JP4067647B2 - ドラムブレーキ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等に搭載されるドラムブレーキ装置、特に前進制動時及び後進制動時の双方でブレーキの効きの安定化を実現することができるドラムブレーキ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の走行を制動するために種々の形式のドラムブレーキ装置が用いられているが、これらのドラムブレーキ装置は、略円筒状のドラムの内周面に押圧されるブレーキシューの配置によって、リーディングトレーリング式やツーリーディング式、若しくはデュオサーボ式等に分類される。
【0003】
デュオサーボ式のドラムブレーキ装置は、一般に、円筒状のドラム内に、互いに対向配置したプライマリ・シューとセカンダリ・シューの一対のブレーキシューの一方の対向端間にシューを拡開するホイールシリンダを配すると共に、他方の対向端同士をリンク結合したものである。
つまり、プライマリ・シューは、ドラムの前進回転方向入口側が入力部とされると共に、ドラムの前進回転方向出口側は例えばアジャスタを介してセカンダリ・シューの入口側に連結される。一方、セカンダリ・シューの出口側はバッキングプレート上に装備されたアンカー部に当接させられ、プライマリ・シュー及びセカンダリ・シューに作用するアンカー反力を前記アンカー部で受け止めるようになっている。
【0004】
これにより、プライマリ・シュー及びセカンダリ・シューを拡開させてドラムの内周面に押し付けると、プライマリ・シューに作用するアンカー反力がセカンダリ・シューに入力してセカンダリ・シューをドラム内周面に押し付けるように作用するため、プライマリ・シューとセカンダリ・シューの双方がリーディング・シューとして動作し、非常にゲインの高い制動力を得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなデュオサーボ式ドラムブレーキ装置は、リーディングトレーリング式やツーリーディング式のドラムブレーキ装置と比較して、極めて高い制動力を得ることができるばかりでなく、小型化し易く、かつ駐車ブレーキの組み込みも容易である等の多くの長所を有している。
ところが、このようなデュオサーボ式ドラムブレーキ装置は、ブレーキシューのライニングの摩擦係数の変化に敏感であるため、制動力を安定させにくい傾向にあり、制動力を安定化させる工夫が要求されている。
【0006】
また、デュオサーボ式ドラムブレーキ装置は、ドラムが前進回転した場合及び後進回転した場合のいずれの場合であっても等しい制動力が得られるので、制動力を安定させる工夫もまた、ドラムの回転方向に拘わらず同等に作動するように、配慮することが重要な課題となる。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みて成されたもので、前進制動時及び後進制動時の双方でブレーキの効きの安定化を実現することができるドラムブレーキ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係るドラムブレーキ装置は、ドラム内空間に対向配置される一対のブレーキシューの一方の対向端間に配置されて、これらのブレーキシューを拡開操作するホイールシリンダを備えたドラムブレーキ装置において、前記ホイールシリンダはシリンダボディが、前記ブレーキシュー間に一対の制御ピストンを摺動可能に保持すると共に前記制御ピストン間にマスタシリンダからの液圧を供給する制御室を画成する制御シリンダ部と、この制御シリンダ部と連通状態の略直線上に設けられて、各制御ピストンの外側に配置される駆動ピストンを前記ブレーキシューの対向方向に摺動可能に収容保持すると共に、前記駆動ピストンと制御ピストンとの間に入力室を画成する一対の駆動用シリンダ部と、前記制御ピストンの内の一方に貫通形成された液圧誘導孔を介して前記制御室を各入力室に連通させるボディ側連通路と、前記駆動ピストンと該駆動ピストンと対向するブレーキシューとの間に挟持され且つアンカーピン及び前記ブレーキシューと凹凸円弧面上の当接部を介して当接し、前記駆動ピストンの押圧力を前記ブレーキシューに伝達すると共に前記ブレーキシューからのアンカー反力を前記アンカーピンと前記駆動ピストンとに所定の比率で分配する制御レバーとを備え、且つ、前記制御室内には、前記駆動ピストンから前記入力室の作動液を介して作用するアンカー反力によって前記制御ピストンが前記制御室側に変位して、制御ピストン相互間の間隔が規定以下になると、前記液圧誘導孔を閉じる開閉弁を設けた構成としたことを特徴とする。
