JPH10182787A - 熱硬化可能な熱可塑性ポリウレタン系球状粉末体、これを用いた樹脂成形品の製造方法、並びにそれを用いた接着剤、コーティング剤、及び塗料 - Google Patents

熱硬化可能な熱可塑性ポリウレタン系球状粉末体、これを用いた樹脂成形品の製造方法、並びにそれを用いた接着剤、コーティング剤、及び塗料

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JPH10182787A
JPH10182787A JP8355045A JP35504596A JPH10182787A JP H10182787 A JPH10182787 A JP H10182787A JP 8355045 A JP8355045 A JP 8355045A JP 35504596 A JP35504596 A JP 35504596A JP H10182787 A JPH10182787 A JP H10182787A
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浩一 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無溶剤系で熱可塑性樹脂並みの優れた成形加
工適性を持ち、熱加工後は架橋構造を形成して二成分型
ポリウレタン系樹脂並みの優れた機械的強度、耐熱性や
耐久性を有し、かつ、遊離のイソシアネートモノマーを
発生しない、環境に優しいポリウレタン系球状粉末体、
及びその新しい用途を提供する。 【解決手段】 分散剤と共に、ウレトジオン基及びイソ
シアヌレート基を有する有機ジイソシアネート変性体を
含有する有機ポリイソシアネートと、数平均分子量18
〜10,000の活性水素基含有化合物とを反応させて
得られる熱可塑性ポリウレタン系球状粉末体である。こ
の球状粉末体は平均粒径1〜500μで、熱硬化可能で
ある。更に、この球状粉末体を用いた樹脂成形品の製造
方法、並びにそれを用いた接着剤、コーティング剤、及
び塗料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆる一液で熱
硬化可能な平均粒径1〜500μの熱可塑性ポリウレタ
ン系球状粉末体、これを含有する粉末体、これらを用い
た樹脂成形品の製造方法、並びにこれらを用いた接着
剤、コーティング剤、及び塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】大気中への有機溶剤の放出の規制(VO
C規制)が世界的に厳しくなってきているため、有機溶
剤を用いない固形樹脂や水系樹脂を用いる接着剤、コー
ティング剤、塗料の要望が高まっている。しかし、市場
の要望を満足する無溶媒のポリウレタン系樹脂は未だ開
発されておらず、その開発が強く要望されている。さら
に、VOC規制を克服するとともに、イソシアネートモ
ノマーの毒性を問題視する動きも見られ、遊離のイソシ
アネートモノマーを含まないポリウレタン系樹脂の開発
も望まれている。その一つの方向として、ポリウレタン
系の熱可塑性樹脂粉末を用いたスラッシュ成形、コ−テ
ィングや、ポリウレタン系熱可塑性フィルムを用いるホ
ットメルトフィルムや、ヒートラミネートタイプの接着
剤が、次第に増加しつつある。
【0003】有機溶剤を用いないポリウレタン系樹脂に
は、二成分型ポリウレタン系樹脂、一液湿気硬化ポリウ
レタン系樹脂、熱可塑性ポリウレタン系樹脂、水系ポリ
ウレタン系樹脂等があり、それぞれ一長一短がある。す
なわち、二成分型ポリウレタン系樹脂は、通常、架橋構
造を持ち耐熱性や耐久性に優れているが、その二成分配
合液は系内のイソシアネート基と活性水素基との反応で
増粘し最後にはゲル化するため、その可使時間に制限が
ある。また、配合時における配合比率に配慮を要する。
一液湿気硬化ポリウレタン系樹脂は、通常、基材又は大
気中の湿気と反応し硬化する工程を経るため、耐熱性等
に優れている。しかし、湿気との反応であるため、反応
が遅く機械的強度の発現性に乏しく、かつ、冬場の低温
低湿度条件と夏場の高温高湿度条件とでは接着性が異な
る等、その接着性が外部条件に左右される欠点がある。
さらに、このタイプは、系内にわずかであるが遊離のイ
ソシアネートモノマーを含有し、コ−ティング時の条件
によっては作業環境を悪くするため、局所排気装置等の
設置が必要な場合が多い。熱可塑性ポリウレタン系樹脂
は、射出成形や押出成形が可能で、作業性に優れてい
る。しかし、これは、高分子量であるために溶融時の粘
度が大きく、流動させるには大きな力が必要であるこ
と、これから得られるフィルムやコーティング層が架橋
構造を持たない熱可塑性のものであるため、その使用温
度が樹脂の軟化温度以下に制限されること、架橋構造を
持たないため耐溶剤性や耐熱性が劣ること等の欠点があ
る。水系ポリウレタン系樹脂も無溶剤系としては注目さ
れているが、コ−ティングした後、有機溶剤より熱容量
の大きい水を取り除く必要があり、有機溶剤系のポリウ
レタン系樹脂より数倍以上の熱エネルギ−を必要とする
こと、また排水処理という別の面での環境問題があるこ
と等の欠点がある。
【0004】次に、粉末ポリウレタン系樹脂の製造方法
に関する従来技術について述べる。一般に、樹脂粉末の
製造方法としては、(1)既に製造されている樹脂を粉
砕する方法、(2)樹脂溶液から樹脂を沈澱させる方
法、及び(3)非水分散重合による方法等が既に報告さ
れている。まず、第一の方法である粉砕法は、粉砕しよ
うとする樹脂が熱可塑性であり、しばしば強靭であるた
め、有効に粉末化するためには、例えば、液体窒素によ
る樹脂の冷却を含むかなり経費のかかる方法が必要であ
る。また、冷凍粉砕では冷凍剤及び粉砕装置が高価であ
ることに加え、粉砕工程でダストが発生するためその補
集装置も必要である。さらに、粉砕された樹脂の形状が
真珠のような球状ではなく、また、大きさも不揃いであ
る。このため、成形の際、フロー性が悪く、また成形時
にボイドが発生しやすい等の問題がある。第二の方法で
ある沈澱法には、既製造済みの樹脂を溶剤に溶解させる
か、溶液中で樹脂を製造する工程、それに続く、溶媒と
は混和するが樹脂は溶解しないか溶解能の小さい、すな
わち貧溶媒を加えることにより起こる沈澱工程、さらに
溶剤の分離回収、沈澱した粉末樹脂の乾燥工程という流
れと、溶液中で樹脂を製造する工程、溶剤を除去する工
程、粉砕工程という流れの二通りの方法がある。前者の
方法は、沈殿工程による粉末化に注意と熟練を必要と
し、後者の方法は、結局は粉砕するので第一の方法と同
じ問題がある。さらに、水系エマルジョンを製造し、こ
のエマルジョンを凝固させて樹脂粉末を製造する方法も
提案されているが、この方法を応用できる樹脂の特性は
限定されている。なお、特開平7−258379号公報
には、第一及び第二の方法によるイソホロンジイソシア
ネートのウレトジオン変性体を用いた粉体塗料組成物が
記載されている。第三の方法である非水分散重合法とし
ては、、界面活性剤、分散剤を用いる粉末ポリウレタン
系樹脂の製造方法が公知である(特公昭57−2948
5号公報、特開平1−245013号公報、特開平2−
6519号公報等参照)。この非水分散重合法は、貧溶
媒中に原料を溶解もしくは分散させ、その後重合反応さ
せる方法である。原料が溶媒に溶解していても、重合反
応後は樹脂が析出することになる。反応後、樹脂と溶媒
とを分離回収、沈澱した粉末樹脂の乾燥工程を経て、粉
末樹脂が得られる。非水分散重合法によって得られる粉
末樹脂は、形状が真珠のような球状であり、また、粒径
分布が狭いという特徴がある。しかし、特公昭57−2
9485号公報及び特開平1−245013号公報記載
の粉末ポリウレタン系樹脂は、単なる熱可塑性樹脂であ
るため、この粉末ポリウレタン系樹脂単独では成形加工
後に架橋構造とはならない。また、特開平2−6519
号公報記載の粉末ポリウレタン系樹脂は、すでに三次元
架橋されたゲルであるため、成形性に乏しい。
【0005】一方、ウレトジオン基を含有するポリウレ
タン樹脂はすでに公知である(Kunststoffhandbuch Vol
ume VII P.17,37(1966) 他)。また、ウレトジオン基を
含有する化合物は、昇温下でウレトジオン基が解離し、
2個のイソシアネート基を再生することも公知である
(J. H. Saunders, K. C. Frisch, Polyurethanes Chem
istry & Technology Part 1, Interscience Publishers
(1962) P113) 。更に、ウレトジオン基含有ポリイソシ
アネート化合物及びその応用に関する技術も公知である
(特公昭57−46447号公報、特開昭58−370
22号公報、特公平1−50265号公報、特開昭63
−265970号公報、特開平2−620号公報等参
照)。粉体塗料、ミラブルゴム硬化剤分野では、ウレト
ジオン化したトリレンジイソシアネートの技術も古くか
ら公知である。また、最近、イソホロンジイソシアネー
ト系、ジフェニルメタンジイソシアネート系のウレトジ
オン基含有ポリウレタン樹脂に関する技術も公知となっ
ている。特開平7−316258号公報には、イソホロ
ンジイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネート
から得られるウレトジオン基含有ポリイソシアネートに
ジオール及び活性水素を一個有する化合物から得られる
