JPH10184738A - ドラムブレーキ装置 - Google Patents

ドラムブレーキ装置

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JPH10184738A
JPH10184738A JP8350926A JP35092696A JPH10184738A JP H10184738 A JPH10184738 A JP H10184738A JP 8350926 A JP8350926 A JP 8350926A JP 35092696 A JP35092696 A JP 35092696A JP H10184738 A JPH10184738 A JP H10184738A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 デュオサーボ式のドラムブレーキ装置におい
て、ブレーキの効きの安定性を高める。 【解決手段】 一対のブレーキシュー3、4の一方の対
向端間を拡開するホイールシリンダには、シュー駆動用
圧力室10に供給される液圧によって各ブレーキシュー
3、4の端部をアンカーピン15を介して押圧する一対
のホイールシリンダピストン12、13と、該ホイール
シリンダピストン12、13よりもドラムの中心側に装
備されて前記シュー駆動用圧力室10への液圧供給を制
御する一対の制御用ピストン22、23とを備え、か
つ、制御用ピストン22、23は、前記アンカーピン1
5及びてこ部材25を介してアンカー反力を先端部に受
けてアンカー反力がマスタシリンダからの液圧に対して
所定の倍率に達すると前記シュー駆動用圧力室10を密
閉状態にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両等に搭載され
るドラムブレーキ装置に関し、更に詳述すれば、デュオ
サーボ式のドラムブレーキ装置の改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】車両等に使用されるドラムブレーキ装置
は、一般に、入力部(ホイールシリンダ)と、該入力部
からの力によりドラム内で拡張してブレーキ力を発生す
るブレーキシューと、ブレーキシューを支持するアンカ
部とを具備した構成からなる。そして、ドラムの前進方
向に対して入力部が入口側、アンカ部が出口側にあるも
のをリーディング・シュー、アンカ部が入口側、入力部
が出口側にあるものをトレーリング・シューと呼ぶ。
【0003】従来のドラムブレーキ装置としては、リー
ディングトレーリング式、ツーリーディング式及びデュ
オサーボ式等の種類のものが使用されている。リーディ
ングトレーリング式は、対向する一対のシューの一方の
対向端間にシューを拡開するホイールシリンダを配する
と共に、他方の各シュー端にアンカ部を配し、リーディ
ング・シューとトレーリング・シューとを組み込んだも
のである。
【0004】ツーリーディング式は、リーディング・シ
ューを2個組み込んだ構成のものであり、そのうち単動
型(TP1W)のものは、前進時にはゲインが高く、後
進時にはツートレーリング式となって相対的に前進時よ
りゲインが低下する。ツーリーディング式の複動型(T
P2W)のものは、前後進とも同じ効きで高いゲインを
有する。デュオサーボ式は、2個のシューをリンク結合
し、プライマリ・シューに生ずるブレーキ力をセカンダ
リ・シューの入力として働かせるもので、前後進とも同
じ効きを示すゲインの高いブレーキである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ツ
ーリーディング式は、ホイールシリンダが2個必要なた
め高価になり、また、駐車ブレーキの機構が複雑になる
という問題があった。一方、上記デュオサーボ式は、リ
ーディングトレーリング式やツーリーディング式のもの
と比較して、極めて高いブレーキ効力が得られ、小型化
し易く、また、駐車ブレーキの組み込みも容易であると
