JP2003080625A - プラスチック基板への成膜方法、及び膜形成体 - Google Patents
プラスチック基板への成膜方法、及び膜形成体Info
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- JP2003080625A JP2003080625A JP2001273606A JP2001273606A JP2003080625A JP 2003080625 A JP2003080625 A JP 2003080625A JP 2001273606 A JP2001273606 A JP 2001273606A JP 2001273606 A JP2001273606 A JP 2001273606A JP 2003080625 A JP2003080625 A JP 2003080625A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 プラスチック製の基板を用いて金属や金属酸
化物からなる機能性膜を成膜した場合に、成膜した後に
機能性膜が剥離しないように安定して付着させるように
することである。 【解決手段】 プラスチック基板15にモノマーを重合
させてポリマーからなるアンダーコート層16を形成
し、このアンダーコート層16を親水処理して疎水性の
置換基を親水性の置換基に変化させ、この親水処理され
たアンダーコート層16上に金属又は金属酸化物からな
る機能性膜17を形成する。
化物からなる機能性膜を成膜した場合に、成膜した後に
機能性膜が剥離しないように安定して付着させるように
することである。 【解決手段】 プラスチック基板15にモノマーを重合
させてポリマーからなるアンダーコート層16を形成
し、このアンダーコート層16を親水処理して疎水性の
置換基を親水性の置換基に変化させ、この親水処理され
たアンダーコート層16上に金属又は金属酸化物からな
る機能性膜17を形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック基板
に対して金属又は金属酸化物からなる膜を成膜する方
法、及びプラスチック基板に機能性膜が形成された膜形
成体に関する。
に対して金属又は金属酸化物からなる膜を成膜する方
法、及びプラスチック基板に機能性膜が形成された膜形
成体に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の基板に各種の薄膜が成膜されると
ころであるが、これら薄膜が形成された基板は、光学ミ
ラーや光学フィルターのように光学的な機能を備える等
の、各種の機能を備える製品として用いられている。そ
して、成膜される基板としてアクリル等のプラスチック
製の基板が用いられることがあり、かかるプラスチック
製の基板に金属又は金属酸化物を材質とする各種の機能
性膜が形成されることがある。
ころであるが、これら薄膜が形成された基板は、光学ミ
ラーや光学フィルターのように光学的な機能を備える等
の、各種の機能を備える製品として用いられている。そ
して、成膜される基板としてアクリル等のプラスチック
製の基板が用いられることがあり、かかるプラスチック
製の基板に金属又は金属酸化物を材質とする各種の機能
性膜が形成されることがある。
【0003】そして、近年では、前記成膜された基板を
ベースとする製品が各方面で応用されるとともに、その
品質向上に対する需要も高まっており、基板に形成され
た膜の物理的な強度が高いこと等が求められている。
ベースとする製品が各方面で応用されるとともに、その
品質向上に対する需要も高まっており、基板に形成され
た膜の物理的な強度が高いこと等が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ここで、プラスチック
製の基板に、各種の金属又は金属酸化物の膜を成膜しよ
うとすると、基板に対する密着力の高い膜を形成するこ
とが困難であり、基板上に形成された膜が剥がれ易い等
の問題があった。
製の基板に、各種の金属又は金属酸化物の膜を成膜しよ
うとすると、基板に対する密着力の高い膜を形成するこ
とが困難であり、基板上に形成された膜が剥がれ易い等
の問題があった。
【0005】そこで、本発明は、プラスチック製の基板
を用いて金属や金属酸化物からなる機能性膜を成膜した
場合に、該機能性膜が剥離することのないように成膜す
るプラスチック基板への成膜方法、及びプラスチック基
板に機能性膜が形成された膜形成体を提供することを目
的とする。
を用いて金属や金属酸化物からなる機能性膜を成膜した
場合に、該機能性膜が剥離することのないように成膜す
るプラスチック基板への成膜方法、及びプラスチック基
板に機能性膜が形成された膜形成体を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、プラスチック基板上にシラン系有機化合
物のモノマーを重合させてポリマーからなるアンダーコ
ート層を形成する重合工程と、前記重合工程で得られた
アンダーコート層を親水処理して疎水性の置換基を親水
性の置換基に変化させる親水処理工程と、前記親水処理
されたアンダーコート層上に金属又は金属酸化物からな
る機能性膜を形成する主成膜工程とを有する、プラスチ
ック基板への成膜方法である(請求項1)。
め、本発明は、プラスチック基板上にシラン系有機化合
物のモノマーを重合させてポリマーからなるアンダーコ
ート層を形成する重合工程と、前記重合工程で得られた
アンダーコート層を親水処理して疎水性の置換基を親水
性の置換基に変化させる親水処理工程と、前記親水処理
