに回転可能とし、ホルダ98の
端部を各端部材94のストッパ94aの回動軌道上に配
置することにより、ホルダ98を介して各端部材94を
中央部材92に固定可能としてなるものである。なお、
第4および第7実施形態と同じ構成となる部分について
は、その説明を省略する。
【0099】上記変形例の場合には、ホルダ98の回転
操作を1回行うだけで、左右方向折りたたみへの移行を
防止することができる。従って、幼児を持つ父母の肉体
的負担を軽減することができる。
【0100】
【発明の効果】折りたたみ可能な手押し車のキャスタ構
造であって、手押し車の前輪フレームに旋回シャフトを
固定し、この旋回シャフトと同軸状に旋回フレームを配
置し、この旋回フレームに車輪を取り付けて、手押し車
の使用時にはキャスタを自由旋回可能とする一方で、前
記旋回フレームをその自重により前記旋回シャフトに沿
って下降可能とし、前記旋回フレームを旋回方向所定位
置に案内した上で固定する係止機構を前記旋回シャフト
および前記旋回フレームの下部に形成して、手押し車の
折りたたみ時には前記キャスタを旋回方向所定位置に固
定可能とした構成としたので、手押し車を折りたたむ際
自動的に、キャスタを旋回方向所定位置に固定すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るベビーカーのキャスタ構造
の説明図であり、(1)はベビーカー使用時の前輪キャ
スタの正面図であり、(2)はC−C線における側面断
面図である。
【図2】第1実施形態に係るベビーカーのキャスタ構造
の説明図であり、(1)はベビーカー折りたたみ時の前
輪キャスタの正面図であり、(2)はD−D線における
側面断面図である。
【図3】第2実施形態に係るベビーカーのキャスタ構造
の説明図であり、(1)はベビーカー使用時の前輪キャ
スタの正面図であり、(2)はE−E線における側面断
面図であり、(3)はベビーカー折りたたみ時の前輪キ
ャスタの正面図であり、(4)はF−F線における側面
断面図である。
【図4】第3実施形態に係るベビーカーのキャスタ構造
の説明図であり、(1)はベビーカー使用時および折り
たたみ時の前輪キャスタの正面図であり、(2)はH−
H線における側面断面図である。
【図5】第4実施形態に係るベビーカーの部分拡大図で
あり、(1)は図12におけるA部の拡大図であり、
(2)は図12におけるB部の拡大図である。
【図6】第5実施形態に係るベビーカーに使用する連結
部材の説明図であり、(1)は平面図であり、(2)は
後面図であり、(3)はG−G線における断面図の部分
拡大図である。
【図7】第6実施形態に係るベビーカーに使用する連結
部材の説明図であり、(1)は平面図であり、(2)は
後面図であり、(3)は弾性体接続部分の説明図であ
る。
【図8】第6実施形態に係るベビーカーに使用する連結
部材の変形例の説明図であり、(1)は平面図であり、
(2)は後面図であり、(3)は弾性体接続部分の説明
図である。
【図9】第7実施形態に係るベビーカーに使用する連結
部材の説明図である。(1)はロック解除状態の平面図
であり、(2)は後面図である。(3)はロック状態の
平面図であり、(4)は後面図である。
【図10】第7実施形態に係るベビーカーに使用する連
結部材の変形例の説明図である。(1)はロック解除状
態の平面図であり、(2)は後面図である。(3)はロ
ック状態の平面図であり、(4)は後面図である。
【図11】ベビーカーの斜視図である。
【図12】ベビーカーの折りたたみ方法の説明図であ
り、(1)は使用状態における側面図であり、(2)は
前後方向にのみ折りたたんだ状態の側面図であり、
(3)は左右方向にも折りたたんだ状態の正面図であ
る。
【図13】従来の旋回ロック機構の説明図である。
【符号の説明】
2………グリップ部、2a………グリップ部の端部、2
b………矢印、3………ロック解除ボタン、4a………
フック、4b………係合穴、5………ハンドルフレー
ム、6………ロックブロック、7………係合段部、8…
……係合凸部、10………後輪、12………後輪フレー
ム、14………アームレスト、15………水平フレー
ム、16………ロックリンク、16a、16b………端
部、17………係合段部、18………係合凹部、18a
………リフト部、20………前輪キャスタ、22………
