JPH10201036A - ヒレ付き電線用皮剥ぎ器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒレ付き電線を挟持し、ヒレを圧潰又は切除
しながら、電線被覆の剥ぎとりができるヒレ付き電線用
皮剥ぎ器の提供 【解決手段】 電線支持面に突起２３、２３’を設けた
切刃ホルダ−１と電線支持面に突起２４、２４’を設け
た電線締込みガイド７を主要部とし、切刃ホルダ−１は
常時廻り止め爪２によってヒレ付き電線３を着脱できる
開口４の位置に停止し、廻り止め爪２は、バネ力によっ
て常に所定の位置に復帰するように付勢され、その先端
部が切刃ホルダ−１の外縁に設けた浅溝６に嵌合してお
り、電線締込みガイド７は一端を切刃ホルダ−１に接
し、開口４の位置に停止し、外力によって廻転し、その
エッジ部が切刃ホルダ−１を押し、廻り止め爪２を前記
浅溝６から離脱させ、切刃ホルダ−１を廻転させ、前記
突起２３、２３’２４、２４’でヒレ付き電線３のヒレ
２５を圧潰又は切除しながら、切刃ホルダ−１に装着し
ている切刃９によってヒレ付き電線３の被覆を剥ぎとる
ように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ヒレ付き電線用
皮剥ぎ器に係るもので、詳しくは配電線路の無停電工事
において、マニピュ−レ−タ等によるヒレ付き電線の皮
剥ぎ作業に適用できるように工夫したヒレ付き電線用皮
剥ぎ器の構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の電線皮剥ぎ器としては、
例えば特開平１−９１６０９号に開示されているような
構造のものが知られているが、この種の構造のものは、
外周にヒレがない円筒状の電線を動かないように固定す
るための挟持機構と電線被覆を剥ぎとるための被覆剥ぎ
とり機構とをまとめて一つの工具にしたものであるか
ら、まず電線の挟持工程があり、次に電線被覆剥ぎとり
工程が続くという二工程システムなっており、構造が複
雑で、軽量化がむずかしく、かつ製造コストが高い上
に、難着雪電線のように、外周に全長に亘ってヒレ（突
起）を設けた電線の皮剥ぎには適さないという欠点があ
った。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この発明は従来の技術
で記述した欠点を解消するためになされたもので、前記
の二工程システムを一工程で行なえるようにし、ヒレ付
き電線を挟持し、ヒレを圧潰又は切除しながら、電線被
覆の剥ぎとりができるヒレ付き電線用皮剥ぎ器の提供を
目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本願のヒレ付き電線用皮
剥ぎ器は、電線支持面に突起を設けた切刃ホルダ−と電
線締込みガイドを主要部とし、切刃ホルダ−は、常時廻
り止め爪によってヒレ付き電線を着脱できる開口の位置
に停止し、廻り止め爪は、バネ力によって常に所定の位
置に復帰するように付勢され、その先端部が切刃ホルダ
−の外縁に設けた浅溝に嵌合しており、電線締込みガイ
ドは一端を切刃ホルダ−に接し、開口の位置に停止し、
外力によって廻転し、そのエッジ部が切刃ホルダ−を押
し、廻り止め爪を前記浅溝から離脱させ、切刃ホルダ−
を廻転させ、前記突起でヒレ付き電線のヒレを圧潰又は
切除しながら、切刃ホルダ−に装着している切刃によっ
てヒレ付き電線の被覆を剥ぎとるように構成されてい
る。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の一例を図面
を参照しながら説明するに、図１〜図６に示すように、
切刃ホルダ−１は、電線支持面に突起２３、２３’を有
し、常時廻り止め爪２によってヒレ付き電線３を着脱で
きる開口４の位置に停止し、廻り止め爪２は、バネ５の
バネ力によって常に所定の位置に復帰するように付勢さ
れ、その先端部が切刃ホルダ−１の外縁に設けた浅溝６
に嵌合しており、電線締込みガイド７は、電線支持面に
突起２４、２４’を有し、一端を切刃ホルダ−１に接
し、開口４の位置に停止し、外力によって廻転し、その
エッジ部８が切刃ホルダ−１を押し、廻り止め爪２を前
記浅溝６から離脱させ、切刃ホルダ−１を廻転させ、前
記突起２３、２３’、２４、２４’によって、ヒレ付き
電線３のヒレ２５を圧潰又は切除しながら、切刃ホルダ
−１に装着している切刃９によってヒレ付き電線３の被
覆１０を剥ぎとることができるように構成されている。
例えば、前記突起２３、２３’、２４、２４’の形状
は、図７（ａ）〜（ｄ）に示すようなものがあり、図７
（ａ）〜（ｂ）はヒレ２５を圧潰する圧潰型突起、図７
（ｃ）は突起のエッジでヒレ２５を切除する突切り刃型
突起、（ｄ）は上下の突起が捩れ、推進力を得ることが
できる捩れ角型突起である。これらの型のうち図７
（ａ）〜（ｃ）はいづれにも組み合わせが可能である。

