JP4191949B2 - アセチレン化合物、液晶組成物および液晶素子 - Google Patents

アセチレン化合物、液晶組成物および液晶素子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なアセチレン化合物に関する。さらに詳しくは液晶表示素子などに用いる液晶組成物の成分として有用な新規なアセチレン化合物、該化合物を含有する液晶組成物および該液晶組成物を使用した液晶素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子は薄型軽量で消費電力が低いため、種々の用途のディスプレイとして使用されている。
【0003】
現在、液晶表示素子としてはTN(ツイステッド・ネマチック)型表示方式がもっとも広汎に使用されている。このTN型表示方式は、応答時間の点において、発光型素子(陰極管、エレクトロルミネッセンス、プラズマディスプレイ等)と比較して劣っている。ねじれ角を180〜270°にしたSTN(スーパー・ツイステッド・ネマチック)型表示素子も開発されているが、応答時間はやはり劣っている。この様に種々の改善の努力が行なわれているが、応答時間の短いTN型表示素子は実現には到っていない。
【0004】
しかしながら、近年、盛んに研究が進められている強誘電性液晶を用いる新しい表示方式においては、著しい応答時間の改善の可能性がある〔N.A.Clarkら; Applied Phys. Lett.,36,899(1980)〕。
【0005】
この方式は強誘電性を示すカイラルスメクチックC相等のカイラルスメクチック相を利用する方法である。強誘電性を示す相はカイラルスメクチックC相のみではなく、カイラルスメクチックF,G,H,I等の相が強誘電性を示す強誘電性液晶相であることが知られている。これらのスメクチック液晶相はチルト系のカイラルスメクチック相に属するものであるが、実用的には、その中で低粘性であり、高速応答性が期待されるカイラルスメクチックC相の利用が検討されている。
【0006】
またカイラルスメクチックC相の高次の相であるカイラルスメクチックCA相(反強誘電性相)を利用した表示方式に関しても近年盛んに研究が行なわれている。〔L.Chandaniら、; Jpn.J.App.Phys.,27.L719(1988)〕
これらチルト系のスメクチック相を示す液晶化合物は、これまでにも種々検討されており、既に数多くの化合物が探索、製造されてきた。しかしながら、実際に使用する強誘電性液晶表示素子に応用する際に求められる数多くの特性(高速応答性、配向性、高いコントラスト比、閾値特性、メモリー安定性、さらにこれらの諸特性の温度依存性等)を最適化するためには、現在のところ、ひとつの化合物では応じられず、いくつかの液晶化合物を混合して得られる強誘電性液晶組成物を使用している。
【0007】
また、チルト系のカイラルスメクチック組成物としては、チルト系カイラルスメクチック液晶相を示す化合物のみからなる液晶組成物ばかりでなく、非カイラルなチルト系スメクチック相を示す化合物または組成物を基本物質として、これらにチルト系カイラルスメクチック相を示す1種または複数の化合物を混合して全体をチルト系カイラルスメクチック液晶組成物として得ることが出来る。さらにチルト系スメクチック相を示す化合物または組成物を基本物質として、光学活性ではあるが、チルト系カイラルスメクチック液晶相を示さない1種または複数の化合物を混合して全体をチルト系カイラルスメクチック液晶組成物とする報告も見受けられる〔Mol.Cryst.Liq.Cryst.,89,327(1982)〕。
【0008】
これらのことをまとめるとチルト系カイラルスメクチック液晶相を示すか否かに係わらず光学活性である化合物の1種または複数と、非カイラルな、チルト系スメクチック液晶相を示す化合物を混合することによりチルト系スメクチック液晶組成物を構成できることが判る。
【0009】
このように液晶組成物の構成成分としては、種々の化合物を使用することが可能であるが、実用的には室温を含む広い温度範囲でチルト系のスメクチック相またはカイラルスメクチック相を呈する液晶化合物もしくは混合物が望ましい。これらの液晶組成物の成分としては、フェニルベンゾエート系液晶化合物、ビフェニル系液晶化合物、フェニルピリミジン系液晶化合物およびエステル系液晶化合物などが知られている。
【0010】
しかし、これらの化合物を構成成分とする液晶組成物も、スメクチック相での層構造(理想的にはブックシェルフ構造)、粘性およびその温度依存性、閾値特性、相溶性等において、まだ充分な特性を備えているとは言いがたい。
【0011】
例えば、チルト系のスメクチック液晶は、応答速度や閾値特性等の液晶応答特性の温度依存性が大きく、そのため、低温域での応答特性が低下するという問題があった。
【0012】
そのために現状では、低温応答特性を改良するために、低温応答特性改良化合物(主に、比較的低分子量かつ分子内での極性が小さな化合物)を1種または複数種液晶組成物に添加している。しかし、低温応答特性改良化合物を添加することにより、液晶組成物のスメクチックA(SA)相からカイラルスメクチックC(SC *)相への相転移温度(SA−SC *相転移温度)が低下したり、液晶表示のコントラストに影響するチルト角(θ)が低下する等の問題が発生している。
【0013】
このように現状では液晶組成物への、低温応答特性改良化合物添加によるSA−SC *相転移温度の低下やチルト角の低下を抑制することが望まれている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、スメクチック液晶素子の実用化のために、スメクチック液晶組成物に配合した際に、低温応答特性を改良しつつ、SA−SC *相転移温度の低下やチルト角の低下を抑制するのに適した化合物および該化合物を含有してなる液晶組成物、該組成物を使用した液晶素子を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行なった結果、ある種のアセチレン化合物を見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は一般式(1)で表されるアセチレン化合物に関するものである。また一般式(1)で表されるアセチレン化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする液晶組成物、該組成物を使用することを特徴とする液晶素子に関するものである。
【0016】
【化11】
Figure 0004191949
【0017】
〔式中、環Aおよび環Bはピリジン−2,5−ジイル基を表し、R1およびR2はそれぞれ独立に炭素数2〜24の直鎖または分岐アルキル基、炭素数2〜24の直鎖または分岐アルコキシアルキル基あるいは炭素数2〜24の直鎖または分岐不飽和アルキル基を表し、該アルキル基、該アルコキシアルキル基および該不飽和アルキル基の一部の水素原子がフッ素原子に置き替わっていても良く、X1およびX3はそれぞれ独立に単結合、−O−、−COO−または−OCO−を表す。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下本発明に関し詳細に説明する。
本発明の一般式(1)で表されるアセチレン化合物において環Aおよび環Bはピリジン−2,5−ジイル基を表す。本発明の一般式(1)で表されるアセチレン化合物の環Aおよび環Bは
【0019】
【化12】
Figure 0004191949
【0020】
もしくは
【0021】
【化13】
Figure 0004191949
【0022】
であり、その構造により以下の3種の構造をとる。
【0023】
【化14】
Figure 0004191949
【0024】
好ましくは、(1−A)である。
【0029】
本発明の一般式(1)で表されるアセチレン化合物においてR1およびR2はそれぞれ独立に炭素数2〜24の直鎖または分岐アルキル基、炭素数2〜24の直鎖または分岐アルコキシアルキル基あるいは炭素数2〜24の直鎖または分岐不飽和アルキル基を表す。また該アルキル基、該アルコキシアルキル基および該不飽和アルキル基の一部の水素原子がフッ素原子に置き替わっていても良い。R1およびR2の好ましい炭素数は4〜18であり、より好ましい炭素数は5〜16である。
【0030】
1およびR2は、好ましくは、炭素数2〜24の直鎖または分岐アルキル基あるいは炭素数2〜24の直鎖または分岐不飽和アルキル基を表す。
【0031】
1およびR2で表される基の具体例としては、例えば、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、n−ヘネイコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基、1−メチルエチル基、1,1−ジメチルエチル基、1−メチルプロピル基、1−エチルプロピル基、1−n−プロピルプロピル基、1−メチルブチル基、1−エチルブチル基、1−n−プロピルブチル基、1−n−ブチルブチル基、1−メチルペンチル基、1−エチルペンチル基、1−n−プロピルペンチル基、1−n−ブチルペンチル基、1−n−ペンチルペンチル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルヘキシル基、1−n−プロピルヘキシル基、1−n−ブチルヘキシル基、1−n−ペンチルヘキシル基、1−n−ヘキシルヘキシル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルヘプチル基、1−n−プロピルヘプチル基、1−n−ブチルヘプチル基、1−n−ペンチルヘプチル基、1−n−ヘプチルヘプチル基、1−メチルオクチル基、1−エチルオクチル基、1−n−プロピルオクチル基、1−n−ブチルオクチル基、1−n−ペンチルオクチル基、1−n−ヘキシルオクチル基、1−n−ヘプチルオクチル基、1−n−オクチルオクチル基、1−メチルノニル基、1−エチルノニル基、1−n−プロピルノニル基、1−n−ブチルノニル基、1−n−ペンチルノニル基、1−n−ヘキシルノニル基、1−n−ヘプチルノニル基、1−n−オクチルノニル基、1−n−ノニルノニル基、1−メチルデシル基、
【0032】
