JPH05252923A - 調理済み冷凍食品の製造方法 - Google Patents

調理済み冷凍食品の製造方法

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JPH05252923A
JPH05252923A JP4055743A JP5574392A JPH05252923A JP H05252923 A JPH05252923 A JP H05252923A JP 4055743 A JP4055743 A JP 4055743A JP 5574392 A JP5574392 A JP 5574392A JP H05252923 A JPH05252923 A JP H05252923A
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food
frozen
fried
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soup
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Takashi Kinami
隆史 木南
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Abstract

(57)【要約】 【目的】解凍して再加熱したときに、調理した直後の味
覚および食感を再生し得る調理済み冷凍食品の製造方法
を提供すること。より具体的には、解凍して再加熱した
ときに、作り立てと略同じ良好な食感を得ることができ
る調理済み冷凍揚げ物食品および調理済み冷凍汁物食品
の製造方法を提供すること。 【構成】揚げ物食品の具材と衣との間に、易溶化ゼラチ
ンの被覆層を形成した状態で、水遮断性フィルムで包装
して冷凍する。また、汁物食品では、スープ、タレもし
くは煮汁に易溶化ゼラチンを含有させた状態で調理し、
これを冷却して凝固した後、水遮断性フィルムで包装し
て冷凍する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、調理済み冷凍食品の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の生活様式の変化に伴い、多種多用
のインスタント食品が広範に利用されるようになった。
これらインスタント食品には、即席ラーメン等の凍結乾
燥またはスプレー乾燥による乾燥食品、或いはレトルト
食品に加えて、調理済み冷凍食品が含まれる。
【0003】調理済み冷凍食品は、一般に、品質の点で
は他のインスタント食品よりも優れているが、冷凍保存
のために冷凍庫等の大掛りな装置が必要とされるため、
流通面では不利である。しかし、コールドチェーンの展
開により、この流通面での問題も解消されつつある。従
って、調理済み冷凍食品は、インスタント食品のなかで
も、今後の発展が特に期待される製品である。しかし、
調理済み冷凍食品を今以上に普及させるためには、解決
しなければならない技術的な問題が数多く存在する。
【0004】例えば、フライ、トンカツもしくは天麩羅
のような揚げ物食品は、調理済み冷凍食品の対象として
魅力的なものである。しかし、これら揚げ物食品を冷凍
保存すると、解凍して再加熱したときに衣が萎れてしま
い、揚げたての「カリッ」とした食感が得られない問題
がある。この問題は、揚げ物を水遮断性のフィルムで包
装して冷凍保存したときにも同様に生じるから、単に外
部から水分を吸収することだけが原因ではない。即ち、
油で揚げて加熱された揚げ物製品の具材は、蛋白質の熱
変性等により、組織から遊離したエキス等のドリップ成
分が含まれている。このドリップ成分が、解凍の際にド
リップとして具材表面に流出し、このドリップを吸収し
て衣が萎れてしまうものと考えられる。なお、ドリップ
は油で揚げることによる加熱だけではなく、冷凍保存中
の蛋白質の冷凍変性によっても生じる。
【0005】また、丼物(例えば、卵丼、親子丼、カツ
ドン等)、麺類(例えば、うどん、蕎麦等)、或いは煮
物(例えば、筑前煮等)も、調理済み冷凍食品として魅
力的な対象である。しかし、これらについても夫々次の
ような問題がある。
【0006】丼物は、器に盛ったご飯の上に、調理した
タレを含む上物を載置して造られる。そして賞味する際
はタレをご飯に混ぜながら食べるのが普通で、タレが既
にご飯に混ざってしまった状態では、造りたての好まし