ポリウレトジオンを、ポリエステルポリオール、アクリ
ルポリオール、フッ素ポリオールと混合した粉体塗料組
成物が開示されている。しかし、この粉体塗料はウレタ
ン基結合が少ないため、ポリウレタンの特性である耐磨
耗性に乏しいものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの従
来公知技術の問題点を解決して、無溶剤系で熱可塑性樹
脂並みの優れた成形加工適性を持ち、熱加工後は架橋構
造を形成して二成分型ポリウレタン系樹脂並みの優れた
機械的強度、耐熱性や耐久性を有し、かつ、遊離のイソ
シアネートモノマーを発生しない、環境に優しいポリウ
レタン系球状粉末体、及びその新しい用途を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、ウレトジオン基及びイソシアヌレート基
を有する有機ジイソシアネート変性体を含有する有機ポ
リイソシアネートと数平均分子量18〜10,000の
活性水素基含有化合物とを反応させて得られるポリウレ
タン系樹脂、及び分散剤からなることを特徴とする、熱
硬化可能な平均粒径1〜500μの熱可塑性ポリウレタ
ン系球状粉末体である。
【0008】本発明は、分散剤と共に、ウレトジオン基
及びイソシアヌレート基を有する有機ジイソシアネート
変性体を含有する有機ポリイソシアネートと、数平均分
子量18〜10,000の活性水素基含有化合物とを反
応させて得られる、熱硬化可能な平均粒径1〜500μ
の熱可塑性ポリウレタン系球状粉末体である。
【0009】本発明は、分散剤と共にウレトジオン基及
びイソシアヌレート基を有する有機ジイソシアネート変
性体を含有する有機ポリイソシアネートと数平均分子量
18〜10,000の活性水素基含有化合物とを反応さ
せて得られるイソシアネート基末端プレポリマーに、活
性水素基含有化合物を活性水素基過剰の条件で反応させ
て得られる、熱硬化可能な平均粒径1〜500μの熱可
塑性ポリウレタン系球状粉末体である。
【0010】本発明は、前記有機ポリイソシアネート
が、ウレトジオン基及びイソシアヌレート基を有する有
機ジイソシアネート変性体と、これ以外のイソシアネー
ト化合物とを含有する、前記の各々の熱硬化可能な平均
粒径1〜500μの熱可塑性ポリウレタン系球状粉末体
である。
【0011】本発明は、前記の各々の熱硬化可能な平均
粒径1〜500μの熱可塑性ポリウレタン系球状粉末体
と数平均分子量62〜10,000の活性水素基含有化
合物とを、ウレトジオン基/活性水素基=25/100
〜100/100(モル比)となる量で配合してなるこ
とを特徴とする、熱硬化可能な熱可塑性ポリウレタン系
粉末体である。
【0012】本発明は、前記の各々の熱硬化可能な平均
粒径1〜500μの熱可塑性ポリウレタン系球状粉末体
又は前記の熱硬化可能な熱可塑性ポリウレタン系粉末体
と、ウレトジオン基解離触媒とを含有することを特徴と
する、熱硬化可能な熱可塑性ポリウレタン系粉末体であ
る。
【0013】本発明は、前記の各々の熱硬化可能な平均
粒径1〜500μの熱可塑性ポリウレタン系球状粉末体
又は前記の各々の熱硬化可能な熱可塑性ポリウレタン系
粉末体に熱エネルギーを与えて溶融させ、ウレトジオン
基を解離させて、生成するイソシアネート基と活性水素
基との反応によって型中で硬化させることを特徴とす
る、樹脂成形品の製造方法である。
【0014】本発明は、前記の各々の熱硬化可能な平均
粒径1〜500μの熱可塑性ポリウレタン系球状粉末体
又は前記の各々の熱硬化可能な熱可塑性ポリウレタン系
粉末体を含有することを特徴とする接着剤である。
【0015】本発明は、前記の各々の熱硬化可能な平均
粒径1〜500μの熱可塑性ポリウレタン系球状粉末体
又は前記の各々の熱硬化可能な熱可塑性ポリウレタン系
粉末体を含有することを特徴とするコーティング剤であ
る。
【0016】本発明は、前記の各々の熱硬化可能な平均
粒径1〜500μの熱可塑性ポリウレタン系球状粉末体
又は前記の各々の熱硬化可能な熱可塑性ポリウレタン系
粉末体を含有することを特徴とする塗料である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳しく説明
する。なお、本発明の「熱硬化可能な」「熱可塑性ポリ
ウレタン系球状粉末体」とは、ウレトジオン基が解離す
る温度未満では、熱可塑性樹脂のような挙動を示すが、
ウレトジオン基解離温度以上では、熱硬化性樹脂のよう
な挙動を示すものである。すなわち、ウレトジオン基解
離温度を境として、それ以下の温度では、繰り返しの溶
融加工が可能であるが、一旦ウレトジオン基の解離温度
以上になると、三次元架橋反応が起こり、溶融、溶解等
ができなくなる。
【0018】本発明に用いられる有機ポリイソシアネー
トは、ウレトジオン基及びイソシアヌレート基を有する
有機ジイソシアネート変性体と、場合によりこれ以外の
イソシアネート化合物とを含有するものである。この有
機ジイソシアネート変性体は、有機ジイソシアネートを
変性して、分子内にウレトジオン基とイソシアヌレート
基を少なくとも導入した多官能の有機ポリイソシアネー
トである。この有機ジイソシアネートとしては、具体的
には例えば、公知の2,4−トリレンジイソシアネート
(以下2,4−TDIと略称する)、2,6−TDI、
キシリレン−1,4−ジイソシアネート、キシリレン−
1,3−ジイソシアネート、キシリレン−1,2−ジイ
ソシアネート、4,4′−ジフェルメタンジイソシアネ
ート(以下4,4′−MDIと略称する)、2,4′−
MDI、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネー
ト、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソシアネー
ト、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソ
シアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−
4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプ
ロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネ
ート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−
1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイ
ソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,
4′−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、
また、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート(以下HDIと略称する)、3−メ
チル−1,5−ペンタンジイソシアネート、リジンジイ
ソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、また、水素
添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジ
イソシアネート(以下H6 XDIと略称する)、水素添
加ジフェニルメタンジイソシアネート(以下H12MDI
と略称する)、水素添加テトラメチルキシリレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート(以下IPD
Iと略称する)等の脂環族ジイソシアネート、更に、こ
れらの有機ジイソシアネートと後述する低分子ポリオー
ルを反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリ
マーが挙げられる。これらのうちでは、HDI、HDI
と低分子グリコールからなるプレポリマー、H6 XD
I、又はH6 XDIと低分子グリコールからなるプレポ
リマーが、耐候性等に優れているので好ましい。本発明
に用いられる有機ジイソシアネート変性体は、具体的に
は例えば、次のようにして製造することができる。すな
わち、有機ジイソシアネートに公知のウレトジオン化及
びイソシアヌレート化触媒、例えば、トリエチルホスフ
ィン、ジブチルエチルホスフィン、トリ−n−プロピル
ホスフィン、トリアミルホスフィン、トリベンジルホス
フィン等のトリアルキルホスフィン類あるいはピリジン
等の存在下で、通常0〜100℃の反応温度で、好まし
くは30〜80℃で、溶剤不存在下、又はポリウレタン
工業に常用の不活性溶剤の存在下、また場合によって
は、前記反応温度において液状のポリオール類、又はジ
オクチルフタレート等の可塑剤中で反応させる。次い
で、例えば、仕込み時の20〜50モル%のイソシアネ
ート基が反応した時点で、リン酸、パラトルエンスルホ
ン酸メチル、硫黄等の反応停止剤を加えてウレトジオン
化触媒を不活性化し、反応を停止させる。このような方
法によって、ウレトジオン基及びイソシアヌレート基を
有する有機ジイソシアネート変性体、及び原料である有
機ジイソシアネート(モノマー)の混合物が得られる。
この混合物から原料の有機ジイソシアネート(モノマ
ー)を薄膜蒸留等により取り除くことにより、目的のウ
レトジオン基及びイソシアヌレート基を有する有機ジイ
ソシアネート変性体を製造することができる。本発明に
