JPH10203309A - シートベルト用リトラクター - Google Patents

シートベルト用リトラクター

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JPH10203309A
JPH10203309A JP9011503A JP1150397A JPH10203309A JP H10203309 A JPH10203309 A JP H10203309A JP 9011503 A JP9011503 A JP 9011503A JP 1150397 A JP1150397 A JP 1150397A JP H10203309 A JPH10203309 A JP H10203309A
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JP
Japan
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sensor case
sensor
retractor
vehicle body
webbing
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JP9011503A
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English (en)
Inventor
Masanao Fukunaga
誠直 福永
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リトラクターがシートバック内に取付けら
れ、シートバックが異なる傾動位置にあるときに作動可
能であるにもかかわらず、車体の加速度を安定して確実
に感知することができる信頼性の高い車体感知手段を提
供する。 【解決手段】 車体感知手段32は、ラチェットホイール
19の歯19a に係合する第1の位置と歯19a に係合しない
第2の位置とにそれぞれ位置するべくリトラクターベー
ス1に回動自在に取付けられたセンサーアーム31と、シ
ートバックの調節軸線に対して平行な回動軸線を中心と
して回動可能に支持されたセンサーケース30と、所定以
上の速度変化を受けるとセンサーアーム31を前記第1の
位置に移動させるボールウェイト33と、所定以上の速度
変化を受けた際にセンサーケース30の回動力を相殺する
ように該センサーケース30に係合し、センサーケース30
の移動を抑制するカウンターウェイト34とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シートベルト用リ
トラクターに関し、特に車両等のリクライニング式シー
トのシートバック内に取り付けられるシートベルト用リ
トラクターの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両の乗員等を座席に安全に保持
するためのシートベルト装置のリトラクターは、シート
ベルト不使用時に自動的にウェビングを引込む装置であ
り、シートベルト使用時には自由にウェビングの長さが
変えられる巻取り装置である。このようなリトラクター
には、自動ロック式リトラクターや緊急ロック式リトラ
クター等があるが、一般には、乗員を過度に拘束して装
着者に圧迫感を与えるといった問題を解決するために、
急な加速、衝突又は減速に反応する慣性感知手段によっ
てリトラクターを物理的にロックする緊急ロック機構を
備えて乗員を効果的及び安全に拘束すると共にウェビン
グによる圧迫感を低減する緊急ロック式リトラクターが
用いられている。
【0003】更に、こうした緊急ロック式リトラクター
に用いられる慣性感知手段としては、車体の加速度を感
知する車体感知手段がある。車体感知手段は、例えば慣
性体が車体の衝突や傾斜で移動すると、該慣性体の上部
に設けられたアームを揺動し、ウェビングが巻装された
巻取軸のウェビング引き出し方向の回転をロックするロ
ック手段を作動させる構成である。
【0004】一方、上述の如きリトラクターを車両等の
リクライニング式シートのシートバック内に取付け、シ
ートバック(シート背もたれ)が異なる位置で傾斜して
いるときに作動可能である車体感知手段を備えたシート
ベルト装置が、特開平8−80807号公報等に開示さ
