JPH10193905A - 自転車用ハブ体 - Google Patents

自転車用ハブ体

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JPH10193905A
JPH10193905A JP9002571A JP257197A JPH10193905A JP H10193905 A JPH10193905 A JP H10193905A JP 9002571 A JP9002571 A JP 9002571A JP 257197 A JP257197 A JP 257197A JP H10193905 A JPH10193905 A JP H10193905A
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hub
hub body
flange members
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flange
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Nobuyoshi Watarai
悦義 渡会
Takuji Masui
卓二 増井
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Shimano Inc
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    • B60B27/0078Hubs characterised by the fixation of bearings
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    • B60B27/023Hubs adapted to be rotatably arranged on axle specially adapted for bicycles
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自転車用ハブにおいて、使用者の経済的な負
担を軽減できるようにする。 【解決手段】 自転車用ハブ6のハブ体30bは、筒状
のハブ本体31と、1対の鍔部材32と、セレーション
外歯41及び内歯44と、固定キャップ33とを備えて
いる。ハブ本体31はハブ軸30bに回転自在に支持さ
れている。1対の鍔部材32は、ハブ本体31の両端部
の外周に取り外し自在に装着されたリング状の部材であ
り、周方向に等間隔にスポーク孔43が形成されてい
る。セレーション外歯41及び内歯44は、ハブ本体3
1の両端部外周部と鍔部材32の内周部とにそれぞれ形
成され、ハブ本体31と鍔部材32とを回転不能に結合
する。固定キャップ33は、鍔部材32をハブ本体31
に軸方向及び径方向で位置決めして固定する。ここで
は、鍔部材32を交換するだけで、本数が異なる複数の
スポークに対応できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハブ体、特に、自
転車の車輪リムをスポーク等の連結部材を介して支持す
るための自転車用ハブに用いるハブ体に関する。
【0002】
【従来の技術】自転車の車輪は、通常、車軸となるハブ
と、ハブに係止されほぼ放射状に配置されたスポーク
と、スポークにより支持されたリムと、リムに装着され
たタイヤとを有している。ハブは、フレームに回転不能
に固定されるハブ軸と、ハブ軸に回転自在に支持された
ハブ体とを有している。このハブ体は、筒状のハブ本体
とハブ本体の両端に固定されたリング状の1対の鍔部材
とを有している。それぞれの鍔部材にはスポークの本数
に対応したスポーク孔が円周方向に等間隔に形成されて
いる。一方、リムにもスポークの本数に対応した孔が形
成されている。
【0003】この種の車輪において、リムとハブとの間
を連結するスポークの本数は、使用者の嗜好や車輪の使
用目的等によりある範囲で選択できるようになってい
る。たとえば、従来、12,20,24,28,32,
36、40,48本等のスポーク本数が設定されてい
る。このような構成のスポーク車輪では、スポークの本
数に応じて専用のハブ及びリムが必要になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の構成では、