おいては、ウレトジオン基及びイソシアヌレート基を有
する有機ジイソシアネート変性体を用いているため、加
熱成形加工前には、イソシアヌレート基による一部分岐
構造を有し、加熱成形加工後は、加熱溶融と同時にウレ
トジオン基が解離して生成するイソシアネート基と活性
水素基との反応によって、高分子化と架橋構造を導入で
きる。そのため本発明の熱硬化可能な熱可塑性ポリウレ
タン系球状粉末体は、熱可塑性樹脂の特徴である成形加
工性と、熱硬化樹脂の特徴である耐熱性、耐溶剤性等の
耐久性を兼ね備え得るのである。
【0019】本発明において有機ジイソシアネート変性
体に併用することのできるこれ以外のイソシアネート化
合物としては、例えば、先述した有機ジイソシアネート
(モノマー)、ポリメリックMDI、クルードTDIの
ようなポリメリック体類、前記有機ジイソシアネートの
ウレタン変性体、ビュレット変性体、カルボジイミド変
性体等の単独あるいは2種類以上の混合物を挙げること
ができるが、本発明の前記有機ジイソシアネート変性体
の官能基数が2を越えるものであり、併用することので
きるイソシアネート化合物も官能基数が2を越えると、
本発明の球状粉末体の製造時にゲル化しやすくなるの
で、有機ジイソシアネート(モノマー)が好ましい。
【0020】本発明に用いられる数平均分子量18〜1
0,000の活性水素基含有化合物としては、分子中に
2個以上の活性水素基を含有するものが好ましい。具体
的には、高分子ポリオール、低分子ポリオール、高分子
ポリアミン、低分子ポリアミン、アミノアルコール、
水、尿素、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステ
ル樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。また、上記の中
から選択した一種又は二種以上を同時に用いてもよい。
特にポリウレタン工業で公知のポリオ−ル類が適してい
る。このポリオール類としては、本発明に用いる有機ポ
リイソシアネートの官能基数が2以上であることから、
ポリウレタン系樹脂の製造時のゲル化を防ぐため、2官
能の高分子グリコールと低分子グリコールが特に適して
おり、ジアミンやアミノアルコールも好適である。な
お、本発明でいう「数平均分子量」とは、2官能のもの
で値が500以下のもの(水を除く)は、末端基定量法
にて算出したものであり、その他のもの、すなわち、2
官能を越えるもの、末端官能基がないもの、及び値が5
00を越えるものは、ポリスチレン検量線によるゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によ
って得られたものである。
【0021】前記の高分子ポリオールとしては、ポリエ
ステルポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポ
リエーテルポリオール、ポリエーテル・エステルポリオ
ール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポ
リオール等が挙げられ、数平均分子量500〜10,0
00のものが好ましい。ポリエステルポリオール、ポリ
エステルアミドポリオールとしては、例えば、公知のコ
ハク酸、酒石酸、アジピン酸(以下AAと略称する)、
セバシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル
酸(以下iPAと略称する)、ヘキサヒドロテレフタル
酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等のジカルボン酸、それ
らの酸エステル、酸無水物等と、エチレングリコール
(以下EGと略称する)、1,2−プロパンジオール、
1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、
1,3−ブタンジオール(以下1,3−BDと略称す
る)、1,4−BD、1,5−ペンタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール(以下1,6−HDと略称す
る)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール(以下NPGと略称する)、1,8−
オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレ
ングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シ
クロヘキサン−1,4−ジメタノール、ジメチロールヘ
プタン(以下DMHと略称する)、ダイマー酸ジオー
ル、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサント
リオール、クオドロールあるいはビスフェノールAのエ
チレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物等の
数平均分子量62〜500の低分子ポリオール、あるい
はエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサ
メチレンジアミン、キシレンジアミン、イソホロンジア
ミン(以下IPDAと略称する)、ジエチレントリアミ
ン等の数平均分子量62〜500の低分子ポリアミン、
モノエタノールアミン(以下MEAと略称する)等のア
ミノアルコール等の単独、又はこれらの混合物との脱水
縮合反応で得られる化合物が挙げられる。さらに、ε−
カプロラクトン、アルキル置換ε−カプロラクトン、δ
−バレロラクトン、アルキル置換δ−バレロラクトン等
の環状エステル(すなわちラクトン)モノマーの開裂重
合により得られるラクトン系ポリエステルポリオール等
が挙げられる。ポリエーテルポリオールとしては、例え
ば、ポリ(オキシエチレン)ポリオール、ポリ(オキシ
プロピレン)ポリオール、ポリ(オキシテトラメチレ
ン)ポリオール及びこれらのブロック共重合体やランダ
ム共重合体等が挙げられる。ポリエーテル・エステルポ
リオールとしては、例えば、前記のポリエーテルポリオ
ールと前記したジカルボン酸、酸無水物等とから製造さ
れる化合物が挙げられる。ポリカーボネートポリオール
としては、例えば、前述のポリエステルポリオールに用
いた低分子ポリオールとジエチルカーボネート、ジフェ
ニルカーボネート等との反応から得られる化合物が挙げ
られる。ポリオレフィンポリオールとしては、例えば、
水酸基含有ポリブタジエン、水素添加の水酸基含有ポリ
ブタジエン、水酸基含有ポリイソプレン、水素添加の水
酸基含有ポリイソプレン、水酸基含有塩素化ポリプロピ
レン、水酸基含有塩素化ポリエチレン等が挙げられる。
【0022】前記の低分子ポリオールとしては、具体的
には、前記ポリエステルポリオールの原料として挙げた
低分子ポリオール類、すなわち、EG、1,3−プロパ
ンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−B
D、1,5−ペンタンジオール、1,6−HD、3−メ
チル−1,5−ペンタンジオール、NPG、1,8−オ
クタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレン
グリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シク
ロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオー
ル、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサント
リオール、クオドロールあるいはビスフェノールAのエ
チレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物等が
挙げられ、数平均分子量62〜500のものが好まし
い。
【0023】前記の高分子ポリアミンとしては、数平均
分子量500〜10,000のポリエーテルの末端がア
ミノ基となったポリエーテルポリアミン等が挙げられ
る。
【0024】前記の低分子ポリアミンとしては、数平均
分子量62〜500のエチレンジアミン、ヘキサメチレ
ンジアミン、IPDA、ジアミノジフェニルメタン、ジ
アミノジフェニルスルホン等のジアミン、また、ジエチ
レントリアミン等のトリアミン等が挙げられる。
【0025】前記のアミノアルコールとしては、数平均
分子量62〜500のMEA、ジエタノールアミン、N
−メチルジエタノールアミン、N−メチルジプロパノー
ルアミン、N−フェニルジエタノールアミン、N−フェ
ニルジプロパノールアミン等が挙げられる。
【0026】また、前記のエポキシ樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等は、一般にポリ
ウレタン工業において公知の活性水素基を含有するもの
であり、数平均分子量500〜10,000のものが好
ましい。
【0027】本発明に用いられる前記活性水素化合物の
数平均分子量は18〜10,000であるが、特に、6
2〜5,000のものが好ましい。数平均分子量が大き
すぎると、ウレトジオン基、イソシアヌレート基、ウレ
タン基等の導入量が減少して、ポリウレタン系樹脂の強
靭性や強い凝集力が減少し好ましくない。数平均分子量
が小さすぎると、ポリウレタン系樹脂の溶融粘度が大き
くなる傾向がありシャ−プな溶融挙動をとることが難し