されたアンダーコート層上に金属又は金属酸化物からな
る機能性膜を形成する主成膜工程とを有する、プラスチ
ック基板への成膜方法である(請求項1)。
【0007】この成膜方法によると、プラスチック基板
に対して密着性の高い上記アンダーコート層を形成し、
該アンダーコート層を親水処理して親水性を備えさせた
後に、かかるアンダーコート層上に前記金属又は金属酸
化物からなる機能性膜を成膜する。
に対して密着性の高い上記アンダーコート層を形成し、
該アンダーコート層を親水処理して親水性を備えさせた
後に、かかるアンダーコート層上に前記金属又は金属酸
化物からなる機能性膜を成膜する。
【0008】これにより、本発明によると、プラスチッ
ク基板に対して密着性の高いアンダーコート層を形成
し、このアンダーコート層に親水性を備えさせて金属又
は金属酸化物からなる機能性膜を形成するので、かかる
機能性膜をアンダーコート層に対して密着させて形成で
きる。これにより、金属又は金属酸化物からなる機能性
膜が基板側から容易に剥離されないものにできる。
ク基板に対して密着性の高いアンダーコート層を形成
し、このアンダーコート層に親水性を備えさせて金属又
は金属酸化物からなる機能性膜を形成するので、かかる
機能性膜をアンダーコート層に対して密着させて形成で
きる。これにより、金属又は金属酸化物からなる機能性
膜が基板側から容易に剥離されないものにできる。
【0009】また、本発明の成膜方法において、前記重
合工程に先がけて前記アンダーコート層を形成するプラ
スチック基板の表面に励起させた不活性ガスもしくは酸
素ガスを作用させてイオンボンバード処理するイオンボ
ンバード処理工程を備えることができる(請求項2)。
これにより、プラスチック基板の表面にイオンボンバー
ド処理を施すことにより、前記アンダーコート層をプラ
スチック基板に対してより密着させて形成することがで
き、プラスチック基板に対して、アンダーコート層及び
機能性膜を安定させることができる。
合工程に先がけて前記アンダーコート層を形成するプラ
スチック基板の表面に励起させた不活性ガスもしくは酸
素ガスを作用させてイオンボンバード処理するイオンボ
ンバード処理工程を備えることができる(請求項2)。
これにより、プラスチック基板の表面にイオンボンバー
ド処理を施すことにより、前記アンダーコート層をプラ
スチック基板に対してより密着させて形成することがで
き、プラスチック基板に対して、アンダーコート層及び
機能性膜を安定させることができる。
【0010】また、本発明の成膜方法において、前記ア
ンダーコート層を形成するためのモノマーとして、ヘキ
サメチルジシロキサン(HMDS)を用いることができ
る(請求項3)。
ンダーコート層を形成するためのモノマーとして、ヘキ
サメチルジシロキサン(HMDS)を用いることができ
る(請求項3)。
【0011】また、本発明の成膜方法において、前記プ
ラスチック基板としてアクリル基板を用いることができ
る(請求項4)。プラスチック基板の中でもアクリル基
板を用いると、アクリルは透明度が高く、安価な上に形
成が容易であり、他のプラスチック基板に比べて硬いた
め、ガラス基板の代用としても有望な材料であるので好
ましい。
ラスチック基板としてアクリル基板を用いることができ
る(請求項4)。プラスチック基板の中でもアクリル基
板を用いると、アクリルは透明度が高く、安価な上に形
成が容易であり、他のプラスチック基板に比べて硬いた
め、ガラス基板の代用としても有望な材料であるので好
ましい。
【0012】そして、本発明の成膜方法を実施すること
により、プラスチック基板と、該プラスチック基板上に
形成されたシラン系有機化合物のポリマーからなるアン
ダーコート層と、該アンダーコート層上に形成された金
属又は金属酸化物からなる機能性膜とを備える膜形成体
を得ることができる(請求項5)。
により、プラスチック基板と、該プラスチック基板上に
形成されたシラン系有機化合物のポリマーからなるアン
ダーコート層と、該アンダーコート層上に形成された金
属又は金属酸化物からなる機能性膜とを備える膜形成体
を得ることができる(請求項5)。
【0013】また、上記膜形成体について、前記アンダ
ーコート層が、モノマーであるHMDS(ヘキサメチル
ジシロキサン)が重合されてなるポリHMDSによって
形成されたものを得ることができる(請求項6)。
ーコート層が、モノマーであるHMDS(ヘキサメチル
ジシロキサン)が重合されてなるポリHMDSによって
形成されたものを得ることができる(請求項6)。
【0014】また、上記膜形成体について、前記プラス
チック基板がアクリル基板であるものを得ることができ
る(請求項7)。
チック基板がアクリル基板であるものを得ることができ
る(請求項7)。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
いて説明する。
【0016】図1は本発明の成膜方法に用いることがで
きる真空成膜装置1の構成の概略を示している。
きる真空成膜装置1の構成の概略を示している。
【0017】成膜装置1は、成膜の対象となる基板15
が内部の空間に配置される真空チャンバ2を備えてい
る。真空チャンバ2の内部の空間は、特に図示されない
真空ポンプにより排気口5を介して排気することがで
き、後に説明するプラズマ放電を生じさせる等の成膜上
の各条件に応じた所要の真空度とすることができる。
が内部の空間に配置される真空チャンバ2を備えてい
る。真空チャンバ2の内部の空間は、特に図示されない
真空ポンプにより排気口5を介して排気することがで
き、後に説明するプラズマ放電を生じさせる等の成膜上
