JP2000025674A - 自転車用多段スプロケット装置 - Google Patents

自転車用多段スプロケット装置

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JP2000025674A
JP2000025674A JP10198295A JP19829598A JP2000025674A JP 2000025674 A JP2000025674 A JP 2000025674A JP 10198295 A JP10198295 A JP 10198295A JP 19829598 A JP19829598 A JP 19829598A JP 2000025674 A JP2000025674 A JP 2000025674A
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Japan
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hub
bicycle
core
ball
sprocket
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Nobuo Ozaki
信夫 小崎
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SUGINO TECHNO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】自転車用ハブに自転車用多段フリーホイールを
取り付けるという基本構成を採用しつつも、自転車用ハ
ブをハブ軸に回転支持するための軸受け部の寿命、強度
を高めることができる新たな自転車用多段スプロケット
装置を提供する。 【解決手段】左方の軸受け部7と右方の軸受け部8とに
よってハブ軸4に対して回転自由に支持されるハブ体3
と、このハブ体3の右方胴付き部9にねじ付けられる中
子16と、この中子16に対して一方向回転自由に支持され
るスプロケット支持体19と、このスプロケット支持体19
に取付けられた複数枚の異径スプロケット21とを備えた
自転車用多段スプロケット装置1であって、上記右方の
軸受け部9は、上記中子16の内周に形成された玉受け面
16a と、ハブ軸3にねじ付けられた玉押し部材10の外周
に形成された玉受け面10a と、これら両玉受け面間に介
装された鋼球11とによって形成されていることを特徴と
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本願発明は、自転車の後輪ハ
ブに設けられる自転車用多段スプロケット装置に関す
る。
【0002】
【発明の背景】自転車用ハブは、左右のハブ鍔を有する
ハブ体がフレームに固定されたハブ軸に対して回転自由
に支持されて構成される。左右のハブ鍔には、スポーク
の一端が連結され、このスポークの他端は車輪のリムに
連結される。そして、自転車の後輪用ハブには、前ギヤ
としてのギヤクランクからの回転駆動力をチエンを介し
て後輪用ハブに伝達する後ギヤとしてのフリーホイール
が取付けられる。このフリーホイールは、駆動方向の回
転をハブに伝達するが、駆動方向と反対方向の回転はハ
ブに伝達しないように、一方向クラッチ機構が組み込ま
れている。後ギヤがフリーホイールとなっているため
に、ギヤクランクが停止していても、ハブないし後輪が
正方向にフリー回転可能となり、自転車を惰力走行させ
ることができる。
【0003】このフリーホイールには、一枚のスプロケ
ットを有するもののほか、自転車用リヤディレーラと組
み合わせて変速を行うために複数枚の異径スプロケット
を並設してなる多段フリーホイールがある。
【0004】図5に、自転車用ハブに従来の自転車用多
段フリーホイールを組合せて構成された多段スプロケッ
ト装置の一例を示す。自転車用ハブ2は、左右のハブ鍔
5,5を備えるとともに中心貫通孔6を有する全体とし
て筒状をしたハブ体3が、ハブ軸4に套挿された状態で
左右2箇所の軸受け部7,8を介してハブ軸4に対して
回転自由に支持されて構成される。各軸受け部7,8
は、ハブ体3における左右のハブ鍔5,5のハブ軸方向
外方に形成される胴付き部9,9の内周に玉受け面9
a,9aを形成するとともに、この玉受け面9a,9a
と対向する玉受け面10a,10aを有する玉押し部材
10,10をハブ軸4にねじ付け、かつ両玉受け面9
a,10a間に鋼球11を転動可能に介装することによ