く好ましくない。この数平均分子量は用途により適当に
選択する必要があり、耐熱性や凝集エネルギーを高める
には低分子量のものを用いることが好ましい。
【0028】本発明に用いられる分散剤としては、分子
内に活性水素基を含有しているものと含有していないも
のがあり、本発明の熱硬化可能な熱可塑性ポリウレタン
系球状粉末体の構成成分の活性水素基含有化合物を細分
化し貧溶剤中に均一に分散させるため、活性水素基含有
化合物との親和性の高い部分と貧溶剤との親和性の高い
部分が一つの分子中に存在する構造である。本発明にお
いては、球状粉末体の製造条件とその粒径の調節の容易
さの点から、活性水素基を含有する分散剤より、活性水
素基を含有しない分散剤の方が好ましい。この活性水素
基を含有する分散剤としては、活性水素基含有で不飽和
結合を有する有機オリゴマーと、炭素数6以上の側鎖を
もつエチレン性不飽和単量体との反応生成物が好適であ
る。活性水素基を含有しない分散剤としては、(1)活
性水素基非含有で不飽和結合を有する有機オリゴマー
と、炭素数6以上の側鎖をもつエチレン性不飽和単量体
との反応生成物、(2)前記の活性水素基含有分散剤の
活性水素基にフェニルイソシアネート等のモノイソシア
ネート、モノカルボン酸等の活性水素基マスク剤を反応
させて得られる反応生成物が好適である。
【0029】この活性水素基含有で不飽和結合を有する
有機オリゴマーとしては、例えば、グリコール類や二塩
基酸類の一部に不飽和結合含有グリコールあるいは不飽
和結合含有ジカルボン酸を使用して製造したポリエステ
ルポリオール、不飽和結合含有グリコールを出発物質に
用いて製造したポリエーテルポリオール、数平均分子量
2,000以下の水酸基末端のポリエステル、ポリエー
テル、ポリカーボネートなどと不飽和結合含有ジカルボ
ン酸とのエステル化反応によって得られるポリオールな
どの他に、ポリオレフィンポリオールが挙げられる。こ
の不飽和結合含有グリコールの例としては、2−ブテン
−1,4−ジオール、グリセリンモノアリルエーテルな
どが挙げられる。また、不飽和結合含有ジカルボン酸の
例としては、マレイン酸、イタコン酸などが挙げられ
る。活性水素基非含有で不飽和結合を有する有機オリゴ
マーとしては、例えば、前述のポリエステルポリオール
の原料のポリオールとモノオールからなるOH成分と、
前述のポリエステルポリオールの原料の二塩基酸とマレ
イン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和結合含有ジカ
ルボン酸を用いたCOOH成分からなるポリエステル、
ポリエーテルモノオールと不飽和結合含有ジカルボン酸
との脱水反応物や、ポリブタジエン、ポリイソプレンの
ようなジエンモノマーの重合体等が挙げられる。これら
の有機オリゴマーの数平均分子量は500〜10,00
0、特に500〜9,000が好ましい。また、不飽和
結合濃度は有機オリゴマー1分子当たり平均10モル以
下が好ましい。
【0030】炭素数6以上の側鎖をもつエチレン性不飽
和単量体としては、例えば、1−オクテン、1−又は2
−ノネン、1−又は2−デセン、1−又は2−ヘプタデ
セン、2−メチル−1−ノネン、2−メチル−1−デセ
ン、2−メチル−1−ドデセン、2−メチル−1−ヘキ
サデセン、2−メチル−1−ヘブタデセンなどのビニ
ル、プロペニル又はイソプロペニル基含有脂肪族直鎖型
不飽和炭化水素、アクリル酸又はメタクリル酸と2−エ
チルヘキシルアルコール、ヘキシルアルコールなどの炭
素数6以上の脂肪族アルコール又はシクロヘキサノー
ル、ノルボナール、アダマンタノールなどの炭素数6以
上の脂環族アルコールとのエステルなどの他、アクリル
酸とポリカプロラクトンジオールとの反応物、例えば、
ダイセル化学工業製のプラクセル FA−4等が挙げら
れる。
【0031】不飽和結合含有有機オリゴマーとエチレン
性不飽和単量体との反応においては制限は特にはない
が、通常、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニト
リル等のラジカル重合反応における公知の反応開始剤
や、酢酸エチル、シクロヘキサン等の溶剤を用いること
ができる。さらに、不飽和結合を有する有機オリゴマー
と炭素数6以上のエチレン性不飽和単量体との比率は、
有機オリゴマー/エチレン性不飽和単量体=100/2
0〜100/400(重量比)が好ましい。有機オリゴ
マー100重量部に対するエチレン性不飽和単量体の比
率が20重量部未満の場合は、分散剤として十分な性能
が得られない。また400重量部を越える場合は、非水
分散重合の際、反応系における原料分散のバランスが失
われて、分散剤としての効果が十分に発揮できない。
【0032】本発明の熱硬化可能な平均粒径1〜500
μの熱可塑性ポリウレタン系球状粉末体の製造は、有機
ポリイソシアネート、活性水素基含有化合物、及び分散
剤を、イソシアネート基に対して不活性であり、また、
反応生成物に対して不溶である有機媒体中に分散、反応
させることによって行なうことができる(非水分散重合
法)。具体的な反応方法としては、(1)活性水素基非
含有分散剤と高分子量の活性水素基含有化合物と低分子
量の活性水素基含有化合物を一括して有機媒体中に仕込
み、その後有機ポリイソシアネートを仕込んで反応させ
る、(2)活性水素基非含有分散剤と高分子量の活性水
素基含有化合物を一括して有機媒体中に仕込み、その後
有機ポリイソシアネートを仕込んで反応させる、(3)
活性水素基非含有分散剤と高分子量の活性水素基含有化
合物を有機媒体中に仕込み、その後有機ポリイソシアネ
ートを仕込んで反応させてイソシアネート基末端プレポ
リマーを製造し、更に低分子量の活性水素基含有化合物
を仕込んで反応させる、(4)活性水素基非含有分散剤
と高分子量の活性水素基含有化合物と有機ポリイソシア
ネートを有機媒体が存在しない条件で反応させて、イソ
シアネート基末端プレポリマーを製造した後、有機媒体
を仕込んで分散させ、更に低分子量の活性水素基含有化
合物を仕込んで反応させる、(5)活性水素基含有分散
剤と高分子量の活性水素基含有化合物と低分子量の活性
水素基含有化合物を一括して有機媒体中に仕込み、その
後有機ポリイソシアネートを仕込んで反応させる、
(6)活性水素基含有分散剤と高分子量の活性水素基含
有化合物を一括して有機媒体中に仕込み、その後有機ポ
リイソシアネートを仕込んで反応させる、(7)活性水
素基含有分散剤と高分子量の活性水素基含有化合物を有
機媒体中に仕込み、その後有機ポリイソシアネートを仕
込んでイソシアネート基末端プレポリマーを製造し、更
にこれに低分子量の活性水素基含有化合物を加えて反応
させる、(8)活性水素基含有分散剤と高分子量の活性
水素基含有化合物と有機ポリイソシアネートを有機媒体
が存在しない条件で反応させて、イソシアネート基末端
プレポリマーとした後、有機媒体を仕込んで分散させ、
更に低分子量の活性水素基含有化合物を仕込んで反応さ
せる、等の方法がある。なお、ウレタン化触媒の仕込み
はどの時点でも良いが、原料の全量が全て仕込み終わっ
た時点が好ましい。
【0033】この有機媒体としては、前記活性水素基含
有化合物がポリエステル、ポリエーテルのような極性を
待ったものの場合には、n−ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、ドデカン、流動パラフィン等の脂肪族有機媒体、
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等のような脂環
族有機媒体、ジオクチルフタレート等のような可塑剤と
して用いられる有機媒体等のような非極性及び/又は低
極性の有機媒体が挙げられ、前記活性水素基含有化合物
が水酸基含有ポリブタジエン、水酸基含有水素添加ポリ
ブタジエンのような非極性のものの場合には、アセト
ン、メチルエチルケトン等のような極性の有機媒体が挙
げられる。また、生成する球状粉末体の粒径を調節する
には、非極性及び/又は低極性の有機媒体と、極性の有
機媒体を併用することが好ましい。この割合は、活性水
素基含有化合物が極性を持ったものが主体である場合に
は、全有機媒体に対して極性の有機媒体は40重量%以
下が好ましく、活性水素基含有化合物が非極性のものが
主体である場合には、全有機媒体に対して非極性及び/
又は低極性の有機媒体は40重量%以下が好ましい。有
機ポリイソシアネート、活性水素基含有化合物、及び分
散剤からなる分散相の総和量と有機媒体からなる連続相
との重量比は、生産効率、製造コストを考慮すると、分
散相/連続相=10/90〜80/20となる範囲が好
ましく、40/60〜80/20が更に好ましい。
【0034】前記の反応系においてはイソシアネート基
と活性水素基の当量比率は、最終的にイソシアネート基
/活性水素基=50以上で100未満/100の、活性
水素基が過剰となる条件である。反応系中において活性
水素基が過剰であることは、製造された球状粉末体にイ
ソシアネート基が残存せずに活性水素基含有となるのに
必要な条件であり、実際はイソシアヌレート基含量等に
起因する有機ポリイソシアネートの平均官能基数とトリ
オール導入等に起因する活性水素基含有化合物の平均官
能基数によって、反応時にゲル化しない条件を決定し、
この条件を満たすように配合し、かつウレトジオン基が
開裂する温度条件以下に保持し反応させることが重要で
ある。その配合比率はJ.P.Flory、Khun等
が理論的に計算しているゲル化理論に従うが、実際は、
