JP4233258B2 - エステル化合物、液晶組成物および液晶素子 - Google Patents

エステル化合物、液晶組成物および液晶素子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なエステル化合物に関する。さらに詳しくは、液晶表示素子などに用いる液晶組成物の成分として有用な新規なエステル化合物、該化合物を含有する液晶組成物および該液晶組成物を使用した液晶素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は薄型軽量で消費電力が低いため、種々の用途のディスプレイとして使用されている。
【0003】
現在、液晶表示素子としては、TN(ツイステッド・ネマチック)型表示方式が最も広汎に使用されている。このTN型表示方式は、応答時間の点において、発光型素子(陰極管、エレクトロルミネッセンス、プラズマディスプレイ等)と比較して劣っている。ねじれ角を180〜270゜にしたSTN(スーパー・ツイステッド・ネマチック)型表示素子も開発されているが、応答時間はやはり劣っている。 この様に種々の改善の努力が行われているが、応答時間の短いTN型表示素子は実現には到っていない。
【0004】
しかしながら、近年、盛んに研究が進められている強誘電性液晶を用いる新しい表示方式に於いては、著しい応答時間の改善の可能性がある〔N.A.Clarkら;Applied Phys.lett.,36,899(1980)〕。
【0005】
この方式は、強誘電性を示すカイラルスメクチックC相等のカイラルスメクチック相を利用する方法である。強誘電性を示す相はカイラルスメクチックC相のみではなく、カイラルスメクチックF、G、H、I等の相が強誘電性を示す強誘電性液晶相であることが知られている。これらのスメクチック液晶相はチルト系のカイラルスメクチック相に属するものであるが、実用的には、その中で低粘性であり、高速応答性が期待されるカイラルスメクチックC相の利用が検討されている。
【0006】
また、カイラルスメクチックC相の高次の相である、カイラルスメクチックCA相(反強誘電性相)を利用した表示方式に関しても近年盛んに研究が行われている〔L.Chandaniら、;Jpn.J.App.Phys.,27.L719(1988)〕。
【0007】
これらチルト系のスメクチック相を示す液晶化合物は、これまでにも種々検討されており、既に数多くの化合物が探索、製造されてきた。しかしながら、実際に使用する強誘電性液晶表示素子に応用する際に求められる数多くの特性(高速応答性、配向性、高いコントラスト比、閾値特性、メモリー安定性、さらにこれらの諸特性の温度依存性等)を最適化するためには、現在のところ、1つの化合物では応じられず、いくつかの液晶化合物を混合して得られる強誘電性液晶組成物を使用している。
【0008】
また、チルト系のカイラルスメクチック組成物としては、チルト系カイラルスメクチック液晶相を示す化合物のみからなる液晶組成物ばかりでなく、非カイラルなチルト系スメクチック相を示す化合物または組成物を基本物質として、これにチルト系カイラルスメクチック相を示す1種または複数の化合物を混合して全体をチルト系カイラルスメクチック液晶組成物として得ることができる。さらにチルト系スメクチック相を示す化合物または組成物を基本物質として、光学活性ではあるが、チルト系カイラルスメクチック液晶相は示さない1種または複数の化合物を混合して全体をチルト系カイラルスメクチック液晶組成物とする報告も見受けられる〔Mol.Cryst.Liq.Cryst.,89,327(1982)〕。
【0009】
これらのことをまとめるとチルト系カイラルスメクチック液晶相を示すか否かに係わらず光学活性である化合物の一種または複数と、非カイラルな、チルト系スメクチック液晶相を示す化合物を混合することによりチルト系スメクチック液晶組成物を構成できることが判る。
【0010】
このように液晶組成物の構成成分としては、種々の化合物を使用することが可能であるが、実用的には室温を含む広い温度範囲でチルト系のスメクチック相またはカイラルスメクチック相を呈する液晶化合物もしくは混合物が望ましい。これらの液晶組成物の成分としては、フェニルベンゾエート系液晶化合物、ビフェニル系液晶化合物、フェニルピリミジン系液晶化合物およびエステル系液晶化合物などが知られている。しかし、これらの化合物を構成成分とする液晶組成物も、スメクチック相での層構造(理想的にはブックシェルフ構造)、粘性およびその温度依存性、閾値特性、相溶性等において、まだ充分な特性を備えているとは言いがたい。
【0011】
従って、現状ではチルト系のスメクチック相またはカイラルスメクチック相を示す材料等を種々試験し、液晶温度領域、応答時間、チルト角、およびそれらの温度依存性、配向膜上での配向特性等を最適化することが必要となっている。また、近年の携帯端末等の普及において、液晶素子にも低消費電力化が望まれ、このため、閾値電圧の低い液晶組成物が望まれている。
【0012】
液晶組成物に使用する光学活性化合物はこれまで数多くの化合物が製造、検討されている。例えば、特開平3−83951号公報には下記式で表される光学活性化合物(化3)が報告されている。
【0013】
【化3】
Figure 0004233258
【0014】
しかしながら、該化合物は、液晶組成物に添加した際に組成物自体の粘性を増加させ、応答時間、閾値電圧を増加させるという問題点があった。
【0015】
また、特開平2−160730号公報には下記式で表される光学活性化合物(化4)が報告されている。しかしながら、該化合物は、液晶を駆動させるのに必要な自発分極を得るための必要量を液晶組成物に添加した際に液晶組成物の上限温度を低下させるという問題点があった。
【0016】
【化4】
Figure 0004233258
【0017】
さらには、特開平2−229128号公報には下記式で表されるナフタレン系光学活性化合物(化5)も開示されている。しかしながら、本発明者らが、該化合物の液晶組成物への添加に関し検討したところ、これらの化合物においても、液晶組成物の上限温度の低下と液晶組成物の閾値電圧の増加という2つの問題があった。
【0018】
【化5】
Figure 0004233258
【0019】
したがって、これらの問題点から現在では、粘性の低い光学活性化合物または少ない添加量で十分な自発分極を発現し、なお且つ液晶組成物に添加した際に閾値電圧を低下させ、なおかつ液晶相の上限温度を拡大する化合物が望まれている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、スメクチック液晶素子の実用化のために、スメクチック液晶組成物に配合した際に、液晶温度範囲、高速応答性,配向性、高いコントラスト比、閾値特性、層構造等の諸特性およびその温度依存性を改善するに適した化合物および該化合物を含有してなる液晶組成物、該組成物を使用した液晶素子を提供するものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、ある種のエステル化合物を見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は一般式(1)で表される CA * 相を示すエステル化合物に関するものである。また、一般式(1)で表される CA * 相を示すエステル化合物を含有することを特徴とする液晶組成物、該組成物を使用することを特徴とする液晶素子に関するものである。
【0022】
【化6】
Figure 0004233258
【0023】
〔式中、R1n−C 10 21 を表し、R2−C 5 11 −nを表し、R3およびR4水素原子を表し、Y1単結合を表し、nはを表し、X1水素原子を表し、*は不斉炭素を表す〕
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に関し詳細に説明する。なお、特に本発明では、以下に示す実施形態において、一般式(1)で表されるエステル化合物として、S CA * 相を示し、R 1 がn−C 10 21 −であり、R 2 が−C 5 11 −nであり、R 3 およびR 4 が水素原子であり、Y 1 が単結合であり、nが2であり、X 1 が水素原子である化合物を選択する。
【0025】
本発明の一般式(1)で表されるエステル化合物においてY1は単結合、−O−基、−COO−基、−OCOO−基または−C≡C−基を表す。本発明の一般式(1)で表されるエステル化合物はY1の構造により以下の5種の構造(化7)を取る。
【0026】
【化7】
Figure 0004233258
【0027】
〔式中、R1、R2、R3およびR4、X1、nおよび*は前述の意味を表す〕
好ましくは、(1−A)、(1−B)、(1−C)または(1−E)であり、より好ましくは、(1−A)、(1−B)または(1−C)である。
【0028】
本発明の一般式(1)で表されるエステル化合物において、R1はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルケニル基、あるいは、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルコシアルキル基を表す。
【0029】
1は、好ましくは、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数4〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数4〜20の直鎖または分岐鎖のアルケニル基、あるいは、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数4〜20の直鎖または分岐鎖のアルコキシアルキル基を表し、より好ましくは、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜16の直鎖または分岐鎖のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜16の直鎖または分岐鎖のアルケニル基、あるいはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜16の直鎖または分岐鎖のアルコキシアルキル基を表す。
【0030】
1で表される基の具体例としては、例えば、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、n−ヘネイコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基、1−メチルエチル基、1,1−ジメチルエチル基、1−メチルプロピル基、1−エチルプロピル基、1−n−プロピルプロピル基、1−メチルブチル基、1−エチルブチル基、1−n−プロピルブチル基、1−n−ブチルブチル基、1−メチルペンチル基、1−エチルペンチル基、1−n−プロピルペンチル基、1−n−ブチルペンチル基、1−n−ペンチルペンチル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルヘキシル基、1−n−プロピルヘキシル基、1−n−ブチルヘキシル基、1−n−ペンチルヘキシル基、1−n−ヘキシルヘキシル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルヘプチル基、1−n−プロピルヘプチル基、1−n−ブチルヘプチル基、1−n−ペンチルヘプチル基、1−n−ヘプチルヘプチル基、1−メチルオクチル基、1−エチルオクチル基、1−n−プロピルオクチル基、1−n−ブチルオクチル基、1−n−ペンチルオクチル基、1−n−ヘキシルオクチル基、1−n−ヘプチルオクチル基、1−n−オクチルオクチル基、1−メチルノニル基、1−エチルノニル基、1−n−プロピルノニル基、1−n−ブチルノニル基、1−n−ペンチルノニル基、1−n−ヘキシルノニル基、1−n−ヘプチルノニル基、1−n−オクチルノニル基、1−n−ノニルノニル基、1−メチルデシル基、2−メチルプロピル基、2−メチルブチル基、2−エチルブチル基、2−メチルペンチル基、2−エチルペンチル基、2−n−プロピルペンチル基、2−メチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−n−プロピルヘキシル基、2−n−ブチルヘキシル基、2−メチルヘプチル基、2−エチルヘプチル基、2−n−プロピルヘプチル基、2−n−ブチルヘプチル基、2−n−ペンチルヘプチル基、2−メチルオクチル基、2−エチルオクチル基、2−n−プロピルオクチル基、2−n−ブチルオクチル基、2−n−ペンチルオクチル基、2−n−ヘキシルオクチル基、2−メチルノニル基、2−エチルノニル基、2−n−プロピルノニル基、2−n−ブチルノニル基、2−n−ペンチルノニル基、2−n−ヘキシルノニル基、2−n−ヘプチルノニル基、2−メチルデシル基、2,3−ジメチルブチル基、2,3,3−トリメチルブチル基、3−メチルブチル基、3−メチルペンチル基、3−エチルペンチル基、4−メチルペンチル基、4−エチルヘキシル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、2,3,3,4−テトラメチルペンチル基、3−メチルヘキシル基、2,5−ジメチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、3,5,5,−トリメチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、6−メチルヘプチル基、3,7−ジメチルオクチル基、6−メチルオクチル基等のアルキル基、
