JPH10182560A - ナフタレン化合物、液晶組成物および液晶素子 - Google Patents

ナフタレン化合物、液晶組成物および液晶素子

Info

Publication number
JPH10182560A
JPH10182560A JP8343690A JP34369096A JPH10182560A JP H10182560 A JPH10182560 A JP H10182560A JP 8343690 A JP8343690 A JP 8343690A JP 34369096 A JP34369096 A JP 34369096A JP H10182560 A JPH10182560 A JP H10182560A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
liquid crystal
compound
crystal composition
phase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8343690A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3832912B2 (ja
Inventor
Yoshiyuki Totani
由之 戸谷
Tsutomu Ishida
努 石田
Hiroe Kayashima
広枝 茅島
Masakatsu Nakatsuka
正勝 中塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP34369096A priority Critical patent/JP3832912B2/ja
Publication of JPH10182560A publication Critical patent/JPH10182560A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3832912B2 publication Critical patent/JP3832912B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Liquid Crystal Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 一般式(1)で表される化合物、該化合
物を含有する液晶組成物および該組成物を使用する液晶
素子。 【効果】 本発明のナフタレン化合物は、液晶組成物の
構成成分として有用な化合物であり、この化合物を含有
する液晶組成物は、広い温度範囲の液晶相と改善された
チルト角などの優れた性能を有し、該組成物を使用した
優れた性能を有する液晶素子を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なナフタレン
化合物に関する。さらに詳しくは、液晶表示素子などに
用いる液晶組成物の成分として有用な新規なナフタレン
化合物、該液晶化合物を含有する液晶組成物および該液
晶組成物を使用した液晶素子に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、液晶表示素子としては、TN(ツ
イステッド・ネマチック)型表示方式が最も広汎に使用
されている。このTN型表示方式は、応答時間の点にお
いて、発光型素子(陰極管、エレクトロルミネッセン
ス、プラズマディスプレイ等)と比較して劣っている。
ねじれ角を180〜270゜にしたSTN(スーパー・
ツイステッド・ネマチック)型表示素子も開発されてい
るが、応答時間はやはり劣っている。この様に種々の改
善の努力が行われているが、応答時間の短いTN型表示
素子は実現には到っていない。しかしながら、近年、盛
んに研究が進められている強誘電性液晶を用いる新しい
表示方式に於いては、著しい応答時間の改善の可能性が
ある〔N.A.Clarkら;Applied Phys.lett.,36,899(198
0)〕。この方式は、強誘電性を示すカイラルスメクチッ
クC相等のカイラルスメクチック相を利用する方法であ
る。強誘電性を示す相はカイラルスメクチックC相のみ
ではなく、カイラルスメクチックF、G、H、I等の相
が強誘電性を示す強誘電性液晶相であることが知られて
いる。これらのスメクチック液晶相は、チルト系のカイ
ラルスメクチック相に属するものであるが、実用的に
は、その中で低粘性であるカイラルスメクチックC相が
好ましい。カイラルスメクチックC相を示す液晶化合物
は、これまでにも種々検討されており、既に数多くの化
合物が探索、製造されてきた。しかしながら、実際に使
用する強誘電性液晶表示素子に応用する際に求められる
数多くの特性(高速応答性、配向性、高いコントラスト
比、メモリー安定性、さらにこれらの諸特性の温度依存
性等)を最適化するためには、現在のところ、1つの化
合物では応じられず、いくつかの液晶化合物を混合して
得られる強誘電性液晶組成物を使用している。また、強
誘電性液晶組成物としては、強誘電性液晶相を示す化合
物のみからなる強誘電性液晶組成物ばかりでなく、特開
昭61ー195187号公報には非カイラルなスメクチ
ックC相を示す化合物または組成物を基本物質として、
これに強誘電性液晶相を示す一種または複数の化合物を
混合して全体を強誘電性液晶組成物として得ることが報
告されている。さらにスメクチックC相等の相を示す化
合物または組成物を基本物質として、光学活性ではある
が、強誘電性液晶相は示さない一種または複数の化合物
を混合して全体を強誘電性液晶組成物とする報告も見受
けられる(Mol.Cryst.Liq.Cryst.,89,327(1982))。
【0003】これらのことをまとめると強誘電性液晶相
を示すか否かに係わらず光学活性である化合物の一種ま
たは複数と、非カイラルな、スメクチックC相等の相を
示す化合物を混合することにより強誘電性液晶組成物を
構成できることが判る。このように液晶組成物の構成成
分としては、種々の化合物を使用することが可能である
が、実用的には室温を含む広い温度範囲でスメクチック
C相またはカイラルスメクチックC相を呈する液晶化合
物もしくは混合物が望ましい。これらのスメクチックC
液晶組成物の成分としては、フェニルベンゾエート系液
晶化合物、ビフェニル系液晶化合物、フェニルピリミジ
ン系液晶化合物およびトラン系液晶化合物などが知られ
ている。しかし、これらの化合物を構成成分とする液晶
組成物も、まだ充分な特性を備えているとは言いがた
い。例えば、上記の液晶化合物を使用した場合、スメク
チックC相において層構造がブックシェルフ構造となら
ず、層が「く」の字型に折れ曲がったシェブロン構造と
なるため、配向欠陥が生じコントラスト比が低下した
り、電界に対する自発分極の応答が効率的に行われず応
答速度の低下が生じたりする問題点があった。スメクチ
ックC相での層構造をブックシェルフまたは疑似ブック
シェルフにするためにナフタレン骨格を有する化合物を
使用することが開示されている(特開平6−12287
5号公報)。しかしながらナフタレン骨格を有する化合
物は、比較的融点が高い化合物が多く、ナフタレン化合
物のみで室温を含む広い温度範囲でスメクチックC相を
示す液晶組成物を調製することが困難であったため、フ
ェニルベンゾエート系液晶化合物等を混合して広い温度
範囲のスメクチックC相を示す液晶組成物が調製されて
いた。そのため現在では、スメクチックC相においてブ
ックシェルフまたは疑似ブックシェルフ層構造を示し、
且つ融点が低いナフタレン化合物を用いて、室温を含む
広い温度範囲でスメクチックC相を示す液晶組成物を調
製することが望まれている。また、ナフタレン化合物と
フェニルベンゾエート系液晶化合物を混合して調製され
た液晶組成物は、チルト角が18°程度(最適値は2
2.5°)と若干低く、高いコントラスト比の液晶素子
を得るためにチルト角の改善が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、強誘