れている。このような車体感知手段は、第二の慣性部材
(センサーケース)上で移動可能に支持された第一の慣
性部材(慣性体)と、第二の慣性部材上に支持され、第
一の慣性部材により揺動させられるセンサーレバー(セ
ンサーアーム)とを備えている。第二の慣性部材はリト
ラクターが取付けられたシートバックの調節軸線に対し
て平行に伸長する軸線を中心として枢動可能に支持され
ている。前記第一の慣性部材は、前記センサーレバーを
動かして第一の軸線を中心として回転可能なラチェット
に補助歯を係合させることにより、巻取軸がウェビング
引き出し方向に回転するのを妨害する。
【0005】そこで、シートバックの角度が調節されて
異なる傾動位置にあるときは、シートバックに取付けら
れたリトラクター本体も異なる傾斜方向となるが、第二
の慣性部材が枢動可能に支持されているので、第一及び
第二の慣性部材は常に垂直方向に留まることができる。
そして、車両衝突時などの急激な減速時には、枢動可能
に支持された第二の慣性部材の中心質量の垂直上方にあ
る第一の慣性部材が第二の慣性部材よりも速く動くの
で、該第一の慣性部材はセンサーレバーを介して補助爪
をラチェットに係合させることができる。この結果、巻
取軸のウェビング引き出し方向への回転が妨害され、乗
員が拘束される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記特開平
8−80807号公報等に開示された車体感知手段は、
車両急減速時に第一の慣性部材に作用する慣性力が第二
の慣性部材に作用する慣性力より小さい差の分だけ第二
の慣性部材より速く動くことによって、車体の加速度を
感知するものである。
【0007】そこで、リトラクターに対する第二の慣性
部材のレイアウト等によっては、第一の慣性部材と第二
の慣性部材との慣性力の差が小さくなり、第二の慣性部
材が第一の慣性部材と共に動いてしまって加速度検知が
難くなる場合がある。即ち、第二の慣性部材が第一の慣
性部材と共に動いて枢動すると、第一の慣性部材を移動
可能に支持している第二の慣性部材の傾斜面(支持面)
の傾斜角度も大きくなり、第一の慣性部材が移動し難く
なるので、車体感知手段のセンサー感度が鈍くなってし
まう。
【0008】又、このような車体感知手段の感度は、車
体減速度の大小に応じて動的に変化してしまう為、セン
サー感度設定の自由度が極めて小さくなるという問題が
ある。従って、本発明の目的は上記課題を解消すること
にあり、リトラクターがシートバック内に取り付けら
れ、シートバックが異なる傾動位置にあるときに作動可
能であるにもかかわらず、車体の加速度を安定して確実
に感知することができる信頼性の高い車体感知手段を備
えたシートベルト用リトラクターを提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、ウ
ェビングを巻装するリトラクターの巻取軸と、該巻取軸
のウェビング引出し方向への回転をロックするロック手
段と、所定の車体加速度を感知して前記ロック手段を作
動させる車体感知手段とを備えたシートベルト用リトラ
クターにおいて、前記車体感知手段が、前記ロック手段
を作動させる第1の位置と前記ロック手段を作動させな
い第2の位置とにそれぞれ位置するべくリトラクターベ
ースに回動自在に取付けられたセンサーアームと、シー
トバックの調節軸線に対して平行に伸長する回動軸線を
中心として回動可能に支持されたセンサーケースと、所
定以上の速度変化を受けると前記センサーケース上を相
対移動し、前記センサーアームを前記第1の位置に移動
させる慣性体と、所定以上の速度変化を受けた際に前記
センサーケースの回動力を相殺するように該センサーケ
ースに係合し、前記センサーケースの移動を抑制する移
動抑制手段とを備えたことを特徴とするシートベルト用
リトラクターにより達成される。
【0010】上記構成によれば、所定以上の速度変化を
受けた際、移動抑制手段が前記センサーケースの回動力
を相殺するように該センサーケースに係合してセンサー
ケースの移動を抑制するので、慣性体のセンサーケース
に対する相対移動量の低下が防止される。尚、好ましく
は前記移動抑制手段が、自転中心と、該自転中心と一致
しない重心とを有し、所定以上の加速度による該移動抑