【0031】
2−フルオロ−n−プロピル基、3−フルオロ−n−プロピル基、1,3−ジフルオロ−n−プロピル基、2,3−ジフルオロ−n−プロピル基、
2−フルオロ−n−ブチル基、3−フルオロ−n−ブチル基、4−フルオロ−n−ブチル基、3−フルオロ−2−メチルプロピル基、2,3−ジフルオロ−n−ブチル基、2,4−ジフルオロ−n−ブチル基、3,4−ジフルオロ−n−ブチル基、
2−フルオロ−n−ペンチル基、3−フルオロ−n−ペンチル基、5−フルオロ−n−ペンチル基、2,4−ジフルオロ−n−ペンチル基、2,5−ジフルオロ−n−ペンチル基、2−フルオロ−3−メチルブチル基、
2−フルオロ−n−ヘキシル基、3−フルオロ−n−ヘキシル基、4−フルオロ−n−ヘキシル基、5−フルオロ−n−ヘキシル基、6−フルオロ−n−ヘキシル基、
2−フルオロ−n−ヘプチル基、4−フルオロ−n−ヘプチル基、5−フルオロ−n−ヘプチル基、
2−フルオロ−n−オクチル基、3−フルオロ−n−オクチル基、6−フルオロ−n−オクチル基、
4−フルオロ−n−ノニル基、7−フルオロ−n−ノニル基、
3−フルオロ−n−デシル基、6−フルオロ−n−デシル基、
4−フルオロ−n−ドデシル基、8−フルオロ−n−ドデシル基、
5−フルオロ−n−テトラデシル基、9−フルオロ−n−テトラデシル基、
3−クロロ−n−プロピル基、2−クロロ−n−ブチル基、4−クロロ−n−ブチル基、2−クロロ−n−ペンチル基、5−クロロ−n−ペンチル基、5−クロロ−n−ヘキシル基、4−クロロ−n−ヘプチル基、6−クロロ−n−オクチル基、7−クロロ−n−ノニル基、3−クロロ−n−デシル基、8−クロロ−n−ドデシル基、
n−パーフルオロプロピル基、n−パーフルオロブチル基、n−パーフルオロペンチル基、n−パーフルオロヘキシル基、n−パーフルオロヘプチル基、n−パーフルオロオクチル基、n−パーフルオロノニル基、n−パーフルオロデシル基、n−パーフルオロウンデシル基、n−パーフルオロドデシル基、n−パーフルオロテトラデシル基、
1−ヒドロ−n−パーフルオロプロピル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロブチル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロペンチル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロヘキシル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロヘプチル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロオクチル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロノニル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロデシル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロウンデシル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロドデシル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロテトラデシル基、
1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロプロピル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロブチル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロペンチル基、1,1−ジヒドロ−3−ペンタフルオロエチルパーフルオロペンチル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロヘキシル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロヘプチル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロオクチル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロノニル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロデシル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロウンデシル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロドデシル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロテトラデシル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロペンタデシル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロヘキサデシル基、
【0032】
1,1,3−トリヒドロ−n−パーフルオロプロピル基、1,1,3−トリヒドロ−n−パーフルオロブチル基、1,1,4−トリヒドロ−n−パーフルオロブチル基、1,1,4−トリヒドロ−n−パーフルオロペンチル基、1,1,5−トリヒドロ−n−パーフルオロペンチル基、1,1,3−トリヒドロ−n−パーフルオロヘキシル基、1,1,6−トリヒドロ−n−パーフルオロヘキシル基、1,1,5−トリヒドロ−n−パーフルオロヘプチル基、1,1,7−トリヒドロ−n−パーフルオロヘプチル基、1,1,8−トリヒドロ−n−パーフルオロオクチル基、1,1,9−トリヒドロ−n−パーフルオロノニル基、1,1,11−トリヒドロ−n−パーフルオロウンデシル基、
2−(パーフルオロエチル)エチル基、2−(n−パーフルオロプロピル)エチル基、2−(n−パーフルオロブチル)エチル基、2−(n−パーフルオロペンチル)エチル基、2−(n−パーフルオロヘキシル)エチル基、2−(n−パーフルオロヘプチル)エチル基、2−(n−パーフルオロオクチル)エチル基、2−(n−パーフルオロデシル)エチル基、2−(n−パーフルオロノニル)エチル基、2−(n−パーフルオロドデシル)エチル基、2−(パーフルオロ−9’−メチルデシル)エチル基、
2−トリフルオロメチルプロピル基、3−(n−パーフルオロプロピル)プロピル基、3−(n−パーフルオロブチル)プロピル基、3−(n−パーフルオロヘキシル)プロピル基、3−(n−パーフルオロヘプチル)プロピル基、3−(n−パーフルオロオクチル)プロピル基、3−(n−パーフルオロデシル)プロピル基、3−(n−パーフルオロドデシル)プロピル基、
4−(パーフルオロエチル)ブチル基、4−(n−パーフルオロプロピル)ブチル基、4−(n−パーフルオロブチル)ブチル基、4−(n−パーフルオロペンチル)ブチル基、4−(n−パーフルオロヘキシル)ブチル基、4−(n−パーフルオロヘプチル)ブチル基、4−(n−パーフルオロオクチル)ブチル基、4−(n−パーフルオロデシル)ブチル基、4−(パーフルオロイソプロピル)ブチル基、
5−(n−パーフルオロプロピル)ペンチル基、5−(n−パーフルオロブチル)ペンチル基、5−(n−パーフルオロペンチル)ペンチル基、5−(n−パーフルオロヘキシル)ペンチル基、5−(n−パーフルオロヘプチル)ペンチル基、5−(n−パーフルオロオクチル)ペンチル基、
6−(パーフルオロエチル)ヘキシル基、6−(n−パーフルオロプロピル)ヘキシル基、6−(n−パーフルオロブチル)ヘキシル基、6−(n−パーフルオロヘキシル)ヘキシル基、6−(n−パーフルオロヘプチル)ヘキシル基、6−(n−パーフルオロオクチル)ヘキシル基、6−(パーフルオロイソプロピル)ヘキシル基、6−(パーフルオロ−7’−メチルオクチル)ヘキシル基、
7−(パーフルオロエチル)ヘプチル基、7−(n−パーフルオロプロピル)ヘプチル基、7−(n−パーフルオロブチル)ヘプチル基、7−(n−パーフルオロペンチル)ヘプチル基等のハロゲン原子で置換されたアルキル基、
【0033】
2−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、2−ヘプテニル基、3−ヘプテニル基、4−ヘプテニル基、5−ヘプテニル基、6−ヘプテニル基、2−オクテニル基、3−オクテニル基、4−オクテニル基、5−オクテニル基、6−オクテニル基、7−オクテニル基、2−ノネニル基、3−ノネニル基、4−ノネニル基、5−ノネニル基、6−ノネニル基、7−ノネニル基、8−ノネニル基、2−デセニル基,3−デセニル基、4−デセニル基、5−デセニル基、6−デセニル基、7−デセニル基、8−デセニル基、9−デセニル基、3,7−ジメチル−6−オクテニル基等のアルケニル基、
3−n−パーフルオロプロピル−2−プロペニル基、3−n−パーフルオロブチル−2−プロペニル基、3−n−パーフルオロペンチル−2−プロペニル基、3−n−パーフルオロヘキシル−2−プロペニル基、3−n−パーフルオロヘプチル−2−プロペニル基、3−n−パーフルオロオクチル−2−プロペニル基等のハロゲン原子で置換されたアルケニル基、
【0034】