い食感は得られない。ところが、このような丼物を調理
済み冷凍食品にしようとすると、上物のみを単独で冷凍
するようにしたとしても、冷凍した上物を容器にもった
ご飯に載せて解凍したときにタレが上物から落下してご
飯に染みてしまうため、再加熱したときに造りたての食
感が得られない。
【0007】麺類では、一般に、麺がスープを吸収して
のびてしまう問題がある。この問題は、麺類を冷凍食品
として製造する際にも解決しなければならない問題であ
る。しかし、有効な手段は未だ知られていない。
【0008】煮物でも同様のことがいえる。即ち、味が
染みるためには煮汁が具材に浸透することが必要である
が、浸透し過ぎると、調理したての好ましい食感が得ら
れなくなる。
【0009】更に、汁物食品は水分が多いから、一般に
保存性の点で問題がある。この問題は、例えば塩類や糖
類の添加濃度を高くし、水分活性を低下させることによ
ってある程度緩和される。しかし、この方法では味覚が
著しく損なわれることにならざるを得ない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたもので、解凍して再加熱したときに、調理
した直後の味覚および食感を再生し得る調理済み冷凍食
品の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】本発明のより具体的な課題は、解凍して再
加熱したときに、揚げたてと略同じ良好な食感を得るこ
とができる冷凍揚げ物食品の製造方法を提供することで
ある。
【0012】また、丼物、麺類および煮物等のような汁
物食品についても、解凍して再加熱したときに、調理し
たてと略同等の食感が得られる冷凍汁物食品の製造方法
を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明では、易溶性ゼラ
チンを用いることにより、上記の課題を達成することと
した。即ち、本発明は調理済み冷凍揚げ物食品を製造す
る方法であって、(a) 易溶化ゼラチン水溶液を調製する
工程と、(b) 該水溶液中に、揚げ物用に準備された具材
を浸漬することにより、具材を易溶化ゼラチン水溶液で
被覆する工程と、(c) 易溶化ゼラチン水溶液で被覆した
具材に衣付けをする工程と、(d) この衣付けされた具材
を油で揚げて加熱調理する工程と、(e) 余分の油を切っ
て冷却した後、水遮断性のフィルムで包装する工程と、
(f) この包装された揚げ物食品を冷凍する工程とを具備
したことを特徴とするものである。また、本発明は調理
済み冷凍汁物食品を製造する方法であって、(a) 易溶化
ゼラチンを含有するスープ、タレ、ソースまたは煮汁
と、具材とを含む汁物食品を調理する工程と、(b) 上記
で得た汁物食品を冷却し、煮汁を凝固させる工程と、
(c) 凝固した汁物食品を水遮断性フィルムで包装する工
程と、(d) この包装された汁物食品を冷凍する工程とを
具備したことを特徴とするものである。以下、本発明の
詳細を説明する。
【0014】既述したように、本発明は易溶化ゼラチン
を用いることによって、初めて所期の目的を達成するこ
とができる。そこで、先ずこの易溶化ゼラチンについて
説明する。
【0015】ゼラチンはコラーゲンの加水分解生成物で
あり、ゲル化剤として食用または工業用に広く使用され
ている。しかし、通常のゼラチンは溶解性に問題があ
り、溶解に長時間を要するのみならず、冷却した時の凝
固能力も十分とはいえない。そのため、十分なゲル化を
達成するためには、比較的高濃度で用いなければならな
い。このように高濃度のゼラチンを使用することは、食
品の味覚が低下する問題を生じる。
【0016】そこで、食品用ゲル化剤としての使用に適
した易溶性ゼラチン、即ち、溶解性が高く、低濃度で充
分なゲル化能を発揮し、しかも無味無臭であるゼラチン
が知られている。この易溶化ゼラチンは、新田ゼラチン
株式会社から「グルメパウダー」の商品名で入手するこ
とができる。その製造方法は、流動状態に保たれたゼラ
チン粉末に対して、ゼラチン溶液を噴霧して造粒するこ
とを特徴とするものであり、詳細は特公平1−3968
9号に開示されている。
【0017】<冷凍揚げ物食品>次に、本発明による調
理済み揚げ物食品の製造方法について説明する。ここで
揚げ物食品とは、具材に衣を付け、油で揚げることによ
り加熱調理を施した製品をいい、例えばフライ、天麩羅
等が含まれる。
【0018】まず、易溶化ゼラチンの水溶液を調製す
