JP4535546B2 - 非光学活性エステル化合物、液晶組成物および液晶素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な非光学活性エステル化合物に関する。さらに詳しくは、液晶表示素子などに用いる液晶組成物の成分として有用な新規な非光学活性エステル化合物、該化合物を含有する液晶組成物および該液晶組成物を使用した液晶素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は薄型軽量で消費電力が低いため、種々の様とのディスプレイとして使用されている。
現在、液晶表示素子としては、TN(ツイステッド・ネマチック)型表示方式が最も広汎に使用されている。このTN型表示方式は、応答時間の点において、発光型素子(陰極管、エレクトロルミネッセンス、プラズマディスプレイ等)と比較して劣っている。ねじれ角を180〜270゜にしたSTN(スーパー・ツイステッド・ネマチック)型表示素子も開発されているが、応答時間はやはり劣っている。この様に種々の改善の努力が行われているが、応答時間の短いTN型表示素子は実現には到っていない。
しかしながら、近年、盛んに研究が進められている強誘電性液晶を用いる新しい表示方式に於いては、著しい応答時間の改善の可能性がある〔 N. A. Clarkら; Applied Phys. lett.,36, 899 (1980)〕。
【0003】
この方式は、強誘電性を示すカイラルスメクチックC相等のカイラルスメクチック相を利用する方法である。強誘電性を示す相はカイラルスメクチックC相のみではなく、カイラルスメクチックF、G、H、I等の相が強誘電性を示す強誘電性液晶相であることが知られている。これらのスメクチック液晶相はチルト系のカイラルスメクチック相に属するものであるが、実用的には、その中で低粘性であり、高速応答性が期待されるカイラルスメクチックC相の利用が検討されている。
また、カイラルスメクチックC相の高次の相である、カイラルスメクチックCA相(反強誘電性相)を利用した表示方式に関しても近年盛んに研究が行われている〔 L. Chandaniら; Jpn. J. App. Phys.,27, L719 (1988) 〕。
【0004】
これらチルト系のスメクチック相を示す液晶化合物は、これまでにも種々検討されており、既に数多くの化合物が探索、製造されてきた。しかしながら、実際に使用する強誘電性液晶表示素子に応用する際に求められる数多くの特性(高速応答性、配向性、高いコントラスト比、閾値特性、メモリー安定性、さらにこれらの諸特性の温度依存性等)を最適化するためには、現在のところ、1つの化合物では応じられず、いくつかの液晶化合物を混合して得られる強誘電性液晶組成物を使用している。
【0005】
また、チルト系のカイラルスメクチック組成物としては、チルト系カイラルスメクチック液晶相を示す化合物のみからなる液晶組成物ばかりでなく、非カイラルなチルト系スメクチック相を示す化合物または組成物を基本物質として、これにチルト系カイラルスメクチック相を示す1種または複数の化合物を混合して全体をチルト系カイラルスメクチック液晶組成物として得ることができる。さらにチルト系スメクチック相を示す化合物または組成物を基本物質として、光学活性ではあるが、チルト系カイラルスメクチック液晶相は示さない1種または複数の化合物を混合して全体をチルト系カイラルスメクチック液晶組成物とする報告も見受けられる〔 Mol. Cryst. Liq. Cryst., 89, 327 (1982)〕。
【0006】
これらのことをまとめるとチルト系カイラルスメクチック液晶相を示すか否かに係わらず光学活性である化合物の一種または複数と、非カイラルな、チルト系スメクチック液晶相を示す化合物を混合することによりチルト系スメクチック液晶組成物を構成できることが判る。
このように液晶組成物の構成成分としては、種々の化合物を使用することが可能であるが、実用的には室温を含む広い温度範囲でチルト系のスメクチック相またはカイラルスメクチック相を呈する液晶化合物もしくは混合物が望ましい。これらの 液晶組成物の成分としては、フェニルベンゾエート系液晶化合物、ビフェニル系液晶化合物、フェニルピリミジン系液晶化合物およびエステル系液晶化合物などが知られている。しかし、これらの化合物を構成成分とする液晶組成物も、スメクチック相での層構造(理想的にはブックシェルフ構造)、粘性およびその温度依存性、閾値特性等において、まだ充分な特性を備えているとは言いがたい。
スメクチック液晶組成物に一般式(3)または(4)で表される化合物(化3)を添加し、スメクチック液晶組成物の低粘度化を行う報告(特開平6−122875号公報)がある。
【0007】
【化3】
Figure 0004535546
〔式中、RおよびR’はアルキル基またはアルコキシ基を表し、R* は不斉炭素を有するアルキル基を表し、AおよびBは水素原子またはフッ素原子を表し、Yはメチレン鎖を表す〕
【0008】
しかしながら、該化合物を使用した場合、液晶組成物のチルト角が減少するという問題点があった。このため、チルト角の減少を伴わずに液晶材料の粘度を低下させる材料が望まれている。
また、チルト系のスメクチック液晶材料は非チルト系の液晶相からチルト系の液晶相に転移する際に体積収縮が起こり、その結果としてシェブロン構造をとることが知られている。このような、シェブロン構造を有するチルト系のスメクチック材料はその層構造故にチルト角(θ)とメモリー角(θm )が等しくならず、そのため、実駆動時に光透過率の「漏れ」が生じるという問題があった(1999年日本液晶学会討論会講演予稿集、p 418、2D12)。このため、θ−θm を低下させた、ブックシェルフ構造の液晶組成物が望まれている。
このように現状ではスメクチック液晶材料として、高チルト角化、低粘性化(高速応答化、低閾値電圧化)、ブックシェルフ構造化(低θ―θm 化)等が望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、スメクチック液晶素子の実用化のために、スメクチック液晶組成物に配合した際に、層構造、配向性、閾値特性、コントラスト比等の諸特性を改善するに適した化合物および該化合物を含有してなる液晶組成物、該組成物を使用した液晶素子を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、ある種の非光学活性エステル化合物を見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は一般式(1)(化4)で表される非光学活性エステル化合物に関するものである。また、一般式(1)で表される非光学活性エステル化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする液晶組成物、該組成物を使用することを特徴とする液晶素子に関するものである。
【0011】
【化4】
Figure 0004535546
〔式中、R1 およびR2 はそれぞれ独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルケニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルコキシアルキル基、あるいは、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルケニルオキシアルキル基を表し、Y1 は−COO−基または−OCOO−基を表し、Y2 は単結合または−O−基を表し、Zは−C≡C−基または−CH2 CH2 −基を表す〕
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に関し詳細に説明する。
本発明の一般式(1)で表される非光学活性エステル化合物は、Zが−C≡C−基または−CH2 CH2 −基、Y1 が−COO−基または−OCOO−基、および、Y2 が単結合または−O−基である場合に、以下の(1−A1)〜(1−A4)および(1−B1)〜(1−B4)の8種の構造(化5)をとる。
好ましい構造は(1−A1)〜(1−A4)、(1−B2)および(1−B4)であり、より好ましい構造は、(1−A2)、(1−A4)および(1−B2)である。
【0013】
【化5】
Figure 0004535546
【0014】
本発明の一般式(1)で表される非光学活性エステル化合物において、R1 およびR2 はそれぞれ独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルケニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルコキシアルキル基、あるいは、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3〜24のアルケニルオキシアルキル基を表す。R1 およびR2 の炭素数は、好ましくは、4〜18であり、より好ましくは、5〜16である。
1 およびR2 は好ましくは、不斉炭素を含有しない炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルキル基、不斉炭素を含有しない炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖アルケニル基、不斉炭素を含有しない炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルコキシアルキル基、あるいは、不斉炭素を含有しない炭素数3〜24のアルケニルオキシアルキル基を表し、より好ましくは、炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルキル基、あるいは、不斉炭素を含有しない炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルコキシアルキル基を表す。
【0015】
1 およびR2 で表される基の具体例としては、例えば、
n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、n−ヘネイコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基、
1−メチルエチル基、1,1−ジメチルエチル基、1−メチルプロピル基、1−エチルプロピル基、1−n−プロピルプロピル基、1−メチルブチル基、1−エチルブチル基、1−n−プロピルブチル基、1−n−ブチルブチル基、1−メチルペンチル基、1−エチルペンチル基、1−n−プロピルペンチル基、1−n−ブチルペンチル基、1−n−ペンチルペンチル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルヘキシル基、1−n−プロピルヘキシル基、1−n−ブチルヘキシル基、1−n−ペンチルヘキシル基、1−n−ヘキシルヘキシル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルヘプチル基、1−n−プロピルヘプチル基、1−n−ブチルヘプチル基、1−n−ペンチルヘプチル基、1−n−ヘプチルヘプチル基、1−メチルオクチル基、1−エチルオクチル基、1−n−プロピルオクチル基、1−n−ブチルオクチル基、1−n−ペンチルオクチル基、1−n−ヘキシルオクチル基、1−n−ヘプチルオクチル基、1−n−オクチルオクチル基、1−メチルノニル基、1−エチルノニル基、1−n−プロピルノニル基、1−n−ブチルノニル基、1−n−ペンチルノニル基、1−n−ヘキシルノニル基、1−n−ヘプチルノニル基、1−n−オクチルノニル基、1−n−ノニルノニル基、1−メチルデシル基、
【0016】
2−メチルプロピル基、2−メチルブチル基、2−エチルブチル基、2−メチルペンチル基、2−エチルペンチル基、2−n−プロピルペンチル基、2−メチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−n−プロピルヘキシル基、2−n−ブチルヘキシル基、2−メチルヘプチル基、2−エチルヘプチル基、2−n−プロピルヘプチル基、2−n−ブチルヘプチル基、2−n−ペンチルヘプチル基、2−メチルオクチル基、2−エチルオクチル基、2−n−プロピルオクチル基、2−n−ブチルオクチル基、2−n−ペンチルオクチル基、2−n−ヘキシルオクチル基、2−メチルノニル基、2−エチルノニル基、2−n−プロピルノニル基、2−n−ブチルノニル基、2−n−ペンチルノニル基、2−n−ヘキシルノニル基、2−n−ヘプチルノニル基、2−メチルデシル基、2,3−ジメチルブチル基、2,3,3−トリメチルブチル基、3−メチルブチル基、3−メチルペンチル基、3−エチルペンチル基、4−メチルペンチル基、4−エチルヘキシル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、2,3,3,4−テトラメチルペンチル基、3−メチルヘキシル基、2,5−ジメチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、3,5,5,−トリメチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、6−メチルヘプチル基、3,7−ジメチルオクチル基、6−メチルオクチル基等のアルキル基、
【0017】
2−フルオロ−n−プロピル基、3−フルオロ−n−プロピル基、1,3−ジフルオロ−n−プロピル基、2,3−ジフルオロ−n−プロピル基、
2−フルオロ−n−ブチル基、3−フルオロ−n−ブチル基、4−フルオロ−n−ブチル基、3−フルオロ−2−メチルプロピル基、2,3−ジフルオロ−n−ブチル基、2,4−ジフルオロ−n−ブチル基、3,4−ジフルオロ−n−ブチル基、2−フルオロ−n−ペンチル基、3−フルオロ−n−ペンチル基、5−フルオロ−n−ペンチル基、2,4−ジフルオロ−n−ペンチル基、2,5−ジフルオロ−n−ペンチル基、2−フルオロ−3−メチルブチル基、
