JPH05185925A - 液圧ブースタ - Google Patents

液圧ブースタ

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Publication number
JPH05185925A
JPH05185925A JP4024753A JP2475392A JPH05185925A JP H05185925 A JPH05185925 A JP H05185925A JP 4024753 A JP4024753 A JP 4024753A JP 2475392 A JP2475392 A JP 2475392A JP H05185925 A JPH05185925 A JP H05185925A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
power
valve
chamber
hydraulic
Prior art date
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Pending
Application number
JP4024753A
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English (en)
Inventor
Hiromichi Sato
博道 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 入力部材の入力に対して出力のジャンピング
が生ずる液圧ブースタを提供する。 【構成】 パワー圧が設定値より低い状態では開閉弁1
72は開いており、閉鎖液室152はリザーバに連通さ
せられていて、ブレーキペダル72を軽く踏み込むこと
ができる。パワー圧が設定値以上になれば開閉弁172
が閉じ、更に逆止弁160の開弁圧を超えて高くなれば
逆止弁160が開かれて閉鎖液室152にパワー圧より
逆止弁160の開弁圧分だけ低い液圧が導入され、リア
クションピストン68に反力が加えられ始める。このと
きにはホイールシリンダに既に一定の液圧が発生してお
り、出力ジャンピング特性が得られる。そのため、ブレ
ーキ操作初期に低いペダル踏込み力で高いホイールシリ
ンダ圧が得られ、初期のブレーキ効き感が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液圧ブースタに関するも
のであり、特に、入力に対して出力のジャンピングが得
られる液圧ブースタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ブースタは入力部材に加えられる入力を
倍力して出力部材から出力するものであり、車両用ブレ
ーキの操作装置において操作を助勢する場合等に用いら
れる。このようなブースタには、気体圧により作動する
バキュームブースタと、液圧により作動する液圧ブース
タとがある。バキュームブースタには、実公昭57−4
6678号公報に記載されているものがある。このバキ
ュームブースタは、図4に示すように、ハウジング20
0内の空間がパワーピストン202によって定圧室20
4と変圧室206とに区切られるとともに、定圧室20
4がバキューム源208に接続されており、定圧室20
4と変圧室206とは常には連通させられていて圧力差
はないが、入力部材210への入力により、定圧室20
4と変圧室206との間に設けられたバルブ212が切
り換わり、変圧室206が定圧室204から遮断される
とともに大気に連通させられれば変圧室206の圧力が
高くなって、定圧室204と変圧室206との圧力差に
よりパワーピストン202が前進し、入力部材210の
入力が倍力されて出力されるように構成されている。
【0003】この公報に記載のバキュームブースタにお
いては、作動初期に入力の増大なしに出力が増大する出
力ジャンピング特性が得られるようにされている。出力
部材214の出力を受けて作動するマスタシリンダ21
6からの反力は、出力部材214,パワーレバー218
を介してパワーピストン202と中継ピストン220と
に伝達され、更に、中継ピストン220からリアクショ
ンディスク222を介してコントロールピストン224
と入力部材210とに伝達されるのであるが、コントロ