2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、4−メトキシブチル基、5−メトキシペンチル基、6−メトキシヘキシル基、7−メトキシヘプチル基、8−メトキシオクチル基、9−メトキシノニル基、10−メトキシデシル基、エトキシメチル基、2−エトキシエチル基、3−エトキシプロピル基、4−エトキシブチル基、5−エトキシペンチル基、6−エトキシヘキシル基、7−エトキシヘプチル基、8−エトキシオクチル基、9−エトキシノニル基、10−エトキシデシル基、n−プロピルオキシメチル基、2−n−プロピルオキシエチル基、3−n−プロピルオキシプロピル基、4−n−プロピルオキシブチル基、5−n−プロピルオキシペンチル基、6−n−プロピルオキシヘキシル基、7−n−プロピルオキシヘプチル基、8−n−プロピルオキシオクチル基、9−n−プロピルオキシノニル基、10−n−プロピルオキシデシル基、n−ブチルオキシメチル基、2−n−ブチルオキシエチル基、3−n−ブチルオキシプロピル基、4−n−ブチルオキシブチル基、5−n−ブチルオキシペンチル基、6−n−ブチルオキシヘキシル基、7−n−ブチルオキシヘプチル基、8−n−ブチルオキシオクチル基、9−n−ブチルオキシノニル基、10−n−ブチルオキシデシル基、n−ペンチルオキシメチル基、2−n−ペンチルオキシエチル基、3−n−ペンチルオキシプロピル基、4−n−ペンチルオキシブチル基、5−n−ペンチルオキシペンチル基、6−n−ペンチルオキシヘキシル基、7−n−ペンチルオキシヘプチル基、8−n−ペンチルオキシオクチル基、9−n−ペンチルオキシノニル基、10−n−ペンチルオキシデシル基、n−ヘキシルオキシメチル基、2−n−ヘキシルオキシエチル基、3−n−ヘキシルオキシプロピル基、4−n−ヘキシルオキシブチル基、5−n−ヘキシルオキシペンチル基、6−n−ヘキシルオキシヘキシル基、7−n−ヘキシルオキシヘプチル基、8−n−ヘキシルオキシオクチル基、9−n−ヘキシルオキシノニル基、10−n−ヘキシルオキシデシル基、n−ヘプチルオキシメチル基、2−n−ヘプチルオキシエチル基、3−n−ヘプチルオキシプロピル基、4−n−ヘプチルオキシブチル基、5−n−ヘプチルオキシペンチル基、6−n−ヘプチルオキシヘキシル基、7−n−ヘプチルオキシヘプチル基、8−n−ヘプチルオキシオクチル基、9−n−ヘプチルオキシノニル基、10−n−ヘプチルオキシデシル基、オクチルオキシメチル基、2−n−オクチルオキシエチル基、3−n−オクチルオキシプロピル基、4−n−オクチルオキシブチル基、5−n−オクチルオキシペンチル基、6−n−オクチルオキシヘキシル基、7−n−オクチルオキシヘプチル基、8−n−オクチルオキシオクチル基、9−n−オクチルオキシノニル基、10−n−オクチルオキシデシル基、n−ノニルオキシメチル基、2−n−ノニルオキシエチル基、3−n−ノニルオキシプロピル基、4−n−ノニルオキシブチル基、5−n−ノニルオキシペンチル基、6−n−ノニルオキシヘキシル基、7−n−ノニルオキシヘプチル基、8−n−ノニルオキシオクチル基、9−n−ノニルオキシノニル基、10−n−ノニルオキシデシル基、n−デシルオキシメチル基、2−n−デシルオキシエチル基、3−n−デシルオキシプロピル基、4−n−デシルオキシブチル基、5−n−デシルオキシペンチル基、6−n−デシルオキシヘキシル基、7−n−デシルオキシヘプチル基、8−n−デシルオキシオクチル基、9−n−デシルオキシノニル基、10−n−デシルオキシデシル基、2−n−ウンデシルオキシエチル基、4−n−ウンデシルオキシブチル基、6−n−ウンデシルオキシヘキシル基、8−n−ウンデシルオキシオクチル基、10−n−ウンデシルオキシデシル基、2−n−ドデシルオキシエチル基、4−n−ドデシルオキシブチル基、6−n−ドデシルオキシヘキシル基、8−n−ドデシルオキシオクチル基、10−n−ドデシルオキシデシル基、1−メチル−2−メトキシエチル基、1−メチル−2−エトキシエチル基、1−メチル−2−n−プロピルオキシエチル基、1−メチル−2−n−ブチルオキシエチル基、1−メチル−2−n−ペンチルオキシエチル基、1−メチル−2−n−ヘキシルオキシエチル基、1−メチル−2−n−ヘプチルオキシエチル基、1−メチル−2−n−オクチルオキシエチル基、1−メチル−2−n−ノニルオキシエチル基、1−メチル−2−n−デシルオキシエチル基、1−メチル−2−n−ウンデシルオキシエチル基、1−メチル−2−n−ドデシルオキシエチル基、2−メトキシプロピル基、2−2−エトキシプロピル基、2−n−プロピルオキシプロピル基、2−n−ブチルオキシプロピル基、2−n−ペンチルオキシプロピル基、2−n−ヘキシルオキシプロピル基、2−n−ヘプチルオキシプロピル基、2−n−オクチルオキシプロピル基、2−n−ノニルオキシプロピル基、2−n−デシルオキシプロピル基、2−n−ウンデシルオキシプロピル基、2−n−ドデシルオキシプロピル基、
【0035】
1−メチル−3−メトキシプロピル基、1−メチル−3−エトキシプロピル基、1−メチル−3−n−プロピルオキシプロピル基、1−メチル−3−n−ブチルオキシプロピル基、1−メチル−3−n−ペンチルオキシプロピル基、1−メチル−3−n−ヘキシルオキシプロピル基、1−メチル−3−n−ヘプチルオキシプロピル基、1−メチル−3−n−オクチルオキシプロピル基、1−メチル−3−n−ノニルオキシプロピル基、1−メチル−3−n−デシルオキシプロピル基、1−メチル−3−n−ウンデシルオキシプロピル基、1−メチル−3−n−ドデシルオキシプロピル基、3−メトキシブチル基、3−エトキシブチル基、3−n−プロピルオキシブチル基、3−n−ブチルオキシブチル基、3−n−ペンチルオキシブチル基、3−n−ヘキシルオキシブチル基、3−n−ヘプチルオキシブチル基、3−n−オクチルオキシブチル基、3−n−ノニルオキシブチル基、3−n−デシルオキシブチル基、3−n−ウンデシルオキシブチル基、3−n−ドデシルオキシブチル基、
イソプロピルオキシメチル基、2−イソプロピルオキシエチル基、3−イソプロピルオキシプロピル基、4−イソプロピルオキシブチル基、5−イソプロピルオキシペンチル基、6−イソプロピルオキシヘキシル基、7−イソプロピルオキシヘプチル基、8−イソプロピルオキシオクチル基、9−イソプロピルオキシノニル基、10−イソプロピルオキシデシル基、イソブチルオキシメチル基、2−イソブチルオキシエチル基、3−イソブチルオキシプロピル基、4−イソブチルオキシブチル基、5−イソブチルオキシペンチル基、6−イソブチルオキシヘキシル基、7−イソブチルオキシヘプチル基、8−イソブチルオキシオクチル基、9−イソブチルオキシノニル基、10−イソブチルオキシデシル基、
tert−ブチルオキシメチル基、2−tert−ブチルオキシエチル基、3−tert−ブチルオキシプロピル基、4−tert−ブチルオキシブチル基、5−tert−ブチルオキシペンチル基、6−tert−ブチルオキシヘキシル基、7−tert−ブチルオキシヘプチル基、8−tert−ブチルオキシオクチル基、9−tert−ブチルオキシノニル基、10−tert−ブチルオキシデシル基、
(2−エチルブチルオキシ)メチル基、2−(2’−エチルブチルオキシ)エチル基、3−(2’−エチルブチルオキシ)プロピル基、4−(2’−エチルブチルオキシ)ブチル基、5−(2’−エチルブチルオキシ)ペンチル基、6−(2’−エチルブチルオキシ)ヘキシル基、7−(2’−エチルブチルオキシ)ヘプチル基、8−(2’−エチルブチルオキシ)オクチル基、9−(2’−エチルブチルオキシ)ノニル基、10−(2’−エチルブチルオキシ)デシル基、
【0036】
(3−エチルペンチルオキシ)メチル基、2−(3’−エチルペンチルオキシ)エチル基、3−(3’−エチルペンチルオキシ)プロピル基、4−(3’−エチルペンチルオキシ)ブチル基、5−(3’−エチルペンチルオキシ)ペンチル基、6−(3’−エチルペンチルオキシ)ヘキシル基、7−(3’−エチルペンチルオキシ)ヘプチル基、8−(3’−エチルペンチルオキシ)オクチル基、9−(3’−エチルペンチルオキシ)ノニル基、10−(3’−エチルペンチルオキシ)デシル基、6−(1’−メチル−n−ヘプチルオキシ)ヘキシル基、4−(1’−メチル−n−ヘプチルオキシ)ブチル基、
2−(2’−メトキシエトキシ)エチル基、2−(2’−エトキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−プロピルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−イソプロピルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−ブチルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−イソブチルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−tert−ブチルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−ペンチルオキシエトキシ)エチル基、2−〔2’−(2”−エチルブチルオキシ)エトキシ〕エチル基、2−(2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)エチル基、2−〔2’−(3”−エチルペンチルオキシ)エトキシ〕エチル基、2−(2’−n−ヘプチルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−オクチルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−ノニルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−デシルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−ウンデシルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−ドデシルオキシエトキシ)エチル基、
2−〔2’−(2”−メトキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−エトキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−プロピルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−イソプロピルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−ブチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−イソブチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−tert−ブチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−{2’−〔2”−(2”’−エチルブチルオキシ)エトキシ〕エトキシ}エチル基、2−〔2’−(2”−n−ペンチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−ヘキシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−{2’−〔2”−(3”’−エチルペンチルオキシ)エトキシ〕エトキシ}エチル基、2−〔2’−(2”−n−ヘプチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−オクチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−ノニルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−デシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−ウンデシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−ドデシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、
【0037】
2−{2’−〔2”−(2”’−メトキシエトキシ)エトキシ〕エトキシ}エチル基、2−{2’−〔2”−(2”’−n−ドデシルオキシエトキシ)エトキシ〕エトキシ}エチル基、
2−{2’−{2”−〔2”’−(2−メトキシエトキシ)エトキシ〕エトキシ}エトキシ}エチル基、
2−{2’−{2”−{2”’−〔2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ〕エトキシ}エトキシ}エトキシ}エチル基、