いう多くの長所を持つが、その反面、例えば、ブレーキ
シューのライニング摩擦係数及び回転ドラムとの接触状
況の変化に敏感でブレーキの効きの変動が大きく、安定
した制動特性が得られないという重大な難点があった。
【0006】これに対し、上記リーディングトレーリン
グ式は、前の2者と比較して、安定性が優れ、また、駐
車ブレーキの組み込みも容易である。そのため、最近で
は、ドラムブレーキ装置の主流になっている。しかし、
リーディングトレーリング式は、ブレーキの効きが低
く、それを補うために、マスタシリンダの倍力装置を大
型化したり、ドラム径を大きくしなければならず、ドラ
ムブレーキ装置の小型化を困難にしていた。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、ブレーキ効力が高く、しかも、ブレーキの効きの
安定性にも優れ、また、駐車ブレーキの組み込みも容易
であるドラムブレーキ装置を提供し、マスタシリンダの
倍力装置等の小型化を実現してブレーキシステムの小型
化やコスト低減を図ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係るドラムブレーキ装置は、円筒形のドラム
内空間に対向配備されるプライマリ・シューとセカンダ
リ・シューとの一対のブレーキシューと、これらの一対
のブレーキシューの一方の対向端間に配設されてこれら
各ブレーキシューを拡開するホイールシリンダと、これ
らの一対のブレーキシューの他方の対向端間に配設され
て前記プライマリ・シューの出力を前記セカンダリ・シ
ューに入力するリンク機構とを備えたデュオサーボ式の
ドラムブレーキ装置であって、前記ホイールシリンダ
は、シュー駆動用圧力室に臨んで対向配置されて該シュ
ー駆動用圧力室に供給される液圧によって各ブレーキシ
ューの端部に向けて進退駆動される一対のホイールシリ
ンダピストンと、軸線をドラム軸方向に向けた円柱状を
成すと共に、各ホイールシリンダピストンの先端の平坦
面と該平坦面に対向している各ブレーキシューの端部に
形成された円弧面とで挟持されて、前記ホイールシリン
ダピストンと前記ブレーキシューの端部との間での押圧
力伝達手段として機能するアンカーピンと、前記シュー
駆動用圧力室よりもドラムの中心側に寄った位置に装備
されてマスタシリンダからの液圧を受ける制御用圧力室
と、該制御用圧力室内に装備されて前記シュー駆動用圧
力室及び該制御用圧力室相互を連通している流路を開閉
する常開型の入力制御弁と、前記一対のホイールシリン
ダピストンと並列配置となるよう基端側を前記制御用圧
力室に臨んで対向配置され、先端側に作用する押圧力が
基端側に作用する液圧に対して所定の倍率に達すると制
御用圧力室側に変位して前記入力制御弁を閉じる一対の
制御用ピストンと、前記ホイールシリンダピストンの先
端部側に位置する一端部には、アンカー反力によってホ
イールシリンダピストン側に押圧変位した前記アンカー
ピンの外周面が接触する円弧面状の反力受け部と、前記
反力受け部よりもドラムの径方向外側となる位置でシリ
ンダボディに回転自在に接触して揺動支点となる凸曲面
部とが装備され、また、前記制御用ピストンの先端部側
に位置する他端部には、前記制御用ピストンの先端面に
当接する反力出力部が装備されて、前記セカンダリ・シ
ューから前記ホイールシリンダピストンに伝達されるア
ンカー反力を所定の比率で低減させて前記制御用ピスト
ンの先端部に作用させるてこ部材とを具備して構成され
たことを特徴とするものである。
【0009】以上の構成によれば、ドラムブレーキ装置
は、非作動時には、入力制御弁がシュー駆動用及び制御
用の圧力室相互を連通している流路を開いていて、ブレ
ーキ操作によってマスタシリンダから液圧が供給されれ
ば、即座にその液圧がシュー駆動用圧力室に供給される
状態になっている。そして、ブレーキ操作によってマス
タシリンダからの液圧が制御用圧力室を経由してシュー