電性液晶素子の実用化のために、スメクチックC相にお
いて、ブックシェルフまたは疑似ブックシェルフ層構造
を示し、且つ室温を含む広い温度範囲でスメクチックC
相を示す、チルト角の改善されたナフタレン系液晶組成
物を調製する際に有用なナフタレン化合物および該化合
物を含有してなる液晶組成物、該組成物を使用した液晶
素子を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を行った結果、ある種のナフ
タレン化合物を見出し、本発明に到達した。すなわち、
本発明は一般式(1)(化2)で表されるナフタレン化
合物に関するものである。また、一般式(1)で表され
るナフタレン化合物を少なくとも1種含有することを特
徴とする液晶組成物、該組成物を使用することを特徴と
する液晶素子に関するものである。
【0006】
【化2】 〔式中、R1およびR2は不斉炭素を含有しないハロゲン
原子で置換されていてもよい炭素数1〜24の直鎖また
は分岐鎖のアルキル基または炭素数2〜24の直鎖また
は分岐鎖のアルコキシアルキル基を表し、Yは単結合ま
たは−O−基を表し、mは1または2を表し、nは1〜
3の整数を表し、Arは置換基を有していてもよい1,
4−フェニレン基、4,4’−ビフェニレン基、2,6
−ナフチレン基を表し、C*は不斉炭素を表す〕
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明に関し詳細に説明す
る。本発明の一般式(1)で表されるナフタレン化合物
において、R1およびR2は不斉炭素を含有しないハロゲ
ン原子で置換されていてもよい炭素数1〜24の直鎖ま
たは分岐鎖のアルキル基、あるいは炭素数2〜24の直
鎖または分岐鎖のアルコキシアルキル基を表す。R1
よびR2は、好ましくは、不斉炭素を含有しないハロゲ
ン原子で置換されていてもよい炭素数4〜22の直鎖ま
たは分岐鎖のアルキル基、あるいはアルコキシアルキル
基であり、より好ましくは、不斉炭素を含有しない炭素
数5〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基、あるいは
アルコキシアルキル基である。
【0008】R1およびR2で表される基の具体例として
は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n
−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘ
プチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル
基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシ
ル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−
ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシ
ル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、n−ヘネ
イコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、n−
テトラコシル基、1−メチルエチル基、1,1−ジメチ
ルエチル基、1−エチルプロピル基、1−n−プロピル
ブチル基、1−n−ブチルペンチル基、1−n−ペンチ
ルヘキシル基、1−n−ヘキシルヘプチル基、1−n−
ヘプチルオクチル基、1−n−オクチルノニル基、1−
n−ノニルデシル基、2−メチルプロピル基、2−エチ
ルブチル基、2−n−プロピルペンチル基、2−n−ブ
チルヘキシル基、2−n−ペンチルヘプチル基、2−n
−ヘキシルオクチル基、2−n−ヘプチルノニル基、2
−n−オクチルデシル基、2,2−ジメチルプロピル
基、3−メチルブチル基、3−エチルペンチル基、3−
n−プロピルヘキシル基、3−n−ブチルヘプチル基、
3−n−ペンチルオクチル基、3−n−ヘキシルノニル
基、3−n−ヘプチルデシル基、4−メチルペンチル
基、4−エチルヘキシル基、4−n−プロピルヘプチル
基、4−n−ブチルオクチル基、4−n−ペンチルノニ
ル基、4−n−ヘキシルデシル基、5−メチルヘキシル
基、5−エチルヘプチル基、5−n−プロピルオクチル
基、5−n−ブチルノニル基、5−n−ペンチルデシル
基、6−メチルヘプチル基、6−エチルオクチル基、6
−n−プロピルノニル基、6−n−ブチルデシル基、7
−メチルオクチル基、7−エチルノニル基、7−n−プ
ロピルデシル基等のアルキル基、
【0009】2−フルオロエチル基、3−フルオロ−n
−プロピル基、4−フルオロ−n−ブチル基、5−フル
オロ−n−ペンチル基、6−フルオロ−n−ヘキシル
基、2−クロロエチル基、3−クロロ−n−プロピル
基、4−クロロ−n−ブチル基、5−クロロ−n−ペン
チル基、6−クロロ−n−ヘキシル基、トリフルオロメ
チル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロ−n−プ
ロピル基、パーフルオロ−n−ブチル基、パーフルオロ
−n−ペンチル基、パーフルオロ−n−ヘキシル基、パ
ーフルオロ−n−ヘプチル基、パーフルオロ−n−オク
チル基、パーフルオロ−n−ノニル基、パーフルオロ−
n−デシル基、パーフルオロ−n−ウンデシル基、パー
フルオロ−n−ドデシル基、パーフルオロ−n−テトラ
デシル基、1,1−ジヒドロパーフルオロエチル基、
1,1−ジヒドロパーフルオロ−n−プロピル基、1,
1−ジヒドロパーフルオロ−n−ブチル基、1,1−ジ
ヒドロパーフルオロ−n−ペンチル基、1,1−ジヒド
ロパーフルオロ−n−ヘキシル基、1,1−ジヒドロパ
ーフルオロ−n−ヘプチル基、1,1−ジヒドロパーフ
ルオロ−n−オクチル基、1,1−ジヒドロパーフルオ
ロ−n−ノニル基、1,1−ジヒドロパーフルオロ−n
−デシル基、1,1−ジヒドロパーフルオロ−n−ウン
デシル基、1,1−ジヒドロパーフルオロ−n−ドデシ
ル基、1,1−ジヒドロパーフルオロ−n−テトラデシ
ル基、1,1−ジヒドロパーフルオロ−n−ペンタデシ
ル基、1,1−ジヒドロパーフルオロ−n−ヘキサデシ
ル基、1,1,2−トリヒドロパーフルオロエチル基、
1,1,3−トリヒドロパーフルオロ−n−プロピル
基、1,1,4−トリヒドロパーフルオロ−n−ブチル
基、1,1,5−トリヒドロパーフルオロ−n−ペンチ
ル基、1,1,6−トリヒドロパーフルオロ−n−ヘキ
シル基、1,1,7−トリヒドロパーフルオロ−n−ヘ
プチル基、1,1,8−トリヒドロパーフルオロ−n−
オクチル基、1,1,9−トリヒドロパーフルオロ−n
−ノニル基、1,1,11−トリヒドロパーフルオロ−
n−ウンデシル基、
【0010】2−(パーフルオロエチル)エチル基、2
−(パーフルオロ−n−プロピル)エチル基、2−(パ
ーフルオロ−n−ブチル)エチル基、2−(パーフルオ
ロ−n−ペンチル)エチル基、2−(パーフルオロ−n
−ヘキシル)エチル基、2−(パーフルオロ−n−ヘプ
チル)エチル基、2−(パーフルオロ−n−オクチル)
エチル基、2−(パーフルオロ−n−デシル)エチル
基、2−(パーフルオロ−n−ノニル)エチル基、2−
(パーフルオロ−n−ドデシル)エチル基、2−トリフ
ルオロメチルプロピル基、3−(パーフルオロ−n−プ
ロピル)プロピル基、3−(パーフルオロ−n−ブチ
ル)プロピル基、3−(パーフルオロ−n−ヘキシル)
プロピル基、3−(パーフルオロ−n−ヘプチル)プロ
ピル基、3−(パーフルオロ−n−オクチル)プロピル
基、3−(パーフルオロ−n−デシル)プロピル基、3
−(パーフルオロ−n−ドデシル)プロピル基、4−
(パーフルオロエチル)ブチル基、4−(パーフルオロ
−n−プロピル)ブチル基、4−(パーフルオロ−n−
ブチル)ブチル基、4−(パーフルオロ−n−ペンチ
ル)ブチル基、4−(パーフルオロ−n−ヘキシル)ブ
チル基、4−(パーフルオロ−n−ヘプチル)ブチル
