JP4297462B2 - 光学活性化合物、液晶組成物および液晶素子 - Google Patents

光学活性化合物、液晶組成物および液晶素子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な光学活性化合物に関する。さらに詳しくは、液晶表示素子などに用いる液晶組成物の成分として有用な新規な光学活性化合物、該化合物を含有する液晶組成物および該液晶組成物を使用した液晶素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は薄型軽量で消費電力が低いため、種々の用途のディスプレイとして使用されている。
現在、液晶表示素子としては、TN(ツイステッド・ネマチック)型表示方式が最も広汎に使用されている。このTN型表示方式は、応答時間が10〜50ミリ秒と低速なため、応答時間の点において、発光型素子(陰極管、エレクトロルミネッセンス、プラズマディスプレイ等)と比較して劣っている。ねじれ角を180〜270゜にしたSTN(スーパー・ツイステッド・ネマチック)型表示素子も開発されているが、応答時間はやはり劣っている。この様に種々の改善の努力が行われているが、応答時間の短いTN型表示素子は実現には到っていない。
【0003】
しかしながら、近年、盛んに研究が進められているスメクチック液晶(強誘電性液晶)を用いる新しい表示方式に於いては、著しい応答時間の改善の可能性がある〔 N. A. Clarkら; Applied Phys. lett., 36, 899 (1980) 〕。
この方式は、強誘電性を示すカイラルスメクチックC相等のカイラルスメクチック相を利用する方法である。強誘電性を示す相はカイラルスメクチックC相のみではなく、カイラルスメクチックF、G、H、I等の相が強誘電性を示す強誘電性液晶相であることが知られている。これらのスメクチック液晶相は、チルト系のカイラルスメクチック相に属するものであるが、実用的には、その中で低粘性であり、高速応答性が期待されるカイラルスメクチックC相の利用が検討されている。
また、カイラルスメクチックC相の高次の相である、カイラルスメクチックCA相(反強誘電相)を利用した表示方式に関しても近年盛んに研究が行われている〔 L. Chandaniら、;Jpn. J. App. Phys., 27. L719(1988)〕
これらチルト系のスメクチック相を示す液晶化合物は、これまでにも種々検討されており、既に数多くの化合物が探索、製造されてきた。しかしながら、実際に使用する液晶表示素子に応用する際に求められる数多くの特性(幅広い液晶温度領域、高速応答性、配向性、高いコントラスト比、閾値特性、さらにこれらの諸特性の温度依存性等)を最適化するためには、現在のところ、1つの化合物では応じられず、いくつかの液晶化合物を混合して得られる液晶組成物を使用している。
また、チルト系のカイラルスメクチック液晶組成物としては、チルト系カイラルスメクチック液晶相を示す化合物のみからなる液晶組成物ばかりでなく、非カイラルなチルト系スメクチック相を示す化合物または組成物を基本物質として、これにチルト系カイラルスメクチック液晶相を示す一種または複数の化合物を混合して全体をチルト系カイラルスメクチック液晶組成物として得ることができる。さらにチルト系スメクチック相を示す化合物または組成物を基本物質として、光学活性ではあるが、チルト系カイラルスメクチック液晶相は示さない一種または複数の化合物を混合して全体をチルト系カイラルスメクチック液晶組成物とする報告も見受けられる( Mol. Cryst. Liq. Cryst., 89, 327 (1982))。
これらのことをまとめるとチルト系カイラルスメクチック相を示すか否かに係わらず、光学活性である化合物の一種または複数と、非カイラルな、チルト系スメクチック相を示す化合物を混合することによりチルト系スメクチック液晶組成物を構成できることが判る。
【0004】
このように液晶組成物の構成成分としては、種々の化合物を使用することが可能であるが、実用的には室温を含む広い温度範囲でチルト系のスメクチック相またはカイラルスメクチック相を呈する液晶化合物もしくは混合物が望ましい。これらの液晶組成物の成分としては、フェニルベンゾエート系液晶化合物、ビフェニル系液晶化合物、フェニルピリミジン系液晶化合物およびエステル系液晶化合物などが知られている。しかし、これらの化合物を構成成分とする液晶組成物も、まだ充分な特性を備えているとは言いがたい。
従って、現状ではチルト系のスメクチック相またはカイラルスメクチック相を示す材料等を種々試験し、液晶温度領域、応答時間、チルト角、およびそれらの温度依存性、配向膜上での配向特性等を最適化することが必要となっている。また、近年の携帯端末等の普及において、液晶素子にも低消費電力化が望まれ、このため、閾値電圧の低い液晶組成物が望まれている。
光学活性化合物はこれまで数多くの化合物が製造、検討されている。例えば、特開平3−83951号公報には下記式で表される光学活性化合物(化3)が報告されている。
【0005】
【化3】
Figure 0004297462
しかしながら、該化合物はその分子量が大きいため、液晶組成物に添加した際に組成物自体の粘性を増加させ、応答速度、閾値電圧を増加させるという問題点が有った。
また、特開平2−160730号公報には下記式で表される光学活性化合物(化4)が報告されている。しかしながら、該化合物は、液晶を駆動するのに必要な自発分極を得るための必要量を液晶組成物に添加した際に、液晶組成物の上限温度を低下させるという問題点があった。
【0006】
【化4】
Figure 0004297462
さらには、特開平2−229128号公報には、下記式で表されるナフタレン系光学活性化合物(化5)も開示されている。しかしながら、本発明者らが、該化合物の液晶組成物への添加に関し検討したところ、これらの化合物においても、液晶組成物の上限温度の低下と液晶組成物の閾値電圧の増加という2つの問題があった。
【0007】
【化5】
Figure 0004297462
従って、これらの問題点から、現在では、粘性の低い光学活性化合物または少ない添加量で充分な自発分極を発現し、なお且つ液晶組成物に添加した際に閾値電圧を低下させる光学活性化合物が望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、スメクチック液晶素子の実用化のために、スメクチック液晶組成物に配合した際に、液晶温度範囲、高速応答性、配向性、高いコントラスト比、閾値特性等の諸特性を改善するに適した化合物および該化合物を含有してなる液晶組成物、該組成物を使用した液晶素子を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、ある種の光学活性化合物を見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は一般式(1)(化6)で表される光学活性化合物に関するものである。また、一般式(1)で表される光学活性化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする液晶組成物、該組成物を使用することを特徴とする液晶素子に関するものである。
【0010】
【化6】
Figure 0004297462
〔式中、Rはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルケニル基、あるいは、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルコキシアルキル基を表し、Yは単結合、−O−基、−COO−基または−OCOO−基を表す〕
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に関し詳細に説明する。
本発明の一般式(1)で表される光学活性化合物は、Yが単結合、−O−基、−COO−基または−OCOO−基である場合に以下の(1−A)、(1−B)、(1−C)または(1−D)の4種類の構造(化7)をとる。好ましい構造は、(1−B)、(1−C)または(1−D)であり、より好ましい構造は、(1−B)または(1−C)である。
【0012】
【化7】
Figure 0004297462
【0013】
本発明の一般式(1)で表される光学活性化合物において、Rはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルケニル基、あるいは、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルコキシアルキル基を表す。
Rは好ましくは、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルコキシアルキル基を表し、より好ましくは、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルキル基を表す。
Rの炭素数は、好ましくは、5〜20であり、より好ましくは、6〜18である。
【0014】
Rで表される基の具体例としては、例えば、
n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、n−ヘネイコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基、
1−メチルエチル基、1,1−ジメチルエチル基、1−メチルプロピル基、1−エチルプロピル基、1−n−プロピルプロピル基、1−メチルブチル基、1−エチルブチル基、1−n−プロピルブチル基、1−n−ブチルブチル基、1−メチルペンチル基、1−エチルペンチル基、1−n−プロピルペンチル基、1−n−ブチルペンチル基、1−n−ペンチルペンチル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルヘキシル基、1−n−プロピルヘキシル基、1−n−ブチルヘキシル基、1−n−ペンチルヘキシル基、1−n−ヘキシルヘキシル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルヘプチル基、1−n−プロピルヘプチル基、1−n−ブチルヘプチル基、1−n−ペンチルヘプチル基、1−n−ヘプチルヘプチル基、1−メチルオクチル基、1−エチルオクチル基、1−n−プロピルオクチル基、1−n−ブチルオクチル基、1−n−ペンチルオクチル基、1−n−ヘキシルオクチル基、1−n−ヘプチルオクチル基、1−n−オクチルオクチル基、1−メチルノニル基、1−エチルノニル基、1−n−プロピルノニル基、1−n−ブチルノニル基、1−n−ペンチルノニル基、1−n−ヘキシルノニル基、1−n−ヘプチルノニル基、1−n−オクチルノニル基、1−n−ノニルノニル基、1−メチルデシル基、
【0015】