前輪フレーム、23………前輪ベース、24………旋回
シャフト、25………係合部材、25a………上端面、
28………弾性体、30………係止機構、32………旋
回フレーム、32a………下端面、35………緩衝部
材、36………緩衝フレーム、37………車軸、38…
……車輪、44………旋回シャフト、45………ピン、
50………係止機構、52………旋回フレーム、52a
………下端面、60………前輪フレーム連結部材、61
………後輪フレーム連結部材、62………中央部材、6
2a………凹部、64………端部材、64a………凸
部、69………回動方向、72………中央部材、73…
……ヒンジ結合点、74………端部材、74a………接
続点、76………弾性体、77………仮想線、78……
…接続点、79………回動方向、82………中央部材、
83………ヒンジ結合点、84………端部材、84a、
84b………接続点、86………弾性体、87a、87
b………仮想線、88………接続点、88a………ハッ
チング部分、89………回動方向、92………中央部
材、93………ヒンジ結合点、94………端部材、94
a………ストッパ、96………ホルダ、98………ホル
ダ、98a………切り欠き、99………回動方向、10
0………ベビーカー、123………前輪ベース、124
………旋回シャフト、125………レバー、132……
…旋回フレーム、133………突起、220………前輪
キャスタ、222………前輪フレーム、224………旋
回シャフト、225………係合部材、228………弾性
体、230………係止機構、232………旋回フレー
ム、235………緩衝部材、237………車軸、238
………車輪

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 折りたたみ可能な手押し車のキャスタ構
    造であって、 前記手押し車の使用時にはキャスタを自由旋回可能とす
    る一方で、 前記手押し車の折りたたみ時には前記キャスタを旋回方
    向所定位置に固定可能とする係止機構を設けたことを特
    徴とする手押し車のキャスタ構造。
  2. 【請求項2】 折りたたみ可能な手押し車のキャスタ構
    造であって、 前記手押し車の前輪フレームに旋回シャフトを固定し、
    この旋回シャフトと同軸状に旋回フレームを配置し、こ
    の旋回フレームに車輪を取り付けてキャスタを形成する
    ことにより、前記手押し車の使用時には前記キャスタを
    自由旋回可能とする一方で、 前記旋回フレームをその自重により前記旋回シャフトに
    沿って下降可能とし、前記旋回シャフトの下部には係合
    部材を固定し、前記旋回フレームを旋回方向所定位置に
    案内した上で固定する係止機構を前記旋回フレームおよ
    び前記係合部材に形成することにより、前記手押し車の
    折りたたみ時には前記キャスタを旋回方向所定位置に固
    定可能としたことを特徴とする手押し車のキャスタ構
    造。
  3. 【請求項3】 折りたたみ可能な手押し車のキャスタ構
    造であって、 前記手押し車の前輪フレームに旋回シャフトを固定し、
    この旋回シャフトと同軸状に旋回フレームを配置し、こ
    の旋回フレームに車輪を取り付けてキャスタを形成する
    ことにより、前記手押し車の使用時に前記キャスタを旋
    回可能とする一方で、 前記旋回シャフトに沿って上下移動可能とした係合部材
    を前記旋回フレームの下方に配置し、前記係合部材を上
    方に付勢する弾性体を前記旋回シャフトに設け、前記旋
    回フレームを旋回方向所定位置に案内した上で固定する
    係止機構を前記旋回フレームおよび前記係合部材に形成
    することにより、前記手押し車の折りたたみ時には前記
    キャスタを旋回方向所定位置に固定可能としたことを特
    徴とする手押し車のキャスタ構造。
  4. 【請求項4】 前記係止機構は、前記係合部材の上端面
    または前記旋回フレームの下端面のいずれか一方に形成
    された係合凸部と、いずれか他方に形成されて前記係合
    凸部と係合することにより前記旋回フレームを旋回方向
    所定位置に固定する係合凹部と、 この係合凹部を設けた前記旋回シャフトまたは旋回フレ
    ームに形成されて前記係合凸部が摺接することにより前
