JP4137611B2 - 積層膜の形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属膜と保護膜を備える積層膜を成膜する成膜方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、薄膜を応用した各種の製品が用いられている。この薄膜が形成された製品として、例えば自動車のフロントランプやリアランプに用いられるリフレクタがある。
【0003】
このリフレクタは、光を反射させる反射膜と、この反射膜を保護するための保護膜とが積層されて形成されている。反射膜はアルミ(Al)等の金属材を原料として形成される。保護膜は、ポリマーに重合させることが可能なモノマーを主成分とする物質を原料として形成される。
【0004】
そして、上記反射膜のような金属材からなる膜は、カソードとして用いる電極を膜の原料とするスパッタリングによって成膜することができる。また、上記保護膜は、膜の原料ガスを存在させつつプラズマ放電を発生させるプラズマ重合により成膜することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、従来の技術として、例えば、特開平10−298751号公報には、一つの真空チャンバ内に基板を配置し、スパッタによる成膜とプラズマCVD(プラズマ重合)による成膜を順次に行うことが開示されている。
【0006】
このように、一つの真空チャンバ内でスパッタリングによる成膜とプラズマ重合による成膜とを行うようにすると、これらの異なる成膜プロセスを実行するにあたって、異なる真空チャンバ間で基板を搬送する必要がない。
【0007】
これにより、異なる成膜プロセスを実行することによって積層膜を形成する場合に、短時間で成膜を完了させることができ、また積層膜が形成された製品の製造コストを抑制することもできる。
【0008】
しかし、従来の技術によると、スパッタリングによる成膜とプラズマ重合による成膜によって積層膜を形成する場合に、必ずしも適切に成膜条件が設定されていなかった。そのため、成膜のプロセスを安定させて進行させ得るとは限らず、目標とする積層膜をより確実に短時間で成膜できるとは限らなかった。
【0009】
そこで、本発明は、スパッタリングとプラズマ重合とによって積層膜を形成するにあたり、成膜条件を適切に設定し、より確実に短時間で積層膜を形成することができる積層膜の形成方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、一つの真空チャンバ内でスパッタリングによる成膜とプラズマ重合による成膜とを行い、基材に金属膜及び保護膜を備える積層膜を形成する積層膜の形成方法であって、
前記真空チャンバ内を不活性ガスによる所定のガス圧にするとともに、前記真空チャンバ内に配置される一対のスパッタ電極の一方と他方を交互にカソード及びアノードとして駆動するように1kHz以上100kHz以下の周波数の交流電力を供給し、前記スパッタ電極をマグネトロンスパッタリングのターゲットとして機能させ、前記基材上にスパッタリングにより金属膜を成膜する金属膜成膜工程と、
前記真空チャンバ内をモノマーを主成分とする重合可能な物質からなる原料ガスと不活性ガスとにより10Pa以上300Pa以下のガス圧にするとともに、前記真空チャンバ内に配置される一対のプラズマ重合電極の一方と他方を交互にカソード及びアノードとして駆動するように1kHz以上100kHz以下の周波数の交流電力を供給してプラズマ放電を発生させ、前記金属膜に対する表面側にプラズマ重合により保護膜を成膜する保護膜成膜工程とを備えることを特徴としている(請求項1)。
【0011】
本発明によると、1kHz以上100kHz以下の範囲にある低周波数の交流電力を供給して前記金属膜及び保護膜を成膜するので、成膜レートを高めて短時間で積層膜を形成することができる。また、前記低周波数の交流電力を供給して成膜することにより、組織が緻密で強固な膜に成膜することができ、膜質を向上させることもできる。
【0012】
そして、上記プラズマ重合により保護膜を成膜するにあたり、ガス圧を10Pa以上300Pa以下の範囲として行うので、プラズマ放電を安定させて確実に成膜することができる。これにより、保護膜を成膜する成膜レートを向上させ、短時間で成膜を完了させることができる。
【0013】
また、前記保護膜成膜工程で供給される原料ガス及び不活性ガスによるガス圧を20Pa以上100Pa以下とすることもできる(請求項2)。これにより、保護膜を成膜するにあたり、プラズマ放電をより安定させ、成膜レートをより向上させることができる。
【0014】
また、前記金属膜成膜工程において供給する交流電力の周波数を30kHz以上60kHz以下とするのが(請求項3)、より好ましい。これにより、一つの真空チャンバ内でスパッタリングとプラズマ重合のプロセスを実行することにより、スパッタ電極にプラズマ重合による重合反応物が析出した状態でも、スパッタリングによる成膜レートを低下させることなく、金属膜を成膜することができる。