2−フルオロ−n−ヘキシル基、3−フルオロ−n−ヘキシル基、4−フルオロ−n−ヘキシル基、5−フルオロ−n−ヘキシル基、6−フルオロ−n−ヘキシル基、2−フルオロ−n−ヘプチル基、4−フルオロ−n−ヘプチル基、5−フルオロ−n−ヘプチル基、2−フルオロ−n−オクチル基、3−フルオロ−n−オクチル基、6−フルオロ−n−オクチル基、4−フルオロ−n−ノニル基、7−フルオロ−n−ノニル基、3−フルオロ−n−デシル基、6−フルオロ−n−デシル基、4−フルオロ−n−ドデシル基、8−フルオロ−n−ドデシル基、
5−フルオロ−n−テトラデシル基、9−フルオロ−n−テトラデシル基、
3−クロロ−n−プロピル基、2−クロロ−n−ブチル基、4−クロロ−n−ブチル基、2−クロロ−n−ペンチル基、5−クロロ−n−ペンチル基、5−クロロ−n−ヘキシル基、4−クロロ−n−ヘプチル基、6−クロロ−n−オクチル基、7−クロロ−n−ノニル基、3−クロロ−n−デシル基、8−クロロ−n−ドデシル基、
【0018】
n−パーフルオロプロピル基、n−パーフルオロブチル基、n−パーフルオロペンチル基、n−パーフルオロヘキシル基、n−パーフルオロヘプチル基、n−パーフルオロオクチル基、n−パーフルオロノニル基、n−パーフルオロデシル基、n−パーフルオロウンデシル基、n−パーフルオロドデシル基、n−パーフルオロテトラデシル基、
1−ヒドロ−n−パーフルオロプロピル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロブチル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロペンチル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロヘキシル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロヘプチル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロオクチル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロノニル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロデシル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロウンデシル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロドデシル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロテトラデシル基、
1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロプロピル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロブチル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロペンチル基、1,1−ジヒドロ−3−ペンタフルオロエチルパーフルオロペンチル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロヘキシル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロヘプチル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロオクチル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロノニル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロデシル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロウンデシル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロドデシル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロテトラデシル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロペンタデシル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロヘキサデシル基、
【0019】
1,1,3−トリヒドロ−n−パーフルオロプロピル基、1,1,3−トリヒドロ−n−パーフルオロブチル基、1,1,4−トリヒドロ−n−パーフルオロブチル基、1,1,4−トリヒドロ−n−パーフルオロペンチル基、1,1,5−トリヒドロ−n−パーフルオロペンチル基、1,1,3−トリヒドロ−n−パーフルオロヘキシル基、1,1,6−トリヒドロ−n−パーフルオロヘキシル基、1,1,5−トリヒドロ−n−パーフルオロヘプチル基、1,1,7−トリヒドロ−n−パーフルオロヘプチル基、1,1,8−トリヒドロ−n−パーフルオロオクチル基、1,1,9−トリヒドロ−n−パーフルオロノニル基、1,1,11−トリヒドロ−n−パーフルオロウンデシル基、
2−(パーフルオロエチル)エチル基、2−(n−パーフルオロプロピル)エチル基、2−(n−パーフルオロブチル)エチル基、2−(n−パーフルオロペンチル)エチル基、2−(n−パーフルオロヘキシル)エチル基、2−(n−パーフルオロヘプチル)エチル基、2−(n−パーフルオロオクチル)エチル基、2−(n−パーフルオロデシル)エチル基、2−(n−パーフルオロノニル)エチル基、2−(n−パーフルオロドデシル)エチル基、2−(パーフルオロ−9’−メチルデシル)エチル基、
【0020】
2−トリフルオロメチルプロピル基、3−(n−パーフルオロプロピル)プロピル基、3−(n−パーフルオロブチル)プロピル基、3−(n−パーフルオロヘキシル)プロピル基、3−(n−パーフルオロヘプチル)プロピル基、3−(n−パーフルオロオクチル)プロピル基、3−(n−パーフルオロデシル)プロピル基、3−(n−パーフルオロドデシル)プロピル基、4−(パーフルオロエチル)ブチル基、4−(n−パーフルオロプロピル)ブチル基、4−(n−パーフルオロブチル)ブチル基、4−(n−パーフルオロペンチル)ブチル基、4−(n−パーフルオロヘキシル)ブチル基、4−(n−パーフルオロヘプチル)ブチル基、4−(n−パーフルオロオクチル)ブチル基、4−(n−パーフルオロデシル)ブチル基、4−(パーフルオロイソプロピル)ブチル基、5−(n−パーフルオロプロピル)ペンチル基、5−(n−パーフルオロブチル)ペンチル基、5−(n−パーフルオロペンチル)ペンチル基、5−(n−パーフルオロヘキシル)ペンチル基、5−(n−パーフルオロヘプチル)ペンチル基、5−(n−パーフルオロオクチル)ペンチル基、6−(パーフルオロエチル)ヘキシル基、6−(n−パーフルオロプロピル)ヘキシル基、6−(n−パーフルオロブチル)ヘキシル基、6−(n−パーフルオロヘキシル)ヘキシル基、6−(n−パーフルオロヘプチル)ヘキシル基、6−(n−パーフルオロオクチル)ヘキシル基、6−(パーフルオロイソプロピル)ヘキシル基、6−(パーフルオロ−7’−メチルオクチル)ヘキシル基、7−(パーフルオロエチル)ヘプチル基、7−(n−パーフルオロプロピル)ヘプチル基、7−(n−パーフルオロブチル)ヘプチル基、7−(n−パーフルオロペンチル)ヘプチル基等のハロゲン原子で置換されたアルキル基、
【0021】
2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、4−メトキシブチル基、5−メトキシペンチル基、6−メトキシヘキシル基、7−メトキシヘプチル基、8−メトキシオクチル基、9−メトキシノニル基、10−メトキシデシル基、エトキシメチル基、2−エトキシエチル基、3−エトキシプロピル基、4−エトキシブチル基、5−エトキシペンチル基、6−エトキシヘキシル基、7−エトキシヘプチル基、8−エトキシオクチル基、9−エトキシノニル基、10−エトキシデシル基、n−プロピルオキシメチル基、2−n−プロピルオキシエチル基、3−n−プロピルオキシプロピル基、4−n−プロピルオキシブチル基、5−n−プロピルオキシペンチル基、6−n−プロピルオキシヘキシル基、7−n−プロピルオキシヘプチル基、8−n−プロピルオキシオクチル基、9−n−プロピルオキシノニル基、10−n−プロピルオキシデシル基、n−ブチルオキシメチル基、2−n−ブチルオキシエチル基、3−n−ブチルオキシプロピル基、4−n−ブチルオキシブチル基、5−n−ブチルオキシペンチル基、6−n−ブチルオキシヘキシル基、7−n−ブチルオキシヘプチル基、8−n−ブチルオキシオクチル基、9−n−ブチルオキシノニル基、10−n−ブチルオキシデシル基、n−ペンチルオキシメチル基、2−n−ペンチルオキシエチル基、3−n−ペンチルオキシプロピル基、4−n−ペンチルオキシブチル基、5−n−ペンチルオキシペンチル基、6−n−ペンチルオキシヘキシル基、7−n−ペンチルオキシヘプチル基、8−n−ペンチルオキシオクチル基、9−n−ペンチルオキシノニル基、10−n−ペンチルオキシデシル基、
【0022】
n−ヘキシルオキシメチル基、2−n−ヘキシルオキシエチル基、3−n−ヘキシルオキシプロピル基、4−n−ヘキシルオキシブチル基、5−n−ヘキシルオキシペンチル基、6−n−ヘキシルオキシヘキシル基、7−n−ヘキシルオキシヘプチル基、8−n−ヘキシルオキシオクチル基、9−n−ヘキシルオキシノニル基、10−n−ヘキシルオキシデシル基、n−ヘプチルオキシメチル基、2−n−ヘプチルオキシエチル基、3−n−ヘプチルオキシプロピル基、4−n−ヘプチルオキシブチル基、5−n−ヘプチルオキシペンチル基、6−n−ヘプチルオキシヘキシル基、7−n−ヘプチルオキシヘプチル基、8−n−ヘプチルオキシオクチル基、9−n−ヘプチルオキシノニル基、10−n−ヘプチルオキシデシル基、オクチルオキシメチル基、2−n−オクチルオキシエチル基、3−n−オクチルオキシプロピル基、4−n−オクチルオキシブチル基、5−n−オクチルオキシペンチル基、6−n−オクチルオキシヘキシル基、7−n−オクチルオキシヘプチル基、8−n−オクチルオキシオクチル基、9−n−オクチルオキシノニル基、10−n−オクチルオキシデシル基、n−ノニルオキシメチル基、2−n−ノニルオキシエチル基、3−n−ノニルオキシプロピル基、4−n−ノニルオキシブチル基、5−n−ノニルオキシペンチル基、6−n−ノニルオキシヘキシル基、7−n−ノニルオキシヘプチル基、8−n−ノニルオキシオクチル基、9−n−ノニルオキシノニル基、10−n−ノニルオキシデシル基、
【0023】
n−デシルオキシメチル基、2−n−デシルオキシエチル基、3−n−デシルオキシプロピル基、4−n−デシルオキシブチル基、5−n−デシルオキシペンチル基、6−n−デシルオキシヘキシル基、7−n−デシルオキシヘプチル基、8−n−デシルオキシオクチル基、9−n−デシルオキシノニル基、10−n−デシルオキシデシル基、2−n−ウンデシルオキシエチル基、4−n−ウンデシルオキシブチル基、6−n−ウンデシルオキシヘキシル基、8−n−ウンデシルオキシオクチル基、10−n−ウンデシルオキシデシル基、2−n−ドデシルオキシエチル基、4−n−ドデシルオキシブチル基、6−n−ドデシルオキシヘキシル基、8−n−ドデシルオキシオクチル基、10−n−ドデシルオキシデシル基、1−メチル−2−メトキシエチル基、1−メチル−2−エトキシエチル基、1−メチル−2−n−プロピルオキシエチル基、1−メチル−2−n−ブチルオキシエチル基、1−メチル−2−n−ペンチルオキシエチル基、1−メチル−2−n−ヘキシルオキシエチル基、1−メチル−2−n−ヘプチルオキシエチル基、1−メチル−2−n−オクチルオキシエチル基、1−メチル−2−n−ノニルオキシエチル基、1−メチル−2−n−デシルオキシエチル基、1−メチル−2−n−ウンデシルオキシエチル基、1−メチル−2−n−ドデシルオキシエチル基、2−メトキシプロピル基、2−2−エトキシプロピル基、2−n−プロピルオキシプロピル基、2−n−ブチルオキシプロピル基、2−n−ペンチルオキシプロピル基、2−n−ヘキシルオキシプロピル基、2−n−ヘプチルオキシプロピル基、2−n−オクチルオキシプロピル基、2−n−ノニルオキシプロピル基、2−n−デシルオキシプロピル基、2−n−ウンデシルオキシプロピル基、2−n−ドデシルオキシプロピル基、
【0024】
1−メチル−3−メトキシプロピル基、1−メチル−3−エトキシプロピル基、1−メチル−3−n−プロピルオキシプロピル基、1−メチル−3−n−ブチルオキシプロピル基、1−メチル−3−n−ペンチルオキシプロピル基、1−メチル−3−n−ヘキシルオキシプロピル基、1−メチル−3−n−ヘプチルオキシプロピル基、1−メチル−3−n−オクチルオキシプロピル基、1−メチル−3−n−ノニルオキシプロピル基、1−メチル−3−n−デシルオキシプロピル基、1−メチル−3−n−ウンデシルオキシプロピル基、1−メチル−3−n−ドデシルオキシプロピル基、3−メトキシブチル基、3−エトキシブチル基、3−n−プロピルオキシブチル基、3−n−ブチルオキシブチル基、3−n−ペンチルオキシブチル基、3−n−ヘキシルオキシブチル基、3−n−ヘプチルオキシブチル基、3−n−オクチルオキシブチル基、3−n−ノニルオキシブチル基、3−n−デシルオキシブチル基、3−n−ウンデシルオキシブチル基、3−n−ドデシルオキシブチル基、