基、4−(パーフルオロ−n−オクチル)ブチル基、4
−(パーフルオロ−n−デシル)ブチル基、5−(パー
フルオロ−n−プロピル)ペンチル基、5−(パーフル
オロ−n−ブチル)ペンチル基、5−(パーフルオロ−
n−ペンチル)ペンチル基、5−(パーフルオロ−n−
ヘキシル)ペンチル基、5−(パーフルオロ−n−ヘプ
チル)ペンチル基、5−(パーフルオロ−n−オクチ
ル)ペンチル基、6−(パーフルオロエチル)ヘキシル
基、6−(パーフルオロ−n−プロピル)ヘキシル基、
6−(パーフルオロ−n−ブチル)ヘキシル基、6−
(パーフルオロ−n−ヘキシル)ヘキシル基、6−(パ
ーフルオロ−n−ヘプチル)ヘキシル基、6−(パーフ
ルオロ−n−オクチル)ヘキシル基、7−(パーフルオ
ロエチル)ヘプチル基、7−(パーフルオロ−n−プロ
ピル)ヘプチル基、7−(パーフルオロ−n−ブチル)
ヘプチル基、7−(パーフルオロ−n−ペンチル)ヘプ
チル基等のハロゲン原子で置換されたアルキル基、
【0011】メトキシメチル基、2−メトキシエチル
基、3−メトキシプロピル基、4−メトキシブチル基、
5−メトキシペンチル基、6−メトキシヘキシル基、7
−メトキシヘプチル基、8−メトキシオクチル基、9−
メトキシノニル基、10−メトキシデシル基、エトキシ
メチル基、2−エトキシエチル基、3−エトキシプロピ
ル基、4−エトキシブチル基、5−エトキシペンチル
基、6−エトキシヘキシル基、7−エトキシヘプチル
基、8−エトキシオクチル基、9−エトキシノニル基、
10−エトキシデシル基、n−プロピルオキシメチル
基、2−n−プロピルオキシエチル基、3−n−プロピ
ルオキシプロピル基、4−n−プロピルオキシブチル
基、5−n−プロピルオキシペンチル基、6−n−プロ
ピルオキシヘキシル基、7−n−プロピルオキシヘプチ
ル基、8−n−プロピルオキシオクチル基、9−n−プ
ロピルオキシノニル基、10−n−プロピルオキシデシ
ル基、n−ブチルオキシメチル基、2−n−ブチルオキ
シエチル基、3−n−ブチルオキシプロピル基、4−n
−ブチルオキシブチル基、5−n−ブチルオキシペンチ
ル基、6−n−ブチルオキシヘキシル基、7−n−ブチ
ルオキシヘプチル基、8−n−ブチルオキシオクチル
基、9−n−ブチルオキシノニル基、10−n−ブチル
オキシデシル基、n−ペンチルオキシメチル基、2−n
−ペンチルオキシエチル基、3−n−ペンチルオキシプ
ロピル基、4−n−ペンチルオキシブチル基、5−n−
ペンチルオキシペンチル基、6−n−ペンチルオキシヘ
キシル基、7−n−ペンチルオキシヘプチル基、8−n
−ペンチルオキシオクチル基、9−n−ペンチルオキシ
ノニル基、10−n−ペンチルオキシデシル基、n−ヘ
キシルオキシメチル基、2−n−ヘキシルオキシエチル
基、3−n−ヘキシルオキシプロピル基、4−n−ヘキ
シルオキシブチル基、5−n−ヘキシルオキシペンチル
基、6−n−ヘキシルオキシヘキシル基、7−n−ヘキ
シルオキシヘプチル基、8−n−ヘキシルオキシオクチ
ル基、9−n−ヘキシルオキシノニル基、10−n−ヘ
キシルオキシデシル基、n−ヘプチルオキシメチル基、
2−n−ヘプチルオキシエチル基、3−n−ヘプチルオ
キシプロピル基、4−n−ヘプチルオキシブチル基、5
−n−ヘプチルオキシペンチル基、6−n−ヘプチルオ
キシヘキシル基、7−n−ヘプチルオキシヘプチル基、
8−n−ヘプチルオキシオクチル基、9−n−ヘプチル
オキシノニル基、10−n−ヘプチルオキシデシル基、
【0012】オクチルオキシメチル基、2−n−オクチ
ルオキシエチル基、3−n−オクチルオキシプロピル
基、4−n−オクチルオキシブチル基、5−n−オクチ
ルオキシペンチル基、6−n−オクチルオキシヘキシル
基、7−n−オクチルオキシヘプチル基、8−n−オク
チルオキシオクチル基、9−n−オクチルオキシノニル
基、10−n−オクチルオキシデシル基、n−ノニルオ
キシメチル基、2−n−ノニルオキシエチル基、3−n
−ノニルオキシプロピル基、4−n−ノニルオキシブチ
ル基、5−n−ノニルオキシペンチル基、6−n−ノニ
ルオキシヘキシル基、7−n−ノニルオキシヘプチル
基、8−n−ノニルオキシオクチル基、9−n−ノニル
オキシノニル基、10−n−ノニルオキシデシル基、n
−デシルオキシメチル基、2−n−デシルオキシエチル
基、3−n−デシルオキシプロピル基、4−n−デシル
オキシブチル基、5−n−デシルオキシペンチル基、6
−n−デシルオキシヘキシル基、7−n−デシルオキシ
ヘプチル基、8−n−デシルオキシオクチル基、9−n
−デシルオキシノニル基、10−n−デシルオキシデシ
ル基、2−n−ウンデシルオキシエチル基、4−n−ウ
ンデシルオキシブチル基、6−n−ウンデシルオキシヘ
キシル基、8−n−ウンデシルオキシオクチル基、10
−n−ウンデシルオキシデシル基、2−n−ドデシルオ
キシエチル基、4−n−ドデシルオキシブチル基、6−
n−ドデシルオキシヘキシル基、8−n−ドデシルオキ
シオクチル基、10−n−ドデシルオキシデシル基、
【0013】イソプロピルオキシメチル基、2−イソプ
ロピルオキシエチル基、3−イソプロピルオキシプロピ
ル基、4−イソプロピルオキシブチル基、5−イソプロ
ピルオキシペンチル基、6−イソプロピルオキシヘキシ
ル基、7−イソプロピルオキシヘプチル基、8−イソプ
ロピルオキシオクチル基、9−イソプロピルオキシノニ
ル基、10−イソプロピルオキシデシル基、イソブチル
オキシメチル基、2−イソブチルオキシエチル基、3−
イソブチルオキシプロピル基、4−イソブチルオキシブ
チル基、5−イソブチルオキシペンチル基、6−イソブ
チルオキシヘキシル基、7−イソブチルオキシヘプチル
基、8−イソブチルオキシオクチル基、9−イソブチル
オキシノニル基、10−イソブチルオキシデシル基、te
rt−ブチルオキシメチル基、2−tert−ブチルオキシエ
チル基、3−tert−ブチルオキシプロピル基、4−tert
−ブチルオキシブチル基、5−tert−ブチルオキシペン
チル基、6−tert−ブチルオキシヘキシル基、7−tert
−ブチルオキシヘプチル基、8−tert−ブチルオキシオ
クチル基、9−tert−ブチルオキシノニル基、10−te
rt−ブチルオキシデシル基、
【0014】(2−エチルブチルオキシ)メチル基、2
−(2’−エチルブチルオキシ)エチル基、3−(2’
−エチルブチルオキシ)プロピル基、4−(2’−エチ
ルブチルオキシ)ブチル基、5−(2’−エチルブチル
オキシ)ペンチル基、6−(2’−エチルブチルオキ
シ)ヘキシル基、7−(2’−エチルブチルオキシ)ヘ
プチル基、8−(2’−エチルブチルオキシ)オクチル
基、9−(2’−エチルブチルオキシ)ノニル基、10
−(2’−エチルブチルオキシ)デシル基、(3−エチ
ルペンチルオキシ)メチル基、2−(3’−エチルペン
チルオキシ)エチル基、3−(3’−エチルペンチルオ
キシ)プロピル基、4−(3’−エチルペンチルオキ
シ)ブチル基、5−(3’−エチルペンチルオキシ)ペ
ンチル基、6−(3’−エチルペンチルオキシ)ヘキシ
ル基、7−(3’−エチルペンチルオキシ)ヘプチル
基、8−(3’−エチルペンチルオキシ)オクチル基、
9−(3’−エチルペンチルオキシ)ノニル基、10−
(3’−エチルペンチルオキシ)デシル基、
【0015】2−(2’−メトキシエトキシ)エチル
基、2−(2’−エトキシエトキシ)エチル基、2−
(2’−n−プロピルオキシエトキシ)エチル基、2−
(2’−イソプロピルオキシエトキシ)エチル基、2−
(2’−n−ブチルオキシエトキシ)エチル基、2−
(2’−イソブチルオキシエトキシ)エチル基、2−
(2’−tert−ブチルオキシエトキシ)エチル基、2−
(2’−n−ペンチルオキシエトキシ)エチル基、2−
〔2’−(2”−エチルブチルオキシ)エトキシ〕エチ
ル基、2−(2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)エチ
ル基、2−〔2’−(3”−エチルペンチルオキシ)エ
トキシ〕エチル基、2−(2’−n−ヘプチルオキシエ