【0015】
そして、前記金属膜成膜工程において供給する交流電力の周波数を40kHzとするのが(請求項4)、最も好ましい。これにより、スパッタリングによる成膜レートを低下させることなく、金属膜を成膜することができる。
【0016】
また、前記金属膜成膜工程において供給する交流電力の周波数を40kHzとする場合について(請求項4)、前記保護膜成膜工程において供給する交流電力の周波数を40kHzとすることもできる(請求項5)。
【0017】
これにより、一つの真空チャンバでスパッタリングとプラズマ重合の各々のプロセスを実行するために供給する交流電力の周波数を同じ周波数にできるので、交流電力を供給する電源の調整を容易とできる。
【0018】
また、前記一対のスパッタ電極及び一対のプラズマ重合電極の各電極を長方形状に形成するのが好ましい(請求項6)。
【0019】
この発明によると、前記電極が長方形状に形成されており、電極の表面積が相対的に大きくされるので、該電極より真空チャンバ内に相対的に多くの電力を供給できる。
【0020】
これにより、これらの電極を動作させ、スパッタリングによって金属膜を成膜し、またプラズマ重合により保護膜を成膜するにあたり、成膜レートを高めることができる。
【0021】
また、前記一対のスパッタ電極及び一対のプラズマ重合電極の各電極を長方形状に形成する場合に(請求項6)、前記一対のスパッタ電極及び一対のプラズマ重合電極を、前記真空チャンバ内の前記基材に対する外方に配置し、前記基材を回転中心の回りに公転させつつ前記スパッタリングによる成膜及びプラズマ重合による成膜の各々を行うことができる(請求項7)。
【0022】
これにより、前記基材を公転させつつ、この基材に対する外方から前記電極によってスパッタリングやプラズマ重合の処理を行うことができる。これにより、多数の基材に対する成膜処理を高速で短時間に行うことができる。
【0023】
また、前記基材を公転させるとともに自転させることもできる(請求項8)。これにより、積層膜を基材に対してより均一に形成することができる。また、積層膜を基材の表面に加えて、裏面にも形成することができる。
【0024】
また、前記保護膜成膜工程において原料ガスにより供給する保護膜の原料としてヘキサメチルジシロキサン(HMDS)を選択することができる(請求項9)。これにより、ヘキサメチルジシロキサンにより保護膜を形成することができる。
【0025】
また、前記保護膜成膜工程において真空チャンバ内に供給する不活性ガスをアルゴン(Ar)ガスとし、原料ガスに対する不活性ガスを混合する割合を体積比において3倍以上15倍以下とすることもできる(請求項10)。これにより、プラズマ重合による成膜をプラズマ放電を安定させて行うための所要のガス圧としつつ、一定の成膜レートで保護膜を成膜することもできる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図1乃至図7に基づいて説明する。図1は、本発明を実施するための真空成膜装置の一例である真空成膜装置20を正面方向から眺めた正面図である。図2は、真空成膜装置20を上方から眺めた平面図である。図3は、真空成膜装置20を側方から眺めた側面図である。
【0027】
真空成膜装置20は、真空チャンバ1と排気装置とプロセスガス供給装置を備えている。真空チャンバ1の正面には、二つの扉2、3が設けられている。扉2、3は、各々が単独で真空チャンバ1を開閉できるように設けられている。
【0028】
扉2等は(以下、二つの扉2、3を区別する必要がない場合に「扉2等」という)、縦方向に沿った軸C1を中心に横方向に回転させて開閉するよう設けられている。二つの扉2等は、図1に示されるように、いずれか一方を閉じると、他方は開いた状態とされるように設けられている。図1には、正面から見て左側の扉2を閉じ、右側の扉3を開いた状態が示されている。
【0029】
そして、扉2等のいずれかを閉じることにより真空チャンバ1内の空間が外気より密閉される。また、二つの扉2、3の双方を開くことにより、真空チャンバ1内を外気に開放することができる。
【0030】
扉2等は、図1、図2に示されるように、内側にあたる部位が外方に向かって突出した形態に形成されている。そして、扉2等の外方に突出する部分により形成される空間は、扉2等を閉じると真空チャンバ1内の空間の一部を形成する。
【0031】
扉2等の内側の底部分には、扉3について図1に示されるように、回転テーブル5が設けられる。回転テーブル5は、図示しない所定の冶具を設置できるようにされている。そして、この所定の冶具は、成膜される対象となる複数の基材を各所に設置できるようにされている。
【0032】
図2において、Sの記号により示される各領域は、基材を回転テーブル5に設置したときの一つの基材が占める横方向の最大の範囲を示す。図2には、真空チャンバ1の縦方向の特定の位置における一つの平面に6つの基材を配置した場合の例が示されており、6つの基材の各々が占める空間の範囲が示される。