1−メチル−2−(1’−メチル−2’−メトキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−エトキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−プロピルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−イソプロピルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−ブチルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−イソブチルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−tert−ブチルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−ペンチルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−ヘプチルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−オクチルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−ノニルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−デシルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−ウンデシルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−ドデシルオキシエトキシ)エチル基、
1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−メトキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−エトキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−プロピルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−イソプロピルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−ブチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−イソブチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−tert−ブチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−ペンチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−ヘキシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−ヘプチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−オクチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−ノニルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−デシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−ウンデシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−ドデシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、
【0038】
2−エトキシエトキシメチル基、2−n−ブチルオキシエトキシメチル基,2−n−ヘキシルオキシエトキシメチル基、3−エトキシプロピルオキシメチル基、3−n−プロピルオキシプロピルオキシメチル基、3−n−ペンチルオキシプロピルオキシメチル基、3−n−ヘキシルオキシプロピルオキシメチル基、2−メトキシ−1−メチルエトキシメチル基、2−エトキシ−1−メチルエトキシメチル基、2−n−ブチルオキシ−1−メチルエトキシメチル基、4−メトキシブチルオキシメチル基、4−エトキシブチルオキシメチル基、4−n−ブチルオキシブチルオキシメチル基、2−(3’−メトキシプロピルオキシ)エチル基、2−(3’−エトキシプロピルオキシ)エチル基、2−(1’−メチル−2’−メトキシエトキシ)エチル基、2−(1’−メチル−2’−エトキシエトキシ)エチル基、2−(1’−メチル−2’−n−ブチルオキシエトキシ)エチル基、2−(4’−メトキシブチルオキシ)エチル基、2−(4’−エトキシブチルオキシ)エチル基、2−〔4’−(2”−エチルブチルオキシ)ブチルオキシ〕エチル基、2−〔4’−(3”−エチルペンチルオキシ)ブチルオキシ〕エチル基、3−(2’−メトキシエトキシ)プロピル基、3−(2’−エトキシエトキシ)プロピル基、3−(2’−n−ペンチルオキシエトキシ)プロピル基、3−(2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)プロピル基、3−(3’−エトキシプロピルオキシ)プロピル基、3−(3’−n−プロピルオキシプロピルオキシ)プロピル基、3−(3’−n−ブチルオキシプロピルオキシ)プロピル基、3−(4’−エトキシブチルオキシ)プロピル基、3−(5’−エトキシペンチルオキシ)プロピル基、4−(2’−メトキシエトキシ)ブチル基、4−(2’−エトキシエトキシ)ブチル基、4−(2’−イソプロピルオキシエトキシ)ブチル基、4−(2’−イソブチルオキシエトキシ)ブチル基、4−(2’−n−ブチルオキシエトキシ)ブチル基、4−(2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)ブチル基、4−(3’−n−プロピルオキシプロピルオキシ)ブチル基、4−(2’−n−プロピルオキシ−1’−メチルエトキシ)ブチル基、4−〔2’−(2”−メトキシエトキシ)エトキシ〕ブチル基、4−〔2’−(2”−n−ブチルオキシエトキシ)エトキシ〕ブチル基、4−〔2’−(2”−n−ヘキシルオキシエトキシ)エトキシ〕ブチル基、5−(2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)ペンチル基、2−[2’−(2”−n−ブチルオキシエトキシ)エトキシ]エチル基、
(2−エチルヘキシルオキシ)メチル基、(3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ)メチル基、(3,7−ジメチルオクチルオキシ)メチル基、2−(2’−エチルヘキシルオキシ)エチル基、2−(3’,5’,5’−トリメチルヘキシルオキシ)エチル基、2−(3’,7’−ジメチルオクチルオキシ)エチル基、3−(2’−エチルヘキシルオキシ)プロピル基、3−(3’,5’,5’−トリメチルヘキシルオキシ)プロピル基、3−(3’,7’−ジメチルオクチルオキシ)プロピル基、4−(2’−エチルヘキシルオキシ)ブチル基、4−(3’,5’,5’−トリメチルヘキシルオキシ)ブチル基、4−(3’,7’−ジメチルオクチルオキシ)ブチル基、5−(2’−エチルヘキシルオキシ)ペンチル基、5−(3’,5’,5’−トリメチルヘキシルオキシ)ペンチル基、5−(3’,7’−ジメチルオクチルオキシ)ペンチル基、6−(2’−エチルヘキシルオキシ)ヘキシル基、6−(3’,5’,5’−トリメチルヘキシルオキシ)ヘキシル基、6−(3’,7’−ジメチルオクチルオキシ)ヘキシル基等のアルコキシアルキル基、
【0039】
2−(2’−トリフルオロメチルプロピルオキシ)エチル基、4−(2’−トリフルオロメチルプロピルオキシ)ブチル基、6−(2’−トリフルオロメチルプロピルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−トリフルオロメチルプロピルオキシ)オクチル基、2−(2’−トリフルオロメチルブチルオキシ)エチル基、4−(2’−トリフルオロメチルブチルオキシ)ブチル基、6−(2’−トリフルオロメチルブチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−トリフルオロメチルブチルオキシ)オクチル基、2−(2’−トリフルオロメチルヘプチルオキシ)エチル基、4−(2’−トリフルオロメチルヘプチルオキシ)ブチル基、6−(2’−トリフルオロメチルヘプチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−トリフルオロメチルヘプチルオキシ)オクチル基、2−(2’−フルオロエチルオキシ)エチル基、4−(2’−フルオロエチルオキシ)ブチル基、6−(2’−フルオロエチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−フルオロエチルオキシ)オクチル基、2−(2’−フルオロ−n−プロピルオキシ)エチル基、4−(2’−フルオロ−n−プロピルオキシ)ブチル基、6−(2’−フルオロ−n−プロピルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−フルオロ−n−プロピルオキシ)オクチル基、2−(3’−フルオロ−n−プロピルオキシ)エチル基、4−(3’−フルオロ−n−プロピルオキシ)ブチル基、6−(3’−フルオロ−n−プロピルオキシ)ヘキシル基、8−(3’−フルオロ−n−プロピルオキシ)オクチル基、2−(3’−フルオロ−2’−メチルプロピルオキシ)エチル基、4−(3’−フルオロ−2’−メチルプロピルオキシ)ブチル基、6−(3’−フルオロ−2’−メチルプロピルオキシ)ヘキシル基、8−(3’−フルオロ−2’−メチルプロピルオキシ)オクチル基、2−(2’,3’−ジフルオロ−n−プロピルオキシ)エチル基、4−(2’,3’−ジフルオロ−n−プロピルオキシ)ブチル基、6−(2’,3’−ジフルオロ−n−プロピルオキシ)ヘキシル基、8−(2’,3’−ジフルオロ−n−プロピルオキシ)オクチル基、2−(2’−フルオロ−n−ブチルオキシ)エチル基、4−(2’−フルオロ−n−ブチルオキシ)ブチル基、6−(2’−フルオロ−n−ブチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−フルオロ−n−ブチルオキシ)オクチル基、2−(3’−フルオロ−n−ブチルオキシ)エチル基、4−(3’−フルオロ−n−ブチルオキシ)ブチル基、6−(3’−フルオロ−n−ブチルオキシ)ヘキシル基、8−(3’−フルオロ−n−ブチルオキシ)オクチル基、2−(4’−フルオロ−n−ブチルオキシ)エチル基、4−(4’−フルオロ−n−ブチルオキシ)ブチル基、6−(4’−フルオロ−n−ブチルオキシ)ヘキシル基、8−(4’−フルオロ−n−ブチルオキシ)オクチル基、2−(2’,3’−ジフルオロ−n−ブチルオキシ)エチル基、4−(2’,3’−ジフルオロ−n−ブチルオキシ)ブチル基、6−(2’,3’−ジフルオロ−n−ブチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’,3’−ジフルオロ−n−ブチルオキシ)オクチル基、パーフルオロ(2−n−ヘキシルオキシエチル)基、
【0040】
1,1−ジヒドロ−パーフルオロ(2−メトキシエチル)基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ(3−n−プロピルオキシプロピル)基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ(2−エトキシエチル)基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ(2−n−ペンチルオキシエチル)基、2−(2’−n−パーフルオロブチルオキシエトキシ)エチル基、3−(n−パーフルオロブチルオキシ)−3,3−ジフルオロエチル基、4−(1,1,7−トリヒドロ−n−パーフルオロヘプチルオキシ)ブチル基、2−(n−パーフルオロプロピルオキシ)−2−トリフルオロメチル−2−フルオロエチル基、