制手段の回転力により、前記加速度による前記センサー
ケースの回動力を相殺する。
【0011】又、好ましくは前記移動抑制手段が、前記
センサーケースの回動軸線に対して平行な公転軸を中心
として自公転可能に軸支されたカウンターウェイトと、
公転したカウンターウェイトが常時接触可能な係合面を
有するセンサーケースとを備えると共に、前記カウンタ
ーウェイトの重心が自転軸を挟んで前記センサーケース
の係合面と反対側に位置させられる。但し、前記カウン
ターウェイトは、前記センサーケースと前記慣性体の重
量よりも重く、前記係合面においては、センサーケース
及びカウンターウェイトが互いに摩擦係合又は噛合され
る。
【0012】更に、好ましくは前記カウンターウェイト
の公転軸及び自転軸が、前記センサーケースの回動軸線
及び重心を結ぶ直線上に位置させられる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
の一実施形態を詳細に説明する。図1及び図2は本発明
の第1実施形態に基づくシートベルト用リトラクター1
00の要部側面図及び要部正面縦断面図であり、図3は
図1に示したシートベルト用リトラクター100をリク
ライニング式シートに取付けた車体の一部概略側面図で
ある。
【0014】本実施形態のシートベルト用リトラクター
100は、図3に示すように、車体60に取付けられた
シート61のリクライニング式シートバック62内に配
設されている。該シートバック62は、調節軸線71を
中心として枢動し得るようにシートの底部クッションに
接続されており、乗員の体格などによって異なる角度の
傾動位置に調節される。
【0015】前記シートベルト用リトラクター100
は、図2に示すように、ウェビング70が巻装される略
円筒状のボビン2と、該ボビン2を挿通してリトラクタ
ーベース1に回転自在に支持される共に、爪車であるラ
ッチプレート4aを一端側(図2中、右側)に備えた巻
取軸4と、車両緊急時に前記ラッチプレート4aのウェ
ビング引出し方向の回転を阻止する緊急ロック機構30
0とを備えている。そして、シートバック62に形成さ
れたスロット43を貫通して該リトラクター100から
伸長したウェビング70は、乗員をシート61に拘束す
る。
【0016】前記シートバック62のフレーム部材(図
示せず)に固定される前記リトラクターベース1は、そ
の大部分がコの字状断面を有するように金属板をプレス
成形したものであり、左右の側板1aの対向位置には前
記ボビン2と組み合わされた巻取軸4が回動自在に橋架
されている。前記リトラクターベース1の側板1aを挿
通した巻取軸4の他端部には、該巻取軸4を介して前記
ボビン2をウェビング巻取り方向に常時付勢する公知の
巻取りばね装置(図示せず)が装備されている。
【0017】本発明において、車両緊急時に前記巻取軸
4のウェビング引出し方向への回転を拘束する緊急ロッ
ク機構300の具体的な構成は、公知の種々のものを採
用することができる。例えば、本実施形態の場合、図2
に示すように、前記ラッチプレート4aの外方には巻取
り軸4の一部が突出され、そこにはテンションプレート
9と、内歯13aを有するラッチ部材であるラッチカッ
プ13とが遊嵌されている。なお、ラッチカップ13に
形成されたスプリングハンガ13bとテンションプレー
ト9に形成されたスプリングハンガ9aとにはリターン
スプリング12が装着され、ラッチカップ13は矢印X
2 方向に回動する付勢力が作用されている。更に、前記
ラッチカップ13の外側に位置する巻取り軸4には、前
記内歯13aに係合可能なロック部材15を保持するフ
ランジ14が固着されている。
【0018】更に、ロック部材15の外側には、前記巻
取り軸4に螺着されたタッピングスクリュー20に遊嵌
された慣性部材であるラチェットホイール19が設けら
れており、その外周面には、後述の車体感知手段32の
センサーアーム31と係合するためのベルト引き出し方
向を向いた歯19aが複数個形成されている。又、該ラ
チェットホイール19の内側に設けられた装着部には、
フリクションスプリング18が摺動可能に装着されてお
り、該フリクションスプリング18がロック部材15に
係合されているので、ラチェットホイール19は巻取り
軸4と一体的に回転し、且つ該巻取り軸4に対して相対
変位が可能である。