前記成分に含まれる反応基の反応性比を考慮にいれた配
合比で反応させることによって、ゲル化することなく製
造できる。なお、分散剤の配合量は、有機ポリイソシア
ネートと活性水素基含有化合物の総和量に対して0.0
5〜45重量%が好ましく、0.1〜40重量%が特に
好ましい。0.05重量%未満の場合、活性水素基含有
化合物が、反応系中に均一に分散せず、球状の粉末体が
得にくい。45重量%を越える場合、球状粉末体を用い
た成形物や塗膜に、実用に耐えるだけの強度が出にく
い。
【0035】反応温度は、ウレトジオン基が解離しない
温度条件、好ましくは30〜100℃で製造する。反応
装置としては、非水分散重合反応が達成できる、たとえ
ば攪拌装置の付いた反応釜等が挙げられる。また、反応
を早く進めるため、ウレタン化触媒としてポリウレタン
の製造において常用されるジブチルチンジラウレート
(以下DBTDLと略称する)等の金属触媒やトリエチ
ルアミン等の三級アミン触媒等のウレタン化触媒を用い
る事もできる。
【0036】このようにして得られる熱硬化可能な熱可
塑性ポリウレタン系球状粉末体は、濾過又はデカンテー
ションし、次いで常圧又は減圧下で乾燥することによっ
て、分散液から回収される。このポリウレタン系球状粉
末体は水酸基末端であり、樹脂中のウレトジオン基と残
存活性水素基のモル比がウレトジオン基/活性水素基=
25/100〜100/100(モル比)の割合で存在
しているのが最適である。さらに、このポリウレタン系
球状粉末体の形状は真球状で、その平均粒径は1〜50
0μと非常に微細であり、かつ、粒径分布の狭いものと
なる。一般の粉砕法で得られる粉末樹脂の形は角張って
いて、また、粒径分布も大きいものである。本発明の球
状粉末体と、粉砕法で得られた粉末樹脂の流動性を比較
すると、本発明の球状粉末体のほうが格段に優れている
ことがわかる。なお、本発明でいう「平均粒径」は、レ
ーザー式粒度分析計にて測定した粒径分布カーブにおけ
る50%の累積パーセントの値である。
【0037】本発明の熱硬化可能な平均粒径1〜500
μの熱可塑性ポリウレタン系球状粉末体には、更に数平
均分子量62〜10,000の活性水素基含有化合物を
配合して使用することもできる。このポリウレタン系球
状粉末体と追加的に配合され得る活性水素基含有化合物
との活性水素基の合計に対するウレトジオン基のモル比
は、ウレトジオン基/合計活性水素基=25/100〜
100/100が好ましく、特に35/100〜75/
100が好ましい。この活性水素基含有化合物として
は、前記の数平均分子量18〜10,000の活性水素
基含有化合物のうち数平均分子量が62〜10,000
の化合物を使用することができる。
【0038】本発明の熱硬化可能な平均粒径1〜500
μの熱可塑性ポリウレタン系球状粉末体は単独でも、十
分な熱エネルギーを与えると、この球状粉末体中のウレ
トジオン基が解離してイソシアネート基が生成し、系中
の活性水素基と反応して硬化するが、熱エネルギー量を
少なくするために、ウレトジオン基解離触媒を添加する
のが更に好ましい。このウレトジオン基解離触媒として
は、エステル化触媒、エステル交換触媒、ウレタン化触
媒、ブロックイソシアネート解離触媒、イソシアヌレー
ト化触媒として一般に公知のものを含み、例えば、DB
TDL、ジオクチルチンジラウレート等の金属系触媒、
トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、N,N,
N′,N′−テトラメチルプロピレンジアミン、N,
N,N′,N′−テトラキス(2−ヒドロキシプロピ
ル)エチレンジアミン、N−メチルモルホリン、1,2
−ジメチルイミダゾール、1,5−ジアザ−ビシクロ
(4,3,0)ノネン−5、1,8−ジアザ−ビシクロ
(5,4,0)−ウンデセン−7(以下DBUと略称す
る)等のアミン系触媒、これらアミン系触媒のボラン
塩、DBUフェノール塩、DBUオクチル酸塩、DBU
炭酸塩等のアミン塩系触媒、ナフテン酸マグネシウム、
ナフテン酸鉛、酢酸カリウム等のカルボン酸塩系触媒、
トリエチルホスフィン、トリベンジルホスフィン等のホ
スフィン系触媒、ナトリウムメトキシド等のアルコキシ
ド系触媒等が挙げられる。ウレトジオン基解離触媒の添
加量は、熱エネルギーの付与に対するウレトジオン基の
解離効率の点から、本発明の球状粉末体100重量部に
対して0.01〜5重量部が好ましく、特に0.05〜
3重量部が好ましい。
【0039】次に、本発明の樹脂成形品の製造方法につ
いて述べる。本発明の熱硬化可能な熱可塑性ポリウレタ
ン系球状粉末体は、平均粒径が1〜500μの微細な球
状粉末である。このため、エアによる流動性に優れてい
るので、ノズル詰まりしにくく、自動成形加工が容易で
ある。具体的な加工方法としては、プレス成形加工、射
出成形加工、押出成形加工等の加工方法の他、パウダー
ドット加工もできる。プレス成形加工においては、例え
ば、本発明の球状粉末体を型に所定量入れ、一次プレス
(例 120℃、60kgf/cm2 、5分)にて溶融
させ、その後、二次プレス(例 150℃、100kg
f/cm2 、5分)にてウレトジオン基を解離させて、
生成するイソシアネート基と活性水素基とを反応させて
硬化させ、樹脂成形品を得る、といった手順で成形加工
品が得られる。射出成形加工おいては、射出成形機に前
記球状粉末体を仕込み、例えば120℃にて加熱溶融さ
せ、その後、型に打ち込む等で成形品にして、さらに例
えば180℃で後加熱して、ウレトジオン基を解離させ
て、生成するイソシアネート基と活性水素基とを反応さ
せて硬化させ、最終成形品を得る、といった手順で樹脂
成形加工品が得られる。なお、当然のことであるが、成
形時にかける熱エネルギーは、この球状粉末体の分解温
度以上になるまで加えてはならない。成形加工に必要な
具体的な温度範囲は、本発明の球状粉末体の構造、ウレ
トジオン基解離触媒の有無や配合量によって一概に特定
できないが、一般的には80〜250℃が好ましく、更
に100℃〜200℃が好ましい。
【0040】本発明の接着剤、コーティング剤、塗料に
は、本発明の熱硬化可能な熱可塑性ポリウレタン系(球
状)粉末体に、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、顔料、染料、難燃剤、加水分解防止剤、潤滑剤、可
塑剤、充填剤、貯蔵安定剤等の添加剤を適宜配合するこ
とができる。配合方法は、各成分を粉末のままで混合し
ても良いし、(球状)粉末体と各添加剤を溶剤に溶解又
は分散させて混合しても良いし、また、ジオクチルフタ
レート(可塑剤)のように添加剤が溶解性の乏しい液体
の場合は、添加剤に本発明の(球状)粉末体を分散させ
ても良い。配合方法は公知の方法が適用可能であり、配
合装置としてはボールミル、サンドグラインドミル、シ
ェイカー、三本ロール、押出機、ニーダー、エアガン、
攪拌機等を使用することができる。
【0041】本発明の接着剤、コーティング剤、塗料
は、静電気電着、スプレー、溶液にしたものなら刷毛や
ロール等によって塗布し、加温、溶融、硬化して、接着
層、コーティング層、塗装層を形成する。これに最終的
に熱エネルギーを付与してウレトジオン基を解離させ
て、生成するイソシアネート基と活性水素基との鎖延長
及び/又は硬化反応によってポリウレタン系樹脂を形成
し、優れた特性を付与することができるとともに、優れ
た塗布性、加工性も発揮させることができる。なお、本
発明の接着剤、コーティング剤、塗料は、ウレトジオン
基が残存していても定常的に優れた特性を与える場合に
は、ウレトジオン基を完全に解離させなくても良い。
【0042】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の熱硬化可能
な熱可塑性ポリウレタン系球状粉末体は、熱可塑性樹脂
並の成形加工適性を持ち、かつ、熱加工後の成形物は優
れた機械的強度等を発揮した。また、本発明の熱可塑性
ポリウレタン系球状粉末体を用いた接着剤、コーティン
グ剤、塗料は、優れた接着性、塗膜性能を発揮した。
【0043】
【実施例】以下、実施例等により本発明についてさらに
詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定して
解釈されるものではない。以下の実施例等において、
「部」は全て「重量部」を意味し、「%」は全て「重量
%」を意味する。
【0044】〔分散剤の合成に使用する不飽和結合含有
有機オリゴマーの合成〕 合成例1 攪拌機、温度計、留出塔及び窒素ガス導入管のついた反
応器に、1−オクタノール260部、1,4−BD
(1,4−ブタンジオール)761部、無水マレイン酸
196部、AA(アジピン酸)1088部を仕込み、窒
素ガスを流しながら加熱混合した。その後、温度を15
0℃にしてエステル化反応を行い、縮合水を反応系外に
流出させた。縮合水が一旦出なくなったところで、テト
ラブチルチタネートを0.1部添加して、反応温度を徐
々に180℃まで昇温した。温度が180℃に達したと
ころで圧力を徐々に0.1Torrまで下げ、エステル
化反応を進行させた。縮合水が出なくなったところでエ
ステル化反応を終了し、(活性水素基非含有)不飽和結
合含有有機オリゴマーO−1を得た。O−1の数平均分
子量は、GPCによって測定したところ、2,000で
あった。また、ヨウ素価は25.4gI/100gであ
った。
【0045】合成例2 合成例1と同様な装置に、NPG(ネオペンチルグリコ