る。その濃度は特に限定されないが、0.5〜30重量
%、好ましくは0.5〜5重量%である。その際、易溶
化ゼラチンは20℃以上の温度で完全に溶解する。
【0019】次に、上記で調製した易溶化ゼラチン溶液
に、揚げ物用に下拵えした具材を浸漬し、具材を易溶化
ゼラチン水溶液で被覆する。具材の種類は特に限定され
ず、既述の揚げ物製品として調理可能なものである限
り、肉類、魚介類あるいは野菜類等の何れであってもよ
い。このコーティング工程で注意すべき点は、易溶化ゼ
ラチンがゲル化しないように、例えば湯煎または直加熱
によって、溶液の温度を20℃以上に保持することであ
る。また、ゼラチン溶液は使用しているうちに濃度が低
下し、量も減少するから、新たに調製した易溶化ゼラチ
ンを適宜追加することが必要である。
【0020】易溶化ゼラチン溶液でコーティングした具
材には、次いで、衣付けを施す。この衣付けは、フラ
イ、トンカツ、天麩羅等の調理の種類に応じ、適切な衣
材を用いて行う。これら衣材は、従来使用されているの
と同じものを用いることができる。しかし、好ましく
は、数%のベーキングパウダーを混合して用いる。これ
により、油で揚げる際に炭酸ガスが発生するため、該ガ
スによって衣中の水分を蒸発させることができる。ま
た、衣材には生卵を使用しないのが好ましい。生玉子を
使用すると、揚げた後に玉子が湿気を吸ってしまい、
「カラッ」とした揚げ上がりが得られないからである。
なお、易溶性ゼラチンを具材に馴染ませるために、衣付
けを行う前に、必要に応じて「打ち粉」を施すのが好ま
しい。
【0021】次に、衣付けを終了した具材を油で揚げ
る。ここで使用する油は特に限定されず、揚げ物に通常
用いられているショートニング油、サラダ油等を用いる
ことができる。好ましくは、揚げた後に香ばしい芳香が
得られることと、酸化防止効果が得られることの理由に
より、10重量%〜40重量%のコーン油を混合して用
いる。油の温度および揚げる時間は、一般には温度16
0℃〜180℃で0.5分〜2分である。しかし、この
条件は具材や調理の種類によって異なり、例えば天麩羅
の場合、魚介類では170℃で1分、野菜では160℃
で1分である。なお、ここでは揚げ過ぎないように注意
する必要がある。何故なら、揚げ過ぎると具材が収縮す
るため、具材と衣との密着性が悪くなるからである。ま
た、具材が収縮すると具材に含まれるエキス等が排出さ
れるから、具材の旨味成分または栄養成分が失われるこ
とを意味し、味覚的観点または栄養学的観点から好まし
くないからである。
【0022】次に、揚げ上がった食品を油から取り出
し、余分な油を切って冷却する。こうして冷却すること
により、先に具材に被覆した易溶化ゼラチンが固化し、
固化したゼラチン被覆層が形成される。このゼラチン被
覆層は、具材から染み出してくるドリップを遮断ないし
吸収するから、衣がドリップで萎れてしまうのを防止す
る機能を奏する。
【0023】最後に、上記のようにして調理された揚げ
物食品を水分遮断性のフィルムで包装し、これを冷凍し
て保存する。水分遮断性フィルムは特に限定されず、食
品の種類に応じて種々のフィルムを用いることができ
る。好まし水遮断性フィルムとしては、ポリ塩化ビニル
シート、アルミニウムでコーティングした合成樹脂フィ
ルム等を上げることができる。また、冷凍温度は通常−
18℃〜−30℃、好ましくは−20℃〜−25℃であ
る。冷凍速度は、通常の冷凍食品の場合に要求される急
速冷凍に限らず、緩慢冷凍でもよい。即ち、ゼラチン被
覆層によりドリップの発生による問題が防止されている
ため、ドリップを発生し易い緩慢冷凍を行っても差支え
ないのである。
【0024】<冷凍汁物食品>次に、本発明による冷凍
汁物食品の製造方法について説明する。ここで、汁物食
品とは、例えば卵丼、親子丼、カツ丼、ウナ丼等の丼物
や、例えばうどん、蕎麦、ラーメン等の麺類や、例えば
筑前煮等の煮物のように、スープ、タレ、ソース若しく
は煮汁等の液状部を含む食品をいう。
【0025】この冷凍汁物食品を製造するために、本発
明では、既述した易溶化ゼラチンをスープ、タレ若しく
は煮汁に含有させる。易溶化ゼラチンの添加は、汁物食
品を得る何れの調理工程で行ってもよい。それ以外は、
通常の汁物食品の場合と同様にして調理すればよい。こ
こで易溶化ゼラチンを添加する理由は、スープ、タレ若
しくは煮汁をゲル化させるためである。本発明で使用す
る易溶化ゼラチンは、低濃度でも充分なゲル化能を有し
