JP4547787B2 - 車両用ブレーキ装置の液圧助勢装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用ブレーキ装置に供する液圧助勢装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用ブレーキ装置に供する液圧助勢装置は、液圧ブースタ等として種々の形式のものが知られており、例えば特開平2−60871号公報には、所謂直動式の液圧倍力装置(液圧助勢装置)が開示されている。この液圧倍力装置においては、減圧側、即ちドレイン側は入力軸19内の通路から、ハウジング側のプラグ13に配設された二つのシール部材の間の環状室34を介して、リザーバ39に連通するように構成されている。
【0003】
また、米国特許第4548037号に記載の液圧ブースタにおいては、ドレイン側に関し、入力ピストン7とブースタピストン9の間、具体的には両者のシール部材間にリザーバ室8が形成され、排出ポート3を介してリザーバに接続される構成が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
然し乍ら、上記特開平2−60871号公報に記載の装置においては、二つのシール部材はハウジング側のプラグ13に配設されているので、二つのシール部材の間の間隔として入力軸(入力部材)の最大摺動長さが必要となる。更に、これらのシール部材より外部に延出した部分についても同様の長さが必要となるので、入力部材の長さは、その最大摺動長さの少くとも2倍の長さになり、液圧助勢装置全体の長さが長くなってしまい小型化の要請に反することになる。
【0005】
一方、前掲の米国特許第4548037号に記載の液圧ブースタにおいては、入力ピストン7の移動に応じてリザーバ室8が拡張及び縮小するように構成されているが、入力ピストン7に装着されたシール部材がハウジング1の内面を摺動するように構成されているため、ハウジング1の内面及び入力ピストン7の加工精度を高くする必要があり、高価な装置となることは避けられない。
【0006】
そこで、本発明は、車両用ブレーキ装置に供する液圧助勢装置において、ドレイン側のシール部材の摺動部を極力減らし、全長が短く安価な液圧助勢装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明は請求項1に記載のように、ハウジング内に摺動自在に収容しパワー室を形成するパワーピストンと、ブレーキ操作部材の操作に応じて前記パワーピストンに対して相対的に移動する入力部材と、リザーバのブレーキ液を所定の圧力に昇圧してパワー液圧を出力する補助液圧源と、該補助液圧源に接続すると共に前記リザーバに接続し、前記入力部材の前記パワーピストンに対する相対的な移動に応じて前記補助液圧源の出力液圧を所定の圧力に調圧して前記パワー室に供給する調圧手段とを備えた車両用ブレーキ装置の液圧助勢装置において、前記入力部材に一方の開口端を接続し前記ハウジングに他方の開口端を接続して内部にドレイン室を形成する筒状弾性部材を備え、前記ドレイン室を前記調圧手段に連通すると共に前記リザーバに連通するように構成したものである。
【0008】
あるいは、本発明は、請求項2に記載のように、ハウジング内に摺動自在に収容しパワー室を形成するパワーピストンと、ブレーキ操作部材の操作に応じて前記パワーピストンに対して相対的に移動する入力部材と、リザーバのブレーキ液を所定の圧力に昇圧してパワー液圧を出力する補助液圧源と、該補助液圧源に接続すると共に前記リザーバに接続し、前記入力部材の前記パワーピストンに対する相対的な移動に応じて前記補助液圧源の出力液圧を所定の圧力に調圧して前記パワー室に供給する調圧手段とを備えた車両用ブレーキ装置の液圧助勢装置において、前記パワーピストンに一方の開口端を接続し前記ハウジングに他方の開口端を接続して内部にドレイン室を形成する筒状弾性部材を備え、前記ドレイン室を前記調圧手段に連通すると共に前記リザーバに連通するように構成することとしてもよい。