【0033】
図2に示されるように、複数の基材が回転テーブル5の中心C2を囲むように配置される。なお、図2には真空チャンバ1の縦方向の特定の位置における基材の配置が示されており、縦方向の各所において図2に示されるように基材を配置することができる。
【0034】
回転テーブル5は、中心C2を回転中心として回転駆動されるように設けられている。真空成膜装置20には、特に図示しないモータ等の回転駆動手段が設けられており、この回転駆動手段により回転テーブル5が回転駆動される。
【0035】
そして、基材に対して後に説明する各種の処理を行う場合には、扉2等を閉じて回転テーブル5を回転させることにより、真空チャンバ1内で回転テーブル5の中心C2の回りに基材を公転させつつ各処理を行う。
【0036】
また、回転テーブル5は、前記回転駆動手段によって駆動される図示しない基材駆動機構を配設できるようになっている。そして、この基材駆動機構により基材を中心C3を自軸とし該中心C3の回りに自転させることができる。
【0037】
これにより、基材に対して後に説明する各種の処理を行う場合に、基材に中心C2の回りに公転させるとともに中心C3の回りに自転させる自公転を行わせることもできる。
【0038】
この成膜装置20によると、二つの扉2、3が設けられ、扉2、3の各々に対して基材を設置することができる。これにより、図1、2に示されるように、一方の扉2を閉じて扉2に設置される基材の処理を行いつつ、他方の扉3に対して基材を設置する作業を進めることができる。
【0039】
これにより、一方の扉2に設置された基材に対する処理を終了すると、他方の扉3に設置される基材に対する処理を即時に開始することができる。これにより、多数の基材に対する処理を短時間で行うことができる。
【0040】
真空チャンバ1内は、後に説明する排気装置によって排気され、所要の圧力の雰囲気とされる。真空チャンバ1には、主排気管6及び副排気管7が接続されている。主排気管6及び副排気管7は真空チャンバ1内に通じており、真空チャンバ1内の空間は主排気管6及び副排気管7の双方又は一方によって排気される。
【0041】
主排気管6は、主排気系用の配管として設けられている。一方、副排気管7は、副排気系用の配管として設けられており、いわゆる粗引き用の配管として設けられている。
【0042】
また、真空チャンバ1には、複数のガス供給管が接続されている。ガス供給管は真空チャンバ1内の空間に通じており、基材に対する各処理を行うためのプロセスガスはガス供給管より真空チャンバ1内に供給される。
【0043】
図4は、真空チャンバ1に対する排気系及びガス供給系を示すブロック図である。図4において、PEはペニング真空計を表し、PIはピラニー真空計を表し、VSは真空スイッチを表し、LVはリークバルブを表し、MVはメインバルブを表し、DPは油拡散ポンプを表し、FVはフォアラインバルブを表し、RP2は第二のロータリーポンプを表している。また、図4において、RVはラフバルブを表し、MBPはメカニカルブースターポンプを表し、RP1は第一のロータリーポンプを表している。
【0044】
この図4に示される排気系において、油拡散ポンプ(DP)により排気する系統は、主排気系にあたる。主排気系は、真空チャンバ1内を比較的に高い真空度とする場合に作動させる。
【0045】
また、メカニカルブースターポンプ(MBP)により排気する系統は、副排気系にあたる。副排気系は、目標の真空度が比較的に低い場合に作動させる。例えば、低い真空度で処理可能なプロセスを実行する場合や、主排気系によって排気する前にある程度の真空度とする予備排気を行う場合に作動させる。
【0046】
また、図4に示されるガス供給系により、真空チャンバ1内にプロセスガスを供給することができる。このプロセスガスとして、不活性ガスとしてのアルゴン(Ar)ガス、原料ガス及び酸素ガスの各々を供給することができる。
【0047】
原料ガスは、プラズマ重合により保護膜を形成するための原料として供給される。原料ガスとして、モノマーを主成分として含んでおり、プラズマ重合によりポリマーに重合させることが可能な物質のガスが供給される。
【0048】
酸素ガスは、成膜を終了した後に後処理を行うために供給される。酸素ガスの供給は、通常の空気を供給することにより、この空気中に含まれる酸素を供給することによっても行える。
【0049】
図4に示されるガス供給系には、マスフロー8、9、10が設けられている。アルゴンガスは、アルゴンガスの供給系統11より第一のマスフロー8を通って真空チャンバ1に供給される。
【0050】
また、原料ガスは、原料ガスの供給タンク12より第二のマスフロー9を通って真空チャンバ1に供給される。また、酸素ガスは、酸素ガスの供給系統13より第三のマスフロー10を通って真空チャンバ1内に供給される。
【0051】
これらのマスフロー8、9、10は、各々がガスの供給量を調節できるようにされている。そして、これらマスフローを調節してガスの供給量を調節するとともに前記排気系統による排気力を調節することにより、真空チャンバ1内のガス圧を所要の圧力に調節することができる。