2−(2’−トリクロロメチルプロピルオキシ)エチル基、4−(2’−トリクロロメチルプロピルオキシ)ブチル基、6−(2’−トリクロロメチルプロピルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−トリクロロメチルプロピルオキシ)オクチル基、2−(2’−トリクロロメチルブチルオキシ)エチル基、4−(2’−トリクロロメチルブチルオキシ)ブチル基、6−(2’−トリクロロメチルブチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−トリクロロメチルブチルオキシ)オクチル基、2−(2’−トリクロロメチルヘプチルオキシ)エチル基、4−(2’−トリクロロメチルヘプチルオキシ)ブチル基、6−(2’−トリクロロメチルヘプチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−トリクロロメチルヘプチルオキシ)オクチル基、2−(2’−クロロエトキシ)エチル基、4−(2’ークロロエトキシ)ブチル基、6−(2’−クロロエトキシ)ヘキシル基、8−(2’−クロロエトキシ)オクチル基、2−(2’−クロロ−n−プロピルオキシ)エチル基、4−(2’−クロロ−n−プロピルオキシ)ブチル基、6−(2’−クロロ−n−プロピルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−クロロ−n−プロピルオキシ)オクチル基、2−(3’−クロロ−n−プロピルオキシ)エチル基、4−(3’−クロロ−n−プロピルオキシ)ブチル基、6−(3’−クロロ−n−プロピルオキシ)ヘキシル基、8−(3’−クロロ−n−プロピルオキシ)オクチル基、2−(3’−クロロ−2’−メチルプロピルオキシ)エチル基、4−(3’−クロロ−2’−メチルプロピルオキシ)ブチル基、6−(3’−クロロ−2’−メチルプロピルオキシ)ヘキシル基、8−(3’−クロロ−2’−メチルプロピルオキシ)オクチル基、2−(2’,3’−ジクロロ−n−プロピルオキシ)エチル基、4−(2’,3’−ジクロロ−n−プロピルオキシ)ブチル基、6−(2’,3’−ジクロロ−n−プロピルオキシ)ヘキシル基、8−(2’,3’−ジクロロ−n−プロピルオキシ)オクチル基、2−(2’−クロロ−n−ブチルオキシ)エチル基、4−(2’−クロロ−n−ブチルオキシ)ブチル基、6−(2’−クロロ−n−ブチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−クロロ−n−ブチルオキシ)オクチル基、2−(3’−クロロ−n−ブチルオキシ)エチル基、4−(3’−クロロ−n−ブチルオキシ)ブチル基、6−(3’−クロロ−n−ブチルオキシ)ヘキシル基、8−(3’−クロロ−n−ブチルオキシ)オクチル基、2−(4’−クロロ−n−ブチルオキシ)エチル基、4−(4’−クロロ−n−ブチルオキシ)ブチル基、6−(4’−クロロ−n−ブチルオキシ)ヘキシル基、8−(4’−クロロ−n−ブチルオキシ)オクチル基、2−(2’,3’−ジクロロ−n−ブチルオキシ)エチル基、4−(2’,3’−ジクロロ−n−ブチルオキシ)ブチル基、6−(2’,3’−ジクロロ−n−ブチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’,3’−ジクロロ−n−ブチルオキシ)オクチル基等のハロゲン原子で置換されたアルコキシアルキル基等を挙げることができる。
【0041】
本発明に係る一般式(1)で表されるエステル化合物において、R2は炭素数1〜10の直鎖または分岐鎖のアルキル基を表し、好ましくは、炭素数2〜8の直鎖または分岐鎖のアルキル基を表し、より好ましくは、炭素数2〜6の直鎖または分岐鎖のアルキル基を表す。
【0042】
2の具体例としては、R1の具体例として挙げた直鎖または分岐鎖のアルキル基のうち、炭素数3〜10の基および、メチル基、エチル基を挙げることができる。
【0043】
本発明に係る一般式(1)で表されるエステル化合物において、R3およびR4は水素原子または炭素数1〜3の直鎖または分岐鎖のアルキル基を表し、好ましくは、水素原子、炭素数1〜2のアルキル基(メチル基、エチル基)を表す。
1は、単結合、−O−基、−COO−基、−OCOO−基または−C≡C−基を表し、好ましくは、単結合、−O−基、−COO−基または−C≡C−基を表し、より好ましくは、単結合、−O−基または−C≡C−基を表す。
nは1または2を表し、好ましくは1である。
1は水素原子またはハロゲン原子を表し、好ましくは、水素原子、フッ素原子または塩素原子である。 また、その置換位置は、好ましくは、X1がY1に対してオルト位である。また、nが2である場合、それぞれのX1は同種であってもよく、異なっていてもよい。nが2であり、2つのX1がハロゲン原子である場合、その置換位置は特に限定されるものではないが、好ましくは、ビフェニル骨格の2,3’−位、または3,3’−位である。
【0044】
また、本発明の一般式(1)で表されるエステル化合物において、*は不斉炭素を表し、不斉炭素は光学活性であってもよく、またラセミ体であってもよい。好ましくは、光学活性な不斉炭素を表す。また、光学活性な不斉炭素において、その立体配座はR体であってもよく、S体であってもよい。
【0045】
本発明の一般式(1)で表されるエステル化合物の具体例としては、以下の表(表−1)に示すような化合物を挙げることができる。尚、表中、X1に関し、2F、2Cl,3Fはそれぞれ、桂皮酸部位の2位に置換したフッ素原子、2位に置換した塩素原子、3位に置換したフッ素原子を表し、また、n=2である場合にX1の2F、2Cl,3Fは、それぞれ、2,3’−位に置換したフッ素原子、2,3’−位に置換した塩素原子、3,3’−位に置換したフッ素原子を表し、その他はY1に対してオルト位に置換したハロゲン原子を表す。
【0046】
【表1】
Figure 0004233258
【0047】
【表2】
Figure 0004233258
【0048】
【表3】
Figure 0004233258
【0049】
【表4】
Figure 0004233258
【0050】
【表5】
Figure 0004233258
【0051】
【表6】
Figure 0004233258
【0052】
本発明の一般式(1)で表されるエステル化合物は、例えば、以下に示す工程を経て製造することができる。
−エステル化合物の製造(化8)−
【0053】
【化8】
Figure 0004233258
【0054】
すなわち、一般式(5)で表される桂皮酸誘導体と、一般式(6)で表されるナフトール誘導体を縮合することにより製造することが可能である。
【0055】
尚、縮合反応は、例えば、▲1▼一般式(5)で表される桂皮酸誘導体をハロゲン化試薬(例えば、チオニルクロライド、オギザリルクロライド)と反応させ、酸クロライド誘導体とした後、一般式(6)で表されるナフトール誘導体と、塩基(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の無機塩基、トリエチルアミン、ピリジン、4−N,N−ジメチルアミノピリジン等の有機塩基)および、有機溶媒(例えば、トルエンキシレン等の芳香族炭化水素溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素溶媒、)の存在下に反応させる方法、▲2▼一般式(5)で表される桂皮酸誘導体および一般式(6)で表されるナフトール誘導体をN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(以下、DCCと略記する)等の脱水縮合剤および触媒(例えば、4−N,N−ジメチルアミノピリジン、4−ピロリジノピリジン)の存在下に反応させる方法により製造することができる。
【0056】
本発明のエステル化合物には、それ自体で液晶性を示す化合物および液晶性を示さない化合物がある。また、液晶性を示す化合物には、カイラルスメクチックC相(以下、SC *相と略記する)を示す化合物と、液晶性は示すが、SC *相を示さない化合物がある。これらの化合物は、それぞれ液晶組成物の構成成分として有効に使用することができる。
【0057】
次に、本発明の液晶組成物について説明する。液晶組成物は、一般に2種以上の成分からなるが、本発明の液晶組成物は、必須成分として、本発明のエステル化合物を少なくとも1種含有するものである。
【0058】
本発明の液晶組成物としては、好ましくは、カイラルスメクチックC、CA、F、G、H、I等の相を示す液晶組成物が挙げられ、より好ましくは、SC*相またはカイラルスメクチックCA *相を示す液晶組成物である。
【0059】
本発明の液晶組成物は、本発明のエステル化合物、本発明のエステル化合物以外のカイラルスメクチック相を示す液晶化合物、スメクチック相を示す液晶化合物および光学活性化合物から選ばれる化合物を複数組み合わせることにより調製される組成物であり、本発明のエステル化合物を少なくとも一種含有する。
【0060】
本発明のエステル化合物以外のカイラルスメクチック相を示す液晶化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、光学活性フェニルベンゾエート系液晶化合物、光学活性ビフェニルベンゾエート系液晶化合物、光学活性ナフタレン系液晶化合物、光学活性フェニルナフタレン系液晶化合物、光学活性トラン系液晶化合物、光学活性フェニルピリミジン系液晶化合物、光学活性ナフチルピリミジン系液晶化合物、光学活性テトラリン系液晶化合物を挙げることができる。
【0061】
スメクチック相を示す液晶化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、非光学活性フェニルベンゾエート系液晶化合物、非光学活性ビフェニルベンゾエート系液晶化合物、非光学活性ナフタレン系液晶化合物、非光学活性フェニルナフタレン系液晶化合物、非光学活性トラン系液晶化合物、非行学活性フェニルピリミジン系液晶化合物、非光学活性ナフチルピリミジン系液晶化合物、非光学活性テトラリン系液晶化合物を挙げることができる。
【0062】
これらのカイラルスメクチック相またはスメクチック相を示す化合物の具体例としては、例えば、一般式(2)、(3)または(4)で表される化合物(化9)を挙げることができる。
【0063】
【化9】
Figure 0004233258
【0064】
〔式中、式中、R11、R12、R21、R22、R31およびR32はそれぞれ独立に、光学活性な不斉炭素を有していてもよい炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルキル基、炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルケニル基または炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルコキシアルキル基を表し、Y11、Y12、Y21、Y22、Y31およびY32はそれぞれ独立に、単結合、−COO−基または−O−基より選ばれる結合基を表す〕
【0065】
一般式(2)および(4)で表される化合物は、例えば、特開昭62−10045号公報または特開昭63−233932号公報に記載の方法に従い製造することができる。
一般式(3)で表される化合物は、例えば、特開昭60−32748号公報に記載の操作に従い製造することができる。
【0066】
また、光学活性化合物とは、それ自体では液晶性を示さないが、スメクチック相を示す液晶化合物またはスメクチック相を示す液晶組成物と混合することにより、カイラルスメクチック相を発現する能力を有する化合物を示し、光学活性化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、光学活性フェニルベンゾエート系非液晶化合物、光学活性ビフェニルベンゾエート系非液晶化合物、光学活性ナフタレン系非液晶化合物、光学活性フェニルナフタレン系非液晶化合物、光学活性トラン系非液晶化合物、光学活性フェニルピリミジン系非液晶化合物、光学活性ナフチルピリミジン系非液晶化合物、光学活性テトラリン系非液晶化合物を挙げることができる。
【0067】
また、本発明の液晶組成物には、上記の必須成分の他に、任意成分としてネマチック液晶化合物、本発明のエステル化合物以外の液晶性を示さない化合物(例えば、アントラキノン系色素、アゾ系色素等の2色性色素、および導電性付与剤、寿命向上剤等)を含有していてもよい。本発明の液晶組成物中の、本発明のエステル化合物の含有量は特に限定されるものではないが、通常、1〜90重量%であり、好ましくは、1〜60重量%である。また、本発明のエステル化合物は、上記の液晶組成物用構成成分と所望の配合比で混合することができ、また、相溶性も高い。
