JPH10195651A - 成膜装置及び成膜方法 - Google Patents
成膜装置及び成膜方法Info
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- JPH10195651A JPH10195651A JP235497A JP235497A JPH10195651A JP H10195651 A JPH10195651 A JP H10195651A JP 235497 A JP235497 A JP 235497A JP 235497 A JP235497 A JP 235497A JP H10195651 A JPH10195651 A JP H10195651A
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Abstract
の内側表面にスパッタリングによりアルミニウム膜を、
次いでその上にグロー放電によるプラズマ重合により保
護膜を成膜する場合、電極構成を簡単にして成膜装置の
規模を小さくしながら効率よく成膜する。 【解決手段】 真空槽1内のチャンバ2にArガスを供
給しつつ、マグネトロン電極30の電磁石31に電流を
流しかつ電極30に直流電圧を印加して、電極30のタ
ーゲット部30aをスパッタリングしてワークW内側表
面にアルミニウム膜を成膜し、その後、Arガスの供
給、電磁石31及び電極30への電力印加を停止し、真
空槽1内にモノマーガスを供給しつつ、同じ電極30に
高周波電力を印加して電極30及び真空槽1間で高周波
グロー放電を発生させ、モノマーを分解重合させてアル
ミニウム膜上に保護膜を成膜する。スパッタターゲット
となる電極30をプラズマ重合用の放電電極として共用
する。
Description
表面に金属膜及び保護膜を効率的に成膜する成膜装置及
び成膜方法に関する技術分野に属するものである。
て、例えば特開平3―202467号公報に示されるよ
うに、真空槽内に高周波スパッタ用の高周波電力が印加
される電極及び基板を配設するとともに、真空槽内にプ
ラズマCVD用の高周波プラズマを発生させるコイル
と、マイクロ波プラズマを発生させるための導波管とを
設け、1つの真空槽内で基板に対し高周波スパッタリン
グとプラズマCVDとを行い得るようにしたものが提案
されている。
明器具の反射鏡等の光学的リフレクタの製造工程におい
ては、そのリフレクタ表面に反射膜としてのアルミニウ
ム等の金属膜を成膜した後、その金属膜上にプラズマ重
合等によって保護膜を形成することが一般に行われてい
る。
金属膜及び保護膜を成膜する場合、金属膜用の成膜装置
でリフレクタ表面に金属膜を付けた後、そのリフレクタ
を保護膜用成膜装置に移し代えて保護膜を成膜する方
法、或いは1つの蒸着装置中で、金属材料の蒸着によっ
てリフレクタに金属膜表面を成膜した後、プラズマ重合
によって保護膜を成膜する方法が知られている。
方法では、成膜装置が大掛かりな規模となり、成膜材料
の供給系等のメンテナンスも面倒であり、さらには一度
に多量のワークを処理する場合、前後の工程との接続の
ためにバッファ装置が必要となる。
の真空槽内でリフレクタ表面にスパッタリングにより金
属膜を成膜した後、その金属膜上に電極からの放電によ
るプラズマ重合により保護膜を成膜するようにしてもよ
いが、その場合、真空槽内にスパッタリング用及び放電
用の各電極が必要となり、成膜装置の規模を小さくする
ことに限度がある。
で、その目的は、上記光学的リフレクタの如きワーク
(基板)に対しスパッタリングと放電によるプラズマC
VDとによりそれぞれ成膜を行う場合に、電極構成を簡
単にして成膜装置の規模を小さくしながら、成膜を効率
よく行い得るようにすることにある。
めに、この発明では、ワークに対しスパッタリングによ
る成膜とプラズマCVDによる成膜とをそれぞれ1つの
共通の真空槽内で行うに当たり、スパッタリング用のタ
ーゲットとなる電極をプラズマCVD用の放電電極とし
て共用するようにした。
内でワーク表面に金属膜及び保護膜を成膜するようにし
た成膜装置として、真空槽内に配設され、少なくとも一
部が、上記金属膜材料からなるターゲット部とされた電
極と、この電極に直流電圧を印加する直流電源と、真空
槽内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段と、上
記電極に高周波電力を印加する高周波電源と、真空槽内
に上記保護膜材料となる反応ガスを供給する反応ガス供
