JPH10206148A - 走査型プローブ顕微鏡およびその光学式変位検出装置 - Google Patents
走査型プローブ顕微鏡およびその光学式変位検出装置Info
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- JPH10206148A JPH10206148A JP9022103A JP2210397A JPH10206148A JP H10206148 A JPH10206148 A JP H10206148A JP 9022103 A JP9022103 A JP 9022103A JP 2210397 A JP2210397 A JP 2210397A JP H10206148 A JPH10206148 A JP H10206148A
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- G—PHYSICS
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 被走査部の負荷を軽減し、走査速度を高め、
光学顕微鏡との組合せを簡単に行える走査型プローブ顕
微鏡とその光学式変位検出装置を提供する。 【解決手段】 試料表面11に対向する探針を備えたカン
チレバーと、カンチレバーのたわみ変形量を検出する光
学式変位検出手段14,17 と、試料表面に対しカンチレバ
ーを走査する走査手段と、試料と探針の距離を変化させ
る駆動手段と、光学式変位検出手段の出力信号が設定値
と一致するように駆動手段を制御する制御手段を備え、
光学式変位検出手段は、カンチレバーにレーザ光14を照
射するレーザ光源13と、カンチレバーからの反射レーザ
光14a を受け上記変位量を検出する光検出器17と、反射
レーザ光の焦点を光検出器の中心で結ばせる光学手段1
5,16を備え、光学式変位検出手段は固定して取り付けら
れ、走査手段はカンチレバーのみを走査移動する。
光学顕微鏡との組合せを簡単に行える走査型プローブ顕
微鏡とその光学式変位検出装置を提供する。 【解決手段】 試料表面11に対向する探針を備えたカン
チレバーと、カンチレバーのたわみ変形量を検出する光
学式変位検出手段14,17 と、試料表面に対しカンチレバ
ーを走査する走査手段と、試料と探針の距離を変化させ
る駆動手段と、光学式変位検出手段の出力信号が設定値
と一致するように駆動手段を制御する制御手段を備え、
光学式変位検出手段は、カンチレバーにレーザ光14を照
射するレーザ光源13と、カンチレバーからの反射レーザ
光14a を受け上記変位量を検出する光検出器17と、反射
レーザ光の焦点を光検出器の中心で結ばせる光学手段1
5,16を備え、光学式変位検出手段は固定して取り付けら
れ、走査手段はカンチレバーのみを走査移動する。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は走査型プローブ顕微
鏡および光学式変位検出装置に関し、特に、微細形状等
の測定に用いられるもので、改良された光テコ方式の変
位検出系を備え、かつ光学顕微鏡等との組み合わせが容
易である走査型プローブ顕微鏡と、光学顕微鏡との組み
合わせを容易にする走査型プローブ顕微鏡の光学式変位
検出装置に関する。
鏡および光学式変位検出装置に関し、特に、微細形状等
の測定に用いられるもので、改良された光テコ方式の変
位検出系を備え、かつ光学顕微鏡等との組み合わせが容
易である走査型プローブ顕微鏡と、光学顕微鏡との組み
合わせを容易にする走査型プローブ顕微鏡の光学式変位
検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】走査型プローブ顕微鏡(SPM)は、先
端の尖った探針を試料に対してナノメート(nm)オー
ダまで接近させ、当該探針で試料の表面を走査し、その
間、探針と試料との間に生じる原子間力等の物理的な相
互作用を測定しながら物理的な相互作用の状態が一定に
保持されるように制御を行い、これにより試料表面の形
状等を原子レベルの分解能で観察する装置である。その
中で走査型原子間力顕微鏡(AFM)は、先端に探針を
備えたカンチレバーと呼ばれる非常にバネ定数の低い片
持ち梁を用い、探針と試料の間に作用する原子間力によ
るカンチレバーのたわみ変形の変位量を検出することに
より、試料表面の微細な凹凸形状を観察する装置であ
る。
端の尖った探針を試料に対してナノメート(nm)オー
ダまで接近させ、当該探針で試料の表面を走査し、その
間、探針と試料との間に生じる原子間力等の物理的な相
互作用を測定しながら物理的な相互作用の状態が一定に
保持されるように制御を行い、これにより試料表面の形
状等を原子レベルの分解能で観察する装置である。その
中で走査型原子間力顕微鏡(AFM)は、先端に探針を
備えたカンチレバーと呼ばれる非常にバネ定数の低い片
持ち梁を用い、探針と試料の間に作用する原子間力によ
るカンチレバーのたわみ変形の変位量を検出することに
より、試料表面の微細な凹凸形状を観察する装置であ
る。
【0003】変位量を検出する装置には、一般的に、カ
ンチレバーにレーザ光を照射するレーザ光源と、カンチ
レバーで反射されたレーザ光を受けカンチレバーの変位
量を検出する光検出器とからなる光テコと呼ばれる光学
式変位検出装置が使用される。この光学式変位検出装置
では、探針・試料間の原子間力の影響を受けてカンチレ
バーがたわむとき、たわみ変形によるカンチレバーの変
位量を、光検出器における反射光の照射位置の変化で測
定するようにしている。また探針と試料の相対的な位置
を変えて走査を行いかつ探針・試料間の間隔を変化させ
る装置には、トライポッド等の3次元アクチュエータが
使用される。例えばトライポッドは、3軸方向の3つの
圧電素子を備え、XY方向の走査および探針・試料間の
距離を制御するZ軸方向駆動を行う。
ンチレバーにレーザ光を照射するレーザ光源と、カンチ
レバーで反射されたレーザ光を受けカンチレバーの変位
量を検出する光検出器とからなる光テコと呼ばれる光学
式変位検出装置が使用される。この光学式変位検出装置
では、探針・試料間の原子間力の影響を受けてカンチレ