【0009】
前記液圧助勢装置において、更に、請求項3に記載のように、前記筒状弾性部材を被覆し、前記ブレーキ操作部材の非操作時には内面が前記筒状弾性部材の外面に略密着する剛体の被覆部材を備えたものとするとよい。
【0010】
前記調圧手段は、請求項4に記載のように、前記ドレイン室及び前記ハウジング内に形成した連通路を介して前記リザーバに接続するように構成するとよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の望ましい実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態の液圧助勢装置を備えた車両用液圧ブレーキ装置を示すもので、ブレーキペダル(図示せず)に加えられた踏力が入力ロッドBKを介してブレーキ作動力として伝えられ、これに応じて液圧ブースタHBによって助勢されてマスタシリンダMCからブレーキ液圧が出力され、車両の各車輪に装着されたホイールシリンダ(図示せず)に供給されるように構成されている。
【0012】
図1に示すように、シリンダ1内にシリンダボア1aと段付のシリンダボア1bが形成されており、マスタピストン10及びパワーピストン5が直列に収容されている。尚、シリンダボア1b内にはシリンダ2及びシリンダ3が収容されており、これらのシリンダ2及びシリンダ3はシリンダ1と共に液圧ブレーキ装置のハウジングを構成している。シリンダ1には給液ポート1i,1j及び出力ポート1k,1nが形成されており、出力ポート1kは後述する第1の圧力室R1内に連通し、出力ポート1nは後述する第2の圧力室R2内に連通している。出力ポート1kは車両前方の車輪のホイールシリンダ(図示せず)に連通接続され、出力ポート1nは車両後方の車輪のホイールシリンダ(図示せず)に連通接続されている。
【0013】
シリンダ1内の前方にはカップ状のシール部材S1,S2が配設されており、これらのシール部材S1,S2を介して有底筒体のマスタピストン10が液密的摺動自在に支持され、マスタピストン10の前方に第1の圧力室R1が郭成されている。また、シリンダ1乃至3内のマスタピストン10の後方にはパワーピストン5が収容され、シリンダ3の後方の開口部3cに液密的摺動自在に支持されており、マスタピストン10とパワーピストン5の間に第2の圧力室R2が郭成されている。
【0014】
シリンダ1内の先端面とマスタピストン10の凹部底面との間にはスプリング11が張架され、マスタピストン10が後方に付勢されている。また、マスタピストン10の先端には外方に屈曲した係止部10fが形成されており、この係止部10fがシリンダ1内の段部に係止され、マスタピストン10の後端位置が規制されている。そして、マスタピストン10の非作動時の後端位置で、そのスカート部に形成された連通孔10e及び給液ポート1iを介して、第1の圧力室R1がリザーバRSに連通するように構成されている。
【0015】
一方、パワーピストン5は図1に示すように前方と後方のピストン部材5x,5yに二分割され、各々のランド部に夫々シール部材S3,S5が嵌合されている。これらの間のシリンダ2の内周面にシール部材S4が配設され、更に、シリンダ3内の後方にカップ状のシール部材S6が配設されている。
【0016】
而して、シール部材S3とシール部材S4の間に環状室R3、シール部材S4とシール部材S5の間に環状室R4、そしてシール部材S5とシール部材S6の間にパワー室R5が形成されている。パワーピストン5のピストン部材5xには、前方に凹部が形成され、これに続き段付の中空部が形成されており、この中空部を環状室R3に連通する連通孔5e、環状室R4に連通する連通孔5f、パワー室R5に連通する連通孔5g,5hが形成されている。
【0017】