給手段とを備えている。
空槽内に不活性ガスを供給した状態で、直流電源により
直流電圧を電極に印加することにより、該電極のターゲ
ット部をスパッタリングしてワーク表面に金属膜を成膜
する一方、上記不活性ガス供給手段による不活性ガスの
供給及び直流電源による直流電圧の印加を停止し、かつ
上記反応ガス供給手段により真空槽内に反応ガスを供給
した状態で、高周波電源により上記電極に高周波電力を
印加することにより、電極から放電を発生させ、上記反
応ガスをプラズマ状態で反応させてワーク表面に保護膜
を成膜するように構成する。
ーク表面に金属膜を成膜した後、その金属膜上に保護膜
を成膜するようにした成膜装置として、上記請求項1の
発明と同様に、電極、直流電源、不活性ガス供給手段、
高周波電源及びる反応ガス供給手段を備えたものとし、
上記不活性ガス供給手段により真空槽内に不活性ガスを
供給した状態で、直流電源により直流電圧を電極に印加
することにより、該電極のターゲット部をスパッタリン
グしてワーク表面に金属膜をスパッタ成膜し、その後、
上記不活性ガス供給手段による不活性ガスの供給及び直
流電源による直流電圧の印加を停止し、かつ上記反応ガ
ス供給手段により真空槽内に反応ガスを供給した状態
で、高周波電源により上記電極に高周波電力を印加する
ことにより、電極から放電を発生させ、上記反応ガスを
プラズマ状態で反応させてワーク表面に保護膜を成膜す
るように構成する。
構成により、ワーク表面に金属膜を成膜する際、不活性
ガス供給手段により真空槽内に不活性ガスが供給され
て、その状態で直流電源により直流電圧が電極に印加さ
れ、その電極のターゲット部のスパッタリングによりワ
ーク表面に金属膜がスパッタ成膜される。これに対し、
ワーク表面に保護膜を成膜する際、不活性ガスの供給及
び直流電圧の印加が停止されるとともに、反応ガス供給
手段により真空槽内に反応ガスが供給され、その状態で
高周波電源により同じ電極に高周波電力が印加されて電
極から放電が発生し、反応ガスのプラズマ反応によりワ
ーク表面上に保護膜が成膜される。従って、1つの真空
槽内でワーク表面にスパッタリングによる金属膜とプラ
ズマCVDによる保護膜とがそれぞれ成膜されるので、
成膜装置の規模を小さくすることができるとともに、成
膜効率を高めることができる。しかも、スパッタリング
用のターゲットとなる電極がプラズマCVD用の放電電
極として共用されるので、電極の構成を簡素化すること
ができる。
びその内部の電極をそれぞれ複数設け、各真空槽内での
ワークに対する金属膜及び保護膜の成膜を、他の真空槽
内での成膜と時間的にずらして交互に行うように構成す
る。こうすれば、各真空槽内でワークの金属膜及び保護
膜の成膜が他の真空槽と重ならないので、各真空槽の稼
働率を向上できるとともに、連続してワークが流れる生
産工程であってもバッファ装置を要することなく生産ラ
インを組むことができる。
をスパッタ成膜する前に、ワークを表面が電極に対し反
対側に向くように反転させかつ不活性ガス供給手段によ
り真空槽内に不活性ガスを供給した状態で、高周波電源
により電極に高周波電力を印加することにより、電極か
ら放電を発生させて電極のターゲット部をスパッタリン
グするように構成する。このことで、ワーク表面にスパ
ッタ成膜により金属膜を成膜する際のターゲットとなる
電極ターゲット部がスパッタリングされ、そのターゲッ
ト部表面上の酸化物等の絶縁層や、前回のワークに対す
るプラズマCVDによる成膜工程での保護膜材料成分等
を除去することができる。しかも、このときには、ワー
クは電極に対し反転されているので、上記電極から除去
される不純物がワーク表面に付着して金属膜の品質不良
を招くことはない。
磁界を発生させる電磁石を有するマグネトロン電極とす
る。こうすると、マグネトロン電極をターゲットとして
スパッタ成膜するマグネトロンスパッタリングを行うに
当たり、上記請求項1又は2の発明と同様の作用効果を
奏することができる。
段は、反応ガスとしてモノマーを供給するように構成す
る。そして、この反応ガス供給手段により真空槽内にモ
ノマーを供給した状態で、高周波電源により電極に高周
波電力を印加することにより、電極から高周波グロー放
電を発生させ、上記モノマーを分解重合させてワーク表
面に保護膜をプラズマ重合成膜するように構成する。
高周波グロー放電によりモノマーをプラズマ状態として
ワーク表面上にプラズマ重合成膜させるに当たり、上記