【0068】
本発明のエステル化合物を少なくとも1種含有する液晶組成物は、従来の液晶組成物と比較して、液晶相の上限温度、閾値特性、応答時間、スメクチック相での層構造、配向膜上での配向特性および液晶材料としての相溶性の点で優れている。
【0069】
次に、本発明の液晶素子に関して説明する。
【0070】
本発明の液晶素子は、本発明の液晶組成物を1対の電極基板間に配置してなる。(図1)は強誘電性を利用した液晶素子の構成を説明するためのカイラルスメクチック相を有する液晶素子の一例を示す断面概略図である。
【0071】
液晶素子は、それぞれ透明電極3および絶縁性配向制御層4を設けた1対の基板2間にカイラルスメクチック相を示す液晶層1を配置し、かつ、その層厚をスペーサー5で設定してなるものであり、1対の透明電極3間にリード線6を介して電源7より電圧を印加可能なように接続する。また、1対の基板2は、1対のクロスニコル状態に配置された偏光板8により挟持され、その一方の外側には光源9が配置される。
【0072】
基板2の材質としては、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラス等のガラスおよびポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート等の透明性高分子が挙げられる。
【0073】
2枚の基板2に設けられる透明電極3としては、例えば、In23、SnO2またはITO(インジウム・チン・オキサイド;Indium Tin Oxide)の薄膜からなる透明電極が挙げられる。
【0074】
絶縁性配向制御層4は、ポリイミド等の高分子の薄膜をナイロン、アセテート、レーヨン等の植毛布等でラビングし、液晶を配向させるためのものである。絶縁性配向制御層4の材質としては、例えば、シリコン窒化物、水素を含有するシリコン窒化物、シリコン炭化物、水素を含有するシリコン炭化物、シリコン酸化物、ホウ素窒化物、水素を含有するホウ素窒化物、セリウム酸化物、アルミニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、チタン酸化物やフッ化マグネシウムなどの無機物質絶縁層、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリパラキシレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリスチレン、セルロース樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アクリル樹脂などの有機絶縁層が挙げられ、無機絶縁層の上に有機絶縁層を形成した2層構造の絶縁性配向制御層であってもよく、無機絶縁層または有機絶縁層のみからなる絶縁性配向制御層であってもよい。
【0075】
絶縁性配向制御層が無機絶縁層である場合には、蒸着法などで形成することができる。また、有機絶縁層である場合には、有機絶縁層材料または、その前駆体の溶液をスピンナー塗布法、浸透塗布法、スクリーン印刷法、スプレー塗布法、ロール塗布法等で塗布し、所定の条件下(例えば、加熱下)で溶媒を除去し、所望により焼成させて形成することができる。なお、有機絶縁層を形成する際に、必要に応じ、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤等を使用して表面処理を行い、その後、有機絶縁層材料または、その前駆体を塗布してもよい。絶縁性配向制御層4の層厚は、通常、10オングストローム〜1μm、好ましくは、10〜3000オングストローム、さらに好ましくは、10〜1000オングストロームである。
【0076】
2枚の基板2は、スペーサ5により任意の間隔に保たれている。例えば、所定の直径を持つシリカビーズ、アルミナビーズをスペーサとして基板2で挟み、2枚の基板2の周囲をシール剤(例えば、エポキシ系接着剤)を用いて密封することにより、任意の間隔に保つことができる。また、スペーサーとして高分子フィルムやガラスファイバーを使用してもよい。この2枚の基板の間にカイラルスメクチック相を示す液晶を封入する。液晶層1は、一般的には0.5〜20μm、好ましくは、1〜5μm、より好ましくは、1〜3μmの厚さに設定する。
【0077】
透明電極3はリード線によって外部の電源7に接続されている。
また、基板2の外側には、互いの偏光軸を、例えば、クロスニコル状態とした1対の偏光板8が配置されている。(図1)の例は透過型であり、光源9を備えている。
また、本発明の液晶組成物を使用した液晶素子は、(図1)に示した透過型の素子としてだけではなく、反射型の素子としても応用可能である。
【0078】
本発明の液晶組成物を使用する液晶素子の表示方式に関しては、特に限定されるものではないが、例えば、(a)ヘリカル変歪型、(b)SSFLC(サーフェス・スタビライズド・フェロエレクトリック・リキッド・クリスタル)型、(c)TSM(トランジェント・スキャッタリング・モード)型、(d)G−H(ゲスト−ホスト)型、(e)フィールドシーケンシャルカラー型の表示方式を使用することができる。
【0079】
本発明の液晶組成物を使用する液晶素子の駆動方法は、セグメント型、単純マトリックス型等のパッシブ駆動型であってもよく、TFT(薄膜トランジスタ)型、MIM(メタル−インスレーター−メタル)型等のアクティブ駆動型であってもよい。
また、本発明のエステル化合物および該化合物を含有してなる液晶組成物は、表示用液晶素子以外の分野(例えば、▲1▼非線形光機能素子、▲2▼コンデンサー材料等のエレクトロニクス材料、▲3▼リミッター、メモリー、増幅器、変調器などのエレクトロニクス素子、▲4▼熱、光、圧力、機械変形などと電圧の変換素子やセンサー、▲5▼熱電発電素子等の発電素子、▲6▼空間光変調素子、▲7▼光導電性材料)への応用が可能である。
【0080】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下に示す実施例のうち、実施例5が本発明の範囲に含まれる実施例であり、その他の実施例は本発明に関連する参考例である。
【0081】
尚、各実施例および表中の記号I、SA、Feri、SC *、SCA *およびSXは以下の意味を表す。
I:等方性液体
A:スメクチックA相
Feri:フェリ誘電相
C *:カイラルスメクチックC相
CA *:カイラルスメクチックCA相
X:未同定のスメクチック相
【0082】
実施例中の相転移温度は温度制御装置(メトラー社製:FP90&FP82HT)を備えた偏光顕微鏡(オリンパス社製:BX−50)、および、DSC(示差走査熱量計:パーキンエルマー社製:Pyris−1)を用いて測定した。
【0083】
製造例1:4−n−デシルオキシ桂皮酸の製造
4−ヒドロキシ桂皮酸16.4g、n−デシルブロマイド33.1g、水酸化カリウム9.6gおよびエタノール300gよりなる混合物を70℃に加熱し、同温度で8時間加熱攪拌した。その後、反応混合物を室温に冷却し、濃塩酸を添加し、酸性とし、さらに、60℃に加熱して、1時間加熱攪拌した。混合物を室温に冷却し、酢酸エチルを添加し、有機層を水洗分離した。有機層より酢酸エチルを減圧下に留去し、残渣をトルエンより再結晶し、4−n−デシルオキシ桂皮酸26.5gを無色の結晶として得た。
【0084】
製造例2:4−(10’−ウンデセニルオキシ)桂皮酸の製造
製造例1において、n−デシルブロマイド33.1gを使用する代わりにp−トルエンスルホン酸10−ウンデセニル(この化合物は、10−ウンデセン−1−オールと、p−トルエンスルホニルクロライドおよびトリエチルアミンより調製した)48.8gを使用した以外は、製造例1に記載の操作に従い、4−(10’−ウンデセニルオキシ)桂皮酸23.8gを無色の結晶として得た。
【0085】
製造例3:4−(4’−n−デシルオキシ−3’−フルオロフェニル)−2−フルオロ桂皮酸の製造
4−ブロモー2−フルオロ桂皮酸24.5g、トリフェニルホスフィン28.8g、エタノール5.1gおよテトラヒドロフラン300gよりなる混合物を室温で30分間攪拌した。その後、ジエチルアゾジカルボン酸の40%トルエン溶液47.9gを添加し、さらに室温で6時間攪拌した。テトラヒドロフランを減圧下に留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、4−ブロモー2−フルオロ桂皮酸エチル27.0gを得た。
次ぎに、4−n−デシルオキシ−3−フルオロフェニルボロン酸14.0g、4−ブロモ−2−フルオロ桂皮酸エチル13.7g、炭酸ナトリウム10.6g、トルエン90gおよび水90gよりなる混合物に窒素気流下、テトキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム1.1gを添加し、80℃で6時間加熱攪拌を行った。その後、反応混合物を室温まで冷却し、トルエン相を水洗し、トルエン相よりトルエンを減圧下に留去して、目的とする4−(4’−n−デシルオキシ−3’−フルオロフェニル)−2−フルオロ桂皮酸エチル17.8gを得た。さらに、得られた4−(4’−n−デシルオキシ−3’−フルオロフェニル)−2−フルオロ桂皮酸エチル17.8g、水酸化カリウム14.0g、イソプロパノール100gおよび水50gよりなる混合物を60℃で8時間加熱攪拌し、その後、反応混合物を濃塩酸により酸性とした後、反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルにより抽出、水洗を行い、酢酸エチルを減圧下に留去した後、残渣をn−ヘキサンより再結晶して、4−(4’−n−デシルオキシ−3’−フルオロフェニル)−2−フルオロ桂皮酸15.7gを得た。
【0086】
製造例4:4−(1’−デシニル)桂皮酸の製造
4−ブロモ桂皮酸エチル25.5g、1−デシン14.5g、トリフェニルホスフィン1.0g、ヨウ化銅0.4g、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.2gおよびトリエチルアミン50gよりなる混合物を窒素気流下、70℃に加熱し、8時間攪拌を行った。その後、生成したトリエチルアミンの塩をろ別し、ろ液から減圧下にトリエチルアミンを留去した。残渣をトルエンに溶解し、中和、水洗を行い、トルエン相からトルエンを留去した後に、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、4−(1’−デシニル)桂皮酸エチル22.7gを得た。次ぎに、4−(1’−デシニル)桂皮酸エチル22.7g、水酸化カリウム20g、イソプロパノール50gおよび水25gよりなる混合物を60℃で8時間加熱攪拌し、その後、反応混合物を濃塩酸により酸性とした後、反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルにより抽出、水洗を行い、酢酸エチルを減圧下に留去した後、残渣をn−ヘキサンより再結晶して4−(1’−デシニル)桂皮酸17.8gを得た。
【0087】
製造例5:4−(4’−n−デシルフェニル)桂皮酸の製造
4−n−デシルフェニルボロン酸26.2g、4−ブロモ桂皮酸エチル25.5g、炭酸ナトリウム21.2g、トルエン70gおよび水70gよりなる混合物に窒素気流下、テトキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.1gを添加し、80℃で6時間加熱攪拌を行った。その後、反応混合物を室温まで冷却し、トルエン相を水洗し、トルエン相よりトルエンを減圧下に留去して、目的とする4−(4’−n−デシルフェニル)桂皮酸エチル34.9gを得た。さらに、得られた4−(4’−n−デシルフェニル)桂皮酸エチル33.0g、水酸化カリウム23.6g、イソプロパノール60gおよび水30gよりなる混合物を60℃で8時間加熱攪拌し、その後、反応混合物を濃塩酸により酸性とした後、反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルにより抽出、水洗を行い、酢酸エチルを減圧下に留去した後、残渣をn−ヘキサンより再結晶して、4−(4’−n−デシルフェニル)桂皮酸29.5gを得た。