パワーピストン5のピストン部材5xの中空部後方には入力部材4が摺動自在に収容され、その後方に入力ロッドBKが接続されている。入力部材4の後端部には環状の突出部4eが形成されており、その裾部前方の外周面には環状溝4fが形成されている。この環状溝4fに円筒状弾性部材のゴムブーツ20の一方の開口端部が嵌合されている。ゴムブーツ20の他方の開口端部は、ハウジングを構成するシリンダ3の延出部3eの外周面に形成された環状溝3fに嵌合されている。而して、ゴムブーツ20内にドレイン室R6が形成され、液圧ブースタHB内が外部から完全に遮蔽されるので、ダストが侵入するおそれはなく、入力部材4やパワーピストン5が空気に触れることはない。入力部材4には、その軸方向に連通孔4cが形成されると共に、これに連通する径方向の連通孔4dが形成されており、この連通孔4dはドレイン室R6に連通している。
【0018】
更に、ゴムブーツ20を囲繞するように剛体の被覆部材たるカバー30がシリンダ3の延出部3eに固着されており、静止時にはカバー30の内面がゴムブーツ20の外面に略密着するように配設されている。このカバー30は底部に連通孔30hが形成された金属製の有底筒体で、連通孔30hを介して入力部材4が延出し、その突出部4eがカバー30の底部に係止されるように構成されている。ゴムブーツ20内のドレイン室R6には、通常時は低圧のブレーキ液が存在するのみであるが、ブレーキ液を真空充填する際にドレイン室R6内が高圧となるので、これに対抗するためにカバー30が設けられている。尚、このカバー30は車両への組付け時や搬送時の破損防止としても有効である。
【0019】
パワーピストン5内の入力部材4の前方にはスプール6がシール部材S7を介して液密的摺動自在に収容され、更にその前方にはプランジャ7が摺動自在に収容されている。そして、ピストン部材5x先端の凹部には反力伝達用の弾性部材として反力ゴムディスク8が配設され、その前方に受圧部材9が反力ゴムディスク8に密着して前後移動可能に収容されている。この受圧部材9とマスタピストン10との間に、両者間の直接の力伝達が可能なように、スプリング12が介装されている。尚、図1に示す非作動時には反力ゴムディスク8とプランジャ7の先端面との間に若干の空隙が形成されている。
【0020】
スプール6には、軸方向に連通孔6cが形成され、外周面に段部6eが形成されており、その小径部の外周には環状溝6f,6gが形成されている。更に、径方向に連通孔6hが形成されており、これを介して連通孔6cが環状溝6gに連通している。非作動時には、図1に示すように、スプール6は環状溝6f,6gが夫々連通孔5g,5hの開口と対向しており、パワー室R5は連通孔5h、環状溝6g及び連通孔6hを介して連通孔6cに連通する。スプール6が前進すると、パワー室R5と連通孔6cとの連通が遮断され、環状溝6fが連通孔5f及び連通孔5gの開口部と対向し、パワー室R5が入力ポート1fと連通する。パワーピストン5内の、スプール6の段部6eの後方には液圧導入室R7が形成されている。尚、スプール6の後端と入力部材4との間にはドレイン室R6を介してリザーバRSに連通する液室が形成されているが、この液室は液圧導入室R7とは分離されている。
【0021】
一方、プランジャ7は、その後方の外周面に環状溝7gが形成されると共に、後方で開口しスプール6の連通孔6cの開口部と対向する軸方向の穴7eが形成されており、これが径方向の連通孔7fを介して環状溝7gに連通する。而して、プランジャ7が収容された空間は、スプール6の連通孔6c,入力部材4の連通孔4c,4d、ドレイン室R6及びドレインポート3dを介してリザーバRSに連通している。
【0022】
シリンダ1の後方には、入力ポート1e,1fが形成され、シリンダ3の後方にはドレインポート3dが形成されており、ドレインポート3dはリザーバRSに連通接続され、入力ポート1e,1fは補助液圧源ASに連通接続されている。入力ポート1eは環状室R3に開口し、常開の電磁弁V1を介して補助液圧源ASに連通接続されると共に、常閉の電磁弁V2を介してリザーバRSに連通接続されている。本実施形態では、電磁弁V1,V2はリニアソレノイドバルブで構成されている。