トキシ)エチル基、2−(2’−n−オクチルオキシエ
トキシ)エチル基、2−(2’−n−ノニルオキシエト
キシ)エチル基、2−(2’−n−デシルオキシエトキ
シ)エチル基、2−(2’−n−ウンデシルオキシエト
キシ)エチル基、2−(2’−n−ドデシルオキシエト
キシ)エチル基、
【0016】2−〔2’−(2”−メトキシエトキシ)
エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−エトキシエ
トキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n
−プロピルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−
〔2’−(2”−イソプロピルオキシエトキシ)エトキ
シ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−ブチルオキシ
エトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−
イソブチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−
〔2’−(2”−tert−ブチルオキシエトキシ)エトキ
シ〕エチル基、2−{2’−〔2”−(2”’−エチル
ブチルオキシ)エトキシ〕エトキシ}エチル基、2−
〔2’−(2”−n−ペンチルオキシエトキシ)エトキ
シ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−ヘキシルオキ
シエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−{2’−〔2”
−(3”’−エチルペンチルオキシ)エトキシ〕エトキ
シ}エチル基、2−〔2’−(2”−n−ヘプチルオキ
シエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”
−n−オクチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、
2−〔2’−(2”−n−ノニルオキシエトキシ)エト
キシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−デシルオキ
シエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”
−n−ウンデシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル
基、2−〔2’−(2”−n−ドデシルオキシエトキ
シ)エトキシ〕エチル基、2−{2’−〔2”−
(2”’−メトキシエトキシ)エトキシ〕エトキシ}エ
チル基、2−{2’−〔2”−(2”’−n−ドデシル
オキシエトキシ)エトキシ〕エトキシ}エチル基、2−
{2’−{2”−〔2”’−(2−メトキシエトキシ)
エトキシ〕エトキシ}エトキシ}エチル基、2−{2’
−{2”−{2”’−〔2−(2−メトキシエトキシ)
エトキシ〕エトキシ}エトキシ}エトキシ}エチル基、
【0017】2−エトキシエトキシメチル基、2−n−
ブチルオキシエトキシメチル基,2−n−ヘキシルオキ
シエトキシメチル基、3−エトキシプロピルオキシメチ
ル基、3−n−プロピルオキシプロピルオキシメチル
基、3−n−ペンチルオキシプロピルオキシメチル基、
3−n−ヘキシルオキシプロピルオキシメチル基、4−
メトキシブチルオキシメチル基、4−エトキシブチルオ
キシメチル基、4−n−ブチルオキシブチルオキシメチ
ル基、2−(3’−メトキシプロピルオキシ)エチル
基、2−(3’−エトキシプロピルオキシ)エチル基、
2−(4’−メトキシブチルオキシ)エチル基、2−
(4’−エトキシブチルオキシ)エチル基、2−〔4’
−(2”−エチルブチルオキシ)ブチルオキシ〕エチル
基、2−〔4’−(3”−エチルペンチルオキシ)ブチ
ルオキシ〕エチル基、3−(2’−メトキシエトキシ)
プロピル基、3−(2’−エトキシエトキシ)プロピル
基、3−(2’−n−ペンチルオキシエトキシ)プロピ
ル基、3−(2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)プロ
ピル基、3−(3’−エトキシプロピルオキシ)プロピ
ル基、3−(3’−n−プロピルオキシプロピルオキ
シ)プロピル基、3−(3’−n−ブチルオキシプロピ
ルオキシ)プロピル基、3−(4’−エトキシブチルオ
キシ)プロピル基、3−(5’−エトキシペンチルオキ
シ)プロピル基、4−(2’−メトキシエトキシ)ブチ
ル基、4−(2’−エトキシエトキシ)ブチル基、4−
(2’−イソプロピルオキシエトキシ)ブチル基、4−
(2’−イソブチルオキシエトキシ)ブチル基、4−
(2’−n−ブチルオキシエトキシ)ブチル基、4−
(2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)ブチル基、4−
(3’−n−プロピルオキシプロピルオキシ)ブチル
基、4−〔2’−(2”−メトキシエトキシ)エトキ
シ〕ブチル基、4−〔2’−(2”−n−ブチルオキシ
エトキシ)エトキシ〕ブチル基、4−〔2’−(2”−
n−ヘキシルオキシエトキシ)エトキシ〕ブチル基、5
−(2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)ペンチル基、
2−[2’−(2”−n−ブチルオキシエトキシ)エト
キシ]エチル基、(2−エチルヘキシルオキシ)メチル
基等のアルコキシアルキル基、
【0018】2−(2’−フルオロエチルオキシ)エチ
ル基、4−(2’−フルオロエチルオキシ)ブチル基、
6−(2’−フルオロエチルオキシ)ヘキシル基、8−
(2’−フルオロエチルオキシ)オクチル基、2−
(3’−フルオロ−n−プロピルオキシ)エチル基、4
−(3’−フルオロ−n−プロピルオキシ)ブチル基、
6−(3’−フルオロ−n−プロピルオキシ)ヘキシル
基、8−(3’−フルオロ−n−プロピルオキシ)オク
チル基、2−(4’−フルオロ−n−ブチルオキシ)エ
チル基、4−(4’−フルオロ−n−ブチルオキシ)ブ
チル基、6−(4’−フルオロ−n−ブチルオキシ)ヘ
キシル基、8−(4’−フルオロ−n−ブチルオキシ)
オクチル基、2−(2’−クロロエトキシ)エチル基、
4−(2’ークロロエトキシ)ブチル基、6−(2’−
クロロエトキシ)ヘキシル基、8−(2’−クロロエト
キシ)オクチル基、2−(3’−クロロ−n−プロピル
オキシ)エチル基、4−(3’−クロロ−n−プロピル
オキシ)ブチル基、6−(3’−クロロ−n−プロピル
オキシ)ヘキシル基、8−(3’−クロロ−n−プロピ
ルオキシ)オクチル基、2−(4’−クロロ−n−ブチ
ルオキシ)エチル基、4−(4’−クロロ−n−ブチル
オキシ)ブチル基、6−(4’−クロロ−n−ブチルオ
キシ)ヘキシル基、8−(4’−クロロ−n−ブチルオ
キシ)オクチル基等のハロゲン原子で置換されたアルコ
キシアルキル基を挙げることができる。
【0019】本発明の一般式(1)で表されるナフタレ
ン化合物において、Yは単結合または−O−基を表す。
mは1または2を表す。nは1〜3の整数を表し、好ま
しくは、1または2を表す。Arは置換基を有していて
もよい1,4−フェニレン基、4,4’−ビフェニレン
基、2,6−ナフチレン基を表し、置換基としてはフッ
素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メチル
基、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、メト
キシ基、トリフルオロメトキシ基等を挙げることができ
る。好ましい置換基としては、フッ素原子、メチル基、
シアノ基、トリフルオロメチル基、メトキシ基である。
Arは好ましくは、置換または無置換の1,4−フェニ
レン基、置換または無置換の4,4’−ビフェニレン
基、無置換の2,6−ナフチレン基である。また、C*