請求項1又は2の発明と同様の作用効果を奏することが
できる。
装置において、ワークは光学的リフレクタとし、金属膜
はアルミニウムからなし、保護膜はヘキサメチルジシロ
キサン(シリコン)からなす。このことで、光学的リフ
レクタの表面に、反射膜としてアルミニウム膜とヘキサ
メチルジシロキサンからなる保護膜とを成膜する場合
に、請求項1又は2の発明と同様の効果が得られる。
に金属膜を成膜した後、その金属膜上に保護膜を成膜す
る成膜方法の発明である。
も一部が上記金属膜材料からなるターゲット部とされた
電極を配置し、真空槽内に不活性ガスを供給した状態
で、上記電極に直流電圧を印加することにより、電極の
ターゲット部をスパッタリングしてワーク表面に金属膜
をスパッタ成膜する。
の直流電圧の印加を停止し、かつ真空槽内に上記保護膜
材料からなるモノマーを供給した状態で、上記同じ電極
に高周波電力を印加することにより、電極から高周波グ
ロー放電を発生させ、上記モノマーを分解重合させてワ
ーク表面に保護膜をプラズマ重合成膜する。この発明で
も、上記請求項5又は6の発明と同様の作用効果が得ら
れる。
置Aを示し、この成膜装置Aは、光学的リフレクタであ
る車両用ヘッドランプの反射鏡となるワークW(基板)
の成膜対象面たる内側表面にアルミニウム膜(金属膜)
を成膜した後、そのアルミニウム膜上に保護膜を成膜す
る用途に用いられる。この保護膜は例えばシリコンオイ
ルの一種であるヘキサメチルジシロキサン(化学式(C
H3 )3 ・SiO・Si(CH3 )3 )からなる。
を有する真空槽で、この真空槽1の側壁にはゲート3に
よって開閉される開口2aがあけられており、複数のワ
ークW,W,…を取付固定したワーク支持ホルダ(図示
せず)を真空チャンバ2内に対し開口2aを経由して出
し入れする。尚、各ワークWはその内側表面(成膜対象
面)を上向きにした状態でホルダに固定されて真空チャ
ンバ2内に出し入れされる。また、図示しないが、真空
槽1内にはホルダに取付支持されている各ワークWをホ
ルダ毎反転させる反転機構が設けられている。
を排出して該チャンバ2を真空状態にする真空排気装置
5が接続されている。この真空排気装置5は真空チャン
バ2に連通する第1排気通路6を備え、この第1排気通
路6の下流端は真空ポンプとしての油回転ポンプ7に接
続されている。第1排気通路6の途中には粗引き弁8
と、その下流側に真空ポンプとしてのメカニカルブース
タポンプ9とが配設されており、粗引き弁8を開けた状
態でメカニカルブースタポンプ9及び油回転ポンプ7に
より真空チャンバ2の真空粗引きを行う。また、上記粗
引き弁8及びメカニカルブースタポンプ9の間の第1排
気通路6と真空チャンバ2とは第2排気通路10により
接続され、この第2排気通路10の途中には主弁11
と、その下流側に高真空ポンプ12と、その下流側の本
引き弁13とが配設されており、粗引き弁8を閉じて主
弁11及び本引き弁13を開けた状態で、高真空ポンプ
12、メカニカルブースタポンプ9及び油回転ポンプ7
により真空チャンバ2を高真空まで真空引きを行うよう
にしている。
やモノマーガスが導入されて成膜が行われる際、第2排
気通路10での排気量を調整することで、真空チャンバ
2の圧力を成膜に適正な圧力に保つようにしている。
入してチャンバ2を真空状態から大気圧に戻す大気導入
通路15が接続されている。この大気導入通路15の途
中には大気導入弁16が配設されており、この大気導入
弁16の開弁により、真空状態にある真空チャンバ2を
大気に開放して真空チャンバ2に大気を導入するように
している。
ャンバ2に不活性ガスとしてのアルゴンガス(Arガ
ス)を供給する不活性ガス供給装置20と、同様に上記
ワークWの内側表面に成膜される保護膜の材料となる反
応ガスとしてのモノマーガスを供給する反応ガス供給装
置25とが接続されている。上記不活性ガス供給装置2
0は真空チャンバ2に連通するアルゴン供給通路21を
備え、このアルゴン供給通路21の上流端はアルゴンガ
スボンベ22に接続されている。また、アルゴン供給通
路21の途中にはアルゴンガス導入弁23が配設されて
おり、この導入弁23の開弁によってアルゴンガスボン
ベ22から真空チャンバ2にアルゴンガスを供給するよ
うにしている。
ャンバ2に連通するモノマー供給通路26を備え、この
モノマー供給通路26の上流端はモノマーボンベ27に
接続され、モノマー供給通路26の途中にはモノマー導
入弁28が配設されており、このモノマー導入弁28の