【0019】そして、図1に示すように、前記ラッチプ
レート4aに係合することによりラッチプレート4aの
ウェビング引き出し方向(矢印X1 方向)の回転を抑止
する爪部材であるポール11が、ポールピン10を介し
てラッチプレート4aから係脱可能に側板1a外方に軸
支されている。そして、ポール11にはポールガイド突
起11bが突設され、該ポールガイド突起11bはラッ
チカップ13の外周部に突出形成されているポールガイ
ド孔13cに挿入される。
【0020】即ち、前記緊急ロック機構300は、ロッ
ク作動手段であるラチェットホイール19が巻取軸4に
対して回転遅れを生じることにより、前記ロック部材1
5をセンサースプリング16の付勢力に抗して前記ラッ
チカップ13の内歯13aに係合させ、該ラッチカップ
13を介してロック手段であるポール11の係合部11
aをラッチプレート4aに係合させることによって巻取
軸4のウェビング引出し方向の回転を阻止する。
【0021】更に、前記ラチェットホイール19の下方
には、該ラチェットホイール19の係合部である歯19
aに係合可能なセンサーアーム31と共に車体感知手段
32を構成するセンサーケース30が、前記リトラクタ
ーベース1に対して回動自在に配設されている。尚、本
発明における「ロック手段」は、上記緊急ロック機構か
ら車体感知手段32を除いたものを意味する。
【0022】前記車体感知手段32は、前記ラチェット
ホイール19の歯19aに係合する第1の位置と前記歯
19aに係合しない第2の位置とにそれぞれ位置するべ
く前記リトラクターベース1の側板1aに取付けられた
センサーアーム31と、所定以上の速度変化を受けると
前記センサーケース30上を相対移動し、前記センサー
アーム31を前記第1の位置に移動させる慣性体である
ボールウエイト33と、所定以上の速度変化を受けた際
に前記センサーケース30の回動力を相殺するように該
センサーケース30に係合し、センサーケース30の移
動を抑制する移動抑制手段としてのカウンターウェイト
34とを備える。
【0023】前記センサーアーム31は、リトラクター
ベース1に支持部材35を介して揺動可能に支持されて
おり、前記ラチェットホイール19の歯19aに係合し
ない位置(図1に示す位置)から、該歯19aに係合す
る位置(図6に示す位置)まで変位可能である。すなわ
ちセンサーアーム31は、前記ラチェットホイール19
の歯19aに係合して該ラチェットホイール19を巻取
軸4に対して回転遅れを生じさせることにより、ラッチ
カップ13を介してポール11の係合部11aをラッチ
プレート4aに係合させ、巻取軸4のウェビング引出し
方向の回転を阻止する。
【0024】前記センサーケース30は、ボールウェイ
ト33が載置されるボールウェイト支持面としての円錐
状凹部30aを備えると共に、所定の箇所(図1では2
箇所)を肉抜き37を施されており、剛性等を損なうこ
となく、センサーケース30自体の慣性質量ができるだ
け小さくなるように配慮されている。そして、該センサ
ーケース30は、前記側板1aの外側面に取付けられた
一対の支持アームに一対の支軸36が軸支されており、
前記シートバック62の調節軸線71に対して平行に伸
長する回動軸線Cを中心にして前記リトラクターベース
1に対して回動自在である。更に、該センサーケース3
0には、カウンターウェイト34と常時接触可能な係合
面41が形成されている。
【0025】前記ボールウェイト33は、所定値以上の
車体加速度変化を受けた際、センサーケース30上を相
対移動することにより、センサーアーム31を前記第1
の位置に移動させる。前記カウンターウェイト34は、
支持アーム38の揺動端部(図1中下端部)に、回動軸
線Cとほぼ平行な支軸39を中心として回動可能に支持
されており、該支持アーム38はセンサーケース30の
回動軸である支軸36に揺動可能に支持されている。そ
こで、該カウンターウェイト34は、公転軸としての該
支軸36を中心として自公転可能に軸支されている。更
に、円柱状のカウンターウェイト34は、外周面40が
センサーケース30に形成された円弧状の前記係合面4
1に係合されており、センサーケース30との摩擦係合
によって、常時センサーケース30と連動する。
【0026】前記カウンターウェイト34の重心は、前