【0009】
そして、上記構成によれば、前進制動時には、マスタシリンダから制御室、液圧誘導孔、一方の入力室及び、ボディ側連通路を経て他方の入力室に供給される液圧により各駆動用シリンダ部の駆動ピストンがそれぞれブレーキシューを拡開させてドラム内周面に押し付ける。この際、プライマリ・シューに作用するアンカー反力がセカンダリ・シューの入口側に入力してセカンダリ・シューをドラム内周面に押し付けるように作用するため、プライマリ・シューとセカンダリ・シューの双方がリーディング・シューとして動作し、非常にゲインの高い制動力を得ることができる。
そして、この前進制動時には、セカンダリ・シューのアンカー反力が制御レバーを介してセカンダリ・シュー側の駆動ピストンに作用する。駆動ピストンに作用したアンカー反力は、入力室の作動液を介して制御ピストンに作用し、該制御ピストンに作用するアンカー反力が所定倍率に達して制御室内の液圧よりも大きくなると、制御ピストンが制御室側に変位し、制御ピストン相互間の間隔が規定以下になると、制御室内の開閉弁が一方の制御ピストンに装備された液圧誘導孔を閉じて、制御室から各入力室への液圧供給を停止するため、アンカー反力をマスタシリンダからの液圧に対して所定倍率に保って、制動力の効きを安定させることができる。
【0010】
一方、後進制動時にも、マスタシリンダから制御室、液圧誘導孔、一方の入力室及び、ボディ側連通路を経て他方の入力室に供給される液圧により各駆動用シリンダ部の駆動ピストンがそれぞれブレーキシューを拡開させてドラムの内周面に押し付ける。但し、後進制動時には、セカンダリ・シューのアンカー反力がプライマリ・シューの入力として作用して、ゲインの高い制動力を発生させる。
そして、各駆動ピストンがいずれも制御レバーを介してブレーキシューに当接される構成のため、この後進制動時にも、前進制動時と同様に、プライマリ・シューのアンカー反力は、駆動ピストンから入力室内の作動液を介して制御ピストンに作用し、該制御ピストンに作用するアンカー反力が所定倍率に達して制御ピストンに作用している制御室内の液圧よりも大きくなると、制御ピストンが制御室側に変位し、制御ピストン相互間の間隔が規定以下になると、制御室内の開閉弁が一方の制御ピストンに装備されている液圧誘導孔を閉じて、制御室から各入力室への液圧供給を停止するため、アンカー反力をマスタシリンダからの液圧に対して所定倍率に保って、制動力の効きを安定させることができる。
【0011】
また、上記構成によれば、制御シリンダ部と一対の駆動用シリンダ部とは直線上に並び、また、これらの各シリンダ部が、シリンダボディ上を一端から他端に貫通するピストン収容孔を形成する構造のため、各シリンダ部の加工が容易にできる。
そして、制御シリンダ部には、前進制動時及び後進制動時でのアンカー反力の制御用に一対の制御ピストンを装備したが、これらの制御ピストン間の制御室に装備する開閉弁は、前進制動時用と後進制動時用とで兼用しているので、装備する開閉弁が単一で済み、部品の増大を抑えることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るドラムブレーキ装置の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係るドラムブレーキ装置の一実施形態の概略構成を示す要部正面図、図2は図1に示したドラムブレーキ装置のホイールシリンダ部の拡大断面図である。
【0013】