バーがたわむとき、たわみ変形によるカンチレバーの変
位量を、光検出器における反射光の照射位置の変化で測
定するようにしている。また探針と試料の相対的な位置
を変えて走査を行いかつ探針・試料間の間隔を変化させ
る装置には、トライポッド等の3次元アクチュエータが
使用される。例えばトライポッドは、3軸方向の3つの
圧電素子を備え、XY方向の走査および探針・試料間の
距離を制御するZ軸方向駆動を行う。
【0004】従来のSPMの構成例として特開平6−2
88757号公報の図1および図5に示された構成を挙
げる。この公報の図5に示された装置では、試料の上方
に配置されたユニットに、探針を備えたカンチレバー、
光学式変位検出装置とそのレンズおよび光路部材、これ
らの部材を取り付ける支持機構等を組み込み、かかるユ
ニットを筒型の微動素子(3次元アクチュエータ)で動
かすようにした構成が示される。また図1に示される構
成では、図5の上記構成を改良し、上部保持体に固定さ
れた筒型の微動素子には、カンチレバーとこれを取り付
けるための部材、および光路部材(プリズム31,3
2)だけを取り付けるようにし、光学式変位検出装置
は、微動素子の外側の位置で、上部保持体に固定して取
り付けるようにしている。
88757号公報の図1および図5に示された構成を挙
げる。この公報の図5に示された装置では、試料の上方
に配置されたユニットに、探針を備えたカンチレバー、
光学式変位検出装置とそのレンズおよび光路部材、これ
らの部材を取り付ける支持機構等を組み込み、かかるユ
ニットを筒型の微動素子(3次元アクチュエータ)で動
かすようにした構成が示される。また図1に示される構
成では、図5の上記構成を改良し、上部保持体に固定さ
れた筒型の微動素子には、カンチレバーとこれを取り付
けるための部材、および光路部材(プリズム31,3
2)だけを取り付けるようにし、光学式変位検出装置
は、微動素子の外側の位置で、上部保持体に固定して取
り付けるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記公報の図5に示さ
れた走査型プローブ顕微鏡の構成によれば、試料表面の
走査のため移動する部分の構成が大きくなり、微動素子
の負荷が大きく、走査速度を速くすることができないと
いう問題があった。そこで、図1に示す構成が改良とし
て提案されたが、この構成でも、光路部材が微動素子に
支持される部分に含まれているので、負荷を十分に小さ
くすることができないという問題を有していた。
れた走査型プローブ顕微鏡の構成によれば、試料表面の
走査のため移動する部分の構成が大きくなり、微動素子
の負荷が大きく、走査速度を速くすることができないと
いう問題があった。そこで、図1に示す構成が改良とし
て提案されたが、この構成でも、光路部材が微動素子に
支持される部分に含まれているので、負荷を十分に小さ
くすることができないという問題を有していた。
【0006】さらに走査型プローブ顕微鏡では、通常、
光学顕微鏡と組み合わせて使用することが強く望まれて
いる。しかし、光テコの変位検出装置を備えた従来の走
査型プローブ顕微鏡では、変位検出装置に関連する構成
部分が光学顕微鏡の対物レンズと試料のカンチレバー等
との間に配置されるという制約を受けるので、両者を組
み合わせることが設計の上で容易ではないという問題を
有していた。
光学顕微鏡と組み合わせて使用することが強く望まれて
いる。しかし、光テコの変位検出装置を備えた従来の走
査型プローブ顕微鏡では、変位検出装置に関連する構成
部分が光学顕微鏡の対物レンズと試料のカンチレバー等
との間に配置されるという制約を受けるので、両者を組
み合わせることが設計の上で容易ではないという問題を
有していた。
【0007】本発明の目的は、上記の問題を解決するこ
とにあり、走査駆動される部分の構成を簡易にして負荷
を軽減し、走査速度を高めると共に、光学顕微鏡との組
み合わせを簡単に行える構成を有した走査型プローブ顕
微鏡を提供することにある。
とにあり、走査駆動される部分の構成を簡易にして負荷
を軽減し、走査速度を高めると共に、光学顕微鏡との組
み合わせを簡単に行える構成を有した走査型プローブ顕
微鏡を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、光学顕微鏡との組み
合わせを容易に行えるようにする走査型プローブ顕微鏡
の光学式変位検出装置を提供することにある。
合わせを容易に行えるようにする走査型プローブ顕微鏡
の光学式変位検出装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用】第1の本発明
(請求項1に対応)に係る走査型プローブ顕微鏡は、上
記目的を達成するために、試料に接近し対向して配置さ
れる探針を備えたカンチレバーと、当該カンチレバーの
たわみ変形で生じる変位量を検出する光学式変位検出手
段と、試料の表面に対しカンチレバーを相対的に走査さ
せる走査手段と、試料と探針の距離を変化させる駆動手
段と、光学式変位検出手段により得られる変位信号が設
定値と一致するように駆動手段を制御する制御手段を備
え、さらに、上記光学式変位検出手段は、カンチレバー
にレーザ光を照射するレーザ光源と、カンチレバーで反
射されたレーザ光を受け上記変位量を検出する光検出器
と、前記レーザ光源から出射された前記レーザ光を、反
射された後、前記光検出器の中心で焦点を結ばせる光学
手段とを備え、光学式変位検出手段は固定して取り付け
られ、走査手段はカンチレバーのみを走査移動するよう
に構成される。
(請求項1に対応)に係る走査型プローブ顕微鏡は、上
記目的を達成するために、試料に接近し対向して配置さ
れる探針を備えたカンチレバーと、当該カンチレバーの
たわみ変形で生じる変位量を検出する光学式変位検出手
段と、試料の表面に対しカンチレバーを相対的に走査さ
せる走査手段と、試料と探針の距離を変化させる駆動手
段と、光学式変位検出手段により得られる変位信号が設
定値と一致するように駆動手段を制御する制御手段を備
え、さらに、上記光学式変位検出手段は、カンチレバー
にレーザ光を照射するレーザ光源と、カンチレバーで反