は不斉炭素を表し、光学活性な不斉炭素であってもよ
く、非光学活性な不斉炭素であってもよい。C*が非光
学活性な不斉炭素である場合、一般式(1)で表される
ナフタレン化合物はラセミ体である。
【0020】本発明の一般式(1)で表されるナフタレ
ン化合物の具体例としては、以下の(表1)〜(表1
4)に示すような化合物を挙げることができる。尚、表
中の「↑」は「同上」を表し、「Ph」、「F-Ph」、「Ph
-F」、「Ph-2F」、「CH3-Ph」、「CN-Ph 」、「Ph-C
N」、「Ph-2CN」、「CF3-Ph」、「CH3O-Ph」、「BiP
h」、「F-BiPh」、「Nap」は以下に示す構造(化3)を
表す。
【0021】
【化3】
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】
【表5】
【0027】
【表6】
【0028】
【表7】
【0029】
【表8】
【0030】
【表9】
【0031】
【表10】
【0032】
【表11】
【0033】
【表12】
【0034】
【表13】
【0035】
【表14】
【0036】本発明の一般式(1)で表されるナフタレ
ン化合物は、例えば、以下に示す工程(化4)を経て製
造することができる。
【0037】
【化4】 すなわち、一般式(2)で表されるカルボン酸と一般
式(3)で表されるヒドロキシナフタレン化合物をN,
N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(以下、DCC
と略記する)等の脱水縮合剤と触媒(例えば、4−N,
N−ジメチルアミノピリジン、4−ピロリジノピリジ
ン)の存在下に縮合させる方法、一般式(2)で表さ
れるカルボン酸にハロゲン化剤(例えば、チオニルクロ
ライド、オギザリルクロライド)を作用させ、カルボン
酸ハライドへと誘導した後、塩基(例えば、トリエチル
アミン、ピリジン)の存在下に、一般式(3)で表され
るヒドロキシナフタレン化合物と反応させる方法により
製造することができる。また、一般式(1)で表される
ナフタレン化合物は、以下に示す行程(化5)を経て製
造することもできる。
【0038】
【化5】 すなわち、一般式(4)で表されるカルボン酸誘導体
と一般式(5)で表されるアルコールをジエチルアゾジ
カルボン酸(以下、DEADと略記する)等の脱水縮合
剤とトリフェニルホスフィンの存在下に縮合させる方
法、一般式(4)で表されるカルボン酸誘導体にハロ
ゲン化剤(例えば、チオニルクロライド、オギザリルク
ロライド)を作用させ、カルボン酸ハライドへと誘導し
た後、塩基(例えば、トリエチルアミン、ピリジン)の
存在下に、一般式(5)で表されるアルコールと反応さ
せる方法により製造することができる。尚、一般式
(3)で表されるヒドロキシナフタレン化合物は、例え
ば、以下に示す工程(化6)を経て製造することができ
る。
【0039】
【化6】 すなわち、式(6)で表されるベンジルオキシナフタレ
ンカルボン酸にハロゲン化剤(例えば、チオニルクロラ
イド、オギザリルクロライド)を作用させ、カルボン酸
ハライドへと誘導した後、塩基(例えば、トリエチルア
ミン、ピリジン)の存在下に、一般式(5)で表される
アルコールと反応させ、その後、接触水素化分解等によ
りベンジル基を除去することにより製造することができ
る。また、一般式(4)で表されるカルボン酸誘導体
は、例えば、以下に示す行程(化7)を経て製造するこ
とができる。
【0040】
【化7】 すなわち、式(7)で表されるヒドロキシナフタレンカ
ルボン酸ベンジルエステルと一般式(2)で表されるカ
ルボン酸の酸ハライド誘導体を塩基の存在下、縮合さ
せ、その後、ベンジル基を接触水素添加等の方法により
除去する方法により製造することができる。
【0041】本発明のナフタレン化合物には、それ自体
で液晶性を示す化合物および液晶性を示さない化合物が
ある。また、液晶性を示す化合物には、スメクチックC
(以下、SC相と略記する)またはカイラルスメクチッ
クC(以下、SC *相と略記する)を示す化合物と、液晶
性は示すが、SC相およびSC *相を示さない化合物があ
る。これらの化合物は、それぞれ液晶組成物の構成成分
として有効に使用することができる。
【0042】次ぎに、本発明の液晶組成物について説明
する。液晶組成物は、一般に2種以上の成分からなる
が、本発明の液晶組成物は、必須成分として、本発明の
ナフタレン化合物を少なくとも1種含有するものであ
る。本発明の液晶組成物に用いる本発明のナフタレン化
合物としては、液晶性を示さないナフタレン化合物、S
C相を示すナフタレン化合物、SC *相を示すナフタレン
化合物、および、液晶性を示すがSC相およびSC *相を
示さないナフタレン化合物である。本発明の液晶組成物
としては、好ましくは、カイラルスメクチックC、F、
G、H、I等の相を示す液晶組成物が挙げられ、より好
ましくは、SC *相を示す液晶組成物である。
【0043】本発明のSC *相を示す液晶組成物は、本発
明のナフタレン化合物、本発明のナフタレン化合物以外
のSC *相を示す液晶化合物、本発明のナフタレン化合物
以外のSc相を示す液晶化合物および光学活性化合物か
ら選ばれる化合物を複数組み合わせることにより調製さ
れる組成物であり、本発明のナフタレン化合物を少なく
とも一種含有する。本発明のナフタレン化合物以外のS
C *相を示す液晶化合物としては、特に限定されるもので
はないが、例えば、光学活性フェニルベンゾエート系液
晶化合物、光学活性ビフェニルベンゾエート系液晶化合
物、光学活性ナフタレン系液晶化合物、光学活性フェニ
ルナフタレン系液晶化合物、光学活性トラン系液晶化合
物、光学活性テトラリン系液晶化合物、光学活性フェニ
ルピリミジン系液晶化合物、光学活性ナフチルピリミジ
ン系液晶化合物を挙げることができる。本発明のナフタ
レン化合物以外のSC相を示す液晶化合物としては、特
に限定されるものではないが、例えば、フェニルベンゾ
エート系液晶化合物、ビフェニルベンゾエート系液晶化
合物、ナフタレン系液晶化合物、フェニルナフタレン系
液晶化合物、トラン系液晶化合物、テトラリン系液晶化
合物、フェニルピリミジン系液晶化合物、ナフチルピリ
ミジン系液晶化合物を挙げることができる。また、光学
活性化合物とは、それ自体では液晶性を示さないが、S
C相を示す液晶化合物またはSC相を示す液晶組成物と混
合することにより、SC *相を発現する能力を有する化合
物を示し、光学活性化合物としては、特に限定されるも
のではないが、例えば、光学活性フェニルベンゾエート
系非液晶化合物、光学活性ビフェニルベンゾエート系非
液晶化合物、光学活性ナフタレン系非液晶化合物、光学
活性フェニルナフタレン系非液晶化合物、光学活性テト
ラリン系非液晶化合物、光学活性フェニルピリミジン系
非液晶化合物、光学活性ナフチルピリミジン系非液晶化
合物、光学活性トラン系非液晶化合物を挙げることがで
きる。
【0044】また、本発明の液晶組成物には、上記の必
須成分の他に、任意成分としてSC相を示さないスメク
チックおよびネマチック液晶化合物、本発明のナフタレ
ン化合物以外の液晶性を示さない化合物(例えば、アン
トラキノン系色素、アゾ系色素等の2色性色素、および
導電性付与剤、寿命向上剤等)を含有していてもよい。
本発明の液晶組成物中の本発明のナフタレン化合物の含
有量は特に限定されるものではないが、通常、5〜99
重量%であり、好ましくは、10〜90重量%である。
本発明の液晶組成物において、カイラルスメクチック
C、F、G、H、I相を示す液晶組成物は強誘電性を示
す液晶組成物である。強誘電性を示す液晶組成物は、電
圧印加によりスイッチング現象を起こし、これを利用し
た応答時間の短い液晶表示素子を作製することができ
る。本発明のナフタレン化合物を少なくとも1種含有す
る液晶組成物は、従来より知られている液晶組成物と比
較して応答時間、メモリー安定性、SC相での層構造、
チルト角、配向膜上での配向特性および液晶化合物間の
相溶性の点で優れている。
【0045】次ぎに、本発明の液晶素子に関して説明す