イソプロピルオキシメチル基、2−イソプロピルオキシエチル基、3−イソプロピルオキシプロピル基、4−イソプロピルオキシブチル基、5−イソプロピルオキシペンチル基、6−イソプロピルオキシヘキシル基、7−イソプロピルオキシヘプチル基、8−イソプロピルオキシオクチル基、9−イソプロピルオキシノニル基、10−イソプロピルオキシデシル基、イソブチルオキシメチル基、2−イソブチルオキシエチル基、3−イソブチルオキシプロピル基、4−イソブチルオキシブチル基、5−イソブチルオキシペンチル基、6−イソブチルオキシヘキシル基、7−イソブチルオキシヘプチル基、8−イソブチルオキシオクチル基、9−イソブチルオキシノニル基、10−イソブチルオキシデシル基、
tert−ブチルオキシメチル基、2−tert−ブチルオキシエチル基、3−tert−ブチルオキシプロピル基、4−tert−ブチルオキシブチル基、5−tert−ブチルオキシペンチル基、6−tert−ブチルオキシヘキシル基、7−tert−ブチルオキシヘプチル基、8−tert−ブチルオキシオクチル基、9−tert−ブチルオキシノニル基、10−tert−ブチルオキシデシル基、
【0025】
(2−エチルブチルオキシ)メチル基、2−(2’−エチルブチルオキシ)エチル基、3−(2’−エチルブチルオキシ)プロピル基、4−(2’−エチルブチルオキシ)ブチル基、5−(2’−エチルブチルオキシ)ペンチル基、6−(2’−エチルブチルオキシ)ヘキシル基、7−(2’−エチルブチルオキシ)ヘプチル基、8−(2’−エチルブチルオキシ)オクチル基、9−(2’−エチルブチルオキシ)ノニル基、10−(2’−エチルブチルオキシ)デシル基、
(3−エチルペンチルオキシ)メチル基、2−(3’−エチルペンチルオキシ)エチル基、3−(3’−エチルペンチルオキシ)プロピル基、4−(3’−エチルペンチルオキシ)ブチル基、5−(3’−エチルペンチルオキシ)ペンチル基、6−(3’−エチルペンチルオキシ)ヘキシル基、7−(3’−エチルペンチルオキシ)ヘプチル基、8−(3’−エチルペンチルオキシ)オクチル基、9−(3’−エチルペンチルオキシ)ノニル基、10−(3’−エチルペンチルオキシ)デシル基、6−(1’−メチル−n−ヘプチルオキシ)ヘキシル基、4−(1’−メチル−n−ヘプチルオキシ)ブチル基、
2−(2’−メトキシエトキシ)エチル基、2−(2’−エトキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−プロピルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−イソプロピルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−ブチルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−イソブチルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−tert−ブチルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−ペンチルオキシエトキシ)エチル基、2−〔2’−(2”−エチルブチルオキシ)エトキシ〕エチル基、2−(2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)エチル基、2−〔2’−(3”−エチルペンチルオキシ)エトキシ〕エチル基、2−(2’−n−ヘプチルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−オクチルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−ノニルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−デシルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−ウンデシルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−ドデシルオキシエトキシ)エチル基、
【0026】
2−〔2’−(2”−メトキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−エトキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−プロピルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−イソプロピルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−ブチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−イソブチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−tert−ブチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−{2’−〔2”−(2''' −エチルブチルオキシ)エトキシ〕エトキシ}エチル基、2−〔2’−(2”−n−ペンチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−ヘキシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−{2’−〔2”−(3''' −エチルペンチルオキシ)エトキシ〕エトキシ}エチル基、2−〔2’−(2”−n−ヘプチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−オクチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−ノニルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−デシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−ウンデシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−ドデシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、
2−{2’−〔2”−(2''' −メトキシエトキシ)エトキシ〕エトキシ}エチル基、2−{2’−〔2”−(2''' −n−ドデシルオキシエトキシ)エトキシ〕エトキシ}エチル基、
2−{2’−{2”−〔2''' −(2−メトキシエトキシ)エトキシ〕エトキシ}エトキシ}エチル基、
2−{2’−{2”−{2''' −〔2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ〕エトキシ}エトキシ}エトキシ}エチル基、
【0027】
1−メチル−2−(1’−メチル−2’−メトキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−エトキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−プロピルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−イソプロピルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−ブチルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−イソブチルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−tert−ブチルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−ペンチルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−ヘプチルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−オクチルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−ノニルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−デシルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−ウンデシルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−ドデシルオキシエトキシ)エチル基、
【0028】
1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−メトキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−エトキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−プロピルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−イソプロピルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−ブチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−イソブチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−tert−ブチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−ペンチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−ヘキシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−ヘプチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−オクチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−ノニルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−デシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−ウンデシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−ドデシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、
【0029】
2−エトキシエトキシメチル基、2−n−ブチルオキシエトキシメチル基,2−n−ヘキシルオキシエトキシメチル基、3−エトキシプロピルオキシメチル基、3−n−プロピルオキシプロピルオキシメチル基、3−n−ペンチルオキシプロピルオキシメチル基、3−n−ヘキシルオキシプロピルオキシメチル基、2−メトキシ−1−メチルエトキシメチル基、2−エトキシ−1−メチルエトキシメチル基、2−n−ブチルオキシ−1−メチルエトキシメチル基、4−メトキシブチルオキシメチル基、4−エトキシブチルオキシメチル基、4−n−ブチルオキシブチルオキシメチル基、2−(3’−メトキシプロピルオキシ)エチル基、2−(3’−エトキシプロピルオキシ)エチル基、2−(1’−メチル−2’−メトキシエトキシ)エチル基、2−(1’−メチル−2’−エトキシエトキシ)エチル基、2−(1’−メチル−2’−n−ブチルオキシエトキシ)エチル基、2−(4’−メトキシブチルオキシ)エチル基、2−(4’−エトキシブチルオキシ)エチル基、2−〔4’−(2”−エチルブチルオキシ)ブチルオキシ〕エチル基、2−〔4’−(3”−エチルペンチルオキシ)ブチルオキシ〕エチル基、3−(2’−メトキシエトキシ)プロピル基、3−(2’−エトキシエトキシ)プロピル基、3−(2’−n−ペンチルオキシエトキシ)プロピル基、3−(2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)プロピル基、3−(3’−エトキシプロピルオキシ)プロピル基、3−(3’−n−プロピルオキシプロピルオキシ)プロピル基、3−(3’−n−ブチルオキシプロピルオキシ)プロピル基、3−(4’−エトキシブチルオキシ)プロピル基、3−(5’−エトキシペンチルオキシ)プロピル基、
【0030】
4−(2’−メトキシエトキシ)ブチル基、4−(2’−エトキシエトキシ)ブチル基、4−(2’−イソプロピルオキシエトキシ)ブチル基、4−(2’−イソブチルオキシエトキシ)ブチル基、4−(2’−n−ブチルオキシエトキシ)ブチル基、4−(2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)ブチル基、4−(3’−n−プロピルオキシプロピルオキシ)ブチル基、4−(2’−n−プロピルオキシ−1’−メチルエトキシ)ブチル基、4−〔2’−(2”−メトキシエトキシ)エトキシ〕ブチル基、4−〔2’−(2”−n−ブチルオキシエトキシ)エトキシ〕ブチル基、4−〔2’−(2”−n−ヘキシルオキシエトキシ)エトキシ〕ブチル基、5−(2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)ペンチル基、2−[2’−(2”−n−ブチルオキシエトキシ)エトキシ]エチル基、