2−メチルプロピル基、2−メチルブチル基、2−エチルブチル基、2−メチルペンチル基、2−エチルペンチル基、2−n−プロピルペンチル基、2−メチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−n−プロピルヘキシル基、2−n−ブチルヘキシル基、2−メチルヘプチル基、2−エチルヘプチル基、2−n−プロピルヘプチル基、2−n−ブチルヘプチル基、2−n−ペンチルヘプチル基、2−メチルオクチル基、2−エチルオクチル基、2−n−プロピルオクチル基、2−n−ブチルオクチル基、2−n−ペンチルオクチル基、2−n−ヘキシルオクチル基、2−メチルノニル基、2−エチルノニル基、2−n−プロピルノニル基、2−n−ブチルノニル基、2−n−ペンチルノニル基、2−n−ヘキシルノニル基、2−n−ヘプチルノニル基、2−メチルデシル基、2,3−ジメチルブチル基、2,3,3−トリメチルブチル基、3−メチルブチル基、3−メチルペンチル基、3−エチルペンチル基、4−メチルペンチル基、4−エチルヘキシル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、2,3,3,4−テトラメチルペンチル基、3−メチルヘキシル基、2,5−ジメチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、3,5,5,−トリメチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、6−メチルヘプチル基、3,7−ジメチルオクチル基、6−メチルオクチル基等のアルキル基、
【0033】
2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、4−メトキシブチル基、5−メトキシペンチル基、6−メトキシヘキシル基、7−メトキシヘプチル基、8−メトキシオクチル基、9−メトキシノニル基、10−メトキシデシル基、エトキシメチル基、2−エトキシエチル基、3−エトキシプロピル基、4−エトキシブチル基、5−エトキシペンチル基、6−エトキシヘキシル基、7−エトキシヘプチル基、8−エトキシオクチル基、9−エトキシノニル基、10−エトキシデシル基、n−プロピルオキシメチル基、2−n−プロピルオキシエチル基、3−n−プロピルオキシプロピル基、4−n−プロピルオキシブチル基、5−n−プロピルオキシペンチル基、6−n−プロピルオキシヘキシル基、7−n−プロピルオキシヘプチル基、8−n−プロピルオキシオクチル基、9−n−プロピルオキシノニル基、10−n−プロピルオキシデシル基、n−ブチルオキシメチル基、2−n−ブチルオキシエチル基、3−n−ブチルオキシプロピル基、4−n−ブチルオキシブチル基、5−n−ブチルオキシペンチル基、6−n−ブチルオキシヘキシル基、7−n−ブチルオキシヘプチル基、8−n−ブチルオキシオクチル基、9−n−ブチルオキシノニル基、10−n−ブチルオキシデシル基、n−ペンチルオキシメチル基、2−n−ペンチルオキシエチル基、3−n−ペンチルオキシプロピル基、4−n−ペンチルオキシブチル基、5−n−ペンチルオキシペンチル基、6−n−ペンチルオキシヘキシル基、7−n−ペンチルオキシヘプチル基、8−n−ペンチルオキシオクチル基、9−n−ペンチルオキシノニル基、10−n−ペンチルオキシデシル基、n−ヘキシルオキシメチル基、2−n−ヘキシルオキシエチル基、3−n−ヘキシルオキシプロピル基、4−n−ヘキシルオキシブチル基、5−n−ヘキシルオキシペンチル基、6−n−ヘキシルオキシヘキシル基、7−n−ヘキシルオキシヘプチル基、8−n−ヘキシルオキシオクチル基、9−n−ヘキシルオキシノニル基、10−n−ヘキシルオキシデシル基、n−ヘプチルオキシメチル基、2−n−ヘプチルオキシエチル基、3−n−ヘプチルオキシプロピル基、4−n−ヘプチルオキシブチル基、5−n−ヘプチルオキシペンチル基、6−n−ヘプチルオキシヘキシル基、7−n−ヘプチルオキシヘプチル基、8−n−ヘプチルオキシオクチル基、9−n−ヘプチルオキシノニル基、10−n−ヘプチルオキシデシル基、
【0034】
オクチルオキシメチル基、2−n−オクチルオキシエチル基、3−n−オクチルオキシプロピル基、4−n−オクチルオキシブチル基、5−n−オクチルオキシペンチル基、6−n−オクチルオキシヘキシル基、7−n−オクチルオキシヘプチル基、8−n−オクチルオキシオクチル基、9−n−オクチルオキシノニル基、10−n−オクチルオキシデシル基、n−ノニルオキシメチル基、2−n−ノニルオキシエチル基、3−n−ノニルオキシプロピル基、4−n−ノニルオキシブチル基、5−n−ノニルオキシペンチル基、6−n−ノニルオキシヘキシル基、7−n−ノニルオキシヘプチル基、8−n−ノニルオキシオクチル基、9−n−ノニルオキシノニル基、10−n−ノニルオキシデシル基、n−デシルオキシメチル基、2−n−デシルオキシエチル基、3−n−デシルオキシプロピル基、4−n−デシルオキシブチル基、5−n−デシルオキシペンチル基、6−n−デシルオキシヘキシル基、7−n−デシルオキシヘプチル基、8−n−デシルオキシオクチル基、9−n−デシルオキシノニル基、10−n−デシルオキシデシル基、2−n−ウンデシルオキシエチル基、4−n−ウンデシルオキシブチル基、6−n−ウンデシルオキシヘキシル基、8−n−ウンデシルオキシオクチル基、10−n−ウンデシルオキシデシル基、2−n−ドデシルオキシエチル基、4−n−ドデシルオキシブチル基、6−n−ドデシルオキシヘキシル基、8−n−ドデシルオキシオクチル基、10−n−ドデシルオキシデシル基、1−メチル−2−メトキシエチル基、1−メチル−2−エトキシエチル基、1−メチル−2−n−プロピルオキシエチル基、1−メチル−2−n−ブチルオキシエチル基、1−メチル−2−n−ペンチルオキシエチル基、1−メチル−2−n−ヘキシルオキシエチル基、1−メチル−2−n−ヘプチルオキシエチル基、1−メチル−2−n−オクチルオキシエチル基、1−メチル−2−n−ノニルオキシエチル基、1−メチル−2−n−デシルオキシエチル基、1−メチル−2−n−ウンデシルオキシエチル基、1−メチル−2−n−ドデシルオキシエチル基、2−メトキシプロピル基、2−2−エトキシプロピル基、2−n−プロピルオキシプロピル基、2−n−ブチルオキシプロピル基、2−n−ペンチルオキシプロピル基、2−n−ヘキシルオキシプロピル基、2−n−ヘプチルオキシプロピル基、2−n−オクチルオキシプロピル基、2−n−ノニルオキシプロピル基、2−n−デシルオキシプロピル基、2−n−ウンデシルオキシプロピル基、2−n−ドデシルオキシプロピル基、
【0035】
1−メチル−3−メトキシプロピル基、1−メチル−3−エトキシプロピル基、1−メチル−3−n−プロピルオキシプロピル基、1−メチル−3−n−ブチルオキシプロピル基、1−メチル−3−n−ペンチルオキシプロピル基、1−メチル−3−n−ヘキシルオキシプロピル基、1−メチル−3−n−ヘプチルオキシプロピル基、1−メチル−3−n−オクチルオキシプロピル基、1−メチル−3−n−ノニルオキシプロピル基、1−メチル−3−n−デシルオキシプロピル基、1−メチル−3−n−ウンデシルオキシプロピル基、1−メチル−3−n−ドデシルオキシプロピル基、3−メトキシブチル基、3−エトキシブチル基、3−n−プロピルオキシブチル基、3−n−ブチルオキシブチル基、3−n−ペンチルオキシブチル基、3−n−ヘキシルオキシブチル基、3−n−ヘプチルオキシブチル基、3−n−オクチルオキシブチル基、3−n−ノニルオキシブチル基、3−n−デシルオキシブチル基、3−n−ウンデシルオキシブチル基、3−n−ドデシルオキシブチル基、イソプロピルオキシメチル基、2−イソプロピルオキシエチル基、3−イソプロピルオキシプロピル基、4−イソプロピルオキシブチル基、5−イソプロピルオキシペンチル基、6−イソプロピルオキシヘキシル基、7−イソプロピルオキシヘプチル基、8−イソプロピルオキシオクチル基、9−イソプロピルオキシノニル基、10−イソプロピルオキシデシル基、イソブチルオキシメチル基、2−イソブチルオキシエチル基、3−イソブチルオキシプロピル基、4−イソブチルオキシブチル基、5−イソブチルオキシペンチル基、6−イソブチルオキシヘキシル基、7−イソブチルオキシヘプチル基、8−イソブチルオキシオクチル基、9−イソブチルオキシノニル基、10−イソブチルオキシデシル基、tert−ブチルオキシメチル基、2−tert−ブチルオキシエチル基、3−tert−ブチルオキシプロピル基、4−tert−ブチルオキシブチル基、5−tert−ブチルオキシペンチル基、6−tert−ブチルオキシヘキシル基、7−tert−ブチルオキシヘプチル基、8−tert−ブチルオキシオクチル基、9−tert−ブチルオキシノニル基、10−tert−ブチルオキシデシル基、
【0036】
(2−エチルブチルオキシ)メチル基、2−(2’−エチルブチルオキシ)エチル基、3−(2’−エチルブチルオキシ)プロピル基、4−(2’−エチルブチルオキシ)ブチル基、5−(2’−エチルブチルオキシ)ペンチル基、6−(2’−エチルブチルオキシ)ヘキシル基、7−(2’−エチルブチルオキシ)ヘプチル基、8−(2’−エチルブチルオキシ)オクチル基、9−(2’−エチルブチルオキシ)ノニル基、10−(2’−エチルブチルオキシ)デシル基、(3−エチルペンチルオキシ)メチル基、2−(3’−エチルペンチルオキシ)エチル基、3−(3’−エチルペンチルオキシ)プロピル基、4−(3’−エチルペンチルオキシ)ブチル基、5−(3’−エチルペンチルオキシ)ペンチル基、6−(3’−エチルペンチルオキシ)ヘキシル基、7−(3’−エチルペンチルオキシ)ヘプチル基、8−(3’−エチルペンチルオキシ)オクチル基、9−(3’−エチルペンチルオキシ)ノニル基、10−(3’−エチルペンチルオキシ)デシル基、6−(1’−メチル−n−ヘプチルオキシ)ヘキシル基、4−(1’−メチル−n−ヘプチルオキシ)ブチル基、2−(2’−メトキシエトキシ)エチル基、2−(2’−エトキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−プロピルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−イソプロピルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−ブチルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−イソブチルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−tert−ブチルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−ペンチルオキシエトキシ)エチル基、2−〔2’−(2”−エチルブチルオキシ)エトキシ〕エチル基、2−(2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)エチル基、2−〔2’−(3”−エチルペンチルオキシ)エトキシ〕エチル基、2−(2’−n−ヘプチルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−オクチルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−ノニルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−デシルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−ウンデシルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−ドデシルオキシエトキシ)エチル基、