【０００６】なお、１１はオイレスメタル軸であり、従
動歯車１２、１２’が固定され、内側の突起１３に切刃
ホルダ−１の凹溝１４及び電線締込みガイド７の凹溝１
４’が緩着されており、さらに電線締込みガイド７が固
定されている。したがって、従動歯車１２、１２’が廻
転すると、オイレスメタル軸１１が廻転し、電線締込み
ガイド７を廻転させるが、切刃ホルダ−１は オイレス
メタル軸１１の廻転に追随しては廻転しない。オイレス
メタル軸１１は、ヒレ付き電線３を着脱できるように、
開口４の位置が切り欠きになっている。

【０００７】１５はドライブ歯車で、従動歯車１２、１
２’に噛み合っており、マニピュ−レ−タ等の駆動部か
ら駆動力を伝達されて廻転し、従動歯車１２、１２’を
廻転させる。なお、従動歯車１２、１２’は、ヒレ付き
電線３を着脱できるように、開口４の位置が切り欠きに
なっている。

【０００８】従動歯車１２、１２’は互いに逆方向に廻
転するが、従動歯車１２は、切刃ホルダ−１に装着して
いる切刃９がヒレ付き電線３の被覆１０を剥ぎとれるよ
うに、図２〜図４において矢印で示した方向に廻転す
る。

【０００９】図６において、１６はアイドル歯車で、開
口４の位置の裏側において従動歯車１２、１２’に噛み
合っている。したがって、アイドル歯車１６は、従動歯
車１２、１２’から駆動力を伝達され常に廻転してお
り、例えば、従動歯車１２の切り欠き部がドライブ歯車
１５と噛み合う位置にきたときには、ドライブ歯車１５
から従動歯車１２への駆動力の伝達はないが、アイドル
歯車１６が従動歯車１２を駆動し、従動歯車１２の廻転
を継続させる。

【００１０】図５において、１７は本器を逆方向に廻転
することによって、開口部を定位置に停止させるための
ラチェット機能を備えた逆転爪で、オイレスメタル軸１
１の所定の位置に設けた切り欠２０に噛み合い、例え
ば、ヒレ付き電線３の皮剥ぎが終了したとき、図２〜図
４に示した矢印と逆の方向に本器を廻転させると、逆転
爪１７が動作し、本器を開口４の位置に停止させる。こ
のとき、電線締込みガイド７が逆転し、切刃ホルダ−１
の端面に突き当たり、切刃ホルダ−１を逆方向に廻転さ
せ廻り止め爪２を切刃ホルダ−１の浅溝６に嵌合させ
て、切刃ホルダ−１を元の位置に停止させる。