記支軸39を挟んで前記センサーケース30の係合面4
1と反対側、すなわち自転中心となる支軸39よりも鉛
直下方に位置しており、自転軸とは一致しない。カウン
ターウェイト34の重心が、自転中心よりも鉛直下方に
位置することで、センサーケース30及びカウンターウ
ェイト34に同一方向の慣性力が作用した場合、カウン
ターウェイト34にはセンサーケース30とは逆向きの
回転力が生じる。また、カウンターウェイト34の慣性
質量は、ボールウェイト33及びセンサーケース30の
慣性質量の和よりも大きく設定される。
【0027】そこで、カウンターウェイト34は、所定
以上の車体加速度変化を受けた際、前記センサーケース
30の回動力を相殺するように該センサーケース30に
係合してセンサーケース30の移動を抑制する。即ち、
カウンターウェイト34は、車体加速度変化に伴ってセ
ンサーケース30に作用する慣性力を、センサーケース
30が慣性力によって回動しようとする方向と同一方向
に公転しながら自転することにより相殺し、慣性力によ
るセンサーケース30の回動を抑制する。尚、カウンタ
ーウェイト34は、所定の慣性質量及び重心位置が確保
できるものであればよく、例えば流動可能な物体(砂鉄
等)を円筒部材内に封入したものでもよい。
【0028】又、センサーケース30、ボールウェイト
33及びカウンターウェイト34のそれぞれの重心は、
同一鉛直線上に位置する。更に、センサーアーム31と
ラチェットホイール19との位置関係は、シートバック
62がリクライニングしても不変である。即ち、シート
バック62のリクライニングに伴ってリトラクターベー
ス1が傾動すると、センサーケース30及びカウンター
ウェイト34は自重により重力方向に回動し、常に一定
の対地角度に保たれる。そして、ボールウェイト33
は、センサーアーム28を前記第2の位置に位置させる
通常位置に位置したままである(図4,5参照)。この
時、センサーケース30の回動軸線Cがボールウェイト
33の重心と同一軸上にあることから、ボールウェイト
33の重心位置は変化せず、したがってラチェットホイ
ール19の歯19aに対するセンサーアーム31の相対
位置は変わらない。
【0029】次に、上記シートベルト用リトラクター1
00の作動について説明する。先ず、図3に示したよう
に、シート61のシートバック62は、調節軸線71を
中心としてシートの底部クッションに対して傾斜させ、
前記リトラクター100を複数の異なる傾動位置に配置
することができる。図4は、シートバック62を最も前
方に位置させた状態の前記リトラクター100であり、
該リトラクター100の部品は、車体60が矢印A方向
に一定速度で前方に動く状態を示してある。
【0030】前記センサーケース30は、前記リトラク
ター100のその他の部品に対して所定の方向である鉛
直方向にあり、ボールウェイト33は傾斜面である円錐
状凹部30aの通常位置に載置されている。そこで、前
記センサーアーム31は、ラチェットホイール19の歯
19aから離間され、係合しない第2の位置に位置して
おり、ポール11の係合部11aをラッチプレート4a
に係合させることはない。又、通常使用状態において
は、ラッチカップ13はスプリングハンガ13bとテン
ションプレート9のスプリングハンガ9aとに装着され
たリターンスプリング12の付勢力によってウェビング
巻取り方向(矢印X2 方向)に付勢されており、ポール
ガイド孔13cにポールガイド突起11bが係合するポ
ール11はラッチプレート4aと非係合な矢印Z 2 方向
に付勢されており、更にロック部材15はセンサースプ
リング16の付勢力によりラッチカップ13の内歯13
dと非歯合な位置に付勢されている。従って、車体感知
手段32は非作動状態であり、ウェビング70の引き出
しは自在である。
【0031】一方、前記シートバック62が調節軸線7
1を中心としてシートの底部クッションに対して傾斜さ
せられ、シートバック62を最も後方に位置させた状態
に傾けられると、図5に示した前記リトラクター100
のように、シートバック62に固定されたリトラクター
ベース1も図3中時計回り方向へ傾けられる。すると、
センサーケース30は自重により重力方向に回動し、常
に一定の対地角度に保たれる。そこで、ボールウェイト
33は、図5に示すように、センサーアーム31を前記