ールピストン224はリアクションディスク222に常
に当接するようにされる一方、入力部材210と一体的
に設けられたバルブプランジャ226とリアクションデ
ィスク222との間には隙間228が設けられている。
そのため、入力部材210への入力初期には、バルブプ
ランジャ226がリアクションディスク222に当接し
ないため入力部材210に反力が加えられず、反力が設
定値に達して初めて当接して反力が加えられることとな
り、それまでは入力が小さくて済む。このときの入力
(ブレーキペダルの踏込み力)とホイールシリンダ圧と
の関係を図3のグラフに示す。なお、このグラフは本発
明の実施例においてブレーキペダルの踏込み力とホイー
ルシリンダ圧との関係を示すグラフであるが、上記公報
に記載のバキュームブースタにおいても同じ関係が得ら
れるため、図3のグラフを用いて示す。また、反力が加
えられ始めるときには、出力部材の出力はある程度の大
きさとなっており、ブレーキ操作初期の効き感が得られ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来、
液圧ブースタにおいては出力ジャンピングが生ずるよう
にされていない。液圧ブースタは、特開平2−1140
54号公報に記載されているように、(a)ハウジング
と、(b)そのハウジング内に液密にかつ摺動可能に嵌
合され、ハウジングと共同してパワー圧室を形成し、そ
のパワー圧室の液圧により作動させられて出力部材を前
進させるパワーピストンと、(c)ハウジングによりパ
ワーピストンの移動方向と平行に移動可能に保持される
とともに、先端のリアクション部がパワーピストンに軸
方向に相対移動可能に嵌合された入力部材と、(d)そ
の入力部材のパワーピストンに対する相対運動に基づい
て、パワー圧室を液圧源に連通させる状態と、リザーバ
に連通させる状態と、いずれにも連通させない状態とに
切り換わる制御弁とを含み、入力部材に加えられる入力
を倍力して出力部材から出力するように構成される。入
力部材に入力が加えられれば、入力部材がパワーピスト
ンに対して相対的に移動して制御弁がパワー圧室を液圧
源に連通させる状態に切り換わり、パワー圧室にパワー
圧が発生してパワーピストンが作動させられ、入力が倍
力されて出力されるのである。パワー圧と出力とは対応
しており、リアクション部にはパワー圧が作用させら
れ、出力に対応する反力が加えられるようになってい
る。そのため、パワー圧の発生と共にリアクション部に
反力が加えられ、出力ジャンピングが生じないため、初
期のブレーキ効き感が悪いという問題があった。本発明
は、出力ジャンピングが生ずる液圧ブースタを提供する
ことを課題として為されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の液圧ブースタ
は、上記の課題を解決するために、前記パワーピストン
と前記入力部材のリアクション部との間に形成された閉
鎖液室と前記リザーバとを液通路によって接続するとと
もに、その液通路に、前記パワー圧室のパワー圧が設定
値より低い状態では閉鎖液室をリザーバに連通させてい
るが、パワー圧が設定値以上の状態では閉じて連通を遮
断する開閉弁を設け、かつ、閉鎖液室とパワー圧室との
間に、閉鎖液室からパワー圧室への作動液の流れは許容
するが逆向きの流れは阻止する第一逆止弁と、パワー圧
室から閉鎖液室への作動液の流れは許容するが逆向きの
流れは阻止し、開弁圧が前記開閉弁が閉じる際のパワー
圧以上である第二逆止弁とを並列に設けたことを要旨と
するものである。
【0006】
【作用】このように構成された液圧ブースタにおいて
は、パワー圧室にパワー圧が発生していない状態では開
閉弁が開いて閉鎖液室はリザーバに連通させられてい
る。入力部材に入力が加えられてパワーピストンに対し
て相対的に前進させられ、パワー圧室にパワー圧が発生
しても、設定値より低い状態では開閉弁は開いたままで
あり、閉鎖液室はリザーバに連通させられていてリアク
ション部に反力は加えられない。パワー圧が設定値以上
になれば開閉弁が閉じるが、第二逆止弁の開弁圧は開閉
弁が閉じる際のパワー圧以上とされているため、開閉弁
が閉じる前に第二逆止弁が開くことはなく、パワー圧室
内の作動液が閉鎖液室を通ってリザーバに流出すること