開弁によってモノマーボンベ27から真空チャンバ2に
モノマーガスを供給するようにしている。
30が配置され、このマグネトロン電極30は、その内
部に通電により磁界を発生させる電磁石31を有する。
また、電極30の下部には、真空チャンバ2に臨むアル
ミニウム(金属膜材料)からなるターゲット部30aが
形成されている(尚、電極30全体をアルミニウムで構
成することもできる)。
はコイル電源33が接続されている。また、マグネトロ
ン電極30自体には電極30に高圧の直流電圧を印加す
る直流電源34と、電極30に高周波電力を印加する高
周波電源35(RF電源)とが接続されている。
置5における各ポンプ7,9,12のON/OFF作動
及び各弁8,11,13の開閉作動、大気導入弁16、
アルゴンガス導入弁23及びモノマー導入弁28の開閉
作動、各電源33〜35のON/OFF作動は図外の制
御ユニットにより制御されるようになっており、この制
御ユニットの制御により、図2(a)に示すように、真
空槽1内の真空状態にある真空チャンバ2に不活性ガス
供給装置20によりアルゴンガスを供給した状態で、マ
グネトロン電極30の電磁石31にコイル電源33から
電流を流して電極30にマグネトロン磁界を発生させ、
かつ直流電源34により直流電圧をマグネトロン電極3
0に印加することにより、その電極30のターゲット部
30aをスパッタリングしてワークWの内側表面にアル
ミニウム膜をスパッタ成膜し、その後、引き続いて、図
2(b)に示す如く、上記不活性ガス供給装置20によ
るアルゴンガスの供給、コイル電源33による電流の供
給及び直流電源34による直流電圧の印加を停止し、か
つ反応ガス供給装置25により真空槽1内にモノマーガ
スを供給した状態で、高周波電源35により同じマグネ
トロン電極30に高周波電力を印加することにより、そ
のマグネトロン電極30(スパッタ成膜時のターゲッ
ト)を平行平板電極として、マグネトロン電極30及び
真空槽1の間で高周波グロー放電を発生させ、モノマー
ガスを分解重合反応させてワークWの内側表面の上記ア
ルミニウム膜上に保護膜をプラズマ重合成膜するように
している。
34との間にはフィルタ36が直列に接続されており、
上記高周波電源35からの高周波電力が直流電源34に
流れずにマグネトロン電極30に有効に流れるようにす
るために、直流電源34へ流れる高周波電力をフィルタ
36にて遮断している。
はインピーダンス整合用の整合器37(マッチングボッ
クス)が直列に接続されている。
われる成膜装置Aの動作(ワークWに対する成膜方法)
について図3に示すフローチャートに沿って詳細に説明
する。まず、真空槽1のゲート3をあけて真空チャンバ
2に開口2aから、ワーク支持ホルダに取付支持された
ワークW,W,…をロードする(ステップS1)。この
とき、各ワークWは、その成膜しようとする内側表面が
上向き(真空チャンバ2上部のマグネトロン電極30側
に向いた状態)になるように正転状態に配置される。
2を気密密閉した後(ステップS2)、真空排気を行う
(ステップS3〜S8)。つまり、最初に、油回転ポン
プ7及びメカニカルブースタポンプ9をそれぞれON作
動させかつ粗引き弁8を開くことで、粗真空系をON作
動させる(ステップS3)。その後、真空チャンバ2が
所定の真空度に達したかどうかを判定し(ステップS
4)、この判定がYESになると、上記粗引き弁8を閉
じ(ステップS5)、次いで、高真空ポンプ12をON
作動させかつ本引き弁13を開き(ステップS6)、さ
らに主弁11を開く(ステップS7)。
達したか否かを判定し(ステップS8)、この判定がY
ESになると、チャンバ2の反転機構により各ワークW
を図1で仮想線にて示すように反転して成膜対象面たる
内側表面が下向き(マグネトロン電極30と反対側に向
いた状態)になるように裏返す(ステップS9)。
ンガス導入弁23を開き、真空チャンバ2の圧力を適正
圧力に保ちながら高周波電源35をON作動させて、マ
グネトロン電極30と真空槽1との間で高周波グロー放
電を起こし、マグネトロン電極30におけるターゲット
部30aの表面部分を蒸発させる電極クリーニングを行
う(ステップS10)。
表面に直流スパッタ成膜によりアルミニウム膜を成膜す
る前に、各ワークWをその内側表面がマグネトロン電極
30に対し反対側に向くように反転させかつ不活性ガス
供給装置20により真空槽1内のチャンバ2にアルゴン
ガスを供給した状態で、高周波電源35により電極30