【0088】
製造例6:(R)―6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸―1’−トリフルオロメチルプロピルエステルの製造
6−ベンジルオキシ−2−ナフタレン−2−カルボン酸5.56g、(R)―1−トリフルオロメチルプロパノール2.56g、DCC4.12gおよびジクロロメタン20gよりなる混合物を室温で30分間攪拌した。その後、触媒量の4−N,N−ジメチルアミノピリジンを添加して、室温でさらに12時間攪拌した。反応終了後、生成した不溶物をろ別し、ろ液を減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、(R)−6−ベンジルオキシナフタレン−2−カルボン酸−1’−トリフルオロメチルプロピルエステル6.52gを無色の結晶として得た。
(R)−6−ベンジルオキシナフタレン−2−カルボン酸−1’−トリフルオロメチルプロピルエステル6.5g、5%担持パラジウム/炭素(50重量%含水)0.6gおよび酢酸エチル30gよりなる混合物を水素雰囲気下で8時間激しく攪拌した。その後、パラジウム/炭素をろ別し、ろ液を減圧下に濃縮し、残渣をn−ヘキサンより再結晶し、目的とする(R)−6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸−1’−トリフルオロメチルプロピルエステル4.84gを無色の結晶として得た。
【0089】
製造例7:(R)−6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸−1’−トリフルオロメチルペンチルエステルの製造
製造例6において、(R)−1−トリフルオロメチルプロパノール2.56gを使用する代わりに、(R)−1−トリフルオロメチルペンタノール2.84gを使用した以外は、製造例6に記載の操作に従い、(R)−6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸−1’−トリフルオロメチルペンチルエステル4.63gを無色の結晶として得た。
【0090】
製造例8:(R)−6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸−1’−トリフルオロメチルヘキシルエステルの製造
製造例6において、(R)−1−トリフルオロメチルプロパノール2.56gを使用する代わりに、(R)−1−トリフルオロメチルヘキサタノール3.12gを使用した以外は、製造例6に記載の操作に従い、(R)−6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸−1’−トリフルオロメチルヘキシルエステル4.52gを無色の結晶として得た
【0091】
製造例9:(R)−6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸−1’−トリフルオロメチルヘプチルエステルの製造
製造例6において、(R)−1−トリフルオロメチルプロパノール2.56gを使用する代わりに、(R)−1−トリフルオロメチルヘプタノール3.40gを使用した以外は、製造例6に記載の操作に従い、(R)−6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸−1’−トリフルオロメチルヘプチルエステル4.77gを無色の結晶として得た。
【0092】
実施例1:例示化合物47の製造
4−n−デシルオキシ桂皮酸304mg、(R)―6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸−1’−トリフルオロメチルプロピルエステル298mg、DCC206mgおよびジクロロメタン5gよりなる混合物を室温で30分間攪拌した。その後、触媒量の4−N,N−ジメチルアミノピリジンを添加し、さらに室温で12時間攪拌した。反応終了後、生成した不溶物をろ別し、ろ液よりジクロロメタンを減圧下に留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、さらに、メタノール/エタノール混合溶媒より2回再結晶し、例示化合物47の化合物425mgを無色の結晶として得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。
【0093】
【表7】
Figure 0004233258
【0094】
実施例2:例示化合物132の製造
実施例1において、4−n−デシルオキシ桂皮酸304mgを使用する代わりに、4−n−ウンデシルオキシ桂皮酸318mgを使用した以外は、実施例1に記載の操作に従い例示化合物132の化合物402mgを無色の結晶として得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。
【0095】
【表8】
Figure 0004233258
【0096】
実施例3:例示化合物152の製造
実施例1において(R)―6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸−1’−トリフルオロメチルプロピルエステル298mgを使用する代わりに(R)−6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸−1’−トリフルオロメチルヘプチルエステル354mgを使用した以外は、実施例1に記載の操作に従い例示化合物152の化合物386mgを無色の結晶として得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。
【0097】
【表9】
Figure 0004233258
【0098】
実施例4:例示化合物95の製造
実施例1において、(R)−6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸−1’−トリフルオロメチルプロピルエステル298mgおよび4−n−デシルオキシ桂皮酸304mgを使用する代わりに、(R)−6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸−1’−トリフルオロメチルペンチルエステル326mgおよび、4−(4’−n−デシルオキシ−3’−フルオロフェニル)−2−フルオロ桂皮酸416mgを使用した以外は、実施例1に記載の操作に従い例示化合物95の化合物433mgを無色の結晶として得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。
【0099】
【表10】
Figure 0004233258
【0100】
実施例5:例示化合物131の製造
実施例1において、(R)−6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸−1’−トリフルオロメチルプロピルエステル298mgおよび4−n−デシルオキシ桂皮酸304mgを使用する代わりに、(R)−6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸−1’−トリフルオロメチルヘキシルエステル340mgおよび、4−(4’−n−デシルフェニル)桂皮酸364mgを使用した以外は、実施例1に記載の操作に従い例示化合物131の化合物432mgを無色の結晶として得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。
【0101】
【表11】
Figure 0004233258
【0102】
実施例6:例示化合物154の製造
実施例1において、(R)−6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸−1’−トリフルオロメチルプロピルエステル298mgおよび4−n−デシルオキシ桂皮酸304mgを使用する代わりに、(R)−6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸−1’−トリフルオロメチルペンチルエステル326mgおよび、4−(1’−デシニル)桂皮酸284mgを使用した以外は、実施例1に記載の操作に従い例示化合物154の化合物299mgを無色の結晶として得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。
【0103】
【表12】
Figure 0004233258
【0104】
実施例7:例示化合物239の製造
実施例1において、(R)−6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸−1’−トリフルオロメチルプロピルエステル298mgを使用する代わりに、(R)−6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸−1’−トリフルオロメチルペンチルエステル326mgを使用した以外は、実施例1に記載の操作に従い例示化合物239の化合物337mgを無色の結晶として得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。尚、()内の数字は降温過程での相転移温度を表す。
【0105】
【表13】
Figure 0004233258
【0106】
実施例8:例示化合物204の製造
実施例1において、4−n−デシルオキシ桂皮酸304mgを使用する代わりに、4−(4’−n−デシルオキシ−3’−フルオロフェニル)−2−フルオロ桂皮酸416mg使用した以外は、実施例1に記載の操作に従い例示化合物204の化合物409mgを無色の結晶として得た。
【0107】
【表14】
Figure 0004233258
【0108】
実施例9:例示化合物68の製造
実施例1において、(R)−6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸−1’−トリフルオロメチルプロピルエステル298mgを使用する代わりに、(R)−6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸−1’−トリフルオロメチルヘキシルエステル340mgを使用した以外は、実施例1に記載の操作に従い例示化合物68の化合物451mgを無色の結晶として得た。
【0109】
【表15】
Figure 0004233258
【0110】
実施例10:例示化合物271の製造
実施例1において、(R)−6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸−1’−トリフルオロメチルプロピルエステル298mgおよび4−n−デシルオキシ桂皮酸304mgを使用する代わりに、(R)−6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸−1’−トリフルオロメチルヘキシルエステル340mgおよび4−(10’−ウンデセニルオキシ)桂皮酸316mgを使用した以外は、実施例1に記載の操作に従い例示化合物271の化合物331mg無色の結晶として得た。
【0111】
【表16】
Figure 0004233258
【0112】
参考例1:ホスト液晶組成物の調製
下記の化合物群を、下記に示した割合で混合し、100℃で加熱溶融し、ホスト液晶組成物A(強誘電性液晶組成物)(化10)を調製した。
【0113】
【化10】
Figure 0004233258
【0114】
実施例11:液晶組成物の調製
参考例1で調製したホスト液晶Aに実施例1で製造した例示化合物47の化合物を2.5重量%添加し、100℃で加熱溶融し、液晶組成物を調製した。
【0115】
実施例12:液晶素子の作製