ているので、その添加量は従来のゼラチンの場合に比較
して少なくて済む。即ち、その通常の添加量は、スー
プ、タレ若しくは煮汁の0.5重量%〜3重量%程度で
充分であり、好ましくは1重量%〜2重量%である。
【0026】次に、上記のようにして調理された汁物食
品を冷却する。冷却の方法は特に限定されず、単に放冷
してもよいし、食品を入れた容器を水に浸漬して水冷し
てもよい。こうして20℃未満、好ましくは10℃程度
にまで冷却されると、食品中のスープ、タレ若しくは煮
汁はゲル化して凝固する。この凝固に要する時間は水冷
で約40分程度、冷風乾燥では約1時間程度である。凝
固した液状物はもはや落下することも、具材に吸収され
ることもない。
【0027】その後の包装および冷凍工程は、揚げ物食
品について既述したのと同様にして行うことができる。
但し、丼物では調理された上物を凝固させた状態で、ご
飯とは別に単独で、水遮断性のフィルムで包装した後に
冷凍する。また、麺類の場合にも、スープのみを単独で
凝固させ、包装した後に冷凍する。
【0028】
【作用および効果】本発明により製造された調理済み冷
凍揚げ物食品は、具材と衣との間にゼラチン被覆層が介
在している。このため、油で揚げたときに生じたドリッ
プ成分および/または冷凍変性で生じたドリップ成分が
解凍により具材から外部に染み出したとしても、このド
リップはゼラチン被覆層で遮断もしくは吸収され、衣を
浸潤することはない。従って、解凍後再加熱して賞味す
るときに、揚げ立てと同様の「カリッ」とした食感を得
ることができる。
【0029】このように、ドリップ成分の生成が問題に
ならないことから、本発明においては緩慢凍結法で冷凍
することができ、冷凍コストの低減が可能になる。ま
た、解凍技術についても、電子レンジによる誘導加熱が
好ましいが、ドリップの流出を考慮しなくてもよいた
め、10℃以下の自然解凍を行ってもよい。
【0030】加えて、ゼラチン被覆層は冷凍変性を防止
するので、冷凍中に生じる肉組織の破壊を抑制すること
ができる。また、ドリップが発生しても、これはゼラチ
ン層に吸収されて水分活性が低下されるので、腐敗菌の
繁殖を抑制し、保存性の低下を防止できる。
【0031】一方、本発明により製造された調理済み汁
物冷凍食品は、調理後にタレ、スープもしくは煮汁等が
容易にゲル化して凝固する。こうして凝固した後に冷凍
を行うため、次のような作用および効果が得られる。
【0032】丼物を賞味するときは、単独で冷凍された
上物を容器に盛ったご飯の上に載置し、解凍した後に再
加熱する。本発明の場合は、解凍された状態の上物は未
だ凝固したままであるから、従来のように、この状態で
既にタレが落下してご飯に浸潤することはない。即ち、
上物に含まれるタレは再加熱して初めて液化するから、
再加熱したときには未だタレの落下が始まった直後であ
るため、ご飯はも上物も出来立ての風味を有し、優れた
食感が得られる。
【0033】麺類を賞味するときは、単独で冷凍された
スープを単独で冷凍された冷凍麺の上に載せ、解凍して
再加熱する。解凍された状態のスープは未だ凝固したま
まであるから、従来のように、この状態で既に液化した
スープと麺とが接触し、麺がスープを吸収して膨潤する
ことはない。即ち、スープは賞味可能に再加熱したとき
に始めて液化し、このときに始めて麺への移行が開始さ
れるから、未だのびていない腰のある食感が得られる。
同様に、煮物でも具材に煮汁が浸潤しないから、解凍再
加熱したときには出来立ての味覚を得ることができる。
【0034】加えて、汁物食品の液状部は、含有された
易溶化ゼラチンによって水分活性が低下されている。こ
のため腐敗菌の繁殖を抑制でき、優れた保存性が得られ
る。しかも、約2重量%程度の低濃度で充分なゲル化を
達成できるから、呈味を損なうこともない。
【0035】
【実施例】
実施例1(揚げ物食品) <製造> (1)冷凍エビフライの製造 グルメパウダーの5%溶液(温度20℃以上)を調製
し、20℃以上の温度を維持するために湯煎をした。グ
ルメパウダー溶液は、使用している間に量および濃度が
減少するから、適宜新たな溶液を調製して用いる。この
グルメパウダー溶液中に、フライの具材として準備した
海老を通し、海老をグルメパウダー溶液で被覆した。次
いで、被覆されたグルメパウダーを具材に馴染ませるた
めに、この具材に小麦粉をまぶして所謂「打ち粉」を施
した。
【0036】次ぎに、牛乳100重量部、小麦粉50重
量部、胡椒0.5重量部およびベーキングパウダー1重