に高周波電力を印加し、電極30から放電を発生させ
る。このことで、マグネトロン電極30のターゲット部
30a表面がスパッタリングされて蒸発し、ターゲット
部30a表面上に形成されている酸化物等の絶縁層や、
前回のプラズマ重合による保護膜の成膜工程で付着して
いた保護膜材料成分等が効果的に除去される。
成膜しようとする内側表面がマグネトロン電極30と反
対側である下側に向くように反転されているので、上記
電極30のターゲット部30aから除去される不純物が
ワークWの内側表面に付着せず、後述のアルミニウム膜
の成膜時に不純物の混入による品質不良を招くことはな
い。
電極ターゲット部30aに対するスパッタリングが一定
時間継続したかどうかを判定し(ステップS11)、一
定時間の経過によってこの判定がYESになると、上記
高周波電源35をOFF作動させる(ステップS1
2)。次いで、真空チャンバ2の反転機構によりワーク
Wを内側表面が上向き(マグネトロン電極30側に向い
た状態)となるように元の姿勢に正転させる(ステップ
S13)。
をそれぞれON作動させる(ステップS14)。つま
り、図2(a)に示すように、真空チャンバ2に上記不
活性ガス供給装置20によりアルゴンガスを供給した状
態で、マグネトロン電極30の電磁石31にコイル電源
33から電流を流して電極30にマグネトロン磁界を発
生させ、かつ直流電源34により直流電圧をマグネトロ
ン電極30に印加することにより、その電極30のター
ゲット部30aをスパッタしてワークWの内側表面にア
ルミニウム膜をスパッタ成膜する。
ット部30a表面の酸化物等の絶縁層や保護膜材料成分
等が除去されて清浄にされているので、上記スパッタリ
ングによるアルミニウム膜を安定して良好に成膜するこ
とができる。
ングが終了したかどうかを判定し(ステップS15)、
この判定がYESになると、上記コイル電源33及び直
流電源34を共にOFF作動させるとともに、アルゴン
ガス導入弁23を閉じてアルゴンガスの供給を停止する
(ステップS16)。
導入弁28を開き、真空チャンバ2の圧力を適正圧力に
保ちつつ上記高周波電源35をON作動させる(ステッ
プS17)。このことで、図2(b)に示す如く、マグ
ネトロン電極30のターゲット部30aを平行平板電極
として、該電極ターゲット部30aと真空槽1との間で
高周波グロー放電を発生させ、このグロー放電によりチ
ャンバ2のモノマーガスをプラズマ状態として分解重合
反応させ、ワークWの内側表面のアルミニウム膜上にモ
ノマーによる保護膜をプラズマ重合成膜する。
かを判定し(ステップS18)、この判定がYESにな
ると、上記高周波電源35をOFF作動させるととも
に、モノマー導入弁28を閉じてモノマーガスの供給を
停止する(ステップS19)。次いで、大気導入弁16
を開いて真空チャンバ2を大気中に開放する大気ベント
を行った後、大気導入弁16を閉じ状態に戻し(ステッ
プS20)、真空槽1のゲート3を開けて真空チャンバ
2から、ホルダに取付支持されたワークWをアンロード
する(ステップS21)。以上でワークWに対する1サ
イクルの成膜工程が終了し、以後は、最初(ステップS
1)に戻ってワークW毎に同様のサイクルを繰り返す。
一の真空槽1内で各ワークWの内側表面にスパッタリン
グによるアルミニウム膜の成膜が行われ、引き続き真空
状態を保ったままで、そのアルミニウム膜上にプラズマ
重合による保護膜の成膜が行われるので、真空槽1のチ
ャンバ2をスパッタ成膜用及びプラズマ重合成膜用とし
て共用でき、その分、成膜装置Aの規模を小さくし、か
つ成膜効率を高めることができる。
マグネトロン電極30がプラズマ重合用の平行平板放電
電極としても共用されるので、真空チャンバ2に配置す
る必要のある電極30は1つのみで済み、電極30の構
成を簡素化することができる。
施形態2を示し(尚、図1〜図3と同じ部分については
同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、真空槽
1を2基並べて交互に稼働させることで、連続成膜でき
るようにしたものである。
ように、第1及び第2の2基の真空槽1A,1Bが設け
られており、各真空槽1A,1B内の真空チャンバ2,
2にそれぞれマグネトロン電極30,30が配置されて
いる。フィルタ36及び整合器37は各真空槽1A,1
Bの電極30毎に接続されているが、コイル電源33、
直流電源34及び高周波電源35は両真空槽1A,1B