はない。
【0007】パワー圧が閉鎖液室の液圧より、第二逆止
弁の開弁圧だけ高くなれば第二逆止弁が開かれ、パワー
圧より開弁圧分だけ低い圧力が閉鎖液室に導入されてリ
アクション部に反力が加えられる。以後、入力と出力と
は比例して増大するが、第二逆止弁が開いてリアクショ
ン部に反力が加えられるときには、出力部材に相当な出
力が生じており、出力ジャンピング特性が得られる。
【0008】なお、閉鎖液室に圧力が導入された状態
で、一旦入力部材の前進が停止させられて第二逆止弁が
閉じた後、更にパワー圧を上昇させるべく入力部材の入
力が増大させられた場合には、閉鎖液室内の作動液が第
一逆止弁を通ってパワー圧室へ流出し、入力部材がパワ
ーピストンに対して相対移動し、制御弁がパワー圧室を
液圧源に連通させる状態に切り換えられる。また、入力
が解除される場合には、閉鎖液室の液圧が低下し、第二
逆止弁が開かれて閉鎖液室に作動液が流入し、入力部材
がパワーピストンに対して軸方向に相対移動して制御弁
がパワー圧室をリザーバに連通させる状態に切り換えら
れ、パワーピストンが戻される。
【0009】
【発明の効果】このように本発明によれば出力ジャンピ
ング特性を有する液圧ブースタが得られ、初期のブレー
キ効き感が得られる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例である4輪自動車用
の液圧ブースタを備えたブレーキシステムを図面に基づ
いて詳細に説明する。
【0011】図2において、10は液圧ブースタ(以
下、単にブースタという)であり、12はタンデム型ブ
レーキマスタシリンダ(以下、単にマスタシリンダとい
う)である。マスタシリンダ12はハウジング14を備
えている。ハウジング14にはシリンダボア16が形成
され、これに第一加圧ピストン18および第二加圧ピス
トン20が液密かつ摺動可能に嵌合され、それによって
各ピストン18,20の前方(図において左方)にそれ
ぞれ第一加圧室22,第二加圧室24が形成されてい
る。第一加圧室22は左,右後輪26,28の各ブレー
キのリヤホイールシリンダ30,32に接続され、第二
加圧室24は左,右前輪34,36の各ブレーキのフロ
ントホイールシリンダ38,40に接続されている。
【0012】前記ハウジング14にはブースタ10のハ
ウジング50が液密に嵌合されている。このハウジング
50内には前記シリンダボア16に連通したシリンダボ
ア54が形成され、これに段付状のパワーピストン56
の大径部57がシール58によりシールされて液密かつ
摺動可能に嵌合され、ハウジング50内の空間がパワー
圧室60と低圧室62とに区切られている。パワーピス
トン56の後端の中央部から小径部64が延び出させら
れており、ハウジング50の端壁を液密かつ摺動可能に
貫通して大気に臨まされている。小径部64内にはそれ
の後端面に開口する段付孔66が形成されており、これ
の小径穴にリアクションピストン68が液密かつ摺動可
能に嵌合されている。
【0013】リアクションピストン68の後端は、パワ
ーピストン56と同心の入力ロッド70の先端にかしめ
付けられ、両者によって入力部材71が構成されてい
る。リアクションピストン68がリアクション部を構成
しているのである。また、入力ロッド70の後端部はブ
レーキペダル72(図2参照)に連結されており、ブレ
ーキペダル72の踏込みによりリアクションピストン6
8がパワーピストン56に対して相対的に前進させられ
る。
【0014】リアクションピストン68の相対的な前進
限度位置は、その後端に形成されたフランジ部74に段
付孔66の肩面76が係合することにより規定されてい
る。また、相対的な後退限度位置は、軸方向に形成され
た長穴80において、パワーピストン56に取り付けら
れたピン82に係合させられることにより規定されてい
る。
【0015】入力ロッド70とハウジング50との間に
はスプリング86が配設されており、このスプリング8
6の弾性力によってリアクションピストン68およびパ
ワーピストン56は常時後退方向(図において右方)に
付勢されている。パワーピストン56は、それの段部8
8がハウジング50に係合することにより後退端位置を
規定される。また、パワーピストン56の作動力は、出
