JPH10201452A - 魚介類入り茶漬け組成物及びその製造方法 - Google Patents
魚介類入り茶漬け組成物及びその製造方法Info
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Abstract
食感の優れた魚介類入り茶漬けを得ることができる魚介
類入り茶漬け組成物及びその製造方法の提供。 【解決手段】 生の魚介類を調味液含有ゼラチン溶液で
表面処理し、その後該ゼラチン溶液を冷却ゲル化させる
ことを特徴とする魚介類入り茶漬け組成物の製造方法;
及び生の魚介類と、該魚介類を被覆する調味液含有ゼラ
チンゲルからなる魚介類入り茶漬け組成物。
Description
成物、特に具材として用いる生の魚介類特有の食感を長
期保持し得る全く新しいゲル状タイプの魚介類入り茶漬
け組成物及びその製造方法に関する。
鯛等の魚介類をのせ、湯または茶をかけて食するもので
ある。家庭でも簡単に食することができるよう、例えば
乾燥化またはソボロ状にした魚介類と粉末化した風味調
整成分を混合した茶漬けの素が一般に市販されている。
いては、新鮮な生の鯛等の魚介類を具として用いた茶漬
けを提供し、好評なため、その需要が伸びてきている。
そのため、前記の生の魚介類を米飯の上にのせて湯等を
かけるだけで簡単に提供でき、しかも冷凍や冷蔵しても
鮮度、風味及び食感の劣化しない茶漬け用食材が求めら
れている。
存しても風味、食感が劣化しない、新鮮な生の魚介類を
含んだ新規な魚介類入り茶漬け組成物及びその製造方法
を提供することを目的とする。
実状に鑑み鋭意研究した結果、生の魚介類を調味液含有
ゼラチンゲルで被覆することにより、長期間冷凍や冷蔵
保存しても風味、食感が劣化しない優れた魚介類入り茶
漬け組成物を得ることができることを見出すとともに、
生の魚介類を調味液含有ゼラチン溶液で表面処理し、そ
の後該ゼラチン溶液をゲル化させることにより、容易に
魚介類入り茶漬け組成物を製造することができることを
見出し本発明を完成させた。
有ゼラチン溶液で表面処理し、その後該ゼラチン溶液を
冷却ゲル化することを特徴とする魚介類入り茶漬け組成
物の製造方法、及び生の魚介類と、該魚介類を被覆する
調味液含有ゼラチンゲルからなる魚介類入り茶漬け組成
物である。
は、発酵や、加熱等の処理によって魚介類内部の蛋白質
が実質的に変性していない魚介類をいう。例えば、煮
る、焼く、蒸す等の加熱処理をしたものは含まれない。
なお例えば硬い魚の皮を軟化させるために皮に熱湯をか
けるいわゆる「ゆびき」は、魚の内部の蛋白質が実質的
に変性していないので、本発明で用いることができる。
しては特に制限はないが一般的にさしみの材料となるも
の、例えば、鯛、あじ、さんま、いわし、さば、かんぱ
ち、ひらまさ、ひらめ、すずき、たこ、いか、えび、か
に、あわび、さざえあるいはこれらの切り身等が挙げら
れる。これらの一種または二種以上を用いることができ
る。
生の魚介類の風味を好適に調整するものであればよく、
例えば生の魚介類の外観・風味・食感等を向上させるた
めの濃口醤油・薄口醤油・極薄口醤油等の醤油類、魚介
類のエキス類、スープ類等が挙げられる。これらは一種
または数種のものを混合して用いることができるが、か
かる調味液の配合量は茶漬けにした状態で最適の風味と
なる範囲にすることが好ましい。また、必要に応じて、
制菌剤としてのポリリジン複合体等の保存料、水等を含
有させたものであってもよい。
の目的だけでなく、生の魚介類の身をしめることによ
り、魚介類の新鮮な風味、食感を維持することができる
ものであることが好ましい。したがって、本発明で用い
る調味液含有ゼラチン溶液の浸透圧は、生の魚介類の浸
透圧より高いこと、特には300〜6000mOsm/kg、
さらに特には400〜1000mOsm/kg高いことが好ま
しい。また、調味液含有ゼラチン溶液で表面処理する前
に、生の魚介類を前処理する調味液は前記調味液含有ゼ
ラチン溶液と同じかまたはこれより高い浸透圧を有する
ことが好ましい。
き、粉状であっても板状であってもよい。
造方法についてさらに詳細に説明する。まず、調味液含
有ゼラチン溶液を調製する。所定量の水にゼラチン、調
味液を加え約80℃以上に加熱し、ゼラチンを溶解させ
る。なお茶漬けにとろみ、粘ちょう性をつけるために、
該ゼラチン溶液にデンプンやローカストビーンガム等の
高分子物質を添加してもよい。ゼラチンの配合量は乾物
換算で1〜7重量%、特に2〜5重量%が好ましい。次
いでこの調味液含有ゼラチン溶液を冷却せず、またはゼ
ラチンがゲル化しない温度まで冷却し、これを用いて生
の魚介類を表面処理する。ここで表面処理とは、前記ゼ
ラチン溶液で生の魚介類表面を被覆することをいう。こ
の被覆の手段としては、浸漬、塗布、噴霧等が挙げられ
る。この際生の魚介類を前記ゼラチン溶液で完全に被覆
することが好ましいが、生の魚介類の表面の約80%以
上に前記ゼラチン溶液が付着するようにすればほぼ目的
は達する。この表面処理の時間は特に制限はないが、一
般には1〜30分程度、特に5〜20分程度が好まし
い。
ゼラチン溶液中の調味液により味付けされる。また前記
ゼラチン溶液の浸透圧が生の魚介類の浸透圧より高い場
合、好ましくは300〜6000mOsm/kg〔Semi osmo
meter(Knauer社製)により測定、以下同じ〕高い場合、