【0037】
2−〔2’−(2”−メトキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−エトキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−プロピルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−イソプロピルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−ブチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−イソブチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−tert−ブチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−{2’−〔2”−(2”’−エチルブチルオキシ)エトキシ〕エトキシ}エチル基、2−〔2’−(2”−n−ペンチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−ヘキシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−{2’−〔2”−(3”’−エチルペンチルオキシ)エトキシ〕エトキシ}エチル基、2−〔2’−(2”−n−ヘプチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−オクチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−ノニルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−デシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−ウンデシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−ドデシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−{2’−〔2”−(2”’−メトキシエトキシ)エトキシ〕エトキシ}エチル基、2−{2’−〔2”−(2”’−n−ドデシルオキシエトキシ)エトキシ〕エトキシ}エチル基、2−{2’−{2”−〔2”’−(2−メトキシエトキシ)エトキシ〕エトキシ}エトキシ}エチル基、2−{2’−{2”−{2”’−〔2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ〕エトキシ}エトキシ}エトキシ}エチル基、
【0038】
1−メチル−2−(1’−メチル−2’−メトキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−エトキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−プロピルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−イソプロピルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−ブチルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−イソブチルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−tert−ブチルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−ペンチルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−ヘプチルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−オクチルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−ノニルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−デシルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−ウンデシルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−(1’−メチル−2’−n−ドデシルオキシエトキシ)エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−メトキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−エトキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−プロピルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−イソプロピルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−ブチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−イソブチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−tert−ブチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−ペンチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−ヘキシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−ヘプチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−オクチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−ノニルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−デシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−ウンデシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、1−メチル−2−〔1’−メチル−2’−(1”−メチル−2”−n−ドデシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、
【0039】
2−エトキシエトキシメチル基、2−n−ブチルオキシエトキシメチル基,2−n−ヘキシルオキシエトキシメチル基、3−エトキシプロピルオキシメチル基、3−n−プロピルオキシプロピルオキシメチル基、3−n−ペンチルオキシプロピルオキシメチル基、3−n−ヘキシルオキシプロピルオキシメチル基、2−メトキシ−1−メチルエトキシメチル基、2−エトキシ−1−メチルエトキシメチル基、2−n−ブチルオキシ−1−メチルエトキシメチル基、4−メトキシブチルオキシメチル基、4−エトキシブチルオキシメチル基、4−n−ブチルオキシブチルオキシメチル基、2−(3’−メトキシプロピルオキシ)エチル基、2−(3’−エトキシプロピルオキシ)エチル基、2−(1’−メチル−2’−メトキシエトキシ)エチル基、2−(1’−メチル−2’−エトキシエトキシ)エチル基、2−(1’−メチル−2’−n−ブチルオキシエトキシ)エチル基、2−(4’−メトキシブチルオキシ)エチル基、2−(4’−エトキシブチルオキシ)エチル基、2−〔4’−(2”−エチルブチルオキシ)ブチルオキシ〕エチル基、2−〔4’−(3”−エチルペンチルオキシ)ブチルオキシ〕エチル基、3−(2’−メトキシエトキシ)プロピル基、3−(2’−エトキシエトキシ)プロピル基、3−(2’−n−ペンチルオキシエトキシ)プロピル基、3−(2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)プロピル基、3−(3’−エトキシプロピルオキシ)プロピル基、3−(3’−n−プロピルオキシプロピルオキシ)プロピル基、3−(3’−n−ブチルオキシプロピルオキシ)プロピル基、3−(4’−エトキシブチルオキシ)プロピル基、3−(5’−エトキシペンチルオキシ)プロピル基、4−(2’−メトキシエトキシ)ブチル基、4−(2’−エトキシエトキシ)ブチル基、4−(2’−イソプロピルオキシエトキシ)ブチル基、4−(2’−イソブチルオキシエトキシ)ブチル基、4−(2’−n−ブチルオキシエトキシ)ブチル基、4−(2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)ブチル基、4−(3’−n−プロピルオキシプロピルオキシ)ブチル基、4−(2’−n−プロピルオキシ−1’−メチルエトキシ)ブチル基、4−〔2’−(2”−メトキシエトキシ)エトキシ〕ブチル基、4−〔2’−(2”−n−ブチルオキシエトキシ)エトキシ〕ブチル基、4−〔2’−(2”−n−ヘキシルオキシエトキシ)エトキシ〕ブチル基、5−(2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)ペンチル基、2−[2’−(2”−n−ブチルオキシエトキシ)エトキシ]エチル基、