で共用とされ、各真空槽1A,1Bの電極30に選択的
に切り換えて接続するためにコイル電源33、直流電源
34及び高周波電源35と各真空槽1A,1Bの電極3
0との分岐接続部には切換スイッチ39〜41が接続さ
れている。
各真空槽1A,1B毎の粗引き弁8下流側で互いに集合
され、その集合された第1排気通路6に共通のメカニカ
ルブースタポンプ9及び油回転ポンプ7が配置されてい
る。また、第2排気通路10は各真空槽1A,1B毎に
設けられ、その下流端は上記第1排気通路6とは別の油
回転ポンプ7′に接続されている。
ン供給通路21は各真空槽1A,1B毎のアルゴンガス
導入弁23上流側で互いに集合されて1つのアルゴンガ
スボンベ22に、また反応ガス供給装置25のモノマー
供給通路26は各真空槽1A,1B毎のモノマー導入弁
28上流側で互いに集合されて1つのモノマーボンベ2
7にそれぞれ接続されている。
御されるワーク着脱機構(このワーク着脱機構43は上
記実施形態1にも同様のものが設けられているが、図示
していない)であって、真空槽1A,1B側方のステー
ジで各ワークWをホルダに対し取り付け又は取り外すも
のである。この実施形態では実施形態1とは異なり、両
真空槽1A,1Bについて共用された1つのワーク着脱
機構43が設けられている。
れる2基の真空槽1A,1Bのタクト動作を示してお
り、各真空槽1A,1Bのチャンバ2についてみれば実
施形態1と同じ動作が行われる(図3参照)。そして、
各真空槽1A(又は1B)内でワークWに対するアルミ
ニウム膜及び保護膜の成膜を、他の真空槽1B(又は1
A)での成膜と時間的にずらして交互に行うようにして
いる。
の真空槽1A,1Bの各々のチャンバ2,2で、ワーク
Wのアルミニウム膜の成膜、次いでその上に保護膜の成
膜が交互に行われるので、電源やガス供給系、真空排気
系の共用化を図るとともに、各真空槽1A,1Bの稼働
率を向上させることができる。また、連続してワークW
が流れる生産工程であってもバッファ装置を要すること
なく生産ラインを組むことができる。
形態1では、真空チャンバ2に対するワークWのロード
時、各ワークWをその成膜しようとする内側表面が上向
き(マグネトロン電極30側に向いた状態)になるよう
に配置してロードし、スパッタリングによるアルミニウ
ム膜の成膜前に、チャンバ2の反転機構によりワークW
を反転させるようにしているが、予め各ワークWを反転
させてロードするようにしてもよく、その場合には、ア
ルミニウム膜の成膜前にワークWを反転させる動作(図
3のステップS9)は不要となる。
クWを車両用ヘッドランプの反射鏡としているが、本発
明は、車両用以外の各種ランプの反射鏡や反射鏡以外の
光学的リフレクタに成膜する場合も適用することができ
る。さらには、光学的リフレクタ以外のワークに成膜す
るようにしてもよい。
はアルミニウム膜以外であってもよく、そのスパッタ成
膜に真空チャンバ2に供給する不活性ガスについてもア
ルゴンガスに限定されない。また、プラズマ重合成膜さ
れて保護膜となる材料はヘキサメチルジシロキサン(シ
リコン)以外のモノマーであってもよい。
上記各実施形態の如きマグネトロン電極30の他、平板
スパッタ電極であってもよい。また、本発明は、上記各
実施形態のようにプラズマ重合により保護膜を成膜する
のに代えて、プラズマCVDにより保護膜を成膜する場
合にも適用することができる。
連続成膜する場合、その数は上記実施形態2のように2
基に限定されず、3基以上であってもよく、各真空槽1
内でワークWに対する金属膜及び保護膜の成膜を順に交
互に行えばよい。
クWの表面に金属膜を成膜し、次いで、その金属膜上に
保護膜を成膜するようにしているが、本発明は、ワーク
表面に対し金属膜及び保護膜を互いに別の箇所にそれぞ
れ独立して成膜する場合にも適用することができ、同様
の作用効果が得られる。
は、真空槽内でワーク表面に金属膜及び保護膜を成膜す
る場合、真空槽内に、金属膜となる材料からなるターゲ
ット部を有する電極を配置し、真空槽内に不活性ガスを
供給した状態で、電極に直流電圧を印加して、電極ター
ゲット部をスパッタリングしてワーク表面に金属膜をス
パッタ成膜する一方、不活性ガスの供給及び電極への直
流電圧の印加を停止し、かつ真空槽内に反応ガスを供給
した状態で、同じ電極に高周波電力を印加することによ
り、電極で高周波放電を発生させ、反応ガスをプラズマ
状態で反応させてワーク表面に保護膜を成膜するように