スポーク本数に応じて専用のハブ及びリムが必要である
ため、車輪のサイズが同一でもスポーク本数が異なれ
ば、それに応じたハブを用意しなければならない。たと
えば、クロスカントリーレース用の自転車の車輪をダウ
ンヒルレース用の車輪に組み換えたいとき、スポーク本
数が異なると、スポーク本数毎にハブを用意しなければ
ならない。しかも、スポーク孔が傷むと、その他の部分
は使用可能であってもハブ全体を交換しなければならな
い。
【0005】このように前記従来の構成では、スポーク
の本数の相違に応じてハブを用意したり一部分の損傷に
よりハブを交換しなければならず、使用者に対する経済
的な負担が大きくなることがある。本発明の課題は、自
転車用ハブ体において、使用者の経済的な負担を軽減で
きるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明1に係る自転車用ハ
ブ体は、自転車用ハブ軸に装着されるハブ体であって、
筒状のハブ本体と、1対の鍔部材と、結合手段と、固定
手段とを備えている。ハブ本体はハブ軸に回転自在に支
持されている。1対の鍔部材は、ハブ本体の両端部の外
周に取り外し自在に装着され、車輪のリムを連結する連
結部材が係止されるリング状の部材である。結合手段
は、鍔部材とハブ本体とを回転不能に結合する手段であ
る。固定手段は、1対の鍔部材を前記ハブ本体に前記ハ
ブ本体の径方向と軸方向とで位置決めして固定するため
のものである。このハブ体を使用して、ハブ本体の両端
部に1対の鍔部材を結合手段により回転不能に結合して
装着し、装着された鍔部材を固定手段で固定すると、鍔
部材がハブ本体に対して径方向及び軸方向に位置決めさ
れ、かつ回転不能になる。この鍔部材にスポーク孔をあ
ければ、スポークの本数が異なったりスポーク孔が損傷
したりしても、鍔部材を交換するだけでよくハブ本体を
再使用できる。このため、スポークの本数やスポーク孔
の損傷の有無に係わらずハブ本体を共用でき、使用者の
経済的な負担を軽減することができる。
【0007】発明2に係る自転車用ハブ体は、発明1記
載のハブ体において、鍔部材の内周側には第1テーパ面
が形成されており、固定手段は、ハブ本体の外周面に締
結可能であり第1テーパ面と一部が当接可能で傾斜が異
なる第2テーパ面が外周側に形成されたナットを有して
いる。この場合には、ナットをネジ込むだけで、傾斜が
緩い側のテーパ面の先端がきつい側のテーパ面に当接
し、鍔部材が押圧されて軸方向に移動して位置決めされ
るとともに、径方向に押圧されてナットと鍔部材とが同
心に配置され径方向に位置決めされる。つまり、2つの
方向での位置決めをナットのネジ込み動作だけで同時に
実現できる。
【0008】発明3に係る自転車用ハブ体は、発明2記
載のハブ体において、ナットは、回動用の工具が係止さ
れる係止部を有している。この場合には、工具を使用し
てナットを確実に締め込むことができる。発明4に係る
自転車用ハブ体は、発明2又は3に記載のハブ体におい
て、ナットは、ハブ軸を覆うようなキャップ形状の外周
面を有している。この場合には、ナットによりハブ軸が
覆われるので、ハブ体の外形の意匠をナットにより自由
に表現できる。
【0009】発明5に係る自転車用ハブ体は、発明1か
ら4のいずれかに記載のハブ体において、1対の鍔部材
は、連結部材としてのスポークが係合する多数のスポー
ク孔が周方向に間隔を隔ててそれぞれ形成されている。
この場合には、スポーク孔の数が異なる場合、この鍔部
材だけを交換すればよいので、スポーク車輪において、
ハブに対する使用者の経済的な負担をより軽減すること
ができる。
【0010】発明6に係る自転車用ハブ体は、発明5に
記載のハブ体において、結合手段は、一方の鍔部材のス
ポーク孔が他方の鍔部材のスポーク孔に対して周方向に
半ピッチずれるように、1対の鍔部材とハブ本体との周
方向の位置決めを行う位置決め手段をさらに有する。こ
の場合には、対向する鍔部材のスポーク孔が半ピッチず
れるので、各鍔部材のスポーク孔に係止されたスポーク
をリムに対して規則正しく配列することができる。
【0011】発明7に係る自転車用ハブ体は、発明6に
記載のハブ体において、結合手段は、ハブ本体の両端部
の外周に形成された外歯と、1対の鍔部材の内周に形成
され外歯と噛み合う内歯とを有し、位置決め手段は、内
歯及び外歯に隣接して内歯及び外歯と異なる形状で形成