【0040】
(2−エチルヘキシルオキシ)メチル基、(3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ)メチル基、(3,7−ジメチルオクチルオキシ)メチル基、2−(2’−エチルヘキシルオキシ)エチル基、2−(3’,5’,5’−トリメチルヘキシルオキシ)エチル基、2−(3’,7’−ジメチルオクチルオキシ)エチル基、3−(2’−エチルヘキシルオキシ)プロピル基、3−(3’,5’,5’−トリメチルヘキシルオキシ)プロピル基、3−(3’,7’−ジメチルオクチルオキシ)プロピル基、4−(2’−エチルヘキシルオキシ)ブチル基、4−(3’,5’,5’−トリメチルヘキシルオキシ)ブチル基、4−(3’,7’−ジメチルオクチルオキシ)ブチル基、5−(2’−エチルヘキシルオキシ)ペンチル基、5−(3’,5’,5’−トリメチルヘキシルオキシ)ペンチル基、5−(3’,7’−ジメチルオクチルオキシ)ペンチル基、6−(2’−エチルヘキシルオキシ)ヘキシル基、6−(3’,5’,5’−トリメチルヘキシルオキシ)ヘキシル基、6−(3’,7’−ジメチルオクチルオキシ)ヘキシル基等のアルコキシアルキル基、
【0041】
2−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、2−ヘプテニル基、3−ヘプテニル基、4−ヘプテニル基、5−ヘプテニル基、6−ヘプテニル基、2−オクテニル基、3−オクテニル基、4−オクテニル基、5−オクテニル基、6−オクテニル基、7−オクテニル基、2−ノネニル基、3−ノネニル基、4−ノネニル基、5−ノネニル基、6−ノネニル基、7−ノネニル基、8−ノネニル基、2−デセニル基,3−デセニル基、4−デセニル基、5−デセニル基、6−デセニル基、7−デセニル基、8−デセニル基、9−デセニル基、3,7−ジメチル−6−オクテニル基、3,7−ジメチルオクテン−2,6−ジイル基、1−エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、1−ペンチニル基、1−ヘキシル基、1−へプチニル基、1−オクチニル基、1−ノニイル基、1−デシル基、1−ウンデシニル基、1−ドデシニル基等の不飽和アルキル基を挙げることができる。
【0042】
さらに、例えば、2−フルオロ−n−プロピル基、3−フルオロ−n−プロピル基、1,3−ジフルオロ−n−プロピル基、2,3−ジフルオロ−n−プロピル基、2−フルオロ−n−ブチル基、3−フルオロ−n−ブチル基、4−フルオロ−n−ブチル基、3−フルオロ−2−メチルプロピル基、2,3−ジフルオロ−n−ブチル基、2,4−ジフルオロ−n−ブチル基、3,4−ジフルオロ−n−ブチル基、2−フルオロ−n−ペンチル基、3−フルオロ−n−ペンチル基、5−フルオロ−n−ペンチル基、2,4−ジフルオロ−n−ペンチル基、2,5−ジフルオロ−n−ペンチル基、2−フルオロ−3−メチルブチル基、2−フルオロ−n−ヘキシル基、3−フルオロ−n−ヘキシル基、4−フルオロ−n−ヘキシル基、5−フルオロ−n−ヘキシル基、6−フルオロ−n−ヘキシル基、2−フルオロ−n−ヘプチル基、4−フルオロ−n−ヘプチル基、5−フルオロ−n−ヘプチル基、2−フルオロ−n−オクチル基、3−フルオロ−n−オクチル基、6−フルオロ−n−オクチル基、4−フルオロ−n−ノニル基、7−フルオロ−n−ノニル基、3−フルオロ−n−デシル基、6−フルオロ−n−デシル基、4−フルオロ−n−ドデシル基、8−フルオロ−n−ドデシル基、5−フルオロ−n−テトラデシル基、9−フルオロ−n−テトラデシル基、2−クロロエチル基、3−クロロ−n−プロピル基、2−クロロ−n−ブチル基、4−クロロ−n−ブチル基、2−クロロ−n−ペンチル基、5−クロロ−n−ペンチル基、5−クロロ−n−ヘキシル基、4−クロロ−n−ヘプチル基、6−クロロ−n−オクチル基、7−クロロ−n−ノニル基、3−クロロ−n−デシル基、8−クロロ−n−ドデシル基、
【0043】
n−パーフルオロプロピル基、n−パーフルオロブチル基、n−パーフルオロペンチル基、n−パーフルオロヘキシル基、n−パーフルオロヘプチル基、n−パーフルオロオクチル基、n−パーフルオロノニル基、n−パーフルオロデシル基、n−パーフルオロウンデシル基、n−パーフルオロドデシル基、n−パーフルオロテトラデシル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロプロピル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロブチル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロペンチル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロヘキシル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロヘプチル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロオクチル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロノニル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロデシル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロウンデシル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロドデシル基、1−ヒドロ−n−パーフルオロテトラデシル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロプロピル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロブチル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロペンチル基、1,1−ジヒドロ−3−ペンタフルオロエチルパーフルオロペンチル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロヘキシル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロヘプチル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロオクチル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロノニル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロデシル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロウンデシル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロドデシル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロテトラデシル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロペンタデシル基、1,1−ジヒドロ−n−パーフルオロヘキサデシル基、1,1,3−トリヒドロ−n−パーフルオロプロピル基、1,1,3−トリヒドロ−n−パーフルオロブチル基、1,1,4−トリヒドロ−n−パーフルオロブチル基、1,1,4−トリヒドロ−n−パーフルオロペンチル基、1,1,5−トリヒドロ−n−パーフルオロペンチル基、1,1,3−トリヒドロ−n−パーフルオロヘキシル基、1,1,6−トリヒドロ−n−パーフルオロヘキシル基、1,1,5−トリヒドロ−n−パーフルオロヘプチル基、1,1,7−トリヒドロ−n−パーフルオロヘプチル基、1,1,8−トリヒドロ−n−パーフルオロオクチル基、1,1,9−トリヒドロ−n−パーフルオロノニル基、1,1,11−トリヒドロ−n−パーフルオロウンデシル基、
【0044】
2−(パーフルオロエチル)エチル基、2−(n−パーフルオロプロピル)エチル基、2−(n−パーフルオロブチル)エチル基、2−(n−パーフルオロペンチル)エチル基、2−(n−パーフルオロヘキシル)エチル基、2−(n−パーフルオロヘプチル)エチル基、2−(n−パーフルオロオクチル)エチル基、2−(n−パーフルオロデシル)エチル基、2−(n−パーフルオロノニル)エチル基、2−(n−パーフルオロドデシル)エチル基、2−(パーフルオロ−9’−メチルデシル)エチル基、2−トリフルオロメチルプロピル基、3−(n−パーフルオロプロピル)プロピル基、3−(n−パーフルオロブチル)プロピル基、3−(n−パーフルオロヘキシル)プロピル基、3−(n−パーフルオロヘプチル)プロピル基、3−(n−パーフルオロオクチル)プロピル基、3−(n−パーフルオロデシル)プロピル基、3−(n−パーフルオロドデシル)プロピル基、4−(パーフルオロエチル)ブチル基、4−(n−パーフルオロプロピル)ブチル基、4−(n−パーフルオロブチル)ブチル基、4−(n−パーフルオロペンチル)ブチル基、4−(n−パーフルオロヘキシル)ブチル基、4−(n−パーフルオロヘプチル)ブチル基、4−(n−パーフルオロオクチル)ブチル基、4−(n−パーフルオロデシル)ブチル基、4−(パーフルオロイソプロピル)ブチル基、5−(n−パーフルオロプロピル)ペンチル基、5−(n−パーフルオロブチル)ペンチル基、5−(n−パーフルオロペンチル)ペンチル基、5−(n−パーフルオロヘキシル)ペンチル基、5−(n−パーフルオロヘプチル)ペンチル基、5−(n−パーフルオロオクチル)ペンチル基、6−(パーフルオロエチル)ヘキシル基、6−(n−パーフルオロプロピル)ヘキシル基、6−(n−パーフルオロブチル)ヘキシル基、6−(n−パーフルオロヘキシル)ヘキシル基、6−(n−パーフルオロヘプチル)ヘキシル基、6−(n−パーフルオロオクチル)ヘキシル基、6−(パーフルオロイソプロピル)ヘキシル基、6−(パーフルオロ−7’−メチルオクチル)ヘキシル基、7−(パーフルオロエチル)ヘプチル基、7−(n−パーフルオロプロピル)ヘプチル基、7−(n−パーフルオロブチル)ヘプチル基、7−(n−パーフルオロペンチル)ヘプチル基等のハロゲン原子で置換されたアルキル基、
【0045】