【0023】
補助液圧源ASは電動モータMによって駆動される液圧ポンプHPを備え、入力側がリザーバRSに連通接続され、出力側が逆止弁C1を介してアキュムレータACに連通接続されると共に入力ポート1fに連通接続され、前述のように電磁弁V1を介して入力ポート1eに連通接続されている。本実施形態では、補助液圧源ASが所定の出力液圧に維持されるように、アキュムレータACに圧力センサP1が接続され、補助液圧源ASの出力液圧をモニタするように構成されている。尚、圧力センサP2は、マスタシリンダMCの出力ブレーキ液圧である第2の圧力室R2内の液圧をモニタするように構成されている。
【0024】
更に、本実施形態においては、シリンダ1に第2の圧力室R2とパワー室R5とを連通する流路1gが形成されており、この流路1gに常開の差圧応動逆止弁CV(以下、単に逆止弁CVという)が介装されている。即ち、常時は連通状態に維持され、パワー室R5と第2の圧力室R2の圧力差に応じて閉成され、パワー室R5が第2の圧力室R2内の圧力より大で圧力差が所定値以上であるときには、逆止弁CVが閉成され、両者間が遮断される。これに対し、液圧ブレーキ装置の非作動時には、両者間に圧力が存在せず逆止弁CVが開位置にあるので、ブレーキ液の充填時には、パワー室R5側から真空引きをすることにより、給液ポート1jを介してリザーバRSからのブレーキ液を導入し、容易且つ確実に第2の圧力室R2内のエア抜きを行なうことができる。
【0025】
次に、上記の構成になる液圧ブレーキ装置の作動を説明すると、先ず、ブレーキペダル(図示せず)が非操作状態にあるときには各構成部品は図1に示す状態にあり、電磁弁V1は閉位置、電磁弁V2は開位置とされており、液圧ブースタHBは非作動の状態にある。このとき、環状室R4は補助液圧源ASに連通接続されているが、連通孔5fはスプール6によって遮断されている。また、パワー室R5は、連通孔5h、これと対向するスプール6の溝6g、連通孔6h及び連通孔6c、入力部材4の連通孔4c,4d、ドレイン室R6そしてドレインポート3dを介してリザーバRSに連通している。更に、パワー室R5は流路1g及び逆止弁CVを介して第2の圧力室R2に連通している。而して、補助液圧源ASが駆動されてもパワーピストン5には環状室R4内の液圧による後方への押圧力が付与されるのみであるので、図1に示す停止位置に維持される。
【0026】
ブレーキ操作が行なわれ、図2に示すように、入力部材4が前進駆動されてスプール6が前進すると、連通孔5hがスプール6によって遮断されるので、パワー室R5と連通孔6cとの連通が遮断されるのに対し、環状溝6fが連通孔5f及び連通孔5gの開口部と対向するので、入力ポート1f、連通孔5f、環状溝6f及び連通孔5g,5hを介してパワー室R5にパワー液圧が導入される。このとき入力ポート1eが、環状室R3、連通孔5eを介してスプール6の段部6e後方の液圧導入室R7に連通しているが、電磁弁V1は図1に示すように閉位置とされ、入力ポート1eは開位置の電磁弁V2を介してリザーバRSに連通しているので、スプール6は入力部材4の前進作動に応じて、即ちブレーキペダル操作に応じて駆動される。そして、このときのパワー室R5と第2の圧力室R2の圧力差が所定値以上となると逆止弁CVが閉成され、流路1gは逆止弁CVによって遮断されるので、第2の圧力室R2はブレーキ液が充填された密閉空間となる。
【0027】