射されたレーザ光を受け上記変位量を検出する光検出器
と、前記レーザ光源から出射された前記レーザ光を、反
射された後、前記光検出器の中心で焦点を結ばせる光学
手段とを備え、光学式変位検出手段は固定して取り付け
られ、走査手段はカンチレバーのみを走査移動するよう
に構成される。
【0010】第1の発明では、走査動作で移動するのは
探針を備えたカンチレバーのみとし、光テコ方式の光学
式検出手段は固定することにより、走査駆動を行う部分
の負荷を軽減し、走査速度が高められる。また光学式検
出手段によって作られるレーザ光のビームは相対的にビ
ーム径が大きく、広い照射範囲の中でカンチレバーの走
査動作が行われる。カンチレバーの背面で反射されるレ
ーザ光は、光学手段によって常に光検出器の受光面に合
焦状態で照射される。光検出器の受光面における反射レ
ーザ光の照射位置で、カンチレバーのたわみ変形による
変位量が検出される。
探針を備えたカンチレバーのみとし、光テコ方式の光学
式検出手段は固定することにより、走査駆動を行う部分
の負荷を軽減し、走査速度が高められる。また光学式検
出手段によって作られるレーザ光のビームは相対的にビ
ーム径が大きく、広い照射範囲の中でカンチレバーの走
査動作が行われる。カンチレバーの背面で反射されるレ
ーザ光は、光学手段によって常に光検出器の受光面に合
焦状態で照射される。光検出器の受光面における反射レ
ーザ光の照射位置で、カンチレバーのたわみ変形による
変位量が検出される。
【0011】第2の本発明(請求項2に対応)に係る走
査型プローブ顕微鏡は、第1の発明において、走査手段
による走査範囲が、レーザ光による照射範囲に含まれる
ことを特徴とする。従って、カンチレバーが走査範囲で
移動している限り、各走査位置でのカンチレバーのたわ
み変形による変位量を検出することができる。
査型プローブ顕微鏡は、第1の発明において、走査手段
による走査範囲が、レーザ光による照射範囲に含まれる
ことを特徴とする。従って、カンチレバーが走査範囲で
移動している限り、各走査位置でのカンチレバーのたわ
み変形による変位量を検出することができる。
【0012】第3の本発明(請求項3に対応)に係る走
査型プローブ顕微鏡は、第1または第2の発明におい
て、光学顕微鏡と、光学式変位検出手段の光路とこれ以
外の他の光路を形成するハーフミラーおよび偏向ビーム
スプリッタとを備え、光学顕微鏡は他の光路を利用して
試料を観察するように構成されることを特徴とする。走
査型プローブ顕微鏡は、一般的に観察領域が比較的に広
い光学顕微鏡に組み合わせて使用されるが、光学式変位
検出手段の光路とは異なる他の光路を形成するハーフミ
ラー等の光路部材を設けるようにしたため、光学顕微鏡
を容易に付設でき、組み合わせを簡単に行うことができ
る。
査型プローブ顕微鏡は、第1または第2の発明におい
て、光学顕微鏡と、光学式変位検出手段の光路とこれ以
外の他の光路を形成するハーフミラーおよび偏向ビーム
スプリッタとを備え、光学顕微鏡は他の光路を利用して
試料を観察するように構成されることを特徴とする。走
査型プローブ顕微鏡は、一般的に観察領域が比較的に広
い光学顕微鏡に組み合わせて使用されるが、光学式変位
検出手段の光路とは異なる他の光路を形成するハーフミ
ラー等の光路部材を設けるようにしたため、光学顕微鏡
を容易に付設でき、組み合わせを簡単に行うことができ
る。
【0013】第4の本発明(請求項4に対応)に係る走
査型プローブ顕微鏡の光学式変位検出装置は、試料に接
近し対向して配置される探針を備えたカンチレバーと、
試料の表面に対しカンチレバーを相対的に走査させる走
査手段と、試料と探針の距離を変化させる駆動手段と、
この駆動手段を制御する制御手段を備えた走査型プロー
ブ顕微鏡に用いられ、カンチレバーにレーザ光を照射す
るレーザ光源と、カンチレバーで反射されたレーザ光を
受ける光検出器と、反射されたレーザ光を光検出器の中
心で焦点を結ばせる光学手段と、レーザ光の光路とこれ
以外の他の光路を形成する光路部材とからなり、カンチ
レバーのたわみ変形で生じる変位を検出し、この変位信
号を制御手段に送るように構成され、かつ固定して取り
付けられたことを特徴とする。
査型プローブ顕微鏡の光学式変位検出装置は、試料に接
近し対向して配置される探針を備えたカンチレバーと、
試料の表面に対しカンチレバーを相対的に走査させる走
査手段と、試料と探針の距離を変化させる駆動手段と、
この駆動手段を制御する制御手段を備えた走査型プロー
ブ顕微鏡に用いられ、カンチレバーにレーザ光を照射す
るレーザ光源と、カンチレバーで反射されたレーザ光を
受ける光検出器と、反射されたレーザ光を光検出器の中
心で焦点を結ばせる光学手段と、レーザ光の光路とこれ
以外の他の光路を形成する光路部材とからなり、カンチ
レバーのたわみ変形で生じる変位を検出し、この変位信
号を制御手段に送るように構成され、かつ固定して取り
付けられたことを特徴とする。
【0014】第4の発明では、走査型プローブ顕微鏡の
光テコの光学式変位検出部において、光学顕微鏡との組
み合わせを行える光路部材を設け、この光路部材によっ
て光学顕微鏡を容易に組み合わせることができる。
光テコの光学式変位検出部において、光学顕微鏡との組
み合わせを行える光路部材を設け、この光路部材によっ
て光学顕微鏡を容易に組み合わせることができる。
【0015】第5の本発明(請求項5に対応)に係る走
査型プローブ顕微鏡の光学式変位検出装置は、第4の発
明において、上記の他の光路を利用して試料の表面を観
察する光学顕微鏡が付設されることを特徴とする。
査型プローブ顕微鏡の光学式変位検出装置は、第4の発
明において、上記の他の光路を利用して試料の表面を観
察する光学顕微鏡が付設されることを特徴とする。
【0016】第6の本発明(請求項6に対応)に係る走
査型プローブ顕微鏡の光学式変位検出装置は、第4また
は第5の発明において、光路部材は、ハーフミラーと偏
向ビームスプリッタを含むことを特徴とする。
査型プローブ顕微鏡の光学式変位検出装置は、第4また
は第5の発明において、光路部材は、ハーフミラーと偏
向ビームスプリッタを含むことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施形態