2−(2’−トリフルオロメチルプロピルオキシ)エチル基、4−(2’−トリフルオロメチルプロピルオキシ)ブチル基、6−(2’−トリフルオロメチルプロピルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−トリフルオロメチルプロピルオキシ)オクチル基、2−(2’−トリフルオロメチルブチルオキシ)エチル基、4−(2’−トリフルオロメチルブチルオキシ)ブチル基、6−(2’−トリフルオロメチルブチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−トリフルオロメチルブチルオキシ)オクチル基、2−(2’−トリフルオロメチルヘプチルオキシ)エチル基、4−(2’−トリフルオロメチルヘプチルオキシ)ブチル基、6−(2’−トリフルオロメチルヘプチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−トリフルオロメチルヘプチルオキシ)オクチル基、2−(2’−フルオロエチルオキシ)エチル基、4−(2’−フルオロエチルオキシ)ブチル基、6−(2’−フルオロエチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−フルオロエチルオキシ)オクチル基、2−(2’−フルオロ−n−プロピルオキシ)エチル基、4−(2’−フルオロ−n−プロピルオキシ)ブチル基、6−(2’−フルオロ−n−プロピルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−フルオロ−n−プロピルオキシ)オクチル基、2−(3’−フルオロ−n−プロピルオキシ)エチル基、4−(3’−フルオロ−n−プロピルオキシ)ブチル基、6−(3’−フルオロ−n−プロピルオキシ)ヘキシル基、8−(3’−フルオロ−n−プロピルオキシ)オクチル基、2−(3’−フルオロ−2’−メチルプロピルオキシ)エチル基、4−(3’−フルオロ−2’−メチルプロピルオキシ)ブチル基、6−(3’−フルオロ−2’−メチルプロピルオキシ)ヘキシル基、8−(3’−フルオロ−2’−メチルプロピルオキシ)オクチル基、2−(2’,3’−ジフルオロ−n−プロピルオキシ)エチル基、4−(2’,3’−ジフルオロ−n−プロピルオキシ)ブチル基、6−(2’,3’−ジフルオロ−n−プロピルオキシ)ヘキシル基、8−(2’,3’−ジフルオロ−n−プロピルオキシ)オクチル基、2−(2’−フルオロ−n−ブチルオキシ)エチル基、4−(2’−フルオロ−n−ブチルオキシ)ブチル基、6−(2’−フルオロ−n−ブチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−フルオロ−n−ブチルオキシ)オクチル基、
【0046】
2−(3’−フルオロ−n−ブチルオキシ)エチル基、4−(3’−フルオロ−n−ブチルオキシ)ブチル基、6−(3’−フルオロ−n−ブチルオキシ)ヘキシル基、8−(3’−フルオロ−n−ブチルオキシ)オクチル基、2−(4’−フルオロ−n−ブチルオキシ)エチル基、4−(4’−フルオロ−n−ブチルオキシ)ブチル基、6−(4’−フルオロ−n−ブチルオキシ)ヘキシル基、8−(4’−フルオロ−n−ブチルオキシ)オクチル基、2−(2’,3’−ジフルオロ−n−ブチルオキシ)エチル基、4−(2’,3’−ジフルオロ−n−ブチルオキシ)ブチル基、6−(2’,3’−ジフルオロ−n−ブチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’,3’−ジフルオロ−n−ブチルオキシ)オクチル基、パーフルオロ(2−n−ヘキシルオキシエチル)基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ(2−メトキシエチル)基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ(3−n−プロピルオキシプロピル)基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ(2−エトキシエチル)基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ(2−n−ペンチルオキシエチル)基、2−(2’−n−パーフルオロブチルオキシエトキシ)エチル基、3−(n−パーフルオロブチルオキシ)−3,3−ジフルオロエチル基、4−(1,1,7−トリヒドロ−n−パーフルオロヘプチルオキシ)ブチル基、2−(n−パーフルオロプロピルオキシ)−2−トリフルオロメチル−2−フルオロエチル基、2−(2’−トリクロロメチルプロピルオキシ)エチル基、4−(2’−トリクロロメチルプロピルオキシ)ブチル基、6−(2’−トリクロロメチルプロピルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−トリクロロメチルプロピルオキシ)オクチル基、2−(2’−トリクロロメチルブチルオキシ)エチル基、4−(2’−トリクロロメチルブチルオキシ)ブチル基、6−(2’−トリクロロメチルブチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−トリクロロメチルブチルオキシ)オクチル基、2−(2’−トリクロロメチルヘプチルオキシ)エチル基、4−(2’−トリクロロメチルヘプチルオキシ)ブチル基、6−(2’−トリクロロメチルヘプチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−トリクロロメチルヘプチルオキシ)オクチル基、2−(2’−クロロエトキシ)エチル基、4−(2’ークロロエトキシ)ブチル基、6−(2’−クロロエトキシ)ヘキシル基、8−(2’−クロロエトキシ)オクチル基、
【0047】
2−(2’−クロロ−n−プロピルオキシ)エチル基、4−(2’−クロロ−n−プロピルオキシ)ブチル基、6−(2’−クロロ−n−プロピルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−クロロ−n−プロピルオキシ)オクチル基、2−(3’−クロロ−n−プロピルオキシ)エチル基、4−(3’−クロロ−n−プロピルオキシ)ブチル基、6−(3’−クロロ−n−プロピルオキシ)ヘキシル基、8−(3’−クロロ−n−プロピルオキシ)オクチル基、2−(3’−クロロ−2’−メチルプロピルオキシ)エチル基、4−(3’−クロロ−2’−メチルプロピルオキシ)ブチル基、6−(3’−クロロ−2’−メチルプロピルオキシ)ヘキシル基、8−(3’−クロロ−2’−メチルプロピルオキシ)オクチル基、2−(2’,3’−ジクロロ−n−プロピルオキシ)エチル基、4−(2’,3’−ジクロロ−n−プロピルオキシ)ブチル基、6−(2’,3’−ジクロロ−n−プロピルオキシ)ヘキシル基、8−(2’,3’−ジクロロ−n−プロピルオキシ)オクチル基、2−(2’−クロロ−n−ブチルオキシ)エチル基、4−(2’−クロロ−n−ブチルオキシ)ブチル基、6−(2’−クロロ−n−ブチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−クロロ−n−ブチルオキシ)オクチル基、2−(3’−クロロ−n−ブチルオキシ)エチル基、4−(3’−クロロ−n−ブチルオキシ)ブチル基、6−(3’−クロロ−n−ブチルオキシ)ヘキシル基、8−(3’−クロロ−n−ブチルオキシ)オクチル基、2−(4’−クロロ−n−ブチルオキシ)エチル基、4−(4’−クロロ−n−ブチルオキシ)ブチル基、6−(4’−クロロ−n−ブチルオキシ)ヘキシル基、8−(4’−クロロ−n−ブチルオキシ)オクチル基、2−(2’,3’−ジクロロ−n−ブチルオキシ)エチル基、4−(2’,3’−ジクロロ−n−ブチルオキシ)ブチル基、6−(2’,3’−ジクロロ−n−ブチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’,3’−ジクロロ−n−ブチルオキシ)オクチル基等のハロゲン原子で置換されたアルコキシアルキル基、3−n−パーフルオロプロピル−2−プロペニル基、3−n−パーフルオロブチル−2−プロペニル基、3−n−パーフルオロペンチル−2−プロペニル基、3−n−パーフルオロヘキシル−2−プロペニル基、3−n−パーフルオロヘプチル−2−プロペニル基、3−n−パーフルオロオクチル−2−プロペニル基等のハロゲン原子で置換された不飽和アルキル基を挙げることができる。
【0048】
1およびR2は不斉炭素を有していてもよく、該不斉炭素は光学活性であってもよく、また非光学活性であってもよい。
【0049】
1およびX3はそれぞれ独立に単結合、−O−、−COO−または−OCO−を表し、好ましくは、−O−、−COO−または−OCO−で、より好ましくは、−O−または−COO−である。
【0051】
本発明の一般式(1)で表されるアセチレン化合物の具体例としては、以下の表−1に示すような化合物を挙げることができる。尚、表中X1、X3における「−」は単結合を表し、Citro、HCitro、Citro’、HCitro’およびGeraは以下の基を表す。
【0052】
Citro (CH32C=CH(CH22CH(CH3)CH2CH2
HCitro (CH32CH(CH23CH(CH3)CH2CH2
Citro’ (CH32C=CH(CH22CH(CH3)CH2
HCitro’ (CH32CH(CH23CH(CH3)CH2
Gera (CH32C=CH(CH22C(CH3)=CHCH2
【0058】
【表1】
Figure 0004191949
【0060】
【表3】
Figure 0004191949
【0062】
【表5】
Figure 0004191949
【0066】
本発明の一般式(1)で表されるアセチレン化合物は、例えば、以下に表す工程により製造することができる。
【0067】
−アセチレン化合物の製造−
【0068】
【化20】
Figure 0004191949
【0069】
一般式(5)で表されるピリジン化合物(Xは臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子またはトリフルオロメタンスルホニルオキシ基等の脱離基を表す)と、一般式(6)で表されるアセチレン化合物をパラジウム触媒〔例えば、パラジウム/炭素、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム〕、ヨウ化銅、トリフェニルホスフィンおよび塩基(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン等の有機塩基)の存在下、室温もしくは室温以上の温度で反応させることにより一般式(1−A)で表されるアセチレン化合物を製造することができる。