ール)564部、1,6−HD(1,6−ヘキサンジオ
ール)639部、イタコン酸260部、iPA(イソフ
タル酸)1301部を仕込み、窒素ガスを流しながら加
熱混合した。その後、温度を180℃にしてエステル化
反応を行い、縮合水を反応系外に流出させた。縮合水が
一旦出なくなったところで、テトラブチルチタネートを
0.1部添加して、反応温度を徐々に200℃まで昇温
した。温度が200℃に達したところで圧力を徐々に
0.1Torrまで下げ、エステル化反応を進行させ
た。縮合水が出なくなったところでエステル化反応を終
了し、温度を100℃まで冷却した後、オクタデシルイ
ソシアネートを590部仕込んで反応させ、(活性水素
基非含有)不飽和結合含有有機オリゴマーO−2を得
た。O−2の数平均分子量は3,000、ヨウ素価は1
6.9gI/100gであった。
【0046】合成例3 合成例1と同様な装置に、数平均分子量1,000の
1,4−BDとAAからなるポリエステルジオール(B
A−1000)3,000部と無水マレイン酸196部
を仕込み、窒素ガスを流しながら加熱混合した。その
後、温度を150℃にしてエステル化反応を行い、縮合
水を反応系外に流出させた。縮合水が一旦出なくなった
ところで、テトラブチルチタネートを0.1部添加し
て、反応温度を徐々に180℃にした。温度が180℃
に達したところで圧力を徐々に0.1Torrまで下
げ、エステル化反応を進行させた。縮合水が出なくなっ
たところでエステル化反応を終了し、温度を100℃ま
で冷却した後、フェニルイソシアネートを238部仕込
んで反応させ、(活性水素基非含有)不飽和結合含有有
機オリゴマーO−3を得た。O−3の数平均分子量は
3,400、ヨウ素価は14.9gI/100gであっ
た。
【0047】合成例4 合成例1と同様な装置に、数平均分子量400のメトキ
シポリ(オキシエチレン)グリコール(Me−PEG−
400)800部とイタコン酸130部を仕込み、窒素
ガスを流しながら加熱混合した。その後、温度を150
℃にしてエステル化反応を行い、縮合水を反応系外に流
出させた。縮合水が一旦出なくなったところで、テトラ
ブチルチタネートを0.05部添加して、反応温度を徐
々に180℃にした。温度が180℃に達したところで
圧力を徐々に0.1Torrまで下げ、エステル化反応
を進行させて、(活性水素基非含有)不飽和結合含有有
機オリゴマーO−4を得た。O−4の数平均分子量は8
90、ヨウ素価は28.4gI/100gであった。
【0048】合成例5 合成例3と同様な方法で、表1に示す原料を用いて、
(活性水素基非含有)不飽和結合含有有機オリゴマーO
−5を得た。O−5の数平均分子量は2,480、ヨウ
素価は30.8gI/100gであった。
【0049】合成例6 合成例4と同様な方法で、表1に示す原料を用いて、
(活性水素基非含有)不飽和結合含有有機オリゴマーO
−6を得た。O−6の数平均分子量は8,100、ヨウ
素価は3.14gI/100gであった。
【0050】合成例7 合成例1と同様な装置に、1,6−HD3,705部、
イタコン酸390部、AA4,000部を仕込み、窒素
ガスを流しながら加熱混合した。その後、温度を180
℃にしてエステル化反応を行い、縮合水を反応系外に流
出させた。縮合水が一旦出なくなったところで、テトラ
ブチルチタネートを0.2部添加して、反応温度を徐々
に200℃まで昇温した。温度が200℃に達したとこ
ろで圧力を徐々に0.1Torrまで下げ、エステル化
反応を進行させた。縮合水が出なくなったところでエス
テル化反応を終了して、水酸基及び不飽和結合含有有機
オリゴマーO−7を得た。O−7の数平均分子量は7,
000、水酸基価は16.0mgKOH/g、ヨウ素価
は10.9gI/100gであった。
【0051】合成例8 合成例1と同様な装置に、NPG373部、1,6−H
D424部、無水マレイン酸196部、iPA694部
を仕込み、窒素ガスを流しながら、加熱混合した。その
後、温度を180℃にしてエステル化反応を行い、縮合
水を反応系外に流出させた。縮合水が一旦出なくなった
ところで、テトラブチルチタネートを0.1部添加し
て、反応温度を徐々に200℃まで昇温した。温度が2
00℃に達したところで圧力を徐々に0.1Torrま
で下げ、エステル化反応を進行させた。縮合水が出なく
なったところでエステル化反応を終了して、水酸基及び
不飽和結合含有有機オリゴマーO−8を得た。O−8の
数平均分子量は1,500、水酸基価は74.8mgK
OH/g、ヨウ素価は33.9gI/100gであっ
た。
【0052】合成例9 合成例1と同様な装置に、BA−1000を2,000
部とイタコン酸を130部仕込み、窒素ガスを流しなが
ら、加熱混合した。その後、温度を150℃にしてエス
テル化反応を行い、縮合水を反応系外に流出させた。縮
合水が一旦出なくなったところで、テトラブチルチタネ
ートを0.1部添加して、反応温度を徐々に180℃に
した。温度が180℃に達したところで圧力を徐々に
0.1Torrまで下げ、エステル化反応を進行させ
た。縮合水が出なくなったところでエステル化反応を終
了して、水酸基及び不飽和結合含有有機オリゴマーO−
9を得た。O−9の数平均分子量は2,090、水酸基
価は53.6mgKOH/g、ヨウ素価は12.1gI
/100gであった。
【0053】合成例10 合成例1と同様な装置に、数平均分子量1,000のポ
リ(オキシエチレン)グリコール(PEG−1000)
2,000部と無水マレイン酸98部を仕込み、窒素ガ
スを流しながら、加熱混合した。その後、温度を150
℃にしてエステル化反応を行い、縮合水を反応系外に流
出させた。縮合水が一旦出なくなったところで、テトラ
ブチルチタネートを0.1部添加して、反応温度を徐々
に180℃にした。温度が180℃に達したところで圧
力を徐々に0.1Torrまで下げ、エステル化反応を
進行させて、水酸基及び不飽和結合含有有機オリゴマー
O−10を得た。O−10の数平均分子量は2,08
0、水酸基価は54.0mgKOH/g、ヨウ素価は1
2.2gI/100gであった。
【0054】合成例11 合成例9と同様な方法で、表2に示す原料を用いて、水
酸基及び不飽和結合含有有機オリゴマーO−11を得
た。O−11の数平均分子量は1,690、水酸基価は
66.5mgKOH/g、ヨウ素価は30.1gI/1
00gであった。
【0055】合成例12 合成例10と同様な方法で、表2に示す原料を用いて、
水酸基及び不飽和結合含有有機オリゴマーO−12を得
た。O−12の数平均分子量は7,280、水酸基価は
15.4mgKOH/g、ヨウ素価は3.49gI/1
00gであった。
【0056】O−1〜6の特性とその使用原料をまとめ
て表1に、O−7〜12の特性とその使用原料をまとめ
て表2に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】表1、2において Oct−OH :1−オクタノール HD−PCD−500:1,6−HDとジフェニルカー
ボネートとの脱フェノール反応で得られる、数平均分子
量500で両末端水酸基含有のポリカーボネート HPVM−1202 :数平均分子量4,000で片末
端水酸基含有のポリ(エチレン−ブチレン) HPVM−2202 :数平均分子量3,600で両末
端水酸基含有のポリ(エチレン−ブチレン) MAH :無水マレイン酸 ICA :イタコン酸 TBT :テトラブチルチタネート OdI :オクタデシルイソシアネート PI :フェニルイソシアネート
【0060】〔分散剤の合成〕 合成例13 攪拌機、温度計、滴下ロート、冷却器、窒素導入管、滴
下ロートのついた反応器に、O−1を48部、酢酸ブチ
ルを201部仕込み、窒素ガスを流しながら加熱混合し
た。温度が80℃になったところで、滴下ロートからア
クリル酸シクロヘキシル147部及び過酸化ベンゾイル
6部の溶解混合液を1時間30分かけて滴下した。滴下
終了後、温度を100℃にして2時間反応させ、活性水
素基非含有分散剤D−1を得た。D−1の固形分は、5
0%であった。
【0061】合成例14〜18、20〜26 合成例13と同様な方法で、表3、4に示す原料を用い
て、活性水素基非含有分散剤D−2〜6、及び水酸基含
有分散剤D−8〜14を合成した。
【0062】合成例19 合成例13と同様な装置に、O−6を73部、トルエン
を200部仕込み、窒素ガスを流しながら加熱混合し
た。温度が80℃になったところで、滴下ロートからプ
ラクセル FA−4を104部及び過酸化ベンゾイルを
1部の溶解混合液を1時間30分かけて滴下した。滴下
終了後、温度を100℃にして2時間反応させた。その
後、温度を50℃まで冷却した後、フェニルイソシアネ
ートを22部仕込んで反応させ、活性水素基非含有分散
剤D−7を得た。D−7の固形分は、50%であった。
【0063】D−1〜7の特性とその使用原料をまとめ
て表3に、D−8〜14の特性とその使用原料をまとめ
て表4に示す。
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】表3、表4において ACH :アクリル酸シクロヘキシル MO :メタクリル酸オクチル VL :ビニルラウレート 1−Oct :1−オクテン AEH :アクリル酸2−エチルヘキシル ML :メタクリル酸ラウリル PCL FA−4:プラクセル FA−4 PI :フェニルイソシアネート BPO :過酸化ベンゾイル AIBN :アゾビスイソブチロニトリル