を添付図面に基づいて説明する。
を添付図面に基づいて説明する。
【0018】図1は、本発明に係る光学式変位検出装置
の原理を説明するための構成を示す。この光学式変位検
出装置は光テコ方式の検出装置であり、原子間力顕微鏡
等の走査型プローブ顕微鏡における変位検出装置として
利用される。
の原理を説明するための構成を示す。この光学式変位検
出装置は光テコ方式の検出装置であり、原子間力顕微鏡
等の走査型プローブ顕微鏡における変位検出装置として
利用される。
【0019】図1において、微細な凹凸が存在する試料
表面11に対してカンチレバー(図示せず)が接近した
状態で配置され、先端に設けられた探針(図示せず)が
試料表面11に対向して配置される。図1中の12aは
カンチレバーの先部背面に設けられるミラー部の配置状
態を示している。カンチレバーの詳細は図2に示され
る。カンチレバーは、その長手方向を試料表面11に対
して一定角度で傾斜させて、ホルダ部に設けられる。か
かるカンチレバーに対して、カンチレバーのたわみ変形
による変位量を検出するための光学式変位検出装置が配
置される。光学式変位検出装置において、レーザ光源1
3から出射されたレーザ光14は、コリメータレンズ1
5を通過し、対物レンズ16によって集光され、試料表
面11に照射される。レーザ光14の照射範囲(ビーム
スポット径)は、カンチレバーの走査範囲に比較して相
対的に大きな面積を有し、試料表面11において大きな
照射スポットを形成する。
表面11に対してカンチレバー(図示せず)が接近した
状態で配置され、先端に設けられた探針(図示せず)が
試料表面11に対向して配置される。図1中の12aは
カンチレバーの先部背面に設けられるミラー部の配置状
態を示している。カンチレバーの詳細は図2に示され
る。カンチレバーは、その長手方向を試料表面11に対
して一定角度で傾斜させて、ホルダ部に設けられる。か
かるカンチレバーに対して、カンチレバーのたわみ変形
による変位量を検出するための光学式変位検出装置が配
置される。光学式変位検出装置において、レーザ光源1
3から出射されたレーザ光14は、コリメータレンズ1
5を通過し、対物レンズ16によって集光され、試料表
面11に照射される。レーザ光14の照射範囲(ビーム
スポット径)は、カンチレバーの走査範囲に比較して相
対的に大きな面積を有し、試料表面11において大きな
照射スポットを形成する。
【0020】上記ミラー部12aはレーザ光14の照射
範囲の中に位置し、当該ミラー部12aに照射される一
部のレーザ光を反射する。ミラー部12aで反射された
レーザ光14aは、対物レンズ16の集光作用に基づい
て、位置センサとして機能する光検出器17の受光面で
焦点を結ぶ。カンチレバーのたわみ変形による変位量が
基準値に保持され、その結果、ミラー部12aが、入射
するレーザ光14の光軸(図1中垂線)14bに対して
一定角度に保持されるとき、反射レーザ光14aは、光
検出器17の受光面の中心位置17aに反射スポットを
形成する。カンチレバーが走査移動を行い、その間、上
記一定角度が保持される場合には、光検出器17の受光
面における反射スポットの位置は変化しない。換言すれ
ば、カンチレバーのたわみ変形が、設定された一定状態
に保持される限り、変位量は検出されない。
範囲の中に位置し、当該ミラー部12aに照射される一
部のレーザ光を反射する。ミラー部12aで反射された
レーザ光14aは、対物レンズ16の集光作用に基づい
て、位置センサとして機能する光検出器17の受光面で
焦点を結ぶ。カンチレバーのたわみ変形による変位量が
基準値に保持され、その結果、ミラー部12aが、入射
するレーザ光14の光軸(図1中垂線)14bに対して
一定角度に保持されるとき、反射レーザ光14aは、光
検出器17の受光面の中心位置17aに反射スポットを
形成する。カンチレバーが走査移動を行い、その間、上
記一定角度が保持される場合には、光検出器17の受光
面における反射スポットの位置は変化しない。換言すれ
ば、カンチレバーのたわみ変形が、設定された一定状態
に保持される限り、変位量は検出されない。
【0021】図2において(a)はカンチレバーの側面
図、(b)はカンチレバーの平面図を示し、両図は位置
的対応で関係づけられている。カンチレバー12はホル
ダ部18の先に設けられ、先端の下側には探針19が設
けられる。カンチレバー12の先部背面に前述のミラー
部12aが形成されている。カンチレバー12における
ホルダ部18への取付け部分は湾曲部12bとなってい
る。試料表面11と探針19の間で原子間力等の物理的
な力が作用し、カンチレバー12にたわみ変形が生じる
と、湾曲部12bに歪みが生じ、カンチレバー12(ミ
ラー部12a)の傾斜角度が変化する。すなわち、探針
19と試料表面11の間で力が働いて、カンチレバー1
2の湾曲部12bが歪み、ミラー部12aとレーザ光1
4の光軸とが作る角度が変化すると、光検出器17の受
光面における反射レーザ光14aのスポット位置が変化
する。上記の光学式変位検出装置は、光テコの変位検出
装置として機能し、カンチレバー12で生じた変位量を
検出する。
図、(b)はカンチレバーの平面図を示し、両図は位置
的対応で関係づけられている。カンチレバー12はホル
ダ部18の先に設けられ、先端の下側には探針19が設
けられる。カンチレバー12の先部背面に前述のミラー
部12aが形成されている。カンチレバー12における
ホルダ部18への取付け部分は湾曲部12bとなってい
る。試料表面11と探針19の間で原子間力等の物理的
な力が作用し、カンチレバー12にたわみ変形が生じる
と、湾曲部12bに歪みが生じ、カンチレバー12(ミ
ラー部12a)の傾斜角度が変化する。すなわち、探針
19と試料表面11の間で力が働いて、カンチレバー1
2の湾曲部12bが歪み、ミラー部12aとレーザ光1
4の光軸とが作る角度が変化すると、光検出器17の受
光面における反射レーザ光14aのスポット位置が変化
する。上記の光学式変位検出装置は、光テコの変位検出
装置として機能し、カンチレバー12で生じた変位量を
検出する。