【0070】
尚、一般式(6)で表されるアセチレン化合物は、一般式(7)で表されるハロゲン化ピリジン誘導体(X'は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子を表す)と一般式(8)で表される3−メチル−1−ブチン−3−オールをパラジウム触媒〔例えば、パラジウム/炭素、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム〕、ヨウ化銅、トリフェニルホスフィンおよび塩基(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン等の有機塩基)の存在下、室温もしくは室温以上の温度で反応させることにより一般式(9)で表されるアセチレン化合物を製造することができ、一般式(9)で表されるアセチレン化合物を塩基(例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム)の存在下、室温以上の温度で反応させることにより製造できる。
【0071】
また保護基を使用して、以下に表す工程により同様に一般式(1)で表される化合物を製造することができる。
【0072】
【化21】
Figure 0004191949
【0073】
例えば、一般式(5)で表されるピリジン化合物(Xは臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子またはトリフルオロメタンスルホニルオキシ基等の脱離基を表す)と、一般式(6')で表されるアセチレン化合物(R'はメチル基やエチル基等の低級アルキル基を表す)をパラジウム触媒〔例えば、パラジウム/炭素、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム〕、ヨウ化銅、トリフェニルホスフィンおよび塩基(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン等の有機塩基)の存在下、室温もしくは室温以上の温度で反応させることにより一般式(1−A')で表されるアセチレン化合物を得る。次に一般式(1−A')で表される化合物を塩基性または酸性条件下で加水分解し、その後酸性条件にすることで一般式(10)で表される含アセチレンカルボン酸化合物を得る。さらに、一般式(10)で表される含アセチレンカルボン酸化合物と一般式(11)で表されるアルコール化合物を反応させることにより、一般式(1)において、環Aおよび環Bが
【0074】
【化22】
Figure 0004191949
【0075】
で、 が−COO−である一般式(1−A'')で表されるアセチレン化合物を製造することができる。
【0076】
尚、一般式(10)で表される含アセチレンカルボン酸化合物と一般式(11)で表されるアルコール化合物の反応は、▲1▼一般式(10)で表される含アセチレンカルボン酸化合物をチオニルクロライド、オギザリルクロライド等のハロゲン化剤により含アセチレンカルボン酸ハロゲン化物とし、その後、一般式(11)で表されるアルコール化合物と塩基(例えば、トリエチルアミン、ピリジン)の存在下反応させる方法、▲2▼一般式(10)で表される含アセチレンカルボン酸化合物と一般式(11)で表されるアルコール化合物をN,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド(以下、DCCと略記する)等の脱水縮合剤と触媒(例えば、4−N,N−ジメチルアミノピリジン、4−ピロリジノピリジン)の存在下脱水縮合させる方法、▲3▼一般式(10)で表される含アセチレンカルボン酸化合物と一般式(11)で表されるアルコール化合物をジエチルアゾジカルボン酸(以下、DEADと略記する)およびトリフェニルホスフィンの存在下に反応させる方法、により実施することができる。
【0081】
本発明の一般式(1)で表されるアセチレン化合物にはそれ自体で液晶性を示す化合物および液晶性を示さない化合物がある。また液晶性を示す化合物にはスメクチックC相(以下、Sc相と略記する)を示す化合物とSc相を示さない化合物がある。Sc相を示す化合物にはR1もしくはR2の光学活性不斉炭素の有無によりカイラルスメクチックC相(以下、Sc*相と略記する)を示す化合物とSc相は示すがSc*相を示さない化合物がある。これらの化合物は、それぞれ液晶組成物の構成成分として有効に使用することができる。
【0082】
次に、本発明の液晶組成物について説明する。液晶組成物は、一般に2種以上の成分からなるが、本発明の液晶組成物は、必須成分として、本発明のアセチレン化合物を少なくとも1種含有するものである。本発明の液晶組成物としては、好ましくは、カイラルスメクチックC、F、G、H、I等の相を示す液晶組成物が挙げられ、より好ましくは、Sc* 相を示す液晶組成物である。本発明のSc* 相を示す液晶組成物は、本発明のアセチレン化合物、本発明のアセチレン化合物以外のカイラルまたは非カイラルスメクチックC相(以下、Sc* 相またはSc相と略記する)を示す液晶化合物および光学活性化合物から選ばれる化合物を複数組み合わせることにより調製される組成物であり、本発明のアセチレン化合物を少なくとも一種含有する。
【0083】
本発明のアセチレン化合物以外のSc*相を示す液晶化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、光学活性フェニルベンゾエート系液晶化合物、光学活性ビフェニルベンゾエート系液晶化合物、光学活性ナフタレン系液晶化合物、光学活性フェニルナフタレン系液晶化合物、光学活性トラン系液晶化合物、光学活性フェニルピリミジン系液晶化合物、光学活性ナフチルピリミジン系液晶化合物、光学活性テトラリン系液晶化合物を挙げることができる。本発明のアセチレン化合物以外のSc相を示す液晶化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、非光学活性フェニルベンゾエート系液晶化合物、非光学活性ビフェニルベンゾエート系液晶化合物、非光学活性ナフタレン系液晶化合物、非光学活性フェニルナフタレン系液晶化合物、非光学活性トラン系液晶化合物、非行学活性フェニルピリミジン系液晶化合物、非光学活性ナフチルピリミジン系液晶化合物、非光学活性テトラリン系液晶化合物を挙げることができる。本発明のアセチレン化合物以外のSc*相またはSc相を示す化合物の具体例としては、例えば、下記の一般式(2)〜(4)で表される化合物を挙げることができる。
【0084】
【化24】
Figure 0004191949
【0085】
〔式中、R21、R22、R3132、R41およびR42はそれぞれ独立に、光学活性な不斉炭素を有していてもよい炭素数3〜24の直鎖または分岐アルキル基、炭素数3〜24の直鎖または分岐アルコキシアルキル基あるいは炭素数3〜24の直鎖または分岐不飽和アルキル基を表し、X21、X22、X31、X32、X41およびX42はそれぞれ独立に、単結合、−O−または−COO−を表す〕
一般式(2)、(3)および(4)で表される化合物において、R21、R22、R3132、R41およびR42はそれぞれ独立に、光学活性な不斉炭素を有していてもよい炭素数3〜24の直鎖または分岐アルキル基、炭素数3〜24の直鎖または分岐アルコキシアルキル基あるいは炭素数3〜24の直鎖または分岐不飽和アルキル基を表し、好ましくは、光学活性な不斉炭素を有していてもよい炭素数3〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基、光学活性な不斉炭素を有していてもよい炭素数3〜20の直鎖または分岐鎖のアルコキシアルキル基を表す。R21、R22、R3132、R41およびR42の具体例としては、例えば、一般式(1)で表されるアセチレン化合物のR1およびR2の具体例として挙げたハロゲン原子で置換されていない直鎖または分岐アルキル基、アルコキシアルキル基、不飽和アルキル基を挙げることができる。
【0086】
一般式(2)、(3)および(4)で表される化合物において、X21、X22、X31、X32、X41およびX42はそれぞれ独立に、単結合、−O−または−COO−を表す。X21およびX31は好ましくは、−COO−基または−O−基を表し、X41は好ましくは、単結合または−O−基を表し、X22、X32、およびX42は好ましくは、−COO−基または−O−基を表す。
【0087】
一般式(2)および(4)で表される化合物は、例えば、特開昭62−10045号公報または特開昭63−233932号公報に記載の方法に従い製造することができる。一般式(3)で表される化合物は、例えば、特開昭60−32748号公報に記載の操作に従い製造することができる。
【0088】
また、光学活性化合物とは、それ自体では液晶性を示さないが、Sc相を示す液晶化合物、または、Sc相を示す液晶組成物と混合することにより、Sc* 相を発現する能力を有する化合物を示す。本発明の光学活性化合物以外の光学活性化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、光学活性フェニルベンゾエート系非液晶化合物、光学活性ビフェニルベンゾエート系非液晶化合物、光学活性ナフタレン系非液晶化合物、光学活性フェニルナフタレン系非液晶化合物、光学活性トラン系非液晶化合物、光学活性フェニルピリミジン系非液晶化合物、光学活性ナフチルピリミジン系非液晶化合物、光学活性テトラリン系非液晶化合物を挙げることができる。
【0089】
また、本発明の液晶組成物には、上記の必須成分の他に、任意成分としてSc相を示さないネマチック液晶化合物、本発明の光学活性化合物以外の液晶性を示さない化合物(例えば、アントラキノン系色素、アゾ系色素等の2色性色素、および導電性付与剤、寿命向上剤等)を含有していてもよい。本発明の液晶組成物中、本発明のアセチレン化合物の含有量は特に限定されるものではないが、通常、1〜90重量%であり、好ましくは、1〜60重量%である。
【0090】
本発明のアセチレン化合物を少なくとも1種含有するする液晶組成物は、従来の液晶組成物と比較して液晶温度領域およびチルト角で優れている。
【0091】