した。また、請求項2の発明では、真空槽内でワーク表
面に金属膜を成膜して、その上に保護膜を成膜する場
合、真空槽内に不活性ガスを供給した状態で、金属膜と
なる材料からなるターゲット部を有する電極に直流電圧
を印加して、電極ターゲット部をスパッタリングしてワ
ーク表面に金属膜をスパッタ成膜し、その後、不活性ガ
スの供給及び電極への直流電圧の印加を停止し、かつ真
空槽内に反応ガスを供給した状態で、同じ電極に高周波
電力を印加することにより、電極で高周波放電を発生さ
せ、反応ガスをプラズマ状態で反応させてワーク表面に
保護膜を成膜するようにした。従って、これら発明によ
ると、1つの真空槽内でワークに金属膜及び保護膜をそ
れぞれ成膜でき、成膜装置の規模を小さくしかつ電極の
構成を簡素化しつつ、成膜効率を高めることができる。
を複数設け、ワークに対する金属膜及び保護膜の成膜を
各真空槽内で時間的にずらして交互に行うようにしたこ
とにより、各真空槽の稼働率の向上を図ることができる
とともに、ワークの連続生産工程でバッファ装置を要す
ることなく生産ラインを組むことができる。
する金属膜の成膜前に、ワークを電極に対し反転させか
つ真空槽内に不活性ガスを供給した状態で、電極に高周
波電力を印加して電極で放電を発生させ、電極をスパッ
タリングするようにしたことにより、金属膜を成膜する
際のターゲットとなる電極を容易に清浄化することがで
きる。
より磁界を発生させる電磁石を有するマグネトロン電極
としたことにより、マグネトロンスパッタリングで成膜
する場合に、請求項1又は2の発明と同様の作用効果を
奏することができる。
ガスとしてモノマーを供給し、このモノマーの供給状態
で電極により高周波グロー放電を発生させ、モノマーを
分解重合させてワーク表面に保護膜をプラズマ重合成膜
するようにしたことにより、ワークの金属膜表面上にプ
ラズマ重合成膜させる場合に、請求項1又は2の発明と
同様の作用効果を奏することができる。
リフレクタとし、金属膜はアルミニウムからなし、保護
膜はヘキサメチルジシロキサンからなしたことにより、
光学的リフレクタの表面に反射膜としてのアルミニウム
膜とヘキサメチルジシロキサンからなる保護膜とを成膜
する場合に、請求項1又は2の発明と同様の効果が得ら
れる。
ク表面に金属膜をスパッタ成膜した後、その金属膜上に
保護膜を成膜する成膜方法として、真空槽内に不活性ガ
スを供給した状態で、金属膜材料からなるターゲット部
を有する電極に直流電圧を印加して、電極ターゲット部
をスパッタリングしてワーク表面に金属膜をスパッタ成
膜し、次いで、不活性ガスの供給及び電極への直流電圧
の印加を停止し、かつ真空槽内に保護膜材料からなるモ
ノマーを供給した状態で、同じ電極に高周波電力を印加
して、電極で高周波グロー放電を発生させ、モノマーを
分解重合させてワーク表面に保護膜をプラズマ重合成膜
することにより、請求項5又は6の発明と同様の作用効
果が得られる。
示す図である。
ある。
ート図である。
ムチャート図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 真空槽内でワーク表面に金属膜及び保護
膜を成膜するようにした成膜装置であって、 真空槽内に配設され、少なくとも一部が、上記金属膜材
料からなるターゲット部とされた電極と、 上記電極に直流電圧を印加する直流電源と、 真空槽内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段
と、 上記電極に高周波電力を印加する高周波電源と、 真空槽内に上記保護膜材料となる反応ガスを供給する反
応ガス供給手段とを備え、 上記不活性ガス供給手段により真空槽内に不活性ガスを
供給した状態で、直流電源により直流電圧を電極に印加
することにより、該電極のターゲット部をスパッタリン
グしてワーク表面に金属膜を成膜する一方、上記不活性
ガス供給手段による不活性ガスの供給及び直流電源によ
る直流電圧の印加を停止し、かつ上記反応ガス供給手段
により真空槽内に反応ガスを供給した状態で、高周波電
源により上記電極に高周波電力を印加することにより、
電極から放電を発生させ、上記反応ガスをプラズマ状態
で反応させてワーク表面に保護膜を成膜するように構成
されていることを特徴とする成膜装置。 - 【請求項2】 真空槽内でワーク表面に金属膜を成膜し
た後、その金属膜上に保護膜を成膜するようにした成膜
装置であって、 真空槽内に配設され、少なくとも一部が、上記金属膜材