第2の位置に位置させる通常位置に位置したままであ
る。
【0032】この時、センサーケース30の回動軸線C
がボールウェイト33の重心と同一軸上にあることか
ら、ボールウェイト33の重心位置は変化せず、したが
ってラチェットホイール19の歯19aに対するセンサ
ーアーム31の相対位置はシートバック62の傾動位置
によって変化することはない。従って、車体感知手段3
2は、センサーケース30がリトラクターベース1に対
して異なる傾動位置にあるときにも感度変化を生じるこ
とはない。
【0033】しかして、衝突等の車両緊急時にシートベ
ルト用リトラクター100に車体加速度が加わり、車体
感知手段32が所定以上の速度変化を受けると、例えば
図6に示すように、ボールウェイト33が慣性力によっ
てセンサーケース30上を相対移動し、センサーアーム
31を押し上げるので、センサーアーム31を前記第1
の位置に位置させる。
【0034】この時、センサーケース30及びカウンタ
ーウェイト34にも、同一方向の慣性力が作用するが、
重心が自転軸である支軸39と一致していない該カウン
ターウェイト34は慣性力により支軸36を中心として
公転しながら図6中時計回り方向に自転する。すると、
外周面40がセンサーケース30の係合面41に摩擦係
合されているカウンターウェイト34は、センサーケー
ス30を図6中反時計回り方向へ回動させ、慣性力によ
るセンサーケース30の図6中時計回り方向への回動を
抑制する。
【0035】これにより、車両緊急時に円錐状凹部30
aの傾斜角度が大きくなるセンサーケース30の図6中
時計回り方向への回動が抑制され、センサーケース30
に対するボールウェイト33の相対移動量の低下、すな
わちセンサ感度の低下が確実に防止される。そこで、図
6に示すように、センサーアーム31がラチェットホイ
ール19の歯19aに噛み合わされ、ラチェットホイー
ル19のベルト引き出し方向の回転が確実に阻止され
る。そして、ラチェットホイール19が回動を阻止され
た状態でウェビング70が更に引き出されると、ラチェ
ットホイール19が巻取り軸4のウェビング引き出し方
向の回転に対し回転遅れを生じる。すると、前記ロック
部材15がセンサースプリング16の付勢力に抗して前
記ラッチカップ13の内歯13aに係合させられ、該ラ
ッチカップ13を介してポール11の係合部11aをラ
ッチプレート4aに係合させるので、巻取軸4のウェビ
ング引出し方向の回転が阻止され、ウェビング70の引
き出しがロックされる。
【0036】又、本実施形態の緊急ロック機構300
は、車両緊急時にウェビング70にテンションがかか
り、巻取り軸4に所定以上の衝撃的なウェビング引き出
し方向(矢印X1 方向)の回動力が作用された場合に
も、前記ラチェットホイール19は慣性力を受けて巻取
り軸4のウェビング引き出し方向の回転に対し回転遅れ
を生じるので、上述の如くポール11の係合部11aが
ラッチプレート4aに係合させられ、ウェビング70の
引き出しがロックされる。
【0037】図7は、本発明の第2実施形態であるシー
トベルト用リトラクター200を示す要部側面図であ
る。本実施形態のシートベルト用リトラクター200
は、所定以上の速度変化を受けた際にセンサーケース5
2の回動力を相殺するように該センサーケース52に係
合し、センサーケース52の移動を抑制する移動抑制手
段を構成するカウンターウェイト51及びセンサーケー
ス52が、互いにギヤ歯53,53によってギヤ噛合さ
れている点で上記第1実施形態のシートベルト用リトラ
クター100とは異なり、その他の構成及び作用効果に
ついては上記第1実施形態と同一である。
【0038】上述のような各実施形態によれば、車体加
速度変化の大小によるセンサ感度の変化を極力抑えるこ
とができ、車体加速度変化を高い信頼性を以て正確かつ
確実に感知して、ロック手段によるウェビング引出しの
ロック動作を確実に行うことができる。加えて、センサ
感度が車体加速度変化の大小に応じて動的に変化するこ
とを確実に防止することができ、センサ感度設定の自由
度を大きくすることができる。
【0039】例えば、センサーケースの慣性質量よりも
カウンターウェイトの慣性質量を大きくすることによ
り、ロック手段を作動させる減速度入力時の車体感知手