ドラムブレーキ装置1は、略円筒形の図示せぬドラム内の空間に対向配備されるプライマリ・シュー3とセカンダリ・シュー4との一対のブレーキシュー3、4と、これらのブレーキシュー3、4の一方の対向端間に配設されて各ブレーキシュー3、4を拡開するホイールシリンダ2と、各ブレーキシュー3、4の他方の対向端間に配設されてプライマリ・シュー3の出力をセカンダリ・シュー4に入力するリンクとしての機能を兼ねる図示せぬアジャスタと、これらの構成部材を支持するバッキングプレート7と、ホイールシリンダ2のシリンダボディ100の両端部に固定装備されたアンカーピン101、201(図2参照)とを備えている。
【0014】
一対のブレーキシュー3、4は、ドラムの内周面に沿う円弧板状のリム3a、4aと、これらのリム3a、4aから内径側に張り出したウェブ3b、4bと、リム3a、4aの外周に貼着されたライニング3c、4cとからなる。そして、それぞれのブレーキシュー3、4は、ドラムの内周面に向かって進退自在に、ウェブ3b、4bを貫通する図示せぬ支持部材によってバッキングプレート7に取り付けられている。
【0015】
また、バッキングプレート7上のブレーキシュー3、4の互いに対向した各端部同士は、一端側がブレーキシュー3、4のウェブ3b、4bに係合すると共に他端が支柱(スプリングエンド)13に係合したシュースプリング14、15によって、互いに接近する方向(即ち、ドラムから離間する方向)に付勢されている。
シュースプリング14、15の端部を支持している支柱13は、シリンダボディ100を貫通してバッキングプレート7に固定されており、各ブレーキシュー3、4の車軸方向の移動を規制するシュープレート5の支持も兼ねている。
【0016】
なお、図示していないが、バッキングプレート7上には、駐車ブレーキを構成するパーキングストラットや、パーキングレバーも組込まれている。パーキングレバーは図示せぬパーキングレバーピンによりバッキングプレート7に回動可能に連結されていて、一対のブレーキシュー3、4はパーキングレバーの回動操作によってもドラムに押圧可能にされている。
【0017】
図1において、基端が支柱13に支持されたアジャスタケーブル6aは、先端部がケーブルガイド6bを経て図示せぬアジャスタレバーに連結されて、アジャスタレバーを一定方向に付勢している。
図示せぬドラムは、バッキングプレート7と同心で、車両の前進時には図1の矢印R方向に回転する。
【0018】
本実施形態のドラムブレーキ装置1におけるホイールシリンダ2は、図2に示すように、シリンダボディ100に、開閉弁48、一対の制御ピストン112、212、一対の駆動ピストン108、208等を組み付けたものである。
シリンダボディ100は、前述の一対の制御ピストン112、212を一対のブレーキシュー3、4の対向方向(図2の左右方向)に摺動可能に保持すると共に、これらの制御ピストン112、212間に、図示せぬマスタシリンダからの液圧を供給する制御室230を画成する制御シリンダ部241と、この制御シリンダ部241と連通状態となるようにこの制御シリンダ部241の両側に設けられた一対の駆動用シリンダ部143、243と、各駆動用シリンダ部143、243内に画成される入力室133、233を連通し、一方の入力室133の液圧を他方の入力室233に誘導するボディ側連通路250とを備えている。
【0019】
本実施形態の場合、制御シリンダ部241と駆動用シリンダ部143、243とはほぼ直線上に並び、これらの各シリンダ部により、シリンダボディ100上を一端から他端に貫通するピストン収容孔が形成される。
駆動用シリンダ部143は、その内周に嵌合した略円筒状のプラグ106を介して、プライマリ・シュー3を押圧するための駆動ピストン108を、摺動可能に収容保持している。
【0020】
また、駆動用シリンダ部243は、その内周に嵌合した略円筒状のプラグ206を介して、セカンダリ・シュー4を押圧するための駆動ピストン208を、摺動可能に収容保持している。
プラグ106、206は、各駆動用シリンダ部143、243の開口端寄りに係合装着されたストップリング105、205により、各シリンダ部からの抜け防止がなされている。また、各プラグ106、206は、その外周の溝に嵌合させたOリング107、207によって、各駆動用シリンダ部143、243との間の液密を確保している。
