JPH10122270A - ドラムブレーキ装置 - Google Patents

ドラムブレーキ装置

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JPH10122270A
JPH10122270A JP8276571A JP27657196A JPH10122270A JP H10122270 A JPH10122270 A JP H10122270A JP 8276571 A JP8276571 A JP 8276571A JP 27657196 A JP27657196 A JP 27657196A JP H10122270 A JPH10122270 A JP H10122270A
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pair
pressure chamber
reaction force
pistons
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Toshifumi Maehara
利史 前原
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Akebono Brake Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 デュオサーボ式のドラムブレーキ装置におい
て、ブレーキの効きの安定性を高める。 【解決手段】 一対のブレーキシュー1、10の一方の
対向端間を拡開するホイールシリンダ5が、第1の圧力
室110に供給される液圧によって各ブレーキシュー
1、10の端部を押圧する一対の入力ピストン502、
520と、基端側にはマスタシリンダからの液圧を受け
ると共に先端側にはレバー3、30を介してアンカー反
力を受けてアンカー反力がマスタシリンダからの液圧に
対して所定の倍率に達すると変位して、前記第1の圧力
室110に液圧を供給する常開型の入力制御弁54を閉
じる一対の反力ピストン51、55とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両等に搭載され
るドラムブレーキ装置に関し、更に詳述すれば、デュオ
サーボ式のドラムブレーキ装置の改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】車両等に使用されるドラムブレーキ装置
は、一般に、入力部(ホイールシリンダ)と、該入力部
からの力によりドラム内で拡張してブレーキ力を発生す
るブレーキシューと、ブレーキシューを支持するアンカ
部とを具備した構成からなる。そして、ドラムの前進方
向に対して入力部が入口側、アンカ部が出口側にあるも
のをリーディング・シュー、アンカ部が入口側、入力部
が出口側にあるものをトレーリング・シューと呼ぶ。
【0003】従来のドラムブレーキ装置としては、リー
ディングトレーリング式、ツーリーディング式及びデュ
オサーボ式等の種類のものが使用されている。リーディ
ングトレーリング式は、対向する一対のシューの一方の
対向端間にシューを拡開するホイールシリンダを配する
と共に、他方の各シュー端にアンカ部を配し、リーディ
ング・シューとトレーリング・シューとを組み込んだも
のである。
【0004】ツーリーディング式は、リーディング・シ
ューを2個組み込んだ構成のものであり、そのうち単動
型(TP1W)のものは、前進時にはゲインが高く、後
進時にはツートレーリングとなって相対的に前進時より
ゲインが低下する。ツーリーディング式の複動型(TP
2W)のものは、前後進とも同じ効きで高いゲインを有
する。デュオサーボ式は、2個のシューをリンク結合
し、プライマリ・シューに生ずるブレーキ力をセカンダ
リ・シューの入力として働かせるもので、前後進とも同
じ効きを示すゲインの高いブレーキである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ツ
ーリーディング式は、ホイールシリンダが2個必要なた
め高価になり、また、駐車ブレーキの機構が複雑になる
という問題があった。一方、上記デュオサーボ式は、リ