2−メチルプロピル基、2−メチルブチル基、2−エチルブチル基、2−メチルペンチル基、2−エチルペンチル基、2−n−プロピルペンチル基、2−メチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−n−プロピルヘキシル基、2−n−ブチルヘキシル基、2−メチルヘプチル基、2−エチルヘプチル基、2−n−プロピルヘプチル基、2−n−ブチルヘプチル基、2−n−ペンチルヘプチル基、2−メチルオクチル基、2−エチルオクチル基、2−n−プロピルオクチル基、2−n−ブチルオクチル基、2−n−ペンチルオクチル基、2−n−ヘキシルオクチル基、2−メチルノニル基、2−エチルノニル基、2−n−プロピルノニル基、2−n−ブチルノニル基、2−n−ペンチルノニル基、2−n−ヘキシルノニル基、2−n−ヘプチルノニル基、2−メチルデシル基、2,3−ジメチルブチル基、2,3,3−トリメチルブチル基、3−メチルブチル基、3−メチルペンチル基、3−エチルペンチル基、4−メチルペンチル基、4−エチルヘキシル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、2,3,3,4−テトラメチルペンチル基、3−メチルヘキシル基、2,5−ジメチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、3,5,5,−トリメチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、6−メチルヘプチル基、3,7−ジメチルオクチル基、6−メチルオクチル基等のアルキル基、
【0016】
2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、4−メトキシブチル基、5−メトキシペンチル基、6−メトキシヘキシル基、7−メトキシヘプチル基、8−メトキシオクチル基、9−メトキシノニル基、10−メトキシデシル基、エトキシメチル基、2−エトキシエチル基、3−エトキシプロピル基、4−エトキシブチル基、5−エトキシペンチル基、6−エトキシヘキシル基、7−エトキシヘプチル基、8−エトキシオクチル基、9−エトキシノニル基、10−エトキシデシル基、n−プロピルオキシメチル基、2−n−プロピルオキシエチル基、3−n−プロピルオキシプロピル基、4−n−プロピルオキシブチル基、5−n−プロピルオキシペンチル基、6−n−プロピルオキシヘキシル基、7−n−プロピルオキシヘプチル基、8−n−プロピルオキシオクチル基、9−n−プロピルオキシノニル基、10−n−プロピルオキシデシル基、n−ブチルオキシメチル基、2−n−ブチルオキシエチル基、3−n−ブチルオキシプロピル基、4−n−ブチルオキシブチル基、5−n−ブチルオキシペンチル基、6−n−ブチルオキシヘキシル基、7−n−ブチルオキシヘプチル基、8−n−ブチルオキシオクチル基、9−n−ブチルオキシノニル基、10−n−ブチルオキシデシル基、n−ペンチルオキシメチル基、2−n−ペンチルオキシエチル基、3−n−ペンチルオキシプロピル基、4−n−ペンチルオキシブチル基、5−n−ペンチルオキシペンチル基、6−n−ペンチルオキシヘキシル基、7−n−ペンチルオキシヘプチル基、8−n−ペンチルオキシオクチル基、9−n−ペンチルオキシノニル基、10−n−ペンチルオキシデシル基、n−ヘキシルオキシメチル基、2−n−ヘキシルオキシエチル基、3−n−ヘキシルオキシプロピル基、4−n−ヘキシルオキシブチル基、5−n−ヘキシルオキシペンチル基、6−n−ヘキシルオキシヘキシル基、7−n−ヘキシルオキシヘプチル基、8−n−ヘキシルオキシオクチル基、9−n−ヘキシルオキシノニル基、10−n−ヘキシルオキシデシル基、n−ヘプチルオキシメチル基、2−n−ヘプチルオキシエチル基、3−n−ヘプチルオキシプロピル基、4−n−ヘプチルオキシブチル基、5−n−ヘプチルオキシペンチル基、6−n−ヘプチルオキシヘキシル基、7−n−ヘプチルオキシヘプチル基、8−n−ヘプチルオキシオクチル基、9−n−ヘプチルオキシノニル基、10−n−ヘプチルオキシデシル基、
【0017】
オクチルオキシメチル基、2−n−オクチルオキシエチル基、3−n−オクチルオキシプロピル基、4−n−オクチルオキシブチル基、5−n−オクチルオキシペンチル基、6−n−オクチルオキシヘキシル基、7−n−オクチルオキシヘプチル基、8−n−オクチルオキシオクチル基、9−n−オクチルオキシノニル基、10−n−オクチルオキシデシル基、n−ノニルオキシメチル基、2−n−ノニルオキシエチル基、3−n−ノニルオキシプロピル基、4−n−ノニルオキシブチル基、5−n−ノニルオキシペンチル基、6−n−ノニルオキシヘキシル基、7−n−ノニルオキシヘプチル基、8−n−ノニルオキシオクチル基、9−n−ノニルオキシノニル基、10−n−ノニルオキシデシル基、n−デシルオキシメチル基、2−n−デシルオキシエチル基、3−n−デシルオキシプロピル基、4−n−デシルオキシブチル基、5−n−デシルオキシペンチル基、6−n−デシルオキシヘキシル基、7−n−デシルオキシヘプチル基、8−n−デシルオキシオクチル基、9−n−デシルオキシノニル基、10−n−デシルオキシデシル基、2−n−ウンデシルオキシエチル基、4−n−ウンデシルオキシブチル基、6−n−ウンデシルオキシヘキシル基、8−n−ウンデシルオキシオクチル基、10−n−ウンデシルオキシデシル基、2−n−ドデシルオキシエチル基、4−n−ドデシルオキシブチル基、6−n−ドデシルオキシヘキシル基、8−n−ドデシルオキシオクチル基、10−n−ドデシルオキシデシル基、
1−メチル−2−メトキシエチル基、1−メチル−2−エトキシエチル基、1−メチル−2−n−プロピルオキシエチル基、1−メチル−2−n−ブチルオキシエチル基、1−メチル−2−n−ペンチルオキシエチル基、1−メチル−2−n−ヘキシルオキシエチル基、1−メチル−2−n−ヘプチルオキシエチル基、1−メチル−2−n−オクチルオキシエチル基、1−メチル−2−n−ノニルオキシエチル基、1−メチル−2−n−デシルオキシエチル基、1−メチル−2−n−ウンデシルオキシエチル基、1−メチル−2−n−ドデシルオキシエチル基、2−メトキシプロピル基、2−2−エトキシプロピル基、2−n−プロピルオキシプロピル基、2−n−ブチルオキシプロピル基、2−n−ペンチルオキシプロピル基、2−n−ヘキシルオキシプロピル基、2−n−ヘプチルオキシプロピル基、2−n−オクチルオキシプロピル基、2−n−ノニルオキシプロピル基、2−n−デシルオキシプロピル基、2−n−ウンデシルオキシプロピル基、2−n−ドデシルオキシプロピル基、
【0018】
1−メチル−3−メトキシプロピル基、1−メチル−3−エトキシプロピル基、1−メチル−3−n−プロピルオキシプロピル基、1−メチル−3−n−ブチルオキシプロピル基、1−メチル−3−n−ペンチルオキシプロピル基、1−メチル−3−n−ヘキシルオキシプロピル基、1−メチル−3−n−ヘプチルオキシプロピル基、1−メチル−3−n−オクチルオキシプロピル基、1−メチル−3−n−ノニルオキシプロピル基、1−メチル−3−n−デシルオキシプロピル基、1−メチル−3−n−ウンデシルオキシプロピル基、1−メチル−3−n−ドデシルオキシプロピル基、3−メトキシブチル基、3−エトキシブチル基、3−n−プロピルオキシブチル基、3−n−ブチルオキシブチル基、3−n−ペンチルオキシブチル基、3−n−ヘキシルオキシブチル基、3−n−ヘプチルオキシブチル基、3−n−オクチルオキシブチル基、3−n−ノニルオキシブチル基、3−n−デシルオキシブチル基、3−n−ウンデシルオキシブチル基、3−n−ドデシルオキシブチル基、
イソプロピルオキシメチル基、2−イソプロピルオキシエチル基、3−イソプロピルオキシプロピル基、4−イソプロピルオキシブチル基、5−イソプロピルオキシペンチル基、6−イソプロピルオキシヘキシル基、7−イソプロピルオキシヘプチル基、8−イソプロピルオキシオクチル基、9−イソプロピルオキシノニル基、10−イソプロピルオキシデシル基、イソブチルオキシメチル基、2−イソブチルオキシエチル基、3−イソブチルオキシプロピル基、4−イソブチルオキシブチル基、5−イソブチルオキシペンチル基、6−イソブチルオキシヘキシル基、7−イソブチルオキシヘプチル基、8−イソブチルオキシオクチル基、9−イソブチルオキシノニル基、10−イソブチルオキシデシル基、
tert−ブチルオキシメチル基、2−tert−ブチルオキシエチル基、3−tert−ブチルオキシプロピル基、4−tert−ブチルオキシブチル基、5−tert−ブチルオキシペンチル基、6−tert−ブチルオキシヘキシル基、7−tert−ブチルオキシヘプチル基、8−tert−ブチルオキシオクチル基、9−tert−ブチルオキシノニル基、10−tert−ブチルオキシデシル基、
【0019】
(2−エチルブチルオキシ)メチル基、2−(2’−エチルブチルオキシ)エチル基、3−(2’−エチルブチルオキシ)プロピル基、4−(2’−エチルブチルオキシ)ブチル基、5−(2’−エチルブチルオキシ)ペンチル基、6−(2’−エチルブチルオキシ)ヘキシル基、7−(2’−エチルブチルオキシ)ヘプチル基、8−(2’−エチルブチルオキシ)オクチル基、9−(2’−エチルブチルオキシ)ノニル基、10−(2’−エチルブチルオキシ)デシル基、
(3−エチルペンチルオキシ)メチル基、2−(3’−エチルペンチルオキシ)エチル基、3−(3’−エチルペンチルオキシ)プロピル基、4−(3’−エチルペンチルオキシ)ブチル基、5−(3’−エチルペンチルオキシ)ペンチル基、6−(3’−エチルペンチルオキシ)ヘキシル基、7−(3’−エチルペンチルオキシ)ヘプチル基、8−(3’−エチルペンチルオキシ)オクチル基、9−(3’−エチルペンチルオキシ)ノニル基、10−(3’−エチルペンチルオキシ)デシル基、6−(1’−メチル−n−ヘプチルオキシ)ヘキシル基、4−(1’−メチル−n−ヘプチルオキシ)ブチル基、
2−(2’−メトキシエトキシ)エチル基、2−(2’−エトキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−プロピルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−イソプロピルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−ブチルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−イソブチルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−tert−ブチルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−ペンチルオキシエトキシ)エチル基、2−〔2’−(2”−エチルブチルオキシ)エトキシ〕エチル基、2−(2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)エチル基、2−〔2’−(3”−エチルペンチルオキシ)エトキシ〕エチル基、2−(2’−n−ヘプチルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−オクチルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−ノニルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−デシルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−ウンデシルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−ドデシルオキシエトキシ)エチル基、
【0020】