【0021】
それぞれの駆動ピストン108、208は、何れも、制御シリンダ部241内の制御ピストン112、212の外側に位置している。そして、駆動用シリンダ部143、243は、収容保持した各駆動ピストン108、208と、これらに対向する制御ピストン112、212との協働で、前述の入力室133、233を画成している。
これらの入力室133、233は、マスタシリンダからの液圧を制御室230を介して受けて、各駆動ピストン108、208をそれぞれのブレーキシュー側に駆動する。
なお、各駆動ピストン108、208は、その外周のシール溝に嵌合装着したシール109、209により、各プラグ106、206との間の液密を確保している。そして、各制御ピストン112、212は、その外周のシール溝に嵌合装備したカップシール111、211により、制御シリンダ部241との間の液密を確保している。
【0022】
前記制御ピストン112、212の内、セカンダリ・シュー4側に位置している制御ピストン212の中央部には、液圧誘導孔25aを貫通形成したバルブシート25が摺動可能に嵌合装備されている。この液圧誘導孔25aにより、制御室230とセカンダリ・シュー4側の入力室233とが連通している。
また、シリンダボディ100に穿設されたボディ側連通路250は、一対の入力室133、233相互を連通させるように形成されている。
即ち、ボディ側連通路250は、一方の制御ピストン212に嵌合装備されたバルブシート25の液圧誘導孔25aを介し、さらに一方の入力室133を経由させて、制御室230を他方の入力室233に連通させている。
【0023】
制御室230は、制御シリンダ部241に貫通形成された液入口231からマスタシリンダの液圧が供給される。
制御シリンダ部241内の一対の制御ピストン112、212相互は、これらピストンの内端面に当接したスプリングシート220、215間に圧装されたスプリング221によって互いに離間する方向に付勢されている。
プライマリ・シュー3側の駆動ピストン108は、入力室133に臨んで配置されている制御ピストン112との間に圧装されたスプリング110によって、制御ピストン112から離間する方向(即ち、ブレーキシュー3側)に付勢されている。
また、セカンダリ・シュー4側の駆動ピストン208は、入力室233に臨んで配置されている制御ピストン212の内側のバルブシート25との間に圧装されたスプリング210によって、制御ピストン212から離間する方向(即ち、ブレーキシュー4側)に付勢されている。
【0024】
また、一対の駆動用シリンダ部143、243に保持された各駆動ピストン108、208は、それぞれピストンロッド103、203及び制御レバー102、202を介して、対向するブレーキシューの端部に当接されている。
ピストンロッド103とプラグ106との間にはダストブーツ104を装着して、外部から駆動ピストン108側への異物の侵入を防止している。また、ピストンロッド203とプラグ206との間にはダストブーツ204を装着して、外部から駆動ピストン208側への異物の侵入を防止している。
【0025】
制御レバー102、202は、駆動ピストン108、208のピストンロッド103、203とこの駆動ピストンと対向するブレーキシュー3、4との間に挟持され、アンカーピン101、201の外周に当接する凹円弧面状のピン当接部102a、202aと、各ブレーキシューの凸円弧面状の当接部3d、4dに当接してアンカー反力を受ける凹円弧面状のシュー当接部102b、202bと、各ピストンロッド103、203に当接するロッド当接部102c、202cとを有している。これらの制御レバー102、202は、各入力室133、233に供給された液圧によって各駆動ピストン108、208が発生する押圧力を、ピストンロッド103、203を介して受けて、各ブレーキシュー3、4に伝達する。また、各ブレーキシュー3、4からシュー当接部102b、202bに作用するアンカー反力を、各当接部間の離間距離に応じた所定の比率で、アンカーピン101、201と、各駆動ピストン108、208とに分配する。