の各条件に応じた所要の真空度とすることができる。
【0018】また、真空チャンバ2にはガス供給口3が
設けられている。そして、このガス供給口3を介して、
イオンボンバード処理を行う場合に必要なアルゴン等の
不活性ガスや酸素ガス、膜の原料となる原料ガスをチャ
ンバ2内に供給できるようにされている。そして、ガス
供給口3は、上記不活性ガスや酸素ガス、膜の原料ガス
が各々に特に図示しないガスボンベにより所要の圧力で
供給されるようにされている。
設けられている。そして、このガス供給口3を介して、
イオンボンバード処理を行う場合に必要なアルゴン等の
不活性ガスや酸素ガス、膜の原料となる原料ガスをチャ
ンバ2内に供給できるようにされている。そして、ガス
供給口3は、上記不活性ガスや酸素ガス、膜の原料ガス
が各々に特に図示しないガスボンベにより所要の圧力で
供給されるようにされている。
【0019】前記成膜の対象となる基板15は、真空チ
ャンバ2内で基板ホルダ6によって保持される。この基
板ホルダ6は、基板15を回転させながら成膜できるよ
うに回転駆動されるようにされている。即ち、基板ホル
ダ6は、該基板ホルダ6が保持する基板15とともに共
通の回転軸回りに回転駆動されるようにされており、特
に図示しないモータによって回転駆動されるようにされ
ている。
ャンバ2内で基板ホルダ6によって保持される。この基
板ホルダ6は、基板15を回転させながら成膜できるよ
うに回転駆動されるようにされている。即ち、基板ホル
ダ6は、該基板ホルダ6が保持する基板15とともに共
通の回転軸回りに回転駆動されるようにされており、特
に図示しないモータによって回転駆動されるようにされ
ている。
【0020】また、真空チャンバ2内には、基板ホルダ
6の基板15を保持する側と対向するように電力供給用
電極10が配置されている。この電力供給用電極10を
介して真空チャンバ2内に高周波電力を供給し、真空チ
ャンバ2内の不活性ガスや膜の原料ガスを励起してプラ
ズマ化させることができる。
6の基板15を保持する側と対向するように電力供給用
電極10が配置されている。この電力供給用電極10を
介して真空チャンバ2内に高周波電力を供給し、真空チ
ャンバ2内の不活性ガスや膜の原料ガスを励起してプラ
ズマ化させることができる。
【0021】電力供給用電極10は、真空チャンバ2外
部に設けられる高周波電源(RF)8と接続されてい
る。高周波電源8は、マッチングボックス11を介して
電力供給用電極10に電力を伝達するように、電力供給
用電極10と電気的に接続されている。
部に設けられる高周波電源(RF)8と接続されてい
る。高周波電源8は、マッチングボックス11を介して
電力供給用電極10に電力を伝達するように、電力供給
用電極10と電気的に接続されている。
【0022】マッチングボックス11は、高周波電源8
のインピーダンスと真空チャンバ2側のインピーダンス
とをマッチングさせるべくマッチング動作する。このマ
ッチングボックス11内の回路は、例えば可変コンデン
サC1、C2及びチョークコイルL1からなる周知のも
のである。
のインピーダンスと真空チャンバ2側のインピーダンス
とをマッチングさせるべくマッチング動作する。このマ
ッチングボックス11内の回路は、例えば可変コンデン
サC1、C2及びチョークコイルL1からなる周知のも
のである。
【0023】高周波電源8と真空チャンバ2側とを接続
するにあたり、導電性材料で形成される真空チャンバ2
及び基板ホルダ6を接地するとともに、高周波電源8の
出力端子のうち電力供給用電極10に対する他方側が接
地される。
するにあたり、導電性材料で形成される真空チャンバ2
及び基板ホルダ6を接地するとともに、高周波電源8の
出力端子のうち電力供給用電極10に対する他方側が接
地される。
【0024】また、この成膜装置1は、その前方にチャ
ンバ2の扉を2枚備えており、一方の扉は左側に揺動開
閉すべく左端でヒンジ接続され、他方の扉は右側に揺動
開閉すべく右端でヒンジ接続されており、いずれか一方
の扉を開いた状態で他方の扉を閉じることでチャンバ2
を密閉できるように構成されている。そして、いずれか
他方の扉をスパッタ用ターゲットを設けたスパッタリン
グ用ユニットとしておくことで、後に説明するようにス
パッタリングによる成膜も一つの装置で可能なように構
成されている。
ンバ2の扉を2枚備えており、一方の扉は左側に揺動開
閉すべく左端でヒンジ接続され、他方の扉は右側に揺動
開閉すべく右端でヒンジ接続されており、いずれか一方
の扉を開いた状態で他方の扉を閉じることでチャンバ2
を密閉できるように構成されている。そして、いずれか
他方の扉をスパッタ用ターゲットを設けたスパッタリン
グ用ユニットとしておくことで、後に説明するようにス
パッタリングによる成膜も一つの装置で可能なように構
成されている。
【0025】以上に説明した成膜装置1を用い、プラス
チック基板に成膜する方法について説明する。
チック基板に成膜する方法について説明する。
【0026】真空チャンバ2内の基板ホルダ6に成膜の
対象となるプラスチック基板15をセットし、真空チャ
ンバ2の扉を閉じて大気より密閉する。
対象となるプラスチック基板15をセットし、真空チャ
ンバ2の扉を閉じて大気より密閉する。
【0027】まず、イオンボンバード処理工程を実行
し、プラスチック基板15の成膜される表面にイオンボ
ンバード処理を施す。
し、プラスチック基板15の成膜される表面にイオンボ
ンバード処理を施す。
【0028】成膜装置1によりイオンボンバード処理を
行うにあたり、ガス供給口3より不活性ガスもしくは酸
素ガスをチャンバ2内に供給しつつ、排気口5を介して