(2−エチルヘキシルオキシ)メチル基、(3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ)メチル基、(3,7−ジメチルオクチルオキシ)メチル基、2−(2’−エチルヘキシルオキシ)エチル基、2−(3’,5’,5’−トリメチルヘキシルオキシ)エチル基、2−(3’,7’−ジメチルオクチルオキシ)エチル基、3−(2’−エチルヘキシルオキシ)プロピル基、3−(3’,5’,5’−トリメチルヘキシルオキシ)プロピル基、3−(3’,7’−ジメチルオクチルオキシ)プロピル基、4−(2’−エチルヘキシルオキシ)ブチル基、4−(3’,5’,5’−トリメチルヘキシルオキシ)ブチル基、4−(3’,7’−ジメチルオクチルオキシ)ブチル基、5−(2’−エチルヘキシルオキシ)ペンチル基、5−(3’,5’,5’−トリメチルヘキシルオキシ)ペンチル基、5−(3’,7’−ジメチルオクチルオキシ)ペンチル基、6−(2’−エチルヘキシルオキシ)ヘキシル基、6−(3’,5’,5’−トリメチルヘキシルオキシ)ヘキシル基、6−(3’,7’−ジメチルオクチルオキシ)ヘキシル基等のアルコキシアルキル基、
【0031】
2−(2’−トリフルオロメチルプロピルオキシ)エチル基、4−(2’−トリフルオロメチルプロピルオキシ)ブチル基、6−(2’−トリフルオロメチルプロピルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−トリフルオロメチルプロピルオキシ)オクチル基、2−(2’−トリフルオロメチルブチルオキシ)エチル基、4−(2’−トリフルオロメチルブチルオキシ)ブチル基、6−(2’−トリフルオロメチルブチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−トリフルオロメチルブチルオキシ)オクチル基、2−(2’−トリフルオロメチルヘプチルオキシ)エチル基、4−(2’−トリフルオロメチルヘプチルオキシ)ブチル基、6−(2’−トリフルオロメチルヘプチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−トリフルオロメチルヘプチルオキシ)オクチル基、2−(2’−フルオロエチルオキシ)エチル基、4−(2’−フルオロエチルオキシ)ブチル基、6−(2’−フルオロエチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−フルオロエチルオキシ)オクチル基、2−(2’−フルオロ−n−プロピルオキシ)エチル基、4−(2’−フルオロ−n−プロピルオキシ)ブチル基、6−(2’−フルオロ−n−プロピルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−フルオロ−n−プロピルオキシ)オクチル基、2−(3’−フルオロ−n−プロピルオキシ)エチル基、4−(3’−フルオロ−n−プロピルオキシ)ブチル基、6−(3’−フルオロ−n−プロピルオキシ)ヘキシル基、8−(3’−フルオロ−n−プロピルオキシ)オクチル基、
【0032】
2−(3’−フルオロ−2’−メチルプロピルオキシ)エチル基、4−(3’−フルオロ−2’−メチルプロピルオキシ)ブチル基、6−(3’−フルオロ−2’−メチルプロピルオキシ)ヘキシル基、8−(3’−フルオロ−2’−メチルプロピルオキシ)オクチル基、2−(2’,3’−ジフルオロ−n−プロピルオキシ)エチル基、4−(2’,3’−ジフルオロ−n−プロピルオキシ)ブチル基、6−(2’,3’−ジフルオロ−n−プロピルオキシ)ヘキシル基、8−(2’,3’−ジフルオロ−n−プロピルオキシ)オクチル基、2−(2’−フルオロ−n−ブチルオキシ)エチル基、4−(2’−フルオロ−n−ブチルオキシ)ブチル基、6−(2’−フルオロ−n−ブチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−フルオロ−n−ブチルオキシ)オクチル基、2−(3’−フルオロ−n−ブチルオキシ)エチル基、4−(3’−フルオロ−n−ブチルオキシ)ブチル基、6−(3’−フルオロ−n−ブチルオキシ)ヘキシル基、8−(3’−フルオロ−n−ブチルオキシ)オクチル基、2−(4’−フルオロ−n−ブチルオキシ)エチル基、4−(4’−フルオロ−n−ブチルオキシ)ブチル基、6−(4’−フルオロ−n−ブチルオキシ)ヘキシル基、8−(4’−フルオロ−n−ブチルオキシ)オクチル基、2−(2’,3’−ジフルオロ−n−ブチルオキシ)エチル基、4−(2’,3’−ジフルオロ−n−ブチルオキシ)ブチル基、6−(2’,3’−ジフルオロ−n−ブチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’,3’−ジフルオロ−n−ブチルオキシ)オクチル基、パーフルオロ(2−n−ヘキシルオキシエチル)基、
【0033】
1,1−ジヒドロ−パーフルオロ(2−メトキシエチル)基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ(3−n−プロピルオキシプロピル)基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ(2−エトキシエチル)基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ(2−n−ペンチルオキシエチル)基、2−(2’−n−パーフルオロブチルオキシエトキシ)エチル基、3−(n−パーフルオロブチルオキシ)−3,3−ジフルオロエチル基、4−(1,1,7−トリヒドロ−n−パーフルオロヘプチルオキシ)ブチル基、2−(n−パーフルオロプロピルオキシ)−2−トリフルオロメチル−2−フルオロエチル基、
2−(2’−トリクロロメチルプロピルオキシ)エチル基、4−(2’−トリクロロメチルプロピルオキシ)ブチル基、6−(2’−トリクロロメチルプロピルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−トリクロロメチルプロピルオキシ)オクチル基、2−(2’−トリクロロメチルブチルオキシ)エチル基、4−(2’−トリクロロメチルブチルオキシ)ブチル基、6−(2’−トリクロロメチルブチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−トリクロロメチルブチルオキシ)オクチル基、2−(2’−トリクロロメチルヘプチルオキシ)エチル基、4−(2’−トリクロロメチルヘプチルオキシ)ブチル基、6−(2’−トリクロロメチルヘプチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−トリクロロメチルヘプチルオキシ)オクチル基、2−(2’−クロロエトキシ)エチル基、4−(2’ークロロエトキシ)ブチル基、6−(2’−クロロエトキシ)ヘキシル基、8−(2’−クロロエトキシ)オクチル基、2−(2’−クロロ−n−プロピルオキシ)エチル基、4−(2’−クロロ−n−プロピルオキシ)ブチル基、6−(2’−クロロ−n−プロピルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−クロロ−n−プロピルオキシ)オクチル基、
【0034】
2−(3’−クロロ−n−プロピルオキシ)エチル基、4−(3’−クロロ−n−プロピルオキシ)ブチル基、6−(3’−クロロ−n−プロピルオキシ)ヘキシル基、8−(3’−クロロ−n−プロピルオキシ)オクチル基、2−(3’−クロロ−2’−メチルプロピルオキシ)エチル基、4−(3’−クロロ−2’−メチルプロピルオキシ)ブチル基、6−(3’−クロロ−2’−メチルプロピルオキシ)ヘキシル基、8−(3’−クロロ−2’−メチルプロピルオキシ)オクチル基、2−(2’,3’−ジクロロ−n−プロピルオキシ)エチル基、4−(2’,3’−ジクロロ−n−プロピルオキシ)ブチル基、6−(2’,3’−ジクロロ−n−プロピルオキシ)ヘキシル基、8−(2’,3’−ジクロロ−n−プロピルオキシ)オクチル基、2−(2’−クロロ−n−ブチルオキシ)エチル基、4−(2’−クロロ−n−ブチルオキシ)ブチル基、6−(2’−クロロ−n−ブチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−クロロ−n−ブチルオキシ)オクチル基、2−(3’−クロロ−n−ブチルオキシ)エチル基、4−(3’−クロロ−n−ブチルオキシ)ブチル基、6−(3’−クロロ−n−ブチルオキシ)ヘキシル基、8−(3’−クロロ−n−ブチルオキシ)オクチル基、2−(4’−クロロ−n−ブチルオキシ)エチル基、4−(4’−クロロ−n−ブチルオキシ)ブチル基、6−(4’−クロロ−n−ブチルオキシ)ヘキシル基、8−(4’−クロロ−n−ブチルオキシ)オクチル基、2−(2’,3’−ジクロロ−n−ブチルオキシ)エチル基、4−(2’,3’−ジクロロ−n−ブチルオキシ)ブチル基、6−(2’,3’−ジクロロ−n−ブチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’,3’−ジクロロ−n−ブチルオキシ)オクチル基等のハロゲン原子で置換されたアルコキシアルキル基、
【0035】
2−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、2−ヘプテニル基、3−ヘプテニル基、4−ヘプテニル基、5−ヘプテニル基、6−ヘプテニル基、2−オクテニル基、3−オクテニル基、4−オクテニル基、5−オクテニル基、6−オクテニル基、7−オクテニル基、2−ノネニル基、3−ノネニル基、4−ノネニル基、5−ノネニル基、6−ノネニル基、7−ノネニル基、8−ノネニル基、2−デセニル基,3−デセニル基、4−デセニル基、5−デセニル基、6−デセニル基、7−デセニル基、8−デセニル基、9−デセニル基、3,7−ジメチル−6−オクテニル基等のアルケニル基、
3−n−パーフルオロプロピル−2−プロペニル基、3−n−パーフルオロブチル−2−プロペニル基、3−n−パーフルオロペンチル−2−プロペニル基、3−n−パーフルオロヘキシル−2−プロペニル基、3−n−パーフルオロヘプチル−2−プロペニル基、3−n−パーフルオロオクチル−2−プロペニル基等のハロゲン原子で置換されたアルケニル基、
【0036】
2−プロペニルオキシメチル基、2−(2’−プロペニルオキシ)エチル基、2−〔2’−(2”−プロペニルオキシ)エトキシ〕エチル基、3−(2’−プロペニルオキシ)プロピル基、4−(2’−プロペニルオキシ)ブチル基、5−(2’−プロペニルオキシ)ペンチル基、6−(2’−プロペニルオキシ)ヘキシル基、7−(2’−プロペニルオキシ)ヘプチル基、8−(2’−プロペニルオキシ)オクチル基、9−(2’−プロペニルオキシ)ノニル基、10−(2’−プロペニルオキシ)デシル基等のアルケニルオキシアルキル基、
2−(2’−プロペニルオキシ)−パーフルオロエチル基、3−(2’−プロペニルオキシ)−パーフルオロプロピル基、4−(2’−プロペニルオキシ)−パーフルオロブチル基、5−(2’−プロペニルオキシ)−パーフルオロペンチル基、6−(2’−プロペニルオキシ)−パーフルオロヘキシル基、7−(2’−プロペニルオキシ)−パーフルオロヘプチル基、8−(2’−プロペニルオキシ)−パーフルオロオクチル基等のハロゲン原子で置換されたアルケニルオキシアルキル基を挙げることができる。
【0037】
本発明の一般式(1)で表される非光学活性エステル化合物において、Y1 は−COO−基または−OCOO−基を表し、好ましくは、−COO−基を表す。また、Y2 は、単結合または−O−基を表し、好ましくは、−O−基を表す。
本発明の一般式(1)で表される非光学活性エステル化合物の具体例としては、以下の表−1(表1〜表3)、表−2(表4)に示すような化合物を挙げることができる。
【0038】
【表1】
Figure 0004535546
【0039】
【表2】
Figure 0004535546
【0040】
【表3】
Figure 0004535546
【0041】
【表4】
Figure 0004535546
本発明の一般式(1)で表される非光学活性エステル化合物は、例えば、以下に示す工程を経て製造することができる。
・Zが−C≡C−基である一般式(1)で表される非光学活性エステル化合物の
製造工程(化6):
【0042】
【化6】
Figure 0004535546
【0043】
・A−▲1▼:Y2 が−O−基である場合:
一般式(5)で表される化合物(Xは臭素原子、ヨウ素原子またはトリフルオロメタンスルホネート基を表す)に塩基(例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム)の存在下、アルキル化剤(L−R2 :Lは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子またはp−トルエンスホネート基等の脱離基を表す)を作用させ、一般式(6A)で表される化合物を得る。
・A−▲2▼:Y2 が単結合である場合:
式(7)で表される化合物に、アルキルアセチレン化合物(R3 −C≡CH:R3 はR2 より炭素数が2つ少ない基を表す)をパラジウム触媒〔例えば、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム〕および塩基の存在下、不活性ガス雰囲気下で反応させ、一般式(8)で表される化合物を製造し、次に、該化合物を酸化白金等の触媒の存在下、水素添加することで、一般式(6B)で表される化合物を得る。
【0044】
・B:次に、一般式(6)〔一般式(6A)または(6B)〕で表される化合物と3−メチル−1−ブチン−3−オールをパラジウム触媒〔例えば、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム〕および塩基の存在下、不活性ガス雰囲気下で反応させ、得られた一般式(9)で表される化合物を、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムで処理し、一般式(10)で表されるアセチレン化合物を製造する。