【0026】
制御室230内には、駆動ピストン108、208から入力室133、233の作動液を介して作用するアンカー反力によって制御ピストン112、212が制御室230側に変位して、制御ピストン112、212相互間の間隔が規定以下になると、バルブシート25の液圧誘導孔25aを閉じる開閉弁48を設けている。
【0027】
開閉弁48は、一対の制御ピストン112、212の何れか一方がアンカー反力の作用によって制御室230側に変位して、制御ピストン112、212相互間の間隔が規定以下になると、制御ピストン212に保持しているバルブシート25に弁体218が着座することで、液圧誘導孔25aを閉じる。弁体218によって液圧誘導孔25aが閉じられると、制御室230と一方の入力室233との間が遮断され、したがって、制御室230から他方の入力室133への液圧供給も停止される。
【0028】
弁体218は、該弁体218をシリンダ軸線方向に移動自在に収容する有底筒状のガイド筒部216aと、ガイド筒部216aの開口端外周に突設されてスプリングシート215とバルブシート25との間に挟持される鍔部216bとを有したバルブホルダ216に収容されている。
バルブホルダ216内の弁体218は、バルブホルダ216の内底部と弁体218との間に圧装されたスプリング219によりバルブシート25側に付勢されていて、通常はバルブシート25側への変位がプレート217により規制される。
【0029】
プレート217は、弁体218の先端球形部218aの周囲に当接するリング部217aと、リング部217aの外周から半径方向外方に突出する係合片217bとを有している。係合片217bは、バルブホルダ216のガイド筒部216aに設けられた図示せぬスリットを挿通してガイド筒部216aの外側に突出し、バルブホルダ216の周囲を囲繞する略筒状のスプリングシート220の先端側鍔部220aに係合することにより、バルブシート25側への移動が規制される。
即ち、弁体218は、スプリング219の圧縮により、バルブホルダ216の内底側には変位可能であるが、バルブホルダ216の開口端側への移動は、スプリングシート220の先端側鍔部220aの位置が移動限界となる。
【0030】
以上のホイールシリンダ2を備えたドラムブレーキ装置1では、前進制動時には、マスタシリンダから制御室230、液圧誘導孔25a、ボディ側連通路250を経て各入力室133、233に供給される液圧により各駆動用シリンダ部143、243の駆動ピストン108、208が一対のブレーキシュー3、4を拡開させてドラムの内周面に押し付ける。この際、プライマリ・シュー3に作用するアンカー反力がセカンダリ・シュー4の入口側に入力してセカンダリ・シュー4をドラム内周面に押し付けるように作用するため、プライマリ・シュー3とセカンダリ・シュー4の双方がリーディング・シューとして動作し、非常にゲインの高い制動力を得ることができる。
【0031】
そして、この前進制動時には、セカンダリ・シュー4のアンカー反力が制御レバー202を介してセカンダリ・シュー4側の駆動ピストン208に作用する。そして、駆動ピストン208に作用したアンカー反力は、入力室233の作動液を介して制御ピストン212に作用し、制御ピストン212に作用するアンカー反力が所定倍率に達して制御ピストン212に作用している制御室230内の液圧よりも大きくなると、制御ピストン212が制御室230側に変位して、制御ピストン112、212相互間の間隔を規定以下にすると、制御室230内の開閉弁48を構成している弁体218が制御ピストン212に装備されている液圧誘導孔25aを閉じて、制御室230と入力室233との間を遮断状態にするため、制御室230から他方の入力室133への液圧供給も停止する。
従って、アンカー反力をマスタシリンダからの液圧に対して所定倍率に保って、制動力の効きを安定させることができる。
【0032】