って形成されている。そして、この自転車用ハブ2の右
側の胴付き部9の外周には、自転車用多段フリーホイー
ル12をねじ付けるための雄ねじ13が形成されてい
る。なお、各玉押し部材10は、この玉押し部材に隣接
するようにして、あるいはスペーサを介してハブ軸4に
ねじ付けられるハブナット15がロックナットとして機
能することにより、ハブ軸方向所定位置において固定さ
れる。
【0005】一方、自転車用多段フリーホイール12
は、上記した自転車用ハブ2の右側の胴付き部9の雄ね
じにねじ付けられる中子16と、この中子16に対して
ハブ軸方向内外2箇所の軸受け部17,18を介して回
転可能に支持されるスプロケット支持体19と、中子1
6とスプロケット支持体19との間に形成された一方向
クラッチ機構20と、スプロケット支持体の外周に取付
けられた複数枚の異径スプロケット21とを備えてい
る。2箇所の軸受け部17,18は、中子の軸方向両端
部の外周に形成された玉受け面16a,16bと、スプ
ロケット支持体19の内周に一体形成するか、またはね
じ蓋26に形成した玉受け面と、これら玉受け面間に転
動可能に介装された鋼球22,23とによって形成され
る。一方向クラッチ機構20は、中子16の外周に起立
方向に付勢されつつ設けられたラチェット爪24と、こ
のラチェット爪24と対向するようにしてスプロケット
支持体19の内周に形成されたラチェット歯25とによ
って形成される。
【0006】複数の異径スプロケット21は、大径スプ
ロケット21aがハブ軸方向内側に、そして外側に向か
うほど次第に小径となるように並設される。そのために
は、スプロケット支持体は、全体として、ハブ軸方向外
方へむかうほど小径となるように形成される。このこと
に関連して、中子16は、ハブ2の雄ねじ13にねじ付
けられる軸方向内方部分はこの雄ねじの径と対応した径
となっているが、軸方向外方部分は小径となっており、
この外方小径部分の外周にラチェット爪24が設けられ
ている。しかしながら、この外方小径部分の内径は、ハ
ブ軸4にねじ付けられるハブナット15の最外径よりも
大径である。なぜなら、ハブ軸4に自転車用ハブ2が上
記のようにして取付けられた状態において、この自転車
用ハブ2に対して多段フリーホイール12を着脱できる
ようにするためである。
【0007】上記構成を備える自転車用ハブおよびこれ
に取付けられる自転車用フリーホイールからなる構造に
おいては、次のような一般的な課題がある。
【0008】多段フリーホイールは、5〜8枚の異径ス
プロケットが並設され、所定の軸方向長さを有すること
から、その最小径スプロケット21bがハブ2をその右
方においてハブ軸に回転支持するための軸受け部8に対
してハブ軸方向外方に相当変位した格好となるため、こ
の最小径スプロケットにチエンがかかった状態において
強大な駆動力が作用すると、軸受け部8に相当大きな荷
重が作用する。したがってハブの軸受け部の強度、寿命
に不安が残ることになる。
【0009】上記のように自転車用ハブに自転車用多段
フリーホイールを取り付けて自転車用多段スプロケット
装置を構成する場合の問題は、たとえば、特公昭53−
38854号公報に示されているような、いわゆる自転
車用ユニットハブによって解決することができる。すな
わち、同公報に示されているユニットハブにおいては、
本願の図6に示すように、ハブ体3に軸受け筒27を一
体に延出形成するとともに、この軸受け筒27の外端部
にねじ付けた軸受け体28の内周面に玉受け面28aを
形成して、この玉受け面とハブ軸4にねじ付けた玉押し
部材10の玉受け面10aとの間に鋼球29を介装して
軸受け部8を形成することにより、ハブ体3の右方部を
ハブ軸4に対して回転支持している。そして、スプロケ
ット支持体19の回転支持は、軸受け筒27の基端方の
外周部に形成した玉受け面27aと上記軸受け体28の
外周面に形成した玉受け面28bと、そのそれぞれと対
向するようにスプロケット支持体19の内周面に形成し
た玉受け面19a,19bと、各対向する玉受け面19
a、27a,19b、28b間に介装した鋼球30,3
1とによって、ハブ軸方向に離れた2箇所の軸受け部を
形成することによって達成している。
【0010】上記構成のユニットハブによれば、ハブ体
の右方部をハブ軸4に対して回転支持するための軸受け
部8が図5に示した多段スプロケット装置の場合に比較
してハブ軸方向外方位置に配置されているので、最小径
スプロケットにチエンがかかった状態において強大な駆
動力が作用しても、上記軸受け部8に過大な負担が作用