ーディングトレーリング式やツーリーディング式のもの
と比較して、極めて高いブレーキ効力が得られ、小型化
し易く、また、駐車ブレーキの組み込みも容易であると
いう多くの長所を持つが、その反面、例えば、ブレーキ
シューのライニング摩擦係数及び回転ドラムとの接触状
況の変化に敏感でブレーキの効きの変動が大きく、安定
した制動特性が得られないという重大な難点があった。
【0006】これに対し、上記リーディングトレーリン
グ式は、前の2者と比較して、安定性が優れ、また、駐
車ブレーキの組み込みも容易である。そのため、最近で
は、ドラムブレーキ装置の主流になっている。しかし、
リーディングトレーリング式は、ブレーキの効きが低
く、それを補うために、マスタシリンダの倍力装置を大
型化したり、ドラム径を大きくしなければならず、ドラ
ムブレーキ装置の小型化を困難にしていた。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、ブレーキ効力が高く、しかも、ブレーキの効きの
安定性にも優れ、また、駐車ブレーキの組み込みも容易
であるドラムブレーキ装置を提供し、マスタシリンダの
倍力装置等の小型化を実現してブレーキシステムの小型
化やコスト低減を図ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係るドラムブレーキ装置は、円筒形のドラム
内空間に対向配備されるプライマリ・シューとセカンダ
リ・シューとの一対のブレーキシューと、対向するこれ
らの一対のブレーキシューの一方の対向端間に配設され
てこれら各ブレーキシューを拡開するホイールシリンダ
と、これらの一対のブレーキシューの他方の対向端間に
配設されてプライマリ・シューの出力をセカンダリ・シ
ューに入力するアジャスタとを備えたデュオサーボ式の
ドラムブレーキ装置であって、前記ホイールシリンダ
は、第1の圧力室に臨んで対向配置されて該第1の圧力
室に供給される液圧によって各ブレーキシューの端部を
押圧する一対の入力ピストンと、マスタシリンダからの
液圧を受ける第2の圧力室と、該第2の圧力室内に装備
されて前記第1及び第2の圧力室相互を連通させている
液通路を開閉する常開型の入力制御弁と、前記一対の入
力ピストンと並列配置になるように基端側を前記第2の
圧力室に臨ませて対向配置されて、先端側に作用する押
圧力が基端側に作用する液圧に対して所定の倍率に達す
ると第2の圧力室側に変位して前記入力制御弁を閉じる
一対の反力ピストンと、並列されている前記入力ピスト
ンと前記反力ピストンの先端部相互に橋渡しされるよう
に装備されて、前記セカンダリ・シューから前記入力ピ
ストンに伝達されるアンカー反力を所定の比率で低減さ
せて前記反力ピストンの先端部に作用させるてこ部材と
を備えた構成とされていることを特徴とするものであ
る。
【0009】そして、マスタシリンダからの液圧を受け
て入力ピストンが作動すると、プライマリ・シュー及び
セカンダリ・シューを拡開してドラムを押圧する。その
際、ブレーキ効力が大き過ぎて、アンカー反力がマスタ
シリンダからの入力に対して所定の倍率に達すると、こ
のアンカー反力により反力ピストンが変位し、常開型の
入力制御弁を閉じてマスタシリンダから入力ピストンの
第1の圧力室に供給された液圧を一定に保つ。一方、ブ
レーキ効力が低下すると、マスタシリンダからの液圧を
受けて反力ピストンが逆方向に変位し、常開型の入力制
御弁を開いて入力ピストン側への液圧の供給が追加され
る。これにより、ホイールシリンダは、マスタシリンダ
からの入力に対して一定倍率のアンカー反力を安定して
受けることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るドラムブレー
キ装置の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明
する。図1乃至図8は本発明に係るドラムブレーキ装置
の一実施形態を示したもので、図1はドラムブレーキ装
置におけるホイールシリンダの一部を断面した斜視図、
図2はドラムブレーキ装置における非作動時の状態を示
す正面図、図3はドラムブレーキ装置における非作動時
の状態におけるホイールシリンダ周辺の外観を示す一部