【0022】図3では、カンチレバー12による走査範
囲とレーザ光14の照射範囲(照射スポット)との関係
(図3(a))と、レーザ光14の照射範囲における光
強度の分布状態(図3(b))を示している。試料表面
11の測定のため設定されたカンチレバー12の走査範
囲21は、照射範囲20の中に含まれるように、相対的
に小さいものとして設定される。照射範囲20における
光強度の分布22では、中心部で高くかつ平坦であり、
周辺部で次第に小さくなっている。従って、走査範囲2
1は、照射範囲20の中心部の平坦部を利用するように
設定されることが好ましい。このようにすることによ
り、光検出器17の受光面で反射レーザ光14aのスポ
ット位置が変化するとき、高い精度でカンチレバー12
に生じる変位量を検出することができる。またレーザ光
14による照射範囲20の位置は、コリメータレン15
を動かすことによって調整することができる。そこで、
コリメータレンズ15の位置を調整することによって、
レーザ光14による照射範囲20で、走査範囲を最適な
位置に設定することができる。
囲とレーザ光14の照射範囲(照射スポット)との関係
(図3(a))と、レーザ光14の照射範囲における光
強度の分布状態(図3(b))を示している。試料表面
11の測定のため設定されたカンチレバー12の走査範
囲21は、照射範囲20の中に含まれるように、相対的
に小さいものとして設定される。照射範囲20における
光強度の分布22では、中心部で高くかつ平坦であり、
周辺部で次第に小さくなっている。従って、走査範囲2
1は、照射範囲20の中心部の平坦部を利用するように
設定されることが好ましい。このようにすることによ
り、光検出器17の受光面で反射レーザ光14aのスポ
ット位置が変化するとき、高い精度でカンチレバー12
に生じる変位量を検出することができる。またレーザ光
14による照射範囲20の位置は、コリメータレン15
を動かすことによって調整することができる。そこで、
コリメータレンズ15の位置を調整することによって、
レーザ光14による照射範囲20で、走査範囲を最適な
位置に設定することができる。
【0023】前述の実施形態の構成によれば、カンチレ
バー上にレーザ光のすべてを集光するように構成した従
来の光テコの変位検出装置に比較して、光検出器17に
入射される光量が少なくなり、検出感度としては低下す
るが、その分はレーザ光源13の出力を大きくすること
によって補うことができる。
バー上にレーザ光のすべてを集光するように構成した従
来の光テコの変位検出装置に比較して、光検出器17に
入射される光量が少なくなり、検出感度としては低下す
るが、その分はレーザ光源13の出力を大きくすること
によって補うことができる。
【0024】なお図1において、対物レンズ16の近く
にアパーチャを配置してレーザ光14のビーム径を調整
するように構成することもできる。
にアパーチャを配置してレーザ光14のビーム径を調整
するように構成することもできる。
【0025】図4は、上記光学式位置検出装置を備えた
走査型プローブ顕微鏡の例を示す。フレーム31の上に
Z軸粗動ステージ32が設置され、Z軸粗動ステージ3
2の上に測定対象である試料33が配置される。Z軸粗
動ステージ32は、試料33の側を相対的に大きな変位
でZ軸方向に移動させる装置であり、試料33と探針1
9との距離を調整するときに使用される。探針19を備
えたカンチレバー12は、ホルダ部18を介してXYZ
スキャナ34に取り付けられる。XYZスキャナ34は
フレーム31に固定され、探針19が試料33の表面に
対向するように配置される。XYZスキャナ34は、試
料33の表面を探針19が走査して測定するときに、探
針19をXY平面で走査移動させると共に、探針・試料
間の距離を所定の一定距離に保持するためZ軸方向に微
動を行う。前述の光学式位置検出装置は、カンチレバー
12の上方に配置される。すなわち、レーザ光源14、
コリメータレンズ15、対物レンズ16、および光検出
器17が前述の配置構成で装備される。レーザ光源13
から出射されたレーザ光14は試料33の表面に照射さ
れ、その照射範囲にあるカンチレバー12のミラー部で
一部のレーザ光が反射され、光検出器17に入射され
る。
走査型プローブ顕微鏡の例を示す。フレーム31の上に
Z軸粗動ステージ32が設置され、Z軸粗動ステージ3
2の上に測定対象である試料33が配置される。Z軸粗
動ステージ32は、試料33の側を相対的に大きな変位
でZ軸方向に移動させる装置であり、試料33と探針1
9との距離を調整するときに使用される。探針19を備
えたカンチレバー12は、ホルダ部18を介してXYZ
スキャナ34に取り付けられる。XYZスキャナ34は
フレーム31に固定され、探針19が試料33の表面に
対向するように配置される。XYZスキャナ34は、試
料33の表面を探針19が走査して測定するときに、探
針19をXY平面で走査移動させると共に、探針・試料
間の距離を所定の一定距離に保持するためZ軸方向に微
動を行う。前述の光学式位置検出装置は、カンチレバー
12の上方に配置される。すなわち、レーザ光源14、
コリメータレンズ15、対物レンズ16、および光検出
器17が前述の配置構成で装備される。レーザ光源13
から出射されたレーザ光14は試料33の表面に照射さ
れ、その照射範囲にあるカンチレバー12のミラー部で
一部のレーザ光が反射され、光検出器17に入射され
る。
【0026】光検出器17から出力される信号はサーボ
装置35に入力される。サーボ装置35は、光検出器1
7から出力される変位信号が、演算制御装置36で設定
された基準値と一致するように、XYZスキャナ34の
Z軸方向の微動動作を制御する。観察時、演算制御装置
36は、Z軸粗動ステージ32に指令信号を出力して、
試料33を、探針19(カンチレバー12)に接近させ
る。次に、サーボ装置35の出力信号、すなわちXYZ
スキャナ34のZ軸方向指示信号をモニタしながら、X
YZスキャナ34を駆動し、試料33の表面を探針19
でXY走査する。走査範囲における各測定点のZ軸方向
指示信号を演算制御装置36に入力し、測定点の位置情
報と組み合わせて画像表示データを作成し、表示装置の