するといったことはない。
【0011】しかしながら、ユニットハブは、自転車用
ハブと、多段フリーホイールとが一体に融合した構成を
備えているため、ユーザにとっては、自転車用ハブに対
して多段フリーホイールを交換してその歯組み構成を変
更するといった使用方法をとることができないという、
別の問題がある。
【0012】また、自転車の完成車メーカーにとって
は、自転車用ハブと自転車用多段フリーホイールを別の
部品メーカーに発注し、種々の歯組み構成を備える多段
スプロケットを有する自転車を独自に組み立てるといっ
たことが容易にできなくなるという問題がある。
【0013】本願発明は、このような事情のもとで考え
出されたものであって、自転車用ハブに自転車用多段フ
リーホイールを取り付けるという基本構成を採用しつつ
も、自転車用ハブをハブ軸に回転支持するための軸受け
部の寿命、強度を高めることができる新たな自転車用多
段スプロケット装置を提供することをその課題としてい
る。
【0014】
【発明の開示】上記の課題を解決するため、本願発明で
は、次の技術的手段を講じている。
【0015】すなわち、本願発明によって提供される自
転車用多段スプロケット装置は、左方の軸受け部と右方
の軸受け部とによってハブ軸に対して回転自由に支持さ
れるハブ体と、このハブ体の右方胴付き部にねじ付けら
れる中子と、この中子に対して一方向回転自由に支持さ
れるスプロケット支持体と、このスプロケット支持体に
取付けられた複数枚の異径スプロケットとを備えた自転
車用多段スプロケット装置であって、上記右方の軸受け
部は、上記中子の内周に形成された玉受け面と、ハブ軸
にねじ付けられた玉押し部材の外周に形成された玉受け
面と、これら両玉受け面間に介装された鋼球とによって
形成されていることを特徴としている。
【0016】好ましい実施の形態においては、上記中子
は、上記ハブ体の右方胴付き部に形成された雄ねじ部に
ねじ付けられる雌ねじ部が内周に形成された内方大径部
と、この内方大径部かち上記ハブ体の右方胴付き部の外
端部よりもさらにハブ軸方向外方に延出する小径部とを
備えており、この小径部の内周に上記玉受け面が形成さ
れている。
【0017】すなわち、本願発明に係る自転車用多段ス
プロケット装置においては、ハブ体をその右方部におい
てハブ軸に対して回転可能に支持する軸受け部を、従来
一般の自転車用ハブのようにハブ体の胴付き部自体の内
周に形成した玉受け面とハブ軸にねじ付けられる玉押し
部材の玉受け面との間に鋼球を介装して構成するのでは
なく、ハブ体の胴付き部にねじ付けられる中子の内周に
形成した玉受け面とハブ軸にねじ付けられる玉押し部材
の玉受け面との間に鋼球を介装して構成している。中子
は、組み付け状態においてハブ体の胴付き部と一体化さ
せられるので、上記のような軸受け部によって、ハブ体
の右方部が実質的にハブ軸に対して回転自由に支持され
ることになる。
【0018】上記のように中子を介して形成される軸受
け部は、ハブ体の胴付き部よりもさらにハブ軸方向外方
に配置されることになる。したがって、ハブ軸方向の最
外方の最小径スプロケットにチエンがかかっていて、チ
エンを介して強大な駆動力が作用する場合においても、
この駆動力の作用点が上記軸受け部と比較的ハブ軸方向
に近くなる。その結果、本願発明によれば、ハブ体を右
方部においてハブ軸に回転支持する軸受け部の強度、寿
命上の不安が解消ないしは緩和される。
【0019】また、本願発明に係る自転車用多段スプロ
ケット装置は、基本的に、スプロケット支持体を一方向
回転自由に支持する中子をハブ体の胴付き部にねじ付け
るように構成されているから、中子をハブ胴付き部に脱
着することにより、スプロケットの歯組み構成を容易に
変更することができる。
【0020】好ましい実施の形態においてはまた、上記
ハブ体の右方胴付き部の内周には、上記中子の内周に形
成された玉受け面と同一形態の玉受け面が形成されてい
る。
【0021】この場合、本願発明に係る多段スプロケッ
ト装置を構成するための自転車用ハブとして、従来の市
販品をそのまま採用することができる。すなわち、従来
の市販品の自転車用ハブのハブ体の胴付き部に上記中子
をねじ付け、そうして、上記市販品の自転車用ハブに付
属する玉押し部材および鋼球をそのまま用いて、中子の
内周に形成した玉受け面と協働させて、ハブ体の右方部
をハブ軸に可回転支持する軸受け部を形成することがで
きる。この場合、本願発明の実施には、内周に玉受け面
が形成された中子ないしこれに一方向回転自由に支持さ