【0052】
また、真空チャンバ1には、図2及び図3に示されるように、一対のプラズマ重合電極16、17が設けられている。このプラズマ重合電極16、17は、この電極により真空チャンバ1内に交流電力を供給してプラズマ放電を生成させるために用いられる。後に説明する保護膜の成膜は、このプラズマ重合電極を駆動してプラズマ重合のプロセスを実行することによって行う。
【0053】
プラズマ重合電極16、17の各々は、少なくとも表面が真空チャンバ1内に位置するように設けられている。プラズマ重合電極16、17の各々は、縦方向を長手方向とする長方形状に形成されている。
【0054】
次に、プラズマ重合電極16、17と、この電極を駆動する低周波電源との接続について説明する。図5は、プラズマ重合電極16、17と低周波電源21との接続を示す。低周波電源21は、比較的に周波数の低い1kHz以上100kHz以下の範囲にある特定の周波数の交流電力を出力する。
【0055】
プラズマ重合電極16、17と低周波電源21を接続するにあたり、電極16、17の各々を電源21の正、負の電圧を出力する端子と接続し、電源21の接地と真空チャンバ1の導体により形成される壁部分とを共通に接地する。
【0056】
二つの電極16、17は、電源21より出力される電圧の極性の正と負の変化に応じて、交互にアノード(正極)及びカソード(負極)として駆動される。そして、真空チャンバ1内がプロセスガスにより所定のガス圧とされている状態で、電極16、17によりチャンバ1内に交流電力を供給すると、電極16、17間でプラズマ放電を発生させることができる。
【0057】
これにより、保護膜を成膜する場合には、原料ガス中のモノマーを主成分とする膜の原料物質をプラズマ重合のプロセスによって重合反応させ、ポリマーに重合させることができる。
【0058】
また、真空チャンバ1には、図2に示されるように一対のスパッタ電極14、15が設けられている。このスパッタ電極14、15は、マグネトロンスパッタリングにより成膜を行うためのターゲットとして用いられる。
【0059】
スパッタ電極14、15の各々は、少なくとも表面が真空チャンバ1内に位置するように設けられている。スパッタ電極14、15の各々は、プラズマ重合電極16、17と同様に、縦方向を長手方向とする長方形状に形成されている。
【0060】
次に、スパッタ電極14、15と、この電極を駆動する低周波電源との接続について説明する。図6は、スパッタ電極14、15と低周波電源21との接続を示している。低周波電源21は、比較的に周波数の低い1kHz以上100kHz以下の範囲にある特定の周波数の交流電力を出力する。
【0061】
スパッタ電極14、15と低周波電源21を接続するにあたり、電極14、15の各々を電源21の正、負の電圧を出力する端子と接続し、電源21の接地と真空チャンバ1の導体により形成される内壁面とを共通に接地する。
【0062】
二つの電極14、15は、電源21より出力される電圧の極性の正と負の変化に応じて、交互にアノード(正極)及びカソード(負極)として駆動される。そして、金属膜を成膜する場合には、真空チャンバ1内はアルゴンガスによる所定のガス圧とされており、イオン化したアルゴン原子がカソードとして駆動される電極14、15のいずれかに衝突し、この電極より金属物質が放出される。そして、放出された金属物質が基材上に析出されて金属膜が形成される。
【0063】
なお、以上に説明した一対のスパッタ電極14、15及び一対のプラズマ重合電極16、17は、長方形状をなす電極板の少なくとも表面が真空チャンバ1内に位置するように配置され、この電極板の裏面側で電極と連結され、電極と電極板とが同電位となる構造にされている。そして、前記電極板の裏面側に連結される電極が前記低周波電源21に直接に接続されている。
【0064】
そして、前記電極板を前記電極から取り外しできる構造にされており、必要に応じて適宜に電極板を交換することができる。特に、金属膜を成膜する場合、スパッタ電極14、15の電極板は、成膜しようとする金属膜と同じ材質により形成されたものを用いる。
【0065】
次に、スパッタ電極14、15及びプラズマ重合電極16、17の配置について、図7により詳しく説明する。図7は、成膜される基材と電極14乃至17との配置の関係を示す図である。図7は、真空チャンバ1に対する上方から眺めた平面的な状態によって示している。
【0066】
スパッタ電極14、15及びプラズマ重合電極16、17は真空チャンバ1の周壁に沿って配設されており、チャンバ1の中心側の領域Rに配置される基材に対する外方に設けられている。
【0067】
そして、これらの電極を動作させて基材に対する各処理を行う場合には、前記回転テーブル5を回転させて基材を公転させつつ又は自公転させつつ、基材に対する外方より各処理を行う。
【0068】