正面図、図4はドラムブレーキ装置に使用されているて
こ部材の正面図、図5はドラムブレーキ装置における作
動初期の状態を示す正面図、図6はドラムブレーキ装置
における作動初期の状態におけるホイールシリンダ周辺
の外観を示す一部正面図、図7はドラムブレーキ装置に
おいてアンカー反力が所定の倍率を超えた状態を示す正
面図、図8はドラムブレーキ装置においてアンカー反力
が所定の倍率を超えた状態におけるホイールシリンダ周
辺の外観を示す一部正面図である。
【0011】このドラムブレーキ装置100は、所謂デ
ュオサーボ式と呼ばれるもので、円筒形のドラム101
内の空間に対向配備されるプライマリ・シュー1とセカ
ンダリ・シュー10との一対のブレーキシュー1、10
と、対向するこれらの一対のブレーキシュー1、10の
一方の対向端間に配設されてこれら各ブレーキシュー
1、10を拡開するホイールシリンダ5と、これらの一
対のブレーキシュー1、10の他方の対向端間に配設さ
れてプライマリ・シュー1の出力をセカンダリ・シュー
10に入力するアジャスタ4と、これらの構成部材を支
持するバッキングプレート102とを具備して構成され
る。
【0012】一対のブレーキシュー1、10は、図2に
示すように、ドラム101の内周面に沿う円弧板状のリ
ム1a、10aと、これらのリム1a、10aから内径
側に張り出したウェブ1b、10bと、前記リム1a、
10aの外周に貼着されたライニング1c、10cとか
らなる。そして、それぞれのブレーキシュー1、10
は、ドラム101の内周面に向かって進退可能に、バッ
キングプレート102に取り付けられている。また、バ
ッキングプレート102上の一対のブレーキシュー1、
10の互いに対向した各端部同士は、リターンスプリン
グ6、60によって、互いに接近する方向(即ち、ドラ
ム101から離間する方向)に付勢されている。
【0013】前記バッキングプレート102上には、駐
車ブレーキを構成するストラット7や、パーキングレバ
ー8も組込まれ、前記一対のブレーキシュー1、10は
前記パーキングレバー8の操作によってもドラム101
に押圧可能にされている。
【0014】前記アジャスタ4は、各ブレーキシュー
1、10のライニング1c、10cの摩耗の進行に応じ
て、これらのブレーキシュー1、10の端部間の間隔を
調整するものである。図示略のアジャスタスプリングに
より先端がアジャスタ4上の調整用歯車4aに当接され
たアジャスタレバー40の動作で、ブレーキシュー1、
10の端部間の間隔を自動調整するように構成されてい
る。
【0015】前記ホイールシリンダ5は、ブレーキの効
きの安定性が低いという従来のデュオサーボ式のドラム
ブレーキ装置の難点を解消するため、本発明による特長
的な工夫が凝らしてある。具体的には、前記ホイールシ
リンダ5は、第1の圧力室110に臨んで対向配置され
て該第1の圧力室110に供給される液圧によって各ブ
レーキシュー1、10の端部を押圧する一対の入力ピス
トン502、520と、ブレーキ操作に応じた液圧を発
生するマスタシリンダ(図示略)からの液圧を受ける第
2の圧力室111と、該第2の圧力室111内に装備さ
れて前記第1及び第2の圧力室110、111相互を連
通させている液通路113を開閉する常開型の入力制御
弁54と、前記一対の入力ピストン502、520と並
列配置になるように基端側を前記第2の圧力室111に
臨ませて対向配置されて、先端側に作用する押圧力が基
端側に作用する液圧に対して所定の倍率に達すると第2
の圧力室111側に変位して前記入力制御弁54を閉じ
る一対の反力ピストン51、55と、この一対の反力ピ
ストン51、55や一対の入力ピストン502、520
を摺動可能に支持すると共に前述の液通路113や各圧
力室110、111を提供しているシリンダボディ11
5と、並列されている入力ピストン502、520と反
力ピストン51、55の先端部相互に橋渡しされるよう
に装備されて、セカンダリ・シューから入力ピストン5
02、520に伝達されるアンカー反力を所定の比率で
低減させて前記反力ピストン51、55の先端部に作用
させるてこ部材(レバー)3、30とを備えた構成から
なる。
【0016】各入力ピストン502、520は、前記シ