    記旋回フレームを前記旋回方向所定位置に案内する誘導
    部分とを有することを特徴とする請求項1ないし3のい
    ずれか1つに記載の手押し車のキャスタ構造。
  5. 【請求項5】 前記係止機構は、前記係合部材として前
    記旋回シャフトの下部において軸直角方向に突出する突
    起と、前記旋回フレームに形成されて前記突起と係合す
    ることにより前記旋回フレームを旋回方向所定位置に固
    定する係合凹部と、 前記旋回フレームに形成されて前記突起が摺接すること
    により前記旋回フレームを前記旋回方向所定位置に案内
    する誘導部分とを有することを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれか1つに記載の手押し車のキャスタ構造。
  6. 【請求項6】 前記旋回シャフトには、前記旋回フレー
    ムを下方に付勢する伸縮自在な弾性体が設けてあること
    を特徴とする請求項1、2、4または5に記載の手押し
    車のキャスタ構造。
  7. 【請求項7】 ハンドルフレームに沿って下方に付勢さ
    れたロックブロックをロックリンクに係合させて手押し
    車の使用状態を保持可能とする一方で、前記係合を解除
    して使用状態から前後方向に折りたたみ可能とした手押
    し車であって、 前記ロックブロックの側面下端部において軸直角方向に
    突出する係合凸部を形成し、 前記ロックリンクには、前記手押し車の前後方向折りた
    たみ状態にかけて前記係合凸部を上方に変位させるリフ
    ト部と、前記手押し車の前後方向折りたたみ状態におい
    て前記係合凸部を係合させる係合凹部とを形成して、 前後方向折りたたみ状態を保持可能としたことを特徴と
    する手押し車。
  8. 【請求項8】 左右フレーム間の連結部材における左右
    両端部材をそれぞれ中央部材とヒンジ結合することによ
    り、前後方向折りたたみ状態から左右方向に折りたたみ
    可能とした手押し車であって、 前後方向に折りたたんだ状態から左右方向折りたたみへ
    の移行を防止するロック機構を設けることにより、前後
    方向に折りたたんだ状態を保持可能としたことを特徴と
    する手押し車。
  9. 【請求項9】 前記ロック機構は、前記端部材の折りた
    たみ開始位置において前記端部材または前記中央部材の
    いずれか一方に形成した凸部を他方に形成した凹部と係
    合させてなることを特徴とする請求項8に記載の手押し
    車。
  10. 【請求項10】 前記ロック機構は、前記端部材に弾性
    体の一端を接続するとともに、前記端部材の折りたたみ
    開始位置における前記弾性体の一端の接続点と前記ヒン
    ジ結合点とを結んだ線に対し前記端部材の回動方向の反
    対側において前記弾性体の他端を前記中央部材に接続し
    てなることを特徴とする請求項8に記載の手押し車。
  11. 【請求項11】 前記弾性体の他端は、前記端部材の折
    りたたみ開始位置における前記弾性体の一端の接続点と
    前記ヒンジ結合点とを結んだ線に対し前記端部材の回動
    方向の反対側であって、なおかつ前記端部材の折りたた
    み終了位置における前記弾性体の一端の接続点と前記ヒ
    ンジ結合点とを結んだ線に対し前記端部材の回動方向の
    反対側において、前記中央部材に接続したことを特徴と
    する請求項10に記載の手押し車。
  12. 【請求項12】 前記ロック機構は、前記連結部材と同
    軸状に配置した円筒形状のホルダを前記連結部材の軸方
    向に沿って摺動可能とし、前記中央部材および前記端部
    材の外周上に同時に配置可能としてなることを特徴とす
    る請求項8に記載の手押し車。
  13. 【請求項13】 前記ロック機構は、前記中央部材と同
    軸状に配置した円筒形状のホルダを前記各端部材にかけ
    て延在させ、前記ホルダの両端部に切り欠きを設けて前
    記各端部材を折りたたみ可能とする一方で、前記ホルダ
    を回転可能としてなることを特徴とする請求項8に記載
    の手押し車。
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