これにより、基材に対する処理を高速に短時間で行うことができる。また、基材を自転もさせる場合には、基材に対する処理をより均一に行うことができる。これにより、積層膜を基材に対して均一に形成することもできる。また、基材を自転もさせる場合には、基材の裏面にも積層膜を形成することができる。
【0069】
また、プラズマ重合電極16、17は、図7に示されるように、二つの電極の表面を互いに近づけるように傾けて配置されている。即ち、二つの電極は、それらの表面間のなす角度θpがθp<180°となるように配置されている。これにより、これらの電極によってプラズマ放電を形成させるにあたり、主に基材が配置される領域Rにプラズマ放電を形成することができる。
【0070】
これにより、基材が配置される領域Rに偏らせてプラズマ放電を形成し、チャンバ1内に平均的に形成しないので、電極16、17により基材を処理する効率を向上させることができ、またチャンバ1の内壁が汚染される等を抑制することができる。
【0071】
以上に説明した真空成膜装置20には、特に図示しないコントローラが設けられている。このコントローラにより成膜装置20の動作が制御される。即ち、図4により説明した真空チャンバ1の排気系やガス供給系は、前記コントローラによって制御され、真空チャンバ1内を各プロセスに応じた所定のガス圧とするように制御される。
【0072】
また、以上に説明したスパッタ電極14、15や重合電極16、17を動作させて基材に対する処理を行う場合の低周波電源の動作は前記コントローラによって制御される。
【0073】
そして、スパッタリングにより金属膜を成膜する場合やプラズマ重合により保護膜を成膜する場合に、所定の成膜レートで成膜できるように前記コントローラが電源の出力を制御する。
【0074】
次に、以上に説明した真空成膜装置20により、積層膜を形成する工程の例について説明する。以下の説明では、積層膜の具体例として自動車等のヘッドライトのリフレクタに応用されるものの例により説明する。
【0075】
まず、真空成膜装置20に所要のセットアップを行う。アルミ(Al)の電極板をセットすることにより、スパッタ電極14、15を構成する。そして、原料ガスの供給タンク12に、保護膜を形成するための原料ガスとしてヘキサメチルジシロキサン(HMDS)のモノマーを主成分とするガスを充填する。
【0076】
そして、扉2、3のいずれかに基材用の冶具を設置し、この冶具に沿って基材を設置する。そして、この基材が設置された扉を閉じて真空チャンバ1を密閉する。
【0077】
以上のセットアップを終了すると、成膜装置20を動作させ以下の(1)乃至(6)の工程を順に実行する。
【0078】
(1)前洗浄工程
前洗浄工程により、成膜を行う前に基材の表面を洗浄する。この洗浄は、基材の表面に付着している水分や油等の不純物を除去する処理であり、いわゆるイオンボンバードと呼ばれる処理によって行う。基材の洗浄を以下のように行う。
【0079】
真空チャンバ1内にプロセスガスとしてアルゴンガスを導入し所定のガス圧とする。そして、プラズマ重合電極16、17を動作させてアルゴンガスを媒質とするプラズマ放電を発生させる。これにより、アルゴンの正イオンを基材の表面に衝突させ、基材の表面より不純物を除去することができる。
この前洗浄工程は、真空チャンバ1内をアルゴンガスにより10Pa程度のガス圧の雰囲気として行う。
【0080】
(2)前処理工程
前処理工程により、いわゆる下引き層を基材の表面に成膜する。前処理工程を、以下のように行う。真空チャンバ1内に下引き層を成膜するためのプロセスガスを供給する。
【0081】
プロセスガスとして、下引き層の原料となるHMDSガスとアルゴンガスとを供給する。このプロセスガスの導入により真空チャンバ1内を20Pa程度のガス圧とする。
【0082】
そして、プラズマ重合電極16、17を動作させてプラズマ放電を発生させプラズマ重合のプロセスを実行する。これにより、基材の表面にHMDSの分子が重合され下引き層が形成される。
【0083】
この下引き層を形成すると、基材に吸着されていたガスの放出を抑制することができる。これにより、後に成膜される金属膜の劣化を防ぐことができる。これにより、最終的に得られる積層膜を応用した製品について、金属膜による美観の優れたものにすることができる。
【0084】
(3)前スパッタ処理工程
前スパッタ処理工程により、スパッタ電極14、15に対する前処理を行う。スパッタ電極14、15に対する前処理により、その表面の洗浄を行う。前スパッタ処理を以下のように行う。真空チャンバ1内にプロセスガスとしてアルゴンガスを供給する。真空チャンバ1内をアルゴンガスを導入することにより0.1〜1.0Pa程度のガス圧とする。
【0085】
そして、スパッタ電極14、15を動作させてアルゴンの正イオンをスパッタ電極14、15の表面に衝突させることにより、電極の表面より不純物を除去することができる。
【0086】
(4)金属膜成膜工程
金属膜成膜工程により、下引き層に対する表面側に金属膜を成膜する。金属膜成膜工程を以下のように行う。真空チャンバ1内にプロセスガスとしてアルゴンガスを供給し所定のガス圧とする。真空チャンバ1内をアルゴンガスを導入することにより、0.1〜1.0Pa程度のガス圧とする。