このようにして、第2の圧力室R2が密閉空間とされた後の助勢作動中は、ブレーキ操作力及びパワーピストン5の後端面に付与される押圧力に対し、第2の圧力室R2の圧力によるパワーピストン5の前端面に付与される押圧力がバランスするように制御される。そして、第2の圧力室R2は、パワーピストン5の有効断面積がマスタピストン10の有効断面積より大であるので、パワーピストン5の前進移動に伴いマスタピストン10が前進し、図2に示すようにマスタピストン10とパワーピストン5との間隙が拡大し、この状態でマスタピストン10とパワーピストン5が流体的に結合され一体的に移動することとなる。このように、液圧ブースタHBによる助勢時には、パワーピストン5とマスタピストン10が第2の圧力室R2に充填されたブレーキ液を介して流体的に結合され、パワーピストン5とマスタピストン10との間隙分、マスタピストン10が前進した状態でパワーピストン5及びマスタピストン10が一体となって前進するので、ブレーキペダル(図示せず)のストロークが短縮される。
【0028】
この場合において、助勢作動時には、図2に示すようにゴムブーツ20が変形してドレイン室R6が縮小され、従来のようにドレイン通路用にハウジングの軸方向に所定の長さを確保しておく必要がないので、液圧ブースタHB部分の長さを短く構成することができる。また、ゴムブーツ20(及び、必要に応じてカバー30)によってドレイン通路を構成することができるので、従来に比し安価となる。しかも、従来のようにシール部材と被シール部材との間に相対的な摺動を伴うことがないので、高い液密性を確保し、維持することができる。
【0029】
一方、液圧ブースタHBが失陥した場合には、図1に示すように、環状室R4及びパワー室R5にパワー液圧が供給されず、環状室R3は入力ポート1eを介してリザーバRSに連通し、また第2の圧力室R2内は流路1g及びパワー室R5を介してリザーバRSに連通するので、何れも大気圧のままとなる。従って、ブレーキペダル(図示せず)の操作に応じて入力ロッドBKが前進駆動されると、入力部材4、スプール6を介してプランジャ7が反力ゴムディスク8に当接し、この反力ゴムディスク8及び受圧部材9、並びにスプリング12を介してマスタピストン10が押圧され、これらが一体となって前進する。而して、パワーピストン5とマスタピストン10が一体となって前進するが、この場合に出力されるブレーキ液圧は、パワーピストン5の有効断面積ではなく、マスタピストン10の有効断面積によって決まるので、両ピストンの有効断面積が同じ場合の特性に比べて、液圧ブースタHBの失陥時の増圧勾配が大となる。
【0030】
更に、本実施形態においては、以下に説明するように、アクティブブレーキ(自動ブレーキ)を行なうことができる。ブレーキペダル(図示せず)は非操作の状態で自動ブレーキが開始すると、図1に示す電磁弁V1が開位置とされると共に電磁弁V2が閉位置とされ、補助液圧源ASが駆動されるが、開始直後の各部品の初期位置は図1に示すようになる。即ち、スプール6及びプランジャ7は図1と同様の位置関係にあるので、連通孔5fはスプール6によって遮断されるが、入力ポート1eから連通孔5eを介してスプール6の段部6e後方の液圧導入室R7に補助液圧源ASの出力液圧が付与されるので、スプール6が前進駆動され図2と同様の状態となる。而して、パワー室R5は連通孔5g、これと対向する環状溝6f、連通孔5f及び入力ポート1fを介して補助液圧源ASに連通し、パワーピストン5が前進駆動されると共に、マスタピストン10が前進駆動されて、各車輪のホイールシリンダ(図示せず)にブレーキ液圧が供給される。
【0031】
この場合も、逆止弁CVはパワー室R5と第2の圧力室R2の圧力差によって閉位置とされ、図2と同様の流路1gは逆止弁CVによって遮断されるので、第2の圧力室R2はブレーキ液が充填された密閉空間となる。従って、パワー室R5に導入されるブレーキ液圧によるパワーピストン5の有効断面積分の押圧力によってマスタピストン10が前進駆動される。而して、ブレーキペダル(図示せず)が非操作時に、補助液圧源AS及び電磁弁V1,V2を適宜制御することによって所望のブレーキ液圧を出力することができる。この間、第2の圧力室R2内のブレーキ液圧が受圧部材9及び反力ゴムディスク8に付与されるが、入力部材4の前方はドレインポート3d及びドレイン室R6を介してリザーバRSに連通しているので、入力部材4には反力は伝達されることなく、パワーピストン5に対する補助液圧源ASの出力液圧によって対抗される。更に、補助液圧源ASの出力液圧が導入される液圧導入室R7がスプール6の段部6eとパワーピストン5との間に形成され、且つ入力部材4の前方の室とは分離されているため、液圧導入室R7に導入された補助液圧源ASの出力液圧が入力部材4に反力として伝達されることはない。