【００１１】なお、１８はケ−ス、１９はドライブ歯車
１５に駆動力を伝達させるために、マニピュ−レ−タ等
の駆動部に連結させる口金部である。

【００１２】実施に際しては、まず図２に示すように、
ヒレ付き電線３のヒレ２５を避けた位置で、本器をヒレ
付き電線３に装着する。次いで、ドライブ歯車１５を駆
動させると、図３に示すように、電線締込みガイド７が
廻転し、ヒレ付き電線３を切刃ホルダ−１と電線締込み
ガイド７の間に挟持すると共に、エッジ部８が切刃ホル
ダ−１を押し、廻転力をあたえる。その廻転力がバネ５
のバネ力以上に達すると、図４に示すように、廻り止め
爪２が浅溝６から押し外され、切刃ホルダ−１は廻転
し、切刃ホルダ−１の突起２３、２３’と電線締込みガ
イド７の突起２４、２４’がヒレ付き電線３のヒレ２５
を圧潰又は切除しながら、切刃ホルダ−１に装着してい
る切刃９がヒレ付き電線３の被覆１０を剥ぎとる。この
状態で、剥ぎとり長さ分だけ、本器をマニピュレ−タ等
で移動させると、ヒレ付き電線３の被覆１０を螺旋状に
剥ぎとることができる。なお、切刃９は、バネ２２によ
ってヒレ付き電線３側に引き寄せられており、図２及び
図３の状態では、ヒレ付き電線３の被覆１０の表面に当
接しているが、切刃ホルダ−１の廻転と共に、図３に示
すように、刃先がヒレ付き電線３の被覆１０に食い込
む。次に、剥ぎとり作業が終了すると、本器を逆方向に
廻転し、逆転爪１７を動作させ、開口４の位置で停止さ
せたのち、本器をヒレ付き電線３から離脱させる。な
お、図２において、２１は、切込み深さ調整ネジであ
る。なお、本器は通常の円筒状の電線に対しても適用で
きることは勿論である。

【００１３】

【発明の効果】本発明は以上のように構成され、ヒレ付
き電線を挟持し、かつヒレを圧潰又は切除しながら、被
覆の剥ぎとりができるので、従来の電線皮剥ぎ器のよう
に、電線を挟持するための挟持機構を新たに設ける必要
がない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態の一例を示す正面−断面図

【図２】切刃ホルダ−、電線締込みガイドの動作状態を
示す説明図

【図３】切刃ホルダ−、電線締込みガイドの動作状態を
示す説明図

【図４】切刃ホルダ−、電線締込みガイドの動作状態を
示す説明図

【図５】切刃部を省略した側面図

【図６】図５における断面図

【図７】突起の形状を示す断面図

【符号の説明】

１ 切刃ホルダ− ２ 廻り止め爪 ３ ヒレ付き電線 ４ 開口 ５ バネ ６ 浅溝 ７ 電線締込みガイド ８ エッジ部 ９ 切刃 １０ 被覆 １１ オイレスメタル軸 １２ 従動歯車 １２’従動歯車 １３ 突起 １４ 凹溝 １４’凹溝 １５ ドライブ歯車 １６ アイドル歯車 １７ 逆転爪 １８ ケ−ス １９ 口金部 ２０ 切り欠 ２１ 切込み深さ調整ネジ ２２ バネ ２３ 突起 ２３’突起 ２４ 突起 ２４’突起 ２５ ヒレ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 切刃ホルダ−（１）は、電線支持面に突
   起（２３、２３’）を有し、常時廻り止め爪（２）によ
   ってヒレ付き電線（３）を着脱できる開口（４）の位置
   に停止し、廻り止め爪（２）は、バネ（５）のバネ力に
   よって常に所定の位置に復帰するように付勢され、その
   先端部が切刃ホルダ−（１）の外縁に設けた浅溝（６）
   に嵌合しており、電線締込みガイド（７）は、電線支持
   面に突起（２４、２４’）を有し、一端を切刃ホルダ−
   （１）に接し、開口（４）の位置に停止し、外力によっ
   て廻転し、そのエッジ部（８）が切刃ホルダ−（１）を
   押し、廻り止め爪（２）を前記浅溝（６）から離脱さ
   せ、切刃ホルダ−（１）を廻転させ、前記突起（２３、
   ２３’、２４、２４’）によって、ヒレ付き電線（３）
   のヒレ（２５）を圧潰又は切除しながら、切刃ホルダ−
   （１）に装着している切刃（９）によってヒレ付き電線
   （３）の被覆（１０）を剥ぎとることを特徴とするヒレ
   付き電線用皮剥ぎ器