リンダボディ115のシール溝に装備された環状のシー
ル部材117により、液密に摺動可能にされている。ま
た、シリンダボディ115から突出している各入力ピス
トン502、520の先端部には、プラグ2、20が被
嵌されており、各入力ピストン502、520の先端部
は、これらのプラグ2、20を介して各ブレーキシュー
1、10の端部に当接されている。各入力ピストン50
2、520の先端部が各ブレーキシュー1、10に当接
した状態が維持されるように、これらの入力ピストン5
02、520の基端部が対向する第1の圧力室110内
には、各入力ピストン502、520相互を互いに離間
する方向に付勢するスプリング(圧縮コイルばね)57
が装備されている。
【0017】各反力ピストン51、55は、前記シリン
ダボディ115のシール溝に装備された環状のシール部
材118により、液密に摺動可能にされている。これら
の反力ピストン51、55の基端部相互は、前記第2の
圧力室111内に装備されたスプリング(圧縮コイルば
ね)52によって互いに離間する方向に付勢されてお
り、シリンダボディ115に係合装備されているクリッ
プ501、510に当接することで位置決めされる。
【0018】クリップ501、510に当接した状態の
各反力ピストン51、55は、先端部をシリンダボディ
115から所定長だけ突出した状態にある。そして、各
反力ピストン51、55は、シリンダボディ115から
突出した先端部が、レバー3、30により、並設されて
いる各入力ピストン502、520の先端部に連結され
ている。
【0019】各レバー3、30は、図4に示すように、
反力ピストン51、55の先端部が嵌合する嵌合穴30
0を有した反力ピストン連結部301と、該反力ピスト
ン連結部301から延出して前記入力ピストン502、
520の先端部に嵌合する二股状の脚部302とを備え
た構成からなる。反力ピストン連結部301は、図2に
示すように、各反力ピストン51、55の先端の細径部
に嵌合すると共に、該細径部の段差51a、55aと細
径部に係合している止め輪510とで挾持されて、各反
力ピストン51、55に連結される。前記段差51a、
55aと細径部に係合している止め輪510とによる挾
持によって、反力ピストン連結部301は、各反力ピス
トン51、55の軸方向の変位に対して、各反力ピスト
ン51、55と一体になって変位する。
【0020】レバー3、30の各脚部302は、前記入
力ピストン502、520の先端部に、これらの入力ピ
ストン502、520の軸方向に摺動可能に嵌合してい
る。また、この脚部302には、図8に示すように、前
記入力ピストン502、520先端のプラグ2、20が
アンカー反力で押込まれた時に、これらのプラグ2、2
0に当接する曲面310と、シリンダボディ115の端
面に当接する曲面311とが形成されている。
【0021】これらの曲面310、311は、図8に示
すように、曲率中心の位置が脚部302の長さ方向(即
ち、てこの長さ方向)に距離L1 だけずれて設定されて
いる。この曲率中心の位置のずれにより、曲面310と
プラグ2、20との接点M1と、曲面311とシリンダ
ボディ115との接点M2 とは、互いに距離L1 だけず
れた状態になる。
【0022】接点M2 はてこ動作の揺動支点で、接点M
1 はセカンダリ・シューからのアンカー反力の作用点と
なる。従って、接点M2 と反力ピストン51、55まで
の距離をL2 、接点M1 に作用するアンカー反力をF1
とすると、図1および図8に示すように、レバー3、3
0を介して各反力ピストン51、55に伝達されるアン
カー反力F2 は、てこ比L1 /L2 に低減された値とな
り、前記反力ピストン51、55の受圧径を小さくする
ことができる。
【0023】なお、車両の前進時には、ドラム101が
図中の矢印(イ)方向に回転駆動されるとして、レバー
30は、前進走行時にセカンダリ・シュー10からのア
ンカー反力を反力ピストン55に伝達するものである。
また、レバー3は、後進走行時にセカンダリ・シューと
して機能するプライマリ・シュー1からのアンカー反力
を反力ピストン51に伝達するものである。
【0024】図2に戻って、前記反力ピストン55の基