【0032】
図3は本発明の他の実施形態に係る液圧ブースタHBを示すもので、図1の実施形態では、ゴムブーツ20は、一方の開口端部が入力部材4の環状溝4fに嵌合されているのに対し、本実施形態では、ゴムブーツ20の一方の開口端がパワーピストン5のピストン部材5yに接続されている。即ち、ピストン部材5yの後端の外周面に環状溝5jが形成されており、この環状溝5jにゴムブーツ20の一方の開口端部が嵌合され、その嵌合部を覆うように環状部材21が装着され、ゴムブーツ20が固定されている。尚、ゴムブーツ20の他方の開口端部は、図1の実施形態と同様、シリンダ3の環状溝3fに嵌合されており、ゴムブーツ20内にドレイン室R6が形成されている。
【0033】
このように、本実施形態では、ゴムブーツ20の一方の開口端がパワーピストン5のピストン部材5yに接続されている関係上、入力部材4の後端部の形状が図1とは異なり、またピストン部材5yには、ドレイン室R6に連通する連通孔5dが形成されている。先ず、入力部材4はシール部材S8を介してピストン部材5yの中空部に液密的摺動自在に収容され、その後方で入力ロッドBKに接続されている。図3に示すように、ピストン部材5yから延出した入力部材4の後端部に環状の突出部4eが形成され、これがカバー30の突出底部30eに係止されるように構成されている。また、入力部材4には、連通孔4dに連通する環状溝4gが形成されており、この環状溝4g及びピストン部材5yの連通孔5dを介して連通孔4dがドレイン室R6に連通するように構成されている。
【0034】
而して、本実施形態においても、図1の実施形態と同様、ゴムブーツ20内にドレイン室R6が形成され、液圧ブースタHB内が外部から完全に遮蔽されている。尚、その他の構成は図1の実施形態と同じであるので、説明は省略する。
【0035】
図4は本発明の更に他の実施形態に係る液圧ブースタHBを示すもので、図1の実施形態では、ゴムブーツ20の他方の開口端がシリンダ3に接続されているのに対し、本実施形態では、シリンダ3と共にハウジングを構成するシリンダ1に、ゴムブーツ20の他方の開口端が接続されている。即ち、シリンダ1の後端の外周面に円筒状の延出部1xが形成され、その外周面に環状溝1yが形成されており、この環状溝1yにゴムブーツ20の他方の開口端部が嵌合され、その嵌合部を覆うようにカバー30が装着されている。ゴムブーツ20の一方の開口端部は、図1の実施形態と同様、入力部材4の環状溝4fに嵌合されており、ゴムブーツ20内にドレイン室R6が形成されている。
【0036】
尚、上記の実施形態における液圧ブースタHBはレギュレータと呼ばれることもあり、本発明においては液圧助勢装置、液圧倍力装置あるいは液圧ブースタと称呼されるものに限るものではなく、勿論レギュレータに適用することもできる。また、上記の実施形態では調圧手段としてスプール6等から成るスプールバルブを用いたが、所謂ポペットバルブを用いることとしてもよい。
【0037】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成されているので以下の効果を奏する。即ち、請求項1及び請求項2に記載の液圧助勢装置においては、入力部材又はパワーピストンに一方の開口端を接続しハウジングに他方の開口端を接続して内部にドレイン室を形成する筒状弾性部材を備え、ドレイン室を調圧手段に連通すると共にリザーバに連通するように構成されているので、高い液密性を確保しつつ、全長が短く安価な装置を提供することができる。しかも、筒状弾性部材の内部がリザーバに連通されているので、筒状弾性部材内に露呈する入力部材やパワーピストンが空気に触れることはない。