画面36aに表示させることにより、試料33の表面の
凹凸情報を得ることができる。
装置35に入力される。サーボ装置35は、光検出器1
7から出力される変位信号が、演算制御装置36で設定
された基準値と一致するように、XYZスキャナ34の
Z軸方向の微動動作を制御する。観察時、演算制御装置
36は、Z軸粗動ステージ32に指令信号を出力して、
試料33を、探針19(カンチレバー12)に接近させ
る。次に、サーボ装置35の出力信号、すなわちXYZ
スキャナ34のZ軸方向指示信号をモニタしながら、X
YZスキャナ34を駆動し、試料33の表面を探針19
でXY走査する。走査範囲における各測定点のZ軸方向
指示信号を演算制御装置36に入力し、測定点の位置情
報と組み合わせて画像表示データを作成し、表示装置の
画面36aに表示させることにより、試料33の表面の
凹凸情報を得ることができる。
【0027】前述の走査型プローブ顕微鏡の構成では、
XY平面にて試料表面を走査移動させるのは軽量なカン
チレバー12の部分のみであり、かつ光テコの光学式変
位検出装置は固定して取り付けられるので、口径の大き
なウェハ等の大きな試料を高速に走査移動して短時間で
測定し、観察する走査型プローブ顕微鏡を実現するに適
している。さらに、試料33の表面に照射されるレーザ
光14の照射範囲が広いので、レーザ光14の光軸14
bの中心にカンチレバー12のミラー部12aを厳密に
合わせる必要がなくなり、光軸調整を容易に行うことが
できるという利点を有する。
XY平面にて試料表面を走査移動させるのは軽量なカン
チレバー12の部分のみであり、かつ光テコの光学式変
位検出装置は固定して取り付けられるので、口径の大き
なウェハ等の大きな試料を高速に走査移動して短時間で
測定し、観察する走査型プローブ顕微鏡を実現するに適
している。さらに、試料33の表面に照射されるレーザ
光14の照射範囲が広いので、レーザ光14の光軸14
bの中心にカンチレバー12のミラー部12aを厳密に
合わせる必要がなくなり、光軸調整を容易に行うことが
できるという利点を有する。
【0028】図5は、光学式変位検出装置の他の実施形
態を示す。この実施形態は、実際の装置に適した光テコ
の光学式変位検出装置を示している。図5において、図
1に示した要素と実質的に同一の要素には同一の符号を
付し、ここでは前述の説明を参照し、詳細な説明を省略
する。本実施形態では、コリメータレンズ15と対物レ
ンズ16の間には、偏向ビームスプリッタ41、1/4
波長板42からなる光学ユニットが配置される。コリメ
ータレンズ15の上側にはレーザ光源13が配置され、
対物レンズ16の下側には、試料33と、探針19を備
えたカンチレバー12が配置される。また偏向ビームス
プリッタ41の側方には集光レンズ43と光検出器17
が配置される。
態を示す。この実施形態は、実際の装置に適した光テコ
の光学式変位検出装置を示している。図5において、図
1に示した要素と実質的に同一の要素には同一の符号を
付し、ここでは前述の説明を参照し、詳細な説明を省略
する。本実施形態では、コリメータレンズ15と対物レ
ンズ16の間には、偏向ビームスプリッタ41、1/4
波長板42からなる光学ユニットが配置される。コリメ
ータレンズ15の上側にはレーザ光源13が配置され、
対物レンズ16の下側には、試料33と、探針19を備
えたカンチレバー12が配置される。また偏向ビームス
プリッタ41の側方には集光レンズ43と光検出器17
が配置される。
【0029】上記の構成によれば、カンチレバー12の
背面のミラー部12aで反射されたレーザ光の光路を確
実に得ることができ、光テコの光学式変位検出装置の光
路をコンパクトに実現できる。
背面のミラー部12aで反射されたレーザ光の光路を確
実に得ることができ、光テコの光学式変位検出装置の光
路をコンパクトに実現できる。
【0030】図6は、図5に示した光学ユニットの構成
を利用して光学式変位検出装置の他の実施形態を示す。
この実施形態は、走査型プローブ顕微鏡と光学顕微鏡を
複合させるのに適した構成となっている。図6におい
て、図1および図5に示した要素と実質的に同一の要素
には同一の符号を付し、ここでは前述の説明を参照し、
詳細な説明を省略する。本実施形態の構成によれば、光
学顕微鏡を用いて、カンチレバー12と試料33を上方
から観察することができる。コリメータレンズ15と偏
向ビームスプリッタ41の間に、さらにハーフミラー5
1が配置される。ハーフミラー51、偏向ビームスプリ
ッタ41、1/4波長板42からなる光学ユニットは、
図中点線52で示される光テコとして用いられるレーザ
光の光路と、実線53で示される光学顕微鏡の照明光の
光路を形成するための光路部材として機能する。当該光
学ユニットにおいて2つの異なる光路が作られる。
を利用して光学式変位検出装置の他の実施形態を示す。
この実施形態は、走査型プローブ顕微鏡と光学顕微鏡を
複合させるのに適した構成となっている。図6におい
て、図1および図5に示した要素と実質的に同一の要素
には同一の符号を付し、ここでは前述の説明を参照し、
詳細な説明を省略する。本実施形態の構成によれば、光
学顕微鏡を用いて、カンチレバー12と試料33を上方
から観察することができる。コリメータレンズ15と偏
向ビームスプリッタ41の間に、さらにハーフミラー5
1が配置される。ハーフミラー51、偏向ビームスプリ
ッタ41、1/4波長板42からなる光学ユニットは、
図中点線52で示される光テコとして用いられるレーザ
光の光路と、実線53で示される光学顕微鏡の照明光の
光路を形成するための光路部材として機能する。当該光
学ユニットにおいて2つの異なる光路が作られる。
【0031】レーザ光源13、対物レンズ16、試料3
3、カンチレバー12、集光レンズ43、光検出器17
の配置は図5に示したものと同じである。さらに、ハー
フミラー51の側方に光学顕微鏡のユニットが配置され
る。光学顕微鏡は、光を分けるハーフミラー54、コリ
メータレンズ55、照明用光源56、集光レンズ57、
CCDカメラ58を備えている。
3、カンチレバー12、集光レンズ43、光検出器17
の配置は図5に示したものと同じである。さらに、ハー