る。本発明の液晶素子は、本発明の液晶組成物を1対の
電極基板間に配置してなる。(図1)は強誘電性を利用
した液晶素子の構成を説明するためのカイラルスメクチ
ック相を有する液晶素子の一例を示す断面概略図であ
る。液晶素子は、それぞれ透明電極3および絶縁性配向
制御層4を設けた1対の基板2間にカイラルスメクチッ
ク相を示す液晶層1を配置し、かつ、その層厚をスペー
サー5で設定してなるものであり、1対の透明電極3間
にリード線6を介して電源7より電圧を印加可能なよう
に接続する。また、1対の基板2は、1対のクロスニコ
ル状態に配置された偏光板8により挟持され、その一方
の外側には光源9が配置される。基板2の材質として
は、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラス等のガ
ラスおよびポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、
ポリアクリレート等の透明性高分子が挙げられる。2枚
の基板2に設けられる透明電極3としては、例えば、I
23、SnO2またはITO(インジウム・チン・オ
キサイド;Indium Tin Oxide)の薄膜
からなる透明電極が挙げられる。
【0046】絶縁性配向制御層4は、ポリイミド等の高
分子の薄膜をナイロン、アセテート、レーヨン等の植毛
布等でラビングし、液晶を配向させるためのものであ
る。絶縁性配向制御層4の材質としては、例えば、シリ
コン窒化物、水素を含有するシリコン窒化物、シリコン
炭化物、水素を含有するシリコン炭化物、シリコン酸化
物、ホウ素窒化物、水素を含有するホウ素窒化物、セリ
ウム酸化物、アルミニウム酸化物、ジルコニウム酸化
物、チタン酸化物やフッ化マグネシウムなどの無機物質
絶縁層、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアミ
ドイミド、ポリエステルイミド、ポリエーテルイミド、
ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポ
リエーテルスルホン、ポリパラキシレン、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリ塩
化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリスチレ
ン、セルロース樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アク
リル樹脂などの有機絶縁層が挙げられ、無機絶縁層の上
に有機絶縁層を形成した2層構造の絶縁性配向制御層で
あってもよく、無機絶縁層または有機絶縁層のみからな
る絶縁性配向制御層であってもよい。
【0047】絶縁性配向制御層が無機絶縁層である場合
には、蒸着法などで形成することができる。また、有機
絶縁層である場合には、有機絶縁層材料または、その前
駆体の溶液をスピンナー塗布法、浸透塗布法、スクリー
ン印刷法、スプレー塗布法、ロール塗布法等で塗布し、
所定の条件下(例えば、加熱下)で溶媒を除去し、所望
により焼成させて形成することができる。なお、有機絶
縁層を形成する際には、必要に応じ、β−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ
−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−
グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ
−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−
メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−
メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ
−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、N−
β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン等のシランカップリング剤等を使用
して表面処理を行い、その後、有機絶縁層材料または、
その前駆体を塗布してもよい。絶縁性配向制御層4の層
厚は、通常、10オングストローム〜1μm、好ましく
は、10〜3000オングストローム、さらに好ましく
は、10〜1000オングストロームである。
【0048】2枚の基板2は、スペーサ5により任意の
間隔に保たれている。例えば、所定の直径を持つシリカ
ビーズ、アルミナビーズをスペーサとして基板2で挟
み、2枚の基板2の周囲をシール材(例えば、エポキシ
系接着剤)を用いて密封することにより、任意の間隔に
保つことができる。また、スペーサーとして高分子フィ
ルムやガラスファイバーを使用してもよい。この2枚の
基板の間にカイラルスメクチック相を示す液晶を封入す
る。液晶層1は、一般には0.5〜20μm、好ましく
は、1〜5μmの厚さに設定する。透明電極3からはリ
ード線によって外部の電源7に接続されている。また、
基板2の外側には、互いの偏光軸を、例えば、クロスニ
コル状態とした1対の偏光板8が配置されている。(図
1)の例は透過型であり、光源9を備えている。また、
本発明の液晶組成物を使用した液晶素子は、(図1)に
示した透過型の素子としてだけではなく、反射型の素子
としても応用可能である。
【0049】本発明の液晶組成物を使用する液晶素子の
表示方式に関しては、特に限定されるものではないが、
例えば、(a)ヘリカル変歪型、(b)SSFLC(サ
ーフェス・スタビライズド・フェロエレクトリック・リ
キッド・クリスタル)型、(c)TSM(トランジェン
ト・スキャッタリング・モード)型、(d)G−H(ゲ
スト−ホスト)型の表示方式を使用することができる。
また、本発明のナフタレン化合物および該化合物を含有
してなる液晶組成物は、表示用液晶素子以外の分野(例
えば、非線形光機能素子、コンデンサー材料等のエ
レクトロニクス材料、リミッター、メモリー、増幅
器、変調器などのエレクトロニクス素子、熱、光、圧
力、機械変形などと電圧の変換素子やセンサー、熱電
発電素子等の発電素子)への応用が可能である。
【0050】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるもの
ではない。尚、各実施例中の相転移温度の測定および液
晶相の同定は温度制御装置を備えた偏光顕微鏡を用いて
実施した。また、記号I、Ch、SA、SC、SC *、SX
およびCは以下の意味を表す。 I:等方性液体 Ch:コレステリック相 SA:スメクチックA相 SC:スメクチックC相 SC *:カイラルスメクチックC相 SX:未同定のスメクチック相 C:結晶相
【0051】製造例1:6−ヒドロキシ−2−(2’−
n−ブチルオキシ−1’−メチルエトキシカルボニル)
ナフタレンの製造 6−ベンジルオキシナフタレン−2−カルボン酸59.
77g、オギザリルクロライド15.5gおよびトルエ
ン470mlよりなる混合物にN,N−ジメチルホルム
アミドを1滴添加し、75℃で4時間加熱撹拌した。そ
の後、過剰のオギザリルクロライドおよびトルエンを減
圧下に留去し、残査にトルエン420mlおよび2−n
−ブチルオキシ−1−メチルエタノール31.45gを
添加し、氷冷し、トリエチルアミン22.8gを1時間
かけて滴下した。その後室温で12時間撹拌し、不溶物
をろ別した後、ろ液を塩酸により中和し、水洗し、トル
エンを留去した。残査をイソプロパノールより再結晶
し、71.8gの6−ベンジルオキシ−2−(2’−n
−ブチルオキシ−1’−メチルエトキシカルボニル)ナ
フタレンを淡褐色の結晶として得た。次に、6−ベンジ
ルオキシ−2−(2’−n−ブチルオキシ−1’−メチ
ルエトキシカルボニル)ナフタレン60gを酢酸エチル
350mlに溶解し、Pd/C(50重量%含水)6.