れるスプロケット支持体を準備すればよいことになる。
さらに言えば、中子ないしスプロケット支持体について
も、従来の市販品の自転車用ハブに取付け可能な市販品
の自転車用多段フリーホイールの構成部品のうち、中子
のみを本願発明によって特徴づけられたものに変更すれ
ばよいことになる。
【0022】以上の結果、本願発明によれば、自転車用
ハブに自転車用多段フリーホイールを取り付けるという
基本構成を採用しつつも、自転車用ハブをハブ軸に回転
支持するための軸受け部の寿命、強度を高めることがで
きる新たな自転車用多段スプロケット装置が達成され
る。
【0023】本願発明のその他の特徴および利点は、図
面を参照して以下に行う詳細な説明から、より明らかと
なろう。
【0024】
【好ましい実施の形態】以下、本願発明の好ましい実施
の形態を、図面を参照しつつ、具体的に説明する。
【0025】図1は本願発明に係る自転車用多段スプロ
ケット装置1の第1の実施形態の全体構成を示す一部断
面後面図、図2は要部拡大断面図である。なお、これら
の図において、図5および図6に示した従来例と同等の
部材または部分には、同一符号を付してある。
【0026】図1および図2に示されるように、この自
転車用多段スプロケット装置1は、自転車のバックホー
ク32の先端に両端部において固定支持されたハブ軸4
に対し、ハブ体3が左右の軸受け部7,8を介して自由
回転可能に支持されているとともに、ハブ体3の右方部
には、複数枚の異径スプロケット21が並設されたスプ
ロケット支持体19を一方向自由回転可能に支持する中
子16がねじ付け固定された概略構成を備えている。
【0027】ハブ体3は、ハブ軸4が通挿される中央貫
通孔6を有する全体として筒状をした部材であり、図に
示す実施形態では、中間部のパイプ部材3aの両端部
に、それぞれハブ鍔5,5を備える左側部材と右側部材
とが一体連結されている。各ハブ鍔には、複数のスポー
ク穴5aが開けられており、このスポーク穴には、図示
しないスポークの内端部が連結される。スポークの外端
部は、図示しないリムに連結される。このハブ体の右側
部材のハブ鍔5よりもハブ軸方向外方の胴付き部9の外
周には、ハブ軸方向所定長さにわたって雄ねじ部13が
形成されている。また、この胴付き部9の内周には、圧
力軸がハブ軸方向外方に傾斜する玉受け面16a′が形
成されている。この玉受け面16a′は、本来、玉押し
部材10との間に鋼球を介在させて、ハブ体3の右方部
をハブ軸に対して自由回転可能に支持する軸受け部を形
成するためのものであるが、本願発明では、この玉受け
面16a′は、軸受け部を形成する部位として使用しな
い。一方、このハブ体3の左側部材のハブ鍔5よりもハ
ブ軸方向外方における内周にも、圧力方向がハブ軸方向
外方に傾斜する玉受け面9aが形成されている。この玉
受け面9aとハブ軸4にねじ付けられた玉押し部材10
の玉受け面10aとの間に鋼球11を介装することによ
り、ハブ体3の左方部をハブ軸に対して自由回転可能に
支持する軸受け部7が形成される。
【0028】中子16は、内周に上記ハブ体3の胴付き
部9の雄ねじ部13と螺合可能な雌ねじ部34が形成さ
れた、ハブ軸方向内方側の大径基部161と、この大径
基部161から上記ハブ体3の胴付き部9の端部よりも
さらにハブ軸方向外方に一体延出させられた小径延出部
162とを備えている。この小径延出部162の内周に
は、圧力方向がハブ軸方向外方に傾斜する玉受け面16
aが形成されている。この実施形態においてこの玉受け
面16aの仕様、すなわち、圧力方向の傾斜、対応接触
するべき鋼球11の径、ハブ軸中心からの距離等は、ハ
ブ体3の右側部材の胴付き部9の内周に形成された玉受
け面と同一としてある。そして、この玉受け面16a
と、ハブ軸にねじ付けられた玉押し部材10の玉受け面
10aとの間に鋼球11を介装することにより、ハブ体
3の右方部を実質的にハブ軸4に対して自由回転可能に
支持する軸受け部8が形成される。
【0029】中子16のハブ軸方向内方側の端部外周、
すなわち大径基部161の内方側端部外周には、圧力方
向がハブ軸方向内方に傾斜する玉受け面16bが形成さ
れる。一方、中子のハブ軸方向外方側の端部外周、すな
わち小径延出部162の外方側端部外周には、圧力方向
がハブ軸方向外方に傾斜する玉受け面16cが形成され
る。この中子の小径延出部162の外周にはまた、常時
バネによって起立方向に付勢されたラチェット爪24が
適当数配置される。
【0030】スプロケット支持体19の内周には、中子