され、一方の鍔部材のスポーク孔が他方の鍔部材のスポ
ーク孔に対して半ピッチずれるように位置決めする位置
決め内歯と、それに噛み合う位置決め外歯とを有してい
る。この場合には、内歯と外歯との噛み合いにより鍔部
材をハブ本体に対して回転不能に結合するとともに、位
置決め内歯と位置決め外歯との噛み合いにより、スポー
ク孔が半ピッチずれるように周方向に位置決めされるの
で、鍔部材をハブ本体に嵌め込むだけで確実に周方向の
結合及び位置決めを行える。
【0012】請求項8に係る自転車用ハブ体は、発明1
から7のいずれかに記載のハブ体において、ハブ本体
は、一方の端部に、一方の鍔部材の内径より大きい第1
大径部と鍔部材の内径より小さい第1小径部とを有し、
他方の端部に、他方の鍔部材の内径より大きい第2大径
部と鍔部材の内径より小さい第2小径部とを有してお
り、それぞれの鍔部材は、端部の外方または内方からそ
れぞれの小径部に装着され、それぞれの大径部の段部で
軸方向の移動が規制されている。この場合には、鍔部材
をそれぞれの小径部から装着して固定手段で固定して段
部で移動を規制すると、軸方向の位置決めを簡単に行え
る。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態を採
用したマウンテンバイク(MTB)の側面図である。図
1において、MTBは車体の骨格をなすダイヤモンド形
のフレーム1を備えている。フレーム1は、たとえば、
アルミニウム合金パイプやクロームモリブデン鋼パイプ
やチタン合金パイプ等の金属パイプの溶接構造のフレー
ム体2と、フレーム体2の前部に斜め縦軸回りに回転自
在に支持され、下部が2股に分かれたフロントフォーク
3とを有している。また、MTBは、フロントフォーク
3に連結されたハンドル部4と、フレーム体2の下部に
取り付けられ、踏み力を駆動力に変換する駆動部5と、
フロントフォーク3の下端に係止されたフロントハブ6
を有する前輪7と、フレーム体2の後部に係止されたフ
リーハブ8を有する後輪9と、前後の制動装置10,1
0とを備えている。
【0014】フレーム体2にはサドル20を装着したシ
ートチューブ21が上下に移動可能に固定されている。
ハンドル部4はハンドルバー22を有しており、ハンド
ルバー22の両端にはグリップ23とシフトレバー付の
ブレーキレバー24とが装着されている。駆動部5は、
フレーム体2のハンガ部に回転自在に支持された3段の
ギヤクランク25と、フリーハブ8に装着された8段の
小ギヤ26と、ギヤクランク25のギヤと小ギヤ26と
に巻き回されたチェーン27とを有している。
【0015】前輪7は、フロントハブ6と、フロントハ
ブ6からほぼ放射状に外方に延びるたとえば36本のス
ポーク11と、スポーク11の先端にネジ止めされたリ
ム12と、リム12に装着されたチューブ付のタイヤ1
3とを有している。フロントハブ6は、図2に示すよう
に、クイックレリーズ式のものであり、両端に雄ネジが
形成された中空のハブ軸30aと、ハブ軸30aに回転
自在に支持されたハブ体30bとを有している。ハブ体
30bは、ハブ軸30aに回転自在に支持された筒状の
ハブ本体31と、ハブ本体31の両端部外周に取り外し
自在かつ回転不能に装着されたリング状の左右1対の鍔
部材32,32と、1対の鍔部材32,32をハブ本体
31に固定するための1対の固定キャップ33,33と
を有している。
【0016】ハブ軸30aの両端には軸受を構成する1
対の玉押し34,34がネジ込まれている。ハブ本体3
1の両端部内周にはハブわん35が装着されており、玉
押し34とハブわん35との間に鋼球36が配置されて
いる。ハブ軸30aの軸芯部にはクイックハブロッド3
7が嵌め込まれており、クイックハブロッド37の両端
には調整ナット38及びクイックレバー39が取り付け
られている。
【0017】ハブ本体31の両端部外周には、図3に示
すように、他の部分より小径の小径段部40が形成され
ている。小径段部40の内側部には、セレーション外歯
41が形成されている。小径段部40の外側部にはセレ
ーション外歯41より小径の雄ネジ42が形成されてい
る。この雄ネジ42に固定キャップ33がネジ込まれて
いる。
【0018】鍔部材32には、スポーク11装着用のス
ポーク孔43が周方向に等間隔に、たとえば20〜40
の間の任意の個数形成されており、内周部にはセレーシ
ョン外歯41に噛み合うセレーション内歯44が形成さ