力部材としての中継ロッド90によって前記第二加圧ピ
ストン20に伝達される。
【0016】本液圧ブースタ10は、図2に示すように
制御弁100を備えている。この制御弁100は前記ハ
ウジング50に液密かつ摺動可能に嵌合された弁子とし
てのスプール102を備えている。ハウジング50には
リザーバ104に接続された低圧ポート106と、フィ
ルタ108を介して液圧源としてのアキュムレータ11
0に接続された高圧ポート112とが形成されている。
スプール102はスプリング114によって後退方向
(図において右方)に付勢され、図示の原位置にある状
態ではパワー圧室60を高圧ポート112から遮断し、
連通孔116を経て低圧ポート106に連通させる。ス
プール102はこの原位置から一定距離前進(図におい
て左方へ移動)することにより、パワー圧室60を低圧
ポート106および高圧ポート112の両方から遮断す
る保圧状態となり、さらに前進することにより低圧ポー
ト106から遮断して高圧ポート112に連通させるパ
ワー圧導入状態となる。
【0017】スプール102はリンク機構120により
パワーピストン56とリアクションピストン68とに係
合させられていて、スプール102の移動がリアクショ
ンピストン68のパワーピストン56に対する相対的な
移動によって引き起こされるようになっている。リンク
機構120はピン122によって互に回動可能に連結さ
れた第一リンク124と第二リンク126とを備えたも
のであり、運動変換機構を構成しているが、これについ
ては特開昭62−149547号公報等により既に知ら
れているため、詳細な説明は省略する。
【0018】前記アキュムレータ110にはリザーバ1
04内のブレーキ液がモータ130により駆動されるポ
ンプ132によって供給される。アキュムレータ110
の液圧は、圧力センサ134の出力信号に基づいてモー
タ130の発停が制御されることにより、一定範囲に保
たれるようになっている。また、アキュムレータ110
の液圧の異常な低下は圧力スイッチ136により検出さ
れ、ブレーキウォーニングランプが点灯されるとともに
ブザーが作動させられる。138は逆止弁、140はア
キュムレータ110の液圧が異常に高くなることを防止
するリリーフ弁である。
【0019】前記リアクションピストン68の先端部
は、図1に示すように、パワーピストン56の大径部5
7に形成された有底穴150に軸方向に相対移動可能に
嵌合されており、リアクションピストン68の先端面と
有底穴150の底面との間に閉鎖液室152が形成され
ている。リアクションピストン68とパワーピストン5
6との間はカップシール154によりシールされてお
り、閉鎖液室152からパワー圧室60への作動液の流
れは許容するが、逆向きの流れは阻止するようにされて
いる。カップシール154が第一逆止弁として機能する
のである。
【0020】リアクションピストン68に形成された前
記長穴80と閉鎖液室152とは、液通路158によっ
て接続されるとともに、逆止弁160が設けられてい
る。逆止弁160は、ボール162がスプリング164
により弁座166に着座する向きに付勢されて成り、閉
鎖液室152からパワー圧室60への作動液の流れは阻
止するが、パワー圧が閉鎖液室152の液圧より、スプ
リング164のセット荷重に対応する圧力を超えて増大
するとき、パワー圧室60から閉鎖液室152へのブレ
ーキ液の流れを許容するものとされている。逆止弁16
0が第二逆止弁なのである。
【0021】また、閉鎖液室152とリザーバ104と
は、パワーピストン56内に形成された液通路170に
よって接続されており、その連通は液通路170に設け
られたパイロット式開閉弁172(以下、開閉弁172
と称する)によって許容,遮断される。パワーピストン
56には、図1に示すように、段付の弁孔174が形成
されており、その小径孔部176に段付状の弁子178
の小径部180が緩く嵌合され、大径孔部182に大径
部184がカップシール186によりシールされて摺動
可能に嵌合されている。小径孔部176は、ポート19
0,低圧室62を経てリザーバ104に連通させられる
とともに、ポート192により液通路170に接続され
ており、大径孔部182の底面と弁子178の大径部1
84との間の空間は、パイロット通路194によってパ