2−〔2’−(2”−メトキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−エトキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−プロピルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−イソプロピルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−ブチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−イソブチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−tert−ブチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−{2’−〔2”−(2”’−エチルブチルオキシ)エトキシ〕エトキシ}エチル基、2−〔2’−(2”−n−ペンチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−ヘキシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−{2’−〔2”−(3”’−エチルペンチルオキシ)エトキシ〕エトキシ}エチル基、2−〔2’−(2”−n−ヘプチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−オクチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−ノニルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−デシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−ウンデシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−ドデシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、
2−{2’−〔2”−(2”’−メトキシエトキシ)エトキシ〕エトキシ}エチル基、2−{2’−〔2”−(2”’−n−ドデシルオキシエトキシ)エトキシ〕エトキシ}エチル基、
2−{2’−{2”−〔2”’−(2−メトキシエトキシ)エトキシ〕エトキシ}エトキシ}エチル基、
2−{2’−{2”−{2”’−〔2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ〕エトキシ}エトキシ}エトキシ}エチル基、
【0021】
1−メチル−2−(1’−メチル−2’−メトキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−エトキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−プロピルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−イソプロピルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−ブチルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−イソブチルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−tert−ブチルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−ペンチルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−ヘプチルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−オクチルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−ノニルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−デシルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−ウンデシルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−ドデシルオキシエトキシ)エチル基、
1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−メトキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−エトキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−プロピルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−イソプロピルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−ブチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−イソブチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−tert−ブチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−ペンチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−ヘキシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−ヘプチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−オクチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−ノニルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−デシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−ウンデシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−ドデシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、
【0022】
2−エトキシエトキシメチル基、2−n−ブチルオキシエトキシメチル基,2−n−ヘキシルオキシエトキシメチル基、3−エトキシプロピルオキシメチル基、3−n−プロピルオキシプロピルオキシメチル基、3−n−ペンチルオキシプロピルオキシメチル基、3−n−ヘキシルオキシプロピルオキシメチル基、2−メトキシ−1−メチルエトキシメチル基、2−エトキシ−1−メチルエトキシメチル基、2−n−ブチルオキシ−1−メチルエトキシメチル基、4−メトキシブチルオキシメチル基、4−エトキシブチルオキシメチル基、4−n−ブチルオキシブチルオキシメチル基、2−(3’−メトキシプロピルオキシ)エチル基、2−(3’−エトキシプロピルオキシ)エチル基、2−(1’−メチル−2’−メトキシエトキシ)エチル基、2−(1’−メチル−2’−エトキシエトキシ)エチル基、2−(1’−メチル−2’−n−ブチルオキシエトキシ)エチル基、2−(4’−メトキシブチルオキシ)エチル基、2−(4’−エトキシブチルオキシ)エチル基、2−〔4’−(2”−エチルブチルオキシ)ブチルオキシ〕エチル基、2−〔4’−(3”−エチルペンチルオキシ)ブチルオキシ〕エチル基、
3−(2’−メトキシエトキシ)プロピル基、3−(2’−エトキシエトキシ)プロピル基、3−(2’−n−ペンチルオキシエトキシ)プロピル基、3−(2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)プロピル基、3−(3’−エトキシプロピルオキシ)プロピル基、3−(3’−n−プロピルオキシプロピルオキシ)プロピル基、3−(3’−n−ブチルオキシプロピルオキシ)プロピル基、3−(4’−エトキシブチルオキシ)プロピル基、3−(5’−エトキシペンチルオキシ)プロピル基、4−(2’−メトキシエトキシ)ブチル基、4−(2’−エトキシエトキシ)ブチル基、4−(2’−イソプロピルオキシエトキシ)ブチル基、4−(2’−イソブチルオキシエトキシ)ブチル基、4−(2’−n−ブチルオキシエトキシ)ブチル基、4−(2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)ブチル基、4−(3’−n−プロピルオキシプロピルオキシ)ブチル基、4−(2’−n−プロピルオキシ−1’−メチルエトキシ)ブチル基、4−〔2’−(2”−メトキシエトキシ)エトキシ〕ブチル基、4−〔2’−(2”−n−ブチルオキシエトキシ)エトキシ〕ブチル基、4−〔2’−(2”−n−ヘキシルオキシエトキシ)エトキシ〕ブチル基、5−(2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)ペンチル基、2−[2’−(2”−n−ブチルオキシエトキシ)エトキシ]エチル基、
【0023】
(2−エチルヘキシルオキシ)メチル基、(3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ)メチル基、(3,7−ジメチルオクチルオキシ)メチル基、2−(2’−エチルヘキシルオキシ)エチル基、2−(3’,5’,5’−トリメチルヘキシルオキシ)エチル基、2−(3’,7’−ジメチルオクチルオキシ)エチル基、3−(2’−エチルヘキシルオキシ)プロピル基、3−(3’,5’,5’−トリメチルヘキシルオキシ)プロピル基、3−(3’,7’−ジメチルオクチルオキシ)プロピル基、4−(2’−エチルヘキシルオキシ)ブチル基、4−(3’,5’,5’−トリメチルヘキシルオキシ)ブチル基、4−(3’,7’−ジメチルオクチルオキシ)ブチル基、5−(2’−エチルヘキシルオキシ)ペンチル基、5−(3’,5’,5’−トリメチルヘキシルオキシ)ペンチル基、5−(3’,7’−ジメチルオクチルオキシ)ペンチル基、6−(2’−エチルヘキシルオキシ)ヘキシル基、6−(3’,5’,5’−トリメチルヘキシルオキシ)ヘキシル基、6−(3’,7’−ジメチルオクチルオキシ)ヘキシル基等のアルコキシアルキル基、
2−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、2−ヘプテニル基、3−ヘプテニル基、4−ヘプテニル基、5−ヘプテニル基、6−ヘプテニル基、2−オクテニル基、3−オクテニル基、4−オクテニル基、5−オクテニル基、6−オクテニル基、7−オクテニル基、2−ノネニル基、3−ノネニル基、4−ノネニル基、5−ノネニル基、6−ノネニル基、7−ノネニル基、8−ノネニル基、2−デセニル基,3−デセニル基、4−デセニル基、5−デセニル基、6−デセニル基、7−デセニル基、8−デセニル基、9−デセニル基、3,7−ジメチル−6−オクテニル基等のアルケニル基を挙げることができる。
【0024】
さらに、Rで表される基の具体例としては、例えば、
2−フルオロ−n−プロピル基、3−フルオロ−n−プロピル基、1,3−ジフルオロ−n−プロピル基、2,3−ジフルオロ−n−プロピル基、
2−フルオロ−n−ブチル基、3−フルオロ−n−ブチル基、4−フルオロ−n−ブチル基、3−フルオロ−2−メチルプロピル基、2,3−ジフルオロ−n−ブチル基、2,4−ジフルオロ−n−ブチル基、3,4−ジフルオロ−n−ブチル基、
2−フルオロ−n−ペンチル基、3−フルオロ−n−ペンチル基、5−フルオロ−n−ペンチル基、2,4−ジフルオロ−n−ペンチル基、2,5−ジフルオロ−n−ペンチル基、2−フルオロ−3−メチルブチル基、