16の外周に形成した各玉受け面16b,16cとそれ
ぞれ圧力方向に対向する玉受け面19a,19bが形成
される。この玉受け面は、スプロケット支持体19の内
周に直接的に形成するか、または、スプロケット支持体
の端部内周にねじ付けられるねじ蓋26に形成される。
このスプロケット支持体19の内周にはまた、中子16
の外周に設けたラチェット爪24が係脱するラチェット
歯25が形成されて、中子16に対するスプロケット支
持体19の駆動方向逆方向の相対回転を許容し、駆動方
向正方向の相対回転を禁止する一方向クラッチ機構20
が構成される。中子16の各玉受け面16b,16cと
スプロケット支持体19の各玉受け面19a,19b間
にそれぞれ鋼球22,23を介装することにより、中子
16に対してスプロケット支持体19を回転可能に支持
する軸受け部17,18が形成される。スプロケット支
持体19の外周には、複数枚の異径スプロケット21
が、ハブ軸方向外方のものほど小径となるようにして、
所定間隔を開けて取付けられる。この異径スプロケット
21の取付けは、スプロケット支持体に対してスプライ
ン嵌合させたり、ねじ付けたりという、従前と同様の手
法によって行われる。
【0031】なお、ハブ軸4は、このハブ軸にねじ付け
られるロックナット15とハブナット38との間にバッ
クホーク32を挟持することにより、自転車フレームに
対して固定される。また、ハブ軸の左右部にねじ付けら
れて各軸受け部7,8を構成するための玉押し部材1
0,10は、これに隣接する上記ロックナット15とい
わゆる二重ロックナットとして作用させることにより、
ハブ軸方向の所定位置に固定される。
【0032】以上の構成において、図示しないチエン
が、前ギヤとしてのギヤクランクと、後ギヤとしての上
記の多段スプロケット装置のいずれかのスプロケット2
1との間に掛け回される。図示しないディレーラを作動
させることにより、チエンをいずれかのスプロケット2
1を選択して掛け換えることができる。スプロケット支
持体19は中子16に対して駆動方向逆方向の相対回転
が許容され、駆動方向正方向の相対回転が禁止されてい
るから、ギヤクランクからチエンを介してスプロケット
支持体19に伝達される正方向の駆動力は、そのままハ
ブ体3の伝達され、自転車の後輪に駆動力が与えられ
る。また、ギヤクランクないしスプロケット支持体19
が停止していても、ハブ体3が正方向に回転することは
許容され、したがって、自転車は惰力走行することがで
きる。
【0033】上記構成の自転車用多段スプロケット装置
1においては、図5に示した従来例と比較すれば明らか
なように、いずれもハブ体3に中子16をねじ付けて組
み立てられる構成となっているにもかかわらず、ハブ体
の右方部をハブ軸4に回転支持する軸受け部8のハブ軸
方向の位置が、本願発明の場合のほうが従来例の場合よ
りも外方となっている。すなわち、本願発明の場合、最
小径スプロケット21bにチエンがかかっている状態に
おいて強大な駆動力が作用したとしても、この駆動力は
最小径スプロケット21bに対してハブ軸方向において
比較的近い上記軸受け部8によって受け止められるの
で、この軸受け部8の各玉受け面に作用する圧力は図5
の従来例の場合よりも小さくなり、したがって、この軸
受け部8の強度、寿命が図5の従来例に比較して相対的
に向上する。
【0034】しかも、図1および図2に示した第1の実
施形態においては、中子16の内周に形成した玉受け面
16aは、ハブ体3に本来形成されていた玉受け面16
a′と同一仕様のものである。このことは、市販の自転
車用ハブ2に付属する玉押し部材10および鋼球11
を、本願発明の多段スプロケット1の構成部材としてそ
のまま用いることができることを意味する。また、ハブ
体3にねじ付けられる中子16ないしスプロケット支持
体19についていえば、中子16の内周に玉受け面16
a′が形成されていることを除けば、従来の多段フリー
ホイールの構成と近似している。したがって、従来の多
段フリーホイールの中子に設計変更を施すことにより、
本願発明のための中子16ないしスプロケット支持体1
9として用いることができる。そもそも中子は、スプロ
ケット支持体19を回転支持するための軸受け部を形成
するべき部材であり、熱処理を施す強度部材であるか
ら、内周に上記玉受け面を形成することに強度上なんら
不都合はない。
【0035】図3は本願発明に係る自転車用多段スプロ
ケット装置1の第2の実施形態の全体構成を示す一部断
面後面図、図4は要部拡大断面図である。