次に、本発明の液晶素子に関して説明する。本発明の液晶素子は、本発明の液晶組成物を1対の電極基板間に配置してなる。(図1)は強誘電性を利用した液晶素子の構成を説明するためのカイラルスメクチック相を有する液晶素子の一例を示す断面概略図である。液晶素子は、それぞれ透明電極3および絶縁性配向制御層4を設けた1対の基板2間にカイラルスメクチック相を示す液晶層1を配置し、かつ、その層厚をスペーサー5で設定してなるものであり、1対の透明電極3間にリード線6を介して電源7より電圧を印加可能なように接続する。また、1対の基板2は、1対のクロスニコル状態に配置された偏光板8により挟持され、その一方の外側には光源9が配置される。基板2の材質としては、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラス等のガラスおよびポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート等の透明性高分子が挙げられる。2枚の基板2に設けられる透明電極3としては、例えば、In23 、SnO2またはITO(インジウム・チン・オキサイド;Indium Tin Oxide)の薄膜からなる透明電極が挙げられる。
【0092】
絶縁性配向制御層4は、ポリイミド等の高分子の薄膜をナイロン、アセテート、レーヨン等の植毛布等でラビングし、液晶を配向させるためのものである。絶縁性配向制御層4の材質としては、例えば、シリコン窒化物、水素を含有するシリコン窒化物、シリコン炭化物、水素を含有するシリコン炭化物、シリコン酸化物、ホウ素窒化物、水素を含有するホウ素窒化物、セリウム酸化物、アルミニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、チタン酸化物やフッ化マグネシウムなどの無機物質絶縁層、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリパラキシレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリスチレン、セルロース樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アクリル樹脂などの有機絶縁層が挙げられ、無機絶縁層の上に有機絶縁層を形成した2層構造の絶縁性配向制御層であってもよく、無機絶縁層または有機絶縁層のみからなる絶縁性配向制御層であってもよい。
【0093】
絶縁性配向制御層が無機絶縁層である場合には、蒸着法などで形成することができる。また、有機絶縁層である場合には、有機絶縁層材料または、その前駆体の溶液をスピンナー塗布法、浸透塗布法、スクリーン印刷法、スプレー塗布法、ロール塗布法等で塗布し、所定の条件下(例えば、加熱下)で溶媒を除去し、所望により焼成させて形成することができる。なお、有機絶縁層を形成する際に、必要に応じ、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤等を使用して表面処理を行い、その後、有機絶縁層材料または、その前駆体を塗布してもよい。絶縁性配向制御層4の層厚は、通常、10オングストローム〜1μm、好ましくは、10〜3000オングストローム、さらに好ましくは、10〜1000オングストロームである。
【0094】
2枚の基板2は、スペーサー5により任意の間隔に保たれている。例えば、所定の直径を持つシリカビーズ、アルミナビーズをスペーサーとして基板2で挟み、2枚の基板2の周囲をシール剤(例えば、エポキシ系接着剤)を用いて密封することにより、任意の間隔に保つことができる。また、スペーサーとして高分子フィルムやガラスファイバーを使用してもよい。この2枚の基板の間にカイラルスメクチック相を示す液晶を封入する。液晶層1は、一般的には0.5〜20μm、好ましくは、1〜5μm、より好ましくは、1〜3μmの厚さに設定する。透明電極3はリード線によって外部の電源7に接続されている。また、基板2の外側には、互いの偏光軸を、例えば、クロスニコル状態とした1対の偏光板8が配置されている。(図1)の例は透過型であり、光源9を備えている。また、本発明の液晶組成物を使用した液晶素子は、(図1)に示した透過型の素子としてだけではなく、反射型の素子としても応用可能である。
【0095】
本発明の液晶組成物を使用する液晶素子の表示方式に関しては、特に限定されるものではないが、例えば、(a)ヘリカル変歪型、(b)SSFLC(サーフェス・スタビライズド・フェロエレクトリック・リキッド・クリスタル)型、(c)TSM(トランジェント・スキャッタリング・モード)型、(d)G−H(ゲスト−ホスト)型、(e)フィールドシーケンシャルカラー型の表示方式を使用することができる。
【0096】
本発明の液晶組成物を使用する液晶素子の駆動方法は、セグメント型、単純マトリックス型等のパッシブ駆動型であってもよく、TFT(薄膜トランジスタ)型、MIM(メタル−インスレーター−メタル)型等のアクティブ駆動型であってもよい。また、本発明のアセチレン化合物および該化合物を含有してなる液晶組成物は、表示用液晶素子以外の分野(例えば、▲1▼非線形光機能素子、▲2▼コンデンサー材料等のエレクトロニクス材料、▲3▼リミッター、メモリー、増幅器、変調器などのエレクトロニクス素子、▲4▼熱、光、圧力、機械変形などと電圧の変換素子やセンサー、▲5▼熱電発電素子等の発電素子、▲6▼空間光変調素子、▲7▼光導電性材料)への応用が可能である。
【0097】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。尚、実施例中および表中の記号I、SA、Sc*およびC は以下の意味を表す。
I:等方性液体
A:スメクチックA相
Sc*:カイラルスメクチックC相
C:結晶相
また、各実施例中の測定は以下に示す方法に従い行った。
・相転移温度:温度制御装置を備えた偏光顕微鏡を用いて測定した。
・チルト角:液晶素子に±20V、1Hzの矩形波を印加し、偏光顕微鏡下で、目視により2点の消光位の角度(2θ)を求め、これより算出(2θ/2)した。この値が22.5°の場合、強誘電性液晶のスイッチングによる明暗コントラストが最良となる。
【0098】
製造例1:2−n−ノニルオキシ−5−アミノピリジンの製造
ヘキサン50mlで洗浄した水素化ナトリウム(60重量%ミネラルオイル懸濁液)7.59g(189.8mmol)にN,N−ジメチルホルムアミド80g加え、1−ヒドロキシノナン23.73g(164.8mmol)を10分かけて滴下し80℃まで昇温し、発泡が終わるまで3時間加熱攪拌した。その後室温まで冷却してそこにN,N−ジメチルホルムアミド120gに溶解した2−クロロ−5−ニトロピリジン24.98g(157.6mmol)を滴下漏斗で1.5時間かけて滴下した。再び80℃まで加熱し3時間加熱攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、不溶物をろ別し、ろ液にトルエンおよび水を添加し水洗した。トルエン層を硫酸マグネシウムで脱水して減圧下にトルエンを留去しシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、2−n−ノニルオキシ−5−ニトロピリジンを橙色固体として23.57g得た。
次に2−n−ノニルオキシ−5−ニトロピリジン23.57g、5%Pd/カーボン(50重量%含水)2.35gおよびエタノール75gよりなる混合物に水素雰囲気下室温で5時間攪拌した。その後5%Pd/カーボンをろ別し、ろ液より減圧下にエタノールを留去して、2−n−ノニルオキシ−5−アミノピリジンを褐色結晶として20.27g得た。
【0099】
製造例2:2−n−ノニルオキシ−5−ヨードピリジンの製造
2−n−ノニルオキシ−5−アミノピリジン19.81g(76.7mmol)と36%塩酸水24.10g(237.7mmol)からなる混合物に、氷冷下で30gの水に溶解した亜硝酸ナトリウム5.48g(79.4mmol)を滴下漏斗で30分間かけて滴下した。氷冷下3時間撹拌した後、50gの水に溶解したヨウ化カリウム39.49g(219.8mmol)を氷冷下、滴下した。滴下終了後室温まで昇温し4時間撹拌した。その後ヘキサン300mlを加え30分攪拌し、有機成分を抽出した。水洗後、ヘキサン層を硫酸マグネシウムで脱水して減圧下にヘキサンを留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、2−n−ノニルオキシ−5−ヨードピリジンを褐色液体として12.10g得た。
【0100】
製造例3:6−クロロニコチン酸エチルエステルの製造
6−クロロニコチン酸 19.47g(123.6mmol)、塩化チオニル22.17g(186.3mmol)およびトルエン100gからなる混合物を60℃まで加熱した後、N,N−ジメチルホルムアミドを1滴添加し60℃で6時間加熱攪拌した。その後、室温まで冷却し、減圧下に過剰の塩化チオニルおよびトルエンを留去した。その後、エタノール 26.41g(574.1mmol)、トルエン50gを加え、混合液を氷浴で冷却し、トリエチルアミン−トルエン溶液(12.48g:トリエチルアミン、20g:トルエン)を20分かけて滴下した。滴下後室温まで昇温し、2時間攪拌の後、不溶物をろ別した。ろ液を水洗、トルエン層を硫酸マグネシウムで脱水し、減圧下にトルエンを留去して、6−クロロニコチン酸エチルエステルを褐色液体として20.38g得た。
【0101】
製造例4:6−(3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチニル)ニコチン酸エチルエステルの製造
6−クロロニコチン酸エチルエステル16.00g(86.2mmol)、3−メチル−1−ブチン−3−オール8.73g(103.8mmol)、トリフェニルホスフィン0.569g(2.17mmol)、ヨウ化銅0.081g(0.43mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.302g(0.43mmol)およびトリエチルアミン40gからなる混合物を窒素雰囲気下60℃まで加熱し、1時間熟成させた後70℃まで温度を上昇した。70℃で17時間攪拌した後、室温まで冷却した。その後不溶物をろ過、不溶物をトルエン100mlで洗浄し、ろ液よりトリエチルアミンおよびトルエンを減圧下に留去した。次にトルエン、蒸留水をそれぞれ100ml加え分液、水洗し、硫酸マグネシウムで脱水して減圧下にトルエンを留去し、6−(3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチニル)ニコチン酸エチルエステルを褐色油状物として21.42g得た。