【0038】
更に、請求項3に記載のように構成した剛体の被覆部材によって筒状弾性部材を被覆することにより、組付け時や搬送時の破損を防止し得るだけでなく、ブレーキ液を真空充填する際の破損を適切に防止することができる。
【0039】
特に、請求項4に記載のように、調圧手段を、ドレイン室及びハウジング内に形成した連通路を介してリザーバに接続することにより減圧流路を構成することができ、全長が短く安価な装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る液圧助勢装置を含む液圧ブレーキ装置の断面図である。
【図2】本発明の一実施形態における液圧助勢時の状態を示す液圧ブレーキ装置の断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係る液圧助勢装置部分の断面図である。
【図4】本発明の更に他の実施形態に係る液圧助勢装置部分の断面図である。
【符号の説明】
MC マスタシリンダ, HB 液圧ブースタ, AS 補助液圧源,
RS リザーバ, V1,V2 電磁弁, 5 パワーピストン,
10 マスタピストン, 20 ゴムブーツ, 30 カバー,
S1〜S8 シール部材, R1,R2 圧力室, R3,R4 環状室,
R5 パワー室, R6 ドレイン室, R7 液圧導入室
Claims (4)
- ハウジング内に摺動自在に収容しパワー室を形成するパワーピストンと、ブレーキ操作部材の操作に応じて前記パワーピストンに対して相対的に移動する入力部材と、リザーバのブレーキ液を所定の圧力に昇圧してパワー液圧を出力する補助液圧源と、該補助液圧源に接続すると共に前記リザーバに接続し、前記入力部材の前記パワーピストンに対する相対的な移動に応じて前記補助液圧源の出力液圧を所定の圧力に調圧して前記パワー室に供給する調圧手段とを備えた車両用ブレーキ装置の液圧助勢装置において、前記入力部材に一方の開口端を接続し前記ハウジングに他方の開口端を接続して内部にドレイン室を形成する筒状弾性部材を備え、前記ドレイン室を前記調圧手段に連通すると共に前記リザーバに連通するように構成したことを特徴とする車両用ブレーキ装置の液圧助勢装置。
- ハウジング内に摺動自在に収容しパワー室を形成するパワーピストンと、ブレーキ操作部材の操作に応じて前記パワーピストンに対して相対的に移動する入力部材と、リザーバのブレーキ液を所定の圧力に昇圧してパワー液圧を出力する補助液圧源と、該補助液圧源に接続すると共に前記リザーバに接続し、前記入力部材の前記パワーピストンに対する相対的な移動に応じて前記補助液圧源の出力液圧を所定の圧力に調圧して前記パワー室に供給する調圧手段とを備えた車両用ブレーキ装置の液圧助勢装置において、前記パワーピストンに一方の開口端を接続し前記ハウジングに他方の開口端を接続して内部にドレイン室を形成する筒状弾性部材を備え、前記ドレイン室を前記調圧手段に連通すると共に前記リザーバに連通するように構成したことを特徴とする車両用ブレーキ装置の液圧助勢装置。
- 前記筒状弾性部材を被覆し、前記ブレーキ操作部材の非操作時には内面が前記筒状弾性部材の外面に略密着する剛体の被覆部材を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の車両用ブレーキ装置の液圧助勢装置。
- 前記調圧手段を、前記ドレイン室及び前記ハウジング内に形成した連通路を介して前記リザーバに接続するように構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の車両用ブレーキ装置の液圧助勢装置。
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