料からなるターゲット部とされた電極と、 上記電極に直流電圧を印加する直流電源と、 真空槽内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段
と、 上記電極に高周波電力を印加する高周波電源と、 真空槽内に上記保護膜材料となる反応ガスを供給する反
応ガス供給手段とを備え、 上記不活性ガス供給手段により真空槽内に不活性ガスを
供給した状態で、直流電源により直流電圧を電極に印加
することにより、該電極のターゲット部をスパッタリン
グしてワーク表面に金属膜を成膜した後、上記不活性ガ
ス供給手段による不活性ガスの供給及び直流電源による
直流電圧の印加を停止し、かつ上記反応ガス供給手段に
より真空槽内に反応ガスを供給した状態で、高周波電源
により上記電極に高周波電力を印加することにより、電
極から放電を発生させ、上記反応ガスをプラズマ状態で
反応させてワーク表面に保護膜を成膜するように構成さ
れていることを特徴とする成膜装置。 - 【請求項3】 請求項1又は2の成膜装置において、 少なくとも真空槽及びその内部の電極がそれぞれ複数設
けられており、 各真空槽内でのワークに対する金属膜及び保護膜の成膜
を、他の真空槽での成膜と時間的にずらして交互に行う
ように構成されていることを特徴とする成膜装置。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかの成膜装置にお
いて、 ワーク表面に金属膜をスパッタ成膜する前に、ワークを
表面が電極に対し反対側に向くように反転させかつ不活
性ガス供給手段により真空槽内に不活性ガスを供給した
状態で、高周波電源により電極に高周波電力を印加する
ことにより、電極から放電を発生させて電極のターゲッ
ト部をスパッタリングするように構成されていることを
特徴とする成膜装置。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかの成膜装置にお
いて、 電極は、通電により磁界を発生させる電磁石を有するマ
グネトロン電極であることを特徴とする成膜装置。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかの成膜装置にお
いて、 反応ガス供給手段は、反応ガスとしてモノマーを供給す
るように構成されていて、 上記反応ガス供給手段により真空槽内にモノマーを供給
した状態で、高周波電源により電極に高周波電力を印加
することにより、電極から高周波グロー放電を発生さ
せ、上記モノマーを分解重合させてワーク表面に保護膜
をプラズマ重合成膜するように構成されていることを特
徴とする成膜装置。 - 【請求項7】 請求項6の成膜装置において、 ワークは光学的リフレクタであり、 金属膜はアルミニウムからなり、 保護膜はヘキサメチルジシロキサンからなることを特徴
とする成膜装置。 - 【請求項8】 真空槽内でワーク表面に金属膜を成膜し
た後、その金属膜上に保護膜を成膜する成膜方法であっ
て、 真空槽内に、少なくとも一部が上記金属膜材料からなる
ターゲット部とされた電極を配置し、 真空槽内に不活性ガスを供給した状態で、上記電極に直
流電圧を印加することにより、該電極のターゲット部を
スパッタリングしてワーク表面に金属膜をスパッタ成膜
し、 その後、上記不活性ガスの供給及び電極への直流電圧の
印加を停止し、かつ真空槽内に上記保護膜材料となるモ
ノマーを供給した状態で、上記電極に高周波電力を印加
することにより、電極から高周波グロー放電を発生さ
せ、上記モノマーを分解重合させてワーク表面に保護膜
をプラズマ重合成膜することを特徴とする成膜方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP00235497A JP3773320B2 (ja) | 1997-01-09 | 1997-01-09 | 成膜装置及び成膜方法 |
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ID=11526945
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- 1997-01-09 JP JP00235497A patent/JP3773320B2/ja not_active Expired - Lifetime
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