端部には、第2の圧力室111を前記液通路113に連
通させる液通路55bと、該液通路55bの開閉を前記
入力制御弁54によって行なうための弁座部55cとが
装備されている。前記入力制御弁54は、バルブスプリ
ング56で弁座部55c側に付勢されているが、反力ピ
ストン51、55が非作動位置(クリップ501、51
0に当接している位置)にある時には前記弁座部55c
に着座しないように、前記弁座部55cから適宜距離だ
け離れた位置で入力制御弁54を位置規制するストッパ
(図示略)が装備されている。また、反力ピストン5
1、55相互を付勢しているスプリング52と、入力制
御弁54を付勢しているバルブスプリング56との間に
は、相互のスプリングの干渉を防止するためのスプリン
グシート53が装備されている。
【0025】以上のドラムブレーキ装置100では、非
制動時には、図2及び図3に示すように、一対の反力ピ
ストン51、55は、クリップ501、510によって
位置規制された位置で静止しており、一対の入力ピスト
ン502、520は、各第1の圧力室110に作用して
いるリターンスプリング6、60の付勢力によって、入
力ピストン502、520相互が一番接近した状態にな
っている。また、図3に示すように、各入力ピストン5
02、520の先端部のプラグ2、20は、レバー3、
30の曲面310に当接した状態になっている。
【0026】そして、制動動作が開始されると、図5及
び図6に示すように、マスタシリンダから供給された液
圧が第2の圧力室111、液通路55b、113を経て
第1の圧力室110に供給され、一対の入力ピストン5
02、520を押し出す。押し出された一対の入力ピス
トン502、520は、それぞれプラグ2、20を介し
て各ブレーキシュー1、10の端部を押圧して、各ブレ
ーキシュー1、10をドラム101の内周面に押し付け
る。この制動操作の開始時に、一対の入力ピストン50
2、520が押し出されたときには、図6に示すよう
に、各入力ピストン502、520の先端のプラグ2、
20は、レバー3、30の曲面310から離れた状態に
なる。
【0027】そして、各入力ピストン502、520に
よる押圧によって各ブレーキシュー1、10がドラム1
01の内周面に接触すると、サーボ作用により、ブレー
キシュー1、10がドラムの回転方向(図1、図2、図
5、図7で、矢印(イ)方向)に移動し、セカンダリ・
シュー10からプラグ20を介して入力ピストン520
に作用するアンカー反力が、該入力ピストン520を第
1の圧力室110側に押し戻し、図8に示すように、プ
ラグ20がレバー30の曲面310に当接した状態にな
る。また、このような入力ピストン520の動きに対応
して、入力ピストン502はプラグ2を介してさらにブ
レーキシュー1を押し、入力ピストン502はさらにシ
リンダボディ115から突出した状態になる。
【0028】サーボ作用が大きく、セカンダリ・シュー
10から入力ピストン520に入力するアンカー反力
が、前記反力ピストン51、55が第2の圧力室111
の液圧と、各レバー3、30のてこ比とで決まる反力よ
りも大きくなると、セカンダリ・シュー10からのアン
カー反力によってレバー30が図8に矢印(ロ)で示す
方向に揺動して、反力ピストン55を第2の圧力室11
1側に押し戻す。すると、反力ピストン55の弁座部5
5cに入力制御弁54が着座して、結果的に、第1の圧
力室110に液圧を供給する液通路113が入力制御弁
54によって閉じられた状態になり、第1の圧力室11
0が密封状態に維持されるため、その時のブレーキ力が
維持される。
【0029】この状態で、ブレーキ操作によってマスタ
シリンダからさらに液圧が第2の圧力室111に供給さ
れると、それによって上昇する第2の圧力室111内の
液圧で、反力ピストン55が押し出され、入力制御弁5
4が、反力ピストン55の弁座部55cから離れた状態
になる。従って、入力制御弁54が液通路113を開い
た状態になり、第2の圧力室111内の液圧が第1の圧
力室110側に供給されて、第1の圧力室110内の液
圧が上昇するために、一対の入力ピストン502、52
0はさらにブレーキシュー1、10の押圧力を増大し、
ブレーキ力が強化される。
【0030】以上の実施形態のドラムブレーキ装置10
0は、基本的には、デュオサーボ式のドラムブレーキ装
置であることから、デュオサーボ式が特徴であるブレー
キ効力が高く、駐車ブレーキの組み込みが容易であると
いう長所は、そのまま保有する。
【0031】また、ホイールシリンダ5に工夫が凝らさ
れており、セカンダリ・シュー10のアンカー反力がマ
スタシリンダからの入力に対して所定の倍率に達する
と、レバー30を介してこのアンカー反力を先端に受け
ている反力ピストン55が第2の圧力室111側に変位
して、マスタシリンダから第1の圧力室110への液通
路113を開閉する入力制御弁54を閉じて、プライマ
リ・シュー1やセカンダリ・シュー10を押圧している
一対の入力ピストン502、520に作用している液圧
を一定に保つ。そのため、入力に対して一定倍率のアン
カー反力を安定して得られるようになり、従来のデュオ
サーボ式が保有していたブレーキの効きの安定性が低い
という重大な問題を解消することができる。
【0032】従って、ブレーキ効力が高く、しかも、ブ
レーキの効きの安定性も高く、また、駐車ブレーキの組
み込みも容易であり、マスタシリンダの倍力装置の小型
化等によりブレーキシステムの小型化やコスト低減を図
ることができる。
【0033】なお、前述した構成では、入力制御弁54
が作動するサーボ比は、第2の圧力室111に臨む反力
ピストン51、55の受圧面積と、これらの反力ピスト
ン51、55にアンカー反力を伝えるレバー3、30の
てこ比の変更により任意値に設定することができ、車種
等に応じた制動特性の設計変更にも、簡単に対応するこ
とができる。
【0034】また、レバー3、30は、ブレーキシュー
から入力するアンカー反力を大幅に低減させて各反力ピ
ストン51、55に入力させることができ、換言すれ
ば、前記レバー3、30によるてこ比を適宜に設定する
ことで、第2の圧力室111に臨む反力ピストン51、
55の受圧面積は極めて小さくすることが可能で、該反
力ピストン51、55のコンパクト化により、ホイール
シリンダ5の小型化やブレーキ装置の小型化をより容易
することができる。
【0035】また、前述した構成では、第2の圧力室1
11を挟んで一対の反力ピストン51、55と、これら
反力ピストン51、55に係合するレバー3、30とを
設けて、車両の前後進時においてそれぞれアンカー反力
に対する制動特性が得られる構成としたが、後進時での
サーボ作用を無視するのであれば、反力ピストン51や
レバー3を省略した構成とすることもできる。
【0036】
【発明の効果】本発明のドラムブレーキ装置は、基本的
には、デュオサーボ式のドラムブレーキ装置であること
から、デュオサーボ式が特徴であるブレーキ効力が高
く、駐車ブレーキの組み込みが容易であるという長所
は、そのまま保有する。また、制動動作時に一対のブレ
ーキシューの一方の対向端間を拡開するホイールシリン
ダに工夫が凝らされており、セカンダリ・シューのアン
カー反力がマスタシリンダからの入力に対して所定の倍
率に達すると、レバーを介してこのアンカー反力を先端
に受けている反力ピストンが第2の圧力室側に変位し
て、マスタシリンダから第1の圧力室への液通路を開閉
する入力制御弁を閉じて、プライマリ・シューやセカン
ダリ・シューを押圧している一対の入力ピストンに作用
している液圧を一定に保つ。そのため、入力に対して一
定倍率のアンカー反力を安定して得られるようになり、
従来のデュオサーボ式が保有していたブレーキの効きの
安定性が低いという重大な問題を解消することができ
る。従って、ブレーキ効力が高く、しかも、ブレーキの
効きの安定性も高く、また、駐車ブレーキの組み込みも
容易であり、マスタシリンダの倍力装置の小型化等によ
りブレーキシステムの小型化やコスト低減を図ることが
できる。さらに、本発明のドラムブレーキ装置では、入
力制御弁が作動するサーボ比は、第2の圧力室に臨む反
力ピストンの受圧面積と、これらの反力ピストンにアン
カー反力を伝えるレバーのてこ比の変更により任意値に
設定することができ、車種等に応じた制動特性の設計変
更にも、簡単に対応することができる。また、レバーの
使用により、ブレーキシューから入力するアンカー反力