排気してチャンバ2内を所要の真空度に保つ。そして、
高周波電源8を動作させ電力供給用電極10を介してチ
ャンバ2内に高周波電力を供給しプラズマ放電を生成さ
せる。これにより、プラスチック基板15は、電離又は
励起された不活性ガスもしくは酸素ガスにその表面が晒
されることによってイオンボンバード処理される。
行うにあたり、ガス供給口3より不活性ガスもしくは酸
素ガスをチャンバ2内に供給しつつ、排気口5を介して
排気してチャンバ2内を所要の真空度に保つ。そして、
高周波電源8を動作させ電力供給用電極10を介してチ
ャンバ2内に高周波電力を供給しプラズマ放電を生成さ
せる。これにより、プラスチック基板15は、電離又は
励起された不活性ガスもしくは酸素ガスにその表面が晒
されることによってイオンボンバード処理される。
【0029】このイオンボンバード処理を施すと、プラ
スチック基板15上に後に説明するアンダーコート層を
形成するにあたり、プラスチック基板15に対するアン
ダーコート層の密着性を高めることができる。
スチック基板15上に後に説明するアンダーコート層を
形成するにあたり、プラスチック基板15に対するアン
ダーコート層の密着性を高めることができる。
【0030】かかるイオンボンバード処理を前記不活性
ガスを用いて行う場合、アルゴン(Ar)ガスを用いる
ことができる。アルゴンガスによると、不活性ガスの中
でもコストを低減させることができ、また取り扱いも安
全である。
ガスを用いて行う場合、アルゴン(Ar)ガスを用いる
ことができる。アルゴンガスによると、不活性ガスの中
でもコストを低減させることができ、また取り扱いも安
全である。
【0031】次に、重合工程が実行される。この重合工
程では、プラスチック基板15の表面にアンダーコート
層が形成される。このアンダーコート層は、シラン系有
機化合物のモノマー(単量体)を重合させることによっ
て形成される。
程では、プラスチック基板15の表面にアンダーコート
層が形成される。このアンダーコート層は、シラン系有
機化合物のモノマー(単量体)を重合させることによっ
て形成される。
【0032】成膜装置1によりアンダーコート層を形成
するにあたり、アンダーコート層の原料となるシラン系
有機化合物のモノマーを含む原料ガスを、所要のガス圧
となるようにガス供給口3よりチャンバ2内に供給す
る。
するにあたり、アンダーコート層の原料となるシラン系
有機化合物のモノマーを含む原料ガスを、所要のガス圧
となるようにガス供給口3よりチャンバ2内に供給す
る。
【0033】そして、高周波電源8を動作させ電力供給
用電極10を介して高周波電力をチャンバ2内に供給し
てプラズマ放電させ、プラスチック基板15上に原料ガ
スに含まれるモノマーをプラズマ重合させることで、ポ
リマーからなるアンダーコート層を形成することができ
る。
用電極10を介して高周波電力をチャンバ2内に供給し
てプラズマ放電させ、プラスチック基板15上に原料ガ
スに含まれるモノマーをプラズマ重合させることで、ポ
リマーからなるアンダーコート層を形成することができ
る。
【0034】図2は、基板15上にモノマー粒子がプラ
ズマ重合されアンダーコート層が形成される様子を表す
図である。図2に示されるように、蒸発させたガス状の
モノマー粒子を真空チャンバ2内に供給しつつ高周波放
電すると、モノマー粒子がイオン化、活性化(ラジカ
ル)される。そして、基板15の表面上及びその近傍で
のラジカル反応生成物が基板15の表面で拡散しつつ堆
積して膜が形成される。
ズマ重合されアンダーコート層が形成される様子を表す
図である。図2に示されるように、蒸発させたガス状の
モノマー粒子を真空チャンバ2内に供給しつつ高周波放
電すると、モノマー粒子がイオン化、活性化(ラジカ
ル)される。そして、基板15の表面上及びその近傍で
のラジカル反応生成物が基板15の表面で拡散しつつ堆
積して膜が形成される。
【0035】アンダーコート層を形成するための原料と
なるモノマーとして、ヘキサメチルジシロキサン(HM
DS、化学式:(CH3)3Si−O−Si(CH3)3 )を用いる
ことができる。このHMDSを用いてアンダーコート層
を形成する場合、HMDS及び酸素(O2)の混合ガス
をガス供給口3を介してチャンバ2内に供給し前記混合
ガス中でプラズマ放電させると、プラズマ重合によって
ポリHMDSを形成することができる。
なるモノマーとして、ヘキサメチルジシロキサン(HM
DS、化学式:(CH3)3Si−O−Si(CH3)3 )を用いる
ことができる。このHMDSを用いてアンダーコート層
を形成する場合、HMDS及び酸素(O2)の混合ガス
をガス供給口3を介してチャンバ2内に供給し前記混合
ガス中でプラズマ放電させると、プラズマ重合によって
ポリHMDSを形成することができる。
【0036】
【化1】
【0037】化1で示される反応式(1)は、HMDS
と酸素との混合ガスを反応させることにより、ポリHM
DSからなるアンダーコート層が形成される場合の反応
の一例である。
と酸素との混合ガスを反応させることにより、ポリHM
DSからなるアンダーコート層が形成される場合の反応
の一例である。
【0038】次に、上記アンダーコート層に親水処理を
行う親水処理工程が実行される。親水処理工程では、ア
ンダーコート層に親水処理を施し、アンダーコート層の
疎水性の置換基を親水性の置換基に化学変化させる。
行う親水処理工程が実行される。親水処理工程では、ア
ンダーコート層に親水処理を施し、アンダーコート層の
疎水性の置換基を親水性の置換基に化学変化させる。
【0039】成膜装置1により親水処理工程を実行する