2−フルオロ−n−ヘキシル基、3−フルオロ−n−ヘキシル基、4−フルオロ−n−ヘキシル基、5−フルオロ−n−ヘキシル基、6−フルオロ−n−ヘキシル基、
2−フルオロ−n−ヘプチル基、4−フルオロ−n−ヘプチル基、5−フルオロ−n−ヘプチル基、
2−フルオロ−n−オクチル基、3−フルオロ−n−オクチル基、6−フルオロ−n−オクチル基、
4−フルオロ−n−ノニル基、7−フルオロ−n−ノニル基、
3−フルオロ−n−デシル基、6−フルオロ−n−デシル基、
4−フルオロ−n−ドデシル基、8−フルオロ−n−ドデシル基、
5−フルオロ−n−テトラデシル基、9−フルオロ−n−テトラデシル基、
2−クロロエチル基、3−クロロ−n−プロピル基、2−クロロ−n−ブチル基、4−クロロ−n−ブチル基、2−クロロ−n−ペンチル基、5−クロロ−n−ペンチル基、5−クロロ−n−ヘキシル基、4−クロロ−n−ヘプチル基、6−クロロ−n−オクチル基、7−クロロ−n−ノニル基、3−クロロ−n−デシル基、8−クロロ−n−ドデシル基、
【0025】
n−パーフルオロプロピル基、n−パーフルオロブチル基、n−パーフルオロペンチル基、n−パーフルオロヘキシル基、n−パーフルオロヘプチル基、n−パーフルオロオクチル基、n−パーフルオロノニル基、n−パーフルオロデシル基、n−パーフルオロウンデシル基、n−パーフルオロドデシル基、n−パーフルオロテトラデシル基、
1−ヒドロ−n−パーフルオロプロピル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロブチル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロペンチル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロヘキシル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロヘプチル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロオクチル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロノニル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロデシル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロウンデシル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロドデシル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロテトラデシル基、
1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロプロピル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロブチル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロペンチル基、1,1−ジヒドロ−3−ペンタフルオロエチルパーフルオロペンチル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロヘキシル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロヘプチル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロオクチル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロノニル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロデシル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロウンデシル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロドデシル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロテトラデシル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロペンタデシル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロヘキサデシル基、
1,1,3−トリヒドロ−n−パーフルオロプロピル基、1,1,3−トリヒドロ−n−パーフルオロブチル基、1,1,4−トリヒドロ−n−パーフルオロブチル基、1,1,4−トリヒドロ−n−パーフルオロペンチル基、1,1,5−トリヒドロ−n−パーフルオロペンチル基、1,1,3−トリヒドロ−n−パーフルオロヘキシル基、1,1,6−トリヒドロ−n−パーフルオロヘキシル基、1,1,5−トリヒドロ−n−パーフルオロヘプチル基、1,1,7−トリヒドロ−n−パーフルオロヘプチル基、1,1,8−トリヒドロ−n−パーフルオロオクチル基、1,1,9−トリヒドロ−n−パーフルオロノニル基、1,1,11−トリヒドロ−n−パーフルオロウンデシル基、
【0026】
2−(パーフルオロエチル)エチル基、2−(n−パーフルオロプロピル)エチル基、2−(n−パーフルオロブチル)エチル基、2−(n−パーフルオロペンチル)エチル基、2−(n−パーフルオロヘキシル)エチル基、2−(n−パーフルオロヘプチル)エチル基、2−(n−パーフルオロオクチル)エチル基、2−(n−パーフルオロデシル)エチル基、2−(n−パーフルオロノニル)エチル基、2−(n−パーフルオロドデシル)エチル基、2−(パーフルオロ−9’−メチルデシル)エチル基、
2−トリフルオロメチルプロピル基、3−(n−パーフルオロプロピル)プロピル基、3−(n−パーフルオロブチル)プロピル基、3−(n−パーフルオロヘキシル)プロピル基、3−(n−パーフルオロヘプチル)プロピル基、3−(n−パーフルオロオクチル)プロピル基、3−(n−パーフルオロデシル)プロピル基、3−(n−パーフルオロドデシル)プロピル基、
4−(パーフルオロエチル)ブチル基、4−(n−パーフルオロプロピル)ブチル基、4−(n−パーフルオロブチル)ブチル基、4−(n−パーフルオロペンチル)ブチル基、4−(n−パーフルオロヘキシル)ブチル基、4−(n−パーフルオロヘプチル)ブチル基、4−(n−パーフルオロオクチル)ブチル基、4−(n−パーフルオロデシル)ブチル基、4−(パーフルオロイソプロピル)ブチル基、
5−(n−パーフルオロプロピル)ペンチル基、5−(n−パーフルオロブチル)ペンチル基、5−(n−パーフルオロペンチル)ペンチル基、5−(n−パーフルオロヘキシル)ペンチル基、5−(n−パーフルオロヘプチル)ペンチル基、5−(n−パーフルオロオクチル)ペンチル基、
6−(パーフルオロエチル)ヘキシル基、6−(n−パーフルオロプロピル)ヘキシル基、6−(n−パーフルオロブチル)ヘキシル基、6−(n−パーフルオロヘキシル)ヘキシル基、6−(n−パーフルオロヘプチル)ヘキシル基、6−(n−パーフルオロオクチル)ヘキシル基、6−(パーフルオロイソプロピル)ヘキシル基、6−(パーフルオロ−7’−メチルオクチル)ヘキシル基、
7−(パーフルオロエチル)ヘプチル基、7−(n−パーフルオロプロピル)ヘプチル基、7−(n−パーフルオロブチル)ヘプチル基、7−(n−パーフルオロペンチル)ヘプチル基等のハロゲン原子で置換されたアルキル基、
【0027】
2−(2’−トリフルオロメチルプロピルオキシ)エチル基、4−(2’−トリフルオロメチルプロピルオキシ)ブチル基、6−(2’−トリフルオロメチルプロピルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−トリフルオロメチルプロピルオキシ)オクチル基、2−(2’−トリフルオロメチルブチルオキシ)エチル基、4−(2’−トリフルオロメチルブチルオキシ)ブチル基、6−(2’−トリフルオロメチルブチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−トリフルオロメチルブチルオキシ)オクチル基、2−(2’−トリフルオロメチルヘプチルオキシ)エチル基、4−(2’−トリフルオロメチルヘプチルオキシ)ブチル基、6−(2’−トリフルオロメチルヘプチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−トリフルオロメチルヘプチルオキシ)オクチル基、2−(2’−フルオロエチルオキシ)エチル基、4−(2’−フルオロエチルオキシ)ブチル基、6−(2’−フルオロエチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−フルオロエチルオキシ)オクチル基、2−(2’−フルオロ−n−プロピルオキシ)エチル基、4−(2’−フルオロ−n−プロピルオキシ)ブチル基、6−(2’−フルオロ−n−プロピルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−フルオロ−n−プロピルオキシ)オクチル基、
2−(3’−フルオロ−n−プロピルオキシ)エチル基、4−(3’−フルオロ−n−プロピルオキシ)ブチル基、6−(3’−フルオロ−n−プロピルオキシ)ヘキシル基、8−(3’−フルオロ−n−プロピルオキシ)オクチル基、2−(3’−フルオロ−2’−メチルプロピルオキシ)エチル基、4−(3’−フルオロ−2’−メチルプロピルオキシ)ブチル基、6−(3’−フルオロ−2’−メチルプロピルオキシ)ヘキシル基、8−(3’−フルオロ−2’−メチルプロピルオキシ)オクチル基、2−(2’,3’−ジフルオロ−n−プロピルオキシ)エチル基、4−(2’,3’−ジフルオロ−n−プロピルオキシ)ブチル基、6−(2’,3’−ジフルオロ−n−プロピルオキシ)ヘキシル基、8−(2’,3’−ジフルオロ−n−プロピルオキシ)オクチル基、2−(2’−フルオロ−n−ブチルオキシ)エチル基、4−(2’−フルオロ−n−ブチルオキシ)ブチル基、6−(2’−フルオロ−n−ブチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−フルオロ−n−ブチルオキシ)オクチル基、
【0028】
2−(3’−フルオロ−n−ブチルオキシ)エチル基、4−(3’−フルオロ−n−ブチルオキシ)ブチル基、6−(3’−フルオロ−n−ブチルオキシ)ヘキシル基、8−(3’−フルオロ−n−ブチルオキシ)オクチル基、2−(4’−フルオロ−n−ブチルオキシ)エチル基、4−(4’−フルオロ−n−ブチルオキシ)ブチル基、6−(4’−フルオロ−n−ブチルオキシ)ヘキシル基、8−(4’−フルオロ−n−ブチルオキシ)オクチル基、2−(2’,3’−ジフルオロ−n−ブチルオキシ)エチル基、4−(2’,3’−ジフルオロ−n−ブチルオキシ)ブチル基、6−(2’,3’−ジフルオロ−n−ブチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’,3’−ジフルオロ−n−ブチルオキシ)オクチル基、パーフルオロ(2−n−ヘキシルオキシエチル)基、