れている。ハブ本体31のセレーション外歯41に隣接
して、図4に示すように、特定のスポーク孔43aに関
連付けて位置決め用の外歯41aが形成されている。こ
の位置決め用外歯41aに噛み合うように、一方の鍔部
材32のスポーク孔43aに近接した部分にセレーショ
ン用内歯44が欠落した位置決め用内歯44aが形成さ
れている。この位置決め用外歯41aと位置決め用内歯
44aとは、位置決めされたときに一方の鍔部材32の
スポーク孔43aが他方の鍔部材32のスポーク孔43
bと半ピッチずれるように特定のスポーク孔43a,4
3bに関連付けて形成されている。
【0019】鍔部材32の外側面には軸方向外方に突出
するリング状の突起45が形成されている。突起45の
内周面には外方に広がるテーパ面46が形成されてい
る。また、鍔部材32と対向する固定キャップ33の先
端には、テーパ面46より傾斜がきついテーパ面47が
形成されている。このような構成では、固定キャップ3
3をハブ本体31にねじ込むと、固定キャップ33のテ
ーパ面47が鍔部材32のテーパ面46の先端角部に接
触して鍔部材32を小径段部40の段差に向けて押圧す
るとともに径方向に同心に押圧することとなり、鍔部材
32の軸方向の位置決めと径方向の位置決めとを同時に
行える。
【0020】固定キャップ33は、ハブ軸30aの両端
を覆うような形状であり、その端部内周に雄ネジ42に
螺合する雌ネジ48が形成されている。また、固定キャ
ップ33の外周には、工具(レンチ)係止用の平行に面
取りされた係止部49(図1)が形成されている。後輪
9は、図1に示すように、フリーハブ8と、フリーハブ
8からほぼ放射状に外方に延びる、たとえば36本のス
ポーク11と、スポーク11の先端にネジ止めされたリ
ム12と、リム12に装着されたチューブ付のタイヤ1
3とを有している。
【0021】フリーハブ8は、図5に示すように、クイ
ックレリーズ式のものであり、両端に雄ネジが形成され
た中空のハブ軸50aと、ハブ軸50aに回転自在に支
持されたハブ体50bとを有している。ハブ体50b
は、筒状のハブ本体51と、ハブ本体51の両端部外周
に取り外し自在かつ回転不能に装着されたリング状の左
右1対の鍔部材52a,52bと、左鍔部材52aをハ
ブ本体51に固定するための固定キャップ53aと、右
鍔部材52bをハブ本体51に固定するための固定ナッ
ト53bとを有している。また、フリーハブ8は、小ギ
ヤ26が回転不能に固定されるフリーホイール55を有
している。フリーホイール55は、チェーン27を介し
て小ギヤ26に伝達された駆動力を一方向にのみハブ体
50bに伝達する。
【0022】ハブ軸50aの両端には軸受を構成する1
対の玉押し56,56がネジ込まれている。ハブ本体5
1の左端部内周及びフリーハブ55の右端部内周にはハ
ブわん57が装着されており、玉押し56とハブわん5
7との間に鋼球58が配置されている。ハブ軸50aの
軸芯部にはクイックハブロッド59が嵌め込まれてお
り、クイックハブロッド59の両端には調整ナット60
及びクイックレバー61が取り付けられている。
【0023】ハブ本体51の中央部はくびれた小径部と
なっており両端に向かって徐々に径が大きくなってい
る。ハブ本体51の左端部外周には、フロントハブ6と
同様に、他の部分より小径の小径段部62が形成されて
いる。小径段部62の内側部には、フロントハブ6と同
様なセレーション外歯63が形成されている。小径段部
62の外側部にはセレーション外歯63より小径の雄ネ
ジ64が形成されている。この雄ネジ64に固定キャッ
プ53aがネジ込まれている。ハブ本体51の右端部6
5は、小径段部62の右側の大径部64より径が大きく
なっている。また、右端部65の端部には径が更に大き
い大径段部66が形成されている。
【0024】大径段部66の外側部には、図6に示すよ
うに、セレーション外歯67が形成されている。大径段
部66の内側部にはセレーション外歯67より小径でか
つ左端部の大径部64より大径の雄ネジ68が形成され
ている。鍔部材52aには、スポーク11装着用のスポ
ーク孔43が周方向に等間隔に、たとえば36個形成さ
れており、内周部にはセレーション外歯63に噛み合う
セレーション内歯70が形成されている。鍔部材52b
は、鍔部材52aと外径は同じで内径が大きいリング状
の部材であり、内周部にセレーション外歯67に噛み合