駆動用圧力室に供給されると、一対のホイールシリンダ
ピストンがシュー駆動用圧力室から押し出され、プライ
マリ・シュー及びセカンダリ・シューの端部をアンカー
ピンを介して押圧する。
【0010】ホイールシリンダピストンによって端部を
押圧された各ブレーキシューは、拡開してドラムに押し
付けられて、制動力を発生させる。この制動時には、セ
カンダリ・シューから、ブレーキ効力に応じた大きさの
アンカー反力が、アンカーピンを介して、ホイールシリ
ンダピストンに伝えられる。そして、ブレーキ効力が大
きくなって、アンカー反力によってアンカーピンが一定
以上押し戻されると、アンカーピンはホイールシリンダ
ピストンだけでなく、てこ部材の一端も押圧するように
なる。
【0011】そして、てこ部材に伝えられたアンカー反
力は、マスタシリンダの液圧によって進出状態にある制
御用ピストンを押し戻す向きの力となって、制御用ピス
トンに作用する。従って、アンカー反力がマスタシリン
ダからの入力に対して所定の倍率に達すると、てこ部材
を介して制御用ピストンに作用するアンカー反力によっ
て制御用ピストンが押し戻される。
【0012】アンカー反力によって押し戻された制御用
ピストンは、常開型の入力制御弁を閉じて、シュー駆動
用圧力室を密閉状態にして、ホイールシリンダピストン
に作用しているシュー駆動用圧力室の液圧を一定に保
つ。このようにシュー駆動用圧力室が密閉された状態で
の制動状況下で、ブレーキ効力が低下すると、てこ部材
を介して制御用ピストンに作用していたアンカー反力が
弱まり、マスタシリンダからの液圧によって制御用ピス
トンが再び進出方向に押し出されるため、常開型の入力
制御弁は再開してシュー駆動用圧力室への液圧供給が再
開される。以上のように、制御用ピストンがアンカー反
力に応じてシュー駆動用圧力室への液圧供給を制御する
ため、ホイールシリンダは、マスタシリンダからの入力
に対して一定倍率のアンカー反力を安定して受けること
が可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るドラムブレー
キ装置の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明
する。図1乃至図4は本発明に係るドラムブレーキ装置
の一実施形態を示したもので、図1はドラムブレーキ装
置の非作動時の状態を示す要部断面図、図2はドラムブ
レーキ装置の作動初期の状態を示す要部断面図、図3は
ドラムブレーキ装置においてアンカー反力が所定の倍率
を超えたときの動作を示す要部断面図、図4はドラムブ
レーキ装置に装備したてこ部材によるてこ動作の説明図
である。
【0014】このドラムブレーキ装置1は、所謂デュオ
サーボ式と呼ばれるもので、円筒形のドラム内の空間に
対向配備されるプライマリ・シュー3とセカンダリ・シ
ュー4との一対のブレーキシュー3、4と、対向するこ
れらの一対のブレーキシュー3、4の一方の対向端間に
配設されてこれら各ブレーキシュー3、4を拡開するホ
イールシリンダ5と、これらの一対のブレーキシュー
3、4の他方の対向端間に配設されてプライマリ・シュ
ー3の出力をセカンダリ・シュー4に入力する図示略の
リンク機構と、これらの構成部材を支持するバッキング
プレート7とを備えている。
【0015】一対のブレーキシュー3、4は、ドラムの
内周面に沿う円弧板状のリム3a、4aと、これらのリ
ム3a、4aから内径側に張り出したウェブ3b、4b
と、前記リム3a、4aの外周に貼着されたライニング
3c、4cとからなる。そして、それぞれのブレーキシ
ュー3、4は、ドラムの内周面に向かって進退可能に、
バッキングプレート7に取り付けられている。また、バ
ッキングプレート7上の一対のブレーキシュー3、4の
互いに対向した各端部同士は、図示略のリターンスプリ
ングによって、互いに接近する方向(即ち、ドラムから
離間する方向)に付勢されている。
【0016】前記バッキングプレート7上には、図示略