ワー圧室60に連通させられている。
【0022】弁子178はスプリング196により付勢
されており、常には小径部180の先端がポート190
の小径孔部176への開口端である弁座198から離間
させられ、閉鎖液室152とリザーバ104とが連通し
た状態にある。パワー圧がスプリング196のセット荷
重によって決まる設定値より低い状態では、弁子178
はスプリング196により付勢され、図に示す後退端位
置にあって開閉弁172は開いており、閉鎖液室152
とリザーバ104とを連通させているが、パワー圧が増
大し、設定値以上になれば弁子178が前進して小径部
180の先端が弁座198に着座し、閉鎖液室152と
リザーバ104との連通を遮断する。
【0023】以上のように構成された液圧ブースタにお
いては、ブレーキペダル72が全く踏み込まれていない
状態では、リアクションピストン68は図示の後退限度
位置にあって、長穴80の前端がピン82の前面に係合
させられ、パワーピストン56は図示の後退端位置にあ
って、段部88がハウジング50に係合させられてい
る。また、スプール102は図示の原位置にあって、パ
ワー圧室60をアキュムレータ110から遮断してリザ
ーバ104に連通させている。さらに、逆止弁160は
閉じ、開閉弁172は開いた状態にあり、閉鎖液室15
2はリザーバ104に連通させられている。
【0024】この状態でブレーキペダル72が踏み込ま
れれば、リアクションピストン68がパワーピストン5
6に対して相対的に前進し、スプール102がパワー圧
導入開始位置に移動させられてパワー圧室60にパワー
圧が導入される。ブレーキペダル72の踏込み当初は、
パワー圧は導入されておらず、開閉弁172は開いたま
まであってリアクションピストン68に反力は加えられ
ず、ブレーキペダル72を軽く踏み込むことができる。
ブレーキペダル72が更に踏み込まれ、パワー圧室60
にパワー圧が導入されれば、パワーピストン56が前進
させられ、第一,第二加圧ピストン18,20が前進さ
せられて第一,第二加圧室22,24に液圧が発生させ
られる。パワー圧が増大して設定値以上になれば弁子1
78が前進し、閉鎖液室152とリザーバ104との連
通を遮断するが、それまでは閉鎖液室152内の作動液
はリザーバ104に流出し、ブレーキペダル72を軽く
踏み込むことができる。なお、逆止弁160の開弁圧は
開閉弁172の閉弁圧より高くされているため、開閉弁
172が閉じる前に逆止弁160が開くことはなく、パ
ワー圧室60内の作動液が逆止弁160,閉鎖液室15
2および開閉弁172を通ってリザーバ104に流出す
ることはない。
【0025】開閉弁172が閉じた後、パワー圧が更に
増大し、逆止弁160の開弁圧を超えて高くなれば逆止
弁160が開かれ、閉鎖液室152にパワー圧より逆止
弁160の開弁圧分だけ低い液圧が導入されてリアクシ
ョンピストン68にその液圧に対応した反力が加えられ
る。閉鎖液室152の液圧は逆止弁160の開弁後、0
から上昇し始めるのであるが、このときには既に一定高
さのホイールシリンダ圧が発生しており、図3のグラフ
に示すジャンピング特性が得られ、その後は踏込み力と
ホイールシリンダ圧とは比例して増大する。
【0026】このようにジャンピング特性が得られれ
ば、ブレーキ操作の初期に小さい踏込み力で比較的高い
ホイールシリンダ圧が得られ、ブレーキの効き感が向上
する。ブレーキペダル72の踏込みが停止すれば、パワ
ーピストン56は、パワー圧により前進させる力とホイ
ールシリンダから加えられる反力とが釣り合った位置に
おいて停止し、逆止弁160は閉じてリアクションピス
トン68にはホイールシリンダ圧に応じた一定の反力が
加えられる。
【0027】ブレーキペダル72の踏込みが停止した状
態から更に踏み込まれる場合には、ブレーキペダル72
の踏込みにより閉鎖液室152内の液圧が上昇してパワ
ー圧より高くなれば、閉鎖液室152内の作動液がカッ
プシール154を通ってパワー圧室60に流入し、閉鎖
液室152の容積が減少してブレーキペダル72の踏込
みが許容される。ブレーキペダル72の踏込み力とホイ
ールシリンダ圧との関係にヒステリシスが付与されるの
であり、これによって、踏込み力の小さい変動が吸収さ
れ、ブレーキのコントロール性が向上する効果が得られ