段の感度を敏感側に変化させることができる。又、ロッ
ク手段を作動しない時の車体感知手段の感度を鈍感側に
設定できるので、オフロード走行時の車体振動等による
不用意なロック作動を回避することもできる。
【0040】尚、上記各実施形態においては、慣性体と
してボールウェイト33を用いたが、本発明はこれに限
定されるものではなく、例えば略円筒形状のスタンディ
ングウェイトを用いることもできる。また、本発明にお
けるロック手段、ロック作動手段及び車体感知手段等の
構成も、上記各実施形態の構成に限定されるものではな
く、本発明の主旨に基づいて適宜変更可能であることは
勿論である。
【0041】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、所定以上
の速度変化を受けた際、移動抑制手段がセンサーケース
の回動力を相殺するように該センサーケースに係合して
センサーケースの移動を抑制するので、慣性体のセンサ
ーケースに対する相対移動量の低下が防止される。
【0042】そこで、慣性体による速度変化の感知感度
の低下を確実に防止することができる。これにより、速
度変化の大小による感度変化を極力抑えることができ、
速度変化を正確かつ確実に感知することができる。従っ
て、リトラクターがシートバック内に取り付けられ、シ
ートバックが異なる傾動位置にあるときに作動可能であ
るにもかかわらず、車体の加速度を安定して確実に感知
することができる信頼性の高い車体感知手段を備えたシ
ートベルト用リトラクターを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に基づくシートベルト用
リトラクターの要部側面図である。
【図2】図1に示したシートベルト用リトラクターの要
部正面縦断面図である。
【図3】図1に示したシートベルト用リトラクターをリ
クライニング式シートに取付けた車体の一部概略側面図
である。
【図4】シートバックを最も前方に位置させた状態のシ
ートベルト用リトラクターの要部側面図である。
【図5】シートバックを最も後方に位置させた状態のシ
ートベルト用リトラクターの要部側面図である。
【図6】図1に示した車体感知手段が所定以上の加速度
を受けた状態を示す要部側面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に基づくシートベルト用
リトラクターの要部側面図である。
【符号の説明】
1 リトラクターベース 2 ボビン 4 巻取軸 4a ラッチプレート 11 ポール 13 ラッチカップ 19 ラチェットホイール 30 センサーケース 31 センサーアーム 32 車体感知手段 33 ボールウェイト 34 カウンターウェイト 70 ウェビング 100 シートベルト用リトラクター

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウェビングを巻装するリトラクターの巻
    取軸と、該巻取軸のウェビング引出し方向への回転をロ
    ックするロック手段と、所定の車体加速度を感知して前
    記ロック手段を作動させる車体感知手段とを備えたシー
    トベルト用リトラクターにおいて、 前記車体感知手段が、前記ロック手段を作動させる第1
    の位置と前記ロック手段を作動させない第2の位置とに
    それぞれ位置するべくリトラクターベースに回動自在に
    取付けられたセンサーアームと、シートバックの調節軸
    線に対して平行に伸長する回動軸線を中心として回動可
    能に支持されたセンサーケースと、所定以上の速度変化
    を受けると前記センサーケース上を相対移動し、前記セ
    ンサーアームを前記第1の位置に移動させる慣性体と、
    所定以上の速度変化を受けた際に前記センサーケースの
    回動力を相殺するように該センサーケースに係合し、前
    記センサーケースの移動を抑制する移動抑制手段とを備
    えたことを特徴とするシートベルト用リトラクター。
JP9011503A 1997-01-24 1997-01-24 シートベルト用リトラクター Pending JPH10203309A (ja)

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