0gを添加し、水素雰囲気下に12時間撹拌した。その
後。Pd/Cをろ別し、ろ液より酢酸エチルを留去し、
6−ヒドロキシ−2−(2’−n−ブチルオキシ−1’
−メチルエトキシカルボニル)ナフタレン45gを得
た。
【0052】製造例2:6−(4’−n−デシルオキシ
フェニルカルボニルオキシ)ナフタレン−2−カルボン
酸の製造 6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸ベンジルエ
ステル55.6g、4−n−デシルオキシ安息香酸クロ
ライド(この化合物は4−n−デシルオキシ安息香酸と
オギザリルクロライドより調製した)59.3g、およ
びトルエン150gよりなる混合物を氷浴により5℃に
冷却し、撹拌下、トリエチルアミン20.6gおよびト
ルエン30gよりなる溶液を1時間かけて滴下した。そ
の後、室温まで昇温し、室温で3時間撹拌を行った。反
応中に生成したトリエチルアミン塩酸塩をろ別し、ろ液
を希塩酸で中和し、水洗した後、トルエンを留去した。
残渣をイソプロパノールより再結晶し、6−(4’−n
−デシルオキシフェニルカルボニルオキシ)ナフタレン
−2−カルボン酸ベンジルエステル94.6gを得た。
次に、6−(4’−n−デシルオキシフェニルカルボニ
ルオキシ)ナフタレン−2−カルボン酸ベンジルエステ
ル60gを酢酸エチル350mlに溶解し、Pd/C
(50重量%含水)6.0gを添加し、水素雰囲気下に
12時間撹拌した。その後、Pd/Cをろ別し、ろ液よ
り酢酸エチルを留去し、6−(4’−n−デシルオキシ
フェニルカルボニルオキシ)ナフタレン−2−カルボン
酸47.5gを得た。
【0053】実施例1:例示化合物27の製造 6−ヒドロキシ−2−(2’−n−ブチルオキシ−1’
−メチルエトキシカルボニル)ナフタレン302mg、
4−n−オクチルオキシ安息香酸250mg、DCC2
06mgおよびクロロホルム5mlよりなる混合物に4
−ピロリジノピリジンを0.02g添加し、室温で12
時間撹拌を行った。その後、不溶物をろ別し、クロロホ
ルムを留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(溶出液;トルエン:酢酸エチル:ヘキサン=1
0:1:1[容量比])により精製し、得られた固体をエ
タノールより2回再結晶して例示化合物27を無色の結
晶として240mg得た。この化合物の相転移温度
(℃)を以下に示した。
【0054】実施例2:例示化合物35の製造 実施例1において4−n−オクチルオキシ安息香酸を使
用する代わりに、4−n−ノニルオキシ安息香酸264
mgを使用した以外は、実施例1に記載の操作に従い例
示化合物35を無色の結晶として238mg得た。この
化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。
【0055】実施例3:例示化合物50の製造 実施例1において4−n−オクチルオキシ安息香酸を使
用する代わりに、4−n−ウンデシルオキシ安息香酸2
78mgを使用した以外は、実施例1に記載の操作に従
い例示化合物50を無色の結晶として248mg得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。
尚、()内の数字は降温過程での相転移温度を示す。
【0056】実施例4:例示化合物59の製造 実施例1において4−n−オクチルオキシ安息香酸を使
用する代わりに、4−n−ドデシルオキシ安息香酸29
2mgを使用した以外は、実施例1に記載の操作に従い
例示化合物59を無色の結晶として253mg得た。こ
の化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。
【0057】実施例5:例示化合物104の製造 実施例1において4−n−オクチルオキシ安息香酸を使
用する代わりに、4−n−ノニルオキシ−3−フルオロ
安息香酸282mgを使用した以外は、実施例1に記載
の操作に従い例示化合物104を無色の結晶として24
4mg得た。この化合物の相転移温度(℃)を以下に示
した。
【0058】実施例6:例示化合物97の製造 実施例1において4−n−オクチルオキシ安息香酸を使
用する代わりに、4−n−デシルオキシ−3−フルオロ
安息香酸296mgを使用した以外は、実施例1に記載
の操作に従い例示化合物97を無色の結晶として255
mg得た。この化合物の相転移温度(℃)を以下に示し
た。尚、()内の数字は降温過程での相転移温度を示
す。
【0059】実施例7:例示化合物100の製造 実施例1において4−n−オクチルオキシ安息香酸を使
用する代わりに、4−(4’−n−デシルオキシフェニ
ル)安息香酸354mgを使用した以外は、実施例1に
記載の操作に従い例示化合物100を無色の結晶として
332mg得た。この化合物の相転移温度(℃)を以下
に示した。
【0060】実施例8:例示化合物107の製造 実施例1において4−n−オクチルオキシ安息香酸を使
用する代わりに、6−n−デシルオキシナフタレンカル
ボン酸328mgを使用した以外は、実施例1に記載の
操作に従い例示化合物107を無色の結晶として326
mg得た。この化合物の相転移温度(℃)を以下に示し
た。尚、()内の数字は降温過程での相転移温度を示
す。
【0061】実施例9:例示化合物111の製造 6−(4’−デシルオキシフェニルカルボニルオキシ)
ナフタレン−2−カルボン酸448mg、2−n−ブチ
ルオキシ−1−メチルエタノール132mg、トリフェ
ニルホスフィン262mgおよびテトラヒドロフラン5
mlよりなる混合物に氷冷下、DEAD176mgを添
加し、室温で6時間撹拌を行った。その後、テトラヒド
ロフランを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーにより精製し、得られた固体をエタノールより
2回再結晶し、例示化合物111を無色の結晶として2
25mg得た。この化合物の相転移温度(℃)を以下に
示した。
【0062】実施例10:例示化合物223の製造 実施例9において2−n−ブチルオキシ−1−メチルエ
タノールを使用する代わりに、2−(2’−メトキシ−
1−メチルエトキシ)−1−メチルエタノール148m
gを使用した以外は、実施例9に記載の操作に従い例示
化合物223を無色の結晶として232mg得た。この
化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。尚、()内
の数字は降温過程での相転移温度を示す。
【0063】実施例11:液晶組成物の調製 下記の化合物群(化8)を、下記に示した割合で混合し
て用い、100℃で加熱溶融し、液晶組成物(強誘電性
液晶組成物)を調製した。
【0064】
【化8】 この液晶組成物の相転移温度(℃)を以下に示した。
【0065】実施例12:液晶素子の作製 2枚の1.1mm厚のガラス板を用意し、それぞれのガ
ラス板上に、ITO膜を形成し、このITO膜付きのガ
ラス板に液晶配向剤(ポリビニルアルコール)をスピン
コートし、成膜後、120℃で30分間焼成した。この
配向膜にラビング処理を行い、平均粒径1.9μmのシ
リカビーズを一方のガラス板上に散布した。その後、そ
れぞれのラビング処理軸が互いに反平行となるよう、シ
ール剤を用いてガラス板を張り合わせセルを作製した。
このセルを100℃に加熱し、加熱(100℃)した実
施例11で調製した液晶組成物を注入し、その後、3℃
/分の速度で冷却し、液晶素子を作製した。この液晶素
子をクロスニコル状態に配置した2枚の偏光板に挟持
し、±20V、10Hzの矩形波を印加したところ、明
瞭なスイッチング現象が観察された。また、偏光顕微鏡
観察では良好な均一配向状態が観察され、ジグザグ欠陥
等の配向欠陥は観察されなかった。このことは本発明の
液晶組成物がスメクチックC相においてブックシェルフ
または疑似ブックシェルフ構造を取っていることを示
す。尚、室温(25℃)における光学的な応答時間は1
02μ秒であった。また、矩形波駆動時の二つ暗点の角
度(2θ)より求めた液晶組成物のチルト角(θ)は1
9.0°であった。
【0066】比較例1:比較のため実施例11の液晶組
成物において本発明のナフタレン化合物の代わりにフェ
ニルベンゾエート系化合物を添加した液晶組成物を調製
した。すなわち、下記の化合物群(化9)を、下記に示
した割合で混合し、100℃で加熱溶融し、液晶組成物
(強誘電性液晶組成物)を調製した。