の駐車ブレーキを構成するパーキングストラットや、パ
ーキングレバーも組込まれ、前記一対のブレーキシュー
3、4は前記パーキングレバーの操作によってもドラム
に押圧可能にされている。
【0017】前記リンク機構は長さが可変のアジャスタ
を構成しており、各ブレーキシュー3、4のライニング
3c、4cの摩耗の進行に応じて、これらのブレーキシ
ュー3、4の端部間の間隔を調整するものである。図示
略のリンク機構スプリングにより先端がリンク機構上の
調整用歯車に当接されたリンク機構レバーの動作で、ブ
レーキシュー3、4の端部間の間隔を自動調整される。
【0018】前記ホイールシリンダ5は、ブレーキの効
きの安定性が低いという従来のデュオサーボ式のドラム
ブレーキ装置の難点を解消するため、本発明による特長
的な工夫を凝らしたものである。
【0019】具体的には、前記ホイールシリンダ5は、
シュー駆動用圧力室10に臨んで対向配置されて該シュ
ー駆動用圧力室10に供給される液圧によって各ブレー
キシュー3、4の端部に向けて進退駆動される一対のホ
イールシリンダピストン12、13と、これらの各ホイ
ールシリンダピストン12、13の先端の平坦面12
a、13aに対向するブレーキシュー3、4の端部と前
記平坦面12a、13aとに挟持されて前記ホイールシ
リンダピストン12、13とブレーキシュー3、4の端
部との間での押圧力伝達手段として機能するアンカーピ
ン15と、前記シュー駆動用圧力室10よりもドラムの
中心側に寄った位置に装備されてブレーキ操作に応じた
液圧を発生するマスタシリンダ(図示略)からの液圧を
供給口16aより受ける制御用圧力室16と、該制御用
圧力室16内に装備されて前記シュー駆動用及び制御用
圧力室10、16相互を連通している流路18を開閉す
る常開型の入力制御弁20と、前記一対のホイールシリ
ンダピストン12、13よりもドラムの中心側でこれら
のホイールシリンダピストン12、13と並列配置にな
るように基端側を前記制御用圧力室16に臨ませて対向
配置された一対の制御用ピストン22、23と、この一
対の制御用ピストン22、23や一対のホイールシリン
ダピストン12、13を摺動可能に支持すると共に前述
の各圧力室10、16を提供しているシリンダボディ2
4と、一端が前記ホイールシリンダピストン12、13
の先端部側に位置すると共に他端が前記制御用ピストン
22、23の先端側に位置してブレーキシューからホイ
ールシリンダピストン12、13に作用するアンカー反
力を制御用ピストン22、23に伝達するてこ部材25
とを備えた構成とされている。
【0020】各ホイールシリンダピストン12、13
は、前記シリンダボディ24のシール溝に装備された環
状のシール部材27により、液密に摺動可能にされてい
る。また、シリンダボディ24から突出している各ホイ
ールシリンダピストン12、13の先端面は平坦に仕上
げられている。また、各ホイールシリンダピストン1
2、13の先端部がアンカーピン15を介して各ブレー
キシュー3、4に当接した状態が維持されるように、こ
れらのホイールシリンダピストン12、13の基端部が
対向するシュー駆動用圧力室10内には、各ホイールシ
リンダピストン12、13相互を互いに離間する方向に
付勢するスプリング(圧縮コイルばね)29が装備され
ている。なお、シュー駆動用圧力室10には、エアー抜
き用のブリーダ10aが装備されている。
【0021】前記アンカーピン15は、軸線をドラム軸
方向に向けた円柱状を成していて、外周の一側がホイー
ルシリンダピストン12、13の先端の平坦面12a、
13aに当接し、外周の他側が前記平坦面12a、13
aに対向している各ブレーキシュー3、4の端部に形成
された円弧面3d、4dに嵌合している。即ち、アンカ
ーピン15は、ホイールシリンダピストン12、13の
先端の平坦面12a、13aと、各ブレーキシュー3、
4の端部の凹円弧面3d、4dとで挟持されている。
【0022】各制御用ピストン22、23は、前記シリ