は大幅に低減させて各反力ピストンに入力させることが
でき、前記レバーによるてこ比を適宜に設定すること
で、第2の圧力室に臨む反力ピストンの受圧面積は極め
て小さくすることが可能で、該反力ピストンのコンパク
ト化により、ホイールシリンダの小型化やブレーキ装置
の小型化をより容易することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るドラムブレーキ装置の一実施形態
でのホイールシリンダの一部を破断した斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態のドラムブレーキ装置にお
ける非作動時の状態を示す正面図である。
【図3】本発明の一実施形態のドラムブレーキ装置にお
ける非作動時の状態におけるホイールシリンダ周辺の外
観を示す一部正面図である。
【図4】本発明の一実施形態のドラムブレーキ装置に使
用されているレバーの正面図である。
【図5】本発明の一実施形態のドラムブレーキ装置にお
ける作動初期の状態を示す正面図である。
【図6】本発明の一実施形態のドラムブレーキ装置にお
ける作動初期の状態におけるホイールシリンダ周辺の外
観を示す一部正面図である。
【図7】本発明の一実施形態のドラムブレーキ装置にお
いてアンカー反力が所定の倍率を超えた状態を示す正面
図である。
【図8】本発明の一実施形態のドラムブレーキ装置にお
いてアンカー反力が所定の倍率を超えた状態におけるホ
イールシリンダ周辺の外観を示す一部正面図である。
【符号の説明】
1 プライマリ・シュー(ブレーキシュー) 2、20 プラグ 3、30 レバー(てこ部材) 4 アジャスタ 5 ホイールシリンダ 6、60 リターンスプリング 10 セカンダリ・シュー(ブレーキシュー) 51、55 反力ピストン 52、57 スプリング 54 入力制御弁 55c 弁座部 100 ドラムブレーキ装置 101 ドラム 102 バッキングプレート 110 第1の圧力室 111 第2の圧力室 113 液通路 115 シリンダボディ 117、118 シール部材 301 反力ピストン連結部 302 脚部 310、311 曲面

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒形のドラム内空間に対向配備される
    プライマリ・シューとセカンダリ・シューとの一対のブ
    レーキシューと、対向するこれらの一対のブレーキシュ
    ーの一方の対向端間に配設されてこれら各ブレーキシュ
    ーを拡開するホイールシリンダと、これらの一対のブレ
    ーキシューの他方の対向端間に配設されてプライマリ・
    シューの出力をセカンダリ・シューに入力するアジャス
    タとを備えたデュオサーボ式のドラムブレーキ装置であ
    って、 前記ホイールシリンダが、 第1の圧力室に臨んで対向配置されて該第1の圧力室に
    供給される液圧によって各ブレーキシューの端部を押圧
    する一対の入力ピストンと、 マスタシリンダからの液圧を受ける第2の圧力室と、 該第2の圧力室内に装備されて前記第1及び第2の圧力
    室相互を連通させている液通路を開閉する常開型の入力
    制御弁と、 前記一対の入力ピストンと並列配置になるように基端側
    を前記第2の圧力室に臨ませて対向配置されて、先端側
    に作用する押圧力が基端側に作用する液圧に対して所定
    の倍率に達すると第2の圧力室側に変位して前記入力制
    御弁を閉じる一対の反力ピストンと、 並列されている前記入力ピストンと前記反力ピストンの
    先端部相互に橋渡しされるように装備されて、前記セカ
    ンダリ・シューから前記入力ピストンに伝達されるアン
    カー反力を所定の比率で低減させて前記反力ピストンの
    先端部に作用させるてこ部材とを具備して構成されたこ
    とを特徴としたドラムブレーキ装置。
JP8276571A 1996-10-18 1996-10-18 ドラムブレーキ装置 Pending JPH10122270A (ja)

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