一方、後進制動時にも、マスタシリンダから制御室230、液圧誘導孔25a、ボディ側連通路250を経て各入力室133、233に供給される液圧により各駆動用シリンダ部143、243の駆動ピストン108、208が一対のブレーキシュー3、4を拡開させてドラムの内周面に押し付ける。但し、後進制動時には、セカンダリ・シュー4のアンカー反力がプライマリ・シュー3の入力として作用して、ゲインの高い制動力を発生させる。
【0033】
そして、各駆動ピストン108、208がいずれも制御レバー102、202を介してブレーキシュー3、4に当接される構成のため、この後進制動時にも、前進制動時と同様に、プライマリ・シュー3のアンカー反力は、駆動ピストン108から入力室133内の作動液を介して制御ピストン112に作用し、制御ピストン112に作用するアンカー反力が所定倍率に達して制御ピストン112に作用している制御室230内の液圧よりも大きくなると、制御ピストン112が制御室230側に変位し、制御ピストン112相互間の間隔を規定以下にすると、制御室230内の開閉弁48を構成している弁体218が一方の制御ピストン212に装備されている液圧誘導孔25aを閉じて、制御室230と一方の入力室233との間を遮断状態にするため、制御室230から他方の入力室133への液圧供給も停止する。
従って、アンカー反力をマスタシリンダからの液圧に対して所定倍率に保って、制動力の効きを安定させることができる。
【0034】
従って、デュオサーボ式ドラムブレーキ装置において、前進制動時及び後進制動時の双方でブレーキの効きの安定化を実現することができる。
また、本実施形態の場合、制御シリンダ部241と一対の駆動用シリンダ部143、243とは直線上に並び、これらの各シリンダ部がシリンダボディ100上を一端から他端に貫通するピストン収容孔を形成する構造のため、各シリンダ部の加工が容易にできる。
そして、制御シリンダ部241には、前進制動時のアンカー反力の制御用と後進制動時のアンカー反力の制御用に、一対の制御ピストン112、212を装備したが、これらの一対の制御ピストン112、212間に装備する開閉弁48は、前進制動時用と後進制動時用の兼用となって、単一で済むため、部品の増大を抑えることができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明のドラムブレーキ装置によれば、前進制動時には、マスタシリンダから制御室、液圧誘導孔、ボディ側連通路を経て各入力室に供給される液圧により各駆動用シリンダ部の駆動ピストンが一対のブレーキシューを拡開させてドラムの内周面に押し付ける。この際、プライマリ・シューに作用するアンカー反力がセカンダリ・シューの入口側に入力してセカンダリ・シューをドラム内周面に押し付けるように作用するため、プライマリ・シューとセカンダリ・シューの双方がリーディング・シューとして動作し、非常にゲインの高い制動力を得ることができる。
そして、この前進制動時には、セカンダリ・シューのアンカー反力が制御レバーを介してセカンダリ・シュー側の駆動ピストンに作用する。駆動ピストンに作用したアンカー反力は、入力室の作動液を介して制御ピストンに作用し、該制御ピストンに作用するアンカー反力が所定倍率に達して制御ピストンに作用している制御室内の液圧よりも大きくなると、制御ピストンが制御室側に変位し、制御ピストン相互間の間隔が規定以下になると、制御室内の開閉弁が一方の制御ピストンに装備されている液圧誘導孔を閉じて、制御室から各入力室への液圧供給を停止するため、アンカー反力をマスタシリンダからの液圧に対して所定倍率に保って、制動力の効きを安定させることができる。
【0036】
一方、後進制動時にも、マスタシリンダから制御室、液圧誘導孔、ボディ側連通路を経て各入力室に供給される液圧により各駆動用シリンダ部の駆動ピストンが一対のブレーキシューを拡開させてドラムの内周面に押し付ける。但し、後進制動時には、セカンダリ・シューのアンカー反力がプライマリ・シューの入力として作用して、ゲインの高い制動力を発生させる。