フミラー51の側方に光学顕微鏡のユニットが配置され
る。光学顕微鏡は、光を分けるハーフミラー54、コリ
メータレンズ55、照明用光源56、集光レンズ57、
CCDカメラ58を備えている。
【0032】図6に示した構成において、レーザ光源1
3から出たレーザ光はコリメータレンズ15を経てハー
フミラー51、偏向ビームスプリッタ41、1/4波長
板42を透過し、対物レンズ16で集光されて、試料3
3の上に照射される。なお、F1は設定されたレーザ光
の焦点である。カンチレバー12のミラー部12aで反
射された一部のレーザ光は、対物レンズ16、1/4波
長板42を透過し、偏向ビームスプリッタ41で反射さ
れ、集光レンズ43で集光されて、光検出器17で焦点
を結ぶ。走査移動によってカンチレバー12が移動する
とき、カンチレバー12にたわみ変形が起きない限り、
光検出器17における反射レーザ光のスポット位置は変
化しない。また、試料33の表面におけるレーザ光の照
射範囲の大きさは、コリメータレンズ15の位置を変化
させることにより自由に設定することができる。その場
合には、光検出器17における焦点位置が変化するの
で、集光レンズ43の位置を動かして再調整することが
できる。
3から出たレーザ光はコリメータレンズ15を経てハー
フミラー51、偏向ビームスプリッタ41、1/4波長
板42を透過し、対物レンズ16で集光されて、試料3
3の上に照射される。なお、F1は設定されたレーザ光
の焦点である。カンチレバー12のミラー部12aで反
射された一部のレーザ光は、対物レンズ16、1/4波
長板42を透過し、偏向ビームスプリッタ41で反射さ
れ、集光レンズ43で集光されて、光検出器17で焦点
を結ぶ。走査移動によってカンチレバー12が移動する
とき、カンチレバー12にたわみ変形が起きない限り、
光検出器17における反射レーザ光のスポット位置は変
化しない。また、試料33の表面におけるレーザ光の照
射範囲の大きさは、コリメータレンズ15の位置を変化
させることにより自由に設定することができる。その場
合には、光検出器17における焦点位置が変化するの
で、集光レンズ43の位置を動かして再調整することが
できる。
【0033】一方、照明用光源56から出た照明光は、
コリメータレンズ55を経て、ハーフミラー54,51
で反射され、偏向ビームスプリッタ41、1/4波長板
42を透過し、対物レンズ16で試料33の表面の近傍
を照射する。照明光の照射範囲はコリメータレンズ55
の位置を動かして調整される。対物レンズ16に戻って
きた光は、1/4波長板42、偏向ビームスプリッタ4
1、ハーフミラー51,54を経て、さらに集光レンズ
57で集光されてCCDカメラ58に入射される。光学
顕微鏡としての焦点合せは、集光レンズ57の位置を動
かすことにより行われる。
コリメータレンズ55を経て、ハーフミラー54,51
で反射され、偏向ビームスプリッタ41、1/4波長板
42を透過し、対物レンズ16で試料33の表面の近傍
を照射する。照明光の照射範囲はコリメータレンズ55
の位置を動かして調整される。対物レンズ16に戻って
きた光は、1/4波長板42、偏向ビームスプリッタ4
1、ハーフミラー51,54を経て、さらに集光レンズ
57で集光されてCCDカメラ58に入射される。光学
顕微鏡としての焦点合せは、集光レンズ57の位置を動
かすことにより行われる。
【0034】上記の構成によれば、光テコの光学式変位
検出装置のレーザ光の光路と、光学顕微鏡の照明光の光
路を共通の光学ユニットで得ることができ、走査型プロ
ーブ顕微鏡と光学顕微鏡の複合化を容易にかつコンパク
トな装置構成で達成することができる。また対物レンズ
16を共用しながら、光テコ用のレーザ光の照射スポッ
トのサイズと光学顕微鏡の焦点合せを独立に行うことが
できる。本実施形態の構成によれば、走査型プローブ顕
微鏡と光学顕微鏡を同軸構造で構成するにあたって、光
テコの光路を設計を容易に行うことができる。
検出装置のレーザ光の光路と、光学顕微鏡の照明光の光
路を共通の光学ユニットで得ることができ、走査型プロ
ーブ顕微鏡と光学顕微鏡の複合化を容易にかつコンパク
トな装置構成で達成することができる。また対物レンズ
16を共用しながら、光テコ用のレーザ光の照射スポッ
トのサイズと光学顕微鏡の焦点合せを独立に行うことが
できる。本実施形態の構成によれば、走査型プローブ顕
微鏡と光学顕微鏡を同軸構造で構成するにあたって、光
テコの光路を設計を容易に行うことができる。
【0035】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明によ
れば、光テコの光学式変位検出装置を備えた走査型プロ
ーブ顕微鏡において、走査移動させる装置部をカンチレ
バーおよびこれに関連する機構部のみとし、光源、受光
器、光路部材等のユニットは固定し照射範囲を大きく設
定できるように構成したため、カンチレバーヘ入射され
るレーザ光をカンチレバーの動きに合せるための構成を
不要とし、構成が簡易となり、走査速度を高めることが
できる。また広域走査を行える走査型プローブ顕微鏡を
容易に構成できる。さらに、入射されるレーザ光の強度
分布の緩やかな平坦部を利用するので、カンチレバーの
交換時に光軸調整を容易に行うことができる。このこと
は、カンチレバーの交換を自動化する場合に非常に有効
である。
れば、光テコの光学式変位検出装置を備えた走査型プロ
ーブ顕微鏡において、走査移動させる装置部をカンチレ
バーおよびこれに関連する機構部のみとし、光源、受光
器、光路部材等のユニットは固定し照射範囲を大きく設
定できるように構成したため、カンチレバーヘ入射され
るレーザ光をカンチレバーの動きに合せるための構成を
不要とし、構成が簡易となり、走査速度を高めることが
できる。また広域走査を行える走査型プローブ顕微鏡を
容易に構成できる。さらに、入射されるレーザ光の強度
分布の緩やかな平坦部を利用するので、カンチレバーの
交換時に光軸調整を容易に行うことができる。このこと
は、カンチレバーの交換を自動化する場合に非常に有効
である。
【0036】また本発明によれば、光テコの光学式変位