【0087】
そして、スパッタ電極14、15を低周波電源により動作させてマグネトロンスパッタリングによる成膜プロセスを実行する。これにより、スパッタ電極の材質であるアルミによる金属膜を成膜することができる。
【0088】
この金属膜成膜工程を行うにあたり、低周波電源により電極14、15を動作させる周波数を1kHz以上100kHzの範囲の特定の周波数とする。
【0089】
(5)保護膜成膜工程
保護膜成膜工程により、金属膜に対する表面側に保護膜を成膜する。保護膜成膜工程を以下のように行う。真空チャンバ1内にプロセスガスとしてHMDSの原料ガスとアルゴンガスを供給する。
【0090】
そして、プラズマ重合電極16、17を低周波電源により動作させてプラズマ放電を発生させ、プラズマ重合による成膜プロセスを実行する。これにより、HMDSの原料よりHMDSの分子が重合され、保護膜が形成される。
【0091】
この保護膜成膜工程を行うにあたり、プロセスガスを導入することにより真空チャンバ1内を10Pa以上300Pa以下の範囲の特定のガス圧として行う。また、低周波電源により電極16、17を動作させる周波数を1kHz以上100kHzの範囲の特定の周波数とする。
【0092】
(6)後処理工程
後処理工程として親水化処理を行う。親水化処理は、表面に形成された保護膜の表面に酸素を作用させて行う。これにより、保護膜の表面を水になじみ易くさせることができる。これにより、接着剤を塗りやすい等の効果がある。
この親水化処理は、プロセスガスとして酸素(空気)をチャンバ1内に導入することによって行う。
【0093】
以上の(1)乃至(6)の工程により、金属膜と保護膜を備える積層膜を形成することができる。そして、この積層膜が形成された基材は、自動車のリフレクタとして用いることができる。
【0094】
即ち、以上の工程によって形成された積層膜を備えるリフレクタは、アルミによる金属膜によって光を反射させ、その美観の優れたものとなる。また、HMDSの分子が重合することにより形成された保護膜により金属膜の経時劣化を防止することができる。そして、HMDSにより形成された保護膜によると、金属膜による美観を損なわせることがない。
【0095】
なお、以上に説明した工程のうち、(1)前洗浄工程、(2)前処理工程、(3)前スパッタ工程、(6)後処理工程は必ずしも行う必要はない。ただし、前洗浄工程(1)を行い、基材を洗浄することにより、その上に成膜される各種の膜の質を向上させることができる。これにより、リフレクタとしての美観を高めることができる。
【0096】
また、前処理工程(2)によって下引き層を形成することにより、基材に吸着されていたガスの放出を抑制することができる。これにより、その表面側に形成された金属膜の劣化を防ぐことができ、品質の劣化を防ぐことができる。
【0097】
また、前スパッタ工程(3)を行うと、スパッタされ金属膜の原料とされる電極をより清浄にすることができる。これにより、金属膜の膜質をより向上させることができる。
【0098】
また、後処理工程(6)によって親水化処理を行うことにより、積層膜が形成された製品の機能を高め、製品価値をより高めることができる。
【0099】
以上に説明した工程によると、スパッタリングによる金属膜の成膜及びプラズマ重合による保護膜の成膜を、1kHz以上100kHz以下の範囲にある低周波数の交流電力を供給して行っている。
【0100】
これにより、スパッタリング及びプラズマ重合のいずれについても成膜レートを高めることができ、目標とする金属膜及び保護膜の成膜を短時間で終了させることができ、積層膜の形成を短時間で完了させることができる。
【0101】
また、上記低周波数の電力を供給して成膜を行うことにより、金属膜及び保護膜ともに緻密で強固な膜に成膜することができる。これにより、以上の工程により積層膜を形成すると、金属膜及び保護膜の膜質を向上させることができる。
【0102】
また、スパッタリングにより金属膜を成膜する場合に、供給する電力の周波数を1kHz以上の範囲とすることにより、成膜レートの著しい低下を防ぐことができる。
【0103】
即ち、一つの真空チャンバ1内で、スパッタリングによる金属膜の成膜とプラズマ重合による保護膜の成膜を行うので、スパッタ電極14、15の表面にも重合反応物が析出され付着する。
【0104】
そして、保護膜は電気的に絶縁性を備える物質であるので、表面に保護膜が付着した状態でスパッタ電極を駆動すると、供給する電力の周波数が低い場合にはスパッタ電極がスパッタされにくくなる。
【0105】
そして、供給する電力の周波数を1kHz未満とすると、スパッタ電極がスパッタされにくくなり、成膜レートの著しい低下を招く。以上に説明した金属膜成膜工程(4)では、供給する電力の周波数を1kHz以上としており、成膜レートの著しい低下を防ぐことができる。
【0106】