【0036】第1の実施形態では、ハブ体として、市販
品の自転車用ハブのハブ体3を用いたため、ハブ体3の
右側部材の内周に本来の玉受け面が形成されていたのに
対し、この第2の実施形態では、ハブ体3の右側部材の
内周には、玉受け面は形成していない。その余の構成
は、図1および図2に示した第1の実施形態と基本的に
同じであるので、対応する部材または部品に同一の符号
を付して詳細な説明は省略する。
【0037】このようにすると、ハブ体3の胴付き部9
に形成される雄ねじ部13の外径が小径化され、これに
伴い、中子16ないしはスプロケット支持体19をより
小径化することができる。その結果、図に表れているよ
うに、スプロケット支持体19に支持されるべき複数枚
の異径スプロケットのうち、最小径スプロケット21b
をより小径(たとえば歯数11)のものを取り付けるこ
とが可能となる。
【0038】この場合においても、ハブ体4の右方部を
ハブ軸3に回転可能に支持するための軸受け部が強度、
寿命の面で図5に示される従来例に比較して有利になる
という利点を享受することができる。また、中子16な
いしスプロケット支持体19を交換することにより、容
易に自転車用多段スプロケット装置の歯組み構成を変更
することができるという利点をも享受することができ
る。
【0039】もちろん、この発明の範囲は上述した実施
形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した技術的事
項の範囲内でのあらゆる変更は、すべて本願発明の範囲
に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1の実施形態に係る自転車用多段
スプロケット装置の全体構成を示す部分断面後面図であ
る。
【図2】図1に示される自転車用多段スプロケット装置
の要部拡大断面図である。
【図3】本願発明の第2の実施形態に係る自転車用多段
スプロケット装置の全体構成を示す部分断面後面図であ
る。
【図4】図3に示される自転車用多段スプロケット装置
の要部拡大断面図である。
【図5】従来例の説明図である。
【図6】従来例の説明図である。
【符号の説明】
1 多段フリ−ホイ−ル 2 自転車用ハブ 3 ハブ体 4 ハブ軸 7、8 軸受け部 10 玉押し部材 11 鋼球 16 中子 16a,16b.16c 玉受け面 19 スプロケット支持体 19a,19b 玉受け面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左方の軸受け部と右方の軸受け部とによ
    ってハブ軸に対して回転自由に支持されるハブ体と、こ
    のハブ体の右方胴付き部にねじ付けられる中子と、この
    中子に対して一方向回転自由に支持されるスプロケット
    支持体と、このスプロケット支持体に取付けられた複数
    枚の異径スプロケットとを備えた自転車用多段スプロケ
    ット装置であって、 上記右方の軸受け部は、上記中子の内周に形成された玉
    受け面と、ハブ軸にねじ付けられた玉押し部材の外周に
    形成された玉受け面と、これら両玉受け面間に介装され
    た鋼球とによって形成されていることを特徴とする、自
    転車用多段スプロケット装置。
  2. 【請求項2】 上記中子は、上記ハブ体の右方胴付き部
    に形成された雄ねじ部にねじ付けられる雌ねじ部が内周
    に形成された内方大径部と、この内方大径部かち上記ハ
    ブ体の右方胴付き部の外端部よりもさらにハブ軸方向外
    方に延出する小径部とを備えており、この小径部の内周
    に上記玉受け面が形成されている、請求項1に記載の自
    転車用多段スプロケット装置。
  3. 【請求項3】 上記ハブ体の右方胴付き部の内周には、
    上記中子の内周に形成された玉受け面と同一形態の玉受
    け面が形成されている、請求項1または2に記載の自転
    車用多段スプロケット装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009117898A1 (zh) * 2008-03-27 2009-10-01 Lu I-Shyong 自行车空档结构
JP2012144136A (ja) * 2011-01-12 2012-08-02 Gokiso Giken Ltd 自転車用リアハブ装置

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