2枚の1.1mm厚のガラス板を用意し、それぞれのガラス板上に、ITO膜を形成し、さらに表面処理を行った。このITO膜付きのガラス板に絶縁性配向制御層(住友ベークライト社製CRD−8616)をスピンコートし、成膜後、90℃で5分、200℃で30分間焼成した。この配向膜にラビング処理を行い、平均粒径1.9μmのシリカビーズを一方のガラス板上に散布した。その後、それぞれのラビング処理軸が互いに反平行となるよう、シール剤を用いてガラス板を張り合わせセルを作製した。このセルを120℃に加熱し、加熱(120℃)した実施例11で調製した液晶組成物を注入し、その後、10℃/分の速度で室温まで冷却し、液晶素子を作製した。この液晶素子をクロスニコル状態に配置した2枚の偏光板に挟持し、±20V、10Hzの矩形波を印加したところ、明瞭なスイッチング現象が観察された。また、偏光顕微鏡観察では良好な均一配向状態が観察され、ジグザグ欠陥等の配向欠陥は観察されなかった。尚、この液晶素子の電場応答特性を(表−2)にまとめた。
【0116】
尚、各駆動特性は以下の方法により測定した。
応答時間(τ10−90):液晶素子に±20V、10Hzの矩形波を印加し、偏光顕微鏡下での応答を光り電子倍増管により検出し、デジタルオシロスコープでその応答時間(透過光量10%−90%)を求めた。
チルト角:液晶素子に±20V、1Hzの矩形波を印加し、偏光顕微鏡下で、目視により2点の消光位の角度(2θ)を求め、これより算出(2θ/2)した。
自発分極:液晶素子に±20V、120Hzの三角波を印加し、三角波法により求めた。すなわち、分極反転に伴う電流を電流−電圧変換器により電圧変化とし、デジタルオシロスコープより分極反転電流の積分値を求めた。
閾値電圧:液晶素子に180Hzの矩形波を印加し、電圧を0Vから±20Vまで変化させ、透過光量が±20Vの時の95%以上になる値を閾値電圧とした。
【0117】
実施例13:液晶組成物の調製
参考例1で調製したホスト液晶Aに実施例4で製造した例示化合物95の化合物を2.5重量%添加し、100℃で加熱溶融し、液晶組成物を調製した。
【0118】
実施例14:液晶素子の作製
実施例12と同様の操作により作製したセルを120℃に加熱し、加熱(120℃)した実施例13で調製した液晶組成物を注入し、その後、10℃/分の速度で室温まで冷却し、液晶素子を作製した。この液晶素子をクロスニコル状態に配置した2枚の偏光板に挟持し、±20V、10Hzの矩形波を印加したところ、明瞭なスイッチング現象が観察された。また、偏光顕微鏡観察では良好な均一配向状態が観察され、ジグザグ欠陥等の配向欠陥は観察されなかった。尚、この液晶素子の電場応答特性を(表−2)にまとめた。
【0119】
実施例15:液晶組成物の調製
参考例1で調製したホスト液晶Aに実施例6で製造した例示化合物154の化合物を2.5重量%添加し、100℃で加熱溶融し、液晶組成物を調製した。
【0120】
実施例16:液晶素子の作製
実施例12と同様の操作により作製したセルを120℃に加熱し、加熱(120℃)した実施例15で調製した液晶組成物を注入し、その後、10℃/分の速度で室温まで冷却し、液晶素子を作製した。この液晶素子をクロスニコル状態に配置した2枚の偏光板に挟持し、±20V、10Hzの矩形波を印加したところ、明瞭なスイッチング現象が観察された。また、偏光顕微鏡観察では良好な均一配向状態が観察され、ジグザグ欠陥等の配向欠陥は観察されなかった。尚、この液晶素子の電場応答特性を(表−2)にまとめた。
【0121】
実施例17:液晶組成物の調製
参考例1で調製したホスト液晶Aに実施例7で製造した例示化合物239の化合物を2.5重量%添加し、100℃で加熱溶融し、液晶組成物を調製した。
【0122】
実施例18:液晶素子の作製
実施例12と同様の操作により作製したセルを120℃に加熱し、加熱(120℃)した実施例17で調製した液晶組成物を注入し、その後、10℃/分の速度で室温まで冷却し、液晶素子を作製した。この液晶素子をクロスニコル状態に配置した2枚の偏光板に挟持し、±20V、10Hzの矩形波を印加したところ、明瞭なスイッチング現象が観察された。また、偏光顕微鏡観察では良好な均一配向状態が観察され、ジグザグ欠陥等の配向欠陥は観察されなかった。尚、この液晶素子の電場応答特性を(表−2)にまとめた。
【0123】
比較例1
参考例1で調製したホスト液晶Aに特開平2−229128号記載の下記化合物(a)(化11)を2.5重量%添加し、100℃で加熱溶融し、液晶組成物を調製した。
【0124】
【化11】
Figure 0004233258
【0125】
次に、実施例12と同様の操作により作製したセルを120℃に加熱し、加熱(120℃)した該液晶組成物を注入し、その後、10℃/分の速度で室温まで冷却し、液晶素子を作製した。この液晶素子をクロスニコル状態に配置した2枚の偏光板に挟持し、±20V、10Hzの矩形波を印加したところ、明瞭なスイッチング現象が観察された。また、偏光顕微鏡観察では良好な均一配向状態が観察され、ジグザグ欠陥等の配向欠陥は観察されなかった。尚、この液晶素子の電場応答特性を(表−2)にまとめた。
【0126】
比較例2
比較のため、下記式(化12)で表される化合物(b)を参考例1で調製したホスト液晶Aに2.5重量%添加し、100℃で加熱溶融し、液晶組成物を調製した。次に、実施例12と同様の操作により作製したセルを120℃に加熱し、加熱(120℃)した該液晶組成物を注入し、その後、10℃/分の速度で室温まで冷却し、液晶素子を作製した。この液晶素子をクロスニコル状態に配置した2枚の偏光板に挟持し、±20V、10Hzの矩形波を印加したところ、明瞭なスイッチング現象が観察された。また、偏光顕微鏡観察ではストライプ状の欠陥が観察されたが、配向状態は概ね均一であった。尚、この液晶素子の電場応答特性を(表−2)にまとめた。
【0127】
【化12】
Figure 0004233258
【0128】
比較例3
比較のため、下記式(化13)で表される化合物(c)を参考例1で調製したホスト液晶Aに2.5重量%添加し、100℃で加熱溶融し、液晶組成物を調製した。次に、実施例12と同様の操作により作製したセルを120℃に加熱し、加熱(120℃)した該液晶組成物を注入し、その後、10℃/分の速度で室温まで冷却し、液晶素子を作製した。この液晶素子をクロスニコル状態に配置した2枚の偏光板に挟持し、±20V、10Hzの矩形波を印加したところ、明瞭なスイッチング現象が観察された。また、偏光顕微鏡観察ではストライプ状の欠陥が観察されたが、配向状態は概ね均一であった。尚、この液晶素子の電場応答特性を(表−2)にまとめた。
【0129】
【化13】
Figure 0004233258
【0130】
比較例4
比較例3において化合物(c)を2.5重量%添加する代わりに、化合物(c)を6.0重量%添加した以外は比較例3と同様の操作を行い、液晶組成物および液晶素子を作製した。この液晶素子をクロスニコル状態に配置した2枚の偏光板に挟持し、±20V、10Hzの矩形波を印加したところ、明瞭なスイッチング現象が観察された。また、偏光顕微鏡観察ではストライプ状の欠陥が観察されたが、配向状態は概ね均一であった。尚、この液晶素子の電場応答特性を(表−2)にまとめた。
【0131】
実施例19:液晶組成物の調製
参考例1で調製したホスト液晶Aに実施例4で製造した例示化合物95の化合物を6.0重量%添加し、100℃で加熱溶融し、液晶組成物を調製した。
【0132】
実施例20:液晶素子の作製
実施例12と同様の操作により作製したセルを120℃に加熱し、加熱(120℃)した実施例19で調製した液晶組成物を注入し、その後、10℃/分の速度で室温まで冷却し、液晶素子を作製した。この液晶素子をクロスニコル状態に配置した2枚の偏光板に挟持し、±20V、10Hzの矩形波を印加したところ、明瞭なスイッチング現象が観察された。また、偏光顕微鏡観察では良好な均一配向状態が観察され、ジグザグ欠陥等の配向欠陥は観察されなかった。尚、この液晶素子の電場応答特性を(表−2)にまとめた。
【0133】
参考例2:ホスト液晶組成物Bの製造
下記の化合物群を下記に示した割合で混合し、100℃で加熱溶融し、ホスト液晶組成物B(強誘電性液晶組成物)(化14)を調製した。
【0134】
【化14】
Figure 0004233258
【0135】
実施例21:液晶組成物の調製
参考例2で調製したホスト液晶Bに実施例1で製造した例示化合物47の化合物を2.0重量%添加し、液晶組成物を調製した。
【0136】
実施例22:液晶素子の作製
実施例12と同様の操作により作製したセルを120℃に加熱し、加熱(120℃)した実施例21で調製した液晶組成物を注入し、その後、10℃/分の速度で室温まで冷却し、液晶素子を作製した。この液晶素子をクロスニコル状態に配置した2枚の偏光板に挟持し、±20V、10Hzの矩形波を印加したところ、明瞭なスイッチング現象が観察された。また、偏光顕微鏡観察では良好な均一配向状態が観察され、ジグザグ欠陥等の配向欠陥は観察されなかった。尚、この液晶素子の電場応答特性を(表−2)にまとめた。
【0137】
【表17】
Figure 0004233258
【0138】
実施例12、実施例14、実施例16および実施例18と比較例1との比較より、本発明のエステル化合物を液晶組成物の構成成分として使用することにより液晶組成物のSA−SC *転移温度、応答時間、チルト角および閾値電圧を改善することが可能になることが判る。また、実施例14と比較例2との比較からも本発明のエステル化合物を使用した液晶組成物が、同じSA−SC *相転移温度において、低い閾値電圧を示し、チルト角、自発分極も大きいことが判る。実施例14および実施例20と比較例3および比較例4との比較より本発明のエステル化合物は、少ない添加量で充分な自発分極を誘起することができ、また、SA−SC *相転移温度を向上させ、且つ低い閾値電圧を示し、チルト角、自発分極も大きい化合物であることが判る。
【0139】
【発明の効果】
本発明により液晶組成物の構成成分として有用なエステル化合物、詳しくは、少量の添加で充分な自発分極を誘起し、さらに液晶組成物の閾値電圧を低下させ、尚且つ、液晶相の上限温度を向上させるエステル化合物を提供することが可能になった。また、本発明のエステル化合物はSCA *等の反強誘電性相およびフェリ誘導性相を有しており、三安定型反強誘電性液晶、無閾値型反強誘電性液晶等の組成物構成成分として有用に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カイラルスメクチック相を示す液晶を用いた液晶素子の一例の断面概略図である。
【符号の説明】
1 カイラルスメクチック相を有する液晶層
2 基板
3 透明電極
4 絶縁性配向制御層
5 スペーサー
6 リード線
7 電源
8 偏光板
9 光源
I0 入射光
I 透過光

Claims (4)

  1. 一般式(1)で表されるSCA *相を示すエステル化合物。
    Figure 0004233258
    〔式中、R1n−C 10 21 を表し、R2−C 5 11 −nを表し、R3およびR4水素原子を表し、Y1単結合を表し、nは2を表し、X1水素原子を表し、*は不斉炭素を表す〕
  2. 請求項記載のエステル化合物を含有することを特徴とする液晶組成物。
  3. 請求項記載のエステル化合物と、下記一般式(2)、(3)および(4)で表される化合物の少なくとも1種とを含有することを特徴とする液晶組成物。
    Figure 0004233258
    (式中、R11、R12、R21、R22、R31およびR32はそれぞれ独立に、光学活性な不斉炭素を有していてもよい炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルキル基、炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルケニル基、または、炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルコキシアルキル基を表し、Y11、Y12、Y21、Y22、Y31およびY32はそれぞれ独立に、単結合、−COO−基または−O−基より選ばれる結合基を表す)
  4. 請求項2または3記載の液晶組成物を使用することを特徴とする液晶素子。
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