1,1−ジヒドロ−パーフルオロ(2−メトキシエチル)基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ(3−n−プロピルオキシプロピル)基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ(2−エトキシエチル)基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ(2−n−ペンチルオキシエチル)基、2−(2’−n−パーフルオロブチルオキシエトキシ)エチル基、3−(n−パーフルオロブチルオキシ)−3,3−ジフルオロエチル基、4−(1,1,7−トリヒドロ−n−パーフルオロヘプチルオキシ)ブチル基、2−(n−パーフルオロプロピルオキシ)−2−トリフルオロメチル−2−フルオロエチル基、
2−(2’−トリクロロメチルプロピルオキシ)エチル基、4−(2’−トリクロロメチルプロピルオキシ)ブチル基、6−(2’−トリクロロメチルプロピルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−トリクロロメチルプロピルオキシ)オクチル基、2−(2’−トリクロロメチルブチルオキシ)エチル基、4−(2’−トリクロロメチルブチルオキシ)ブチル基、6−(2’−トリクロロメチルブチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−トリクロロメチルブチルオキシ)オクチル基、2−(2’−トリクロロメチルヘプチルオキシ)エチル基、4−(2’−トリクロロメチルヘプチルオキシ)ブチル基、6−(2’−トリクロロメチルヘプチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−トリクロロメチルヘプチルオキシ)オクチル基、2−(2’−クロロエトキシ)エチル基、4−(2’ークロロエトキシ)ブチル基、6−(2’−クロロエトキシ)ヘキシル基、8−(2’−クロロエトキシ)オクチル基、
【0029】
2−(2’−クロロ−n−プロピルオキシ)エチル基、4−(2’−クロロ−n−プロピルオキシ)ブチル基、6−(2’−クロロ−n−プロピルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−クロロ−n−プロピルオキシ)オクチル基、2−(3’−クロロ−n−プロピルオキシ)エチル基、4−(3’−クロロ−n−プロピルオキシ)ブチル基、6−(3’−クロロ−n−プロピルオキシ)ヘキシル基、8−(3’−クロロ−n−プロピルオキシ)オクチル基、2−(3’−クロロ−2’−メチルプロピルオキシ)エチル基、4−(3’−クロロ−2’−メチルプロピルオキシ)ブチル基、6−(3’−クロロ−2’−メチルプロピルオキシ)ヘキシル基、8−(3’−クロロ−2’−メチルプロピルオキシ)オクチル基、2−(2’,3’−ジクロロ−n−プロピルオキシ)エチル基、4−(2’,3’−ジクロロ−n−プロピルオキシ)ブチル基、6−(2’,3’−ジクロロ−n−プロピルオキシ)ヘキシル基、8−(2’,3’−ジクロロ−n−プロピルオキシ)オクチル基、2−(2’−クロロ−n−ブチルオキシ)エチル基、4−(2’−クロロ−n−ブチルオキシ)ブチル基、6−(2’−クロロ−n−ブチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−クロロ−n−ブチルオキシ)オクチル基、2−(3’−クロロ−n−ブチルオキシ)エチル基、4−(3’−クロロ−n−ブチルオキシ)ブチル基、6−(3’−クロロ−n−ブチルオキシ)ヘキシル基、8−(3’−クロロ−n−ブチルオキシ)オクチル基、2−(4’−クロロ−n−ブチルオキシ)エチル基、4−(4’−クロロ−n−ブチルオキシ)ブチル基、6−(4’−クロロ−n−ブチルオキシ)ヘキシル基、8−(4’−クロロ−n−ブチルオキシ)オクチル基、2−(2’,3’−ジクロロ−n−ブチルオキシ)エチル基、4−(2’,3’−ジクロロ−n−ブチルオキシ)ブチル基、6−(2’,3’−ジクロロ−n−ブチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’,3’−ジクロロ−n−ブチルオキシ)オクチル基等のハロゲン原子で置換されたアルコキシアルキル基、
3−n−パーフルオロプロピル−2−プロペニル基、3−n−パーフルオロブチル−2−プロペニル基、3−n−パーフルオロペンチル−2−プロペニル基、3−n−パーフルオロヘキシル−2−プロペニル基、3−n−パーフルオロヘプチル−2−プロペニル基、3−n−パーフルオロオクチル−2−プロペニル基等のハロゲン原子で置換されたアルケニル基を挙げることができる。
【0030】
本発明の一般式(1)で表される光学活性化合物において、Yは単結合、−O−基、−COO−基または−OCOO−基を表し、好ましくは、−O−基、−COO−基または−OCOO−基を表し、より好ましくは、−O−基または−COO−基を表す。
本発明の一般式(1)で表される光学活性化合物の具体例としては、第1表(表1〜3)に示すような化合物を挙げることができる。尚、表中、「−」は単結合を表す。
【0031】
【表1】
Figure 0004297462
【0032】
【表2】
Figure 0004297462
【0033】
【表3】
Figure 0004297462
【0034】
本発明の一般式(1)で表される光学活性化合物は、例えば、以下に示す工程を経て製造することができる。
・Y−が単結合である光学活性化合物(1−A)の製造:
下記のルート(化8)に従い、一般式(5)(化8)で表されるヒドロキシナフタレンカルボン酸エステル(R’はメチル基、エチル基等の低級アルキル基を表す)に、ピリジン中、トリフルオロメタンスルホン酸を作用させ、一般式(6)(化8)で表されるトリフルオロメタンスルホン酸エステルとし、次に、R”−C≡CH(R”はR基より炭素数が2個少ない基を表す)をパラジウム触媒〔例えば、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムまたはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム〕の存在下、トリエチルアミン等の有機塩基中で反応させ、一般式(7)(化8)で表されるアセチレン化合物を得る。この一般式(7)で表されるアセチレン化合物を水素雰囲気下、パラジウム触媒(例えばパラジウム/炭素)の存在下、接触還元することで、一般式(8)(化8)で表される化合物が得られる。一般式(8)で表される化合物を塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)等により、加水分解し、一般式(9)(化8)で表されるカルボン酸とし、続いて、一般式(9)で表されるカルボン酸と光学活性1−トリフルオロメチルプロパノールをエステル化することで一般式(1−A)(化8)で表される化合物を製造することができる。
【0035】
【化8】
Figure 0004297462
【0036】
尚、一般式(9)で表されるカルボン酸と、光学活性アルコールとの反応は、例えば、▲1▼一般式(9)であらわされるカルボン酸と、光学活性アルコールをジシクロヘキシルカルボジイミド(以下、DCCと略記する)および触媒(例えば、4−N,N−ジメチルアミノピリジン、4−ピロリジノピリジン)の存在下に脱水縮合させる方法、
▲2▼一般式(9)で表されるカルボン酸をハロゲン化剤(例えば、オギザリルクロライド、チオニルクロライド)により酸ハロゲン化物とし、その後、塩基(例えば、トリエチルアミン、ピリジン)の存在下に光学活性アルコールと反応させる方法等により実施することができる。
【0037】
・Yが−O−基で表される光学活性化合物(1−B)の製造:
下記のルート(化9)に従い、一般式(10)(化9)で表されるナフタレンカルボン酸(Zは、ベンジル基、テトラヒドロピラニル基等の保護基を表す)と光学活性1−トリフルオロメチルプロパノールより、一般式(11)(化9)で表されるエステル化合物を製造する。尚、このエステル化反応は、前述の一般式(9)で表されるカルボン酸と光学活性アルコールとの反応と同様の条件で実施することができる。次に、一般式(11)で表されるエステル化合物の保護基を除去し、一般式(12)(化9)で表されるヒドロキシナフタレン化合物とし、この化合物に、アルコール(R−OH)またはアルキル化剤〔R−X’(X’は、臭素、塩素、ヨウ素等のハロゲン原子またはトルエンスルホニルオキシ基等の脱離基を表す)〕を作用させ、一般式(1−B)(化9)で表される化合物を製造することができる。
【0038】
【化9】
Figure 0004297462
【0039】
尚、一般式(12)で表されるヒドロキシナフタレン化合物とアルコール(R−OH)との反応は、例えば、一般式(12)で表されるヒドロキシナフタレン化合物と、アルコールをジエチルアゾジカルボン酸(以下、DEADと略記する)と、トリフェニルホスフィンの存在下反応させることにより実施することができる。また、一般式(12)で表されるヒドロキシナフタレン化合物とアルキル化剤(R−X’)の反応は、例えば、一般式(12)で表されるヒドロキシナフタレン化合物とアルキル化剤を塩基(例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水素化ナトリウム)の存在下に反応させることで実施することができる。
【0040】
・Yが−COO−基で表される光学活性化合物(1−C)の製造:
下記のルート(化10)に従い、前記の一般式(12)で表されるヒドロキシナフタレン化合物に、カルボン酸(R−COOH)を反応させて、エステル化することで、製造することができる。
【0041】
【化10】
Figure 0004297462
【0042】
尚、エステル化反応は、例えば、
▲1▼カルボン酸と、一般式(12)で表されるヒドロキシナフタレン化合物とを、DCCおよび触媒(例えば、4−N,N−ジメチルアミノピリジン、4−ピロリジノピリジン)の存在下、脱水縮合させる方法、
▲2▼カルボン酸をハロゲン化剤(例えば、オギザリルクロライド、チオニルクロライド)により酸ハロゲン化物とし、その後、塩基(例えば、トリエチルアミン、ピリジン)の存在下、一般式(12)で表されるヒドロキシナフタレン化合物と反応させる方法により実施することができる。
【0043】
・Yが−OCOO−基で表される光学活性化合物(1−D)の製造:
下記のルート(化11)に従い、一般式(12)で表されるヒドロキシナフタレン化合物と、ハロゲン化ギ酸エステル〔R−OCOX’(X’は塩素、臭素等のハロゲン原子を表す)〕を塩基(例えば、トリエチルアミン、ピリジン)の存在下に反応させることで、製造することができる。
【0044】
【化11】
Figure 0004297462
【0045】
また、一般式(1)において、Yが−O−基、−COO−基または−OCOO−基である光学活性化合物は、別法として、下記のルート(化12)によっても製造することができる。
すなわち、一般式(13)(化12)で表されるヒドロキシナフタレン化合物(Zはベンジル基等の保護基を表す)に、R−X’、R−COOHまたはR−OCOX’を作用させ、一般式(14)(化12)で表される化合物とし、その後、一般式(14)で表される化合物の保護基を除去し、光学活性1−トリフルオロメチルプロパノールと反応させる方法によっても製造することができる。
【0046】
【化12】
Figure 0004297462
【0047】