【0067】〔ウレトジオン基及びイソシアヌレート基
を有する有機ジイソシアネート変性体の合成〕 合成例27 攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた反
応器に、HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)
3,000部とウレトジオン化及びイソシアヌレート化
触媒のトリオクチルホスフィン6部を仕込み、攪拌しな
がら65〜70℃に加熱し同温度で6時間反応させた。
次いでリン酸3.5部を加えて反応を停止させて、イソ
シアネート基含量=30.3%の淡黄色の反応生成液を
得た。この反応生成液から、未反応のHDIを120
℃、0.01Torrで薄膜蒸留により除去した。生成
物のイソシアネート基含量=18.7%であり、FT−
IR及びC13−NMRから、この生成物にはイソシアネ
ート基、ウレトジオン基及びイソシアヌレート基が存在
することが確認された。また、この生成物を180℃に
加熱してウレトジオン基を解離させ、当初から存在して
いるイソシアネート基とウレトジオン基が解離して生成
したイソシアネート基の総量を求めたところ、イソシア
ネート基含量=30.8%であり、よって、ウレトジオ
ン基の解離で生成するイソシアネート基含量は12.1
%であった。また、イソシアヌレート基含量=19.2
%であった。このウレトジオン基及びイソシアヌレート
基を有する有機ジイソシアネート変性体をI−1とす
る。
【0068】合成例28 合成例27と同様な装置に、H6 XDI(水素添加キシ
リレンジイソシアネート)3,000部とウレトジオン
化及びイソシアヌレート化触媒のトリオクチルホスフィ
ン6部を仕込み、攪拌しながら65〜70℃に加熱し同
温度で6時間反応させた。次いでリン酸3.5部を加え
て反応を停止させて、イソシアネート基含量=30.3
%の淡黄色の反応生成液を得た。この反応生成液から、
未反応のH6 XDIを140℃、0.01Torrで薄
膜蒸留により除去した。生成物のイソシアネート基含量
=15.2%であり、FT−IR及びC13−NMRか
ら、この生成物にはイソシアネート基、ウレトジオン基
及びイソシアヌレート基が存在することが確認された。
また、この生成物を180℃に加熱してウレトジオン基
を解離させ、当初から存在しているイソシアネート基と
ウレトジオン基が解離して生成したイソシアネート基の
総量を求めたところ、イソシアネート基含量=26.7
%であり、よって、ウレトジオン基の解離で生成するイ
ソシアネート基含量は11.5%であった。また、イソ
シアヌレート基含量=16.6%であった。このウレト
ジオン基及びイソシアヌレート基を有する有機ジイソシ
アネート変性体をI−2とする。
【0069】合成例29 合成例27と同様な装置に、HDI2,739部とDM
H(ジメチロールヘプタン)261部を仕込み、攪拌し
ながら70℃にて4時間反応させて、イソシアネート基
含量=41.1%の反応生成液を得た。次に、ウレトジ
オン化及びイソシアヌレート化触媒のトリオクチルホス
フィン6部を仕込み、攪拌しながら65〜70℃に加熱
し同温度で6時間反応させた。次いでリン酸3.5部を
加えて反応を停止させて、イソシアネート基含量=1
5.4%の淡黄色の反応生成液を得た。この反応生成液
から、未反応のHDIを120℃、0.01Torrで
薄膜蒸留により除去した。生成物のイソシアネート基含
量=15.4%であり、FT−IR及びC13−NMRか
ら、この生成物にはイソシアネート基、ウレトジオン基
及びイソシアヌレート基が存在することが確認された。
また、この生成物を180℃に加熱してウレトジオン基
を解離させ、当初から存在しているイソシアネート基と
ウレトジオン基が解離して生成したイソシアネート基の
総量を求めたところ、イソシアネート基含量=25.3
%であり、よって、ウレトジオン基の解離で生成するイ
ソシアネート基含量は9.9%であった。また、イソシ
アヌレート基含量=15.8%であった。このウレトジ
オン基及びイソシアヌレート基を有する有機ジイソシア
ネート変性体をI−3とする。
【0070】合成例30 合成例27と同様な装置に、H6 XDI2,847部と
NPG153部を仕込み、攪拌しながら70℃にて4時
間反応させたところ、イソシアネート基含量=37.0
%の反応生成液を得た。次に、ウレトジオン化及びイソ
シアヌレート化触媒のトリオクチルホスフィン6部を仕
込み、攪拌しながら65〜70℃に加熱し同温度で6時
間反応させた。次いでリン酸3.5部を加えて反応を停
止させて、イソシアネート基含量=25.9%の淡黄色
の反応生成液を得た。この反応生成液から、未反応のH
6 XDIを140℃、0.01Torrで薄膜蒸留によ
り除去した。生成物のイソシアネート基含量=13.0
%であり、FT−IR及びC13−NMRから、この生成
物にはイソシアネート基、ウレトジオン基及びイソシア
ヌレート基が存在することが確認された。また、この生
成物を180℃に加熱してウレトジオン基を解離させ、
当初から存在しているイソシアネート基とウレトジオン
基が解離して生成したイソシアネート基の総量を求めた
ところ、イソシアネート基含量=22.8%であり、よ
って、ウレトジオン基の解離で生成するイソシアネート
基含量は9.8%であった。また、イソシアヌレート基
含量=14.2%であった。このウレトジオン基及びイ
ソシアヌレート基を有する有機ジイソシアネート変性体
をI−4とする。
【0071】表5にI−1〜4の特性とその使用原料を
示す。
【0072】
【表5】
【0073】〔熱硬化可能な平均粒径1〜500μの熱
可塑性ポリウレタン系球状粉末体の合成〕 実施例1 攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた反
応器に、1,4−BDとAAから得られる数平均分子量
1,000の両末端水酸基含有ポリエステル(BA−1
000)を119.1部、1,4−BDを8.6部、D
−1を20.0部、シクロヘキサンを190.0部仕込
み、40℃にて均一に分散させた。次いで、4,4′−
MDIを39.0部、I−1を23.3部仕込んで均一
に攪拌した後、DBTDL(ジブチルチンジラウレー
ト)を0.02部仕込み、50℃にて4時間反応させ
た。その後、濾過、乾燥させて、熱硬化可能な熱可塑性
ポリウレタン系球状粉末体Pow−1を得た。Pow−
1の平均粒径は120μであった。
【0074】実施例2 実施例1と同様な装置に、1,6−HDとAAから得ら
れる数平均分子量1,000の両末端水酸基含有ポリエ
ステル(HA−1000)を95.5部、D−1を8
0.0部、シクロヘキサンを110.0部仕込み、40
℃にて均一に分散させた。次いで、IPDIを38.2
部、I−2を10.5部仕込んで均一に攪拌した後、D
BTDLを0.02部仕込み、50℃にて2時間反応さ
せて、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー分散
液を得た。次に、アセトンを30.0部仕込み、更にI
PDA(イソホロンジアミン)14.6部、MEA(モ
ノエタノールアミン)1.2部及びイソプロパノール2
0.0部からなるアミン液を仕込んで、さらに4時間反
応させた。その後、デカンテーション、乾燥させて、熱
硬化可能な熱可塑性ポリウレタン系球状粉末体Pow−
2を得た。Pow−2の平均粒径は250μであった。
【0075】実施例3 実施例1と同様な装置に、1,4−BDとAAから得ら
れる両末端水酸基含有で数平均分子量2,000のポリ
エステル(BA−2000)を128.6部、D−2を
4.0部、ノルマルヘキサンを140.0部、酢酸エチ
ルを58.0部仕込み、30〜40℃にて均一に分散さ
せた。次いで、4,4′−MDIを37.4部、I−3
を20.4部仕込んで均一に攪拌した後、DBTDLを
0.02部仕込み、50℃にて2時間反応させて、イソ
シアネート基末端ウレタンプレポリマー分散液を得た。
次に1,3−BDを11.6部仕込み、さらに4時間反
応させた。その後、デカンテーション、乾燥させて、熱
硬化可能な熱可塑性ポリウレタン系球状粉末体Pow−
3を得た。Pow−3の平均粒径は80μであった。
【0076】実施例4〜11、14〜20、比較例1〜
4 実施例1と同様な方法で、表6〜9に示す原料を用い
て、熱硬化可能な熱可塑性ポリウレタン系球状粉末体P
ow−4〜11、14〜24を得た。Pow−4〜1
1、14〜24の平均粒径は、表6〜9に示す通りであ
る。
【0077】実施例12 実施例2と同様な方法で、表7に示す原料を用いて、熱
硬化可能な熱可塑性ポリウレタン系球状粉末体Pow−
12を得た。Pow−12の平均粒径は200μであっ
た。
【0078】実施例13 実施例3と同様な方法で、表8に示す原料を用いて、熱
硬化可能な熱可塑性ポリウレタン系球状粉末体Pow−
13を得た。Pow−13の平均粒径は60μであっ
た。
【0079】表6〜9にPow−1〜24の平均粒径と
その使用原料をまとめて示す。
【0080】
【表6】
【0081】
【表7】
【0082】
【表8】
【0083】
【表9】
【0084】表6〜9において HA−5000 :数平均分子量5,000で両
末端水酸基含有のポリへキシレンアジぺート HiP−1000 :数平均分子量1,000で両
末端水酸基含有のポリへキシレンイソフタレート 3MPA−1000 :数平均分子量1,000で両