ンダボディ24のシール溝に装備された環状のシール部
材31により、液密に摺動可能にされている。これらの
制御用ピストン22、23の基端部相互は、前記制御用
圧力室16内に装備されたスプリング(圧縮コイルば
ね)32によって互いに離間する方向に付勢されてお
り、シリンダボディ24に係合装備されているスナップ
リング34に当接することで、突出量が規制されてい
る。以上の各制御用ピストン22、23は、前述のてこ
部材25を介して先端側に作用する押圧力が基端側に作
用する液圧よりも大きくなると、制御用圧力室16側に
押し戻されて前記入力制御弁20を閉じる。
【0023】前記てこ部材25の一端部は、前記ホイー
ルシリンダピストン12、13の先端部の両側に延びる
二股状になっている。そして、このてこ部材25の二股
状の一端部の一側には、アンカー反力によってホイール
シリンダピストン12、13側に押圧変位した前記アン
カーピン15の外周面が接触する凹円弧面状(本実施形
態の場合は、ドラムの軸方向に軸線を持つ円筒面状)の
反力受け部36が形成されている。さらに、このてこ部
材25の二股状の一端部の他側には、前記反力受け部3
6よりもドラムの径方向外側となる位置でアンカープレ
ート40を介してシリンダボディ24に回転自在に接触
して揺動支点となる凸曲面部(本実施形態の場合は、ド
ラムの軸方向に軸線を持つ円筒面)37とが装備されて
いる。
【0024】前記アンカープレート40は、シリンダボ
ディ24よりも耐摩耗性が高い金属材料で形成したもの
で、凸曲面部37との摩擦抵抗が小さくなるように、表
面は滑らかに仕上げられている。このアンカープレート
40は、前記てこ部材25の端部との接触摩擦で、シリ
ンダボディ24が摩耗することを防止するためのもの
で、シリンダボディ24が耐摩耗性に優れた材料で形成
されている場合には、省略することができる。
【0025】また、てこ部材25の他端部には、前記制
御用ピストン22、23の先端面に当接する凸曲面状
(本実施形態の場合は、ドラムの軸方向に軸線を持つ円
筒面)の反力出力部38が装備されている。以上の構成
により、各てこ部材25は、図3及び図4に示すよう
に、前記凸曲面部37とアンカープレート40との接点
を揺動支点Pとして、アンカーピン15との接点Cに作
用するアンカー反力F1 によって揺動動作する。該てこ
部材25は、接点Cに作用するアンカー反力F1 を所定
の比率に減じて、制御用ピストン22、23と反力出力
部38との接点Oに出力する。接点Cに作用するアンカ
ー反力F1 を減じる比率は、揺動支点Pから、各作用点
C、Oまでの距離L1 、L2 に応じたもので、該てこ部
材25から制御用ピストン22、23に作用するアンカ
ー反力F2 は、(L1 /L2 )F1 となる。
【0026】前記入力制御弁20は、図2に示すよう
に、先端が球状に成形された円柱状の弁本体20aと、
該弁本体20aの外周に突設された鍔部20bとを備え
た構造で、前記鍔部20bと一方の制御用ピストン22
との間に装備されたばね42によって、他方の制御用ピ
ストン23側に付勢されている。また、前記ばね42に
よって付勢された入力制御弁20は、前記鍔部20bが
当接する位置決め片43によって最大突出位置が規制さ
れる。この位置決め片43は、制御用圧力室16を提供
しているシリンダボディ24に固定支持されている。制
御用圧力室16とシュー駆動用圧力室10とを連通させ
る流路18は、他方の制御用ピストン23に穿設されて
いる。また、制御用ピストン23の前記入力制御弁20
に対向した端面に開口した制御用圧力室16の開口端に
は、前記入力制御弁20が着座する弁座23aが形成さ
れている。
【0027】なお、車両の前進時には、ドラムが図中の
矢印(イ)方向に回転駆動されるとして、セカンダリ・
シューとして機能するブレーキシュー4側のてこ部材2
5が、アンカー反力を制御用ピストン23に伝達する。
後進時には、ブレーキシュー3がセカンダリ・シューと
して機能して、該ブレーキシュー3側のてこ部材25が
アンカー反力を制御用ピストン22に伝達することにな
る。
【0028】以上の構成によれば、非作動時には、図1
に示すように、入力制御弁20がシュー駆動用及び制御
用の圧力室10、16相互を連通している流路18を開
いていて、ブレーキ操作によってマスタシリンダから制
御用圧力室16に液圧が供給されれば、即座にその液圧
がシュー駆動用圧力室10に供給される状態になってい
る。
【0029】そして、ブレーキ操作によってマスタシリ
ンダからの液圧が制御用圧力室16を経由してシュー駆
動用圧力室10に供給されると、図2に示すように、一
対のホイールシリンダピストン12、13がシュー駆動
用圧力室10から押し出され、プライマリ・シュー及び
セカンダリ・シューの端部をアンカーピン15を介して
押圧する。ホイールシリンダピストン12、13によっ
て端部を押圧された各ブレーキシュー3、4は、拡開し
てドラムに押し付けられて、制動力を発生させる。この
制動時には、セカンダリ・シューから、ブレーキ効力に
応じた大きさのアンカー反力が、アンカーピン15を介
して、ホイールシリンダピストン13に伝えられる。
【0030】そして、ブレーキ効力が大きくなって、ア
ンカー反力によってアンカーピン15が一定以上押し戻
されると、図3に示すように、アンカーピン15はホイ
ールシリンダピストン13だけでなく、てこ部材25の
一端も押圧するようになる。そして、てこ部材25に伝
えられたアンカー反力は、マスタシリンダの液圧によっ
て進出状態にある制御用ピストンを押し戻す向きの力と
なって、制御用ピストン23に作用する。従って、アン
カー反力がマスタシリンダからの入力に対して所定の倍
率に達すると、てこ部材25を介して制御用ピストン2
3に作用するアンカー反力F2 によって制御用ピストン
23が押し戻される。
【0031】アンカー反力によって押し戻された制御用
ピストン23は、常開型の入力制御弁20により流路1
8が閉じられ、シュー駆動用圧力室10を密閉状態にし
て、ホイールシリンダピストン12、13に作用してい
るシュー駆動用圧力室10の液圧を一定に保つ。このよ
うにシュー駆動用圧力室10が密閉された状態での制動
状況下で、ブレーキ効力が低下すると、てこ部材25を
介して制御用ピストン23に作用していたアンカー反力
が弱まり、マスタシリンダからの液圧によって制御用ピ
ストン23が再び進出方向に押し出されるため、常開型
の入力制御弁20は流路18を再開してシュー駆動用圧
力室10への液圧供給が再開される。
【0032】以上のように、制御用ピストン22、23
がアンカー反力に応じてシュー駆動用圧力室10への液
圧供給を制御するため、ホイールシリンダは、マスタシ
リンダからの入力に対して一定倍率のアンカー反力を安
定して受けることが可能になる。
【0033】即ち、以上の実施形態のドラムブレーキ装
置1は、基本的には、デュオサーボ式のドラムブレーキ
装置であることから、デュオサーボ式が特徴であるブレ
ーキ効力が高く、駐車ブレーキの組み込みが容易である
という長所は、そのまま保有する。
【0034】また、ホイールシリンダ5に工夫が凝らさ
れており、セカンダリ・シュー4のアンカー反力がマス
タシリンダからの入力に対して所定の倍率に達すると、
てこ部材25を介してこのアンカー反力を先端に受けて
いる制御用ピストン23が制御用圧力室16側に変位し
て、マスタシリンダからシュー駆動用圧力室10への流
路18を開閉する入力制御弁20を閉じて、プライマリ
・シュー3やセカンダリ・シュー4を押圧している一対
のホイールシリンダピストン12、13に作用している
液圧を一定に保つ。そのため、入力に対して一定倍率の
アンカー反力を安定して得られるようになり、従来のデ
ュオサーボ式が保有していたブレーキの効きの安定性が
低いという重大な問題を解消することができる。
【0035】従って、ブレーキ効力が高く、しかも、ブ