・C:次に、一般式(11)で表される化合物(Xは臭素原子、ヨウ素原子またはトリフルオロメタンスルホネート基を表す)と、一般式(10)で表されるアセチレン化合物をパラジウム触媒および塩基の存在下に不活性ガス雰囲気下で反応させることにより一般式(1)においてZが−C≡C−基である非光学活性エステル化合物(1A)を製造することができる。
また、別法として、下記の工程(化7)を経てもよい。
【0045】
【化7】
Figure 0004535546
【0046】
すなわち、前記Cの工程において一般式(11)で表される化合物の代わりに一般式(11’)で表される化合物(式中、Prはテトラヒドロピラニル基等の保護基を表す)を使用し、一般式(12)で表される化合物を得た後、一般式(12)で表される化合物の保護基を除去し、一般式(13)で表される化合物を製造し、カルボン酸と反応させるか、または、アルキルクロロホーメートと塩基(例えば、トリエチルアミン、ピリジン)の存在下に反応させることにより一般式(1A)で表される非光学活性エステル化合物を製造することができる。
尚、一般式(13)で表される化合物とカルボン酸との反応では、
a.カルボン酸をチオニルクロライド、オギザリルクロライド等の塩素化剤により酸クロライドへ誘導した後、塩基(例えば、トリエチルアミン、ピリジン)の存在下、一般式(13)で表される化合物と作用させる方法、
b.カルボン酸と一般式(13)で表される化合物をN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(以下、DCCと略記する)と触媒(例えば、N,N−ジメチルアミノピリジン)の存在下、脱水縮合させる方法を使用することできる。
さらに、Y2 が−O−基である場合には、以下に示す工程(化8)に従い、一般式(1A)で表される非光学活性エステル化合物を製造することができる。
【0047】
【化8】
Figure 0004535546
【0048】
すなわち、一般式(5)にジヒドロピラン(DHP)を反応させて水酸基をテトラヒドロピラニル基(−O−THP)として保護し、一般式(14)で表される化合物を製造し、その後、上記B工程と同様の操作により一般式(16)で表されるアセチレン化合物を得る。次に、一般式(16)と一般式(11)で表される化合物をパラジウム触媒および塩基の存在下、不活性ガス雰囲気下に反応させ、一般式(17)で表される化合物を製造し、その後、保護基を除去し、アルキル化剤(L−R2 :Lは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子またはp−トルエンスルホネート基等の脱離基を表す)を塩基(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)の存在下、作用させることで一般式(1A)で表される化合物を製造することができる。
・Zが−CH2 CH2 −基である一般式(1)で表される非光学活性エステル化
合物の製造工程(化9)−
【0049】
【化9】
Figure 0004535546
【0050】
一般式(1A)で表される化合物を、パラジウム触媒(例えば、パラジウム/炭素、パラジウム/アルミナ)の存在下、水素雰囲気下で、接触水素添加することにより、一般式(1)においてZが−CH2 CH2 −基である非光学活性エステル化合物(1B)を製造することができる。
本発明の非光学活性エステル化合物には、それ自体で液晶性を示す化合物および液晶性を示さない化合物がある。また、液晶性を示す化合物には、スメクチックC相(以下、SC 相と略記する)を示す化合物と、液晶性は示すが、SC 相を示さない化合物がある。これらの化合物は、それぞれ液晶組成物の構成成分として有効に使用することができる。
【0051】
次に、本発明の液晶組成物について説明する。液晶組成物は、一般に2種以上の成分からなるが、本発明の液晶組成物は、必須成分として、本発明の非光学活性エステル化合物を少なくとも1種含有するものである。
本発明の液晶組成物としては、好ましくは、カイラルスメクチックC、CA 、F、G、H、I等の相を示す液晶組成物が挙げられ、より好ましくは、SC * 相またはカイラルスメクチックCA * 相を示す液晶組成物である。
本発明の液晶組成物は、本発明の非光学活性エステル化合物、カイラルスメクチック相を示す液晶化合物、本発明の非光学活性エステル化合物以外のスメクチック相を示す液晶化合物および光学活性化合物から選ばれる化合物を複数組み合わせることにより調製される組成物であり、本発明の非光学活性エステル化合物を少なくとも一種含有する。
【0052】
カイラルスメクチック相を示す液晶化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、光学活性フェニルベンゾエート系液晶化合物、光学活性ビフェニルベンゾエート系液晶化合物、光学活性ナフタレン系液晶化合物、光学活性フェニルナフタレン系液晶化合物、光学活性トラン系液晶化合物、光学活性フェニルピリミジン系液晶化合物、光学活性ナフチルピリミジン系液晶化合物、光学活性テトラリン系液晶化合物を挙げることができる。
【0053】
本発明の非光学活性エステル化合物以外のスメクチック相を示す液晶化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、非光学活性フェニルベンゾエート系液晶化合物、非光学活性ビフェニルベンゾエート系液晶化合物、非光学活性ナフタレン系液晶化合物、非光学活性フェニルナフタレン系液晶化合物、非光学活性トラン系液晶化合物、非行学活性フェニルピリミジン系液晶化合物、非光学活性ナフチルピリミジン系液晶化合物、非光学活性テトラリン系液晶化合物を挙げることができる。
これらのカイラルスメクチック相またはスメクチック相を示す化合物の具体例としては、例えば、一般式(2)(化10)で表される化合物を挙げることができる。該化合物は、例えば、特開昭62−10045号公報または特開昭63−32748号公報に記載の方法に従い製造することができる。
【0054】
【化10】
Figure 0004535546
〔式中、R11およびR12はそれぞれ独立に、光学活性な不斉炭素を有していてもよい炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルキル基、炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルケニル基、あるいは、炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルコキシアルキル基を表し、Y11およびY12は単結合、−COO−基または−O−基より選ばれる結合基を表す〕
【0055】
光学活性化合物とは、それ自体では液晶性を示さないが、スメクチック相を示す液晶化合物またはスメクチック相を示す液晶組成物と混合することにより、カイラルスメクチック相を発現する能力を有する化合物を示し、光学活性化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、光学活性フェニルベンゾエート系非液晶化合物、光学活性ビフェニルベンゾエート系非液晶化合物、光学活性ナフタレン系非液晶化合物、光学活性フェニルナフタレン系非液晶化合物、光学活性トラン系非液晶化合物、光学活性フェニルピリミジン系非液晶化合物、光学活性ナフチルピリミジン系非液晶化合物、光学活性テトラリン系非液晶化合物を挙げることができる。
【0056】
また、本発明の液晶組成物には、上記の必須成分の他に、任意成分としてネマチック液晶化合物、本発明の非光学活性エステル化合物以外の液晶性を示さない化合物(例えば、アントラキノン系色素、アゾ系色素等の2色性色素、および導電性付与剤、寿命向上剤等)を含有していてもよい。本発明の液晶組成物中の、本発明の非光学活性エステル化合物の含有量は特に限定されるものではないが、通常、5〜99重量%であり、好ましくは、10〜90重量%である。また、本発明の非光学活性エステル化合物は、上記の液晶組成物用構成成分と所望の配合比で混合することができ、また、相溶性も高い。
【0057】
本発明の非光学活性エステル化合物を少なくとも1種含有する液晶組成物は、従来の液晶組成物と比較して、チルト角(コントラスト)、閾値特性、応答時間、スメクチック相での層構造、液晶温度領域、配向膜上での配向特性および液晶材料としての相溶性の点で優れている。
【0058】
次に、本発明の液晶素子に関して説明する。
本発明の液晶素子は、本発明の液晶組成物を1対の電極基板間に配置してなる。(図1)は強誘電性を利用した液晶素子の構成を説明するためのカイラルスメクチック相を有する液晶素子の一例を示す断面概略図である。
液晶素子は、それぞれ透明電極3および絶縁性配向制御層4を設けた1対の基板2間にカイラルスメクチック相を示す液晶層1を配置し、かつ、その層厚をスペーサー5で設定してなるものであり、1対の透明電極3間にリード線6を介して電源7より電圧を印加可能なように接続する。また、1対の基板2は、1対のクロスニコル状態に配置された偏光板8により挟持され、その一方の外側には光源9が配置される。
基板2の材質としては、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラス等のガラスおよびポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート等の透明性高分子が挙げられる。
2枚の基板2に設けられる透明電極3としては、例えば、In2 3 、SnO2 またはITO(インジウム・チン・オキサイド;Indium Tin Oxide)の薄膜からなる透明電極が挙げられる。
【0059】
絶縁性配向制御層4は、ポリイミド等の高分子の薄膜をナイロン、アセテート、レーヨン等の植毛布等でラビングし、液晶を配向させるためのものである。絶縁性配向制御層4の材質としては、例えば、シリコン窒化物、水素を含有するシリコン窒化物、シリコン炭化物、水素を含有するシリコン炭化物、シリコン酸化物、ホウ素窒化物、水素を含有するホウ素窒化物、セリウム酸化物、アルミニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、チタン酸化物やフッ化マグネシウムなどの無機物質絶縁層、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリパラキシレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリスチレン、セルロース樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アクリル樹脂などの有機絶縁層が挙げられ、無機絶縁層の上に有機絶縁層を形成した2層構造の絶縁性配向制御層であってもよく、無機絶縁層または有機絶縁層のみからなる絶縁性配向制御層であってもよい。
【0060】
絶縁性配向制御層が無機絶縁層である場合には、蒸着法などで形成することができる。また、有機絶縁層である場合には、有機絶縁層材料または、その前駆体の溶液をスピンナー塗布法、浸透塗布法、スクリーン印刷法、スプレー塗布法、ロール塗布法等で塗布し、所定の条件下(例えば、加熱下)で溶媒を除去し、所望により焼成させて形成することができる。なお、有機絶縁層を形成する際に、必要に応じ、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤等を使用して表面処理を行い、その後、有機絶縁層材料または、その前駆体を塗布してもよい。絶縁性配向制御層4の層厚は、通常、10オングストローム〜1μm、好ましくは、10〜3000オングストローム、さらに好ましくは、10〜1000オングストロームである。
【0061】
2枚の基板2は、スペーサ5により任意の間隔に保たれている。例えば、所定の直径を持つシリカビーズ、アルミナビーズをスペーサとして基板2で挟み、2枚の基板2の周囲をシール剤(例えば、エポキシ系接着剤)を用いて密封することにより、任意の間隔に保つことができる。また、スペーサーとして高分子フィルムやガラスファイバーを使用してもよい。この2枚の基板の間にカイラルスメクチック相を示す液晶を封入する。液晶層1は、一般的には0.5〜20μm、好ましくは、1〜5μm、より好ましくは、1〜3μmの厚さに設定する。
透明電極3はリード線によって外部の電源7に接続されている。
また、基板2の外側には、互いの偏光軸を、例えば、クロスニコル状態とした1対の偏光板8が配置されている。(図1)の例は透過型であり、光源9を備えている。
また、本発明の液晶組成物を使用した液晶素子は、(図1)に示した透過型の素子としてだけではなく、反射型の素子としても応用可能である。
【0062】
本発明の液晶組成物を使用する液晶素子の表示方式に関しては、特に限定されるものではないが、例えば、(a)ヘリカル変歪型、(b)SSFLC(サーフェス・スタビライズド・フェロエレクトリック・リキッド・クリスタル)型、(c)TSM(トランジェント・スキャッタリング・モード)型、(d)G−H(ゲスト−ホスト)型、(e)フィールドシーケンシャルカラー型の表示方式を使用することができる。
本発明の液晶組成物を使用する液晶素子の駆動方法は、セグメント型、単純マトリックス型等のパッシブ駆動型であってもよく、TFT(薄膜トランジスタ)型、MIM(メタル−インスレーター−メタル)型等のアクティブ駆動型であってもよい。
【0063】
また、本発明の非光学活性エステル化合物および該化合物を含有してなる液晶組成物は、表示用液晶素子以外の分野(例えば、▲1▼非線形光機能素子、▲2▼コンデンサー材料等のエレクトロニクス材料、▲3▼リミッター、メモリー、増幅器、変調器などのエレクトロニクス素子、▲4▼熱、光、圧力、機械変形などと電圧の変換素子やセンサー、▲5▼熱電発電素子等の発電素子、▲6▼空間光変調素子、▲7▼光導電性材料)への応用が可能である。