末端水酸基含有のポリ(3−メチルペンタン)アジぺー
ト PEG−500 :数平均分子量500のポリ
(オキシエチレン)グリコール PTMG−1000 :数平均分子量1,000のポ
リ(オキシテトラメチレン)グリコール HD−PCD−1000:1,6−HDとジフェニルカ
ーボネートとの脱フェノール反応で得られる、数平均分
子量1,000で両末端水酸基含有のポリカーボネート HPVM−2202 :数平均分子量3,600で両
末端水酸基含有のポリ(エチレン−ブチレン) PPG−2000 :数平均分子量2,000のポ
リ(オキシプロピレン)グリコール
【0085】〔ウレトジオン基解離温度測定〕Pow−
1〜20を加熱セルを用いたFT−IRにより、ウレト
ジオン基の解離温度を測定した。なお、ウレトジオン基
の解離温度は、ウレトジオン基が消失する温度である。
測定結果をまとめて表10に示す。 昇温速度:10℃/分
【0086】〔溶融温度の測定〕Pow−1〜20を示
差走査熱量測定(DSC測定)により、溶融温度を測定
した。測定結果をまとめて表10に示す。 昇温速度:10℃/分
【0087】
【表10】
【0088】実施例21 100部のPow−1に対してエピコート1002(水
酸基含有ビスフェノールA系粉末エポキシ樹脂)10部
をシェイカ−にてよく混合して、Pow−25を得た。
【0089】実施例22〜26、比較例5〜8 実施例21において、Pow−1の代わりにPow−
2、3、11〜13、21〜24を用いて、同様にして
Pow−26〜34を得た。
【0090】実施例27 100部のPow−1に対してDBUのフェノール塩1
部をシェイカ−にてよく混合して、Pow−35を得
た。
【0091】実施例28〜32、比較例9〜12 実施例27において、Pow−1の代わりにPow−
2、3、11〜13、21〜24を用いて、同様にして
Pow−36〜44を得た。
【0092】〔熱硬化可能な熱可塑性ポリウレタン系球
状粉末体を用いた成形品の製造〕 実施例33〜50、比較例13〜24 Pow−1〜3、11〜13、21〜44をプレス成形
によって、厚さ1mmのシートを製造した。プレス成形
条件は、以下に示す通りである。 プレス成形条件 一次プレス:120℃、60kgf/cm2 、5分 二次プレス:150℃、100kgf/cm2 、5分 得られたシートについて、JIS K−6301の従っ
て引張強度と伸びを測定した。測定結果をまとめて表1
1に示す。
【0093】
【表11】
【0094】〔熱硬化可能な熱可塑性ポリウレタン系球
状粉末体を含有する接着剤の評価〕 実施例51 Pow−1を綿の布に塗布量:5g/m2 になるように
適用し、ポリエステルの布に貼り合わせた後、フラット
プレス機にて、150℃、3kgf/cm2 、10秒の
条件で圧着した。その後、サンプルを1インチ幅にカッ
トして接着サンプルAD−1を得た。
【0095】実施例52、53、比較例25〜27 実施例51において、Pow−1の代わりにPow−2
5、35、21、31、41を用いて、同様にしてAD
−2〜6を得た。
【0096】AD−1〜6を引張速度200mm/分に
て、180°剥離試験を行った。測定結果をまとめて表
12に示す。
【0097】
【表12】
【0098】〔熱硬化可能な熱可塑性ポリウレタン系球
状粉末体を含有するコーティング剤の評価〕 実施例54 30部のPow−1をメチルエチルケトン/トルエン=
2/1(重量比)の混合溶剤70部に溶解させた。この
樹脂溶液をリン酸亜鉛処理した鋼板にドライで20μ厚
になるように塗布した。塗布した後、80℃で1分加温
した後、150℃にて2時間硬化させ、コーティングサ
ンプルCO−1を得た。
【0099】実施例55、56、比較例28〜30 実施例54において、Pow−1の代わりにPow−2
5、35、21、31、41を用いて、同様にしてCO
−2〜6を得た。
【0100】CO−1〜6をメチルエチルケトンで湿ら
せた脱脂綿にて20回擦り付け、表面状態を観察した
(ラビングテスト)。測定結果をまとめて表13に示
す。
【0101】
【表13】
【0102】表13において ○:表面が、ほとんど荒れていない。 ×:表面が溶剤に侵され、白化や割れ等が認められる。
【0103】〔熱硬化可能な熱可塑性ポリウレタン系球
状粉末体を含有する塗料の評価〕 実施例57 Pow−1を用いて粉体クリヤー塗料としての性能を評
価した。Pow−1をスプレーガン式静電塗装機によ
り、リン酸亜鉛処理した鋼板に吹き付け、180℃にて
1時間焼き付け、サンプルが室温になるまで冷えた後、
そのまま24時間放置して、塗膜厚30μの塗装サンプ
ルPA−1を得た。
【0104】実施例58、59、比較例31〜33 実施例57において、Pow−1の代わりにPow−2
5、35、21、31、41を用いて、同様にしてPA
−2〜6を得た。
【0105】PA−1〜6を、JIS K−5400の
碁盤目剥離試験により評価した。測定結果をまとめて表
14に示す。
【0106】
【表14】

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウレトジオン基及びイソシアヌレート基
    を有する有機ジイソシアネート変性体を含有する有機ポ
    リイソシアネートと数平均分子量18〜10,000の
    活性水素基含有化合物とを反応させて得られるポリウレ
    タン系樹脂、及び分散剤からなることを特徴とする、熱
    硬化可能な平均粒径1〜500μの熱可塑性ポリウレタ
    ン系球状粉末体。
  2. 【請求項2】 分散剤と共に、ウレトジオン基及びイソ
    シアヌレート基を有する有機ジイソシアネート変性体を
    含有する有機ポリイソシアネートと、数平均分子量18
    〜10,000の活性水素基含有化合物とを反応させて
    得られる、熱硬化可能な平均粒径1〜500μの熱可塑
    性ポリウレタン系球状粉末体。
  3. 【請求項3】 分散剤と共にウレトジオン基及びイソシ
    アヌレート基を有する有機ジイソシアネート変性体を含
    有する有機ポリイソシアネートと数平均分子量18〜1
    0,000の活性水素基含有化合物とを反応させて得ら
    れるイソシアネート基末端プレポリマーに、活性水素基
    含有化合物を活性水素基過剰の条件で反応させて得られ
    る、熱硬化可能な平均粒径1〜500μの熱可塑性ポリ
    ウレタン系球状粉末体。
  4. 【請求項4】 前記有機ポリイソシアネートが、ウレト
    ジオン基及びイソシアヌレート基を有する有機ジイソシ
    アネート変性体と、これ以外のイソシアネート化合物と
    を含有する、請求項1、2、又は3に記載の熱硬化可能
    な平均粒径1〜500μの熱可塑性ポリウレタン系球状
    粉末体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱
    硬化可能な平均粒径1〜500μの熱可塑性ポリウレタ
    ン系球状粉末体と数平均分子量62〜10,000の活
    性水素基含有化合物とを、ウレトジオン基/活性水素基
    =25/100〜100/100(モル比)となる量で
    配合してなることを特徴とする、熱硬化可能な熱可塑性
    ポリウレタン系粉末体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱
    硬化可能な平均粒径1〜500μの熱可塑性ポリウレタ
    ン系球状粉末体又は請求項5に記載の熱硬化可能な熱可
    塑性ポリウレタン系粉末体と、ウレトジオン基解離触媒
    とを含有することを特徴とする、熱硬化可能な熱可塑性
    ポリウレタン系粉末体。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱
    硬化可能な平均粒径1〜500μの熱可塑性ポリウレタ
    ン系球状粉末体又は請求項5あるいは6に記載の熱硬化
    可能な熱可塑性ポリウレタン系粉末体に熱エネルギーを
    与えて溶融させ、ウレトジオン基を解離させて、生成す
    るイソシアネート基と活性水素基との反応によって型中
    で硬化させることを特徴とする、樹脂成形品の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱
    硬化可能な平均粒径1〜500μの熱可塑性ポリウレタ
    ン系球状粉末体又は請求項5あるいは6に記載の熱硬化
    可能な熱可塑性ポリウレタン系粉末体を含有することを
    特徴とする接着剤。
  9. 【請求項9】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱
    硬化可能な平均粒径1〜500μの熱可塑性ポリウレタ
    ン系球状粉末体又は請求項5あるいは6に記載の熱硬化
    可能な熱可塑性ポリウレタン系粉末体を含有することを
    特徴とするコーティング剤。
  10. 【請求項10】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の
    熱硬化可能な平均粒径1〜500μの熱可塑性ポリウレ
    タン系球状粉末体又は請求項5あるいは6に記載の熱硬
    化可能な熱可塑性ポリウレタン系粉末体を含有すること
    を特徴とする塗料。
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