そして、上記プラズマ重合のプロセスによる付着物が電極に付着することによる成膜レートの低下を防ぐ観点から、スパッタリングにより成膜する場合に供給する電力の周波数を30kHz以上とするのがより好ましい。
【0107】
一方、供給する電力の周波数を低くすると、成膜レートを向上させることができ、また膜質を向上させることもできる。かかる観点から、スパッタリングにより成膜する場合に、供給する電力の周波数を60kHz以下とするのがより好ましい。
【0108】
従って、スパッタリングにより金属膜を成膜する場合に、供給する交流電力の周波数を30kHz以上60kHz以下の範囲で選択するのがより好ましい。そして、この周波数を40kHzとするのが最も好ましい。
【0109】
また、スパッタリングによる成膜とプラズマ重合による成膜を行うにあたり、供給する電力を同じ周波数とするのがより好ましい。供給する交流電力の周波数を同じ周波数とすることで、一つの真空チャンバ1に対して電力を供給する低周波電源の調整が容易となるからである。また、電源設置上のコストを低減させることもできる。
【0110】
そして、プラズマ重合による成膜を行う場合に、成膜レート及び膜質の点から、より低い周波数を選択するのが好ましい。かかる観点から、スパッタリングによる成膜及びプラズマ重合による成膜のいずれの場合も、供給する電力の周波数を40kHzとするのが最も好ましい。
【0111】
また、以上に説明した工程によると、保護膜成膜工程では、真空チャンバ1内のガス圧を10Pa以上300Pa以下の範囲で選択されたガス圧としており、比較的に高いガス圧としている。これにより、プラズマ重合による成膜を安定して確実に行うことができ、目標とする保護膜を短時間で成膜することができる。これは、以下の理由による。
【0112】
以上に説明したように比較的に低い周波数の電力を供給してプラズマ重合を行う場合、プラズマ放電させる電極間の容量性のインピーダンスが高くなる。そして、チャンバ1内のガス圧が低いと、前記容量性のインピーダンスが高くなり、プラズマ放電を安定して維持できなくなる。従って、プラズマ放電を安定して維持するため、ガス圧を10Pa以上としている。
【0113】
一方、真空チャンバ1内のガス圧を高くしすぎると、プラズマ放電を不安定にし異常放電を発生させるおそれがある。そして、異常放電を発生すると、成膜レートが低下し、また膜質の低下も招く。
【0114】
かかる観点から、ガス圧を300Pa以下としている。以上のことから、保護膜成膜工程における真空チャンバ1内のガス圧を10Pa以上300Pa以下の範囲としている。
【0115】
そして、プラズマ放電を安定させ、成膜レートを向上させるためには、上記ガス圧をさらに20Pa以上とするのがより好ましい。一方、異常放電を防いでプラズマ放電を安定させるためには、上記ガス圧を100Pa以下とするのがより好ましい。従って、真空チャンバ1内のガス圧を20Pa以上100Pa以下とするのがより好ましい。
【0116】
また、プロセスガス中の原料ガスに対するアルゴンガスの割合を、体積比において、3倍以上となるようにするのが好ましい。即ち、原料ガスを供給する供給タンク12の供給能力と排気系の排気能力との関係から、真空チャンバ1内を上記ガス圧とするには、プロセスガス中の原料ガスに対するアルゴンガスの割合を3倍以上とするのが好ましい。
【0117】
一方、保護膜を成膜する成膜レートを一定以上に維持するためには、プロセスガス中の原料ガスを一定量以上含有させる必要がある。かかる観点から、アルゴンガスの割合を15倍以下とするのが好ましい。従って、プラズマ重合により保護膜を成膜するにあたり、プロセスガス中の原料ガスに対するアルゴンガスの割合を3倍以上15倍以下とするのが好ましい。
【0118】
また、以上に説明した真空成膜装置20によれば、プラズマ重合電極16、17が長方形状に形成され、電極の表面積を比較的に大きく取ることができる。このことによっても、電極間の容量性のインピーダンスを抑制することができる。これにより、プラズマ重合によって保護膜を成膜するにあたり、プラズマ放電を安定に維持することができる。
【0119】
また、プラズマ重合電極16、17及びスパッタ電極14、15が長方形状に形成されており、電極の表面積を比較的に大きく取ることができる。これにより、真空チャンバ1内に多くの電力を投入できるので、スパッタリング及びプラズマ重合の各々のプロセスにおける成膜レートを高めることができる。
【0120】
以上の説明では、金属膜について、アルミ(Al)の金属膜を成膜する例を挙げた。金属膜は、アルミ以外の金属材により成膜することもでき、スパッタ電極14、15を成膜したい材質を選択することによって各種の材質により形成することができる。
【0121】
また、以上の説明では、保護膜をHMDSにより形成する例を挙げた。保護膜は、HMDS以外にも、モノマーを主成分とするガス状の形態で原料を供給することができ、プラズマ重合によりポリマーに重合させることができる物質を原料として成膜することができる。
【0122】
また、以上の説明では、積層膜の応用例として自動車等のヘッドランプに用いられるリフレクタの例を挙げたが、本発明により形成される積層膜が応用される用途はリフレクタに限られない。
【0123】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、一つの真空チャンバ内において、金属膜と保護膜を成膜して積層膜を形成することができる。そして、本発明によると、前記積層膜を形成するにあたり、供給する交流電力の周波数を低周波数とするので、成膜レートを向上させ、短時間で積層膜を形成することができる。また、低周波数の交流電力を供給して成膜することにより、膜質を向上させることもできる。
【0124】
そして、本発明によると、プラズマ重合により保護膜を成膜するにあたり、真空チャンバ内を一定のガス圧とするので、プラズマ放電を安定して維持させることができ、成膜レートを低下させることなく短時間で積層膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である方法を実施するための真空成膜装置の正面図である。
【図2】真空成膜装置の平面図である。
【図3】真空成膜装置の側面図である。
【図4】真空チャンバの排気系及びガス供給系を示すブロック図である。
【図5】プラズマ重合電極と低周波電源の接続を示す図である。
【図6】スパッタ電極と低周波電源の接続を示す図である。
【図7】基材が配置される空間とスパッタ電極及びプラズマ重合電極との配置の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 真空チャンバ
2、3 扉
5 回転テーブル
6 主排気管
7 副排気管
8 第一のマスフロー
9 第二のマスフロー
10 第三のマスフロー
11 アルゴンガスの供給系統
12 原料ガスの供給タンク
13 酸素ガスの供給系統
14、15 スパッタ電極
16、17 プラズマ重合電極
20 真空成膜装置
21 低周波電源
Claims (10)
- 一つの真空チャンバ内でスパッタリングによる成膜とプラズマ重合による成膜とを行い、基材に金属膜及び保護膜を備える積層膜を形成する積層膜の形成方法であって、
前記真空チャンバ内を不活性ガスによる所定のガス圧にするとともに、前記真空チャンバ内に配置される一対のスパッタ電極の一方と他方を交互にカソード及びアノードとして駆動するように1kHz以上100kHz以下の周波数の交流電力を供給し、前記スパッタ電極をマグネトロンスパッタリングのターゲットとして機能させ、前記基材上にスパッタリングにより金属膜を成膜する金属膜成膜工程と、
前記真空チャンバ内をモノマーを主成分とする重合可能な物質からなる原料ガスと不活性ガスとにより10Pa以上300Pa以下のガス圧にするとともに、前記真空チャンバ内に配置される一対のプラズマ重合電極の一方と他方を交互にカソード及びアノードとして駆動するように1kHz以上100kHz以下の周波数の交流電力を供給してプラズマ放電を発生させ、前記金属膜に対する表面側にプラズマ重合により保護膜を成膜する保護膜成膜工程とを備えることを特徴とする積層膜の形成方法。 - 前記保護膜成膜工程で供給される原料ガス及び不活性ガスによるガス圧が20Pa以上100Pa以下であることを特徴とする請求項1に記載の積層膜の形成方法。
- 前記金属膜成膜工程において供給する交流電力の周波数が30kHz以上60kHz以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層膜の形成方法。
- 前記金属膜成膜工程において供給する交流電力の周波数が40kHzであることを特徴とする請求項3に記載の積層膜の形成方法。
- 前記保護膜成膜工程において供給する交流電力の周波数が40kHzであることを特徴とする請求項4に記載の積層膜の形成方法。
- 前記一対のスパッタ電極及び一対のプラズマ重合電極は、各電極が長方形状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の積層膜の形成方法。
- 前記一対のスパッタ電極及び一対のプラズマ重合電極は、前記真空チャンバ内の前記基材に対する外方に配置されており、前記基材を回転中心の回りに公転させつつ前記スパッタリングによる成膜及びプラズマ重合による成膜の各々を行うことを特徴とする請求項6に記載の積層膜の形成方法。
- 前記基材を前記公転させるとともに自転もさせることを特徴とする請求項7に記載の積層膜の形成方法。
- 前記保護膜成膜工程において原料ガスにより供給される保護膜の原料がヘキサメチルジシロキサン(HMDS)であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の積層膜の形成方法。
- 前記保護膜成膜工程において真空チャンバ内に供給される不活性ガスがアルゴン(Ar)ガスであり、原料ガスに対する不活性ガスを混合する割合を体積比において3倍以上15倍以下とすることを特徴とする請求項8に記載の積層膜の形成方法。
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