る。
【0028】また、ブレーキペダル72の踏込みが解除
されるときには、踏込み力の減少により閉鎖液室152
内の液圧が低下し、逆止弁160が開いてパワー圧室6
0から作動液が流入し、閉鎖液室152の容積が増大す
ることによりリアクションピストン68の後退が許容さ
れ、制御弁100がパワー圧室60をリザーバ104に
連通させる状態に切り換わり、パワーピストン56が押
し戻される。
【0029】なお、上記実施例においては、車両のブレ
ーキ用液圧ブースタに本発明を適用した場合について説
明したが、本発明はブレーキ用以外、また、車両用以外
の液圧ブースタにも適用することができ、また、液圧ブ
ースタの構造も実施例のものに限定されるわけではな
い。
【0030】その他、第一逆止弁,第二逆止弁およびパ
イロット式開閉弁の配設位置や構造を変更するなど、特
許請求の範囲を逸脱することなく、当業者の知識に基づ
いて種々の変形,改良を施した態様で本発明を実施する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である4輪自動車のブレーキ
用液圧ブースタの要部を示す正面断面図である。
【図2】上記液圧ブースタを備えたブレーキシステムを
示す系統図である。
【図3】上記液圧ブースタにおけるブレーキペダルの踏
込み力とホイールシリンダ圧との関係を示すグラフであ
る。
【図4】従来のブースタの一種であるバキュームブース
タを示す正面断面図である。
【符号の説明】
10 液圧ブースタ 12 タンデム型ブレーキマスタシリンダ 56 パワーピストン 60 パワー圧室 68 リアクションピストン 70 入力ロッド 71 入力部材 90 中継ロッド 100 制御弁 102 スプール 104 リザーバ 110 アキュムレータ 120 リンク機構 152 閉鎖液室 154 カップシール 160 逆止弁 170 液通路 172 パイロット式開閉弁

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングと、 そのハウジング内に液密にかつ摺動可能に嵌合され、ハ
    ウジングと共同してパワー圧室を形成し、そのパワー圧
    室の液圧により作動させられて出力部材を前進させるパ
    ワーピストンと、 前記ハウジングにより前記パワーピストンの移動方向と
    平行に移動可能に保持されるとともに、先端のリアクシ
    ョン部が前記パワーピストンに軸方向に相対移動可能に
    嵌合された入力部材と、 その入力部材の前記パワーピストンに対する相対運動に
    基づいて前記パワー圧室を液圧源に連通させる状態と、
    リザーバに連通させる状態と、いずれにも連通させない
    状態とに切り換わる制御弁とを含み、前記入力部材に加
    えられる入力を倍力して前記出力部材から出力する液圧
    ブースタにおいて、 前記パワーピストンと前記リアクション部との間に形成
    された閉鎖液室と前記リザーバとを液通路によって接続
    するとともに、その液通路に、前記パワー圧室のパワー
    圧が設定値より低い状態では閉鎖液室をリザーバに連通
    させているが、パワー圧が設定値以上の状態では閉じて
    連通を遮断する開閉弁を設け、かつ、前記閉鎖液室とパ
    ワー圧室との間に、閉鎖液室からパワー圧室への作動液
    の流れは許容するが逆向きの流れは阻止する第一逆止弁
    と、パワー圧室から閉鎖液室への作動液の流れは許容す
    るが逆向きの流れは阻止し、開弁圧が前記開閉弁が閉じ
    る際のパワー圧以上である第二逆止弁とを並列に設けた
    ことを特徴とする液圧ブースタ。
JP4024753A 1992-01-13 1992-01-13 液圧ブースタ Pending JPH05185925A (ja)

Priority Applications (1)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002037052A (ja) * 2000-07-26 2002-02-06 Aisin Seiki Co Ltd 車両の液圧ブレーキ装置

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