本発明の一般式(1)で表される光学活性化合物には、それ自体で液晶性を示す化合物、および液晶性を示さない化合物がある。また、液晶性を示す化合物には、カイラルスメクチックC相(以下、Sc* 相と略記する)を示す化合物と、液晶性は示すが、Sc* 相を示さない化合物がある。これらの化合物は、それぞれ液晶組成物の構成成分として有効に使用することができる。
【0048】
次に、本発明の液晶組成物について説明する。
液晶組成物は、一般に2種以上の成分からなるが、本発明の液晶組成物は、必須成分として、本発明の光学活性化合物を少なくとも1種含有するものである。
本発明の液晶組成物としては、好ましくは、カイラルスメクチックC、F、G、H、I等の相を示す液晶組成物が挙げられ、より好ましくは、Sc* 相を示す液晶組成物である。
本発明のSc* 相を示す液晶組成物は、本発明の光学活性化合物、カイラルまたは非カイラルスメクチックC相(以下、Sc* 相またはSc相と略記する)を示す液晶化合物、および本発明の光学活性化合物以外の光学活性化合物から選ばれる化合物を複数組み合わせることにより調製される組成物であり、本発明の光学活性化合物を少なくとも一種含有する。
【0049】
Sc* 相を示す液晶化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、光学活性フェニルベンゾエート系液晶化合物、光学活性ビフェニルベンゾエート系液晶化合物、光学活性ナフタレン系液晶化合物、光学活性フェニルナフタレン系液晶化合物、光学活性トラン系液晶化合物、光学活性フェニルピリミジン系液晶化合物、光学活性ナフチルピリミジン系液晶化合物、光学活性テトラリン系液晶化合物を挙げることができる。
Sc相を示す液晶化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、非光学活性フェニルベンゾエート系液晶化合物、非光学活性ビフェニルベンゾエート系液晶化合物、非光学活性ナフタレン系液晶化合物、非光学活性フェニルナフタレン系液晶化合物、非光学活性トラン系液晶化合物、非行学活性フェニルピリミジン系液晶化合物、非光学活性ナフチルピリミジン系液晶化合物、非光学活性テトラリン系液晶化合物を挙げることができる。
これらのSc* 相またはSc相を示す化合物の具体例としては、例えば、下記の一般式(2)〜(4)で表される化合物(化13)を挙げることができる。
【0050】
【化13】
Figure 0004297462
〔上式中、R11、R12、R21、R22、R31およびR32はそれぞれ独立に、光学活性な不斉炭素を有していてもよい炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルキル基、炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルケニル基、あるいは炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルコキシアルキル基を表し、Y11、Y12、Y21、Y22、Y31およびY32はそれぞれ独立に、単結合、−COO−基または−O−基より選ばれる結合基を表す〕
【0051】
一般式(2)、(3)および(4)で表される化合物において、R11、R12、R21、R22、R31およびR32はそれぞれ独立に、光学活性な不斉炭素を有していてもよい炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルキル基、炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルケニル基、あるいは、炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルコキシアルキル基を表し、好ましくは、光学活性な不斉炭素を有していてもよい炭素数3〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基、光学活性な不斉炭素を有していてもよい炭素数3〜20の直鎖または分岐鎖のアルコキシアルキル基を表す。
11、R12、R21、R22、R31およびR32の具体例としては、ハロゲン原子で置換されていないRで表される前記の基の具体例を挙げることができる。
【0052】
一般式(2)、(3)および(4)で表される化合物において、Y11、Y12、Y21、Y22、Y31およびY32はそれぞれ独立に、単結合、−COO−基または−O−基より選ばれる結合基を表す。Y11およびY21は好ましくは、−COO−基または−O−基を表し、Y31は好ましくは、単結合または−O−基を表し、Y12、Y22およびY32は好ましくは、−COO−基または−O−基を表す。
【0053】
一般式(2)および(4)で表される化合物は、例えば、特開昭62−10045号公報または特開昭63−233932号公報に記載の方法に従い製造することができる。
一般式(3)で表される化合物は、例えば、特開昭60−32748号公報に記載の操作に従い製造することができる。
【0054】
本発明の光学活性化合物以外の光学活性化合物とは、それ自体では液晶性を示さないがSc相を示す液晶化合物、または、Sc相を示す液晶組成物と混合することにより、Sc* 相を発現する能力を有する化合物を示す。
本発明の光学活性化合物以外の光学活性化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、光学活性フェニルベンゾエート系非液晶化合物、光学活性ビフェニルベンゾエート系非液晶化合物、光学活性ナフタレン系非液晶化合物、光学活性フェニルナフタレン系非液晶化合物、光学活性トラン系非液晶化合物、光学活性フェニルピリミジン系非液晶化合物、光学活性ナフチルピリミジン系非液晶化合物、光学活性テトラリン系非液晶化合物を挙げることができる。
【0055】
また、本発明の液晶組成物には、上記の必須成分の他に、任意成分としてSc相を示さないスメクチックおよびネマチック液晶化合物、本発明の光学活性化合物以外の液晶性を示さない化合物(例えば、アントラキノン系色素、アゾ系色素等の2色性色素、および導電性付与剤、寿命向上剤等)を含有していてもよい。本発明の液晶組成物中、本発明の光学活性化合物の含有量は特に限定されるものではないが、通常、0.5〜30重量%であり、好ましくは、1〜10重量%である。
【0056】
本発明の液晶組成物において、液晶組成物の自発分極は、本発明の光学活性化合物の添加量を変更することで所望の値に調製することができる。好ましくは、3〜20nC/cm2 であり、より好ましくは、4〜15nC/cm2 である。本発明の光学活性化合物を少なくとも1種含有するする液晶組成物は、従来の液晶組成物と比較して液晶温度領域、閾値特性、応答時間、チルト角および配向膜上での配向特性点で優れている。
【0057】
次ぎに、本発明の液晶素子に関して説明する。
本発明の液晶素子は、本発明の液晶組成物を1対の電極基板間に配置してなる。(図1)は強誘電性を利用した液晶素子の構成を説明するためのカイラルスメクチック相を有する液晶素子の一例を示す断面概略図である。
液晶素子は、それぞれ透明電極3および絶縁性配向制御層4を設けた1対の基板2間にカイラルスメクチック相を示す液晶層1を配置し、かつ、その層厚をスペーサー5で設定してなるものであり、1対の透明電極3間にリード線6を介して電源7より電圧を印加可能なように接続する。また、1対の基板2は、1対のクロスニコル状態に配置された偏光板8により挟持され、その一方の外側には光源9が配置される。
基板2の材質としては、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラス等のガラスおよびポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート等の透明性高分子が挙げられる。
2枚の基板2に設けられる透明電極3としては、例えば、In2 3 、SnO2 またはITO(インジウム・チン・オキサイド;Indium Tin Oxide)の薄膜からなる透明電極が挙げられる。
【0058】
絶縁性配向制御層4は、ポリイミド等の高分子の薄膜をナイロン、アセテート、レーヨン等の植毛布等でラビングし、液晶を配向させるためのものである。絶縁性配向制御層4の材質としては、例えば、シリコン窒化物、水素を含有するシリコン窒化物、シリコン炭化物、水素を含有するシリコン炭化物、シリコン酸化物、ホウ素窒化物、水素を含有するホウ素窒化物、セリウム酸化物、アルミニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、チタン酸化物やフッ化マグネシウムなどの無機物質絶縁層、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリパラキシレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリスチレン、セルロース樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アクリル樹脂などの有機絶縁層が挙げられ、無機絶縁層の上に有機絶縁層を形成した2層構造の絶縁性配向制御層であってもよく、無機絶縁層または有機絶縁層のみからなる絶縁性配向制御層であってもよい。
【0059】
絶縁性配向制御層が無機絶縁層である場合には、蒸着法などで形成することができる。また、有機絶縁層である場合には、有機絶縁層材料または、その前駆体の溶液をスピンナー塗布法、浸透塗布法、スクリーン印刷法、スプレー塗布法、ロール塗布法等で塗布し、所定の条件下(例えば、加熱下)で溶媒を除去し、所望により焼成させて形成することができる。
なお、有機絶縁層を形成する際に、必要に応じ、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤等を使用して表面処理を行い、その後、有機絶縁層材料または、その前駆体を塗布してもよい。絶縁性配向制御層4の層厚は、通常、10オングストローム〜1μm、好ましくは、10〜3000オングストローム、さらに好ましくは、10〜1000オングストロームである。
【0060】
2枚の基板2は、スペーサ5により任意の間隔に保たれている。例えば、所定の直径を持つシリカビーズ、アルミナビーズをスペーサとして基板2で挟み、2枚の基板2の周囲をシール剤(例えば、エポキシ系接着剤)を用いて密封することにより、任意の間隔に保つことができる。また、スペーサーとして高分子フィルムやガラスファイバーを使用してもよい。この2枚の基板の間にカイラルスメクチック相を示す液晶を封入する。液晶層1は、一般的には0.5〜20μm、好ましくは、1〜5μm、より好ましくは、1〜3μmの厚さに設定する。
透明電極3はリード線によって外部の電源7に接続されている。
また、基板2の外側には、互いの偏光軸を、例えば、クロスニコル状態とした1対の偏光板8が配置されている。(図1)の例は透過型であり、光源9を備えている。
また、本発明の液晶組成物を使用した液晶素子は、(図1)に示した透過型の素子としてだけではなく、反射型の素子としても応用可能である。
【0061】
本発明の液晶組成物を使用する液晶素子の表示方式に関しては、特に限定されるものではないが、例えば、(a)ヘリカル変歪型、(b)SSFLC(サーフェス・スタビライズド・フェロエレクトリック・リキッド・クリスタル)型、(c)TSM(トランジェント・スキャッタリング・モード)型、(d)G−H(ゲスト−ホスト)型、(e)フィールドシーケンシャルカラー型の表示方式を使用することができる。
【0062】