検出装置を備えた走査型プローブ顕微鏡と、この顕微鏡
による微細観察位置を同定するための比較的高倍率の光
学顕微鏡を同軸構造で複合化させるときに、光学式変位
検出装置の主要部材が光学顕微鏡の構成部分に干渉する
ことがなく、両顕微鏡の複合化を容易に実現することが
できる。
検出装置を備えた走査型プローブ顕微鏡と、この顕微鏡
による微細観察位置を同定するための比較的高倍率の光
学顕微鏡を同軸構造で複合化させるときに、光学式変位
検出装置の主要部材が光学顕微鏡の構成部分に干渉する
ことがなく、両顕微鏡の複合化を容易に実現することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するための要部構成図であ
る。
る。
【図2】カンチレバーの詳細を示し、(a)は側面図、
(b)は平面図である。
(b)は平面図である。
【図3】レーザ光の照射範囲とカンチレバーの走査範囲
の関係を示し、(a)は平面図、(b)は照射範囲にお
けるレーザ光の強度の分布図である。
の関係を示し、(a)は平面図、(b)は照射範囲にお
けるレーザ光の強度の分布図である。
【図4】走査型プローブ顕微鏡としての全体構成を示す
概略図である。
概略図である。
【図5】光学式変位検出装置の代表例を示す構成図であ
る。
る。
【図6】図5に示した光学式変位検出装置を利用して走
査型プローブ顕微鏡と光学顕微鏡を組み合わせた装置を
示す構成図である。
査型プローブ顕微鏡と光学顕微鏡を組み合わせた装置を
示す構成図である。
11 試料表面 12 カンチレバー 13 レーザ光源 14 レーザ光 15 コリメータレンズ 16 対物レンズ 17 光検出 18 ホルダ部 19 探針 20 照射範囲 21 走査範囲 41 偏向ビームスプリッタ 42 1/4波長板 43 集光レンズ 51,54 ハーフミラー 55 コリメータレンズ 56 照明用光源 57 集光レンズ 58 CCDカメラ
Claims (6)
- 【請求項1】 試料に接近し対向して配置される探針を
備えたカンチレバーと、当該カンチレバーのたわみ変形
で生じる変位量を検出する光学式変位検出手段と、前記
試料の表面に対し前記カンチレバーを相対的に走査させ
る走査手段と、前記試料と前記探針の距離を変化させる
駆動手段と、前記光学式変位検出手段により得られる変
位信号が設定値と一致するように前記駆動手段を制御す
る制御手段を備えた走査型プローブ顕微鏡において、 前記光学式変位検出手段は、前記カンチレバーにレーザ
光を照射するレーザ光源と、前記カンチレバーで反射さ
れたレーザ光を受け前記変位量を検出する光検出器と、
前記レーザ光源から出射された前記レーザ光を、反射さ
れた後、前記光検出器の中心で焦点を結ばせる光学手段
とを備え、前記光学式変位検出手段は固定して取り付け
られ、前記走査手段は前記カンチレバーのみを走査移動
するようにしたことを特徴とする走査型プローブ顕微
鏡。 - 【請求項2】 前記走査手段による走査範囲は、前記レ
ーザ光による照射範囲に含まれることを特徴とする請求
項1記載の走査型プローブ顕微鏡。 - 【請求項3】 光学顕微鏡と、前記光学式変位検出手段
の光路とこれ以外の他の光路を形成するハーフミラーお
よび偏向ビームスプリッタとを備え、前記光学顕微鏡は
前記他の光路を利用して前記試料を観察するように構成
されることを特徴とする請求項1または2記載の走査型
プローブ顕微鏡。 - 【請求項4】 試料に接近し対向して配置される探針を
備えたカンチレバーと、前記試料の表面に対し前記カン
チレバーを相対的に走査させる走査手段と、前記試料と
前記探針の距離を変化させる駆動手段と、この駆動手段
を制御する制御手段を備えた走査型プローブ顕微鏡に用
いられ、 前記カンチレバーにレーザ光を照射するレーザ光源と、
前記カンチレバーで反射されたレーザ光を受ける光検出
器と、前記反射されたレーザ光を前記光検出器の中心で
焦点を結ばせる光学手段と、前記レーザ光の光路とこれ
以外の他の光路を形成する光路部材とからなり、前記カ
ンチレバーのたわみ変形で生じる変位量を検出し、この
変位信号を前記制御手段に送るように構成され、かつ固
定して取り付けられたことを特徴とする走査型プローブ
顕微鏡の光学式変位検出装置。 - 【請求項5】 前記他の光路を利用して前記試料の表面
を観察する光学顕微鏡が付設されることを特徴とする請
求項4記載の走査型プローブ顕微鏡の光学式変位検出装
置。 - 【請求項6】 前記光路部材は、ハーフミラーと偏向ビ
ームスプリッタを含むことを特徴とする請求項4または
5記載の走査型プローブ顕微鏡の光学式変位検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9022103A JPH10206148A (ja) | 1997-01-21 | 1997-01-21 | 走査型プローブ顕微鏡およびその光学式変位検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9022103A JPH10206148A (ja) | 1997-01-21 | 1997-01-21 | 走査型プローブ顕微鏡およびその光学式変位検出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10206148A true JPH10206148A (ja) | 1998-08-07 |
Family
ID=12073561
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9022103A Pending JPH10206148A (ja) | 1997-01-21 | 1997-01-21 | 走査型プローブ顕微鏡およびその光学式変位検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10206148A (ja) |
-
1997
- 1997-01-21 JP JP9022103A patent/JPH10206148A/ja active Pending
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