【0064】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
尚、各実施例および表中の記号I、N、SA 、SC 、SC * およびCは以下の意味を表す。
I:等方性液体
N:ネマチック相
A :スメクチックA相
C :スメクチックC相
C * :カイラルスメクチックC相
C:結晶相
また、各製造例、実施例中の相転移温度は温度制御装置を備えた偏光顕微鏡、および、DSC(示差走査熱量計)を用いて測定した。
【0065】
製造例1:4-n−デシルオキシ−3−フルオロブロモベンゼンの製造
4−ブロモ−2−フルオロフェノール38.2g(0.2mol)、炭酸カリウム27.6g、n−デシルブロマイド48.6g(0.22mol)、およびN,N−ジメチルホルムアミド80mlよりなる混合物を80℃で6時間加熱攪拌した。その後、無機塩をろ別し、トルエン100mlおよび1/2規定塩酸100mlを添加し、中和処理を行った。トルエン相をさらに水洗し分液した後、トルエン相よりトルエンを減圧下に留去した。残渣を減圧蒸留し、174〜176℃・5.5mmHgの留分として無色油状の4−n−デシルオキシ−3−フルオロブロモベンゼン48.3gを得た。
【0066】
製造例2:1−(4’−n−デシルオキシ−3’−フルオロフェニル)−3−メチル−1−ブチンー3−オールの製造
4−n−デシルオキシ−3−フルオロブロモベンゼン29.79g(0.09mol)、3−メチル−1−ブチン−3−オール12.1g(0.144mol)、トリフェニルホスフィン0.6g、ヨウ化銅0.2gおよびジイソプロピルアミン20gよりなる混合物に窒素雰囲気下、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.4gを添加し、40℃で1時間攪拌した。その後、60℃で1時間、70℃で3時間加熱攪拌を行った。析出したジイソプロピルアミン臭化水素酸塩をろ別し、ろ液よりジイソプロピルアミンを減圧下に留去した。残渣をトルエンに溶解し、1/2規定塩酸により中和し、水洗を行い、トルエン相よりトルエンを減圧下に留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、1−(4’−n−デシルオキシ−3’−フルオロフェニル)−3−メチル−1−ブチンー3−オールを黄色油状物として28.0g得た。
【0067】
製造例3:4−n−デシルオキシ−3−フルオロ−1−エチニルベンゼンの製造
1−(4’−n−デシルオキシ−3’−フルオロフェニル)−3−メチル−1−ブチンー3−オール26g(0.078mol)および微粉砕した水酸化カリウム1.6gをトルエン80mlに添加し、110℃まで昇温し、2時間加熱撹拌を行った。その後、反応混合物をセライトろ過し、無機物を除去した後、トルエンを留去し、残渣にメタノールを添加し、メタノール相を分離した後、メタノールを減圧下に留去し、4−n−デシルオキシ−3−フルオロ−1−エチニルベンゼンを淡褐色の油状物として16.5g得た。
【0068】
製造例4:4−n−ドデシルオキシ−3−フルオロブロモベンゼンの製造
製造例1において、n−デシルブロマイド48.6g を使用する代わりに、n−ドデシルブロマイド54.8gを使用した以外は製造例1に記載の操作に従い、4−n−ドデシルオキシ−3−フルオロブロモベンゼン60.3gを得た(191〜194/6mmHg)。
【0069】
製造例5:1−(4’−n−ドデシルオキシ−3’−フルオロフェニル)−3−メチル−1−ブチンー3−オールの製造
製造例2において、4−n−デシルオキシ−3−フルオロブロモベンゼン29.79gを使用する代わりに、4−n−ドデシルオキシ−3−フルオロベンゼン32.3gを使用した以外は製造例2に記載の操作に従い、1−(4’−n−ドデシルオキシ−3’−フルオロフェニル)−3−メチル−1−ブチンー3−オール30.1gを得た。
【0070】
製造例6:4−n−ドデシルオキシ−3−フルオロ−1−エチニルベンゼンの製造
製造例3において1−(4’−n−デシルオキシ−3’−フルオロフェニル)−3−メチル−1−ブチン−3−オール26gを使用する代わりに、1−(4’−n−ドデシルオキシ−3’−フルオロフェニル)−3−メチル−1−ブチン−3−オール28.2gを使用した以外は製造例3に記載の操作に従い、4−n−ドデシルオキシ−3−フルオロ−1−エチニルベンゼンを淡褐色油状物として17.8g得た。
【0071】
製造例7:4−テトラヒドロピラニルオキシブロモベンゼンの製造
4−ブロモフェノール51.9g(0.3mol)、2,3−ジヒドロピラン30.2g(0.36mol)およびクロロホルム120gよりなる混合物を氷浴を用いて3℃に冷却し、ここにp−トルエンスルホン酸一水和物0.03gを添加し、同温度で15分撹拌した。その後、反応混合物に炭酸水素ナトリウム2gおよび水30gを添加し、反応を停止し、クロロホルム相を分離した。クロロホルムを減圧下に留去し、油状の残渣にn−ヘキサンを添加し、4−テトラヒドロピラニルオキシブロモベンゼンを無色の結晶として70.2g得た(融点:57℃)。
【0072】
製造例8:1−(4’−テトラヒドロピラニルオキシフェニル)−2−(4”−n−デシルオキシ−3”−フルオロフェニル)アセチレンの製造
4−テトラヒドロピラニルオキシブロモベンゼン5.14g(0.02mol)、4−n−デシルオキシ−3−フルオロ−1−エチニルベンゼン5.52g(0.02mol)、トリフェニルホスフィン0.20g、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム40mgおよびトリエチルアミン10gよりなる混合物に、窒素雰囲気下、ヨウ化銅80mgおよびテトラヒドロフラン3mlよりなる懸濁液を添加し、40℃で1時間加熱攪拌し、次に50℃で1時間、75℃で4時間加熱攪拌した。その後、析出したトリエチルアミンの塩をろ別し、ろ液よりトリエチルアミンを減圧下に留去した。残渣にトルエンを添加し、水洗した後、トルエンを減圧下に留去し、残渣にn−ヘキサンを添加して1−(4’−テトラヒドロピラニルオキシフェニル)−2−(4”−n−デシルオキシ−3”−フルオロフェニル)アセチレンを淡褐色の結晶として5.66g得た。
【0073】
製造例9:1−(4’−ヒドロキシフェニル)−2−(4”−n−デシルオキシ−3”−フルオロフェニル)アセチレンの製造
1−(4’−テトラヒドロピラニルオキシフェニル)−2−(4”−n−デシルオキシ−3”−フルオロフェニル)アセチレン4.36g、クロロホルム15gおよびメタノール15gよりなる混合物に、撹拌下、p−トルエンスルホン酸0.10gを添加し、室温で1時間撹拌した。その後、クロロホルムおよびメタノールを減圧下に留去し、残渣に酢酸エチルおよび水を添加し水洗、分液を行った。有機相より酢酸エチルを留去した後、n−ヘキサンを添加し、1−(4’−ヒドロキシフェニル)−2−(4”−n−デシルオキシ−3”−フルオロフェニル)アセチレンを淡褐色の結晶として3.40g得た。
【0074】
製造例10:1−(4’−テトラヒドロピラニルオキシフェニル)−2−(4"−n−ドデシルオキシ−3”−フルオロフェニル)アセチレンの製造
製造例8において、4−n−デシルオキシ−3−フルオロ−1−エチニルベンゼン5.52gを使用する代わりに4−n−ドデシルオキシ−3−フルオロ−1−エチニルベンゼン6.08gを使用した以外は製造例8に記載の操作に従い、1−(4’−テトラヒドロピラニルオキシフェニル)−2−(4”−n−ドデシルオキシ−3”−フルオロフェニル)アセチレン6.68gを得た。
【0075】
製造例11:1−(4’−ヒドロキシフェニル)−2−(4”−n−ドデシルオキシ−3”−フルオロフェニル)アセチレンの製造
製造例9において、1−(4’−テトラヒドロピラニルオキシフェニル)−2−(4”−n−デシルオキシフェニル)アセチレン4.36gを使用する代わりに、1−(4’−テトラヒドロピラニルオキシフェニル)−2−(4”−n−ドデシルオキシ−3”−フルオロフェニル)アセチレン4.64gを使用した以外は製造例9に記載の操作に従い、1−(4’−ヒドロキシフェニル)−2−(4”−n−ドデシルオキシ−3”−フルオロフェニル)アセチレン3.59gを得た。
【0076】
製造例12:4−テトラヒドロピラニルオキシ−3−フルオロブロモベンゼンの製造
製造例7において、4−ブロモフェノール51.9gを使用する代わりに、4−ブロモ−2−フルオロフェノール57.3gを使用した以外は、製造例7に記載の操作に従い、4−テトラヒドロピラニルオキシ−3−フルオロブロモベンゼン80.9gを得た。
【0077】
製造例13:4−テトラヒドロピラニルオキシ−3−フルオロエチニルベンゼンの製造
4−テトラヒドロピラニルオキシ−3−フルオロブロモベンゼン55.0g(0.2mol)、3−メチル−1−ブチン−3−オール25.2g(0.3mol)、トリフェニルホスフィン2.0g、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.4gおよびジイソプロピルアミン100gよりなる混合物に、窒素雰囲気下、ヨウ化銅0.8gおよびテトラヒドロフラン10mlよりなる懸濁液を添加し、1時間かけて75℃まで昇温した。同温度で3時間加熱撹拌した後、ジイソプロピルアミンを留去し、残渣にトルエンを添加し、析出した無機塩をろ別した。ろ液よりトルエンを留去し、4−テトラヒドロピラニルオキシ−3−フルオロ−(3’−ヒドロキシ−3’−メチルブチニル)ベンゼンを淡褐色の油状物として得た。次に、得られた4−テトラヒドロピラニルオキシ−(3’−ヒドロキシ−3’−メチルブテニル)ベンゼンおよび微粉砕した水酸化カリウム3.4gをトルエン170mlに添加し、110℃まで昇温し、3時間加熱撹拌を行った。その後、反応混合物をセライトろ過し、無機物を除去した後、トルエンを留去し、残渣を減圧蒸留し、122〜128℃/5mmHgの留分として4−テトラヒドロピラニルオキシ−3−フルオロエチニルベンゼン29.3gを得た。
【0078】
製造例14:4−n−ドデシルカルボニルオキシヨードベンゼンの製造
n−トリデカン酸クロライド6.98g、4−ヨードフェノール6.6gおよびトルエン20mlよりなる混合物を氷浴により冷却し、攪拌下、トリエチルアミン3.3gを滴下した。その後室温で1日攪拌し、析出したトリエチルアミン塩酸塩をろ別した。ろ液を1/2規定塩酸で中和し、さらに水洗したのちトルエン相を分離した。トルエン溶液よりトルエンを減圧下に留去し、4−n−ドデシルカルボニルオキシヨードベンゼン10.73gを得た。
【0079】
製造例15:4−n−オクチルカルボニルオキシヨードベンゼンの製造
製造例14において、n−トリデカン酸クロライド6.98gを使用する代わりにn−ペラルゴン酸クロライド5.30gを使用した以外は製造例14に記載の操作に従い、4−n−オクチルカルボニルオキシヨードベンゼン9.20gを得た。
【0080】
製造例16:4−n−ヘキシルカルボニルオキシヨードベンゼンの製造
製造例14において、n−トリデカン酸クロライド6.98gを使用する代わりにn−エナント酸クロライド4.46gを使用した以外は製造例14に記載の操作に従い、4−n−ヘキシルカルボニルオキシヨードベンゼン8.76gを得た。
【0081】
製造例17:1−(4’−n−ドデシルカルボニルオキシフェニル)−2−(4”−ヒドロキシ−3”−フルオロフェニル)アセチレンの製造
4−n−ドデシルカルボニルオキシヨードベンゼン8.32g(0.02mol)、4−テトラヒドロピラニルオキシ−3−フルオロ−1−エチニルベンゼン4.4g(0.02mol)、トリフェニルホスフィン0.20g、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム40mgおよびトリエチルアミン10gよりなる混合物に、窒素雰囲気下、ヨウ化銅80mgおよびテトラヒドロフラン3mlよりなる懸濁液を添加し、40℃で1時間加熱攪拌し、次に50℃で1時間、75℃で4時間加熱攪拌した。。その後、析出したトリエチルアミンの塩をろ別し、ろ液よりトリエチルアミンを減圧下に留去した。残渣にトルエンを添加し、水洗した後、トルエンを減圧下に留去し、残渣にn−ヘキサンを添加して1−(4’−n−ドデシルカルボニルオキシフェニル)−2−(4”−テトラヒドロピラニルオキシ−3”−フルオロフェニル)アセチレンを淡褐色の結晶として7.41g得た。次に、1−(4’−n−ドデシルカルボニルオキシフェニル)−2−(4”−テトラヒドロピラニルオキシ−3”−フルオロフェニル)アセチレン5.08g、クロロホルム15gおよびメタノール15gよりなる混合物に、撹拌下、p−トルエンスルホン酸0.10gを添加し、室温で1時間撹拌した。その後、クロロホルムおよびメタノールを減圧下に留去し、残渣に酢酸エチルおよび水を添加し水洗、分液を行った。有機相より酢酸エチルを留去した後、n−ヘキサンを添加し、1−(4’−ドデシルカルボニルオキシフェニル)−2−(4”−ヒドロキシ−3”−フルオロフェニル)アセチレンを淡褐色の結晶として4.00g得た。
【0082】
製造例18:1−(4’−n−オクチルカルボニルオキシフェニル)−2−(4”−ヒドロキシ−3”−フルオロフェニル)アセチレンの製造
製造例17において、4−n−ドデシルカルボニルオキシヨードベンゼン8.32gを使用する代わりに、4−n−オクチルカルボニルオキシヨードベンゼン7.20gを使用した以外は、製造例17に記載の操作に従い、1−(4’−n−オクチルカルボニルオキシフェニル)−2−(4”−ヒドロキシ−3”−フルオロフェニル)アセチレンを淡褐色の結晶として3.57g得た。
【0083】