本発明の液晶組成物を使用する液晶素子の駆動方法は、セグメント型、単純マトリックス型等のパッシブ駆動型であってもよく、TFT(薄膜トランジスタ)型、MIM(メタル−インスレーター−メタル)型等のアクティブ駆動型であってもよい。
また、本発明の光学活性化合物および該化合物を含有してなる液晶組成物は、表示用液晶素子以外の分野(例えば、▲1▼非線形光機能素子、▲2▼コンデンサー材料等のエレクトロニクス材料、▲3▼リミッター、メモリー、増幅器、変調器などのエレクトロニクス素子、▲4▼熱、光、圧力、機械変形などと電圧の変換素子やセンサー、▲5▼熱電発電素子等の発電素子、▲6▼空間光変調素子、▲7▼光導電性材料)への応用が可能である。
【0063】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
尚、表中の記号SA およびSc* は以下の意味を表す。
A :スメクチックA相
Sc* :カイラルスメクチックC相
また、各実施例中の測定は以下に示す方法に従い行った。
・相転移温度:温度制御装置を備えた偏光顕微鏡を用いて測定した。
・応答時間:液晶素子に±20V、10Hzの矩形波を印加し、偏光顕微鏡下での応答を光電子倍増管により検出し、デジタルオシロスコープでその応答時間(透過光量10%−90%)を求めた。
・チルト角:液晶素子に±20V、1Hzの矩形波を印加し、偏光顕微鏡下で、目視により2点の消光位の角度(2θ)を求め、これより算出(2θ/2)した。
・自発分極:液晶素子に±20V、120Hzの三角波を印加し、三角波法により求めた。すなわち、分極反転に伴う電流を電流−電圧変換器により電圧変化とし、デジタルオシロスコープより分極反転電流の積分値を求めた。
・閾値電圧:液晶素子に±20Vの矩形波を印加し、電圧を0Vまで変化させ、透過光量が±20Vの時の95%以下になる値を閾値電圧とした。
【0064】
製造例1:6−n−デシルナフタレン−2−カルボン酸の合成
6−ヒドロキシナフタレンカルボン酸エチル5.4gとピリジン25gよりなる混合物に氷冷下、トリフルオロメタンスルホン酸無水物7.5gを滴下した。反応混合物を室温で12時間攪拌し、その後、過剰のピリジンを減圧下に留去した。残渣にトルエンおよび1/2規定塩酸を添加し、中和後、水洗を行い、トルエン相を分離した後、トルエンを減圧下に留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、6−トリフルオロメタンスルホニルオキシナフタレン−2−カルボン酸エチル6.3gを無色の結晶として得た。
6−トリフルオロメタンスルホニルオキシナフタレン−2−カルボン酸エチル5.22g、1−n−デシン3.11g、トリフェニルホスフィン45mg、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)40mg、ヨウ化銅17mgおよびトリエチルアミン15gよりなる混合物を、窒素気流下、室温で1時間、40℃で2時間、60℃で4時間加熱攪拌した。その後、反応混合物を室温まで冷却し、過剰のトリエチルアミンを減圧下に留去し、残渣にトルエンを添加した。トルエン溶液に1/2規定塩酸を添加し、中和後、水洗を行い、トルエンを減圧下に留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、6−(1’−n−デシニル)ナフタレン−2−カルボン酸エチル5.2gを得た。
6−(1’−n−デシニル)ナフタレン−2−カルボン酸エチル2.47g、パラジウム/炭素0.3gおよび酢酸エチル10gよりなる溶液を水素雰囲気下で12時間攪拌した。その後、パラジウム/炭素をろ別し、ろ液より酢酸エチルを減圧下に留去し、6−n−デシルナフタレン−2−カルボン酸エチル2.2gを得た。
6−n−デシルナフタレン−2−カルボン酸エチル2.2g、水酸化ナトリウム2.0g、エタノール10g、水5gよりなる混合物を60℃で6時間加熱攪拌した。その後、反応混合物に濃塩酸を添加し、酸性とし、酢酸エチルを添加して酢酸エチル溶液を水洗した。酢酸エチル溶液より酢酸エチルを減圧下に留去し、残渣をヘキサンより再結晶して、6−n−デシルナフタレン−2−カルボン酸1.6gを無色の結晶として得た。
【0065】
製造例2:(R)−6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸−1’−トリフルオロメチルプロピルエステルの製造
6−ベンジルオキシナフタレン−2−カルボン酸5.56g、(R)−1−トリフルオロメチルプロパノール2.56g、DCC4.12gおよびジクロロメタン20gよりなる混合物を室温で30分間攪拌した。その後、触媒量のN,N−ジメチルアミノピリジンを添加して、室温でさらに12時間攪拌した。反応終了後、生成した不溶物をろ別し、ろ液を減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、(R)−6−ベンジルオキシナフタレン−2−カルボン酸−1’−トリフルオロメチルプロピルエステル6.52gを無色の結晶として得た。
(R)−6−ベンジルオキシナフタレン−2−カルボン酸−1’−トリフルオロメチルプロピルエステル6.5g、Pd/C(50重量%含水)0.6gおよび酢酸エチル30gよりなる混合物を水素雰囲気下で8時間激しく攪拌した。その後、Pd/Cをろ別し、ろ液を減圧下に濃縮し、残渣にヘキサンを添加して、目的とする(R)−6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸−1’−トリフルオロメチルプロピルエステル4.84gを無色の結晶として得た。
【0066】
実施例1:例示化合物6の製造
6−n−デシルナフタレンカルボン酸312mg、(R)−1−トリフルオロメチルプロパノール128mg、DCC206mgおよびジクロロメタン5gよりなる混合物を室温で30分間攪拌した。その後、触媒量の4−N,N−ジメチルアミノピリジンを添加し、室温で更に12時間攪拌した。反応終了後、生成した不溶物をろ別し、ろ液よりジクロロメタンを減圧下に留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで2回精製し、例示化合物6の化合物189mgを無色の油状物として得た。
【0067】
実施例2:例示化合物49の製造
(R)−6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸−1’−トリフルオロメチルプロピルエステル298mg、n−デシルブロマイド221mg、炭酸カリウム138mg、およびDMF3gよりなる混合物を、80℃で6時間加熱攪拌した。その後、室温に冷却し、トルエンおよび1/2規定塩酸を添加し中和水洗した。トルエン層を分液し減圧下に濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、例示化合物49の化合物241mgを無色の油状物として得た。この化合物の融点は12℃であった。
【0068】
実施例3:例示化合物58の製造
実施例2において、n−デシルブロマイド221mgを使用する代わりに、n−テトラデシルブロマイド277mgを使用した以外は、実施例2に記載の操作に従い、例示化合物58の化合物301mgを無色の結晶として得た。
この化合物の融点は47℃であった。
【0069】
実施例4:例示化合物60の製造
(R)−6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸−1’−トリフルオロメチルプロピルエステル298mg、n−トリデカン酸228mg、DCC106mgおよびジクロロメタン5gよりなる混合物を室温で30分間攪拌した。その後、触媒量のN,N−ジメチルアミノピリジンを添加し、室温でさらに12時間攪拌した。反応終了後、生成した不溶物をろ別し、ろ液を減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、さらにメタノールから2回再結晶して例示化合物60の化合物274mgを無色の結晶として得た。
この化合物の融点は41℃であった。
【0070】
実施例5:例示化合物85の製造
(R)−6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸−1’−トリフルオロメチルプロピルエステル298mg、n−ヘキサデシルクロロホーメート305mgおよびトルエン5gよりなる混合物に、氷冷下、トリエチルアミン110mgおよびトルエン2gよりなる混合物を添加した。その後、室温で6時間攪拌し、反応終了後、1/2規定塩酸を添加し中和水洗した。トルエン層を分液し減圧下に濃縮して選られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、メタノールより2回再結晶し例示化合物85の化合物385mgを無色の結晶として得た。この化合物の融点は52℃であった。
【0071】
実施例6:例示化合物103の製造
実施例4において、n−トリデカン酸228mgを使用する代わりに、ラウリン酸200mgを使用した以外は、実施例4に記載の操作に従い、例示化合物103の化合物221mgを無色の結晶として得た。
この化合物の融点は40℃であった。
【0072】
比較例1:特開平2−229128号公報記載の化合物の製造
6−ベンジルオキシナフタレン−2−カルボン酸2.78g、(R)−1−トリフルオロメチルヘプタノール1.84g、DCC2.06gおよびジクロロメタン10gよりなる混合物を、室温で30分間攪拌した。その後、触媒量のN,N−ジメチルアミノピリジンを添加して、室温でさらに12時間攪拌した。反応終了後、生成した不溶物をろ別し、ろ液を減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、(R)−6−ベンジルオキシナフタレン−2−カルボン酸−1’−トリフルオロメチルヘプチルエステル3.60gを無色の結晶として得た。
(R)−6−ベンジルオキシナフタレン−2−カルボン酸−1’−トリフルオロメチルヘプチルエステル3.60g、Pd/C0.4gおよび酢酸エチル20gよりなる混合物を水素雰囲気下で8時間激しく攪拌した。その後、Pd/Cをろ別し、ろ液を減圧下に濃縮し、(R)−6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸−1’−トリフルオロメチルヘプチルエステル2.72gを無色の油状物として得た。
(R)−6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸−1’−トリフルオロメチルヘプチルエステル354mg、n−デシルブロマイド221mg、炭酸カリウム138mgおよびDMF3gよりなる混合物を80℃で6時間加熱攪拌した。その後、室温に冷却し、トルエンおよび1/2規定塩酸を添加し中和水洗した。トルエン相を分液し減圧下に濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、(R)−6−n−デシルオキシナフタレン−2−カルボン酸−1’−トリフルオロメチルヘプチル360mgを無色の油状物として得た。
【0073】
製造例3:ホスト液晶組成物の調製
下記の化合物群(化14)を、下記に示した割合で混合し、100℃で加熱溶融し、ホスト液晶組成物A(強誘電性液晶組成物)を調製した。
【0074】
【化14】
Figure 0004297462
【0075】
実施例7:液晶組成物の調製
製造例3で調製したホスト液晶Aに、実施例3で製造した例示化合物49の化合物を2.5重量%添加し、液晶組成物を調製した。