特に好ましくは400〜1000mOsm/kg高い場合に
は、生の魚介類の表面がしまり、鮮度等の低下を長期間
防止することができる。
合には、予めいわゆるゆびきを行なうことが好ましい。
チン溶液と同じかまたはそれより高い浸透圧を有する調
味液で、生の魚介類を前処理してもよい。この前処理
は、該調味液を浸漬、塗布、噴霧等の手段により生の魚
介類表面に付着させる処理のことをいう。かかる高い浸
透圧を有する調味液で前処理することにより、魚介類の
新鮮な風味、食感の維持がより一層容易になる。この調
味液は前記したいずれのものでも用いることができる
が、特に薄口醤油や極薄口醤油が魚介類の特有の色調を
保持し、また透明感をだすことができる点で好ましい。
またかかる薄口醤油等はさらに調味料、保存料、水等を
添加したものであってもよい。
却してゲル化することにより、生の魚介類が所定のゼラ
チンゲルで被覆された本発明の魚介類入り茶漬け組成物
を得ることができる。
は冷凍で保存することが可能であり、喫食に際しては、
適宜昇温して米飯の上にのせ、熱湯等をかけてゼラチン
ゲルを溶解させることにより、茶漬けとして供すること
ができる。
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。
の概ね直方体である;浸透圧が500mOsm/kg)を極薄
口醤油(フレッシュフードサービス社製 NS−1液;
浸透圧1600mOsm/kg以上。水で10倍に希釈したも
のの浸透圧が729mOsm/kg)に15分間浸漬し前処理
した。別に表1に示す原料、配合割合で調味液含有ゼラ
チン溶液を調製し、品温90℃で5分間加熱殺菌した
後、ゲル化しない程度の温度に冷却した。かかるゼラチ
ン溶液の浸透圧は980mOsm/kgであった。
した上記鯛の切り身を浸漬し、冷却して上記ゼラチン溶
液をゲル化させ即席茶漬け組成物とした。この即席茶漬
け組成物を5℃の冷蔵庫で1週間保存した後室温(約2
5℃)に昇温させた。これを炊き立ての米飯約100g
の上にのせ、約90℃の熱湯約100mlをかけて茶漬
けとした。
ゲル化剤を用いた以外は実施例1と同様にして茶漬けを
製造した。
に於ける調味液含有ゼラチン溶液のゲル化性(5℃に冷
却したときのゲル化の状態)、調理適性(90℃の熱湯
100mlをかけたときのゲルの溶解性)、及び茶漬け
の食感を以下の基準で評価した。その平均値を表3に示
す。 ◎ゲル化性の評価基準 5:非常によくゲル化した 4:よくゲル化した 3:ふつう 2:ゲル化がやや不十分 1:ほとんどゲル化しなかった ◎調理適性の評価基準 5:ゲルが容易にかつ完全に溶解した 4:ゲルは完全に溶解したがやや時間を要した 3:ゲルの溶解に時間を要し、未溶解のものもやや存在
した 2:ゲルの溶解がやや困難で、未溶解のものもかなり存
在した 1:ゲルはほとんど溶解しなかった ◎食感の評価基準 5:非常にさらっとしており、糊感が全くなかった 4:さらっとしており、糊感がなかった 3:ふつう 2:糊感があった 1:非常に糊感があった
適性、食感のいずれにおいても比較例1〜3よりも優れ
ていることが確認された。
外は、実施例1と同様にして茶漬けを製造し、試験例1
と同様の評価を行った。結果を表5に示す。
らに実施例1と比較すると(表3参照)、実施例1が特
に優れていることが確認された。
類の鮮度を損なわず、かつ熱湯を注ぐだけで風味、食感
の優れた即席茶漬けを容易に得ることができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 生の魚介類を調味液含有ゼラチン溶液で
表面処理し、その後該ゼラチン溶液を冷却ゲル化するこ
とを特徴とする、魚介類入り茶漬け組成物の製造方法。 - 【請求項2】 調味液含有ゼラチン溶液の浸透圧が、生
の魚介類の浸透圧よりも300〜6000mOsm/kg高い
ことを特徴とする請求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】 調味液含有ゼラチン溶液中のゼラチンの
配合割合が、乾物換算で1〜7重量%であることを特徴
とする請求項1または2記載の製造方法。 - 【請求項4】 生の魚介類を調味液含有ゼラチン溶液で
表面処理する前に、調味液含有ゼラチン溶液と同じかま
たはそれより高い浸透圧を有する調味液で、生の魚介類
を前処理することを特徴とする請求項1〜3記載の製造
方法。 - 【請求項5】 生の魚介類と、該魚介類を被覆する調味
液含有ゼラチンゲルからなる魚介類入り茶漬け組成物。
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Publications (2)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007060920A (ja) * | 2005-08-29 | 2007-03-15 | Ajinomoto Co Inc | 加工食品の製造法 |
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-
1997
- 1997-01-21 JP JP00833997A patent/JP3771655B2/ja not_active Expired - Lifetime
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