レーキの効きの安定性も高く、また、駐車ブレーキの組
み込みも容易であり、マスタシリンダの倍力装置の小型
化等によりブレーキシステムの小型化やコスト低減を図
ることができる。
【0036】なお、前述した構成では、入力制御弁20
が作動するサーボ比は、制御用圧力室16に臨む制御用
ピストン22、23の受圧面積と、これらの制御用ピス
トン22、23にアンカー反力を伝えるてこ部材25の
てこ比の変更により任意値に設定することができ、車種
等に応じた制動特性の設計変更にも、簡単に対応するこ
とができる。
【0037】また、てこ部材25は、ブレーキシューか
ら入力するアンカー反力を大幅に低減させて各制御用ピ
ストン22、23に入力させることができ、換言すれ
ば、前記てこ部材25によるてこ比を適宜に設定するこ
とで、制御用圧力室16に臨む制御用ピストン22、2
3の受圧面積は極めて小さくすることが可能で、該制御
用ピストン22、23のコンパクト化により、ホイール
シリンダ5の小型化やブレーキ装置の小型化をより容易
することができる。
【0038】また、アンカーピン15を介してブレーキ
シュー2、4の端部を押圧するホイールシリンダピスト
ン12、13の端面は平坦面とされていて、アンカーピ
ン15とホイールシリンダピストン12、13との接触
が、円周面と平坦面の組み合わせとなるため、アンカー
ピン15とホイールシリンダピストン12、13の端面
との間にこじり力が発生することがなく、動作信頼性も
向上する。
【0039】
【発明の効果】本発明のドラムブレーキ装置は、基本的
には、デュオサーボ式のドラムブレーキ装置であること
から、デュオサーボ式が特徴であるブレーキ効力が高
く、駐車ブレーキの組み込みが容易であるという長所
は、そのまま保有する。また、制動動作時に一対のブレ
ーキシューの一方の対向端間を拡開するホイールシリン
ダに工夫が凝らされており、セカンダリ・シューのアン
カー反力がマスタシリンダからの入力に対して所定の倍
率に達すると、アンカーピン及びてこ部材を介してこの
アンカー反力を先端に受けている制御用ピストンが制御
用圧力室側に変位して、マスタシリンダからシュー駆動
用圧力室への液通路を開閉する入力制御弁を閉じて、プ
ライマリ・シューやセカンダリ・シューを押圧している
一対のホイールシリンダピストンに作用している液圧を
一定に保つ。そのため、入力に対して一定倍率のアンカ
ー反力を安定して得られるようになり、従来のデュオサ
ーボ式が保有していたブレーキの効きの安定性が低いと
いう重大な問題を解消することができる。従って、ブレ
ーキ効力が高く、しかも、ブレーキの効きの安定性も高
く、また、駐車ブレーキの組み込みも容易であり、マス
タシリンダの倍力装置の小型化等によりブレーキシステ
ムの小型化やコスト低減を図ることができる。さらに、
本発明のドラムブレーキ装置では、入力制御弁が作動す
るサーボ比は、制御用圧力室に臨む制御用ピストンの受
圧面積と、これらの制御用ピストンにアンカー反力を伝
えるてこ部材のてこ比の変更により任意値に設定するこ
とができ、車種等に応じた制動特性の設計変更にも、簡
単に対応することができる。また、てこ部材の使用によ
り、ブレーキシューから入力するアンカー反力は大幅に
低減させて各制御用ピストンに入力させることができ、
前記てこ部材によるてこ比を適宜に設定することで、制
御用圧力室に臨む制御用ピストンの受圧面積は極めて小
さくすることが可能で、該制御用ピストンのコンパクト
化により、ホイールシリンダの小型化やブレーキ装置の
小型化をより容易することができる。また、アンカーピ
ンを介してブレーキシューの端部を押圧するホイールシ
リンダピストンの端面は平坦面とされていて、アンカー
ピンとホイールシリンダピストンとの接触が、円周面と
平坦面の組み合わせとなるため、アンカーピンとホイー
ルシリンダピストンの端面との間にこじり力が発生する
ことがなく、動作信頼性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るドラムブレーキ装置の一実施形態