製造例19:1−(4’−n−ヘキシルカルボニルオキシフェニル)−2−(4”−ヒドロキシ−3”−フルオロフェニル)アセチレンの製造
製造例17において、4−n−ドデシルカルボニルオキシヨードベンゼン8.32gを使用する代わりに、4−n−ヘキシルカルボニルオキシヨードベンゼン6.64gを使用した以外は、製造例17に記載の操作に従い、1−(4’−n−ヘキシルカルボニルオキシフェニル)−2−(4”−ヒドロキシ−3”−フルオロフェニル)アセチレンを淡褐色の結晶として3.21g得た。
【0084】
実施例1:例示化合物13の製造
1−(4’−n−ドデシルカルボニルオキシフェニル)−2−(4”−ヒドロキシ−3”−フルオロフェニル)アセチレン424mg、n−オクチルブロマイド212mg、炭酸カリウム138mgおよびN,N−ジメチルホルムアミド3mlよりなる混合物を攪拌下、70℃で3時間加熱攪拌した。その後、混合物に1/2規定塩酸を添加し中和を行い、トルエンで抽出した。トルエン溶液を水洗した後、トルエン溶液からトルエンを減圧下に留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:トルエン)により精製し、得られた固体をエタノールより2回再結晶して例示化合物13を無色の結晶として466mg得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。尚、( )内の数字は降温過程での相転移温度を表す。
Figure 0004535546
【0085】
実施例2:例示化合物19の製造
1−(4’−ヒドロキシフェニル)−2−(4”−n−ドデシルオキシ−3”−フルオロフェニル)アセチレン380mg、n−ペラルゴン酸158mg、DCC206mgおよびクロロホルム5gよりなる混合物を室温で30分間攪拌した、その後、触媒量のN,N−ジメチルアミノピリジンを添加し、室温でさらに12時間攪拌した。次に、生成した固体をろ別し、ろ液を減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:トルエン)で精製し、エタノールから2回再結晶し、例示化合物19を無色の結晶として411mg得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。
Figure 0004535546
【0086】
実施例3:例示化合物24の製造
実施例2においてn−ペラルゴン酸158mgを使用する代わりに、n−ラウリン酸200mgを使用した以外は実施例2に記載の操作に従い、例示化合物24を無色の結晶として483mg得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。
Figure 0004535546
【0087】
実施例4:例示化合物31の製造
実施例1において1−(4’−n−ドデシルカルボニルオキシフェニル)−2−(4”−ヒドロキシ−3”−フルオロフェニル)アセチレン424mgおよびn−オクチルブロマイド212mgを使用する代わりに1−(4’−n−オクチルカルボニルオキシフェニル)−2−(4”−ヒドロキシ−3”−フルオロフェニル)アセチレン368mgおよびn−ヘキシルブロマイド165mgを使用した以外は実施例1に記載の操作に従い、例示化合物31を無色の結晶として366mg得た。この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。
Figure 0004535546
【0088】
実施例5:例示化合物58の製造
実施例1において1−(4’−n−ドデシルカルボニルオキシフェニル)−2−(4”−ヒドロキシ−3”−フルオロフェニル)アセチレン424mgおよびn−オクチルブロマイド212mgを使用する代わりに1−(4’−n−ヘキシルカルボニルオキシフェニル)−2−(4”−ヒドロキシ−3”−フルオロフェニル)アセチレン340mgおよびn−ノニルブロマイド207mgを使用した以外は実施例1に記載の操作に従い、例示化合物58を無色の結晶として331mg得た。この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。
Figure 0004535546
【0089】
実施例6:例示化合物64の製造
実施例2においてn−ペラルゴン酸158mgを使用する代わりに、n−カプリル酸144mgを使用した以外は実施例2に記載の操作に従い、例示化合物64を無色の結晶として385mg得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。
Figure 0004535546
【0090】
実施例7:例示化合物77の製造
実施例2においてn−ペラルゴン酸158mgを使用する代わりに、n−エナント酸130mgを使用した以外は実施例2に記載の操作に従い、例示化合物77を無色の結晶として364mg得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。
Figure 0004535546
【0091】
実施例8:例示化合物81の製造
実施例2においてn−ペラルゴン酸158mgを使用する代わりに、n−ミリスチン酸228mgを使用した以外は実施例2に記載の操作に従い、例示化合物81を無色の結晶として507mg得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。
Figure 0004535546
【0092】
実施例9:例示化合物90の製造
1−(4’−ヒドロキシフェニル)−2−(4”−n−デシルオキシ−3”−フルオロフェニル)アセチレン352mg、n−ノニルクロロホーメート207mg、トルエン5gよりなる混合物を氷浴で冷却し、攪拌下、トリエチルアミン110mgを添加した。その後室温まで昇温し、室温で6時間攪拌した。1/2塩酸10mlを添加して中和し、トルエン相を分離した後、トルエン相を水洗し、トルエンを減圧下に留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:トルエン)により精製し、例示化合物90を無色の結晶として355mg得た。この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。尚、( )内の数字は降温過程での相転移温度を表す。
Figure 0004535546
【0093】
実施例10:例示化合物100の製造
実施例2において、1−(4’−ヒドロキシフェニル)−2−(4”−n−ドデシルオキシ−3”−フルオロフェニル)アセチレン380mgおよびn−ペラルゴン酸158mgを使用する代わりに、1−(4’−ヒドロキシフェニル)−2−(4”−n−デシルオキシ−3”−フルオロフェニル)アセチレン352mgおよびn−カプリル酸144mgを使用した以外は実施例2に記載の操作に従い、例示化合物100を無色の結晶として335mg得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。尚、( )内の数字は降温過程での相転移温度を表す。
Figure 0004535546
【0094】
実施例11:例示化合物101の製造
4−n−オクチルカルボニルオキシヨードベンゼン374mg、4−n−デシルオキシ−3−フルオロ−1−エチニルベンゼン276mg、トリフェニルホスフィン10mg、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム10mg、ヨウ化銅8mgおよびトリエチルアミン4gよりなる混合物を、窒素雰囲気下、40℃で1時間加熱攪拌し、次に50℃で1時間、75℃で5時間加熱攪拌した。その後トリエチルアミンを減圧下に留去し、残渣にトルエンを添加し、水洗した後、トルエンを減圧下に留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:トルエン)により精製し、例示化合物101を無色の結晶として329mg得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。尚、( )内の数字は降温過程での相転移温度を表す。
Figure 0004535546
【0095】
実施例12:例示化合物109の製造
実施例2においてn−ペラルゴン酸158mgを使用する代わりに、n−ウンデカン酸186mgを使用した以外は実施例2に記載の操作に従い、例示化合物109を無色の結晶として438mg得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。
Figure 0004535546
【0096】
実施例13:例示化合物117の製造
実施例1においてn−オクチルブロマイド212mgを使用する代わりにn−ペンチルブロマイド151mgを使用した以外は実施例1に記載の操作に従い、例示化合物117を無色の結晶として387mg得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。
Figure 0004535546
【0097】
実施例14:例示化合物120の製造
実施例1においてn−オクチルブロマイド212mgを使用する代わりにn−ヘキシルブロマイド165mgを使用した以外は実施例1に記載の操作に従い、例示化合物120を無色の結晶として348mg得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。
Figure 0004535546
【0098】
実施例15:例示化合物124の製造
実施例11において4−n−オクチルカルボニルオキシヨードベンゼン372mgを使用する代わりに4−n−ドデシルカルボニルオキシヨードベンゼン416mgを使用した以外は実施例1に記載の操作に従い、例示化合物124を無色の結晶として432mg得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。
Figure 0004535546
【0099】
実施例16:例示化合物126の製造
実施例1においてn−オクチルブロマイド212mgを使用する代わりにp−トルエンスルホン酸 2−n−ブトキシエチルエステル272mgを使用した以外は実施例1に記載の操作に従い、例示化合物126を無色の結晶として308mg得た。この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。
Figure 0004535546
【0100】
実施例17:例示化合物130の製造
実施例9においてn−ノニルクロロホーメート207mgを使用する代わりにn−デシルクロロホーメート221mgを使用した以外は実施例9に記載の操作に従い例示化合物130を無色の結晶として365mg得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。尚、( )内の数字は降温過程での相転移温度を表す。
Figure 0004535546
【0101】
実施例18:例示化合物131の製造
実施例9においてn−ノニルクロロホーメート207mgを使用する代わりにn−オクチルクロロホーメート193mgを使用した以外は実施例9に記載の操作に従い例示化合物131を無色の結晶として323mg得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。尚、( )内の数字は降温過程での相転移温度を表す。
Figure 0004535546
【0102】
実施例19:例示化合物132の製造
実施例9において、1−(4’−ヒドロキシフェニル)−2−(4”−n−デシルオキシ−3”−フルオロフェニル)アセチレン352mgおよびn−ノニルクロロホーメート207mgを使用する代わりに、1−(4’−ヒドロキシフェニル)−2−(4”−n−ドデシルオキシ−3”−フルオロフェニル)アセチレン380mgおよびn−オクチルクロロホーメート193mgを使用した以外は実施例9に記載の操作に従い、例示化合物132を無色の結晶として418mg得た。この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。尚、( )内の数字は降温過程での相転移温度を表す。
Figure 0004535546
【0103】
実施例20:例示化合物135の製造
150mgの実施例11で製造した例示化合物101を酢酸エチル10gに溶解し、窒素雰囲気下、5%パラジウム/炭素(50重量%含水)15mgを添加した。次に、系内を水素雰囲気とし、室温で6時間激しく攪拌した。その後、パラジウム炭素をろ別し、ろ液から減圧下に酢酸エチルを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:トルエン)により精製し、例示化合物135を無色の結晶として136mg得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。尚、( )内の数字は降温過程での相転移温度を表す。
Figure 0004535546
【0104】
実施例21:例示化合物149の製造
実施例20において150mgの例示化合物101を使用する代わりに150mgの実施例14で製造した例示化合物120を使用した以外は実施例20に記載の操作に従い例示化合物149を無色の結晶として143mg得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。
Figure 0004535546
【0105】
実施例22:例示化合物158の製造
実施例20において150mgの例示化合物101を使用する代わりに150mgの実施例4で製造した例示化合物31を使用した以外は実施例20に記載の操作に従い例示化合物158を無色の結晶として122mg得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。