にあたり、親水処理するための酸素ガス等の反応ガスを
所要のガス圧となるようにガス供給口3よりチャンバ2
内に供給する。そして、高周波電源8を動作させ電力供
給用電極10を介してチャンバ2内に高周波電力を供給
してプラズマ放電を生成させる。これにより、チャンバ
2内の反応ガスを励起するとともに、該励起された反応
ガスをアンダーコート層に作用させることで親水処理を
行える。
にあたり、親水処理するための酸素ガス等の反応ガスを
所要のガス圧となるようにガス供給口3よりチャンバ2
内に供給する。そして、高周波電源8を動作させ電力供
給用電極10を介してチャンバ2内に高周波電力を供給
してプラズマ放電を生成させる。これにより、チャンバ
2内の反応ガスを励起するとともに、該励起された反応
ガスをアンダーコート層に作用させることで親水処理を
行える。
【0040】上記HMDSによりアンダーコート層を形
成した場合の、該アンダーコート層の親水処理について
説明する。親水処理するための反応ガスとしてチャンバ
2内に酸素ガスを導入する。そして、高周波電源8を動
作させチャンバ2内に高周波電力を供給してプラズマ放
電を生成させる。これにより、チャンバ2内の酸素ガス
を励起するとともに、該励起された酸素ガスをアンダー
コート層のポリHMDSに作用させることができる。
成した場合の、該アンダーコート層の親水処理について
説明する。親水処理するための反応ガスとしてチャンバ
2内に酸素ガスを導入する。そして、高周波電源8を動
作させチャンバ2内に高周波電力を供給してプラズマ放
電を生成させる。これにより、チャンバ2内の酸素ガス
を励起するとともに、該励起された酸素ガスをアンダー
コート層のポリHMDSに作用させることができる。
【0041】
【化2】
【0042】化2で示される反応式(2)は、ポリHM
DSに酸素ガスを作用させた場合に生ずる親水処理反応
の一例である。反応式(2)に示されるように、ポリH
MDSは、親水処理する前にあっては置換基としてメタ
ン基(−CH3)を有するが、親水処理することでメタ
ン基が酸化されカルボキシル基(−COOH)や水酸基
(−OH)に変化する。
DSに酸素ガスを作用させた場合に生ずる親水処理反応
の一例である。反応式(2)に示されるように、ポリH
MDSは、親水処理する前にあっては置換基としてメタ
ン基(−CH3)を有するが、親水処理することでメタ
ン基が酸化されカルボキシル基(−COOH)や水酸基
(−OH)に変化する。
【0043】上記親水処理する前のメタン基(−C
H3)は、C−H結合から構成されており疎水性を示
す。一方、親水処理した後のカルボキシル基及び水酸基
は、親水性を示す。
H3)は、C−H結合から構成されており疎水性を示
す。一方、親水処理した後のカルボキシル基及び水酸基
は、親水性を示す。
【0044】このように、ポリHMDSに酸素ガスを作
用させることによって親水処理し、疎水性のポリHMD
Sを親水性のポリHMDSに変化させることができる。
用させることによって親水処理し、疎水性のポリHMD
Sを親水性のポリHMDSに変化させることができる。
【0045】次に、前記親水処理されたアンダーコート
層上に、金属又は金属酸化物からなる機能性膜を形成す
る主成膜工程が実行される。成膜装置1を用いることに
より、主成膜工程を以下のように実行することができ
る。
層上に、金属又は金属酸化物からなる機能性膜を形成す
る主成膜工程が実行される。成膜装置1を用いることに
より、主成膜工程を以下のように実行することができ
る。
【0046】図1に示した成膜装置1をスパッタリング
用の装置として構成する。即ち、図1に示された成膜装
置1において親水処理まで行った扉を開き、代わりに他
方のスパッタリング用ユニットが取付けられた扉を閉め
て真空チャンバ2を密閉する。
用の装置として構成する。即ち、図1に示された成膜装
置1において親水処理まで行った扉を開き、代わりに他
方のスパッタリング用ユニットが取付けられた扉を閉め
て真空チャンバ2を密閉する。
【0047】図3は、成膜装置1にスパッタリング用ユ
ニットをセットした状態を表す模式図である。チャンバ
2内には、スパッタ用ターゲット12が、基板ホルダ6
の基板15を保持する側と対向するように配置される。
このスパッタ用ターゲット12は、成膜しようとする機
能性膜の材質により形成されたものが選定される。
ニットをセットした状態を表す模式図である。チャンバ
2内には、スパッタ用ターゲット12が、基板ホルダ6
の基板15を保持する側と対向するように配置される。
このスパッタ用ターゲット12は、成膜しようとする機
能性膜の材質により形成されたものが選定される。
【0048】また、図3に示される成膜装置1にあって
は、真空チャンバ2外部の直流電源(DC電源)9がス
パッタ用ターゲット12と接続されており、該ターゲッ
ト12の裏側には永久磁石が取付けられている。
は、真空チャンバ2外部の直流電源(DC電源)9がス
パッタ用ターゲット12と接続されており、該ターゲッ
ト12の裏側には永久磁石が取付けられている。
【0049】これにより、図3に示される成膜装置1
は、マグネトロンスパッタ法に基づいてターゲット12
をスパッタすることができる。そして、図3に示される
成膜装置1を動作させると、基板15に形成されたアン
ダーコート層上に、ターゲット12をスパッタさせて成
膜することができる。
は、マグネトロンスパッタ法に基づいてターゲット12
をスパッタすることができる。そして、図3に示される
成膜装置1を動作させると、基板15に形成されたアン
ダーコート層上に、ターゲット12をスパッタさせて成
膜することができる。