量部をよく混合することにより、所謂「バッター液」を
調製する。このバッター液は生卵を使用しないこと、並
びにベーキングパウダーを使用している点で一般に用い
られているものとは異なる。生卵を使用しない理由は、
これを使用すると揚げた後に卵が湿気を吸ってしまい、
「カラッ」と揚がらないからである。また、ベーキング
パウダーを使用する理由は、これにより揚げている最中
に炭酸ガスを発生してバッタ液中の水分が蒸発するた
め、「カラッ」とした揚げ上がりが得られるからであ
る。
【0037】次に、通常と同じ方法でパン粉付けをした
後、予めセットしておいた180℃の油で揚げた。この
とき使用した油は、ショートニング油100重量部に対
して、コーン油50重量部を加えた混合油である。コー
ン油を加えた理由は、揚げた後の香味を付与すること
と、油の酸化速度を送らせるためである。
【0038】揚げる時間は、具材によっても異なるが一
般には約40秒程度で充分であり、この場合も略40秒
とした。ここでは、揚げ過ぎないように注意する必要が
ある。何故なら、揚げ過ぎると具材が収縮するため、具
材と衣との密着性が悪くなるからである。また、具材が
収縮すると具材に含まれるエキス等が排出されるから、
これは具材の旨味成分または栄養成分が失われることを
意味し、味覚的観点または栄養学的観点から好ましくな
いからである。
【0039】次に、揚げ上がった海老フライを丘上げ
し、余分な油を切って冷風冷却を行った。この冷却によ
って、具材を被覆しているグルメパウダー溶液が固化す
る。こうして固化したゼラチン被覆層は具材からのドリ
ップを遮断するから、衣がドリップで湿潤化するのを防
止することができる。
【0040】次に、上記で得られた海老フライを、湿気
防止および酸化防止のためにアルミコーテイングされた
袋に収容する。更に、内容物の量および袋の容量に応じ
た脱酸素剤を一緒に袋内に収容し、袋の口をシーラーで
密封した後、−18℃以下の温度で冷凍保存した。
【0041】(2)トンカツの製造 トンカツ用に準備した豚肉を具材に用いた点、および揚
げる時間を1分とした点を除き、上記の海老フライの場
合と同様に行うことにより、冷凍トンカツを製造した。
【0042】(3)冷凍天麩羅の製造 具材として、天麩羅用に準備したアジを使用した。この
具材を、エビフライのときと同様にしてグルメパウダー
溶液で被覆し、更に「打ち粉」を施した。次いで、小麦
粉100重量部を水250重量部に溶いて調製したスラ
リーを用い、通常の方法で衣付けを行った。
【0043】上記のように衣付けした具材を、予めセッ
トしておいた175℃の油で揚げた。このとき使用した
油は、海老フライのときと同じく、ショートニング油1
00重量部に対して、コーン油50重量部を加えた混合
油であり、時間は1分である。
【0044】揚がった天麩羅を丘上げし、余分な油を切
って冷風冷却を行った。次に、この天麩羅を適量の脱酸
素剤と共に、アルミコーテイングされた袋内に収容して
密封した後、−18℃以下の温度で冷凍保存した。
【0045】<試食>上記で製造した海老フライ、トン
カツおよびアジの天麩羅を、90日間冷凍した。この冷
凍品を袋から取り出し、家庭用の電子レンジで解凍およ
び再加熱して試食したところ、何れも「カリッ」とした
揚げたての食感が得られた。このとき、揚げ物冷凍品を
袋から取り出して加熱することが重要である。何故な
ら、袋に入れたままで加熱すると、衣が水蒸気を吸収し
てしまい、「カリッ」とした食感が得られないからであ
る。
【0046】なお、従来の方法で製造された同様の冷凍
食品を、上記と同じ期間だけ冷凍した後、上記と同様の
解凍および加熱を行って試食したところ、衣が湿潤化し
てしまって揚げたての「カリッ」とした食感は得られな
かった。
【0047】実施例2(汁物食品) <製造> (1)冷凍卵丼の製造 通常の卵丼のタレ100重量部に対して、グルメパウダ
ーを2重量部加えた点を除き、従来と同様の方法で卵丼
用の具を調理した。これを所定の大きさに整え、10℃
に冷却したところ、汁分を含めて凝固した。これを塩ビ
フィルムで真空パックした後、−18℃で冷凍した。
【0048】(2)冷凍うどんの製造 通常の方法で、うどん用のスープを調製した。このスー
プ100重量部に対して、グルメパウダー2重量部を添
加して溶解した。これを10℃に冷却したところ、スー
プは凝固した。これを塩ビフィルムで真空パックし、−
18℃に冷凍して保存した。