の非作動時の状態を示す要部断面図である。
【図2】本発明に係るドラムブレーキ装置の一実施形態
の作動初期の状態を示す要部断面図である。
【図3】本発明に係るドラムブレーキ装置の一実施形態
においてアンカー反力が所定の倍率を超えときの動作を
示す要部断面図である。
【図4】本発明に係るドラムブレーキ装置の一実施形態
に装備したてこ部材によるてこ動作の説明図である。
【符号の説明】
1 ドラムブレーキ装置 3 プライマリ・シュー(ブレーキシュー) 4 セカンダリ・シュー(ブレーキシュー) 5 ホイールシリンダ 7 バッキングプレート 10 シュー駆動用圧力室 12、13 ホイールシリンダピストン 15 アンカーピン 16 制御用圧力室 16a 供給口 18 流路 20 入力制御弁 22、23 制御用ピストン 24 シリンダボディ 25 てこ部材 29、32 スプリング 34 スナップリング 36 反力受け部 37 凸曲面部 38 反力出力部 40 アンカープレート 42 ばね

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒形のドラム内空間に対向配備される
    プライマリ・シューとセカンダリ・シューとの一対のブ
    レーキシューと、これらの一対のブレーキシューの一方
    の対向端間に配設されてこれら各ブレーキシューを拡開
    するホイールシリンダと、これらの一対のブレーキシュ
    ーの他方の対向端間に配設されて前記プライマリ・シュ
    ーの出力を前記セカンダリ・シューに入力するリンク機
    構とを備えたデュオサーボ式のドラムブレーキ装置であ
    って、 前記ホイールシリンダは、 シュー駆動用圧力室に臨んで対向配置されて該シュー駆
    動用圧力室に供給される液圧によって各ブレーキシュー
    の端部に向けて進退駆動される一対のホイールシリンダ
    ピストンと、 軸線をドラム軸方向に向けた円柱状を成すと共に、各ホ
    イールシリンダピストンの先端の平坦面と該平坦面に対
    向している各ブレーキシューの端部に形成された円弧面
    とで挟持されて、前記ホイールシリンダピストンと前記
    ブレーキシューの端部との間での押圧力伝達手段として
    機能するアンカーピンと、 前記シュー駆動用圧力室よりもドラムの中心側に寄った
    位置に装備されてマスタシリンダからの液圧を受ける制
    御用圧力室と、 該制御用圧力室内に装備されて前記シュー駆動用圧力室
    及び該制御用圧力室相互を連通している流路を開閉する
    常開型の入力制御弁と、 前記一対のホイールシリンダピストンと並列配置となる
    よう基端側を前記制御用圧力室に臨んで対向配置され、
    先端側に作用する押圧力が基端側に作用する液圧に対し
    て所定の倍率に達すると制御用圧力室側に変位して前記
    入力制御弁を閉じる一対の制御用ピストンと、 前記ホイールシリンダピストンの先端部側に位置する一
    端部には、アンカー反力によってホイールシリンダピス
    トン側に押圧変位した前記アンカーピンの外周面が接触
    する円弧面状の反力受け部と、前記反力受け部よりもド
    ラムの径方向外側となる位置でシリンダボディに回転自
    在に接触して揺動支点となる凸曲面部とが装備され、ま
    た、前記制御用ピストンの先端部側に位置する他端部に
    は、前記制御用ピストンの先端面に当接する反力出力部
    が装備されて、前記セカンダリ・シューから前記ホイー
    ルシリンダピストンに伝達されるアンカー反力を所定の
    比率で低減させて前記制御用ピストンの先端部に作用さ
    せるてこ部材とを具備して構成されたことを特徴とする
    ドラムブレーキ装置。
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