【0067】
【化9】 この液晶組成物の相転移温度(℃)を以下に示した。 尚、使用したフェニルベンゾエート系液晶化合物の相転
移温度(℃)は以下に示したとおりである。 実施例11と比較例1より、本発明の液晶化合物は、本
発明のナフタレン化合物の代わりにフェニルベンゾエー
ト系液晶化合物を使用した液晶組成物と比較すると、広
い温度範囲のスメクチックC相を示すことが判る。
【0068】比較例2:2枚の1.1mm厚のガラス板
を用意し、それぞれのガラス板上に、ITO膜を形成
し、このITO膜付きのガラス板に液晶配向剤(ポリビ
ニルアルコール)をスピンコートし、成膜後、120℃
で30分間焼成した。この配向膜にラビング処理を行
い、平均粒径1.9μmのシリカビーズを一方のガラス
板上に散布した。その後、それぞれのラビング処理軸が
互いに反平行となるよう、シール剤を用いてガラス板を
張り合わせセルを作製した。このセルを100℃に加熱
し、加熱(100℃)した比較例1の液晶組成物を注入
し、その後、3℃/分の速度で冷却し、液晶素子を作製
した。この液晶素子をクロスニコル状態に配置した2枚
の偏光板に挟持し、±20V、10Hzの矩形波を印加
したところ、明瞭なスイッチング現象が観察された。ま
た、偏光顕微鏡観察では良好な均一配向状態が観察さ
れ、ジグザグ欠陥等の配向欠陥は観察されなかった。
尚、室温(25℃)における光学的な応答時間は100
μ秒であった。また、矩形波駆動時の二つの暗点の角度
(2θ)より求めた液晶組成物のチルト角は17.5°
であった。実施例12と比較例2より明らかなように、
本発明の液晶組成物は、本発明のナフタレン化合物の代
わりにフェニルベンゾエート系液晶化合物を使用した液
晶組成物と比較し、応答時間は同等であるものの、チル
ト角が大きいことが判る。
【0069】
【発明の効果】本発明により広い温度範囲でスメクチッ
クC相を示し、ブックシェルフまたは疑似ブックシェル
フ層構造を示すナフタレン系液晶組成物の構成成分とし
て有用なナフタレン化合物を提供することが可能になっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】カイラルスメクチック相を示す液晶を用いた液
晶素子の一例の断面概略図である。
【符号の説明】
1 カイラルスメクチック相を有する液晶層 2 基板 3 透明電極 4 絶縁性配向制御層 5 スペーサー 6 リード線 7 電源 8 偏光板 9 光源 I0 入射光 I 透過光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中塚 正勝 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)(化1)で表されるナフタ
    レン化合物。 【化1】 〔式中、R1およびR2は不斉炭素を含有しないハロゲン
    原子で置換されていてもよい炭素数1〜24の直鎖また
    は分岐鎖のアルキル基、あるいは炭素数2〜24の直鎖
    または分岐鎖のアルコキシアルキル基を表し、Yは単結
    合または−O−基を表し、mは1または2を表し、nは
    1〜3の整数を表し、Arは置換基を有していてもよい
    1,4−フェニレン基、4,4’−ビフェニレン基、
    2,6−ナフチレン基を表し、C*は不斉炭素を表す〕
  2. 【請求項2】 一般式(1)で表される化合物がラセミ
    体である請求項1記載のナフタレン化合物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のナフタレン化合物を少な
    くとも1種含有することを特徴とする液晶組成物。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の液晶組成物を使用するこ
    とを特徴とする液晶素子。
JP34369096A 1996-12-24 1996-12-24 ナフタレン化合物、液晶組成物および液晶素子 Expired - Fee Related JP3832912B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34369096A JP3832912B2 (ja) 1996-12-24 1996-12-24 ナフタレン化合物、液晶組成物および液晶素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34369096A JP3832912B2 (ja) 1996-12-24 1996-12-24 ナフタレン化合物、液晶組成物および液晶素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10182560A true JPH10182560A (ja) 1998-07-07
JP3832912B2 JP3832912B2 (ja) 2006-10-11

Family

ID=18363504

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34369096A Expired - Fee Related JP3832912B2 (ja) 1996-12-24 1996-12-24 ナフタレン化合物、液晶組成物および液晶素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3832912B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP3832912B2 (ja) 2006-10-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100226122B1 (ko) 나프탈렌화합물, 액정조성물 및 액정소자
JP3832908B2 (ja) アセチレン化合物、液晶組成物および液晶素子
JP3877357B2 (ja) ナフタレン化合物、液晶組成物および液晶素子
JP3832912B2 (ja) ナフタレン化合物、液晶組成物および液晶素子
JP3888800B2 (ja) アセチレン化合物、液晶組成物および液晶素子
JP4297462B2 (ja) 光学活性化合物、液晶組成物および液晶素子
JP3853016B2 (ja) ナフタレン化合物、液晶組成物および液晶素子
JP4191949B2 (ja) アセチレン化合物、液晶組成物および液晶素子
JP3832903B2 (ja) ナフタレン化合物、液晶組成物および液晶素子
JP4526132B2 (ja) ナフタレン化合物、液晶組成物および液晶素子
JP4004093B2 (ja) ナフタレン化合物、液晶組成物および液晶素子
JP3916292B2 (ja) ナフタレン化合物、液晶組成物および液晶素子
JP3853028B2 (ja) 非光学活性エステル化合物、液晶組成物および液晶素子
JP4429490B2 (ja) 液晶組成物および液晶素子
JP4632495B2 (ja) アセチレン化合物、液晶組成物および液晶素子
JP4511687B2 (ja) アセチレン化合物、液晶組成物および液晶素子
JP3874468B2 (ja) ピリミジン化合物、液晶組成物および液晶素子
JP4535546B2 (ja) 非光学活性エステル化合物、液晶組成物および液晶素子
JP4233258B2 (ja) エステル化合物、液晶組成物および液晶素子
JP4336097B2 (ja) 1,4−ベンゾジオキサン化合物、液晶組成物、及び液晶素子
JP3853037B2 (ja) 非光学活性エステル化合物、液晶組成物および液晶素子
JP4073213B2 (ja) 液晶組成物および液晶素子
JP4833446B2 (ja) 液晶組成物および液晶素子
JP4151995B2 (ja) ナフタレン化合物、液晶組成物および液晶素子
JP2004175990A (ja) 液晶組成物および液晶素子

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060718

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060718

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100728

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees