JPH06172987A - スパッタ装置 - Google Patents
スパッタ装置Info
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- JPH06172987A JPH06172987A JP32455092A JP32455092A JPH06172987A JP H06172987 A JPH06172987 A JP H06172987A JP 32455092 A JP32455092 A JP 32455092A JP 32455092 A JP32455092 A JP 32455092A JP H06172987 A JPH06172987 A JP H06172987A
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- film
- chamber
- target
- sputtering
- container
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 容器を大気解放することなく容器内壁に付着
した膜を除去することができ、且つ容器内の特定の部分
を取り外すことなく付着した膜を除去することができ、
形成薄膜の膜質向上及び装置稼働率向上等に寄与し得る
洗浄機構付きスパッタ装置を提供すること。 【構成】 チャンバ10内にターゲット21と基板31
を対向配置し、ターゲット21をスパッタして基板31
に薄膜を堆積するスパッタ装置において、チャンバ10
とは別室でマイクロ波放電により励起された活性酸素7
1をチャンバ10内に導入するガス導入機構41,4
2,43,44と、ターゲット21を冷却する冷却機構
26と、チャンバ10内の防着板11を加熱するヒータ
12とを具備してなり、成膜時に防着板11の壁面に付
着した薄膜72を成膜後に除去することを特徴としてい
る。
した膜を除去することができ、且つ容器内の特定の部分
を取り外すことなく付着した膜を除去することができ、
形成薄膜の膜質向上及び装置稼働率向上等に寄与し得る
洗浄機構付きスパッタ装置を提供すること。 【構成】 チャンバ10内にターゲット21と基板31
を対向配置し、ターゲット21をスパッタして基板31
に薄膜を堆積するスパッタ装置において、チャンバ10
とは別室でマイクロ波放電により励起された活性酸素7
1をチャンバ10内に導入するガス導入機構41,4
2,43,44と、ターゲット21を冷却する冷却機構
26と、チャンバ10内の防着板11を加熱するヒータ
12とを具備してなり、成膜時に防着板11の壁面に付
着した薄膜72を成膜後に除去することを特徴としてい
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ターゲットをスパッタ
して試料基板に薄膜を堆積するスパッタ装置に係わり、
特に容器内に付着した薄膜を除去するための洗浄機構を
有するスパッタ装置に関する。
して試料基板に薄膜を堆積するスパッタ装置に係わり、
特に容器内に付着した薄膜を除去するための洗浄機構を
有するスパッタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体装置の製造工程において、
金属や半導体及び絶縁物の薄膜形成方法としてスパッタ
法が広く用いられている。図3に、典型的なスパッタ装
置の構成を示す。スパッタ法においては、アルゴンイオ
ン3の衝撃によってスパッタターゲット1から、ターゲ
ット1を構成していた粒子4の一部が弾き飛ばされ、基
板2に到達し堆積することによって、基板2上に所望の
薄膜が形成される。
金属や半導体及び絶縁物の薄膜形成方法としてスパッタ
法が広く用いられている。図3に、典型的なスパッタ装
置の構成を示す。スパッタ法においては、アルゴンイオ
ン3の衝撃によってスパッタターゲット1から、ターゲ
ット1を構成していた粒子4の一部が弾き飛ばされ、基
板2に到達し堆積することによって、基板2上に所望の
薄膜が形成される。
【0003】ここで、ターゲット1からの粒子4の速度
は広い角度分布を有するために、基板2上のみならず、
真空チャンバ5の内壁の至るところに薄膜が堆積する。
チャンバ内壁に到達する粒子は壁に衝突する際にその運
動エネルギーを壁に与え、壁はそれを熱エネルギーとし
て受け取る。このため、スパッタの際にはチャンバ内壁
は室温よりも高温となり、スパッタ終了時に再び室温に
戻る。
は広い角度分布を有するために、基板2上のみならず、
真空チャンバ5の内壁の至るところに薄膜が堆積する。
チャンバ内壁に到達する粒子は壁に衝突する際にその運
動エネルギーを壁に与え、壁はそれを熱エネルギーとし
て受け取る。このため、スパッタの際にはチャンバ内壁
は室温よりも高温となり、スパッタ終了時に再び室温に
戻る。
【0004】従って、チャンバ壁を構成している材料と
付着する膜の熱膨張係数が大きく異なる場合や、粒子の
運動エネルギーが大きく或いは成膜時間が長いために内
壁の温度上昇が著しい場合、及び両者の間の密着性が悪
い場合には、付着膜がチャンバ内壁から剥がれ始める。
この剥がれた付着膜が次の成膜時に基板上に付着する
と、形成される薄膜にとってはそれが欠陥となるため、
製品の不良率を増加させる原因となる。また、スパッタ
の最中に剥がれた膜がターゲット上に付着することは異
常放電の原因となり、このような状況下ではやはり成膜
された膜に欠陥が発生する。
付着する膜の熱膨張係数が大きく異なる場合や、粒子の
運動エネルギーが大きく或いは成膜時間が長いために内
壁の温度上昇が著しい場合、及び両者の間の密着性が悪
い場合には、付着膜がチャンバ内壁から剥がれ始める。
この剥がれた付着膜が次の成膜時に基板上に付着する
と、形成される薄膜にとってはそれが欠陥となるため、
製品の不良率を増加させる原因となる。また、スパッタ
の最中に剥がれた膜がターゲット上に付着することは異
常放電の原因となり、このような状況下ではやはり成膜
された膜に欠陥が発生する。
【0005】通常は、付着膜の膜厚がある程度薄いうち
は上記付着膜の剥がれが起こらないため、従来の技術に
おいては、まず防着板と呼ばれる金属製の板でチャンバ
内壁を覆っておく。そして、総成膜量が一定の値を越え
て内壁から剥がれ始める以前にチャンバを大気解放し、
防着板を取り外し、防着板に付着した膜を薬液に浸し溶
解するか、或いは適当な薬液がない場合にはグラスビー
ズブラスターなどで機械的に付着膜を除去すると言う方
法がとられていた。
は上記付着膜の剥がれが起こらないため、従来の技術に
おいては、まず防着板と呼ばれる金属製の板でチャンバ
内壁を覆っておく。そして、総成膜量が一定の値を越え
て内壁から剥がれ始める以前にチャンバを大気解放し、
防着板を取り外し、防着板に付着した膜を薬液に浸し溶
解するか、或いは適当な薬液がない場合にはグラスビー
ズブラスターなどで機械的に付着膜を除去すると言う方
法がとられていた。
【0006】しかしながらこの方法を用いると、通常1
0-5Pa程度の高真空状態に保たれているチャンバを大
気解放してしまうため、チャンバ内部の金属部分やスパ
ッタターゲットに水分子などの大気中の不純物分子が吸
着され、再度真空引きにより高真空状態に復帰させるた
めには長時間を要し、生産効率を低下させる。また、こ
の方法では防着板を取り付けることのできない複雑な形
状を有する部分に付着した膜を除去することはできず、
そのような部分をチャンバ内から取り外して上記防着板
の洗浄と同様の洗浄を行うか、或いはその部分ごと交換
すると言った方法を取らざるを得ず、再度真空引きを行
う前に取り外した部分を元の正規の位置に取り付けると
いう手続きが余計に必要となる。
0-5Pa程度の高真空状態に保たれているチャンバを大
気解放してしまうため、チャンバ内部の金属部分やスパ
ッタターゲットに水分子などの大気中の不純物分子が吸
着され、再度真空引きにより高真空状態に復帰させるた
めには長時間を要し、生産効率を低下させる。また、こ
の方法では防着板を取り付けることのできない複雑な形
状を有する部分に付着した膜を除去することはできず、
そのような部分をチャンバ内から取り外して上記防着板
の洗浄と同様の洗浄を行うか、或いはその部分ごと交換
すると言った方法を取らざるを得ず、再度真空引きを行
う前に取り外した部分を元の正規の位置に取り付けると
いう手続きが余計に必要となる。
【0007】従来例としては他に、防着板に付着膜との
密着性の良い材料を用いて洗浄頻度を少なくする方法、
成膜前後で防着板の温度を一定に保つことにより膜と防
着板の熱膨脹係数の差に基づく付着膜の剥がれを防止す
る方法等があるが、上記の困難を完全には解決するには
至っていない。
密着性の良い材料を用いて洗浄頻度を少なくする方法、
成膜前後で防着板の温度を一定に保つことにより膜と防
着板の熱膨脹係数の差に基づく付着膜の剥がれを防止す
る方法等があるが、上記の困難を完全には解決するには
至っていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のス
パッタ装置においては、スパッタによる成膜時に容器の
内壁に薄膜が付着し、これが剥がれて欠陥の発生や異常
放電を招く要因となっていた。また、容器内壁に付着し
た薄膜を除去するには大気解放する必要があり、装置稼
働率の低下を招くという問題があった。
パッタ装置においては、スパッタによる成膜時に容器の
内壁に薄膜が付着し、これが剥がれて欠陥の発生や異常
放電を招く要因となっていた。また、容器内壁に付着し
た薄膜を除去するには大気解放する必要があり、装置稼
働率の低下を招くという問題があった。
【0009】本発明は、このような事情を考慮してなさ
れたもので、その目的とするところは、容器を大気解放
することなく容器内壁に付着した膜を除去することがで
き、且つ容器内の特定の部分を取り外すことなく付着し
た膜を除去することができ、形成薄膜の膜質向上及び装
置稼働率向上等に寄与し得る洗浄機構付きスパッタ装置
を提供することにある。
れたもので、その目的とするところは、容器を大気解放
することなく容器内壁に付着した膜を除去することがで
き、且つ容器内の特定の部分を取り外すことなく付着し
た膜を除去することができ、形成薄膜の膜質向上及び装
置稼働率向上等に寄与し得る洗浄機構付きスパッタ装置
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、容器を
大気解放することなく容器内の付着膜を除去することに
あり、この付着膜の除去として反応性ガスを用いたエッ
チングを行うことにある。
大気解放することなく容器内の付着膜を除去することに
あり、この付着膜の除去として反応性ガスを用いたエッ
チングを行うことにある。
【0011】即ち本発明は、容器内にターゲットと試料
基板を対向配置し、ターゲットをスパッタして試料基板
に薄膜を堆積するスパッタ装置において、容器内にター
ゲットのスパッタによる付着膜をエッチングするための
反応性ガスを導入する手段と、ターゲットを冷却する手
段と、容器内の付着膜を除去すべき部分を加熱する手段
とを具備してなることを特徴とする。
基板を対向配置し、ターゲットをスパッタして試料基板
に薄膜を堆積するスパッタ装置において、容器内にター
ゲットのスパッタによる付着膜をエッチングするための
反応性ガスを導入する手段と、ターゲットを冷却する手
段と、容器内の付着膜を除去すべき部分を加熱する手段
とを具備してなることを特徴とする。
【0012】ここで、容器内に導入する反応性ガスとし
ては、容器とは別室でマイクロ波等のエネルギー照射に
より活性化された酸素若しくはオゾンを含むガスを用い
るのが望ましい。また、容器内に防着板を設けた場合、
この防着板を選択的に加熱するのが望ましい。
ては、容器とは別室でマイクロ波等のエネルギー照射に
より活性化された酸素若しくはオゾンを含むガスを用い
るのが望ましい。また、容器内に防着板を設けた場合、
この防着板を選択的に加熱するのが望ましい。
【0013】
【作用】本発明によれば、スパッタ容器の内部に付着し
た膜と化学反応を起こし、その結果蒸気圧の高い生成物
を生じせしめる反応性ガス(クリーニングガス)を容器
内に導入し、この反応生成物を排気することにより、容
器を大気解放することなく容器内部に付着した膜を除去
することができる。
た膜と化学反応を起こし、その結果蒸気圧の高い生成物
を生じせしめる反応性ガス(クリーニングガス)を容器
内に導入し、この反応生成物を排気することにより、容
器を大気解放することなく容器内部に付着した膜を除去
することができる。
【0014】従って、大気中に存在する不純物、とりわ
け到達真空度に最も影響を及ぼす水分子がチャンバ内部
へ吸着することを避け得るため、チャンバ内洗浄後再度
真空引きによって高真空状態を回復し再び成膜が可能に
なるまでの時間を大幅に短縮することが可能となる。ま
た、上記クリーニングガスが到達する部分であればどこ
でも付着膜の除去が可能であるため、防着板の取り付け
ができないような複雑な形状をした部位であっても、分
解・組み立てを行うことなくそこに付着した膜を除去す
ることができる。この場合も、容器内洗浄後に再度真空
引きによって高真空状態を回復し再び成膜が可能になる
までの時間を大幅に短縮することが可能となる。
け到達真空度に最も影響を及ぼす水分子がチャンバ内部
へ吸着することを避け得るため、チャンバ内洗浄後再度
真空引きによって高真空状態を回復し再び成膜が可能に
なるまでの時間を大幅に短縮することが可能となる。ま
た、上記クリーニングガスが到達する部分であればどこ
でも付着膜の除去が可能であるため、防着板の取り付け
ができないような複雑な形状をした部位であっても、分
解・組み立てを行うことなくそこに付着した膜を除去す
ることができる。この場合も、容器内洗浄後に再度真空
引きによって高真空状態を回復し再び成膜が可能になる
までの時間を大幅に短縮することが可能となる。
【0015】なお、クリーニングガスとしては、スパッ
タにより成膜される膜の種類に応じて適当なものをを選
ぶことができる。例えば、磁性材料上への炭素膜のスパ
ッタコーティングはハードディスクの表面保護の目的で
広く用いられているが、この場合スパッタチャンバ内部
に付着した炭素膜の除去に用いるクリーニングガスとし
ては、例えば酸素ガスを無声放電や紫外光照射によって
転換したオゾンO3 を用いることもできる。さらに、酸
素ガスにマイクロ波やラジオ波などの電磁波を照射する
ことにより酸素ラジカルを発生させ、これをクリーニン
グガスとして容器内に導入することもできる。
タにより成膜される膜の種類に応じて適当なものをを選
ぶことができる。例えば、磁性材料上への炭素膜のスパ
ッタコーティングはハードディスクの表面保護の目的で
広く用いられているが、この場合スパッタチャンバ内部
に付着した炭素膜の除去に用いるクリーニングガスとし
ては、例えば酸素ガスを無声放電や紫外光照射によって
転換したオゾンO3 を用いることもできる。さらに、酸
素ガスにマイクロ波やラジオ波などの電磁波を照射する
ことにより酸素ラジカルを発生させ、これをクリーニン
グガスとして容器内に導入することもできる。
【0016】また、除去すべき部位を加熱しながら上記
クリーニングガスを導入すると、上記クリーニングガス
から発生した活性酸素が容器内壁に堆積したカーボンと
反応し、二酸化炭素となって排気される。
クリーニングガスを導入すると、上記クリーニングガス
から発生した活性酸素が容器内壁に堆積したカーボンと
反応し、二酸化炭素となって排気される。
【0017】また、アルミニウム成膜に使用されるスパ
ッタ容器の洗浄には、Cl2 ,Br2 ,HCl,CC
l,BCl3 を含むガス、さらにシリコン,酸化シリコ
ン,窒化シリコンの成膜に使用されるスパッタ容器の洗
浄にはCF4 を含むガスを用いることができる。
ッタ容器の洗浄には、Cl2 ,Br2 ,HCl,CC
l,BCl3 を含むガス、さらにシリコン,酸化シリコ
ン,窒化シリコンの成膜に使用されるスパッタ容器の洗
浄にはCF4 を含むガスを用いることができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
する。
【0019】図1は、本発明の一実施例に係わるスパッ
タ装置の概略構成を示す断面図である。図中10はスパ
ッタチャンバ(容器)であり、このチャンバ10内には
スパッタターゲット21と試料基板31が対向配置され
ている。ターゲット21は、例えばグラファイトからな
るもので、上側のカソード22の下面に保持されてい
る。カソード22には直流電源23より電力が供給さ
れ、さらにカソード22は冷却水26により冷却される
ものとなっている。また、チャンバ10の上方にはマグ
ネトロン放電を生起するためのマグネット24が配置さ
れている。基板31はアノードとしての試料台32上に
保持されており、試料台32はヒータ33により加熱さ
れるものとなっている。
タ装置の概略構成を示す断面図である。図中10はスパ
ッタチャンバ(容器)であり、このチャンバ10内には
スパッタターゲット21と試料基板31が対向配置され
ている。ターゲット21は、例えばグラファイトからな
るもので、上側のカソード22の下面に保持されてい
る。カソード22には直流電源23より電力が供給さ
れ、さらにカソード22は冷却水26により冷却される
ものとなっている。また、チャンバ10の上方にはマグ
ネトロン放電を生起するためのマグネット24が配置さ
れている。基板31はアノードとしての試料台32上に
保持されており、試料台32はヒータ33により加熱さ
れるものとなっている。
【0020】チャンバ10には、バルブ41を介して石
英配管42が接続されている。この配管42にはマイク
ロ波放電部43及びマスフローコントローラ44が接続
されている。そして、マスフローコントローラ44によ
り流量制御された反応性ガス、例えばO2 ガスは放電部
43に導入され、この部分でマイクロ波により活性化さ
れる。本実施例では、マイクロ波電力は1.5kWとし
た。マイクロ波放電部43で励起された活性酸素71
は、配管42を介してチャンバ10内に導入されるもの
となっている。
英配管42が接続されている。この配管42にはマイク
ロ波放電部43及びマスフローコントローラ44が接続
されている。そして、マスフローコントローラ44によ
り流量制御された反応性ガス、例えばO2 ガスは放電部
43に導入され、この部分でマイクロ波により活性化さ
れる。本実施例では、マイクロ波電力は1.5kWとし
た。マイクロ波放電部43で励起された活性酸素71
は、配管42を介してチャンバ10内に導入されるもの
となっている。
【0021】チャンバ10にはターボポンプ51が接続
され、このターボポンプ51にはドライポンプ52が接
続されている。そして、チャンバ10内に導入されたガ
スはこれらのポンプ51,52により排気されるものと
なっている。
され、このターボポンプ51にはドライポンプ52が接
続されている。そして、チャンバ10内に導入されたガ
スはこれらのポンプ51,52により排気されるものと
なっている。
【0022】また、チャンバ10内には、ターゲット2
1から基板31までの空間を囲むように防着板11が設
けられている。この防着板11の回りには、活性酸素導
入の際に防着板11の温度を上昇させ、洗浄時の反応速
度を増加させるためのヒータ12が設けられている。ま
た、防着板11で囲まれた空間には、高真空ピラニゲー
ジ61が設置されており、このゲージ61による検出情
報は圧力表示部62に表示されるものとなっている。
1から基板31までの空間を囲むように防着板11が設
けられている。この防着板11の回りには、活性酸素導
入の際に防着板11の温度を上昇させ、洗浄時の反応速
度を増加させるためのヒータ12が設けられている。ま
た、防着板11で囲まれた空間には、高真空ピラニゲー
ジ61が設置されており、このゲージ61による検出情
報は圧力表示部62に表示されるものとなっている。
【0023】なお、図には示していないがチャンバ10
には、スパッタ成膜時にチャンバ10内にアルゴン等の
不活性ガスを導入するためのガス導入口が設けられてい
る。このガス導入口の代わりに、活性酸素導入のための
配管42を通して不活性ガスを導入してもよい。この場
合は、マイクロ波放電部43におけるマイクロ波放電を
停止しておけばよい。
には、スパッタ成膜時にチャンバ10内にアルゴン等の
不活性ガスを導入するためのガス導入口が設けられてい
る。このガス導入口の代わりに、活性酸素導入のための
配管42を通して不活性ガスを導入してもよい。この場
合は、マイクロ波放電部43におけるマイクロ波放電を
停止しておけばよい。
【0024】次に、本装置における洗浄機能について説
明する。まず、炭素膜剥離の最適条件を見出す目的で、
シリコン基板上に炭素を200nmスパッタ成膜した試
験片を防着板11上に取り付けた後、チャンバ10を真
空引きし、防着板11の温度を250℃に昇温したの
ち、バルブ41を開き種々の流量の酸素プラズマをチャ
ンバ10内に導入した。また、その際にポンプ51,5
2の排気速度を調節することによりチャンバ内圧力を種
々の値に調節した。その後、チャンバ10を大気解放
し、試験片を回収して炭素膜厚の減少量を段差系により
測定し、種々のガス流量・圧力に対する剥離速度の依存
性を調べた。炭素膜の剥離速度は、図2のようにガス流
量及びチャンバ内圧力に依存するが、ここでは流量50
0sccm,圧力2Paの場合に最大の剥離レートが得られ
た。
明する。まず、炭素膜剥離の最適条件を見出す目的で、
シリコン基板上に炭素を200nmスパッタ成膜した試
験片を防着板11上に取り付けた後、チャンバ10を真
空引きし、防着板11の温度を250℃に昇温したの
ち、バルブ41を開き種々の流量の酸素プラズマをチャ
ンバ10内に導入した。また、その際にポンプ51,5
2の排気速度を調節することによりチャンバ内圧力を種
々の値に調節した。その後、チャンバ10を大気解放
し、試験片を回収して炭素膜厚の減少量を段差系により
測定し、種々のガス流量・圧力に対する剥離速度の依存
性を調べた。炭素膜の剥離速度は、図2のようにガス流
量及びチャンバ内圧力に依存するが、ここでは流量50
0sccm,圧力2Paの場合に最大の剥離レートが得られ
た。
【0025】次いで、バルブ41を閉じ、チャンバ10
内を2×10-5Paの高真空に排気した後、アルゴンガ
スを導入しDCマグネトロンスパッタによりターゲット
21のグラファイトをスパッタし、防着板11上に約1
μmの炭素膜(付着膜)72を堆積させる。このとき、
試料台32上に基板31をセットしておけば、通常のス
パッタ成膜と同様に、基板31上に炭素膜が堆積され
る。
内を2×10-5Paの高真空に排気した後、アルゴンガ
スを導入しDCマグネトロンスパッタによりターゲット
21のグラファイトをスパッタし、防着板11上に約1
μmの炭素膜(付着膜)72を堆積させる。このとき、
試料台32上に基板31をセットしておけば、通常のス
パッタ成膜と同様に、基板31上に炭素膜が堆積され
る。
【0026】次いで、上記実験で最大の剥離速度の得ら
れた500sccm,2Paの条件で10分間の酸素プラズ
マ導入後、チャンバ10内を大気解放して防着板11を
観察した結果、防着板11上に約1μm堆積していた炭
素膜が除去されていることが確認された。また、この際
に防着板11のみならず、チャンバ壁面に付着した炭素
膜、及び防着板11と基板31の間の隙間から回り込ん
で試料台32上や基板加熱ヒータ33上に付着した炭素
膜も除去されたが、これは防着板11以外の部分は直接
加熱しなくとも防着板11からの輻射熱により昇温し、
また防着板11上に比べ堆積量が少ないため、防着板1
1上より低温でもクリーニングガスとの接触により付着
膜が剥離されるためである。
れた500sccm,2Paの条件で10分間の酸素プラズ
マ導入後、チャンバ10内を大気解放して防着板11を
観察した結果、防着板11上に約1μm堆積していた炭
素膜が除去されていることが確認された。また、この際
に防着板11のみならず、チャンバ壁面に付着した炭素
膜、及び防着板11と基板31の間の隙間から回り込ん
で試料台32上や基板加熱ヒータ33上に付着した炭素
膜も除去されたが、これは防着板11以外の部分は直接
加熱しなくとも防着板11からの輻射熱により昇温し、
また防着板11上に比べ堆積量が少ないため、防着板1
1上より低温でもクリーニングガスとの接触により付着
膜が剥離されるためである。
【0027】また、ターゲット21はクリーニングの間
水冷系26により絶えず室温程度に冷却されているため
に、ターゲット21のグラファイトは活性酸素によるエ
ッチングを受けず、次のスパッタ直前に短時間のダミー
スパッタを行うことにより通常のスパッタを再開するこ
とが可能となる。実際に再度チャンバ10内を高真空に
2×10-5Pa排気し、通常のカーボンスパッタが開始
できるまでに、ダミースパッタの時間を含めて1時間で
済む。これは、従来技術によりチャンバ10を大気解放
したのち防着板11等の洗浄を行い、その後組み立て,
高真空排気,ダミーデポにより通常のスパッタが開始で
きるまでに30時間を要したのに比べると、大幅な時間
短縮となる。
水冷系26により絶えず室温程度に冷却されているため
に、ターゲット21のグラファイトは活性酸素によるエ
ッチングを受けず、次のスパッタ直前に短時間のダミー
スパッタを行うことにより通常のスパッタを再開するこ
とが可能となる。実際に再度チャンバ10内を高真空に
2×10-5Pa排気し、通常のカーボンスパッタが開始
できるまでに、ダミースパッタの時間を含めて1時間で
済む。これは、従来技術によりチャンバ10を大気解放
したのち防着板11等の洗浄を行い、その後組み立て,
高真空排気,ダミーデポにより通常のスパッタが開始で
きるまでに30時間を要したのに比べると、大幅な時間
短縮となる。
【0028】このように本実施例によれば、スパッタ成
膜後にチャンバ10内に酸素プラズマを導入し、ターゲ
ット21を冷却すると共に、防着板11及び試料台32
を加熱することにより、防着板11や試料台32等に付
着した薄膜を簡易に除去することができる。そしてこの
場合、チャンバ10を大気解放する必要がないことか
ら、チャンバ洗浄後に再びスパッタ成膜を開始する間で
の時間を大幅に短縮することができる。従って、付着膜
の剥離による欠陥発生や異常放電を未然に防止し、かつ
大気解放による無駄時間をなくすことができ、形成薄膜
の膜質向上と共に装置稼働率の向上をはかることができ
る。
膜後にチャンバ10内に酸素プラズマを導入し、ターゲ
ット21を冷却すると共に、防着板11及び試料台32
を加熱することにより、防着板11や試料台32等に付
着した薄膜を簡易に除去することができる。そしてこの
場合、チャンバ10を大気解放する必要がないことか
ら、チャンバ洗浄後に再びスパッタ成膜を開始する間で
の時間を大幅に短縮することができる。従って、付着膜
の剥離による欠陥発生や異常放電を未然に防止し、かつ
大気解放による無駄時間をなくすことができ、形成薄膜
の膜質向上と共に装置稼働率の向上をはかることができ
る。
【0029】なお、本発明は上述した実施例に限定され
るものではない。実施例ではマグネトロン放電方式のス
パッタ装置に適用したが、マグネトロン方式に限らず、
高周波スパッタ,反応性スパッタ,その他各種方式に適
用することができる。また、反応性ガスを導入する手段
としては、必ずしも容器とは別室で活性化する方式に限
らず、容器内に導入したのち容器内で放電,光照射等に
より励起する方式でもよい。さらに、反応性ガスの種類
は、ターゲットの種類に応じて適宜選択すればよい。そ
の他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して
実施することができる。
るものではない。実施例ではマグネトロン放電方式のス
パッタ装置に適用したが、マグネトロン方式に限らず、
高周波スパッタ,反応性スパッタ,その他各種方式に適
用することができる。また、反応性ガスを導入する手段
としては、必ずしも容器とは別室で活性化する方式に限
らず、容器内に導入したのち容器内で放電,光照射等に
より励起する方式でもよい。さらに、反応性ガスの種類
は、ターゲットの種類に応じて適宜選択すればよい。そ
の他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して
実施することができる。
【0030】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、ス
パッタ成膜後に容器内に反応性ガスを導入すると共に、
ターゲットを冷却、防着板等の壁面を加熱することによ
って、大気解放・部品着脱を行うことなく、スパッタ成
膜時に容器内部に付着した膜を除去することができる。
従って、付着膜の剥がれに起因する欠陥発生や異常放電
を防止し、かつ洗浄後再び成膜を行うまでに要する時間
を著しく短縮することができ、形成薄膜の膜質向上及び
装置稼働率の向上をはかることが可能である。
パッタ成膜後に容器内に反応性ガスを導入すると共に、
ターゲットを冷却、防着板等の壁面を加熱することによ
って、大気解放・部品着脱を行うことなく、スパッタ成
膜時に容器内部に付着した膜を除去することができる。
従って、付着膜の剥がれに起因する欠陥発生や異常放電
を防止し、かつ洗浄後再び成膜を行うまでに要する時間
を著しく短縮することができ、形成薄膜の膜質向上及び
装置稼働率の向上をはかることが可能である。
【図1】本発明の一実施例に係わるスパッタ装置の概略
構成を示す断面図。
構成を示す断面図。
【図2】炭素膜の剥離速度の圧力依存性を示す特性図。
【図3】従来のスパッタ装置の概略構成を示す断面図。
10…チャンバ(容器) 11…防着板 12…防着板加熱用のヒータ 21…ターゲット 22…カソード 23…電源 24…マグネット 26…水冷系 31…試料基板 32…試料台 33…試料台加熱用のヒータ 43…マイクロ波放電部 71…活性酸素 72…付着膜
フロントページの続き (72)発明者 堀岡 啓治 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内
Claims (1)
- 【請求項1】容器内にターゲットと試料基板を対向配置
し、ターゲットをスパッタして試料基板に薄膜を堆積す
るスパッタ装置において、 前記容器内に前記ターゲットのスパッタによる付着膜を
エッチングするための反応性ガスを導入する手段と、前
記ターゲットを冷却する手段と、前記容器内の前記付着
膜を除去すべき部分を加熱する手段とを具備してなるこ
とを特徴とするスパッタ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32455092A JPH06172987A (ja) | 1992-12-04 | 1992-12-04 | スパッタ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32455092A JPH06172987A (ja) | 1992-12-04 | 1992-12-04 | スパッタ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06172987A true JPH06172987A (ja) | 1994-06-21 |
Family
ID=18167067
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32455092A Pending JPH06172987A (ja) | 1992-12-04 | 1992-12-04 | スパッタ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06172987A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001155325A (ja) * | 1999-11-26 | 2001-06-08 | Fujitsu Ltd | 磁気ディスク装置、磁気ディスクおよびその製造方法 |
KR101430660B1 (ko) * | 2012-08-24 | 2014-08-18 | 주식회사 에스에프에이 | 스퍼터 장치 |
US20170117119A1 (en) * | 2015-10-22 | 2017-04-27 | Richard DeVito | Deposition System With Integrated Cooling On A Rotating Drum |
JP2022535278A (ja) * | 2019-06-12 | 2022-08-05 | アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド | インシトゥチャンバ洗浄能力を備えた物理的気相堆積(pvd)チャンバ |
US12057297B2 (en) | 2015-10-22 | 2024-08-06 | Richard DeVito | Deposition system with integrated cooling on a rotating drum |
-
1992
- 1992-12-04 JP JP32455092A patent/JPH06172987A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001155325A (ja) * | 1999-11-26 | 2001-06-08 | Fujitsu Ltd | 磁気ディスク装置、磁気ディスクおよびその製造方法 |
KR101430660B1 (ko) * | 2012-08-24 | 2014-08-18 | 주식회사 에스에프에이 | 스퍼터 장치 |
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US10262838B2 (en) * | 2015-10-22 | 2019-04-16 | Vaeco Inc. | Deposition system with integrated cooling on a rotating drum |
US12057297B2 (en) | 2015-10-22 | 2024-08-06 | Richard DeVito | Deposition system with integrated cooling on a rotating drum |
JP2022535278A (ja) * | 2019-06-12 | 2022-08-05 | アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド | インシトゥチャンバ洗浄能力を備えた物理的気相堆積(pvd)チャンバ |
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