うセレーション内歯71が形成されている。これらのセ
レーション外歯63,67にはフロントハブ6と同様な
位置決め用外歯が、セレーション内歯70,71には位
置決め用外歯がそれぞれ形成されており、両鍔部材52
a,52bを装着したときに互いのスポーク孔43が半
ピッチずれるように配置される。
【0025】鍔部材52aの外側面には、フロントハブ
6と同様なテーパ面を有する外方に突出するリング状の
突起が形成されており、固定キャップ53aの先端に
は、フロントハブ6と同様なテーパ面が形成されてい
る。鍔部材52bの内側面には、図6に示すように、ハ
ブ本体51の内方に広がるテーパ面72が形成されてい
る。また、鍔部材52bと対向する固定ナット53bの
端面には、テーパ72より傾斜がきついテーパ面73が
形成されている。このフリーハブ8でも、フロントハブ
6と同様に、固定キャップ53a及び固定ナット53b
で鍔部材32a,32bを押圧することで、ハブ本体5
1に対する鍔部材32a,32の軸方向の位置決めと径
方向の位置決めとを同時に行える。また、固定キャップ
53a及び固定ナット53bの外周にも工具(レンチ)
係止用の平行に面取りされた係止部74(図5)が形成
されている。
【0026】次に、鍔部材を交換する際の手順について
説明する。たとえば、36本のスポークから28本のス
ポークに変更する際には、28個のスポーク孔が形成さ
れた前後用の各1対の鍔部材32,32、52a,52
bとリムとを用意する。なお、各1対の鍔部材の内周部
には互いのスポーク孔43が半ピッチずれるように位置
決め用内歯44aが形成されている。また、セレーショ
ン内歯と外歯の形状及び数は28本用の鍔部材と36本
用の鍔部材とで同じである。
【0027】まず、前後の車輪7,9からタイヤ13及
びチューブを外しさらにスポーク11をリム12から外
し、フロントハブ6及びフリーハブ8を取り出す。次
に、固定キャップ33,53a及び固定ナット53bを
レンチを用いて緩めてハブ本体31,51から36個の
スポーク孔が形成された鍔部材32、52a,52bを
取り外す。
【0028】フロントハブ6の組み立ての際には、用意
した28個のスポーク孔が形成されたフロント用の鍔部
材32をフロントハブ6のハブ本体31の両端から装着
する。このとき、位置決め用外歯41aと位置決め用内
歯44aとが、対向するスポーク孔43が半ピッチずれ
るように形成されているので、鍔部材32を装着するだ
けで対向するスポーク孔43が半ピッチずれて配置され
る。鍔部材32を装着すると、固定キャップ33を両端
からねじ込んで鍔部材32を固定する。このとき、前述
したようにテーパ面同士の接触により径方向と軸方向の
位置決めを同時に行える。
【0029】フリーハブ8の組み立ての際には、鍔部材
52bをフリーハブ8の左側から装着する。そして、固
定ナット53bを同じく左側から装着してねじ込んで鍔
部材52aを固定する。次に、鍔部材52aをフリーハ
ブ8の左側から装着し、固定キャップ53aを同じく左
側から装着してねじ込んで鍔部材52aを固定する。こ
のときも、同様にスポーク孔43が半ピッチずれて配置
され、かつ軸方向及び径方向の位置決めを同時に行え
る。
【0030】フロントハブ6及びフリーハブ8が組み上
がると、それらにそれぞれスポーク43を28本ずつ装
着し、スポーク43をリム12に、たとえば6本取り3
交差あやどりで前輪7及び後輪9を組み立てる。最後に
振れとり及び芯出しを行った後、タイヤ13及びチュー
ブを装着して前輪7及び後輪9を完成させる。ここで
は、リムと鍔部材とを用意するだけで異なるスポーク孔
の車輪を組み立てることができるので、スポーク本数に
係わらず可及的にハブを共用できる。また、スポーク孔
が損傷しても損傷した側の鍔部材を交換するだけで、ハ
ブ本体やハブ軸は再使用できる。このため、これらの場
合に使用者の経済的負担を軽減できる。
【0031】〔他の実施形態〕 (a) スポーク孔を半ピッチずらす手段は、位置決め
用の外歯及び内歯に限定されず、他の凹凸嵌合による手
段でもよい。 (b) 鍔部材をハブ本体に回転不能に結合する手段
は、セレーション結合に限定されず、キー結合やスプラ
イン結合等の他の結合手段でもよい。
【0032】(c) ハブは、スポークによりリムと連
結されるものに限定されるものではなく、スポークに代
えてアラミド繊維の糸を使用した所謂、テンショクディ