【0076】
実施例8:液晶素子の作製
2枚の1.1mm厚のガラス板を用意し、それぞれのガラス板上に、ITO膜を形成し、さらに表面処理を行った。このITO膜付きのガラス板に絶縁性配向制御層(住友ベークライト社製CRD−8616)をスピンコートし、成膜後、90℃で5分、200℃で30分間焼成した。この配向膜にラビング処理を行い、平均粒径1.9μmのシリカビーズを一方のガラス板上に散布した。その後、それぞれのラビング処理軸が互いに反平行となるよう、シール剤を用いてガラス板を張り合わせセルを作製した。このセルを120℃に加熱し、加熱(120℃)した実施例7で調製した液晶組成物を注入し、その後、10℃/分の速度で室温まで冷却し、液晶素子を作製した。この液晶素子をクロスニコル状態に配置した2枚の偏光板に挟持し、±20V、10Hzの矩形波を印加したところ、明瞭なスイッチング現象が観察された。また、偏光顕微鏡観察では良好な均一配向状態が観察され、ジグザグ欠陥等の配向欠陥は観察されなかった。尚、この液晶素子の電場応答特性を第2表(表4)にまとめた。
【0077】
実施例9:液晶組成物の調製
製造例3で調製したホスト液晶Aに、実施例4で製造した例示化合物60の化合物を2.5重量%添加し、液晶組成物を調製した。
【0078】
実施例10:液晶素子の作製
実施例8と同様の操作により作製したセルを120℃に加熱し、加熱(120℃)した実施例9で調製した液晶組成物を注入し、その後、10℃/分の速度で室温まで冷却し、液晶素子を作製した。この液晶素子をクロスニコル状態に配置した2枚の偏光板に挟持し、±20V、10Hzの矩形波を印加したところ、明瞭なスイッチング現象が観察された。また、偏光顕微鏡観察では良好な均一配向状態が観察され、ジグザグ欠陥等の配向欠陥は観察されなかった。尚、この液晶素子の電場応答特性を第2表にまとめた。
【0079】
実施例11:液晶組成物の調製
製造例3で調製したホスト液晶Aに、実施例5で製造した例示化合物85の化合物を2.5重量%添加し、液晶組成物を調製した。
【0080】
実施例12:液晶素子の作製
実施例8と同様の操作により作製したセルを120℃に加熱し、加熱(120℃)した実施例11で調製した液晶組成物を注入し、その後、10℃/分の速度で室温まで冷却し、液晶素子を作製した。この液晶素子をクロスニコル状態に配置した2枚の偏光板に挟持し、±20V、10Hzの矩形波を印加したところ、明瞭なスイッチング現象が観察された。また、偏光顕微鏡観察では良好な均一配向状態が観察され、ジグザグ欠陥等の配向欠陥は観察されなかった。尚、この液晶素子の電場応答特性を第2表にまとめた。
【0081】
実施例13:液晶組成物の調製
製造例3で調製したホスト液晶Aに、実施例6で製造した例示化合物103の化合物を2.5重量%添加し、液晶組成物を調製した。
【0082】
実施例14:液晶素子の作製
実施例8と同様の操作により作製したセルを120℃に加熱し、加熱(120℃)した実施例13で調製した液晶組成物を注入し、その後、10℃/分の速度で室温まで冷却し、液晶素子を作製した。この液晶素子をクロスニコル状態に配置した2枚の偏光板に挟持し、±20V、10Hzの矩形波を印加したところ、明瞭なスイッチング現象が観察された。また、偏光顕微鏡観察では良好な均一配向状態が観察され、ジグザグ欠陥等の配向欠陥は観察されなかった。尚、この液晶素子の電場応答特性を第2表にまとめた。
【0083】
比較例2:
製造例3で調製したホスト液晶Aに、比較例1で製造した特開平2−229128号記載の化合物を2.5重量%添加し、液晶組成物を調製した。次に、実施例8と同様の操作により作製したセルを120℃に加熱し、加熱(120℃)した該液晶組成物を注入し、その後、10℃/分の速度で室温まで冷却し、液晶素子を作製した。この液晶素子をクロスニコル状態に配置した2枚の偏光板に挟持し、±20V、10Hzの矩形波を印加したところ、明瞭なスイッチング現象が観察された。また、偏光顕微鏡観察では良好な均一配向状態が観察され、ジグザグ欠陥等の配向欠陥は観察されなかった。尚、この液晶素子の電場応答特性を第2表にまとめた。
【0084】
比較例3:
比較のため、下記式(化15)で表される化合物(I) を、製造例3で調製したホスト液晶Aに2.5重量%添加し、液晶組成物を調製した。次に、実施例8と同様の操作により作製したセルを120℃に加熱し、加熱(120℃)した該液晶組成物を注入し、その後、10℃/分の速度で室温まで冷却し、液晶素子を作製した。この液晶素子をクロスニコル状態に配置した2枚の偏光板に挟持し、±20V、10Hzの矩形波を印加したところ、明瞭なスイッチング現象が観察された。また、偏光顕微鏡観察ではストライプ状の欠陥が観察されたが、配向状態は概ね均一であった。尚、この液晶素子の電場応答特性を第2表にまとめた。
【0085】
【化15】
Figure 0004297462
【0086】
比較例4:
比較のため、下記式(化16)で表される化合物(II)を、製造例3で調製したホスト液晶Aに2.5重量%添加し、液晶組成物を調製した。次に、実施例8と同様の操作により作製したセルを120℃に加熱し、加熱(120℃)した該液晶組成物を注入し、その後、10℃/分の速度で室温まで冷却し、液晶素子を作製した。この液晶素子を、クロスニコル状態に配置した2枚の偏光板に挟持し、±20V、10Hzの矩形波を印加したところ、明瞭なスイッチング現象が観察された。また、偏光顕微鏡観察ではストライプ状の欠陥が観察されたが、配向状態は概ね均一であった。尚、この液晶素子の電場応答特性を第2表にまとめた。
【0087】
【化16】
Figure 0004297462
【0088】
比較例5:
比較例4において、化合物(II) を2.5重量%添加する代わりに、化合物(II) を6.0重量%添加した以外は、比較例4と同様の操作を行い、液晶組成物および液晶素子を作製した。この液晶素子をクロスニコル状態に配置した2枚の偏光板に挟持し、±20V、10Hzの矩形波を印加したところ、明瞭なスイッチング現象が観察された。また、偏光顕微鏡観察ではストライプ状の欠陥が観察されたが、配向状態は概ね均一であった。
尚、この液晶素子の電場応答特性を第2表にまとめた。
【0089】
実施例15:液晶組成物の調製
製造例3で調製したホスト液晶Aに、実施例4で製造した例示化合物60の化合物を6.0重量%添加し、液晶組成物を調製した。
【0090】
実施例16:液晶素子の作製
実施例8と同様の操作により作製したセルを120℃に加熱し、加熱(120℃)した実施例15で調製した液晶組成物を注入し、その後、10℃/分の速度で室温まで冷却し、液晶素子を作製した。この液晶素子をクロスニコル状態に配置した2枚の偏光板に挟持し、±20V、10Hzの矩形波を印加したところ、明瞭なスイッチング現象が観察された。また、偏光顕微鏡観察では良好な均一配向状態が観察され、ジグザグ欠陥等の配向欠陥は観察されなかった。尚、この液晶素子の電場応答特性を第2表にまとめた。
【0091】
製造例4:ホスト液晶組成物Bの製造
下記の化合物群(化17)を下記に示した割合で混合し、100℃で加熱溶融し、ホスト液晶組成物B(強誘電性液晶組成物)を調製した。
【0092】
【化17】
Figure 0004297462
【0093】
実施例17:液晶組成物の調製製造例3で調製したホスト液晶に、実施例4で製造した例示化合物60の化合物を2.5重量%添加し、液晶組成物を調製した。
【0094】
実施例18:液晶素子の作製
実施例8と同様の操作により作製したセルを120℃に加熱し、加熱(120℃)した実施例17で調製した液晶組成物を注入し、その後、10℃/分の速度で室温まで冷却し、液晶素子を作製した。この液晶素子をクロスニコル状態に配置した2枚の偏光板に挟持し、±20V、10Hzの矩形波を印加したところ、明瞭なスイッチング現象が観察された。また、偏光顕微鏡観察では良好な均一配向状態が観察され、ジグザグ欠陥等の配向欠陥は観察されなかった。尚、この液晶素子の電場応答特性を第2表にまとめた。
【0095】
【表4】
Figure 0004297462
【0096】
実施例8、実施例10、実施例12および実施例14と比較例2との比較より、本発明の光学活性化合物を液晶組成物の構成成分として使用することにより液晶組成物のSA −Sc* 転移温度、応答時間、チルト角および閾値電圧を改善することが可能になることが判る。また、比較例3との比較から、分子量の比較的大きい化合物を使用した場合、閾値電圧が大きくなることが判る。
実施例14および実施例16と比較例4および比較例5との比較より本発明の光学活性化合物は、少ない添加量で充分な自発分極を誘起することができ、また、SA −Sc* 相転移温度もあまり低下させない化合物であることが判る。
【0097】
【発明の効果】
本発明により液晶組成物の構成成分として有用な光学活性化合物、詳しくは、少量の添加で充分な自発分極を誘起し、さらに液晶組成物の閾値電圧を低下させる光学活性化合物を提供することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】カイラルスメクチック相を示す液晶を用いた液晶素子の一例の断面概略図である。
【符号の説明】
1 :カイラルスメクチック相を有する液晶層
2 :基板
3 :透明電極
4 :絶縁性配向制御層
5 :スペーサー
6 :リード線
7 :電源
8 :偏光板
9 :光源
O :入射光
I :透過光

Claims (6)

  1. 一般式(1)(化1)で表される光学活性化合物。
    Figure 0004297462
    〔式中、Rはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルケニル基、あるいは、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルコキシアルキル基を表し、Yは、−COO−基または−OCOO−基を表す〕
  2. Yが−COO−基である請求項1記載の光学活性化合物。
  3. 請求項1記載の光学活性化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする液晶組成物。
  4. 請求項1記載の光学活性化合物を少なくとも1種と、下記一般式(2)、(3)および(4)(化2)で表される化合物の少なくとも1種とを含有することを特徴とする液晶組成物。
    Figure 0004297462
    (式中、R11、R12、R21、R22、R31およびR32はそれぞれ独立に、光学活性な不斉炭素を有していてもよい炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルキル基、炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルケニル基、あるいは、炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルコキシアルキル基を表し、Y11、Y12、Y21、Y22、Y31およびY32はそれぞれ独立に、単結合、−COO−基または−O−基より選ばれる結合基を表す)
  5. 請求項1記載の光学活性化合物の含有量が1〜10重量%である請求項4記載の液晶組成物。
  6. 請求項3〜5のいずれかに記載の液晶組成物を使用することを特徴とする液晶素子。
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