【0050】図3に示される成膜装置1によりターゲッ
ト12をスパッタさせるにあたり、ガス供給口3よりチ
ャンバ2内に不活性ガスを供給して所要のガス圧とす
る。そして、直流電源9を動作させると、マグネトロン
放電を発生させて前記不活性ガスをイオン化させるとと
もに、イオン化した不活性ガスによってターゲット12
がスパッタされ、このスパッタされたターゲット12の
材質がアンダーコート層上に析出され機能性膜が形成さ
れる。
ト12をスパッタさせるにあたり、ガス供給口3よりチ
ャンバ2内に不活性ガスを供給して所要のガス圧とす
る。そして、直流電源9を動作させると、マグネトロン
放電を発生させて前記不活性ガスをイオン化させるとと
もに、イオン化した不活性ガスによってターゲット12
がスパッタされ、このスパッタされたターゲット12の
材質がアンダーコート層上に析出され機能性膜が形成さ
れる。
【0051】以上の説明では、図1、図3に示された成
膜装置1を用い、一つの真空チャンバ2内で全ての工程
を実行する例を挙げたが、主成膜工程を他の真空成膜装
置で実行することもできる。即ち、アンダーコート層の
親水処理を終えると、基板15をチャンバ2より取り出
し、アンダーコート層上に形成するべき機能性膜を他の
真空成膜装置を用いて成膜することができる。
膜装置1を用い、一つの真空チャンバ2内で全ての工程
を実行する例を挙げたが、主成膜工程を他の真空成膜装
置で実行することもできる。即ち、アンダーコート層の
親水処理を終えると、基板15をチャンバ2より取り出
し、アンダーコート層上に形成するべき機能性膜を他の
真空成膜装置を用いて成膜することができる。
【0052】この機能性膜の成膜に用いることができる
他の真空成膜装置としては、膜の原料を蒸発させて付着
させる真空蒸着方式に基づくものや、真空チャンバ内に
膜の原料からなるプラズマを生成させて成膜するイオン
プレーティング方式に基づくもの等、金属や金属酸化物
からなる膜の成膜が可能な周知の各種の真空成膜装置を
用いることができる。
他の真空成膜装置としては、膜の原料を蒸発させて付着
させる真空蒸着方式に基づくものや、真空チャンバ内に
膜の原料からなるプラズマを生成させて成膜するイオン
プレーティング方式に基づくもの等、金属や金属酸化物
からなる膜の成膜が可能な周知の各種の真空成膜装置を
用いることができる。
【0053】また、以上の説明ではイオンボンバード処
理工程を実行して基板15の表面にイオンボンバード処
理を施す例を挙げたが、本発明を実施するにあたり、基
板15に必ずしもイオンボンバード処理を施す必要はな
い。
理工程を実行して基板15の表面にイオンボンバード処
理を施す例を挙げたが、本発明を実施するにあたり、基
板15に必ずしもイオンボンバード処理を施す必要はな
い。
【0054】即ち、プラスチック基板15に対するイオ
ンボンバード処理を施さなくとも、基板15上にアンダ
ーコート層を形成することはできる。ただし、イオンボ
ンバード処理を施すことで、アンダーコート層とプラス
チック基板15との間の密着性をより高めることがで
き、基板15に対するアンダーコート層及び機能性膜の
付着をより強固にすることができる。
ンボンバード処理を施さなくとも、基板15上にアンダ
ーコート層を形成することはできる。ただし、イオンボ
ンバード処理を施すことで、アンダーコート層とプラス
チック基板15との間の密着性をより高めることがで
き、基板15に対するアンダーコート層及び機能性膜の
付着をより強固にすることができる。
【0055】以上に説明したように、本発明の成膜方法
を実施すると、図4に示されるように、プラスチック基
板15上にアンダーコート層16が形成され、アンダー
コート層16上に機能性膜17が形成された膜形成体2
0を得ることができる。
を実施すると、図4に示されるように、プラスチック基
板15上にアンダーコート層16が形成され、アンダー
コート層16上に機能性膜17が形成された膜形成体2
0を得ることができる。
【0056】そして、この膜形成体20にあっては、プ
ラスチック基板15上に該基板15に対して密着性のあ
るアンダーコート層16が形成されており、親水処理さ
れて親水性を備えたアンダーコート層16上に機能性膜
17が形成されている。これにより、膜形成体20にあ
っては、金属又は金属酸化物からなる機能性膜17はア
ンダーコート層16に密着して形成され、またアンダー
コート層16が基板15に密着して形成されているの
で、機能性膜17が基板15側から容易に剥離されると
いうことがない。
ラスチック基板15上に該基板15に対して密着性のあ
るアンダーコート層16が形成されており、親水処理さ
れて親水性を備えたアンダーコート層16上に機能性膜
17が形成されている。これにより、膜形成体20にあ
っては、金属又は金属酸化物からなる機能性膜17はア
ンダーコート層16に密着して形成され、またアンダー
コート層16が基板15に密着して形成されているの
で、機能性膜17が基板15側から容易に剥離されると
いうことがない。
【0057】このように、本発明によると、プラスチッ
ク基板に直接に金属や金属酸化物からなる機能性膜を成
膜した場合に生じた前記機能性膜が基板側より容易に剥
離されるという問題を解決できる。
ク基板に直接に金属や金属酸化物からなる機能性膜を成
膜した場合に生じた前記機能性膜が基板側より容易に剥
離されるという問題を解決できる。
【0058】本発明における上記プラスチック基板15
には、その表面に金属や金属酸化物からなる膜を直接成
膜すると、成膜した後に容易に剥離するおそれのある各
種のプラスチック材の基板が含まれる。即ち、基板15
は、金属や金属酸化物からなる膜を直接成膜すると、該
金属や金属酸化物からなる膜との間で密着性が高くない
ことにより容易に剥離を生ずる各種のプラスチック材の
基板が対象となる。
には、その表面に金属や金属酸化物からなる膜を直接成
膜すると、成膜した後に容易に剥離するおそれのある各
種のプラスチック材の基板が含まれる。即ち、基板15
は、金属や金属酸化物からなる膜を直接成膜すると、該
金属や金属酸化物からなる膜との間で密着性が高くない
ことにより容易に剥離を生ずる各種のプラスチック材の
基板が対象となる。
【0059】かかるプラスチック基板のうち、アクリル
基板を用いることができる。プラスチック基板の中でも
アクリル基板を用いると、アクリルは透明度が高く、安
価な上に形成が容易であり、他のプラスチック基板に比
べて硬いため、ガラス基板の代用としても有望な材料で
あるので好ましい。
基板を用いることができる。プラスチック基板の中でも
アクリル基板を用いると、アクリルは透明度が高く、安
価な上に形成が容易であり、他のプラスチック基板に比
べて硬いため、ガラス基板の代用としても有望な材料で
あるので好ましい。
【0060】また、アンダーコート層16について、以
上の説明ではHMDS(ヘキサメチルジシロキサン)を
モノマーとして含む原料ガスを用い、ポリHMDSに重
合させてアンダーコート層16を形成する例を挙げた
が、HMDSを原料とするものに限られない。
上の説明ではHMDS(ヘキサメチルジシロキサン)を
モノマーとして含む原料ガスを用い、ポリHMDSに重
合させてアンダーコート層16を形成する例を挙げた
が、HMDSを原料とするものに限られない。
【0061】即ち、アンダーコート層16は、シラン系
有機化合物をモノマーとして含む原料ガスより重合反応
によってポリマーに形成することができるとともに、プ
ラスチック基板15に対して密着性良く形成することが
でき、疎水性を示す置換基を親水処理反応によって親水
性を示す置換基に変化させ得るものであればよく、親水
処理された後に前記機能性膜17との間で密着性を高め
得るものであればよい。
有機化合物をモノマーとして含む原料ガスより重合反応
によってポリマーに形成することができるとともに、プ
ラスチック基板15に対して密着性良く形成することが
でき、疎水性を示す置換基を親水処理反応によって親水
性を示す置換基に変化させ得るものであればよく、親水
処理された後に前記機能性膜17との間で密着性を高め
得るものであればよい。
【0062】また、上記機能性膜17は、各種の金属や
金属酸化物によって形成できる。例えば、アルミニウム
(Al)により機能性膜を形成したものは、光学ミラー
等の光学部品として用いられる他、各種の用途に幅広く
需要がある。
金属酸化物によって形成できる。例えば、アルミニウム
(Al)により機能性膜を形成したものは、光学ミラー
等の光学部品として用いられる他、各種の用途に幅広く
需要がある。
【0063】また、上記機能性膜の一つとして酸化ケイ
素(SiO2)や酸化チタン(TiO2)により反射防止
膜を形成することができる。
素(SiO2)や酸化チタン(TiO2)により反射防止
膜を形成することができる。
【0064】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明による
と、プラスチック基板を用いて金属や金属酸化物により
形成される機能性膜を成膜した場合に、該機能性膜を安
定して付着させることができ、該機能性膜がプラスチッ
ク基板より容易に剥離されないという効果を奏する。
と、プラスチック基板を用いて金属や金属酸化物により
形成される機能性膜を成膜した場合に、該機能性膜を安
定して付着させることができ、該機能性膜がプラスチッ
ク基板より容易に剥離されないという効果を奏する。
【図1】本発明の実施に用いることができる真空成膜装
置の構成の概略を模式的に表す図である。
置の構成の概略を模式的に表す図である。
【図2】基板上にモノマー粒子がプラズマ重合されてア
ンダーコート層が形成される様子を模式的に表す図であ
る。
ンダーコート層が形成される様子を模式的に表す図であ
る。
【図3】本発明の実施に用いることができる真空成膜装
置の構成の概略を模式的に表す図である。
置の構成の概略を模式的に表す図である。
【図4】本発明を実施することにより得られた膜形成体
の構成を示す図である。
の構成を示す図である。
1 真空成膜装置
2 真空チャンバ
3 ガス供給口
5 排気口
6 基板ホルダ
8 高周波電源
9 直流電源
10 電力供給用電極
11 マッチングボックス
12 スパッタ用ターゲット
15 基板
16 アンダーコート層
17 機能性膜
20 膜形成体
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 床本 勲
兵庫県西宮市田近野町6番107号 新明和
工業株式会社開発センタ内
Fターム(参考) 4F100 AA17C AB01C AK01A AK25A
AK52B BA03 BA07 EH66C
EJ61 GB90 JK06
4K029 AA11 BA01 BA03 BA43 BA46
BA48 BC07 BD09 CA03 CA05
CA11 FA07
Claims (7)
- 【請求項1】 プラスチック基板上にシラン系有機化合
物のモノマーを重合させてポリマーからなるアンダーコ
ート層を形成する重合工程と、 前記重合工程で得られたアンダーコート層を親水処理し
て疎水性の置換基を親水性の置換基に変化させる親水処
理工程と、 前記親水処理されたアンダーコート層上に金属又は金属
酸化物からなる機能性膜を形成する主成膜工程とを有す
る、プラスチック基板への成膜方法。 - 【請求項2】 前記重合工程に先がけて前記アンダーコ
ート層を形成するプラスチック基板の表面に励起された
不活性ガスもしくは酸素ガスを作用させてイオンボンバ
ード処理するイオンボンバード処理工程を備えることを
特徴とする請求項1に記載のプラスチック基板への成膜
方法。 - 【請求項3】 前記アンダーコート層を形成するための
モノマーがヘキサメチルジシロキサン(HMDS)であ
る請求項1又は2に記載のプラスチック基板への成膜方
法。 - 【請求項4】 前記プラスチック基板がアクリル基板で
あることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載
のプラスチック基板への成膜方法。 - 【請求項5】 プラスチック基板と、該プラスチック基
板上に形成されたシラン系有機化合物のポリマーからな
るアンダーコート層と、該アンダーコート層上に形成さ
れた金属又は金属酸化物からなる機能性膜とを備える膜
形成体。 - 【請求項6】 前記アンダーコート層が、モノマーであ
るHMDS(ヘキサメチルジシロキサン)が重合されて
なるポリHMDSにより形成された請求項5に記載の膜
形成体。 - 【請求項7】 前記プラスチック基板がアクリル基板で
あることを特徴とする請求項5又は6に記載の膜形成
体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001273606A JP2003080625A (ja) | 2001-09-10 | 2001-09-10 | プラスチック基板への成膜方法、及び膜形成体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001273606A JP2003080625A (ja) | 2001-09-10 | 2001-09-10 | プラスチック基板への成膜方法、及び膜形成体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003080625A true JP2003080625A (ja) | 2003-03-19 |
Family
ID=19098799
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001273606A Pending JP2003080625A (ja) | 2001-09-10 | 2001-09-10 | プラスチック基板への成膜方法、及び膜形成体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003080625A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004098874A1 (ja) * | 2003-05-07 | 2004-11-18 | Shinmaywa Industries, Ltd. | 複合フィルム |
WO2004104262A1 (ja) * | 2003-05-26 | 2004-12-02 | Shinmaywa Industries, Ltd. | 成膜装置及び成膜方法 |
JP2006123425A (ja) * | 2004-10-29 | 2006-05-18 | Dowa Mining Co Ltd | 金属被覆基板及びその製造方法 |
JP2009519117A (ja) * | 2005-11-30 | 2009-05-14 | ザ・ボーイング・カンパニー | 旅客機の窓用の耐久性のある透明コーティング |
JP2010001542A (ja) * | 2008-06-20 | 2010-01-07 | Ulvac Japan Ltd | 成膜方法及び成膜装置 |
-
2001
- 2001-09-10 JP JP2001273606A patent/JP2003080625A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004098874A1 (ja) * | 2003-05-07 | 2004-11-18 | Shinmaywa Industries, Ltd. | 複合フィルム |
WO2004104262A1 (ja) * | 2003-05-26 | 2004-12-02 | Shinmaywa Industries, Ltd. | 成膜装置及び成膜方法 |
JP2006123425A (ja) * | 2004-10-29 | 2006-05-18 | Dowa Mining Co Ltd | 金属被覆基板及びその製造方法 |
JP4548828B2 (ja) * | 2004-10-29 | 2010-09-22 | Dowaホールディングス株式会社 | 金属被覆基板の製造方法 |
JP2009519117A (ja) * | 2005-11-30 | 2009-05-14 | ザ・ボーイング・カンパニー | 旅客機の窓用の耐久性のある透明コーティング |
JP2010001542A (ja) * | 2008-06-20 | 2010-01-07 | Ulvac Japan Ltd | 成膜方法及び成膜装置 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20091028 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20091104 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100302 |