スク(商品名)用のハブやその他の連結部材を使用した
ものに本発明を適用できる。
【0033】
【発明の効果】本発明に係る自転車用ハブ体では、鍔部
材にスポーク孔をあければ、スポークの本数が異なった
りスポーク孔が損傷したりしても、鍔部材を交換するだ
けでハブ本体を再使用できる。このため、スポークの本
数やスポーク孔の損傷の有無に係わらず共用でき、使用
者の経済的な負担を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態が採用されたマウンテンバ
イクの側面図。
【図2】本発明の一実施形態によるフロントハブの半截
断面図。
【図3】フロントハブの右端部の断面部分図。
【図4】鍔部材の側面部分図。
【図5】本発明の一実施形態によるフリーハブの半截断
面図。
【図6】フリーハブの右端部の断面部分図。
【符号の説明】
6 フロントハブ 8 フリーハブ 11 スポーク 30a ハブ軸 30b ハブ体 31,51 ハブ本体 32,52a,52b 鍔部材 33,53a 固定キャップ 53b 固定ナット 41,63,67 セレーション外歯 44,70,71 セレーション内歯 41a 位置決め用外歯 44a 位置決め用内歯

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自転用ハブ軸に装着されるハブ体であっ
    て、 前記ハブ軸に回転自在に支持される筒状のハブ本体と、 前記ハブ本体の両端部の外周に取り外し自在に装着さ
    れ、車輪のリムを連結するための連結部材が係止される
    リング状の1対の鍔部材と、 前記ハブ本体と前記1対の鍔部材とを回転不能に結合す
    るための結合手段と、 前記1対の鍔部材を前記ハブ本体に前記ハブ本体の径方
    向と軸方向とで位置決めして固定するための固定手段
    と、を備えた自転車用ハブ体。
  2. 【請求項2】前記鍔部材の内周側には第1テーパ面が形
    成されており、 前記固定手段は、前記ハブ本体の外周面に締結可能であ
    り、前記第1テーパ面と一部が当接可能で傾斜が異なる
    第2テーパ面が外周側に形成されたナットを有してい
    る、請求項1に記載の自転車用ハブ体。
  3. 【請求項3】前記ナットは、回動用の工具が係止される
    係止部を外周部に有している、請求項2記載の自転車用
    ハブ体。
  4. 【請求項4】前記ナットは、前記ハブ軸を覆うようなキ
    ャップ形状の外周面を有している、請求項2または3に
    記載の自転車用ハブ体。
  5. 【請求項5】前記1対の鍔部材には、前記連結部材とし
    てのスポークが係合する多数のスポーク孔が周方向に間
    隔を隔ててそれぞれ形成されている、請求項1から4の
    いずれかに記載の自転車用ハブ体。
  6. 【請求項6】前記結合手段は、一方の前記鍔部材の前記
    スポーク孔が他方の前記鍔部材の前記スポーク孔に対し
    て周方向に半ピッチずれるように、前記1対の鍔部材と
    前記ハブ本体との周方向の位置決めを行う位置決め手段
    をさらに有する、請求項5に記載の自転車用ハブ体。
  7. 【請求項7】前記結合手段は、前記ハブ本体の両端部の
    外周に形成された外歯と、前記1対の鍔部材の内周に形
    成され前記外歯と噛み合う内歯とを有し、 前記位置決め手段は、前記内歯及び外歯に隣接して前記
    内歯及び外歯と異なる形状で形成され、一方の鍔部材の
    スポーク孔が他方の鍔部材のスポーク孔に対して半ピッ
    チずれるように位置決めする位置決め内歯と、それに噛
    み合う位置決め外歯とを有している、請求項6に記載の
    自転車用ハブ体。
  8. 【請求項8】前記ハブ本体は、一方の端部に、一方の前
    記鍔部材の内径より大きい第1大径部とその鍔部材の内
    径より小さい第1小径部とを有し、他方の端部に、他方
    の前記鍔部材の内径より大きい第2大径部とその鍔部材
    の内径より小さい第2小径部とを有しており、 それぞれの鍔部材は、前記端部の外方または内方からそ
    れぞれの小径部に装着され、それぞれの大径部との段部
    で軸方向の移動が規制されている、請求項1から7のい
    ずれかに記載の自転車用ハブ体。
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