そして、各駆動ピストンがいずれも制御レバーを介してブレーキシューに当接される構成のため、この後進制動時にも、前進制動時と同様に、プライマリ・シューのアンカー反力は、駆動ピストンから入力室内の作動液を介して制御ピストンに作用し、該制御ピストンに作用するアンカー反力が所定倍率に達して制御ピストンに作用している制御室内の液圧よりも大きくなると、制御ピストンが制御室側に変位し、制御ピストン相互間の間隔が規定以下になると、制御室内の開閉弁が一方の制御ピストンに装備されている液圧誘導孔を閉じて、制御室から各入力室への液圧供給を停止するため、アンカー反力をマスタシリンダからの液圧に対して所定倍率に保って、制動力の効きを安定させることができる。
【0037】
従って、デュオサーボ式ドラムブレーキ装置において、前進制動時及び後進制動時の双方でブレーキの効きの安定化を実現することができる。特に、後進制動時にも、前進制動時と同様な安定した制動力の効きを得ることができることから、本発明のドラムブレーキ装置は、例えば、フォークリフト等の前後進運動における制動力に大きな差異が生じない特殊車両等に適用して好適なものとなる。
【0038】
また、上記構成によれば、制御シリンダ部と一対の駆動用シリンダ部とは直線上に並び、これらの各シリンダ部がシリンダボディ上を一端から他端に貫通するピストン収容孔を形成する構造のため、各シリンダ部の加工が容易にできる。
そして、制御シリンダ部には、前進制動時のアンカー反力の制御用と後進制動時のアンカー反力の制御用に、一対の制御ピストンを装備したが、これらの一対の制御ピストン間の制御室に装備する開閉弁は、前進制動時用と後進制動時用の兼用となり、装備する開閉弁が単一で済むため、部品の増大を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るドラムブレーキ装置の一実施形態を示す要部正面図である。
【図2】図1に示したドラムブレーキ装置のホイールシリンダ部の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ドラムブレーキ装置
2 ホイールシリンダ
3 プライマリ・シュー(ブレーキシュー)
4 セカンダリ・シュー(ブレーキシュー)
25 バルブシート
25a 液圧誘導孔
48 開閉弁
100 シリンダボディ
101 アンカーピン
102 制御レバー
103 ピストンロッド
108 駆動ピストン
112 制御ピストン
133 入力室
143 駆動用シリンダ部
201 アンカーピン
202 制御レバー
203 ピストンロッド
208 駆動ピストン
212 制御ピストン
218 弁体
233 入力室
230 制御室
243 駆動用シリンダ部
250 ボディ側連通路

Claims (1)

  1. ドラム内空間に対向配置される一対のブレーキシューの一方の対向端間に配置されて、これらのブレーキシューを拡開操作するホイールシリンダを備えたドラムブレーキ装置において、
    前記ホイールシリンダはシリンダボディが、前記ブレーキシュー間に一対の制御ピストンを摺動可能に保持すると共に前記制御ピストン間にマスタシリンダからの液圧を供給する制御室を画成する制御シリンダ部と、この制御シリンダ部と連通状態の略直線上に設けられて、各制御ピストンの外側に配置される駆動ピストンを前記ブレーキシューの対向方向に摺動可能に収容保持すると共に、前記駆動ピストンと制御ピストンとの間に入力室を画成する一対の駆動用シリンダ部と、前記制御ピストンの内の一方に貫通形成された液圧誘導孔を介して前記制御室を各入力室に連通させるボディ側連通路と、前記駆動ピストンと該駆動ピストンと対向するブレーキシューとの間に挟持され且つアンカーピン及び前記ブレーキシューと凹凸円弧面上の当接部を介して当接し、前記駆動ピストンの押圧力を前記ブレーキシューに伝達すると共に前記ブレーキシューからのアンカー反力を前記アンカーピンと前記駆動ピストンとに所定の比率で分配する制御レバーとを備え、且つ、
    前記制御室内には、前記駆動ピストンから前記入力室の作動液を介して作用するアンカー反力によって前記制御ピストンが前記制御室側に変位して、制御ピストン相互間の間隔が規定以下になると、前記液圧誘導孔を閉じる開閉弁を設けたことを特徴とするドラムブレーキ装置。
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