【0102】
製造例5:6−エチニルニコチン酸エチルエステルの製造
6−(3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチニル)ニコチン酸エチルエステル21.25g(91.2mmol)、水酸化カリウム1.71g(30.5mmol)およびトルエン140gからなる混合物を窒素雰囲気下、トルエン還流温度で10時間加熱撹拌した後、室温まで冷却した。次に不溶物をろ別した後、ろ液から減圧下にトルエンを留去した。その後シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、6−エチニルニコチン酸エチルエステルを褐色結晶として5.25g得た。
【0103】
製造例6:6−〔(2’−n−ノニルオキシ−5’−ピリジニル)エチニル〕ニコチン酸エチルエステルの製造
2−n−ノニルオキシ−5−ヨードピリジン5.20g(15.0mmol)、6−エチニルニコチン酸エチルエステル2.63g(15.0mmol)、トリフェニルホスフィン0.197g(0.75mmol)、ヨウ化銅0.053g(0.28mmol)ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.199g(0,28mmol)およびトリエチルアミン55gからなる混合物を窒素雰囲気下60℃で2時間加熱攪拌し、室温まで冷却した。その後不溶物をろ過し、不溶物をトルエン200mlで洗浄した後、ろ液から減圧下にトリエチルアミンおよびトルエンを留去した。次にトルエンと蒸留水を加え水洗し、トルエン層を硫酸マグネシウムで脱水した後、減圧下にトルエンを留去した。その後シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、6−〔(2’−n−ノニルオキシ−5’−ピリジニル)エチニル〕ニコチン酸エチルエステルを黄色結晶として5.92g得た。
【0104】
製造例7:6−〔(2’−n−ノニルオキシ−5’−ピリジニル)エチニル〕ニコチン酸の製造
6−〔(2’−n−ノニルオキシ−5’−ピリジニル)エチニル〕ニコチン酸エチルエステル5.55g(14.1mmol)、水酸化カリウム3.80g(57.6mmol)、エタノール20gおよび蒸留水20gよりなる混合物をエタノール還流温度で3.5時間加熱攪拌、室温まで冷却し、36重量%塩酸水溶液10.0gを30分かけて滴下した。その後1時間室温で攪拌し、析出物をろ過し、水洗した。析出物を酢酸エチル1lに溶解し、水洗の後、酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで脱水して減圧下に酢酸エチルを留去した。残査にヘキサン20mlを添加し、固形物をろ取することで6−〔(2’−n−ノニルオキシ−5’−ピリジニル)エチニル〕ニコチン酸を淡褐色固体として2.41g得た。
【0105】
実施例1:例示化合物5の製造
6−〔(2’−n−ノニルオキシ−5’−ピリジニル)エチニル〕ニコチン酸364mg、n−デカノール193mg、DCC0.258g、4−N,N−ジメチルアミノピリジン0.069gおよびジクロロメタン8gからなる混合物を室温で2時間撹拌した後、トルエンを添加、不溶物をろ別した後、ろ液から減圧下にトルエンを留去した。その後シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、得られた固体をメタノール/エタノールで2回再結晶をして例示化合物5を淡黄色結晶として132mg得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。
Figure 0004191949
【0106】
実施例2:例示化合物6の製造
6−〔(2’−n−ノニルオキシ−5’−ピリジニル)エチニル〕ニコチン酸366mg、n−ノナンオール200mg、DCC0.256g、4−N,N−ジメチルアミノピリジン0.066gおよびジクロロメタン7gからなる混合物を室温で2時間撹拌した後、トルエンを添加、不溶物をろ別した後、ろ液から減圧下にトルエンを留去した。その後シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、得られた固体をメタノール/エタノールで2回再結晶をして例示化合物6を淡黄色結晶として166mg得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。
Figure 0004191949
【0107】
参考例1:液晶組成物の調整
下記化合物群を、下記に示した割合で混合し、100℃で加熱溶融し、液晶組成物(強誘電性液晶)を調整した。
【0108】
【化25】
Figure 0004191949
【0109】
実施例3:液晶組成物の調整
参考例1で調整した液晶組成物に実施例1で製造した例示化合物5を15重量%添加して液晶組成物を調整した。
【0110】
参考例2:液晶組成物の調整
参考例1で調整した液晶組成物に下記化合物を15重量%添加して液晶組成物を調整した。
【0111】
【化26】
Figure 0004191949
【0112】
実施例4:液晶素子の作製
2枚の1.1mm厚のガラス板を用意し、それぞれのガラス板上に、ITO膜を形成し、さらに表面処理を行った。このITO膜付きのガラス板に絶縁性配向制御層(住友ベークライト社製CRD−8616)をスピンコートし、成膜後、90℃で5分間、200℃で30分間焼成した。この配向膜にラビング処理を行い、平均粒径1.9μmのシリカビーズを一方のガラス板上に散布した。その後、それぞれのラビング処理軸が互いに反平行となるよう、シール剤を用いてガラス板を張り合わせセルを作製した。このセルを120℃に加熱し、加熱(120℃)した実施例3で調製した液晶組成物を注入し、その後、10℃/分の速度で室温まで冷却し、液晶素子を作製した。この液晶素子をクロスニコル状態に配置した2枚の偏光板に挟持し、±20V、10Hzの矩形波を印加したところ、明瞭なスイッチング現象が観察された。また、偏光顕微鏡観察では良好な均一配向状態が観察され、ジグザグ欠陥等の配向欠陥は観察されなかった。尚、この液晶素子のSA−SC *相転移温度およびチルト角を表−2にまとめた。
【0113】
比較例1:参考例2で調整した組成物を実施例4と同様の操作により作製したセルを120℃に加熱し、加熱(120℃)した該液晶組成物を注入し、その後、10℃/分の速度で室温まで冷却し、液晶素子を作製した。この液晶素子をクロスニコル状態に配置した2枚の偏光板に挟持し、±20V、10Hzの矩形波を印加したところ、明瞭なスイッチング現象が観察された。また、偏光顕微鏡観察では良好な均一配向状態が観察され、ジグザグ欠陥等の配向欠陥は観察されなかった。尚、この液晶素子のSA−SC *相転移温度およびチルト角を表−2にまとめた。
【0114】
【表9】
Figure 0004191949
【0115】
表−2に示した実施例4と比較例1との比較により本発明のアセチレン化合物を液晶組成物の構成成分として使用することによりSA−SC *相転移温度を大きく向上させていることが可能になることが判る。さらにチルト角も大きく拡大することが可能になることが判る。
【0116】
【発明の効果】
本発明により液晶組成物の構成成分として有用なアセチレン化合物を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】カイラルスメクチック相を示す液晶を用いた液晶素子の一例の断面概略図である。
【符号の説明】
1 :カイラルスメクチック相を有する液晶層
2 :基板
3 :透明電極
4 :絶縁性配向制御層
5 :スペーサー
6 :リード線
7 :電源
8 :偏光板
9 :光源
O :入射光
I :透過光

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表されるアセチレン化合物。
    Figure 0004191949
    〔式中、環Aおよび環Bはピリジン−2,5−ジイル基を表し、R1およびR2はそれぞれ独立に炭素数2〜24の直鎖または分岐アルキル基、炭素数2〜24の直鎖または分岐アルコキシアルキル基あるいは炭素数2〜24の直鎖または分岐不飽和アルキル基を表し、該アルキル基、該アルコキシアルキル基および該不飽和アルキル基の一部の水素原子がフッ素原子に置き替わっていても良く、X1およびX3はそれぞれ独立に単結合、−O−、−COO−または−OCO−を表す。
  2. 一般式(1)において環Aが
    Figure 0004191949
    であり環Bが
    Figure 0004191949
    で表される請求項1記載のアセチレン化合物。
  3. 一般式(1)において環Aが
    Figure 0004191949
    であり環Bが
    Figure 0004191949
    で表される請求項1記載のアセチレン化合物。
  4. 一般式(1)において環Aが
    Figure 0004191949
    であり環Bが
    Figure 0004191949
    で表される請求項1記載のアセチレン化合物。
  5. 一般式(1)において環Aが
    Figure 0004191949
    であり環Bが
    Figure 0004191949
    で表される請求項1記載のアセチレン化合物。
  6. 請求項1記載のアセチレン化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする液晶組成物。
  7. 請求項1記載のアセチレン化合物を少なくとも1種と、下記一般式(2)、(3)および(4)で表される化合物の少なくとも1種とを含有することを特徴とする請求項6記載の液晶組成物。
    Figure 0004191949
    〔式中、R21、R22、R3132、R41およびR42はそれぞれ独立に、光学活性な不斉炭素を有していてもよい炭素数3〜24の直鎖または分岐アルキル基、炭素数3〜24の直鎖または分岐アルコキシアルキル基あるいは炭素数3〜24の直鎖または分岐不飽和アルキル基を表し、X21、X22、X31、X32、X41およびX42はそれぞれ独立に、単結合、−O−または−COO−を表す〕
  8. 請求項6または7記載の液晶組成物を使用することを特徴とする液晶素子。
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