【0049】(3)冷凍煮物の製造 通常の方法で、野菜および鳥肉を調理して筑前煮を調理
した。この筑前煮にグルメパウダー(煮汁100重量部
に対して2重量部)を加え、よく混ぜながら煮込んで溶
解させた。これを器に移し、10℃に冷却したところ、
煮汁は具を含んだまま凝固した。次いで、これを塩ビフ
ィルムで真空パックし、−18℃に冷凍して保存した。
【0050】<試食>上記で製造した冷凍卵丼の上物、
冷凍うどんスープ及び冷凍煮物を、90日間冷凍した。
この冷凍品を袋から取り出し、家庭用の電子レンジで解
凍および再加熱して試食したところ、次ぎのような結果
が得られた。 (1)冷凍卵丼の上物を器に盛ったご飯の上に載置し、
解凍再加熱して試食した。ご飯にまで汁が浸潤しておら
ず、略作りたての食感を有していた。
【0051】なお、グルメパウダーを用いずに同様の方
法で製造されたものは、上記のように解凍および加熱す
ると、御飯が汁かけのようになってしまい、作り立ての
触感は得られなかった。 (2)冷凍スープを器にいれた冷凍うどんの上に載せ、
解凍再加熱して試食した。うどんは膨潤しておらず、作
り立ての「腰」と歯触りを有していた。なお、グルメパ
ウダーを用いずに同様の方法で製造されたものは、解凍
再加熱した状態で既にうどんが膨潤し、のびてしまって
いた。 (3)解凍加熱された状態の煮物は、野菜や肉が略作り
立ての風味を有しており、良好な味覚および食感が得ら
れた。 なお、グルメパウダーを用いずに同様の方法で製造され
たものは、解凍加熱した状態で既に煮汁が浸潤し、作り
立てのときとは食感が異なっていた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A23L 3/00 101 A

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 調理済み冷凍揚げ物食品を製造する方法
    であって、 (a) 易溶化ゼラチン水溶液を調製する工程と、 (b) 該水溶液中に、揚げ物用に準備された具材を中に浸
    漬することにより、具材を易溶化ゼラチン水溶液で被覆
    する工程と、 (c) 易溶化ゼラチン水溶液で被覆した具材に衣付けをす
    る工程と、 (d) この衣付けされた具材を油で揚げて加熱調理する工
    程と、 (e) 余分の油を切って冷却した後、水遮断性のフィルム
    で包装する工程と、 (f) この包装された揚げ物食品を冷凍する工程とを具備
    したことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 調理済み冷凍汁物食品を製造する方法で
    あって、 (a) 易溶化ゼラチンを含有するスープ、タレ、ソースま
    たは煮汁と、具材とを含む汁物食品を調理する工程と、 (b) 上記で得た汁物食品を冷却し、煮汁を凝固させる工
    程と、 (c) 凝固した汁物食品を水遮断性フィルムで包装する工
    程と、 (d) この包装された汁物食品を冷凍する工程とを具備し
    たことを特徴とする方法。
JP4055743A 1992-03-13 1992-03-13 調理済み冷凍食品の製造方法 Pending JPH05252923A (ja)

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JP (1) JPH05252923A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08228733A (ja) * 1995-02-23 1996-09-10 Ritsuku Kikaku:Kk 冷凍、チルド兼用の冷食丼物の製造方法
WO2003032755A1 (en) * 2001-10-17 2003-04-24 Pineblue Co. Thermo-reversible sauce, heat-treated meat including the sauce and process for producing the same
CN1301668C (zh) * 2001-02-19 2007-02-28 好侍食品株式会社 蒸煮烹调食品的生产方法
JP2014057532A (ja) * 2012-09-14 2014-04-03 Akiyoshi Tsuri 油あげ被包冷凍麺食品

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