Figure 0004535546
【0106】
実施例23:例示化合物159の製造
実施例20において150mgの例示化合物101を使用する代わりに150mgの実施例12で製造した例示化合物109を使用した以外は実施例20に記載の操作に従い例示化合物159を無色の結晶として98mg得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。
Figure 0004535546
【0107】
実施例24:例示化合物171の製造
実施例20において150mgの例示化合物101を使用する代わりに150mgの実施例8で製造した例示化合物81を使用した以外は実施例20に記載の操作に従い例示化合物171を無色の結晶として141mg得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。尚( )内の数字は降温過程の相転移温度を表す。
Figure 0004535546
【0108】
実施例25:例示化合物180の製造
実施例20において150mgの例示化合物101を使用する代わりに150mgの実施例15で製造した例示化合物124を使用した以外は実施例20に記載の操作に従い例示化合物180を無色の結晶として137mg得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。尚( )内の数字は降温過程の相転移温度を表す。
Figure 0004535546
【0109】
参考例1:液晶組成物の調製
下記の化合物群(化11)を、下記に示した割合で混合し、100℃で加熱溶融し、液晶組成物(強誘電性液晶組成物)を調製した。
【0110】
【化11】
Figure 0004535546
【0111】
実施例26: 液晶組成物の調製
参考例1で調製した液晶組成物に、実施例11で製造した例示化合物101を10重量%添加して液晶組成物を調製した。
【0112】
実施例27:液晶素子の作製
2枚の1.1mm厚のガラス板を用意し、それぞれのガラス板上に、ITO膜を形成し、さらに表面処理を行った。このITO膜付きのガラス板に絶縁性配向制御層(住友ベークライト社製CRD−8616)をスピンコートし、成膜後、90℃で5分間、200℃で30分間焼成した。この配向膜にラビング処理を行い、平均粒径1.9μmのシリカビーズを一方のガラス板上に散布した。その後、それぞれのラビング処理軸が互いに反平行となるよう、シール剤を用いてガラス板を張り合わせセルを作製した。このセルを120℃に加熱し、加熱(120℃)した実施例26で調製した液晶組成物を注入し、その後、3℃/分の速度で冷却し、液晶素子を作製した。この液晶素子をクロスニコル状態に配置した2枚の偏光板に挟持し、±20V、10Hzの矩形波を印加したところ、明瞭なスイッチング現象が観察された。また、偏光顕微鏡観察では良好な均一配向状態が観察され、ジグザグ欠陥等の配向欠陥は観察されなかった。室温での駆動特性を表−3(表5)にまとめた。
【0113】
尚、各駆動特性は以下の方方により測定した。
・応答時間(τ10−90):液晶素子に、±20V、10Hzの矩形波を印加し、偏光顕微鏡下での応答を光り電子倍増管により検出し、デジタルオシロスコープでその応答時間(透過光量10%−90%)を求めた。
・チルト角:液晶素子に、±20V、1Hzの矩形波を印加し、偏光顕微鏡下で、目視により2点の消光位の角度(2θ)を求め、これより算出(2θ/2)した。
・自発分極:液晶素子に±、20V、120Hzの三角波を印加し、三角波方により求めた。すなわち、分極反転に伴う電流を電流−電圧変換器により電圧変化とし、デジタルオシロスコープより分極反転電流の積分値を求めた。
・閾値電圧:液晶素子に、180Hzの矩形波を印加し、電圧を±20Vから0Vまで変化させ、透過光量が±20Vの時の95%以下になる値を閾値電圧とした。
・θ―θm:チルト角で求めたθと無電界印加時のメモリー角(θm)の差より求めた。
【0114】
実施例28: 液晶組成物の調製
参考例1で調製した液晶組成物に、実施例4で製造した例示化合物31を10重量%添加して液晶組成物を調製した。
【0115】
実施例29:液晶素子の作製
実施例27において、実施例26で調製した液晶組成物を使用する代わりに、実施例28で調製した液晶組成物を使用した以外は実施例27に記載の操作に従い液晶素子を作製した。この液晶素子をクロスニコル状態に配置した2枚の偏光板に狭持し、±20V、10Hzの矩形波を印加したところ、明瞭なスイッチング現象が観察された。また、偏光顕微鏡観察では、良好な均一配向状態が観察され、ジグザグ欠陥等の配向欠陥は観察されなかった。室温での駆動特性を表−3にまとめた。
【0116】
実施例30:液晶組成物の調製
参考例1で調製した液晶組成物に、実施例1で製造した例示化合物13を10重量%添加して液晶組成物を調製した。
【0117】
実施例31:液晶素子の作製
実施例27において、実施例26で調製した液晶組成物を使用する代わりに、実施例30で調製した液晶組成物を使用した以外は実施例27に記載の操作に従い液晶素子を作製した。この液晶素子をクロスニコル状態に配置した2枚の偏光板に狭持し、±20V、10Hzの矩形波を印加したところ、明瞭なスイッチング現象が観察された。また、偏光顕微鏡観察では、良好な均一配向状態が観察され、ジグザグ欠陥等の配向欠陥は観察されなかった。尚、室温での駆動特性を表−3にまとめた
実施例32:液晶組成物の調製
参考例1で調製した液晶組成物に、実施例14で製造した例示化合物120を10重量%添加して液晶組成物を調製した。
【0118】
実施例33:液晶素子の作製
実施例27において、実施例26で調製した液晶組成物を使用する代わりに、実施例32で調製した液晶組成物を使用した以外は実施例27に記載の操作に従い液晶素子を作製した。この液晶素子をクロスニコル状態に配置した2枚の偏光板に狭持し、±20V、10Hzの矩形波を印加したところ、明瞭なスイッチング現象が観察された。また、偏光顕微鏡観察では、良好な均一配向状態が観察され、ジグザグ欠陥等の配向欠陥は観察されなかった。室温での駆動特性を表−3にまとめた
比較例1
参考例1で調製した液晶組成物に、下記式(化12)で表される化合物を10重量%添加して、液晶組成物を調製した。その後、該液晶組成物を実施例27と同様の操作により作製した液晶セルに注入し、液晶素子を作製した。この液晶素子をクロスニコル状態に配置した2枚の偏光板に狭持し、±20V、10Hzの矩形波を印加したところ、明瞭なスイッチング現象が観察された。また、偏光顕微鏡観察では、ほぼ均一な配向状態が観察され、ジグザグ欠陥等の配向欠陥は観察されなかった。室温での駆動特性を表−3にまとめた。
【0119】
【化12】
Figure 0004535546
【0120】
比較例2:
参考例1で調製した液晶組成物に、下記式(化13)で表される化合物を10重量%添加して、液晶組成物を調製した。その後、該液晶組成物を実施例27と同様の操作により作製した液晶セルに注入し、液晶素子を作製した。この液晶素子をクロスニコル状態に配置した2枚の偏光板に狭持し、±20V、10Hzの矩形波を印加したところ、明瞭なスイッチング現象が観察された。また、偏光顕微鏡観察では、ほぼ均一な配向状態が観察され、ジグザグ欠陥等の配向欠陥は観察されなかった。室温での駆動特性を表−3にまとめた。
【0121】
【化13】
Figure 0004535546
【0122】
比較例3:
参考例1で調製した液晶組成物に、下記式(化14)で表される化合物を10重量%添加して、液晶組成物を調製した。その後、該液晶組成物を実施例27と同様の操作により作製した液晶セルに注入し、液晶素子を作製した。この液晶素子をクロスニコル状態に配置した2枚の偏光板に狭持し、偏光顕微鏡観察を行ったところ、液晶中に針状結晶の析出が確認された。
【0123】
【化14】
Figure 0004535546
【0124】
参考例2:液晶組成物の調製
下記の化合物群(化15)を、下記に示した割合で混合し、100℃で加熱溶融し、液晶組成物(強誘電性液晶組成物)を調製した。
【0125】
【化15】
Figure 0004535546
この液晶組成物の相転移温度(℃)を以下に示した。
Figure 0004535546
【0126】
実施例34:液晶組成物の調製
参考例2で調製した液晶組成物に、実施例25で製造した例示化合物180を1 5重量%添加して液晶組成物を調製した。
【0127】
実施例35:液晶素子の作製
実施例27において、実施例26で調製した液晶組成物を使用する代わりに、実施例34で調製した液晶組成物を使用した以外は実施例27に記載の操作に従い液晶素子を作製した。この液晶素子をクロスニコル状態に配置した2枚の偏光板に狭持し、±20V、10Hzの矩形波を印加したところ、明瞭なスイッチング現象が観察された。また、偏光顕微鏡観察では、良好な均一配向状態が観察され、ジグザグ欠陥等の配向欠陥は観察されなかった。室温での駆動特性を表−3にまとめた。
【0128】
実施例36:液晶組成物の調製
参考例2で調製した液晶組成物に、実施例20で製造した例示化合物135を1 5重量%添加して液晶組成物を調製した。
【0129】
実施例37:液晶素子の作製
実施例27において、実施例26で調製した液晶組成物を使用する代わりに、実施例36で調製した液晶組成物を使用した以外は実施例27に記載の操作に従い液晶素子を作製した。この液晶素子をクロスニコル状態に配置した2枚の偏光板に狭持し、±20V、10Hzの矩形波を印加したところ、明瞭なスイッチング現象が観察された。また、偏光顕微鏡観察では、良好な均一配向状態が観察され、ジグザグ欠陥等の配向欠陥は観察されなかった。室温での駆動特性を表−3にまとめた。
【0130】
比較例4:
参考例2で調製した液晶組成物に、下記式(化16)で表される化合物を15重量%添加して、液晶組成物を調製した。その後、該液晶組成物を実施例27と同様の操作により作製した液晶セルに注入し、液晶素子を作製した。この液晶素子をクロスニコル状態に配置した2枚の偏光板に狭持し、±20V、10Hzの矩形波を印加したところ、明瞭なスイッチング現象が観察された。また、偏光顕微鏡観察では、ほぼ均一な配向状態が観察され、ジグザグ欠陥等の配向欠陥は観察されなかった。室温での駆動特性を表−3にまとめた。
【0131】
【化16】
Figure 0004535546
【0132】
【表5】
Figure 0004535546
【0133】
実施例27、実施例29、実施例31および実施例33と比較例1および比較例2との比較より、本発明の非光学活性エステル化合物を液晶組成物の構成成分として使用することにより液晶組成物の応答速度を向上させ、なお且つθ―θm を低減することが可能になることがわかる。また、比較例1と比べ、本発明の非光学活性エステル化合物は、チルト角の狭角化を伴わずに応答速度を向上させることが判る。さらに、比較例3との比較より本発明の非光学活性エステル化合物が液晶組成物への相溶性の点で優れていることが判る。
また、実施例35および実施例37と比較例4との比較より本発明の非光学活性エステル化合物を使用することで、θ―θm の低減(ブックシェルフ構造化)および閾値電圧の低電圧化が可能になることが判る。
【0134】
【発明の効果】
本発明により液晶組成物の構成成分として有用な非光学活性エステル化合物を提供することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】カイラルスメクチック相を示す液晶を用いた液晶素子の一例の断面概略図
【符号の説明】
1 :カイラルスメクチック相を有する液晶層
2 :基板
3 :透明電極
4 :絶縁性配向制御層
5 :スペーサー
6 :リード線
7 :電源
8 :偏光板
9 :光源
0 :入射光
I :透過光

Claims (5)

  1. 一般式(1)で表される非光学活性エステル化合物。
    Figure 0004535546
    〔式中、R1 およびR2 はそれぞれ独立に、不斉炭素を含有しない炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルキル基、あるいは、不斉炭素を含有しない炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルコキシアルキル基を表し、Y1 は−COO−基または−OCOO−基を表し、Y2 は単結合または−O−基を表し、Zは−C≡C−基または−CH2 CH2 −基を表す〕
  2. 1 が−COO−基であり、Y2 が−O−基である請求項1記載の非光学活性エステル化合物。
  3. 請求項1記載の非光学活性エステル化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする液晶組成物。
  4. 請求項1記載の非光学活性エステル化合物を少なくとも1種と、下記一般式(2)で表される化合物の少なくとも1種とを含有することを特徴とする液晶組成物。
    Figure 0004535546
    〔式中、R11およびR12はそれぞれ独立に、光学活性な不斉炭素を有していてもよい炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルキル基、炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルケニル基、あるいは、炭素数3〜24の直鎖または分岐鎖のアルコキシアルキル基を表し、Y11およびY12は単結合、−COO−基または−O−基より選ばれる結合基を表す〕
  5. 請求項または記載の液晶組成物を使用することを特徴とする液晶素子。
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